(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105552
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】端末制御プログラム、端末装置、及びリール情報管理システム
(51)【国際特許分類】
A01K 89/017 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
A01K89/017
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006453
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】狩野 秀太
(72)【発明者】
【氏名】長沢 博也
(72)【発明者】
【氏名】三屋 幸久
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108GA24
2B108GA26
2B108GA29
(57)【要約】
【課題】本発明は、ユーザ自身が簡易な操作によって、魚釣用電動リールのリール制御プログラム及びリール情報を管理することを可能とする端末制御プログラム等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る端末制御プログラムは、端末装置に、ユーザの操作に応じて送信された第1要求に応じて、魚釣用電動リールから自動的に送信された機種情報とバージョン情報とを受信するステップと、機種情報によって示される機種の魚釣用電動リールの最新のバージョンのリール制御プログラムを記憶するステップと、受信したバージョン情報によって示されるバージョンが最新バージョンと一致しない場合、最新のバージョンのリール制御プログラムを魚釣用電動リールに送信するステップと、リール情報を設定もしくは表示するための画面を、最新のバージョンのリール制御プログラムに対応する画面に変更するステップと、を実行させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リールに関するリール情報を設定もしくは表示するための画面を表示可能な端末装置の端末制御プログラムであって、前記端末装置に、
ユーザの操作に応じて、前記魚釣用電動リールの機種を示す機種情報と前記魚釣用電動リールの前記リール制御プログラムのバージョンを示すバージョン情報の送信を要求する第1要求を、前記魚釣用電動リールに送信するステップと、
前記第1要求に応じて前記魚釣用電動リールから自動的に送信された前記機種情報及び前記バージョン情報を受信するステップと、
前記機種情報によって示される機種の前記魚釣用電動リールの最新のバージョンの前記リール制御プログラムを記憶するステップと、
受信した前記バージョン情報によって示されるバージョンが、前記最新バージョンと一致しない場合、最新のバージョンの前記リール制御プログラムを前記魚釣用電動リールに送信するステップと、
前記リール情報を設定もしくは表示するための前記画面を、最新のバージョンの前記リール制御プログラムに対応する画面に変更するステップと、
を実行させるための端末制御プログラム。
【請求項2】
前記端末装置は、前記魚釣用電動リールの機種ごとに最新のバージョンの前記リール制御プログラムを記憶するサーバ装置と通信可能であり、
前記端末装置に、
前記機種情報が受信された場合、前記サーバ装置に、前記機種情報によって示される機種の前記リール制御プログラムの最新のバージョンを示す最新バージョン情報の送信を要求する第2要求を送信するステップと、
前記第2要求に応じて前記サーバ装置から自動的に送信された前記最新バージョン情報を受信するステップと、
を実行させ、
最新のバージョンの前記リール制御プログラムを前記魚釣用電動リールに送信するステップにおいて、前記端末装置に、
受信した前記バージョン情報が、受信した前記最新バージョン情報と一致しない場合、前記サーバ装置に、前記機種情報によって示される機種の前記魚釣用電動リールの最新のバージョンの前記リール制御プログラムの送信を要求する第3要求を送信するステップと、
前記第3要求に応じて前記サーバ装置から自動的に送信された最新バージョンの前記リール制御プログラムを受信するステップと、
受信した最新のバージョンの前記リール制御プログラムを前記魚釣用電動リールに送信するステップと、を実行させる、請求項1に記載の端末制御プログラム。
【請求項3】
リール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リールに関するリール情報を設定もしくは表示するための画面を表示可能な端末装置であって、
前記魚釣用電動リールに情報を送信する端末送信部と、前記魚釣用電動リールからの情報を受信する端末受信部と、記憶処理部と、表示処理部とを備え、
前記端末送信部は、ユーザの操作に応じて、前記魚釣用電動リールの機種を示す機種情報と前記魚釣用電動リールの前記リール制御プログラムのバージョンを示すバージョン情報の送信を要求する第1要求を、前記魚釣用電動リールに送信し、
前記端末受信部は、前記第1要求に応じて前記魚釣用電動リールから自動的に送信された前記機種情報及び前記バージョン情報を受信し、
前記記憶処理部は、前記機種情報によって示される機種の前記魚釣用電動リールの最新のバージョンの前記リール制御プログラムを記憶し、
前記端末送信部は、受信した前記バージョン情報によって示されるバージョンが、前記最新バージョンと一致しない場合、最新のバージョンの前記リール制御プログラムを前記魚釣用電動リールに送信し、
前記表示処理部は、前記リール情報を設定もしくは表示するための前記画面を、最新のバージョンの前記リール制御プログラムに対応する画面に変更する
ことを特徴とする端末装置。
【請求項4】
リール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リールと、前記魚釣用電動リールに関するリール情報を設定もしくは表示するための画面を表示可能な端末装置とを有するリール情報管理システムであって、
前記魚釣用電動リールは、前記魚釣用電動リールの機種を示す機種情報と、前記リール制御プログラムと、前記リール制御プログラムのバージョンを示すバージョン情報とを記憶するリール記憶部と、前記端末装置からの要求情報を受信するリール受信部と、前記端末装置に情報を送信するリール送信部と、設定部と、を備え、
前記端末装置は、前記魚釣用電動リールに情報を送信する端末送信部と、前記魚釣用電動リールからの情報を受信する端末受信部と、記憶処理部と、表示処理部とを備え、
前記端末送信部は、ユーザの操作に応じて、前記機種情報及び前記バージョン情報の送信を要求する第1要求を、前記魚釣用電動リールに送信し、
前記リール受信部は、前記端末装置から送信された前記第1要求を受信し、
前記リール送信部は、前記第1要求に応じて、前記リール記憶部に記憶された前記機種情報及び前記バージョン情報を前記端末装置に送信し、
前記端末受信部は、前記魚釣用電動リールから送信された前記機種情報及び前記バージョン情報を受信し、
前記記憶処理部は、前記機種情報によって示される機種の前記魚釣用電動リールの最新のバージョンの前記リール制御プログラムを記憶し、
前記端末送信部は、受信した前記バージョン情報によって示されるバージョンが、前記最新バージョンと一致しない場合、最新のバージョンの前記リール制御プログラムを前記魚釣用電動リールに送信し、
前記リール受信部は、前記端末装置から送信された最新のバージョンの前記リール制御プログラムを受信し、
前記設定部は、前記リール制御プログラムの受信に応じて、前記リール記憶部に記憶された前記リール制御プログラムを削除するとともに、受信された最新のバージョンの前記リール制御プログラムを前記リール記憶部に記憶し、
前記表示処理部は、前記リール情報を設定もしくは表示するための前記画面を、最新のバージョンの前記リール制御プログラムに対応する画面に変更する
ことを特徴とするリール情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用電動リールに関する情報を処理するための端末制御プログラム、端末装置、及びリール情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、リール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リールが知られている。このような魚釣用電動リールは、リール制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、リール制御プログラムの命令に従って魚釣用電動リールの各種動作を制御するCPU(Central Processing Unit)等の制御装置とを有する。
【0003】
近年では、魚釣用電動リールは、外部の端末装置と通信可能に構成され、魚釣用電動リールと外部の端末装置との情報の送受信が実現している。例えば、特許文献1には、リール制御プログラムのバージョン情報及び魚釣用電動リールの利用履歴等を記憶する魚釣用電動リールと、魚釣用電動リールに記憶された各種情報を読み出す外部の端末装置とを有するシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、ユーザは、リール制御プログラムを最新のバージョンのものに更新したい場合、専用の端末装置を備える釣具店等に出向いて、専門家による更新作業を依頼しなければならなかった。また、特許文献1に記載の外部の端末装置は、魚釣用電動リールに関するリール情報の設定を、リール制御プログラムのバージョンに適したインターフェースで行うことができなかった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、ユーザ自身が簡易な操作によって、魚釣用電動リールのリール制御プログラム及びリール情報を管理することを可能とする端末制御プログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る端末制御プログラムは、リール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リールに関するリール情報を設定もしくは表示するための画面を表示可能な端末装置の端末制御プログラムであって、端末装置に、ユーザの操作に応じて、魚釣用電動リールの機種を示す機種情報と魚釣用電動リールのリール制御プログラムのバージョンを示すバージョン情報の送信を要求する第1要求を、魚釣用電動リールに送信するステップと、第1要求に応じて魚釣用電動リールから自動的に送信された機種情報及びバージョン情報を受信するステップと、機種情報によって示される機種の魚釣用電動リールの最新のバージョンのリール制御プログラムを記憶するステップと、受信したバージョン情報によって示されるバージョンが、最新バージョンと一致しない場合、最新のバージョンのリール制御プログラムを魚釣用電動リールに送信するステップと、リール情報を設定もしくは表示するための画面を、最新のバージョンのリール制御プログラムに対応する画面に変更するステップと、を実行させる。
【0008】
本発明に係る端末装置は、リール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リールに関するリール情報を設定もしくは表示するための画面を表示可能な端末装置であって、魚釣用電動リールに情報を送信する端末送信部と、魚釣用電動リールからの情報を受信する端末受信部と、記憶処理部と、表示処理部とを備え、端末送信部は、ユーザの操作に応じて、魚釣用電動リールの機種を示す機種情報と魚釣用電動リールのリール制御プログラムのバージョンを示すバージョン情報の送信を要求する第1要求を、魚釣用電動リールに送信し、端末受信部は、第1要求に応じて魚釣用電動リールから自動的に送信された機種情報及びバージョン情報を受信し、記憶処理部は、機種情報によって示される機種の魚釣用電動リールの最新のバージョンのリール制御プログラムを記憶し、端末送信部は、受信したバージョン情報によって示されるバージョンが、最新バージョンと一致しない場合、最新のバージョンのリール制御プログラムを魚釣用電動リールに送信し、表示処理部は、リール情報を設定もしくは表示するための画面を、最新のバージョンのリール制御プログラムに対応する画面に変更する。
【0009】
本発明に係るリール情報管理システムは、リール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リールと、魚釣用電動リールに関するリール情報を設定もしくは表示するための画面を表示可能な端末装置とを有するリール情報管理システムであって、魚釣用電動リールは、魚釣用電動リールの機種を示す機種情報と、リール制御プログラムと、リール制御プログラムのバージョンを示すバージョン情報とを記憶するリール記憶部と、端末装置からの要求情報を受信するリール受信部と、端末装置に情報を送信するリール送信部と、設定部と、を備え、端末装置は、魚釣用電動リールに情報を送信する端末送信部と、魚釣用電動リールからの情報を受信する端末受信部と、記憶処理部と、表示処理部とを備え、端末送信部は、ユーザの操作に応じて、機種情報及びバージョン情報の送信を要求する第1要求を、魚釣用電動リールに送信し、リール受信部は、端末装置から送信された第1要求を受信し、リール送信部は、第1要求に応じて、リール記憶部に記憶された機種情報及びバージョン情報を端末装置に送信し、端末受信部は、魚釣用電動リールから送信された機種情報及びバージョン情報を受信し、記憶処理部は、機種情報によって示される機種の魚釣用電動リールの最新のバージョンのリール制御プログラムを記憶し、端末送信部は、受信したバージョン情報によって示されるバージョンが、最新バージョンと一致しない場合、最新のバージョンのリール制御プログラムを魚釣用電動リールに送信し、リール受信部は、端末装置から送信された最新のバージョンのリール制御プログラムを受信し、設定部は、リール制御プログラムの受信に応じて、リール記憶部に記憶されたリール制御プログラムを削除するとともに、受信された最新のバージョンのリール制御プログラムをリール記憶部に記憶し、表示処理部は、リール情報を設定もしくは表示するための画面を、最新のバージョンのリール制御プログラムに対応する画面に変更する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る端末制御プログラム、端末装置、及びリール情報管理システムは、ユーザ自身が簡易な操作によって、魚釣用電動リールのリール制御プログラム及びリール情報を管理することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】リール情報管理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】魚釣用電動リールの概略構成の一例を示す図である。
【
図5】サーバ装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図6】リール情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】(a)は、端末装置に表示されるリール情報要求画面の一例を示す図であり、(b)は、魚釣用電動リールと端末装置との近距離無線通信を確立させるための操作の一例を説明するための模式図である。
【
図8】(a)は、端末装置に表示されるプログラム要求画面の一例を示す図であり、(b)は、端末装置に表示される更新開始画面の一例を示す図である。
【
図9】(a)は、端末装置に表示されるメニュー画面の一例を示す図であり、(b)は、端末装置に表示される糸入力画面の一例を示す図である。
【
図10】(a)は、端末装置に表示される送信画面の一例を示す図であり、(b)は、端末装置に表示される機能設定画面の一例を示す図である。
【
図11】(a)は、端末装置に表示される登録名設定画面の一例を示す図であり、(b)は、端末装置に表示されるメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図12】(a)は、端末装置に表示されるメニュー画面の他の一例を示す図であり、(b)は、端末装置に表示される機能設定画面の他の一例を示す図である。
【
図13】リール情報管理システムに係る動作シーケンスの一例を示す図である。
【
図14】(a)は、リール情報管理システムに係る動作シーケンスの他の一例を示す図であり、(b)は、リール情報管理システムに係る動作シーケンスの他の一例を示す図である。
【
図15】(a)は、リール情報管理システムに係る動作シーケンスの他の一例を示す図であり、(b)は、メンテナンス画面表示処理の動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、リール情報管理システム1の概略構成の一例を示す図である。リール情報管理システム1は、魚釣用電動リール2、端末装置3、及びサーバ装置4を有する。魚釣用電動リール2及び端末装置3間では、例えば、近距離通信無線通信に基づいて通信が行われ、無線の到達範囲内の魚釣用電動リール2及び端末装置3は、無線通信を確立させて、直接無線通信を行う。端末装置3及びサーバ装置4は、例えば、基地局5、移動体通信網6、ゲートウェイ7、及びインターネット8等の通信ネットワークを介して相互に接続され、所定の通信プロトコル(HTTP(Hypertext Transfer Protocol等))に基づいて通信が行われる。リール情報管理システム1は、複数の魚釣用電動リール2及び/又は複数の端末装置3を有してもよい。この場合、一つの魚釣用電動リール2に対して、複数の端末装置3が通信可能であり、また、複数の魚釣用電動リール2に対して、一つの端末装置3が通信可能である。
【0013】
魚釣用電動リール2は、リール制御プログラムの各命令に従って、スプールを回転駆動させるための駆動モータ26の駆動速度を制御する制御機能、及び、魚釣用電動リール2に関するリール情報を記憶する記憶機能等を有する。リール情報は、例えば、魚釣用電動リール2の製品名を示す機種情報、ユーザによって設定された登録名を示す登録名情報、実釣履歴(巻取り長さ、使用時間等)を示す実釣履歴情報、過去に入力した道糸に関する入力履歴(糸種及び号数、並びに巻き糸量(m)等)を示す糸入力情報、アフターサービス担当者によって設定されたアフターサービス履歴を示すサービス履歴情報、リール制御プログラムによって実現される各種機能の設定情報(機能設定情報)、及びリール制御プログラムのバージョンを示すバージョン情報等を含む。なお、リール情報には、これら各種情報の一部が含まれてもよく、また、魚釣用電動リール2に関する他の情報が含まれもよい。
【0014】
端末装置3は、スマートフォン等の情報処理装置である。端末装置3は、携帯電話機、タブレット端末、タブレットPC(Personal Computer)、電子書籍リーダー、ウェアラブルコンピュータ等でもよい。端末装置3は、携帯ゲーム機、ゲーム用コンソール又はノートPC等でもよい。
【0015】
図1では、1台のサーバ装置4がリール情報管理システム1の構成要素として図示されているが、サーバ装置4は複数の物理的に別体のサーバ装置(コンピュータ)の集合であってもよい。この場合、複数のサーバ装置のそれぞれは、同一の機能を有するものでもよく、1台のサーバ装置4の機能を分散して有するものでもよい。
【0016】
図2は、魚釣用電動リール2の概略構成の一例を示す図であり、
図3は、魚釣用電動リール2の一例の斜視図である。魚釣用電動リール2は、端末装置3に、リール制御プログラムのバージョン情報を含むリール情報を送信し、端末装置3から、最新のリール制御プログラム及びユーザによって設定されたリール情報を受信すること等を可能とする。そのために、魚釣用電動リール2は、リール通信部21と、リール記憶部22と、リール表示部23と、リール操作部24と、駆動回路25と、駆動モータ26と、リール制御部27とを備える。リール情報管理システム1が有する魚釣用電動リール2は、
図2及び3に記載の魚釣用電動リール2に限定されず、本実施形態に開示の技術が適用可能であれば、どのような魚釣用の電動リールが用いられてもよい。
【0017】
リール通信部21は、13.56MHz帯を感受帯域とするアンテナを含む通信インターフェース回路を有し、端末装置3との間でNFC(Near Field Communication)方式等の近距離無線通信を確立する。魚釣用電動リール2及び端末装置3の間の通信方式は、Bluetooth(登録商標)の通信方式等の他の通信方式に従った近距離無線通信でもよい。リール通信部21の周波数帯域は、上述の周波数帯域に限定されない。
【0018】
リール記憶部22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ装置を備える。リール記憶部22は、リール制御部27での処理に用いられるリール制御プログラム、及びリール情報等を記憶する。リール表示部23は、液晶ディスプレイであり、リール制御部27から供給された画像データに応じた静止画像等を表示する。リール操作部24は、一又は複数の操作ボタンであり、ユーザによる押下に応じた信号を発生し、発生した信号は、ユーザの指示としてリール制御部27に供給される。
【0019】
駆動回路25は、リール制御部27からの制御信号に応じて、駆動モータ26への電流量を調整し、駆動モータ26の回転駆動を制御するモータドライバである。駆動モータ26は、スプール(図示せず)を回転駆動するための駆動装置である。駆動モータ26の回転駆動によって、スプールは動力伝達機構(図示せず)を介して、釣糸巻取り方向に回転駆動する。
【0020】
リール制御部27は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。リール制御部27は、魚釣用電動リール2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。リール制御部27は、魚釣用電動リール2の各種処理がリール記憶部22に記憶されているリール制御プログラムやリール操作部24の操作等に基づいて適切な手順で実行されるように、リール通信部21、リール表示部23、及び駆動回路25等を制御する。
【0021】
リール制御部27は、リール受信部271と、リール送信部272と、設定部273と、駆動制御部274とを有する。リール制御部27が有するこれらの各部は、リール制御部27が有するプロセッサ上で実行されるリール制御プログラムによって実装される機能モジュールである。リール受信部271、リール送信部272、設定部273、及び駆動制御部274の機能の詳細は後述する。
【0022】
図4は、端末装置3の概略構成の一例を示す図である。端末装置3は、魚釣用電動リール2のリール情報の設定、魚釣用電動リール2との情報の送受信、及び、サーバ装置4との情報の送受信等の各種処理を実行することを可能とする。そのために、端末装置3は、第1端末通信部31と、第2端末通信部32と、端末記憶部33と、端末操作部34と、端末表示部35と、端末処理部36とを備える。
【0023】
第1端末通信部31は、13.56MHz帯を感受帯域とするアンテナを含む通信インターフェース回路を有し、魚釣用電動リール2との間でNFC方式等の近距離無線通信を確立する。魚釣用電動リール2及び端末装置3の間の通信方式は、Bluetooth(登録商標)の通信方式等の他の通信方式に従った近距離無線通信でもよい。第1端末通信部31の周波数帯域は、上述の周波数帯域に限定されない。
【0024】
第2端末通信部32は、2.1GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む通信インターフェース回路を有し、端末装置3を通信ネットワークに接続する。第2端末通信部32は、基地局5により割り当てられるチャネルを介して、基地局5との間でLTE(Long Term Evolution)方式等による無線信号回線を確立し、基地局5との間で通信を行う。
【0025】
第2端末通信部32及び基地局5の間の通信方式は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式等の他の通信方式でもよい。第2端末通信部32及び基地局5の間の通信方式は、第5世代(5G)移動通信システム等でもよい。第2端末通信部32及び基地局5の間の通信方式は、PHS(Personal Handy-phone System)等の他の通信方式でもよい。第2端末通信部32の周波数帯域は、上述の周波数帯域に限定されない。
【0026】
端末記憶部33は、例えば、ROM、RAM等の半導体メモリ装置を備える。端末記憶部33は、端末処理部36での処理に用いられる端末制御プログラム等のアプリケーションプログラム、各種の情報等を記憶する。端末記憶部33に記憶される端末制御プログラム等の各種プログラムは、例えば外部のサーバ装置等から送信された公知のセットアッププログラム等を用いて端末記憶部33にインストールされてもよい。
【0027】
端末操作部34は、例えば、タッチパネル等のポインティングデバイスである。端末操作部34は、端末装置3の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、キーパッドでもよい。ユーザは、端末操作部34を用いて、文字、数字及び記号、若しくは、端末表示部35の表示画面上の位置等を入力することができる。端末操作部34は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生し、発生した信号は、ユーザの指示として端末処理部36に供給される。
【0028】
端末表示部35は、液晶ディスプレイである。なお、端末表示部35は、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等でもよい。端末表示部35は、端末処理部36から供給された映像データに応じた映像、動画像データに応じた動画像、静止画像データに応じた静止画像等を表示する。
【0029】
端末処理部36は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部36は、端末装置3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。端末処理部36は、端末装置3の各種処理が端末記憶部33に記憶されている端末制御プログラムや端末操作部34の操作等に基づいて適切な手順で実行されるように、第1端末通信部31、第2端末通信部32、及び端末表示部35等を制御する。
【0030】
端末処理部36は、表示処理部361と、端末送信部362と、端末受信部363と、記憶処理部364とを有する。端末処理部36が有するこれらの各部は、端末処理部36が有するプロセッサ上で実行される端末制御プログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、端末処理部36が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして端末装置3に実装されてもよい。表示処理部361、端末送信部362、端末受信部363、及び記憶処理部364の機能の詳細は後述する。
【0031】
図5は、サーバ装置4の概略構成の一例を示す図である。サーバ装置4は、魚釣用電動リール2の機種ごとに、最新のバージョンのリール制御プログラムを管理し、最新のバージョンのリール制御プログラムをユーザに提供するための機能を有する。この機能を実現するために、サーバ装置4は、サーバ通信部41と、サーバ記憶部42と、サーバ処理部43とを備える。
【0032】
サーバ通信部41は、サーバ装置4をインターネット8に接続するための通信インターフェース回路を有する。サーバ通信部41は、端末装置3から受信した情報をサーバ処理部43に供給する。サーバ通信部41は、サーバ処理部43から供給された情報を端末装置3に送信する。
【0033】
サーバ記憶部42は、例えば、半導体メモリ装置、磁気ディスク装置、及び光ディスク装置の内の少なくとも一つを有する。サーバ記憶部42は、サーバ処理部43による処理に用いられるサーバ制御プログラム等のアプリケーションプログラム、各種の情報等を記憶する。サーバ制御プログラム等のアプリケーションプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いてサーバ記憶部42にインストールされてもよい。サーバ記憶部42は、魚釣用電動リール2の機種ごとに、最新のバージョンのリール制御プログラムと、その最新のバージョンを示す最新バージョン情報を記憶する。
【0034】
サーバ処理部43は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。サーバ処理部43は、サーバ装置4の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。サーバ処理部43は、サーバ装置4の各種処理がサーバ記憶部42に記憶されているサーバ制御プログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、サーバ通信部41等を制御する。
【0035】
サーバ処理部43は、サーバ送信部432と、サーバ受信部431とを有する。サーバ処理部43が有するこれらの各部は、サーバ処理部43が有するプロセッサ上で実行されるサーバ制御プログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、サーバ処理部43が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてサーバ装置4に実装されてもよい。サーバ送信部432、及びサーバ受信部431の機能の詳細は後述する。
【0036】
図6は、リール情報のデータ構造の一例を示す図である。リール情報は、機種情報、登録名情報、実釣履歴情報、糸入力情報、サービス履歴情報、バージョン情報等を含む。リール情報は、リール記憶部22に記憶される情報である。リール情報は、魚釣用電動リール2のユーザが所有する端末装置3の端末記憶部33に記憶されてもよく、また、魚釣用電動リール2のユーザの識別情報(ユーザID(identification)等)に関連付けてサーバ装置4のサーバ記憶部42に記憶されてもよい。なお、リール情報に、後述する機能設定情報が含まれてもよい。
【0037】
機種情報は、魚釣用電動リール2の販売前に、魚釣用電動リール2の製造者等によって設定された魚釣用電動リール2の製品名を示す文字列情報である。登録名情報は、後述する登録名設定画面1100をユーザが操作することで設定された登録名を示す文字列情報である。実釣履歴情報は、スプール又は駆動モータ26の回転を検出するセンサ(図示せず)からのセンサ情報に基づいて、リール制御部27によって算出された巻取り長さ(m)を示す数値情報、及び、駆動モータ26の使用時間を示す数値情報である。糸入力情報は、後述する糸入力画面910をユーザが操作することで設定された、糸種及び号数を示す文字列情報並びに巻き糸量(m)を示す数値情報である。サービス履歴情報は、アフターサービス担当者が、魚釣用電動リール2のアフターサービスを実施した際に設定したアフターサービスの内容を示す文字列情報である。バージョン情報は、魚釣用電動リール2において現在使用されているリール制御プログラムのバージョンを示す文字列情報である。
【0038】
リール情報として、各情報が所定の順番に並んだ文字列情報(「ABC 500J」、「○○○○」、「430」、「54」、「▽▽2号,300」・・・等)が記憶される。リール情報として、各情報種別を識別する情報と対応するリール情報とが関連付けられた情報が記憶されてもよい。なお、情報種別に対応する情報が無い場合(例えば、糸入力情報が5つ入力できるにも関わらず、2つしか設定されていない場合等)、その情報が無いことを示す情報が記憶される。
【0039】
以下、
図7~
図9(a)を参照しつつ、
図13に示されるリール情報管理システム1に係る動作シーケンスの一例と、リール受信部271、リール送信部272、設定部273、及び駆動制御部274の機能の一例と、表示処理部361、端末送信部362、端末受信部363、及び記憶処理部364の機能の一例と、サーバ送信部432、及びサーバ受信部431の機能の一例と、について説明する。
【0040】
図13に示されるように、まず、ユーザによって、リール情報要求画面700の表示指示が端末装置3の端末操作部34を介して入力された場合、端末装置3の表示処理部361は、リール情報要求画面700を端末表示部35に表示する(ステップS101)。リール情報要求画面700の表示指示は、例えば、端末表示部35に表示されたホーム画面(図示せず)内の表示指示ボタンがユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合に入力される。
【0041】
図7(a)は、端末装置3に表示されるリール情報要求画面700の一例を示す図である。リール情報要求画面700には、例えば、リール情報要求ボタン701が含まれる。リール情報要求ボタン701は、魚釣用電動リール2と端末装置3との近距離無線通信を確立させ、魚釣用電動リール2に、リール情報の送付を要求するリール情報要求を送信するためのボタンオブジェクトである。
【0042】
図13に戻り、リール情報要求ボタン701がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の端末送信部362は、第1端末通信部31を介してリール情報要求を送信する(ステップS102)。
図7(b)は、魚釣用電動リール2と端末装置3との近距離無線通信を確立させるための操作の一例を説明するための模式図である。
図7(b)に示される例では、魚釣用電動リール2のリール通信部21及び端末装置3の第1端末通信部31の間において、NFC方式等の近距離無線通信が確立される。NFC方式等の近距離無線通信の通信距離は約10cmであり且つリール通信部21がリール表示部23の近傍に設けられている(
図3)ため、ユーザが端末装置3をリール表示部23に「かざす」ことにより、近距離無線通信が確立される。
【0043】
魚釣用電動リール2のリール通信部21及び端末装置3の第1端末通信部31の間において近距離無線通信が確立された後、魚釣用電動リール2のリール受信部271は、リール通信部21を介して、端末装置3から送信されたリール情報要求を受信する。魚釣用電動リール2のリール送信部272は、リール情報要求の受信に応じて自動的に、リール記憶部22に記憶されたリール情報を抽出して、抽出したリール情報を、リール通信部21を介して端末装置3に送信する(ステップS103)。
【0044】
端末装置3の端末受信部363は、魚釣用電動リール2から送信されたリール情報を、第1端末通信部31を介して受信する。端末装置3の記憶処理部364は、受信されたリール情報を端末記憶部33に記憶する。端末装置3の端末送信部362は、記憶されたリール情報に含まれる機種情報を抽出し、抽出した機種情報を含むバージョン情報要求を、第2端末通信部32を介してサーバ装置4に送信する(ステップS104)。バージョン情報要求は、抽出された機種情報によって示される機種の魚釣用電動リール2のリール制御プログラムの最新のバージョンを示す最新バージョン情報を、端末装置3に送信することをサーバ装置4に要求するための要求情報である。端末送信部362は、抽出した機種情報をバージョン情報要求に含めなくてもよい。この場合、端末送信部362は、バージョン情報要求を機種情報とともに送信する。
【0045】
サーバ装置4のサーバ受信部431は、端末装置3から送信されたバージョン情報要求を、サーバ通信部41を介して受信する。バージョン情報要求の受信に応じて、サーバ装置4のサーバ送信部432は、バージョン情報要求に含まれる機種情報を抽出する(又は、サーバ送信部432は、バージョン情報要求とともに送信された機種情報を特定する。)。次に、サーバ送信部432は、機種情報によって示される機種の魚釣用電動リール2のリール制御プログラムの最新のバージョンを示す最新バージョン情報を、サーバ記憶部42から抽出する。そして、サーバ送信部432は、抽出した最新バージョン情報を、サーバ通信部41を介して端末装置3に送信する(ステップS105)。
【0046】
端末装置3の端末受信部363は、サーバ装置4から送信された最新バージョン情報を、第2端末通信部32を介して受信する。このように、端末装置3は、バージョン情報要求を送信することで、サーバ装置4から自動的に送信された最新バージョン情報を受信することができる。次に、端末装置3の表示処理部361は、記憶されたリール情報に含まれるバージョン情報が、受信された最新バージョン情報と一致するか否かを判定する(ステップS106)。
【0047】
リール情報に含まれるバージョン情報が最新バージョン情報と一致する場合(ステップS106-Yes)、ステップS114の処理が実行される。リール情報に含まれるバージョン情報が最新バージョン情報と一致しない場合(ステップS106-No)、表示処理部361は、プログラム要求画面800を端末表示部35に表示する(ステップS107)。
【0048】
図8(a)は、端末装置3に表示されるプログラム要求画面800の一例を示す図である。プログラム要求画面800には、例えば、プログラム要求ボタン801及び、戻るボタン802が含まれる。プログラム要求ボタン801は、サーバ装置4に、魚釣用電動リール2が現在使用しているリール制御プログラムの最新のバージョンのリール制御プログラムの送信を要求するプログラム要求を送信するためのボタンオブジェクトである。
【0049】
図13に戻り、プログラム要求画面800内のプログラム要求ボタン801がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の端末送信部362は、端末記憶部33に記憶されたリール情報に含まれる機種情報を抽出する。そして、端末送信部362は、抽出した機種情報を含むプログラム要求を、第2端末通信部32を介して送信する(ステップS108)。端末送信部362は、抽出した機種情報をプログラム要求に含めなくてもよい。この場合、端末送信部362は、プログラム要求を機種情報とともに送信する。また、戻るボタン802がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、プログラム要求画面800の表示を終了し、ホーム画面(図示せず)を端末表示部35に表示する。
【0050】
サーバ装置4のサーバ受信部431は、端末装置3から送信されたプログラム要求を、サーバ通信部41を介して受信する。プログラム要求の受信に応じて、サーバ装置4のサーバ送信部432は、受信されたプログラム要求に含まれる機種情報を抽出する(又は、サーバ送信部432は、プログラム要求とともに送信された機種情報を特定する。)。次に、サーバ送信部432は、機種情報によって示される機種の魚釣用電動リール2の最新のリール制御プログラムを、サーバ記憶部42から抽出する。そして、サーバ送信部432は、抽出した最新のリール制御プログラムを、サーバ通信部41を介して端末装置3に送信する(ステップS109)。
【0051】
端末装置3の端末受信部363は、サーバ装置4から送信された最新のリール制御プログラムを、第2端末通信部32を介して受信して端末記憶部33に記憶する。次に、表示処理部361は、更新開始画面810を端末表示部35に表示する(ステップS110)。
【0052】
図8(b)は、端末装置3に表示される更新開始画面810の一例を示す図である。更新開始画面810には、例えば、更新開始ボタン811及び、戻るボタン812が含まれる。更新開始ボタン811は、魚釣用電動リール2に対して、最新のリール制御プログラムへの更新を要求する更新要求を送信するためのボタンオブジェクトである。
【0053】
図13に戻り、更新開始ボタン811がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の端末送信部362は、端末記憶部33に記憶された、最新のリール制御プログラム、及び、リール情報を抽出する。そして、端末送信部362は、抽出した、最新のリール制御プログラム、及び、リール情報を含む更新要求を、第1端末通信部31を介して送信する(ステップS111)。端末送信部362は、抽出した最新のリール制御プログラムを更新要求に含めなくてもよい。この場合、端末送信部362は、更新要求を、最新のリール制御プログラム、及び、リール情報とともに送信する。なお、ステップS111の送信処理は、魚釣用電動リール2のリール通信部21及び端末装置3の第1端末通信部31の間において近距離無線通信が確立された場合に実行される。このように、魚釣用電動リール2の現在のリール制御プログラムのバージョンが、最新のリール制御プログラムのバージョンと一致しない場合、最新のリール制御プログラムが、端末装置3から魚釣用電動リール2に送信される。また、戻るボタン812がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、更新開始画面810の表示を終了し、ホーム画面(図示せず)を端末表示部35に表示する。
【0054】
魚釣用電動リール2のリール受信部271は、端末装置3から送信された更新要求を、リール通信部21を介して受信する。魚釣用電動リール2の設定部273は、受信された更新要求に含まれる、最新のリール制御プログラム、及び、リール情報を抽出する(又は、サーバ送信部432は、更新要求とともに送信された最新のリール制御プログラム、及び、リール情報を特定する。)。
【0055】
次に、魚釣用電動リール2の設定部273は、リール記憶部22に記憶されたリール制御プログラム、及び、リール情報を削除し、送信された、最新のリール制御プログラム、及び、リール情報をリール記憶部22に記憶する更新処理を実行する(ステップS112)。そして、魚釣用電動リール2のリール送信部272は、更新処理の終了に応じて、更新処理の終了を通知するための更新完了情報を、リール通信部21を介して端末装置3に送信する(ステップS113)。
【0056】
端末装置3の端末受信部363は、魚釣用電動リール2から送信された更新完了情報を、第1端末通信部31を介して受信する。更新完了情報の受信に応じて、端末装置3の表示処理部361は、メニュー画面900を端末表示部35に表示する(ステップS114)。
【0057】
図9(a)は、端末装置3に表示されるメニュー画面900の一例を示す図である。メニュー画面900には、例えば、糸入力ボタン901、機能設定ボタン902、登録名設定ボタン903、メンテナンス表示ボタン904、及び、戻るボタン905が含まれる。糸入力ボタン901は、糸入力画面910を表示するためのボタンオブジェクトである。機能設定ボタン902は、機能設定画面1010を表示するためのボタンオブジェクトである。登録名設定ボタン903は、登録名設定画面1100を表示するためのボタンオブジェクトである。メンテナンス表示ボタン904は、メンテナンス画面1110を表示するためのボタンオブジェクトである。メニュー画面900、糸入力画面910、機能設定画面1010、登録名設定画面1100、及びメンテナンス画面1110は、魚釣用電動リール2に関するリール情報を設定もしくは表示するための画面の一例である。
【0058】
以下、
図9(b)及び
図10(a)を参照しつつ、
図14(a)に示される、リール情報管理システム1による糸入力情報の設定処理に係る動作シーケンスの他の一例について説明する。
【0059】
図14(a)に示されるように、まず、ユーザによって、糸入力画面910の表示指示が端末装置3の端末操作部34を介して入力された場合に、端末装置3の表示処理部361は、糸入力画面910を端末表示部35に表示する(ステップS201)。糸入力画面910の表示指示は、例えば、端末表示部35に表示されたメニュー画面900内の糸入力ボタン901がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合に入力される。
【0060】
図9(b)は、端末装置3に表示される糸入力画面910の一例を示す図である。糸入力画面910には、例えば、糸種・号数入力オブジェクト911、巻き糸量入力オブジェクト912、設定ボタン913、及び、戻るボタン914が含まれる。
【0061】
糸種・号数入力オブジェクト911は、例えば、道糸入力の前に、入力する道糸の糸種及び号数をユーザが選択入力するためのドロップダウンリストである。ユーザによって糸種・号数入力オブジェクト911が指定されると、一又は複数の「糸種及び号数」を示す名称を含むリストが表示される。ユーザによって一又は複数の「糸種及び号数」を示す名称のいずれかが選択されると、リストの表示が終了し、糸種・号数入力オブジェクト911内に、選択された名称が表示される。これにより、ユーザによって選択された名称に対応する「糸種及び号数」が指定される。
【0062】
巻き糸量入力オブジェクト912は、糸種・号数入力オブジェクト911と同様に、道糸入力の前に、入力する道糸の巻き糸量をユーザが選択入力するためのドロップダウンリストである。ユーザによって巻き糸量入力オブジェクト912が指定されると、一又は複数の「巻き糸量」を示す名称(例えば「300m」等)を含むリストが表示される。ユーザによって一又は複数の「巻き糸量」を示す名称のいずれかが選択されると、リストの表示が終了し、巻き糸量入力オブジェクト912内に、選択された名称が表示される。これにより、ユーザによって選択された名称に対応する「巻き糸量」が指定される。
【0063】
設定ボタン913は、ユーザによって指定された「糸種及び号数」を示す情報及び「巻き糸量」を示す情報を、リール情報として、魚釣用電動リール2のリール記憶部22に記憶させる処理を開始するためのボタンオブジェクトである。以下、ユーザによって指定された「糸種及び号数」を示す情報及び「巻き糸量」を示す情報を、糸入力情報と総称する場合がある。設定ボタン913は、糸種・号数入力オブジェクト911及び巻き糸量入力オブジェクト912においてユーザによって「糸種及び号数」及び「巻き糸量」が指定されるまでは、ユーザによって指定できないようにグレーアウト処理されてもよい。また、戻るボタン914がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、糸入力画面910の表示を終了し、メニュー画面900を端末表示部35に表示する。
【0064】
図14(a)に戻り、糸入力画面910内の設定ボタン913がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、送信画面1000を端末表示部35に表示する(ステップS202)。
図10(a)は、端末装置3に表示される送信画面1000の一例を示す図である。送信画面1000には、例えば、設定開始ボタン1001及び、戻るボタン1002が含まれる。設定開始ボタン1001は、魚釣用電動リール2に、糸入力情報と現在時刻を示す時間情報とを送信するためのボタンオブジェクトである。
【0065】
設定開始ボタン1001がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の端末送信部362は、ユーザによって入力された糸入力情報及び時間情報を、第1端末通信部31を介して送信する(ステップS203)。なお、ステップS203の送信処理は、魚釣用電動リール2のリール通信部21及び端末装置3の第1端末通信部31の間において近距離無線通信が確立された場合に実行される。また、戻るボタン1002がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、送信画面1000の表示を終了し、メニュー画面900を端末表示部35に表示する。
【0066】
魚釣用電動リール2のリール受信部271は、端末装置3から送信された糸入力情報及び時間情報を、リール通信部21を介して受信する。魚釣用電動リール2の設定部273は、受信された糸入力情報(「糸種及び号数」及び「巻き糸量」)及び時間情報を、リール情報に含まれる糸入力情報としてリール記憶部22に記憶する設定処理を実行する(ステップS204)。そして、魚釣用電動リール2のリール送信部272は、設定処理の終了に応じて、設定処理の終了を通知するための設定完了情報を、リール通信部21を介して端末装置3に送信する(ステップS205)。
【0067】
端末装置3の端末受信部363は、魚釣用電動リール2から送信された設定完了情報を、第1端末通信部31を介して受信する。設定完了情報の受信に応じて、端末装置3の表示処理部361は、メニュー画面900を端末表示部35に表示する(ステップS206)。
【0068】
以下、
図10(b)を参照しつつ、
図14(b)に示される、リール情報管理システム1による機能設定情報の設定処理に係る動作シーケンスの他の一例について説明する。
【0069】
図14(b)に示されるように、まず、ユーザによって、機能設定画面1010の表示指示が端末装置3の端末操作部34を介して入力された場合に、端末装置3の表示処理部361は、機能設定画面1010を端末表示部35に表示する(ステップS301)。機能設定画面1010の表示指示は、例えば、端末表示部35に表示されたメニュー画面900内の機能設定ボタン902がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合に入力される。
【0070】
図10(b)は、端末装置3に表示される機能設定画面1010の一例を示す図である。機能設定画面1010には、例えば、第1機能選択オブジェクト1011、第2機能選択オブジェクト1012、設定ボタン1013、及び、戻るボタン1014が含まれる。
【0071】
第1機能選択オブジェクト1011及び第2機能選択オブジェクト1012は、魚釣用電動リール2において、リール制御プログラムによって実現する各種機能を設定するためのボタンオブジェクトである。
図10(b)に示される例では、第1機能選択オブジェクト1011は、魚釣用電動リール2においてアラーム音を出力するか否かを設定するためのボタンオブジェクトである。また、第2機能選択オブジェクト1012は、魚釣用電動リール2において「シャクリ」のパターンを一つ選択するためのボタンオブジェクトである。機能設定画面1010が表示された時の第1機能選択オブジェクト1011及び第2機能選択オブジェクト1012は、端末記憶部33に記憶された機能設定情報に応じていずれかのボタンが選択された状態で表示されてもよい。
図10(b)に示される例では、機能設定情報においてアラーム音の出力が設定されているため、第1機能選択オブジェクト1011において対応するボタンが選択され、機能設定情報において「シャクリ」のパターンが「1段」に設定されているため、第2機能選択オブジェクト1012において対応するボタンが選択されている。また、第1機能選択オブジェクト1011は、アラーム音の設定以外の他の機能の設定に用いられてもよく、第2機能選択オブジェクト1012は、「シャクリ」パターンの設定以外の他の機能の設定に用いられてもよい。他の機能の設定は、例えば、サブカウンターに表示する内容(巻上げ速度、底からのカウンター、巻き上げ残り時間等)の設定、「チョイ巻」を実施するか否かの設定等である。他の機能の設定は、リール制御プログラムによって実現され得る機能であれば、どのような機能の設定でもよい。機能設定画面1010には、第1機能選択オブジェクト1011及び第2機能選択オブジェクト1012の2種類の機能選択オブジェクトが含まれるが、第1機能選択オブジェクト1011だけが含まれてもよく、また、3種類以上の機能選択オブジェクトが含まれてもよい。
【0072】
設定ボタン1013は、ユーザによって指定された機能の設定を示す機能設定情報を、魚釣用電動リール2のリール記憶部22に記憶させる処理を開始するためのボタンオブジェクトである。戻るボタン1014がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、機能設定画面1010の表示を終了し、メニュー画面900を端末表示部35に表示する。
【0073】
図14(b)に戻り、機能設定画面1010内の設定ボタン1013がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、送信画面1000(
図10(a))を端末表示部35に表示する(ステップS302)。
【0074】
設定開始ボタン1001がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の端末送信部362は、ユーザによって入力された機能設定情報を、第1端末通信部31を介して送信する(ステップS303)。なお、ステップS303の送信処理は、魚釣用電動リール2のリール通信部21及び端末装置3の第1端末通信部31の間において近距離無線通信が確立された場合に実行される。また、戻るボタン1002がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、送信画面1000の表示を終了し、メニュー画面900を端末表示部35に表示する。
【0075】
魚釣用電動リール2のリール受信部271は、端末装置3から送信された機能設定情報を、リール通信部21を介して受信する。魚釣用電動リール2の設定部273は、受信された機能設定情報を、リール情報に含まれる機能設定情報としてリール記憶部22に記憶する設定処理を実行する(ステップS304)。なお、機能設定情報がリール情報に含まれない場合、機能設定情報はリール情報とは異なる情報としてリール記憶部22に記憶される。そして、魚釣用電動リール2のリール送信部272は、設定処理の終了に応じて、設定処理の終了を通知するための設定完了情報を、リール通信部21を介して端末装置3に送信する(ステップS305)。なお、魚釣用電動リール2の駆動制御部274は、リール制御プログラムの各命令に従い、新たに設定された機能設定情報に応じた所定の処理及び動作を実行する。
【0076】
端末装置3の端末受信部363は、魚釣用電動リール2から送信された設定完了情報を、第1端末通信部31を介して受信する。設定完了情報の受信に応じて、端末装置3の表示処理部361は、メニュー画面900を端末表示部35に表示する(ステップS306)。
【0077】
以下、
図11(a)を参照しつつ、
図15(a)に示される、リール情報管理システム1による登録名情報の設定処理に係る動作シーケンスの他の一例について説明する。
【0078】
図15(a)に示されるように、まず、ユーザによって、登録名設定画面1100の表示指示が端末装置3の端末操作部34を介して入力された場合に、端末装置3の表示処理部361は、登録名設定画面1100を端末表示部35に表示する(ステップS401)。登録名設定画面1100の表示指示は、例えば、端末表示部35に表示されたメニュー画面900内の登録名設定ボタン903がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合に入力される。
【0079】
図11(a)は、端末装置3に表示される登録名設定画面1100の一例を示す図である。登録名設定画面1100には、例えば、登録名入力オブジェクト1101、設定ボタン1102、及び、戻るボタン1103が含まれる。登録名入力オブジェクト1101は、ユーザが登録したい登録名の文字列を入力するためのテキストボックスである。
【0080】
設定ボタン1102は、ユーザによって入力された登録名を示す登録名情報を、リール情報として、魚釣用電動リール2のリール記憶部22に記憶させる処理を開始するためのボタンオブジェクトである。設定ボタン1102は、登録名入力オブジェクト1101においてユーザによって登録名が入力されるまでは、ユーザによって指定できないようにグレーアウト処理されてもよい。また、戻るボタン1103がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、登録名設定画面1100の表示を終了し、メニュー画面900を端末表示部35に表示する。
【0081】
図15(a)に戻り、登録名設定画面1100内の設定ボタン1102がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、送信画面1000(
図10(a))を端末表示部35に表示する(ステップS402)。
【0082】
設定開始ボタン1001がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の端末送信部362は、ユーザによって入力された登録名情報を、第1端末通信部31を介して送信する(ステップS403)。なお、ステップS403の送信処理は、魚釣用電動リール2のリール通信部21及び端末装置3の第1端末通信部31の間において近距離無線通信が確立された場合に実行される。また、戻るボタン1002がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、送信画面1000の表示を終了し、メニュー画面900を端末表示部35に表示する。
【0083】
魚釣用電動リール2のリール受信部271は、端末装置3から送信された登録名情報を、リール通信部21を介して受信する。魚釣用電動リール2の設定部273は、受信された登録名情報を、リール情報に含まれる登録名情報としてリール記憶部22に記憶する設定処理を実行する(ステップS404)。そして、魚釣用電動リール2のリール送信部272は、設定処理の終了に応じて、設定処理の終了を通知するための設定完了情報を、リール通信部21を介して端末装置3に送信する(ステップS405)。
【0084】
端末装置3の端末受信部363は、魚釣用電動リール2から送信された設定完了情報を、第1端末通信部31を介して受信する。設定完了情報の受信に応じて、端末装置3の表示処理部361は、メニュー画面900を端末表示部35に表示する(ステップS406)。
【0085】
以下、
図11(b)を参照しつつ、
図15(b)に示されるメンテナンス画面表示処理の動作フローの一例を示す図について説明する。
【0086】
図15(b)に示されるように、まず、ユーザによって、メンテナンス画面1110の表示指示が端末装置3の端末操作部34を介して入力された場合に、端末装置3の表示処理部361は、端末記憶部33に記憶されたリール情報を抽出する(ステップS501)。メンテナンス画面1110の表示指示は、例えば、端末表示部35に表示されたメニュー画面900内のメンテナンス表示ボタン904がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合に入力される。
【0087】
そして、表示処理部361は、抽出されたリール情報を含むメンテナンス画面1110を端末表示部35に表示し(ステップS502)、メンテナンス画面表示処理を終了する。
図11(b)は、端末装置3に表示されるメンテナンス画面1110の一例を示す図である。メンテナンス画面1110には、例えば、リール情報表示領域1111、及び、戻るボタン1112が含まれる。リール情報表示領域1111には、抽出されたリール情報が表示される。なお、リール情報に機能設定情報が含まれない場合、リール情報表示領域1111に機能設定情報が表示されてもよい。戻るボタン1112がユーザによる端末操作部34の操作によって指示された場合、端末装置3の表示処理部361は、メンテナンス画面1110の表示を終了し、メニュー画面900を端末表示部35に表示する。従来から、リール表示部23ではリール情報の表示の一覧性の悪いという問題が生じていたが、端末表示部35によるメンテナンス画面1110の表示により、ユーザは多様な情報(機種名(製品名)、糸入力情報における入力の日付等)を閲覧することが可能となる。
【0088】
メンテナンス画面1110には、リール情報とともに、又は、リール情報に替えて、外部のWebサーバ装置からダウンロード可能なメンテナンス用のホームページ画面へ遷移するためのURL情報等の各種表示情報が表示されてもよい。以下、各種表示情報の表示処理の一例について説明する。例えば、ユーザによる端末操作部34の操作によってURL情報(又は当該URL情報と関連付けされたボタン等)が指示された場合、端末受信部363は、外部のWebサーバ装置に、第2端末通信部32を介して、サービス提供指示を送信する。次に、端末送信部362は、サービス提供指示に応じてWebサーバ装置から送信された画面を表示するための表示情報を、第2端末通信部32を介して受信する。そして、表示処理部361は、受信された表示情報に基づく画面を表示して、表示処理が終了する。なお、受信された表示情報に基づく画面は、例えば、魚釣用電動リール2又は他の釣具等の商品等に関する情報を表示するための画面、及び/又は、魚釣用電動リール2又は他の商品の購入の申し込み等の登録を含む各種サービスを受けるための画面等である。受信された表示情報に基づく画面は、魚釣用電動リール2又は他の釣具の製造者、販売者、代理店、又はアフィリエイター等によって作成された画面であれば、どのようなものでもよい。このように、従来から、ユーザが手元に有している魚釣用電動リール2又は他の商品に関する情報を取得したり、各種サービスを受けたりすることを、ユーザ自身が簡易な操作によって行うことができないという問題があったが、メンテナンス画面1110による多様な情報の表示により、ユーザは、詳細な情報の取得すること、または、申し込み等の登録を含む各種サービスを受けることが可能となる。
【0089】
以上説明してきたように、リール情報管理システム1は、端末装置3に対するユーザの操作のみで、魚釣用電動リール2のリール制御プログラムを更新するとともに、リール情報を設定することができる。よって、ユーザは、釣具店等に出向いて専門家の手を借りることなく端末装置3だけで、魚釣用電動リール2のリール制御プログラム及びリール情報を管理することが可能となる。
【0090】
(変形例1)
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、端末装置3の端末受信部363が、魚釣用電動リール2から送信(ステップS113)された更新完了情報を受信した場合、端末装置3の表示処理部361は、魚釣用電動リール2に関するリール情報を設定もしくは表示するための画面(メニュー画面900、糸入力画面910、機能設定画面1010、登録名設定画面1100、及びメンテナンス画面1110)を、最新のリール制御プログラムに対応した画面に変更してもよい。
【0091】
図12(a)は、端末装置3に表示されるメニュー画面1200の他の一例を示す図である。
図12(a)に示されるメニュー画面1200は、所定のバージョンのリール制御プログラムによって実現される機能を設定するための画面である。所定のバージョンのリール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リール2では、登録名の設定を行う機能が実現されないため、メニュー画面1200には登録名設定ボタン903が表示されない。そして、
図13の動作シーケンス中のステップS112及びS113が実行されると、最新のバージョンのリール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リール2では、登録名の設定を行う機能が実現されるため、
図9(a)に示されるメニュー画面900が表示される。
【0092】
図12(b)は、端末装置3に表示される機能設定画面1210の他の一例を示す図である。
図12(b)に示される機能設定画面1210は、所定のバージョンのリール制御プログラムによって実現される機能を設定するための画面である。所定のバージョンのリール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リール2では、「シャクリ」のパターンは2種類のみ設定できる機能が実現されているため、機能設定画面1210には、2種類を「シャクリ」のパターンが設定できる第2機能選択オブジェクト1211が表示される。そして、
図13の動作シーケンス中のステップS112及びS113が実行されると、最新のバージョンのリール制御プログラムによって制御される魚釣用電動リール2では、「ランダム」の「シャクリ」パターンの設定を行う機能が実現されるため、
図10(b)に示される機能設定画面1010が表示される。
【0093】
画面の変更は、メニュー画面1200からメニュー画面900への変更及び機能設定画面1210から機能設定画面1010への変更に限らない。また、糸入力画面910及び登録名設定画面1100も、最新のリール制御プログラムに対応した画面に変更されてもよい。
【0094】
このように、リール情報管理システム1は、魚釣用電動リール2のリール制御プログラムが最新のリール制御プログラムに更新された場合、メニュー画面900、糸入力画面910、機能設定画面1010、及び登録名設定画面1100のうちの少なくとも一つを、最新のリール制御プログラムに対応する画面に変更することができる。これにより、ユーザは、釣具店等に出向いて専門家の手を借りることなく端末装置3だけで、魚釣用電動リール2のリール制御プログラム及びリール情報を管理することが可能となる。
【0095】
(変形例2)
図13~
図15に示される各処理の一部が実行されなくもよく、また、各処理が
図13~
図15に示される順番とは異なる順番で実行されてもい。例えば、ステップS107のプログラム要求画面800の表示処理は実行されなくてもよい。この場合、この場合、ステップS106の最新バージョン情報との一致判定において、一致しないと判定された場合(ステップS106-No)、直ちにステップS108のプログラム要求の送信処理が実行される。また、ステップS108のプログラム要求の送信処理は、ステップS104のバージョン情報要求の送信処理と同時に、又は、ステップS104のバージョン情報要求の送信処理の直後又は直前に実行されてもよい。この場合、ステップS106の最新バージョン情報との一致判定において、一致しないと判定された場合(ステップS106-No)、ステップS107のプログラム要求画面800の表示処理は実行されない。
【0096】
(変形例3)
機能設定情報がリール情報に含まれない場合、ステップS103において、魚釣用電動リール2のリール送信部272は、リール記憶部22に記憶されたリール情報及び機能設定情報を抽出して、抽出したリール情報及び機能設定情報を、リール通信部21を介して端末装置3に送信してもよい。
【0097】
(変形例4)
端末記憶部33に記憶されたリール情報は、魚釣用電動リール2のリール表示部23に表示されてもよい。例えば、通常、魚釣用電動リール2の起動から通常画面(図示せず)が表示されるまでの起動時間において、リール表示部23には所定のロゴ画像等が表示される。魚釣用電動リール2の駆動制御部274は、端末記憶部33に記憶されたリール情報に登録名情報が含まれる場合、起動時間においては所定のロゴ画像を表示してから、登録名情報によって示される登録名の文字列を表示してもよい。以下、起動時の表示処理の一例について説明する。魚釣用電動リール2の駆動制御部274は、ユーザが所定のリール操作部24を操作することで起動を指示した場合、所定のロゴ画像を起動からの第1起動時間においてリール表示部23に表示するととも、端末記憶部33に記憶されたリール情報に登録名情報が含まれるか否かを判定する。次に、駆動制御部274は、端末記憶部33に記憶されたリール情報に登録名情報が含まれる場合、第1起動時間の終了から第2起動時間において、登録名情報によって示される登録名の文字列をリール表示部23に表示する。そして、第2時間の終了に応じて通常画面をリール表示部23に表示する。このように、魚釣用電動リール2は、ユーザによって登録名が設定されるだけで、魚釣用電動リール2の起動時間において多様な表示態様を提供することが可能となる。
【0098】
(変形例5)
端末装置3の記憶処理部364は、魚釣用電動リール2から送信(ステップS103)されたリール情報を端末記憶部33に記憶するが、端末制御プログラムの終了、及び/又は、端末装置3の電源供給の終了(シャットダウン)に応じて、記憶されたリール情報を削除してもよい。機能設定情報がリール情報に含まれない場合、記憶処理部364は、同様に、端末制御プログラムの終了、及び/又は、端末装置3の電源供給の終了(シャットダウン)に応じて、記憶された機能設定情報を削除してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 リール情報管理システム
2 魚釣用電動リール
21 リール通信部
22 リール記憶部
23 リール表示部
24 リール操作部
25 駆動回路
26 駆動モータ
27 リール制御部
271 リール受信部
272 リール送信部
273 設定部
274 駆動制御部
3 端末装置
31 第1端末通信部
32 第2端末通信部
33 端末記憶部
34 端末操作部
35 端末表示部
36 端末処理部
361 表示処理部
362 端末送信部
363 端末受信部
364 記憶処理部
4 サーバ装置
41 サーバ通信部
42 サーバ記憶部
43 サーバ処理部
431 サーバ受信部
432 サーバ送信部
5 基地局
6 移動体通信網
7 ゲートウェイ
8 インターネット