(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105492
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】車両用サンバイザ
(51)【国際特許分類】
B60J 3/02 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
B60J3/02 H
B60J3/02 A
B60J3/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006351
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】599041329
【氏名又は名称】共和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩元
(57)【要約】
【課題】芯材同士が離れることを抑制する構造を備えた車両用サンバイザを提供する。
【解決手段】車両用サンバイザ1は、相互に重ねられる板状の第1と第2の芯材2a,2bを具備するバイザ本体2を有する。バイザ本体2内にクリップケース4が設けられる。クリップケース4は、バイザ本体2を回動可能に支持する。クリップケース4にクリップ3が装着される。クリップ3は、支軸6に対してバイザ本体2を使用位置Pから格納位置Kへ付勢する。第1の芯材2aは、クリップケース4を挿入位置と固定位置の間でスライド可能に支持するレール機構5を有する。第2の芯材2bは、レール機構5のスペースに入り込むことで固定位置にあるクリップケース4が挿入位置に戻ることを規制するブロック部2hを有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用サンバイザであって、
相互に重ねられる板状の第1と第2の芯材を具備するバイザ本体と、
前記バイザ本体内に設けられて前記バイザ本体を回動可能に支持する支軸が挿入されるクリップケースと、
前記クリップケースに装着されて前記支軸に対して前記バイザ本体を使用位置から格納位置へ付勢するクリップを有し、
前記第1の芯材は、前記クリップケースを挿入位置と固定位置の間でスライド可能に支持するレール機構を有し、
前記第2の芯材は、前記レール機構のスペースに入り込むことで前記固定位置にある前記クリップケースが前記挿入位置に戻ることを規制するブロック部を有する、車両用サンバイザ。
【請求項2】
請求項1に記載された車両用サンバイザであって、
前記第1の芯材と第2の芯材の両芯材のいずれか1つは、外周縁に沿って設けられた外周リブと、前記外周リブの内側において前記外周リブに沿って設けられた内周リブを有し、
前記両芯材のいずれか他の1つは、前記外周リブと前記内周リブの間にはめ込まれる係合リブを有する、車両用サンバイザ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された車両用サンバイザであって、
前記クリップケースは、ケース本体と、前記ケース本体から上方に延出して前記支軸が挿入される左右のアーム部を有し、
前記レール機構は、前記左右のアーム部を左右方向に案内する上レールと、前記ケース本体を案内する下レールを有し、
前記第1の芯材は、前記固定位置にある前記クリップケースの前記左右のアームの間において前記第2の芯材のつめ部と嵌合する嵌合部を有する、車両用サンバイザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サンバイザに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の車両用サンバイザは、板状のバイザ本体と、支軸(シャフト部材)を備えている。支軸は、L字状であって、バイザ本体の上縁に沿う主軸と、主軸の端部から延出して自動車の天井壁等に取付ける取付軸を有する。バイザ本体の上縁には、支軸の主軸の延長線上にサポート軸が設けられる。サポート軸がフックに取付けられ、バイザ本体が支軸の主軸とサポート軸を中心に回転し、バイザ本体が使用位置と格納位置との間で回転する。バイザ本体内には、バイザ本体を格納位置に向けて付勢するクリップ(ばね部材)が装着されている。支軸とクリップは、2枚の芯材に挟持されるサポート部材に装着されることでバイザ本体に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらバイザ本体を使用位置と格納位置との間で回転させると、支軸およびサポート部材を中心にバイザ本体が捩じれる方向に力を受ける。これにより芯材同士が離れてしまう懸念があった。そのため、例えば表皮レスバイザーに不向きな傾向にある。そこで、芯材同士が離れることを抑制する構造を備えた車両用サンバイザが従来必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの特徴によると、車両用サンバイザは、相互に重ねられる板状の第1と第2の芯材を具備するバイザ本体を有する。バイザ本体内にクリップケースが設けられる。クリップケースは、バイザ本体を回動可能に支持する。クリップケースにクリップが装着される。クリップは、支軸に対してバイザ本体を使用位置から格納位置へ付勢する。第1の芯材は、クリップケースを挿入位置と固定位置の間でスライド可能に支持するレール機構を有する。第2の芯材は、レール機構のスペースに入り込むことで固定位置にあるクリップケースが挿入位置に戻ることを規制するブロック部を有する。
【0006】
したがって、クリップケースは、第1の芯材に設けられたレール機構に沿ってスライドするように取り付けられる。すなわち、クリップ及びクリップケースは、一方の芯材に保持される。そのためバイザ本体が回動する方向に受ける力に対して、第1の芯材と第2の芯材が離れ難くなり、強度を確保できる。さらに第1の芯材と第2の芯材を重ね合わせることで、固定位置にあるクリップケースが、挿入位置に戻らないようにブロック部によって規制される。そのため容易または簡易な構造においてクリップケースの位置ずれを防ぐことができる。
【0007】
本開示の他の1つの特徴によると、第1の芯材と第2の芯材の両芯材のいずれか1つは、外周リブと内周リブを有する。外周リブは外周縁に沿って設けられる。内周リブは、外周リブの内側において外周リブに沿って設けられる。両芯材のいずれか他の1つは、外周リブと内周リブの間にはめ込まれる係合リブを有する。したがって、第1の芯材と第2の芯材は、周縁においてリブ係合により重ね合わされている。このように芯材の周縁をリブ形状とすることにより、芯材の強度の確保と軽量化を図ることができる。
【0008】
本開示の他の1つの特徴によると、クリップケースは、ケース本体と、ケース本体から上方に延出して支軸が挿入される左右のアーム部を有する。レール機構は、左右のアーム部を左右方向に案内する上レールと、ケース本体を案内する下レールを有する。第1の芯材は、固定位置にあるクリップケースの左右のアーム部の間において第2の芯材のつめ部と嵌合する嵌合部を有する。したがって、第1の芯材と第2の芯材は、レール機構の上レールと下レールにおいてつめ嵌合によって係合される。これにより、バイザ本体のクリップを装着する部位において、クリップケースの固定と、芯材の嵌合の両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】車両天井に取付けられたサンバイザと車両内部の一部の斜視図である。
【
図2】バイザ本体の第1と第2の芯材の内面を示す斜視図である。
【
図4】クリップとクリップケースが装着された第1の芯材の斜視図である。
【
図6】固定位置のクリップケース周辺の第1の芯材の拡大正面図である。
【
図8】第1と第2の芯材のつめ嵌合部近傍の断面図である。
【
図9】重ね合わされた第1と第2の芯材のつめ嵌合部近傍の断面図である。
【
図10】支軸とクリップが装着されたクリップケースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一つの実施形態について図面を用いて説明する。車両用サンバイザ1は、
図1に示すように、車室内においてフロントガラス20の上辺に隣接する天井面21に装着される。サンバイザ1は、板状のバイザ本体2と支軸6とを備える。支軸6は、バイザ本体2を回動可能に支持する。
図2,3に示すようにバイザ本体2内にクリップケース4とクリップ3が設けられる。クリップ3がクリップケース4に装着され、クリップケース4がバイザ本体2の上辺に沿って位置する。
【0011】
図1に示すように、支軸6は、略L字状の棒であって、横軸6aと縦軸6bを有する。横軸6aは長軸状でかつ直線状であり、バイザ本体2の上辺に回動可能に挿入される。縦軸6bは、横軸6aの先端から上方に、横軸6aに対して略直交して延出する。縦軸6bの先端がブラケット10に回動可能に装着される。ブラケット10は、天井面21に取付けられる。
【0012】
図1,2に示すようにバイザ本体2には上辺左側に凹部2mが形成される。凹部2mは、バイザ本体2の上辺から下辺に向かって凹んでいる。凹部2mにサポート軸7が配設される。サポート軸7は、凹部2mにおける左右の側面に架かるように、後述する第1の芯材2aと一体に形成されている。
【0013】
図1,2に示すようにサポート軸7は、天井面21に固定されたフック23に取り外し可能に保持される。サポート軸7がフック23に取付けられることで、サポート軸7と横軸6aを軸中心としてバイザ本体2がフロントガラス20に沿う使用位置Pと天井面21に沿う格納位置Kとの間で回動する。またサポート軸7をフック23から取り外すことで、バイザ本体2は縦軸6b回りに回動可能となる。これによりバイザ本体2はフロントガラス20に沿う使用位置Pと、サイドガラス22に沿うサイド位置Sとの間で回動する。
【0014】
図2に示すようにバイザ本体2は、中空板状であって、厚さ方向に重ねられた第1の芯材2aと第2の芯材2bを備える。第1の芯材2aは、
図1の使用状態において乗員側に位置する。第2の芯材2bは、使用状態においてフロントガラス20側に位置する。
図2の状態は、バイザ本体2を表裏反転させ、第2の芯材2bを第1の芯材2aに対して開いた状態である。したがって
図2の左右方向は、
図1の左右方向と反転している。
【0015】
図2に示すように第1の芯材2aは、外周縁に沿って外周リブ2cと内周リブ2dを有している。内周リブ2dは、外周リブ2cより内側に設けられている。外周リブ2cと内周リブ2dは、例えば後述するレール機構5を避けるようにして、第1の芯材2aの外周および凹部2mの全周に亘って設けられている。サポート軸7の両端部は、外周リブ2cと内周リブ2dに亘って延出している。
【0016】
図2を参照するように第2の芯材2bは、外周縁に沿って係合リブ2eを有している。係合リブ2eは、第2の芯材2bの外周および凹部2mの全周に亘って設けられている。第1の芯材2aの外周リブ2cと内周リブ2dの間に、係合リブ2eがはめ込まれることにより、第1の芯材2aと第2の芯材2bが重ね合わされる。また係合リブ2eは、例えば所定間隔で第2の芯材2bの外周全縁および凹部2mの全周に点在する構成としても良い。
【0017】
図1に示すようにバイザ本体2にミラーユニット8が設けられる。第1の芯材2aの表面には、バイザ本体2の内部に向かって凹んだ矩形状のミラー収容部8bが形成される。ミラー収容部8bには、矩形状のミラー枠8aが嵌め込まれる(
図2参照)。ミラー枠8aの表側に蓋8cが開閉可能に装着される。
【0018】
図2に示すようにバイザ本体2内側には、クリップ3を収納したクリップケース4が装着される。クリップ3は、一体状の板ばねを曲げ加工することで形成され、支軸6の周方向を3点で支持する(
図10参照)。クリップ3を収納したクリップケース4には、支軸6が挿入される。クリップ3は、支軸6に対してバイザ本体2を使用位置Pから格納位置Kへ付勢する。
【0019】
図4,6に示すようにクリップケース4は、ケース本体4aと、ケース本体4aから上方に延出した左右のアーム部4b,4cを有する。クリップケース4は、例えば樹脂で形成される。両アーム部4b,4cの先端は、略円筒状である。両アーム部4b,4cの先端には係合部4dが設けられる。両アーム部4b,4cには、支軸6が挿入される断面略円形の孔4eが形成される。ケース本体4aの底面には、後述する下レール5bに弾性的に当たって摩擦抵抗を与える弾性片4fと、左右方向に沿って延びる溝4gが形成される。弾性片4fは、正面視で円弧状を呈する。底面の左右両端部には、ケース本体4aから下方に突出した脚部4hが形成される。
【0020】
図3,4に示すように第1の芯材2aは、クリップケース4を挿入位置と固定位置の間でスライド可能に支持するレール機構5を有している。レール機構5は、略長方形状であり、クリップケース4の左右のアーム部4b,4cを左右方向に案内する上レール5aと、ケース本体4aを案内する下レール5bを有する。レール機構5は、支軸6が挿入される孔5gがそれぞれ設けられた、第1の左片5cと第1の右片5dを有する。第1の左片5cと第1の右片5dは、上レール5aと下レール5bの左右両端をそれぞれ連結する。
【0021】
図5,7に示すようにレール機構5の下レール5bは、上方に突出した複数(例えば2つ)の凸部5fを有する。凸部5fは、固定位置にあるクリップケース4の脚部4hに対応して位置する。すなわち挿入位置におけるクリップケース4の脚部4hと干渉しないように配設される。凸部5fは、ケース本体4aの底面における溝4gと係合する。これによりバイザ本体2を回動させるときに、クリップケース4の厚さ方向におけるがたつきを抑制できる。かくしてクリップケース4をバイザ本体2と一体的に回動させることができる。
【0022】
図5,7に示すように第1の芯材2aは、上レール5aから延出した嵌合部2fを有する。嵌合部2fは、固定位置にあるクリップケース4の左右のアーム部4b,4cの間において第2の芯材2bのつめ部2gと嵌合する(
図8,9参照)。嵌合部2fは、
図4に示すように、クリップケース4を挿入位置に載置するときに、左右のアーム部4b,4cと干渉しないように部分的に切欠きを有している。なお、嵌合部2fは、外周リブに相当する外壁と内周リブに相当する内壁を備える。つめ部2gは、嵌合部2fの外壁と内壁の間に嵌合する係合リブの役割も担う。
【0023】
図2に示すように第2の芯材2bは、略角筒状のブロック部2hを有する。ブロック部2hは、レール機構5のスペースに入り込むことで固定位置にあるクリップケース4が挿入位置に戻ることを規制する(
図6参照)。第2の芯材2bは、支軸6が挿入される孔2kがそれぞれ設けられた第2の左片2iと第2の右片2jを有する。第2の右片2jは、ブロック部2hから延出している。第1の芯材2aと第2の芯材2bを重ね合わせると、第1の左片5cと第2の左片2iが隣接し、かつ第1の右片5dと第2の右片2jが隣接する。
【0024】
図2,4に示すように第1の芯材2aは、第1縦リブ2pと第2縦リブ2qを有する。第1縦リブ2pは、板面の中央に設けられたミラー枠8aと、下レール5bから下方向に直線状に延びてミラー枠8aの上壁に連結される。第1縦リブ2pは、下レール5bとミラー枠8aの上壁の間において、下レール5bの一端から他端に亘って複数本配設されている。第2縦リブ2qは、ミラー枠8aの下壁から下方向に直線状に延びて第1の芯材2aの内周リブ2dに連結される。第2縦リブ2qは、ミラー枠8aの下壁と内周リブ2dの間において複数本配設されている。第2の芯材2bは、第1縦リブ2pと係合する第3縦リブ2rを有する。第1縦リブ2pと第3縦リブ2rが係合することにより、バイザ本体2の厚さに対応した補強リブとして機能する。
【0025】
図2を参照するようにクリップケース4を第1の芯材2aに組付ける場合には、レール機構5の挿入位置にクリップケース4を載置する。次に、クリップケース4をレール機構5に沿って第1の左片5c側に向かってスライドさせて、固定位置に載置する(
図6参照)。固定位置においては、クリップケース4の係合部4dと上レール5aに設けられた溝5eが係合する。また、クリップケース4の底面の溝4gと下レール5bの凸部5fが係合する(
図7参照)。
【0026】
図2を参照するようにクリップケース4が装着された第1の芯材2aに、第2の芯材2bを重ね合わせる。クリップケース4の左右のアーム部4b,4cの間において、第1の芯材2aの嵌合部2fと第2の芯材2bのつめ部2gが嵌合する(
図9参照)。第2の芯材2bのブロック部2hが、レール機構5の第1の右片5d側におけるスペースに入り込む(
図6参照)。これにより、クリップケース4が挿入位置に戻らないよう規制される。クリップケース4の左右両側において、第1の左片5cと第2の左片2iが隣接し、かつ第1の右片5dと第2の右片2jが隣接する。
【0027】
第1の芯材2aと第2の芯材2bが重ね合わされたバイザ本体2に、支軸6が挿入される。支軸6は、第2の左片2iの孔2k、第1の左片5cの孔5g、クリップケース4の左右のアーム部4b,4cの孔4eとクリップ3の開口部、第2の右片2jの孔2k、第1の右片5dの孔5gに挿通される。
【0028】
上述するように、
図2に示すバイザ本体2は、相互に重ねられる板状の第1と第2の芯材2a,2bを具備する。バイザ本体2内にクリップケース4が設けられる。クリップケース4は、バイザ本体2を回動可能に支持する。クリップケース4にクリップ3が装着される。クリップ3は、支軸6に対してバイザ本体2を使用位置Pから格納位置Kへ付勢する。第1の芯材2aは、クリップケース4を挿入位置と固定位置の間でスライド可能に支持するレール機構5を有する。第2の芯材2bは、レール機構5のスペースに入り込むことで固定位置にあるクリップケース4が挿入位置に戻ることを規制するブロック部2hを有する。
【0029】
したがってクリップケース4は、第1の芯材2aに設けられたレール機構5に沿ってスライドするように取り付けられる。すなわち、クリップ3及びクリップケース4は、一方の芯材、第1の芯材2aに保持される。そのためバイザ本体2が回動する方向に受ける力に対して、第1の芯材2aと第2の芯材2bが離れるような力がバイザ本体2に加わることが避けられる。かくして第1の芯材2aと第2の芯材2bの接合強度を確保できる。さらに第1の芯材2aと第2の芯材2bを重ね合わせることで、固定位置にあるクリップケース4が、挿入位置に戻らないようにブロック部2hによって規制される。そのため容易または簡易な構造においてクリップケース4の位置ずれを防ぐことができる。
【0030】
図4,6に示すようにクリップケース4は、ケース本体4aと、ケース本体4aから上方に延出して支軸6が挿入される左右のアーム部4b,4cを有する。レール機構5は、左右のアーム部4b,4cを左右方向に案内する上レール5aと、ケース本体4aを案内する下レール5bを有する。第1の芯材2aは、固定位置にあるクリップケース4の左右のアーム部4b,4cの間において第2の芯材2bのつめ部2gと嵌合する嵌合部2fを有する。したがって、第1の芯材2aと第2の芯材2bは、レール機構5の上レール5aと下レール5bにおいてつめ嵌合によって係合される。これにより、バイザ本体2のクリップ3を装着する部位において、クリップケース4の固定と、芯材2a,2bの嵌合の両立を図ることができる。
【0031】
図2に示すように第1の芯材2aは、外周リブ2cと内周リブ2dを有する。外周リブ2cは外周縁に沿って設けられる。内周リブ2dは、外周リブ2cの内側において外周リブ2cに沿って設けられる。第2の芯材2bは、外周リブ2cと内周リブ2dの間にはめ込まれる係合リブ2eを有する。したがって、第1の芯材2aと第2の芯材2bは、周縁においてリブ係合により重ね合わされている。このように芯材の周縁をリブ形状とすることにより、芯材の強度の確保と軽量化を図ることができる。
【0032】
図5,7に示すようにレール機構5の下レール5bは、ケース本体4aの底面における溝4gと係合する凸部5fを有する。これにより、バイザ本体2を回動させるときに、クリップケース4の厚さ方向におけるがたつきを抑制できる。よって、クリップケース4をバイザ本体2と一体的に回動させることができる。
【0033】
バイザ本体2は、クリップケース4が装着されたレール機構5の上レール5a側において、第1の芯材2aの嵌合部2fと、第2の芯材2bのつめ部2gが嵌合する。これにより、第1の芯材2aと第2の芯材2bを重ね合わせると共に、クリップケース4をバイザ本体2内に固定することができる。(
図9参照)。
【0034】
クリップ3を固定するためのクリップケース4をバイザ本体2の芯材と別体にすることにより、芯材の簡素化を図ることができる。また、バイザ本体2の上辺にクリップ3を組み付けるための開口部を設ける必要がない。よって、バイザ本体2の上辺における強度確保を図ることができる。
【0035】
図2,4に示すように、第1縦リブ2pは、下レール5bとミラー枠8aの上壁の間に、下レール5bの一端から他端に亘って複数本配設されている。第1縦リブ2pは、第3縦リブ2rと係合する。第2縦リブ2qは、ミラー枠8aの下壁と内周リブ2dの間に複数本配設されている。バイザ本体2は、第1縦リブ2pと第3縦リブ2r、ミラー枠8aの左右の側壁、第2縦リブ2qが、バイザ本体2の上辺から下辺に亘って配設されている。これにより、バイザ本体2が回動する方向への力に対して剛性を高めることができる。
【0036】
第1の芯材2aと第2の芯材2bは、周縁においてリブ係合により重ね合わされている。このように芯材の周縁をリブ形状とすることにより、芯材の強度の確保と軽量化を図ることができる。また、芯材にヒケが発生し難く、表皮レスバイザーにも好適である。
【0037】
本開示は、上述した実施形態で説明した外観、構成に限定されず、要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
【0038】
バイザ本体2は、両芯材のいずれか1つに、外周リブ2cと内周リブ2dを設け、両芯材のいずれか他の1つに係合リブ2eを設けた構成としても良い。例えば、クリップケース4を装着する第1の芯材2aに係合リブ2eを設け、第2の芯材2bに外周リブ2cと内周リブ2dを設けても良い。
【0039】
バイザ本体2は、第1の芯材2aの内周リブ2dと第2の芯材2bの係合リブ2eの両リブのいずれか一方には、取付孔が形成され、両リブの他方に取付孔に嵌合するつめを有する構成としても良い。例えば、内周リブ2dに複数の取付孔が形成され、係合リブ2eに取付孔と嵌合するつめが形成された構成としても良い。これにより、バイザ本体2の両芯材がより強固に係合される。
【0040】
図2に示すサポート軸7は、第1の芯材2aと一体に形成されている。これに代えて、バイザ本体2の芯材に別体となったサポート軸を装着した構成としても良い。
【0041】
サンバイザ1は、表皮レスバイザーに限られず、バイザ本体2を表皮で覆う構成としても良い。
【符号の説明】
【0042】
1 車両用サンバイザ
2 バイザ本体
2a 第1の芯材
2b 第2の芯材
2c 外周リブ
2d 内周リブ
2e 係合リブ
2f 嵌合部
2g つめ部
2h ブロック部
3 クリップ
4 クリップケース
4a ケース本体
4b,4c アーム部
5 レール機構
5a 上レール
5b 下レール
6 支軸
7 サポート軸
8 ミラーユニット