(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105558
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】マウンドの構築方法
(51)【国際特許分類】
E02B 3/14 20060101AFI20230724BHJP
E02D 15/10 20060101ALI20230724BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20230724BHJP
【FI】
E02B3/14
E02D15/10
B63B35/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006462
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000219406
【氏名又は名称】東亜建設工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504108934
【氏名又は名称】稲益造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼島 尚吾
(72)【発明者】
【氏名】小山 央
(72)【発明者】
【氏名】稲益 嘉積
【テーマコード(参考)】
2D045
2D118
【Fターム(参考)】
2D045AA04
2D045BA00
2D045CA01
2D118BA20
2D118CA04
2D118HA34
2D118HB04
2D118HD08
(57)【要約】
【課題】主工程で形成されたマウンドの高さが目標高さに対して不足している不足範囲の高さ不足を解消する仕上げ積み工程を効率的に精度よく行うことができるマウンドの構築方法を提供する。
【解決手段】主工程で形成されたマウンドMの高さが目標高さDに対して不足している不足範囲Qの高さ不足を解消する仕上げ積み工程において、船倉3の左右それぞれの底面部4A、4B上で船幅方向に並列する1列~3列のブロックBを一組のブロック群Gとして、船長方向における2列以上5列以下のブロック群Gで構成されたセクションS毎にグループ分けする。そして、それぞれのセクションS毎にブロック群Gの水中への投入作業を第一投入作業と第二投入作業とに分けて行う。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック投入船を使用して水中に多数のブロックを投入して水底に多数の前記ブロックが積み上げられたマウンドの概形を形成する主工程の後に、形成された前記マウンドの高さが目標高さに対して不足している不足範囲に、前記ブロック投入船を使用して複数の前記ブロックを投入して前記不足範囲の高さ不足を解消する仕上げ積み工程を行うことで、前記目標高さを満足する前記マウンドを構築するマウンドの構築方法において、
前記仕上げ積み工程では、前記ブロック投入船の開閉式の船倉を構成する左右それぞれの底面部上に搭載する前記ブロックの配列を前記ブロック投入船の船幅方向に1列以上3列以下とし、それぞれの前記底面部上で前記船幅方向に並列配置した前記ブロックをそれぞれブロック群として前記船倉に対して固縛した状態とし、
左右の前記底面部上に整列配置した多数の前記ブロックを、前記ブロック投入船の船長方向における2列以上5列以下の前記ブロック群で構成されたセクション毎にグループ分けして、それぞれの前記セクション毎に前記ブロック群の水中への投入作業を第一投入作業と第二投入作業とに分けて行ない、
前記第一投入作業では、前記セクションに含まれる一方側の前記底面部に搭載している前記ブロック群と、他方側の前記底面部に搭載している前記ブロック群とを、前記船長方向の一列毎に片側ずつ交互に選択して、その選択したそれぞれの前記ブロック群の固縛状態を解除して水中に投入し、その後の前記第二投入作業では、そのセクションで前記底面部上に残っているそれぞれの前記ブロック群の固縛状態を解除して水中に投入することを特徴とするマウンドの構築方法。
【請求項2】
それぞれの前記セクションにおいて、前記第一投入作業では、前記セクションの一方側の前記底面部に搭載している前記船長方向における奇数列の前記ブロック群と、他方側の前記底面部に搭載している前記船長方向における偶数列の前記ブロック群とを選択して水中に投入する請求項1に記載のマウンドの構築方法。
【請求項3】
前記セクション毎の前記ブロックの数を同数に設定する請求項1または2に記載のマウンドの構築方法。
【請求項4】
それぞれの前記底面部に搭載する前記ブロックの配列を、前記船幅方向に2列、前記船長方向に15列とし、それぞれの前記セクションを前記船長方向の3列の前記ブロック群として、5つの前記セクションにグループ分けする請求項1~3のいずれかに記載のマウンドの構築方法。
【請求項5】
前記主工程において、前記仕上げ積み工程と同じ方法で前記ブロック群の水中への投入作業を行う請求項1~4のいずれかに記載のマウンドの構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウンドの構築方法に関し、さらに詳しくは、ブロック投入船を使用して多数のブロックを水中に投入して水底にマウンドを構築する方法において、主工程で形成されたマウンドの高さが目標高さに対して不足している不足範囲の高さ不足を解消する仕上げ積み工程を効率的に精度よく行うことができるマウンドの構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブロック投入船(ブロック運搬船)を使用して水中に多数のブロックを投入することにより、水底に多数のブロックが積み重なった人工的なマウンドを構築する工事が行われている(例えば、特許文献1参照)。この工事では、まず、ブロック投入船を使用して多数のブロックを水中に投入していくことでマウンドの概形を形成する主工程を行う。その後、測量船などを使用して水底に形成されたマウンドの形状データを取得し、マウンドの目標高さに対してブロックの積み上げ高さが不足している不足範囲を把握する。そして、不足範囲に対して、ブロック投入船を使用して複数のブロックを投入して不足範囲の積み上げ高さ不足を解消する仕上げ積み工程を行うことで、目標高さを満足するマウンドを構築している。
【0003】
特許文献1で提案されている平面視で千鳥状にブロックを投入する方法では、船倉に整列配置した複数のブロックを、船長方向(船体の前後方向)の少なくとも7列にわたるブロック群が各グループに含まれるように、船長方向に少なくとも2つのグループに分ける。そして、それぞれのグループに含まれる多数のブロック群(7列以上)を2回に分けて水中に投入している。この方法で仕上げ積み工程を行う場合には、一つのグループの投入作業で非常に多くのブロック(28個~32個程度)を投入することになるため、マウンドの不足範囲に必要以上にブロックを積み上げてしまう可能性がある。また、一回の投入作業におけるブロックの投入範囲が広いため、水中に投入した多数のブロックが広範囲に分散し易くなる。そのため、マウンドの不足範囲に必要数のブロックをピンポイントに補填することは難しく、不足範囲ではない領域にまで不要なブロックを積み上げてしまう可能性が高くなる。それ故、従来提案されている方法では、仕上げ積み工程を効率的に精度よく行うことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、主工程で形成されたマウンドの高さが目標高さに対して不足している不足範囲の高さ不足を解消する仕上げ積み工程を効率的に精度よく行うことができるマウンドの構築方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明のマウンドの構築方法は、ブロック投入船を使用して水中に多数のブロックを投入して水底に多数の前記ブロックが積み上げられたマウンドの概形を形成する主工程の後に、形成された前記マウンドの高さが目標高さに対して不足している不足範囲に、前記ブロック投入船を使用して複数の前記ブロックを投入して前記不足範囲の高さ不足を解消する仕上げ積み工程を行うことで、前記目標高さを満足する前記マウンドを構築するマウンドの構築方法において、前記仕上げ積み工程では、前記ブロック投入船の開閉式の船倉を構成する左右それぞれの底面部上に搭載する前記ブロックの配列を前記ブロック投入船の船幅方向に1列以上3列以下とし、それぞれの前記底面部上で前記船幅方向に並列配置した前記ブロックをそれぞれブロック群として前記船倉に対して固縛した状態とし、左右の前記底面部上に整列配置した多数の前記ブロックを、前記ブロック投入船の船長方向における2列以上5列以下の前記ブロック群で構成されたセクション毎にグループ分けして、それぞれの前記セクション毎に前記ブロック群の水中への投入作業を第一投入作業と第二投入作業とに分けて行ない、前記第一投入作業では、前記セクションに含まれる一方側の前記底面部に搭載している前記ブロック群と、他方側の前記底面部に搭載している前記ブロック群とを、前記船長方向の一列毎に片側ずつ交互に選択して、その選択したそれぞれの前記ブロック群の固縛状態を解除して水中に投入し、その後の前記第二投入作業では、そのセクションで前記底面部上に残っているそれぞれの前記ブロック群の固縛状態を解除して水中に投入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、仕上げ積み工程において、船倉の左右それぞれの底面部上で船幅方向に並列する1列~3列のブロックを一組のブロック群として、船長方向における2列以上5列以下のブロック群で構成されたセクション毎にグループ分けし、それぞれのセクション毎にブロック群の水中への投入作業を行う。これにより、主工程で形成したマウンドの高さが目標高さに対して不足している不足範囲に、過不足ない数のブロックをピンポイントに精度よく補填することが可能になる。さらに、それぞれのセクションのブロック群を第一投入作業と第二投入作業とに分けて投入することで、船幅方向に向き合う一方側のブロック群と他方側のブロック群とが干渉し合うことを回避して、それぞれのセクションのブロック群を水中に円滑に投入できる。それ故、主工程で形成されたマウンドの高さが目標高さに対して不足している不足範囲の高さ不足を解消する仕上げ積み工程を効率的に精度よく行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のブロック投入船により水中にブロックを投入して水底にマウンドを構築している状況を側面視で模式的に例示する説明図である。
【
図2】
図1のブロック投入船を平面視で例示する説明図である。
【
図3】
図1のブロック投入船を縦断面視で例示する説明図である。
【
図4】
図1のブロック投入船に搭載しているブロックの区分けを平面視で例示する説明図である。
【
図5】
図2の固縛手段を平面視で拡大して例示する説明図である。
【
図6】
図3の固縛手段を縦断面視で拡大して例示する説明図である。
【
図7】
図1のブロック投入船により水中にブロックを投入している状態を縦断面視で例示する説明図である。
【
図8】
図1のブロック投入船に搭載しているブロックの投入作業における第一投入作業を行う前の状態を平面視で例示する説明図である。
【
図9】
図8の状態から第一投入作業を行った後の状態を平面視で例示する説明図である。
【
図10】
図9の状況から第二投入作業を行った後の状態を平面視で例示する説明図である。
【
図11】
図1のブロック投入船に搭載しているブロックの別の区分けを平面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のマウンドの構築方法を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1に例示するように、水底WGに多数のブロックBが積み上げられたマウンドMを構築する工事では、まず、ブロック投入船1を使用して水中に多数のブロックBを投入して水底WGに多数のブロックBが積み上げられたマウンドMの概形を形成する主工程を行う。その後、測量船を使用して主工程によって水底WGに形成されたマウンドMの形状データを取得し、マウンドMの高さが目標高さDに対して不足している不足範囲Qを把握する。そして、その既に形成された未完成状態のマウンドMの高さが目標高さDに対して不足している不足範囲Qに、ブロック投入船1を使用して複数のブロックBを投入して不足範囲Qの高さ不足を解消する仕上げ積み工程を行うことで、目標高さDを満足するマウンドMを構築する。
【0011】
本発明は、前述した仕上げ積み工程を特に効率的に精度よく行うことができる方法を提案するものである。図面では、ブロック投入船1の船長方向(前後方向)、船幅方向(左右方向)、高さ方向(上下方向)をそれぞれ矢印X、Y、Zで示している。
図1では、マウンドMの目標高さDを示す仮想的なラインを一点鎖線で示し、不足範囲Qを斜線部で示している。
【0012】
図2に例示するように、ブロック投入船1は、所謂全開式の土運船を改造したものであり、多数のブロックBが搭載される開閉式の船倉3と、ブロックBを船倉3に対して固縛する固縛手段6とを備えている。ブロック投入船1は、さらに、ブロック投入船1の位置情報を取得する位置情報取得手段19と、ブロック投入船1の船首方位を検出する方位検出手段20とを備えている。
【0013】
図3に例示するように、船倉3は、ブロック投入船1の船体2の船幅方向外側から船幅方向中央に向かって下方傾斜する左右一対の底面部4A、4Bと、それぞれの底面部4A、4Bの船幅方向外側に立設された側壁5と、左右一対の底面部4A、4Bの開閉を行う開閉機構とを有して構成されている。図面では開閉機構を省略している。
【0014】
図4に例示するように、左右それぞれの底面部4A、4B上に多数のブロックBが船長方向および船幅方向に整列配置される。この構築方法では、仕上げ積み工程において、左右それぞれの底面部4A、4B上に搭載するブロックBの配列を船幅方向に1列以上3列以下とする。そして、それぞれの底面部4A、4B上で船幅方向に並列配置したブロックBをそれぞれブロック群G(G1~G3)として、ブロック群G毎に固縛手段6を用いて船倉3に対して固縛した状態にする。
【0015】
この実施形態では、それぞれの底面部4A、4B上に30個ずつ、合計で60個のブロックBを船倉3に搭載している。それぞれの底面部4A、4B上にブロックBを船幅方向に2列、船長方向に15列で整列配置している。そして、それぞれの底面部4A、4Bで船幅方向に並列配置したブロックB(この実施形態では2個のブロックB)を1つのブロック群G(G1~G3)として、それぞれのブロック群Gに固縛手段6を設けている。なお、
図4と後に説明する
図8~
図11では固縛手段6を省略している。
【0016】
図5および
図6に例示するように、固縛手段6は、ブロック群Gを構成するブロックBの外周に掛け回されるワイヤロープ7と、ワイヤロープ7の一端部7aが係止される可動フック装置8と、ワイヤロープ7の他端部が接続される固定部9とを有している。この実施形態では、可動フック装置8を側壁5の上端面5b上に設置している。また、固縛手段6として、可動フック装置8から船長方向に離間した上端面5b上の所定位置に折り返し部10を設置し、側壁5の内側壁面5aにガイド部11を設置している。この実施形態では、さらに、側壁5の上端面5bに保護部12と振れ抑制部13を設置している。
【0017】
可動フック装置8は、側壁5の上端面5b上に固定される支持フレーム8aと、支持フレーム8aに対して回動可能に接続されたフック部8bと、支持フレーム8aに対してフック部8bとは異なる回転軸で回転可能に接続されたレバー部8cとを有している。可動フック装置8は、さらに、レバー部8cに接続されたアクチュエータ部8dと、アクチュエータ部8dを制御する制御部8eとを有している。
【0018】
支持フレーム8aは上端面5b上に溶接などで固定される。フック部8bには、ワイヤロープ7の輪状に形成された一端部7aが係止される。レバー部8cがフック部8bをロックする位置(以下、ロック位置という)に固定された状態では、フック部8bはワイヤロープ7の一端部7aを係止可能な向きで固定された状態となる。レバー部8cがロック位置から支持フレーム8aに対して回動してフック部8bのロックを解除する位置(以下、ロック解除位置という)に移動すると、フック部8bが支持フレーム8aに対して回動可能な状態となり、フック部8bによるワイヤロープ7の一端部7aの係合状態が解除される構造になっている。アクチュエータ部8dは、レバー部8cをロック位置で固定する機能とロック解除位置に回動させる機能を有している。
【0019】
制御部8eは、アクチュエータ部8dを制御することにより、レバー部8cをロック位置に固定した状態と、レバー部8cをロック位置からロック解除位置に移動させた状態とを切り換える。可動フック装置8は、平面視でフック部8bの延在方向(フック部8bの回転軸と直交する方向)が、船幅方向に対して交差する向きで設置している。
【0020】
折り返し部10は、例えば、金属製の円柱体や円管体で構成する。折り返し部10は、上端面5b上の可動フック装置8(フック部8b)から船長方向に0.5m~1.5m程度離間した位置に立設する。
【0021】
ガイド部11は、船幅方向に延在する円管部と、円管部の船幅方向の両側に設けられた一対の遮蔽部とを有している。一対の遮蔽部の一端部は側壁5の内側壁面5aに固定していて、一対の遮蔽部の他端部に円管部の端部を接合している。内側壁面5a、円管部および一対の遮蔽部で囲まれたすき間にワイヤロープ7が挿通した状態で、円管部の内側壁面5a側からワイヤロープ7が掛け回された状態となる。
【0022】
保護部12は、側壁5の船幅方向中央側の上方角部を被覆して、ワイヤロープ7による上方角部の損傷を防止する部材である。保護部12は例えば、金属製の板状部材や管状部材などで構成される。
【0023】
振れ抑制部13は、例えば、金属製の円柱体や円管体で構成される。振れ抑制部13は、折り返し部10から船長方向に例えば、0.2m~0.5m程度離間した上端面5b上の所定位置に設置される。振れ抑制部13は、船長方向において、折り返し部10に対して可動フック装置8と反対側に配置されている。固定部9は例えば、ワイヤロープ7の他端部が接続されるリギンスクリューと、リギンスクリューを内側壁面5aに対して回動可能に連結する固定金具とで構成される。
【0024】
固縛手段6により船倉3に対してブロック群G(複数のブロックB)が固縛された状態(以下、固縛状態という)では、ワイヤロープ7が、可動フック装置8(フック部8b)に係止された一端部7aから船長方向に向かって延在して折り返し部10に掛け回されることにより船幅方向に屈曲した後、ガイド部11に向かって内側壁面5aに沿った方向に延在した状態となる。折り返し部10に掛け回されたワイヤロープ7は、折り返し部10と振れ抑制部13との間に配設された状態となる。この実施形態では、折り返し部10から船幅方向に向かって延在するワイヤロープ7が保護部12の上面に当接した状態で、ワイヤロープ7の延在方向が上端面5bの上面に沿った方向から内側壁面5aに沿った方向に屈曲した状態となる。
【0025】
そして、折り返し部10から保護部12を通って延在するワイヤロープ7がガイド部11(円管部)に掛け回されることにより、ワイヤロープ7の延在方向が内側壁面5aに沿った方向から底面部4A(4B)の傾斜面に沿った方向に屈曲した状態となる。ガイド部11から延在したワイヤロープ7は、ブロック群Gの外周に掛け回されて他端部が内側壁面5aに設置された固定部9に接続された状態となる。
【0026】
固縛状態では、張った状態のワイヤロープ7にブロック群Gの荷重がかかり、そのワイヤロープ7にかかった荷重が可動フック装置8、折り返し部10および固定部9により支持された状態となる。可動フック装置8によるワイヤロープ7の一端部7aの係止状態が解除されると、固縛手段6による固縛状態は解除され、ブロック群Gが底面部4A、4Bの傾斜面上を滑走可能な状態となる。
【0027】
図6に例示するように、この実施形態では、さらに、内側壁面5aの高さ方向中途位置に船長方向に延在する足場14を設置している。ガイド部11の上方に位置する足場14の所定位置には貫通孔が設けられていて、固縛状態では、折り返し部10から延在するワイヤロープ7が貫通孔に挿通し、ガイド部11に掛け回された状態となる。なお、
図2、
図4、
図5では足場14を省略している。
【0028】
図2に例示するように、この実施形態では、ブロック投入船1の操船室15よりも船倉3側(船首側)に操作室16が設けられていて、操作室16の内部に可動フック装置8の遠隔操作を行う操作盤17と、操作盤17による指令をそれぞれの可動フック装置8の制御部8eに送信する送信部18が設けられている。操作盤17にはそれぞれの可動フック装置8に対応するスイッチが設けられていて、スイッチを切り換えると送信部18から対応する制御部8eにアクチュエータ部8dを駆動させる指令が入力される構成になっている。
【0029】
ブロック投入船1に搭載したブロックBを水中に投入する際には、
図7に例示するように、船倉3を開いた状態にする。より具体的には、開閉機構により船幅方向中央で前後に延びる回転軸Cを中心にして、左右一対の底面部4A、4Bをそれぞれ船幅方向外側に開くことで、左右一対の底面部4A、4Bの内側端部4cどうしを離間させて、船幅方向中央に水中への開口部を形成する。
【0030】
そして、作業者は、操作盤17に設けられているそれぞれの固縛手段6(可動フック装置8)に対応するスイッチを切り換える。スイッチを切り換えると、送信部18を介してそれぞれ対応する可動フック装置8の制御部8eにアクチュエータ部8dを駆動させる指令が入力される。そして、制御部8eによりアクチュエータ部8dが駆動されることで、レバー部8cがロック解除位置に回動して、レバー部8cによるフック部8bのロック状態が解除される。そして、フック部8bが回動することによりフック部8bからワイヤロープ7の一端部7aが外れて、固縛手段6によるブロック群Gの固縛状態が解除される。そして固縛状態が解除されたそれぞれのブロックBが船倉3の中央の開口部に向かって底面部4A(4B)上を滑走し、船倉3の開口部を通過して水中に投入される構成になっている。
【0031】
位置情報取得手段19としては、全地球測位システムから位置座標データを取得するGNSS受信装置などが例示できる。方位検出手段20としては、ジャイロコンパスや磁気コンパスなどが例示できる。位置情報取得手段19と方位検出手段20は同じ装置(例えば、GNSS方位計など)で構成することもできる。
【0032】
次に、ブロック投入船1を使用したマウンドMの構築方法を具体的に説明する。本発明では、前述した仕上げ積み工程を以下のような方法で行う。
【0033】
まず、ブロック投入船1にブロックBを搭載する。具体的には、ブロック投入船1の船倉3を閉じた状態で、クレーンを使用して底面部4A、4B上にそれぞれブロックBを船幅方向および船長方向に複数列配置するとともに、固縛手段6によりブロック群Gごとに船倉3に対して固縛した状態にする。左右それぞれの底面部4A、4B上に搭載するブロックBの配列は船幅方向に1列以上3列以下とし、その船幅方向に並列配置した1個以上3個以下のブロックBをそれぞれブロック群Gとして固縛手段6により船倉3に対して固縛した状態にする。
【0034】
より具体的には、クレーンを使用して、底面部4A(4B)上に1個以上3個以下のブロックBを船幅方向に並べて載置し、それらのブロックB(ブロック群G)を吊持した状態にする。そして、可動フック装置8のロックした状態のフック部8bにワイヤロープ7の一端部7aを係止し、一端部7aから船長方向に向けて延在させたワイヤロープ7を折り返し部10、ガイド部11に掛け回した状態で、ワイヤロープ7の中途部分を複数のブロックBの外周(側面と前面)に掛け回し、ワイヤロープ7の他端部を固定部9に接続した状態にする。そして、クレーンによるブロックBの吊持状態を解除して、固縛手段6によりブロック群Gを固縛した状態にする。
【0035】
なお、底面部4A(4B)上にブロックBを載置する作業、ワイヤロープ7の一端部7aを可動フック装置8に係止させる作業、ワイヤロープ7の中途部分を複数のブロックBの外周に掛け回す作業、および、ワイヤロープ7の他端部を固定部9に接続する作業の作業順は上記で例示した順番に限定されず、異なる作業順でブロック群Gを固縛することもできる。
【0036】
この実施形態では、それぞれの底面部4A、4B上にブロックBを船幅方向に2列、船長方向に15列で整列配置し、それぞれの底面部4A、4Bで船幅方向に並列配置した2個のブロックBを1組のブロック群G(G1~G3)として、それぞれのブロック群Gを固縛手段6により船倉3に対して固縛している。
【0037】
図4に例示するように、仕上げ積み工程では、左右の底面部4A、4B上に整列配置した多数のブロックBを、船長方向における2列以上5列以下(より好ましくは、3列または4列)のブロック群Gで構成されたセクションS毎にグループ分けする。そして、それぞれのセクションS(S1~S5)毎に投入基準位置T(T1~T5)を設定する。投入基準位置Tは例えば、平面視でそれぞれのセクションSの中央に設定する。
【0038】
この実施形態では、船長方向に並ぶ3列のブロック群G(G1~G3)をそれぞれ1つのセクションSとして、船長方向に並ぶ15列のブロック群Gを5つのセクションS(S1~S5)にグループ分けしている。即ち、それぞれのセクションSは、一方側の底面部4Aに搭載された3組のブロック群G(G1~G3)と、他方側の底面部4Bに搭載された3組のブロック群G(G1~G3)とで構成される。このグループ分けは概念上のものであり、物理的にグループ分けする作業は不要である。
【0039】
ブロック投入船1を使用して仕上げ積み工程を行う前には、測量船のソナーを使用して水底WGに形成されているマウンドMの形状データを取得し、マウンドMの設計図や施工図などと比較することで、マウンドMの高さが目標高さDに対して不足している不足範囲Qの位置(平面位置座標)と不足している高さを把握しておく。そして、仕上げ積み工程では、ブロックBを搭載した状態のブロック投入船1を、主工程で形成した未完成状態のマウンドMがある水域まで移動させる。そして、ブロック投入船1を操船して不足範囲Qの上方まで移動させ、船倉3を開いた状態にする。不足範囲Qの平面位置座標は、位置情報取得手段19および方位検出手段20の取得データから算出することが可能である。
【0040】
次いで、不足範囲Qに対して、グループ分けしたそれぞれのセクションS毎にブロック群Gの水中への投入作業を行う。各セクションSの投入作業では、ブロック投入船1を操船して、対象となる不足範囲Qと投入作業を行うセクションSの投入基準位置Tとの平面視での位置合わせを行う。投入基準位置Tの平面位置座標は、位置情報取得手段19および方位検出手段20の取得データから算出することが可能である。
【0041】
ブロック群Gが水中に投入される際には、ブロック群Gは傾斜した底面部4A(4B)上を滑走して斜め下方向に向かって落下し、水中に落下したそれぞれのブロックBは、マウンドM上に着床するまでに水の抵抗や潮流などの影響を受ける。それ故、水中に投入したブロックBは必ずしも、投入基準位置Tの真下に着床するとは限らない。そのため、不足範囲Qと投入基準位置Tとの位置合わせは、投入基準位置Tを不足範囲Qの真上に調整する場合に限らず、潮流などの影響による投入基準位置TとブロックBが実際に着床する範囲との平面視での位置ずれを考慮して行うとよい。
【0042】
それぞれのセクションSの投入作業は第一投入作業と第二投入作業の2回に分けて行う。
図4、
図8~
図10では、第一投入作業で投入するブロック群Gに黒塗の矢印を付しており、第二投入作業で投入するブロック群Gに白抜き矢印を付している。
図8の黒塗りの矢印で示すように、第一投入作業では、セクションSに含まれる一方側の底面部4Aに搭載しているブロック群Gと、他方側の底面部4Bに搭載しているブロック群Gとを、船長方向の一列毎に片側ずつ交互に選択して、その選択したそれぞれのブロック群Gの固縛状態を解除して水中に投入する。
【0043】
この実施形態では、第一投入作業で、一方側の底面部4Aに搭載している船長方向で奇数列となる1列目のブロック群G1および3列目のブロック群G3と、他方側の底面部4Bに搭載している船長方向で偶数列となる2列目のブロック群G2とを水中に投入している。
【0044】
そして、
図9に例示するように、第一投入作業で投入したブロック群Gが船倉3の開口部を通過した後に、第二投入作業で、そのセクションSで底面部4A、4B上に残っているそれぞれのブロック群Gの固縛状態を解除して水中に投入する。この実施形態では、第二投入作業で、一方側の底面部4Aに搭載している船長方向で偶数列となる2列目のブロック群G2と、他方側の底面部4Bに搭載している船長方向で奇数列となる1列目のブロック群G1および3列目のブロック群G3を水中に投入している。
【0045】
以上により、1つのセクションS(S1)の投入作業が完了する。ブロック群Gを投入し終えた固縛手段6の水中に投下されたワイヤロープ7の一端部7a側は、図示しないワイヤロープ回収手段により随時船倉3上に回収する。
【0046】
そして、目標高さDに達していない不足範囲Qが未だに存在する場合には、ブロック投入船1を操船して、高さが不足している不足範囲Qと次に投入作業を行うセクションS(S2)の投入基準位置T(T2)との平面視での位置合わせを行う。そして、同様の手順で、次のセクションS(S2)のブロック群Gの投入作業を第一投入作業と第二投入作業の2回に分けて行う。
【0047】
以上の作業を不足範囲Qの高さ不足が解消するまで、各セクションS(S3~S5)で繰り返し行う。すべてのセクションSのブロック群Gの投入作業を終えた後には、ブロック投入船1の船倉3を閉じる。そして、未だにマウンドMに不足範囲Qが存在する場合には、再びブロック投入船1にブロックBを搭載し、同様の手順で仕上げ積み工程を行う。仕上げ積み工程により、マウンドMのすべての不足範囲Qの高さ不足を解消し終えると、施工は完了する。
【0048】
このように、この構築方法では、仕上げ積み工程において、船倉3の左右それぞれの底面部4A、4B上で船幅方向に並列する1列~3列のブロックBを一組のブロック群Gとして、船長方向における2列以上5列以下(より好ましくは、3列以上4列以下)のブロック群Gで構成されたセクションS毎にグループ分けする。そして、それぞれのセクションS毎にブロック群Gの水中への投入作業を行う。これにより、マウンドMの高さが目標高さDに対して不足している不足範囲Qに、過不足ない数のブロックBをピンポイントに精度よく補填することが可能になる。さらに、それぞれのセクションSのブロック群Gを第一投入作業と第二投入作業とに分けて投入することで、船幅方向に向き合う一方側のブロック群Gと他方側のブロック群Gとが干渉し合うことを回避しつつ、セクションSのブロック群Gを水中に円滑に投入することができる。それ故、マウンドMの不足範囲Qの高さ不足を解消する仕上げ積み工程を効率的に精度よく行うことができる。
【0049】
即ち、従来の方法では、1回の投入作業で投入するブロックBの数が非常に多く、ブロックBを水中に投入する範囲も広いため、水中に投入した多数のブロックBが広範囲に分散し易く、ブロックBの積み上がり方にもバラツキが生じ易かった。そのため、マウンドMの不足範囲Qに必要数のブロックBをピンポイントに補填することはできず、不足範囲Qではない範囲にまで不要なブロックBを積み上げてしまうことがしばしばあった。それに伴い、投入するブロックBが過剰になることで、ブロックBの搭載作業や投入作業を行う回数が多くなり、仕上げ積み工程の作業効率や施工精度が比較的低かった。
【0050】
それに対して、この構築方法の仕上げ積み工程では、セクションS毎のブロックBの数と配列を、仕上げ積みに好適な数と配列に設定していることで、未完成状態のマウンドMの不足範囲Qに過不足ない数のブロックBをピンポイントに補填することが可能になる。それ故、水中に投入するブロックBの数を必要最小限にして、ブロックBの搭載作業および投入作業を行う回数やそれらの作業に要する時間を従来方法に比して短縮できる。それ故、マウンドMの構築に要する施工コストや工期を短縮するには非常に有利になる。
【0051】
この実施形態では、それぞれのセクションS1~S5において、第一投入作業では、セクションSに含まれる一方側の底面部4Aに搭載している船長方向における奇数列のブロック群Gと、他方側の底面部4Bに搭載している船長方向における偶数列のブロック群Gとを選択して水中に投入している。このように、すべてのセクションS1~S5のブロック群Gの投入作業を同じ条件で行うと、ブロックBを投入した際の投入基準位置Tと、投入したブロックBが着床する範囲との相対的な位置関係のバラツキがより小さくなるので、投入基準位置Tを不足範囲QにブロックBが着床する位置に合わせる作業を精度よく行うには有利になる。また、投入したブロックBの積み上がり方のバラツキが小さくなるので、不足範囲Qの高さ不足を解消するために必要なセクションSの数もより把握し易くなる。それ故、仕上げ積み工程を効率的に精度よく行うには有利になる。
【0052】
セクションS毎のブロックBの数を同数に設定すると、それぞれのセクションSのブロックBを投入することで補填されるブロックBの積み上げ高さを概ね一定にできる。そのため、不足範囲Qの高さ不足を解消するために過不足ないセクションSの数をより決定し易くなる。それ故、仕上げ積み工程を効率的に精度よく行うにはより一層有利になる。
【0053】
この実施形態では、それぞれの底面部4A、4Bに搭載するブロックBの配列を、船幅方向に2列、船長方向に15列とし、それぞれのセクションSを船長方向の3列のブロック群Gとして、5つのセクションS(S1~S5)にグループ分けしている。このように、それぞれのセクションSのブロックBの数を12個とし、第一投入作業と第二投入作業でブロックBを6個ずつ投入する構成にすると、不足範囲Qに補填するブロックBの数を細かく調整し易くなるので、仕上げ積み工程を効率的に精度よく行うには非常に適している。
【0054】
マウンドMの概形を形成する主工程におけるブロックBの投入方法は特に限定されないが、主工程においても、上述した仕上げ積み工程と同じ方法でブロック群Gの水中への投入作業を行うことが好ましい。即ち、主工程においても、船倉3の左右それぞれの底面部4A、4Bに搭載するブロックBの配列を船幅方向に1列以上3列以下としてそれぞれのブロック群Gを固縛手段6により固縛した状態にする。そして、左右の底面部4A、4B上に整列配置した多数のブロックBを、船長方向における2列以上5列以下(より好ましくは3列または4列)のブロック群Gで構成されたセクションS毎にグループ分けして、それぞれのセクションS毎に第一投入作業と第二投入作業に分けてブロック群Gの水中への投入作業を行う。さらに、第一投入作業ではセクションSに含まれる一方側の底面部4Aに搭載しているブロック群Gと他方側の底面部4Bに搭載しているブロック群Gとを、船長方向の一列毎に片側ずつ交互に選択して水中に投入し、第二投入作業では残っているブロック群Gを水中に投入する。
【0055】
このように、主工程を仕上げ積み工程と同じ方法で行うと、主工程におけるそれぞれのセクションSのブロックBの投入作業を行う過程で、それぞれのセクションSのブロックBが水底WGに着床する範囲の広さや、ブロックBどうしの積み重なり方、1つのセクションSでブロックBが積み上がる高さ、投入基準位置Tと実際にブロックBが水底WGに着床する範囲との相対的な位置関係などの様々な情報を得ることができる。それ故、仕上げ積み工程を行う前に1つのセクションSの投入作業で補填できる積み上げ高さや、不足範囲Qの高さ不足を解消するために必要なセクションSの数を予め精度よく把握することができる。また、仕上げ積み工程における、不足範囲Qと投入基準位置Tとの位置合わせもより精度よく行うことが可能になる。それ故、仕上げ積み工程をより効率的に精度よく行うことができ、マウンドMを効率よく構築するにはより一層有利になる。
【0056】
この構築方法では、例えば、
図11に例示するような投入順でブロックBの投入作業を行うこともできる。船倉3に搭載するブロックBの配列と、セクションSの区分けは先に例示した実施形態と同じである。
【0057】
図11に例示するように、この実施形態では、船長方向において奇数番目のセクションS(S1、S3、S5)の投入作業を行う際には、第一投入作業で、黒塗りの矢印で示すように、それぞれのセクションS(S1、S3、S5)に含まれる一方側の底面部4Aに搭載している船長方向における奇数列のブロック群G1、G3と、他方側の底面部4Bに搭載している船長方向における偶数列のブロック群G2とを選択して水中に投入する。そして、第二投入作業で、白抜きの矢印で示すように、そのセクションS(S1、S3、S5)で底面部4A、4B上に残っているそれぞれのブロック群Gを水中に投入する。
【0058】
船長方向において偶数番目のセクションS(S2、S4)の投入作業を行う際には、第一投入作業で、黒塗りの矢印で示すように、それぞれのセクションS(S2、S4)に含まれる一方側の底面部4Aに搭載している船長方向における偶数列のブロック群G(G2)と、他方側の底面部4Bに搭載している船長方向における奇数列のブロック群G(G1、G3)とを選択して水中に投入する。そして、第二投入作業では、白抜きの矢印で示すように、そのセクションS(S2、S4)で底面部4A、4B上に残っているそれぞれのブロック群Gを水中に投入する。このような投入順で投入作業を行う場合にも先に例示した実施形態と概ね同じ効果を奏することができる。
【0059】
なお、上記では、一方側を左舷側、他方側を右舷側とした場合を例示したが、一方側を右舷側、他方側を左舷側として、上述した配置を左右入れ変えた場合にも、同様の効果を奏することができる。また、船倉3に搭載するブロックBの数や配列、それぞれのブロック群Gを構成するブロックBの数、それぞれのセクションSを構成するブロック群Gの数、セクションSの数などは上記で例示した実施形態に限定されず、上記で例示した条件の範囲内であれば、船倉3のサイズや運搬するブロックBの数に応じて適宜設定できる。
【0060】
例えば、船幅方向にブロックBを3列配置して、3個以上のブロックBをブロック群Gとして固縛手段6により固縛してもよい。また、船長方向に14列以下のブロック群Gを配列した構成にすることもできるし、船長方向に16列以上のブロック群Gを配列した構成にすることもできる。また、ブロック群Gを固縛する方法や固縛手段6の構成は、上記で例示した実施形態に限定されず、例えば、固縛手段6を構成する可動フック装置8を側壁5の内側壁面5aに設置した構成にすることもできる。
【符号の説明】
【0061】
1 ブロック投入船
2 船体
3 船倉
4A、4B 底面部
4c 内側端部
5 側壁
5a 内側壁面
5b 上端面
6 固縛手段
7 ワイヤロープ
8 可動フック装置
8a 支持フレーム
8b フック部
8c レバー部
8d アクチュエータ部
8e 制御部
9 固定部
10 折り返し部
11 ガイド部
12 保護部
13 振れ抑制部
14 足場
15 操船室
16 操作室
17 操作盤
18 送信部
19 位置情報取得手段
20 方位検出手段
C 回転軸
B ブロック
G、G1~G3 ブロック群
S、S1~S5 セクション
T、T1~T5 投入基準位置
M マウンド
D 目標高さ
Q 不足範囲
WG 水底