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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105608
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】天井構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/18 20060101AFI20230724BHJP
   E04B 9/06 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
E04B9/18 Z
E04B9/18 B
E04B9/18 P
E04B9/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006545
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸川 智輝
(72)【発明者】
【氏名】和田 純一
(72)【発明者】
【氏名】岡村 克己
(72)【発明者】
【氏名】岡部 淳一
(72)【発明者】
【氏名】井上 輝男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恭章
(57)【要約】
【課題】天井材の位置を高くする。
【解決手段】天井構造50は、梁30に支持されたスラブ10からT字脚部110の吊持部112が吊りボルト12で吊られ平面視で格子状に組まれると共に天井材20が取り付けられるTバー100と、T字脚部110がカットされて形成され梁30の下側フランジ36に対向する梁下部130と、梁下部30の撓みを抑制する抑制機構200と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁に支持されたスラブからT字脚部が吊りボルトで吊られ、平面視で並列又は格子状に組まれると共に天井材が取り付けられるTバーと、
前記T字脚部がカットされて形成され、前記梁の下端部に対向する梁下部と、
前記梁下部の撓みを抑制する抑制機構と、
を備えた天井構造。
【請求項2】
前記抑制機構は、
前記梁下部に接合された補強部材を有している、
請求項1に記載の天井構造。
【請求項3】
前記抑制機構は、
前記梁の下端部から前記梁下部を水平方向に移動可能に吊る吊機構を有している、
請求項1又は請求項2に記載の天井構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、天井スラブから垂下される吊持手段を介して吊持されると共に、連結手段にて互いに連結されて同一平面状の天井パネル架設用空間を形成する天井バーに関する技術が開示されている。この先行技術では、天井バーは、断面が中空矩形部と、この中空矩形部の下面に垂下する断面が逆T字状の天井パネル架設部とからなり、中空矩形部の側壁面の下部に上結手段と係合する垂下片を延在してなることを特徴としている。
【0003】
特許文献2には、天井部材等をワイヤ―を用いて天井スラブから吊り下げ固定する方法及び装置に関する技術が開示されている。この先行技術の天井部材とワイヤ固定金具による天井吊り固定方法では、天井スラブ側金具の一面にワイヤの一端部を適宜手段で固定すると共に、天井部材のメインバー(Tバー)の上側適所に係合させたクランプ部材のクランプ部にワイヤの他端部を当接させ、高さ位置調節を行った後に該クランプ部に設けた固定手段により、ワイヤの他端部の末端をクランプ部材に対して固定するようにした。
【0004】
特許文献3には、建物の構造体から吊り下げられた所定の天井下地の天井枠取り付け用の水平材に対して形鋼又は鋼管よりなる天井枠吊り下げ材を介して天井枠を吊り下げる天井枠吊り下げ構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、天井枠が取り付けられる天井下地側に当該建物の天井構造に対応した天井枠吊り下げのための水平材が設けられている。また、水平材に対して天井枠吊り下げ材を介して野縁および野縁受けよりなる格子状の天井枠が吊り下げられる天井枠吊り下げ構造である。そして、天井下地側水平材および天井枠吊り下げ材を、それぞれ所定の断面形状、所定の外径寸法の形鋼又は鋼管により構成し、所定の取り付け金具を介して天井枠吊り下げ材の上端を天井下地側水平材に交叉する鉛直状態で連結するとともに、天井枠吊り下げ材の下端に天井枠を交叉状態で連結したことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-171734号公報
【特許文献2】特開2004-143798号公報
【特許文献3】特開2020-7882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
天井材が取り付けられるTバーは、梁に支持されたスラブから、吊りボルトをTバーのT字脚部に連結して吊り下げられている。このため、TバーのT字脚部が、梁の下端部と干渉しないように梁の下端部よりもTバーを下方に下げる必要がある。したがって、天井材の位置を高くすることには、限界がある。
【0007】
本発明は、上記事実を鑑み、天井材の位置を高くすることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一態様は、梁に支持されたスラブからT字脚部が吊りボルトで吊られ、平面視で並列又は格子状に組まれると共に天井材が取り付けられるTバーと、前記T字脚部がカットされて形成され前記梁の下端部に対向する梁下部と、前記梁下部の撓みを抑制する抑制機構と、を備えた天井構造である。
【0009】
第一態様の天井構造では、TバーにおけるT字脚部がカットされて形成された梁下部に梁の下端部が対向する。よって、TバーにおけるT字脚部をカットした分、Tバーの位置を高くできる。また、Tバーにおける梁下部は、T字脚部がカットされて形成されているので他の部位よりも剛性が小さいが、抑制機構によって撓みが抑制される。したがって、Tバーの撓みを抑制しつつ、Tバーに取り付けられる天井材の位置が高くなる。
【0010】
第二態様は、前記抑制機構は、前記梁下部に接合された補強部材を有している、第一態様に記載の天井構造である。
【0011】
第二態様の天井構造では、Tバーにおける梁下部は、補強部材が接合されることで剛性が大きくなり、撓みが抑制される。
【0012】
第三態様は、前記抑制機構は、前記梁の下端部から前記梁下部を水平方向に移動可能に吊る吊機構を有している、第一態様又は第二態様に記載の天井構造である。
【0013】
第三態様は、前記抑制部材は、Tバーにおける梁下部は、梁の下端部から水平方向に移動可能に吊られているので、梁下部の撓みが抑制される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、天井材を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の天井構造をY方向から見た側面図である。
図2図1の要部の拡大側面図である。
図3】本発明の一実施形態の天井構造をX方向から見た拡大正面図である。
図4】(A)は本発明の一実施形態の天井構造に用いているTバーを長手方向から見た図であり、(B)はTバーの上部側をカットして形成した梁下部を長手方向から見た図であり、(C)は梁下部に補強板を接合した図であり、(D)は梁下部にL字補強材を接合した図である。
図5】本発明の一実施形態の天井構造の抑制機構の要部をY方向から見た側面図である。
図6】本発明の一実施形態の天井構造の抑制機構の要部をX方向から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態の天井構造について説明する。なお、水平方向の直交する二方向をX方向及びY方向とし、それぞれ矢印X及び矢印Yで示す。X方向及びY方向と直交する鉛直方向をZ方向として、矢印Zで示す。また、Y方向から見る場合を側面とし、X方向から見た場合を正面とする。
【0017】
[構造]
まず、本実施形態の天井構造の具体的な構造について説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の天井構造50は、スラブ10から吊られ格子状に組まれたTバー100に天井材20(図3参照)や図示されていない照明器具等が取り付けられたシステム天井である。なお、図1及び後述する図2は、天井材20(図3参照)等が取り付けられていない状態である。また、スラブ10とTバー100との間や後述する吊りボルト12間等にブレースが接合されていてもよい。
【0019】
図3及び図4(A)に示すように、Tバー100は、長手方向の直交する断面形状が略逆T字形状とされた長尺部材であり、T字脚部110とT字頭部120とで構成されている。T字脚部110は、Tバー100の上端部を構成する断面形状が矩形枠状の吊持部112と、吊持部112から下方に延びる縦板部114とで、構成されている。T字頭部120は、上端部が縦板部114から繋がり、断面が矩形枠状で下方が開放されたレール状の部位となっている。
【0020】
各図におけるTバー100は長手方向がX方向に沿っている。しかし、前述したようにTバー100は平面視でX方向及びY方向に沿って配置され格子状に組まれている。よって、図示されてはいないが、長手方向がY方向のTバー100も設けられている。
【0021】
図3に示すように、Tバー100のT字頭部120に天井材20や図示されていない照明器具等が取り付けられている。また、天井材20の下面が天井面22である。
【0022】
なお、本実施形態のTバー100は、金属製であり、更に、薄肉鉄板を二つ折りに加工して各部位を所定形状に成形したものであるが、これに限定されるものではない。Tバー100は、設置場所の状況や天井材20や図示されていない照明器具等の被支持物の重量等に応じて、材料や製造方法等を適宜選択すればよい。
【0023】
図1に示すように、スラブ10は、梁30の上に支持されている。なお、想像線(二点鎖線)で示す梁30の説明は後述する。本実施形態におけるスラブ10は、鉄筋コンクリート造とされている。また、本実施形態の梁30は、上側フランジ32、ウェブ34及び下側フランジ36を有するH形鋼で構成されている。しかし、スラブ10及び梁30は、これらに限定されるものではない。
【0024】
本実施形態のTバー100は、ジョイントやビス等によって前述したように平面視格子状に組まれている。Tバー100は、スラブ10に固定された吊りボルト12によって吊られている。図1及び図2に示すように、具体的には、吊りボルト12の下端部に吊金具42が設けられ、この吊金具42がTバー100のT字脚部110の上端部の吊持部112を把持している(図3も参照)。なお、補助吊りボルト14及び補助吊金具44の説明は後述する。ここで、図3に示すように、本実施形態の吊金具42は、吊金具本体41に把持部43の上端部をボルト締結することで、吊持部112を把持しているが、これに限定されるものではない。
【0025】
図1及び図2に示すように、Tバー100における梁30の下端部である下側フランジ36と対向する部位は、梁下部130となっている。梁下部130は、Tバー100における梁30の下側フランジ36と干渉する部位のT字脚部110の縦板部114を途中でカットし、Tバー100の上下長を部分的に短くすることで形成されている。つまり、Tバー100における上部側(吊持部112及び縦板部114の上部側)を切り欠いてカットして残った下側部分(縦板部114の下部側とT字頭部120と)が梁下部130である。
【0026】
また、別の観点から説明すると、Tバー100は、梁30の下側フランジ36と干渉する上部側が切り欠かれることで凹部138が形成され、この凹部138の底部を構成する部位が梁下部130である。
【0027】
なお、図4(B)が梁下部130を長手方向から見た形状である。図4(B)は後述する補強板210(図4(C)参照)が接合されていない状態を図示している。
【0028】
ここで、本実施形態では、既製品のTバー100における梁30の下側フランジ36と干渉する部位のT字脚部110の縦板部114を途中でカットして、Tバー100の上下長を部分的に短くすることで梁下部130を形成している。しかし、これに限定されるものではなく、梁下部130が形成されているTバー100を新たに製作してもよい。
【0029】
図1及び図2に示すように、Tバー100の梁下部130の真上に梁30の下側フランジ36が対向して配置されている(図5及び図6も参照)。下側フランジ36は、Tバー100の長手方向から見ると、Tバー100における梁下部130の長手方向両側(凹部138の長手方向両側)の吊持部112と重なっている。別の観点から説明すると、Tバー100の凹部138内に梁30の下側フランジ36が入っている。
【0030】
図1及び図2に示すように、本実施形態では、Tバー100における梁下部130の長手方向の両側(凹部138の両側)近傍は、スラブ10(図1参照)に固定された補助吊りボルト14に吊られている。具体的には、補助吊りボルト14の下端部に補助吊金具44が設けられ、この補助吊金具44がTバー100の吊持部112を把持している。更に詳しくは、補助吊金具44は、鉛直方向に沿って配置され且つ水平方向に間隔をあけた一対の把持板部48と、一対の把持板部48と補助吊りボルト14とをつなぐ連結部46とで構成されている。
【0031】
Tバー100における梁下部130は、上側部分がカットされた分剛性が低下するため、撓みが発生し易いので、撓みを抑制する抑制機構200が設けられている。抑制機構200は、補強板210と吊機構220とを有している。
【0032】
図4(C)に示すように、補強部材の一例として補強板210は、Tバー100における梁下部130の縦板部114の両面に接着剤やボルト等で接合されている。本実施形態では、補強板210は、梁下部130の長手方向の全域に接合されているが、これに限定されるものではない。梁下部130の長手方向の一部にのみ補強板210が接合されていてもよい。
【0033】
図5及び図6に示すように、吊機構220は、バー側長孔222(図5参照)と、梁側長孔224(図6参照)と、吊材の一例としてのワイヤ226と、を有して構成されている。バー側長孔222(図5参照)と梁側長孔224(図6参照)とは、平面視で直交している。本実施形態では、バー側長孔222(図5参照)はTバー100の長手方向(図ではX方向)に長い長孔であり、梁側長孔224(図6参照)はTバー100の長手方向と平面視で直交する方向(Y方向)に長い長孔である。
【0034】
梁側長孔224は、梁30の下側フランジ36の下面37に溶接等で接合されたL字状の吊板金物230に形成されている。本実施形態では、吊板金物230は、梁30のウェブ34の下方位置のX方向両側にそれぞれ設けられている。バー側長孔222は、Tバー100の梁下部130の縦板部114及びこの縦板部114に接合されている補強板210に形成されている。バー側長孔222は、吊板金物230の下方位置に形成されている。
【0035】
ワイヤ226は、バー側長孔222と梁側長孔224とに通されて端部同士を接合して輪を形成している。ワイヤ226は、梁30の下側フランジ36に梁下部130がワイヤ226で吊られた状態又は吊られた状態に対して僅かに余裕のある長さに調整されている。また、前述したように、バー側長孔222と梁側長孔224(図6参照)とは平面視で直交している。よって、Tバー100は、ワイヤ226で梁30に吊られているが、梁30に対して水平方向(X方向及びY方向)に移動可能となっている。
【0036】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0037】
本実施形態の天井構造50では、Tバー100におけるT字脚部110がカットされて形成された梁下部130に梁30の下側フランジ36が対向する。よって、Tバー100におけるT字脚部110をカットした分、Tバー100の上下方向の位置が高くなっている。つまり、梁30の下側フランジ36は、Tバー100の長手方向から見ると、Tバー100における梁下部130の長手方向両側(凹部138の長手方向両側)の吊持部112と重なっている。別の観点から説明すると、Tバー100の凹部138内に梁30の下側フランジ38が入っている。このように、Tバー100の上下方向の位置を高くすることで、Tバー100に取り付けられた天井材20(天井面22)の上下方向の位置が高くなる。
【0038】
ここで、Tバー100における梁下部130は、カットされた分剛性が低下するが、抑制機構200によって梁下部130の撓みが抑制されている。
【0039】
まず、梁下部130の縦板部114の両面に補強板210が接合されることで、梁下部130の剛性が大きくなり、撓みが抑制される。
【0040】
また、吊機構220によって、Tバー100の梁下部130が梁30の下側フランジ36に吊られているので、梁下部130の撓みが抑制される。なお、前述したように、Tバー100は、梁30に吊られているが、梁30に対して水平方向(X方向及びY方向)に移動可能となっている。したがって、地震時等においてもTバー100(天井材20)が水平移動する(揺れる)ことができるので、梁下部130の縦板部114におけるワイヤ226が通された孔の周囲に応力が集中して破損することが抑制される。更に、本実施形態では、バー側長孔222の周囲の両面にも補強板210が接合されているので、仮にバー側長孔222の周囲に応力がかかっても破損が抑制される。
【0041】
更に、本実施形態では、Tバー100は、梁下部130の長手方向両側(凹部138の長手方向両側)の吊持部112も補助吊りボルト14で吊られている。よって、更に、梁下部130の撓みが抑制されている。
【0042】
したがって、Tバー100の撓みを抑制しつつ、Tバー100の上下方向の位置を高くし、Tバー100に取り付けられた天井材20(天井面22)を上下方向の位置を高くすることができる。
【0043】
[改修工事]
ここで、本実施形態の天井構造50を天井部分の改修工事に適用した例について説明する。
【0044】
図1における想像線(二点鎖線)で示す梁30は、梁30の上下方向の正規レベルの位置を表している。しかし、新築当時の鉄骨建方の施工精度や経年劣化等によって、実線で示す梁30のように、正規レベルから下がっている場合がある。この場合、従来の天井構造では、Tバー100が梁30の下側フランジ36と干渉しないように下側フランジ36よりもTバー100を下方に下げる必要があるので、Tバー100に組み付ける天井材20(天井面22)の上下方向の位置(図示されていない床面からの高さ)が低くなる。
【0045】
しかし、本実施形態の天井構造50を改修工事に適用することで、梁30の下側フランジ36の位置が正規レベルから下がっていたとしても、Tバー100におけるT字脚部110をカットした分、Tバー100を高くできる。よって、Tバー100に組み付ける天井材20の位置を高くすることできる。したがって、天井材20を正規レベルの位置にできる又は正規レベルの位置に近づけることができる。
【0046】
[変形例]
次に、Tバー100における梁下部130の剛性を大きくする補強部材の変形例について説明する。
【0047】
図4(D)に示す変形例のL字補強材300は、金属製とされ断面L字状となっている。具体的には、縦板部114に接合された縦板補強部312と、縦板補強部312の上端部から横方向に延びるフランジ部310と、を有している。
【0048】
このように、変形例のL字補強材300は、断面L字形状で、図4(C)に示す補強板210よりも剛性が大きいので、接合された梁下部130の剛性も大きくなり、より撓みが抑制される。
【0049】
なお、フランジ部310には、ワイヤ226(図5及び図6参照)が移動可能な長孔が形成されている。
【0050】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0051】
例えば、上記実施形態及び変形例では、梁下部130の撓みを抑制する抑制機構200は、補強板210又はL字補強材300と、吊機構220と、を有していたが、これに限定されるものではない。抑制機構200は、補強板210又はL字補強材300と、吊機構220と、のいずれか一方のみを有していてもよい。
【0052】
また、補強板210又はL字補強材300は、梁下部130の縦板部114の両面に接合されていたが、これに限定されるものではない。梁下部130の縦板部114の一方の面にのみ接合されていてもよい。また、補強板210又はL字補強材300以外の補強部材であってもよい。例えば、断面U字形状の補強部材であってもよいし、断面H形状の補強部材であってもよい。或いは、断面が矩形枠状等の筒状の補強部材であってもよいし、断面が四角形等の棒状の補強部材であってもよい。
【0053】
また、例えば上記実施形態の吊機構220の構成は、一例であってこれに限定されるものではない。例えば、梁下部130に金物を取り付けて、この金物にバー側長孔222を形成してもよい。また、吊板金物230の形状や梁30の下側フランジ36への固定方法等は一例であって、これらは施工性等に応じて適宜選択することができる。
【0054】
また、上記実施形態では、吊板金物230は、梁30のウェブ34の下方位置のX方向両側に二箇所設けられているが、これに限定されるものではない。一箇所に設けてもよいし、三箇所以上に設けてもよい。また、ワイヤ226以外の吊材、例えば樹脂製の吊材であってもよい。要は、吊機構は、Tバーにおける梁下部を梁の下端部に吊る機構であればよい。
【0055】
また、例えば、上記実施形態では、Tバー100における梁30の下側フランジ36と干渉する部位のT字脚部110の縦板部114を途中でカットすることで梁下部130が形成されているがこれに限定されるものではない。吊持部112部分のみをカットして縦板部114を全て残してもよい。
【0056】
また、例えば、上記実施形態のTバー100の全体形状は、一例であってこれに限定されるものではない。Tバーは、長手方向の直交する断面形状が略逆T字形状とされた長尺部材で、吊りボルトに吊られることが可能で、天井材を取り付けることが可能な形状であればよい。
【0057】
また、例えば、上記実施形態では、Tバー100は、平面視で格子状に組まれたグリットタイプであったがこれに限定されるものではない。例えば、Tバーを並列に並べて組む(同一方向に組む)ラインタイプであってもよい。
【0058】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0059】
10 スラブ
12 吊りボルト
20 天井材
30 梁
36 下側フランジ(下端部の一例)
50 天井構造
100 Tバー
110 T字脚部
130 梁下部
200 抑制機構
210 補強板(補強部材の一例)
220 吊機構
300 L字補強材(補強部材の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6