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▶ 興和株式会社の特許一覧

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  • 特開-マスクカバー 図1
  • 特開-マスクカバー 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105590
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】マスクカバー
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20230724BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006514
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗栖 哲郎
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】マスクの形状を問わずに装着でき、マスク着用時の動作に伴う顔のラインの変化に追従するマスクカバーの提供。
【解決手段】マスク本体の外側面を覆う、横方向の折り目から形成されるプリーツを有する非伸縮性のマスクカバー本体と、前記マスクカバー本体内側面の左右両側に設けられた一対のマスク固定用伸縮部材とを備えていることを特徴とするマスクカバー。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体の外側面を覆う、横方向の折り目から形成されるプリーツを有する非伸縮性のマスクカバー本体と、前記マスクカバー本体内側面の左右両側に設けられた一対のマスク固定用伸縮部材とを備えていることを特徴とするマスクカバー。
【請求項2】
前記横方向の折り目から形成されるプリーツの巾が10~35mmであることを特徴とする請求項1記載のマスクカバー。
【請求項3】
前記非伸縮性のマスクカバー本体がレース生地からなることを特徴とする請求項1又は2記載のマスクカバー。
【請求項4】
前記マスク固定用伸縮部材の縦方向の伸長度が1.5~2.5であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載のマスクカバー。
【請求項5】
前記マスク固定用伸縮部材がゴム紐からなることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載のマスクカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに装着して使用されるマスクカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
マスクは、咳やくしゃみの飛沫の飛散を防ぐために使用される、または、ほこりや花粉、飛沫等の粒子が体内に侵入することを防ぐ衛生用品である。日常生活において使用するマスクは、白色の不織布製マスクが一般的であるが、最近では、マスクの機能性とファッション性とを両立させるべく、様々なカラーやデザインのマスクも定番になりつつある。
【0003】
一方、マスクに装着し、マスクにファッション性を持たせるマスクカバーが提案されている。例えば、マスク本体の正面を覆うとともに、正面には文字等が施されてなる任意形状のカバー本体と、このカバー本体の裏面の上端及び下端に縫着され、マスクの一方及び他方の耳かけが潜通されるように中途部が開放されている潜通部とを備えたマスクカバー(特許文献1)が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3047179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、斯かる従来のマスクカバーは、例えば、不織布製マスクとして一般的な所謂「プリーツ加工型」のマスクに装着すると、マスク着用時の、顔を左右に向けたり、上下に動かしたり、発声したり等の動作に十分に追従できずズレ易いと云う問題があった。
本発明は、上記の如き従来の問題に鑑みてなされたものであり、マスクの形状を問わずに装着でき、マスク着用時の動作に伴う顔のラインの変化に追従するマスクカバーを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、非伸縮性のマスクカバー本体にプリーツ(襞)を形成すると共に、当該マスクカバー本体内側面の左右両側に一対のマスク固定用伸縮部材を設ければ、極めて良い結果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の〔1〕~〔5〕に係るものである。
〔1〕マスク本体の外側面を覆う、横方向の折り目から形成されるプリーツを有する非伸縮性のマスクカバー本体と、前記マスクカバー本体内側面の左右両側に設けられた一対のマスク固定用伸縮部材とを備えていることを特徴とするマスクカバー。
〔2〕前記横方向の折り目から形成されるプリーツの巾が10~35mmであることを特徴とする〔1〕記載のマスクカバー。
〔3〕前記非伸縮性のマスクカバー本体がレース生地からなることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のマスクカバー。
〔4〕前記マスク固定用伸縮部材の縦方向の伸長度が1.5~2.5であることを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のマスクカバー。
〔5〕前記マスク固定用伸縮部材がゴム紐又はテープからなることを特徴とする〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のマスクカバー。
【発明の効果】
【0008】
本発明のマスクカバーによれば、マスクカバー本体が着用時にマスクカバーの外側に向かって膨らむ立体形状となるプリーツを有し、且つマスクを固定する部材が伸縮性を有するので、不織布製マスクとして一般的な所謂「プリーツ加工型」のマスクに装着しても当該マスクにフィットし、マスク着用時の動作に伴う顔のラインの変化に追従するため、マスクからのズレを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明マスクカバーの正面説明図。
図2】本発明マスクカバーの背面説明図。
図3】マスクカバーの装着状態を示す概略正面説明図。
図4】マスクカバーの装着状態を示す概略背面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0011】
本発明の実施の形態を示す図1及び図2において、10はマスクカバーで、マスク本体の外側面を覆うマスクカバー本体11と、当該マスクカバー本体11内側面の左右両側に設けられた一対のマスク固定用伸縮部材12によって構成されている。
【0012】
マスクカバー本体11は、その中央部に、複数(図1では2本)の横方向(長手方向)の折り目13から形成されるプリーツ14を有している。当該プリーツ14は、着用前では略Ω字状に折り畳まれており、マスク着用時に合わせて展開するとマスクカバー10の外側に向かって膨らむ立体形状となるように構成されている。このように、マスクカバー本体11がプリーツを有することで、所謂「プリーツ加工型」のマスクに装着しても当該マスクにフィットし、マスク着用時の動作に伴う顔のラインの変化に追従する。
横方向の折り目13は、着用時の顔のラインの変化への追従性及び製造性の観点から、1~4本、更に2~3本であることが好ましい。
また、プリーツ14の巾(横方向の折り目13と折り目13の巾、図中の矢印)としては、着用時の顔のラインの変化への追従性及び製造性の観点から、10~35mmであることが好ましく、15~30mmであることがさらに好ましい。
【0013】
マスクカバー本体11は、非伸縮性である。ここで、本明細書において非伸縮性とは、伸長度が1.3以下であることをいう。当該伸長度は、マスクカバー本体の横方向の全幅をつかみ、引張試験機(島津製作所製 オートグラフ)にセットした後、50mm間隔(L0)に印を付け14.7Nの荷重を加え、5分間保持後の印間の長さ(L1)を、L0で除した値とする。
マスクカバー本体11を構成する材料としては、伸縮性を有しないものであれば、特にその種類の如何を問わないが、例えば、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ナイロン系繊維、ウレタン系繊維、アセテート系繊維、ポリエチレン系繊維、レーヨン、コットン、羊毛、ガーゼ等からなる布帛又は不織布が挙げられる。なかでも、生産性、保形性の観点から、レーヨン、ナイロン系繊維及び/又はコットンからなる布帛が好ましい。
また、マスクカバー本体11は、不透明なものであっても良いが、例えばレース生地等、マスクカバー本体内側面のマスクを視認可能な素材で形成すれば、ピンクや青といったカラーマスクを着用した際に当該マスクのカラーと相俟って、マスクのファッション性をより高めることができるため望ましい。生地自体に色を施し、ファッション性を高めることもできる。色としては、黒、ピンク等が望ましい。尚、この実施の形態はマスクカバー本体11がレース生地の実施態様を示している。
【0014】
マスクカバー本体11の寸法は、マスクの大きさや顔のサイズを考慮して適宜決定すればよい。例えば、縦方向(短手方向)の長さとしては、70~150mmであることが好ましく、80~140mmであることがより好ましく、90~130mmであることがさらに好ましい。
横方向の長さとしては100~210mmであることが好ましく、130~200mmであることがより好ましく、145~180mmであることがさらに好ましい。
マスクカバー本体11は、例えば、縫製、超音波溶着、熱融着等により適宜形成することができる。
【0015】
一対のマスク固定用伸縮部材12は、その上端及び下端がマスクカバー本体11内側(マスク本体の外側面に触れる側)面の上縁部及び下縁部に取り付けられている。マスク固定用伸縮部材12の取り付け位置は、マスクを固定できる位置であれば特に限定されないが、装着性の観点から、マスクカバー本体11内側面の左右縁部から、それぞれ、30mm以下の位置であることが好ましく、0~15mmの位置であることがさらに好ましい。30mm以下とすることで、マスク本体のプリーツを展開しやすくすることができる。
マスク固定用伸縮部材12のマスクカバー本体11への取り付け方法としては、例えば、縫製、超音波溶着、熱融着等が挙げられる。
【0016】
マスク固定用伸縮部材12は、縦方向に伸縮性を有することが好ましい。マスクカバー本体11が非伸縮性であるのに対して、マスクを固定する部材が縦方向に伸縮することで、マスクへのフィット性が良くなり、マスクからのズレを防ぐ効果が高まる。マスク固定用伸縮部材12の縦方向の伸長度は、1.5~2.5であることが好ましく、1.8~2.2であることがさらに好ましい。当該伸長度は、マスク固定用伸縮部材の横方向の全幅をつかみ、引張試験機(島津製作所製 オートグラフ)にセットした後、50mm間隔(L0)に印を付け14.7Nの荷重を加え、5分間保持後の印間の長さ(L1)を、L0で除した値とする。
マスク固定用伸縮部材12としては、マスクを固定でき、伸縮性を有するものであれば、特にその種類の如何を問わないが、例えば、天然ゴム、ナイロン、ウレタン、レーヨン等を原料としたゴム紐、テープ、編紐等が挙げられる。なかでも、肌あたり及び着用時の顔のラインの変化への追従性の観点から、ナイロン及び/又はウレタンを原料としたゴム紐又はテープが好ましい。
【0017】
次に、図3及び図4を用いて、上記の実施の形態に係る本発明マスクカバー10の装着例を説明する。
先ず、図3及び図4に示すように、マスク20の左右縁部と、当該左右縁部に設けられた耳掛け部21をそれぞれマスクカバー本体11内側面とマスク固定用伸縮部材12との間に挿通し、マスク20にマスクカバー10を装着する。尚、この装着例において、マスク20は、マスク本体に横方向の折り目から形成されるプリーツを4本備える所謂「プリーツ加工型」のマスクである。
次いで、マスク20のプリーツを開いて、耳掛け部21を耳に係止することによりマスク20を着用する。マスク20の着用に合わせてマスクカバー10のプリーツ14が展開し、マスクカバー10の外側に向かって膨らむため、また、一対のマスク固定用伸縮部材12が伸縮するため、マスクカバー10がマスク20にフィットした状態になる。これにより、マスクカバー10はマスク着用時の動作に伴う顔のラインの変化に追従し得るので、マスク20からのズレが防止される。
【符号の説明】
【0018】
10:マスクカバー
11:マスクカバー本体
12:マスク固定用伸縮部材
13:折り目
14:プリーツ
20:マスク
21:耳掛け部
図1
図2
図3
図4