(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105639
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】部品実装装置及び状態判定方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20230724BHJP
H05K 13/02 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
H05K13/08 A
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006596
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 杏奈
(72)【発明者】
【氏名】綴木 邦巳
(72)【発明者】
【氏名】谷本 伊佐夫
(72)【発明者】
【氏名】末継 憲
(72)【発明者】
【氏名】松尾 誠一
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC21
5E353EE31
5E353EE36
5E353HH01
5E353HH12
5E353HH26
5E353HH29
5E353HH40
5E353LL03
5E353QQ05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テープフィーダの状態を正確に判別できる部品装着装置を提供する。
【解決手段】部品実装装置であって、キャリアテープを送り方向に送るスプロケットと、スプロケットを回転駆動する部品搬送モータと、所定の部品残数減少閾値を記憶する第1の記憶部と、テープフィーダのリールの持ち上がりを判定するためのリール持ち上がり判定値を記憶する第2の記憶部と、部品搬送モータがスプロケットを回転駆動する際のキャリアテープに残る部品残数を記憶する第3の記憶部と、部品搬送モータがスプロケットを回転駆動する際の部品搬送モータの電流値を計測する計測部と、第3の記憶部に記憶された部品残数が第1の記憶部に記憶された部品残数減少閾値よりも小さい場合、且つ、計測部によって計測された電流値が第2の記憶部に記憶されたリール持ち上がり判定値より大きい場合、リールが持ち上がっていると判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープフィーダにより部品を収納したキャリアテープを送り方向に送り、部品取り出し位置に送られた部品を保持し基板に装着する部品実装装置であって、
前記キャリアテープを前記送り方向に送るスプロケットと、
前記スプロケットを回転駆動する部品搬送モータと、
所定の部品残数減少閾値を記憶する第1の記憶部と、
前記テープフィーダのリールの持ち上がりを判定するためのリール持ち上がり判定値を記憶する第2の記憶部と、
前記部品搬送モータが前記スプロケットを回転駆動する際の前記キャリアテープに残る部品残数を記憶する第3の記憶部と、
前記部品搬送モータが前記スプロケットを回転駆動する際の前記部品搬送モータの電流値を計測する計測部と、
前記第3の記憶部に記憶された部品残数が前記第1の記憶部に記憶された部品残数減少閾値よりも小さい場合、且つ、前記計測部によって計測された電流値が前記第2の記憶部に記憶されたリール持ち上がり判定値より大きい場合、前記リールが持ち上がっていると判定する判定部と、
を備える部品実装装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記第3の記憶部に記憶された部品残数が前記第1の記憶部に記憶された部品残数減少閾値よりも小さい場合、且つ、前記計測部によって計測された電流値の時間変化率が所定値よりも大きい場合、前記リールが持ち上がっていると判定する、
請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記計測部は、前記部品搬送モータによる前記キャリアテープの搬送中に前記電流値を計測する、
請求項2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
部品を収納したキャリアテープを送るテープフィーダの状態を判定する状態判定方法であって、
部品搬送モータが前記キャリアテープを送り方向に送るスプロケットを回転駆動する際の、前記部品搬送モータの電流値を計測するステップと、
前記部品搬送モータが前記スプロケットを回転駆動する際の前記キャリアテープに残る部品残数が、所定の部品残数減少閾値よりも小さい場合、且つ、計測された電流値が、前記テープフィーダのリールの持ち上がりを判定するためのリール持ち上がり判定値より大きい場合、前記リールが持ち上がっていると判定するステップと、
を有する状態判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品実装装置及び状態判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品を収納したキャリアテープを部品取り出し位置まで搬送し、収納された部品を部品実装装置に供給する部品供給装置(テープフィーダ)が知られている。この部品供給装置は、キャリアテープをピッチ送りするスプロケットと、スプロケットを回転させる駆動モータと、駆動モータの動作を監視する監視部(ロータリーエンコーダ)とを備えている。そして、部品供給装置は、駆動モータの動作を監視し、監視された駆動モータの動作に基づいて駆動モータの負荷を解析し、解析された駆動モータの負荷が増加傾向または減少傾向にあるかを判定し、駆動モータの負荷が増加傾向または減少傾向にある場合に、不具合の発生が予測される旨を報知する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のテープフィーダでは、キャリアテープが収納する部品が少なくなると、キャリアテープを供給する供給リールが所定の位置から持ち上がり、フィーダレバーに引っかかることがある。特許文献1のテープフィーダは、供給リールの持ち上がり状態を検出する機能を有していない。そのため、特許文献1のフィーダの動作不良によるオーバーロードエラーが発生したと誤検出することがある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、テープフィーダの状態を正確に判別できる部品実装装置及び状態判定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、テープフィーダにより部品を収納したキャリアテープを送り方向に送り、部品取り出し位置に送られた部品を保持し基板に装着する部品実装装置であって、前記キャリアテープを前記送り方向に送るスプロケットと、前記スプロケットを回転駆動する部品搬送モータと、所定の部品残数減少閾値を記憶する第1の記憶部と、前記テープフィーダのリールの持ち上がりを判定するためのリール持ち上がり判定値を記憶する第2の記憶部と、前記部品搬送モータが前記スプロケットを回転駆動する際の前記キャリアテープに残る部品残数を記憶する第3の記憶部と、前記部品搬送モータが前記スプロケットを回転駆動する際の前記部品搬送モータの電流値を計測する計測部と、前記第3の記憶部に記憶された部品残数が前記第1の記憶部に記憶された部品残数減少閾値よりも小さい場合、且つ、前記計測部によって計測された電流値が前記第2の記憶部に記憶されたリール持ち上がり判定値より大きい場合、前記リールが持ち上がっていると判定する判定部と、を備える部品実装装置である。
【0007】
本開示の一態様は、部品を収納したキャリアテープを送るテープフィーダの状態を判定する状態判定方法であって、部品搬送モータが前記キャリアテープを送り方向に送るスプロケットを回転駆動する際の、前記部品搬送モータの電流値を計測するステップと、前記部品搬送モータが前記スプロケットを回転駆動する際の前記キャリアテープに残る部品残数が、所定の部品残数減少閾値よりも小さい場合、且つ、計測された電流値が、前記テープフィーダのリールの持ち上がりを判定するためのリール持ち上がり判定値より大きい場合、前記リールが持ち上がっていると判定するステップと、を有する状態判定方法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、テープフィーダの状態を正確に判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係る部品実装装置の平面図
【
図3C】テープフィーダの部品取り出し位置付近の拡大図
【
図4】テープフィーダのテープ送り機構の概略構造説明図
【
図5】部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図
【
図6】テープフィーダの制御系の構成を示すブロック図
【
図7】テープフィーダの部品残数とモータ電流最大値との関係の一例を示す図
【
図8】比較例におけるモータ電流の電流波形及び駆動モータの動作指令を示す図
【
図9】テープフィーダのテープ送り異常を説明するための図
【
図10A】モータ電流最大値と部品残数との関係の第1例を示す図
【
図10B】モータ電流最大値と部品残数との関係の第2例を示す図
【
図11】部品実装装置による摺動不良判定値の決定時の動作例を示すフローチャート
【
図12】部品実装装置による状態判定時の動作例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
例えば、実施形態でいう「部」又は「装置」とは単にハードウェアによって機械的に実現される物理的構成に限らず、その構成が有する機能をプログラムなどのソフトウェアにより実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、又は2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていてもかまわない。
【0012】
(第1の実施形態)
<部品実装装置の構成>
図1は、本開示の第1の実施形態に係る部品実装装置100の平面図である。
図2は、部品実装装置100の部分断面図である。
図2は、部品実装装置100の
図1におけるA-A断面を示す。
【0013】
図1及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(
図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(
図1における上下方向)が示される。
図2及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向が示される。Z方向は、部品実装装置100が水平面上に設置された場合の上下方向または直交方向である。
【0014】
部品実装装置100は、部品供給部7から供給された部品P(
図3B等参照)を基板6に搭載する部品搭載作業を実行する機能を有する。部品実装装置100は、基板6に部品Pを実装して実装基板を製造する機能を有する。基台4の中央には、基板搬送機構5がX方向に配設されている。基板搬送機構5は、上流側から搬送された基板6を実装作業位置に搬入し、位置決めして保持する。また、基板搬送機構5は、部品搭載作業が完了した基板6を実装作業位置から下流側に搬出する。
【0015】
基板搬送機構5の両側方には、部品供給部7が配置されている。それぞれの部品供給部7には、複数のテープフィーダ8が並列に装着されている。テープフィーダ8は、部品Pを収納するポケット16b(
図3B等参照)が形成されたキャリアテープ16を部品供給部7の外側から基板搬送機構5に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、以下に説明する部品実装機構の実装ヘッド11による部品取り出し位置S(
図3C参照)に部品Pを供給する。
【0016】
基台4上面においてX方向の一方側の端部には、リニア駆動機構を備えたY軸ビーム9が配設されている。Y軸ビーム9には、同様にリニア駆動機構を備えた2基のX軸ビーム10が、Y方向に移動自在に結合されている。2基のX軸ビーム10には、それぞれ実装ヘッド11がX方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド11は、
図2に示すように、部品Pを吸着して保持して昇降可能な複数の吸着ユニット11aを備える。吸着ユニット11aのそれぞれの下端部には、部品Pを吸着保持する吸着ノズル11bが装着されている。
【0017】
図1において、Y軸ビーム9及びX軸ビーム10のそれぞれを駆動することにより、実装ヘッド11はX方向及びY方向のそれぞれに移動する。これにより、2つの実装ヘッド11は、それぞれ対応した部品供給部7に配置されたテープフィーダ8の部品取り出し位置Sから部品Pを吸着ノズル11bによって吸着して取り出して、基板搬送機構5に位置決めされた基板6の実装点に実装する。Y軸ビーム9、X軸ビーム10及び実装ヘッド11は、部品を保持した実装ヘッド11を移動させることにより、部品を基板6に実装する部品実装機構12を構成する。
【0018】
部品供給部7と基板搬送機構5との間には、部品認識カメラ13が配設されている。部品供給部7から部品Pを取り出した実装ヘッド11が部品認識カメラ13の上方を移動する際に、部品認識カメラ13は実装ヘッド11に保持された状態の部品Pを撮像して部品の保持姿勢を認識する。基板認識カメラ14は、実装ヘッド11が取り付けられたプレート10aに取り付けられており、実装ヘッド11と一体的に移動する。
【0019】
実装ヘッド11が移動することにより、基板認識カメラ14は基板搬送機構5に位置決めされた基板6の上方に移動し、基板6に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板6の位置を認識する。また、基板認識カメラ14はテープフィーダ8の部品Pの吸着位置の上方に移動し、部品取り出し位置付近のキャリアテープ16の状態を認識する。実装ヘッド11による基板6への部品実装動作においては、部品認識カメラ13による部品の認識結果と、基板認識カメラ14による基板位置の認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
【0020】
図2に示すように、部品供給部7は、フィーダベース15aに予め複数のテープフィーダ8が装着されて基台4に対して着脱可能な台車15で構成されている。台車15には、部品Pを保持したキャリアテープ16を巻回状態で収納する供給リール17が保持されている。供給リール17から引き出されたキャリアテープ16は、テープフィーダ8に装着されている。テープフィーダ8は、キャリアテープ16を吸着ノズル11bによる部品取り出し位置Sまでピッチ送りする。
【0021】
次に、
図3A、
図3B、
図3C、及び
図4を参照して、テープフィーダ8の構成および機能を説明する。
図3Aは、テープフィーダ8の構成説明図である。
図3Bは、キャリアテープ16の構造説明図である。
図3Cは、テープフィーダ8の部品取り出し位置付近の拡大図である。
図4は、テープフィーダ8のテープ送り機構の概略構造説明図である。
【0022】
テープフィーダ8は、部品Pを収納してカバーテープ16dで覆ったキャリアテープ16を搬送し、部品取り出し位置S(
図3C参照)の手前でカバーテープ16dを剥離して、部品取り出し位置Sに収納された部品Pを供給する機能を有している。
図3Aに示すように、テープフィーダ8は、本体部8a及び本体部8aの下面から下方に凸設された装着部8bを備えた構成となっている。テープフィーダ8は、本体部8aの下面をフィーダベース15aに沿わせた状態で、装着部8bをフィーダベース15aに装着することによりフィーダベース15aに装着される。
【0023】
また、テープフィーダ8がフィーダベース15aに装着されることにより、テープフィーダ8に内蔵されたフィーダ制御部21が、部品実装装置100の実装制御部22と電気的に接続される。フィーダ制御部21は、キャリアテープ16を送る送り動作(テープ送り動作、部品送り動作とも称する)を制御する。本体部8aの内部には、供給リール17から引き出されて本体部8a内に挿入されたキャリアテープ16を案内するテープ搬送路8cが設けられている。テープ搬送路8cは、挿入口8dから排出口8eまで連通して設けられている。挿入口8dは、本体部8aにおいてテープ送り方向の上流側(以下、単に「上流側」と称し、反対方向を「下流側」と称す。)の端部において、キャリアテープ16が挿入される開口である。排出口8eは、実装ヘッド11によって部品を吸着して取り出す部品取り出し位置Sより下流側に設けられた開口である。
【0024】
図3B及び
図3Cに示すように、キャリアテープ16は、テープ本体を構成するベーステープ16aと、カバーテープ16dと、を備える。ベーステープ16aには、部品Pを収納保持するポケット16bと、キャリアテープ16をピッチ送りするための送り穴16cとが、所定ピッチで設けられている。ポケット16bは、テープ送り方向にピッチ間隔Lpで設けられている。カバーテープ16dは、ポケット16bから部品Pが脱落するのを防止するために、ポケット16bを覆うようにベーステープ16aの上面に貼り付けられている。
【0025】
図3Aに示すように、本体部8aには、キャリアテープ16をピッチ送りするためのテープ送り機構23が設けられている。テープ送り機構23は、本体部8aの下流側の端部に軸線をテープ送り方向に直交にし、かつ水平にした姿勢で配置されたスプロケット24と、スプロケット24を回転させる駆動モータ25と、を備えている。スプロケット24は、外周に複数の送りピン24a(
図4参照)が形成されている。
【0026】
駆動モータ25は、モータ駆動部63(
図6参照)より供給される駆動電流Id(モータ電流)によって両方向に回転する。モータ駆動部63が供給する駆動電流Idは、フィーダ制御部21によって制御される。駆動電流Idの電流値は、モータ駆動部63が備える電流計測部64(
図6参照)によって計測される。駆動モータ25は、送りピン24aをキャリアテープ16の送り穴16cに係合させた状態でスプロケット24を回転させることにより、キャリアテープ16をテープ搬送路8cに沿ってピッチ送りする。
【0027】
図3A、
図3C、及び
図4に示すように、スプロケット24近傍の本体部8aの上面側には、テープ押さえカバー26が配設されている。テープ押さえカバー26からは、スプロケット24の送りピン24aが一部露出している。テープ押さえカバー26には、カバーテープ16dを剥離するためのカバーテープ剥離部27が設けられている。またテープ押さえカバー26のカバーテープ剥離部27の下流側には、吸着ノズル11bによる部品取り出し位置Sに対応して開口部28が設けられている。
【0028】
図3Aに示すように、キャリアテープ16は、テープ押さえカバー26によってテープ搬送路8cに押さえつけられた状態でピッチ送りされる。キャリアテープ16がテープ押さえカバー26の下方を走行する過程において、カバーテープ16dをカバーテープ剥離部27で折り返して上流側に引き出すことによって、部品取り出し位置Sの上流側にてカバーテープ16dがベーステープ16aから剥離される。これにより、ポケット16b内の部品Pは開口部28において上方へ露呈され、吸着ノズル11bによる取り出しが可能な状態となる。剥離されたカバーテープ16dは、カバーテープ送り機構29によってテープ送り方向と反対側へ導かれ、本体部8aの上流側に設けられたテープ回収部30内へ送られる。
【0029】
図4に示すように、スプロケット24には、スプロケット24の回転位置Rを検出するロータリーエンコーダEが配設されている。ロータリーエンコーダEが検出した回転位置Rは、フィーダ制御部21に送信される。スプロケット24は、例えば、時計回りに回転することで、キャリアテープ16を順方向(テープ送り方向)(矢印c方向)に送り、半時計回りに回転することで、キャリアテープ16を逆方向(テープ送り方向とは反対方向)(矢印b方向)に送る。スプロケット24は、スプロケット24の1周(スプロケット1周)において、例えば72個の送りピン24aを有するが、これに限らない。スプロケット24は、駆動モータ25からの駆動力により回転し、キャリアテープ16をピッチ送りする。ピッチ送りは、ピッチ間隔Lp分のキャリアテープ16を送ることに相当し、スプロケット24の送りピン24aを1つ分送ることに相当し、つまり所定の送りピン24aから隣接する他の送りピン24aまで送ることに相当する。よって、ピッチ送りは、部品Pを1つ分送ることに相当する。
【0030】
次に、スプロケット24及び駆動モータ25の摺動不良について説明する。
【0031】
スプロケット24は、各回転位置において、回転時の摺動のし易さが同じであることもあるし、異なることもある。例えば、長期間にわたってスプロケット24を使用することで、スプロケット24が徐々に摩耗して硬くなり、摺動し難くなり得る。摩耗の度合いはスプロケット1周における各部分により異なり得るため、摺動のし易さは、スプロケット1周において不均一であり得るし、周期性があったりなかったりする。よって、スプロケット24の状態に応じて、スプロケット24を回転させるための駆動モータ25に供給される駆動電流Idが変化し、例えば駆動電流Idの電流値が大きくなりし得る。よって、駆動電流Idに応じて得られる駆動モータ25のトルク(モータトルクとも称する)においても、大きくなり得る。
【0032】
また、スプロケット24の摺動状態と同様のことが、駆動モータ25についても言える。例えば、長期間にわたって駆動モータ25を使用することで、駆動モータ25(例えばモータ本体、ギア、又はブラシ)が徐々に摩耗して硬くなり、摺動し難くなり得る。よって、駆動モータ25の状態に応じて、駆動モータ25に供給される駆動電流Idが変化し、駆動電流Idの電流値が大きくなり得る。よって、駆動電流Idに応じて得られるモータトルクにおいても大きくなり得る。
【0033】
また、駆動モータ25のモータ電流は、キャリアテープ16が運搬する部品の数によっても変化し得る。キャリアテープ16に保持された部品Pの残数(部品残数)が多い場合には、部品残数が少ない場合と比較すると重量があるので、同じ距離を運搬するための(同じピッチ送りをするための)モータ電流が大きくなる傾向がある。また、テープフィーダ8に収容された部品Pの種類によっても、モータ電流は変動し得る。例えば、大きな部品や重い部品は、小さな部品や軽い部品と比較すると、モータ電流は大きくなる傾向がある。
【0034】
フィーダ制御部21は、モータ電流を解析することで、スプロケット24又は駆動モータ25の摺動不良の有無を判定する。また、フィーダ制御部21は、モータ電流ではなく、モータトルクのトルク値を解析することで摺動不良を判定してもよい。また、フィーダ制御部21は、駆動モータ25の位置偏差(モータ位置偏差)を基に摺動不良を判定してもよい。ここで、駆動モータ25の指令は、定期的(例えば1ミリ秒)毎に出され続ける。指令値に対応する理論上の駆動モータ25の回転位置(目標回転位置)と、この指令値に対する駆動モータ25の実際の回転位置と、の差分が、モータ位置偏差である。
【0035】
なお、モータ電流とモータトルクとは比例関係にある。そのため、モータ電流を用いた摺動不良判定と、モータトルクを用いた摺動不良判定とは、ほぼ同義である。
【0036】
次に、部品実装装置100及びテープフィーダ8の制御系について説明する。
図5は、部品実装装置100の制御系の構成を示すブロック図である。
図6は、テープフィーダ8の制御系の構成を示すブロック図である。1つ以上のテープフィーダ8が、部品供給部7に装着される。
【0037】
部品実装装置100は、実装制御部22及び実装記憶部41を備える。実装制御部22は、例えばプロセッサにより構成され、実装記憶部41に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、等を含んでよい。実装制御部22は、部品実装装置100の各部を統括的に制御し、各種処理を行う。実装制御部22は、例えば、基板搬送機構5、部品供給部7、部品実装機構12、部品認識カメラ13、基板認識カメラ14、表示部42の各部を制御して、部品供給部7から供給された部品Pを基板搬送機構5によって保持された基板6に搭載する部品搭載作業を実行する。
【0038】
実装記憶部41は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory))を含む。実装記憶部41は、二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive))や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。実装記憶部41は、その他の記憶装置を含んでよい。実装記憶部41は、各種データ、情報、プログラム等を記憶する。
【0039】
部品供給部7には、複数のテープフィーダ8が接続されており、テープフィーダ8が備える通信部65(
図6を参照)を介して信号、データの授受を行う。表示部42は、液晶パネルなどの表示装置であり、各種データ、情報などを表示する。通信部43は、通信インターフェースであり、通信ネットワークを介して外部装置(例えば管理コンピュータや他の部品実装装置)との間で信号、データの授受を行う。また、通信部43は、各テープフィーダ8との間で通信してもよい。
【0040】
図6に示すように、テープフィーダ8は、フィーダ制御部21、フィーダ記憶部66、モータ駆動部63、電流計測部64、ロータリーエンコーダE、駆動モータ25、操作・表示パネル31、及び通信部65を備えている。
【0041】
電流計測部64は、モータ駆動部63が供給する駆動電流Idの電流値(モータ電流値)を計測する。電流計測部64は、ピッチ送り毎のモータ電流値、つまりピッチ送り期間のモータ電流値を計測してよい。
【0042】
フィーダ制御部21は、例えばプロセッサにより構成され、フィーダ記憶部66に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU、CPU、DSP、等を含んでよい。フィーダ制御部21は、テープフィーダ8の各部を統括的に制御し、各種処理を行う。フィーダ制御部21は、例えば、モータ駆動部63、操作・表示パネル31、通信部65を制御する。また、フィーダ制御部21は、判定値決定部61と、状態判定部62と、を有する。
【0043】
判定値決定部61は、部品実装装置1による実際の生産前(部品実装動作の前)に、摺動不良判定値th1を決定し、フィーダ記憶部66に記憶させる。摺動不良判定値th1は、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動不良であるか否かを判定するための閾値である。摺動不良判定値th1は、部品残数に応じた値を有する。判定値決定部61は、例えば、部品残数が多い程大きく、部品残数が少なく程小さくなるように、摺動不良判定値th1を決定してよい。この場合、電流計測部64が、部品実装装置1による実際の生産前(部品実装動作の前)に部品残数毎のモータ電流値(例えばモータ電流最大値)を計測し、判定値決定部61が、部品残数毎のモータ電流値に基づいて、部品残数毎の(部品残数に対応する)摺動不良判定値th1を決定してよい。
【0044】
状態判定部62は、部品残数とモータ電流値と摺動不良判定値th1とに基づいて、摺動不良判定を行う。摺動不良判定は、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動不良であるか否かを判定することである。例えば、状態判定部62は、部品実装装置1による実際の生産(部品実装動作)時の所定のタイミング(時刻t1)で電流計測部64によって計測されたモータ電流値(例えばモータ電流最大値)が、このタイミング(時刻t1)での部品残数に対応する摺動不良判定値th1より大きい場合に、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動不良であると判定する。一方、状態判定部62は、部品実装装置1による実際の生産時の時刻t1で電流計測部64によって計測されたモータ電流値が、この時刻t1での部品残数に対応する摺動不良判定値th1以下である場合に、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動正常であると判定する。
【0045】
状態判定部62は、部品残数とモータ電流値とに基づいて、リール持ち上がり判定を行う。リール持ち上がり判定は、供給リール17がテープフィーダ8における所定の配置位置から持ち上がっているか否かを判定することである。例えば、状態判定部62は、部品実装装置1による実際の生産(部品実装動作)時の所定のタイミング(時刻t2)での部品残数が、部品残数減少閾値th2未満であり、且つ、このタイミング(時刻t2)で電流計測部64によって計測されたモータ電流値(例えばモータ電流最大値)が、リール持ち上がり判定値th3より大きい場合、供給リール17が持ち上がった状態(リール持ち上がり状態)であると判定する。一方、状態判定部62は、部品実装装置1による実際の生産時の時刻t2での部品残数が、部品残数減少閾値th2以上である、又は、この時刻t2で電流計測部64によって計測されたモータ電流値が、リール持ち上がり判定値th3以下である場合、リール持ち上がり状態でないと判定する。
【0046】
フィーダ記憶部66は、一次記憶装置(例えばRAMやROM)を含む。フィーダ記憶部66は、二次記憶装置(例えばHDDやSSD)や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。フィーダ記憶部66は、その他の記憶装置を含んでよい。フィーダ記憶部66は、各種データ、情報、プログラム等を記憶する。
【0047】
フィーダ記憶部66は、例えば、モータ電流データ66a、部品残数データ66b、及び閾値データ66cを記憶する。モータ電流データ66aは、スプロケット1周におけるピッチ送り毎のモータ電流の電流波形や電流値(例えば最大電流値、最小電流値、平均電流値、その他の電流値)であってよい。
【0048】
判定値決定部61及び状態判定部62は、電流計測部64により計測された、モータ駆動部63が駆動モータ25に供給する駆動電流Idの電流値(モータ電流値)を、モータ電流データ66aとしてフィーダ記憶部66に記憶させる。例えば、判定値決定部61及び状態判定部62は、ピッチ送り毎の駆動電流Idの電流値自体(電流波形)を、モータ電流データ66aとして記憶させてもよい。また、判定値決定部61及び状態判定部62は、ピッチ送り毎の駆動電流Idの電流値を基にピッチ送り毎の駆動電流Idの最大電流値(モータ電流最大値)を算出し、このモータ電流最大値をモータ電流データ66aとしてフィーダ記憶部66に記憶させてもよい。
【0049】
部品残数データ66bは、部品残数を示すデータである。フィーダ制御部21が、部品残数をモニタしており、供給リール17やキャリアテープ16を交換したり、キャリアテープ16から実装ヘッド11等により部品Pが取り出されたりすると、部品残数(部品残数データ66b)を更新する。
【0050】
閾値データ66cは、モータ電流データ66a又は部品残数と比較されるデータである。閾値データ66cは、例えば、上述の摺動不良判定値th1、部品残数減少閾値th2、及びリール持ち上がり判定値th3を含む。部品残数減少閾値th2は、例えば1000個程度であってよい。リール持ち上がり判定値th3は、例えば1A程度であってよい。摺動不良判定値th1は、予めフィーダ記憶部66に保持されていてもよいし、判定値決定部61により演算等により決定されてフィーダ記憶部66に保持されてもよい。部品残数減少閾値th2及びリール持ち上がり判定値th3は、予め定められてフィーダ記憶部66に保持されていてよく、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。例えば、部品残数減少閾値th2及びリール持ち上がり判定値th3は、供給リール17又はキャリアテープ16等の種類によって同一であっても異なってもよい。
【0051】
状態判定部62は、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動不良であると判定した場合、操作・表示パネル31に上記の摺動不良を示す情報を表示させてよい。状態判定部62は、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動不良でないと判定した場合、操作・表示パネル31に上記の摺動正常を示す情報を表示させてよい。状態判定部62は、リール持ち上がり状態であると判定した場合、操作・表示パネル31にリール持ち上がり状態であることを示す情報を表示させてよい。状態判定部62は、リール持ち上がり状態でないと判定した場合、操作・表示パネル31にリール持ち上がり状態でないことを示す情報を表示させてよい。また、状態判定部62は、摺動正常である又はリール持ち上がり状態でないと判定された場合であっても、テープフィーダ8の他の故障要因が検出された場合には、その他の故障であることを示す情報を表示させてもよい。
【0052】
通信部65は、通信インターフェースであり、例えば部品実装装置100の通信部43との間で信号、データの授受を行う。
【0053】
なお、判定値決定部61は、モータ電流値の代わりに、モータトルク値又はモータ位置偏差に基づいて、摺動不良判定値th1を決定してもよい。状態判定部62は、モータ電流値の代わりに、モータトルク値又はモータ位置偏差に基づいて、摺動不良判定又はリール持ち上がり判定等を実施してもよい。
【0054】
<部品残数に対応する摺動不良判定値を用いた摺動不良判定>
次に、部品残数に対応する摺動不良判定値th1を用いた摺動不良判定について説明する。
【0055】
図7は、テープフィーダ8の部品残数と駆動モータ25のモータ電流最大値との関係の一例を示す図である。
図7に示すように、部品残数が多い程、摺動不良判定値th1が大きく、部品残数が少ない程、摺動不良判定値th1が小さくなるように、摺動不良判定値th1が決定されている。部品残数に対応する摺動不良判定値th1は、フィーダ記憶部66に保持される。
【0056】
状態判定部62は、モータ電流最大値が、電流計測時の部品残数に対応する摺動不良判定値th1より大きいか否かを判定する。モータ電流最大値が上記の摺動不良判定値th1より大きい場合、状態判定部62は、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動不良であると判定する。よって、
図7に示すように、摺動不良判定値th1よりも大きな値の範囲に、摺動不良であることを示す計測値(モータ電流最大値)である異常時計測値m1が分布している。例えば、摺動不良である同一のスプロケット24又は駆動モータ25を用いて複数の計測値が得られる場合には、異常時計測値m1は、摺動不良判定値th1と同様に、部品残数が多い程、異常時計測値m1が大きく、部品残数が少ない程、異常時計測値m1が小さくなり得る。
【0057】
モータ電流最大値が上記の摺動不良判定値th1未満である場合、状態判定部62は、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動正常であると判定する。よって、
図7に示すように、摺動不良判定値th1よりも小さな値の範囲に、摺動正常であることを示す計測値(モータ電流最大値)である正常時計測値m2が分布している。例えば、摺動正常である同一のスプロケット24又は駆動モータ25を用いて複数の計測値が得られる場合には、正常時計測値m2は、摺動不良判定値th1と同様に、部品残数が多い程、正常時計測値m2が大きく、部品残数が少ない程、正常時計測値m2が小さくなり得る。
【0058】
図7では、各部品残数における各摺動不良判定値th1を結んだ判定値線L1が示されている。判定値線L1は、おおよそ、曲線形状を有してもよいし、直線形状を有してもよい。また、各部品残数において計測された各異常時計測値を結んだ異常時線L2が示されている。また、各部品残数において計測された各正常時計測値を結んだ正常時線L3が示されている。
図7では、異常時線L2は、各部品残数に対応する位置において判定値線L1よりも所定値大きな値となっており、判定値線L1と略平行であってよい。また、
図7では、正常時線L3は、各部品残数に対応する位置において判定値線L1よりも所定値小さな値となっており、判定値線L1と略平行であってよい。
【0059】
図8は、比較例1におけるモータ電流の電流波形及び駆動モータ25の動作指令を示す図である。比較例1では、摺動不良判定値thx1が部品残数によらずに一定であるとする。
【0060】
ケース1では、スプロケット24又は駆動モータ25に摺動不良が発生していないことを想定する。ケース1では、テープフィーダ8に部品設置無しであり、部品Pによる負荷が小さく、モータ電流最大値が小さい。この場合、モータ電流最大値が摺動不良判定値thx1よりも小さいので、摺動正常であると判定される。したがって、摺動不良が発生していない場合に摺動正常であると判定されるので、判定結果は正しい。
【0061】
ケース2では、スプロケット24又は駆動モータ25に摺動不良が発生していることを想定する。ケース2では、テープフィーダ8に部品設置無しであり、部品Pによる負荷が小さいが、スプロケット24又は駆動モータ25に摺動不良が発生していることで、モータ電流最大値が大きくなっている。この場合、モータ電流最大値が摺動不良判定値thx1よりも大きいので、摺動不良であると判定される。したがって、摺動不良がある場合に摺動不良であると判定されるので、判定結果は正しい。
【0062】
ケース3では、スプロケット24又は駆動モータ25に摺動不良が発生していないことを想定する。ケース3では、テープフィーダ8に部品設置有りの場合、部品Pによる負荷が大きいので、モータ電流最大値が大きい。この場合、モータ電流最大値が摺動不良判定値thx1よりも大きいので、摺動不良であると判定される。したがって、摺動不良が無い場合に摺動不良であると判定されるので、判定結果に誤判定がある。
【0063】
このように、摺動不良判定値thx1が部品残数によらずに一定である場合には、摺動不良の判定結果に誤判定が発生し得る。これに対し、本実施形態の部品実装装置1によれば、部品残数に応じて、摺動不良の判定基準を示す摺動不良判定値th1を可変とすることで、摺動不良判定の誤判定を抑制できる。よって、部品実装装置1は、キャリアテープ16の送り精度を向上でき、部品Pの吸着率を向上できる。
【0064】
<リール持ち上がり判定>
次に、リール持ち上がり判定について説明する。
【0065】
キャリアテープ16に残る部品Pの残数が少なくなると、供給リール17が持ち上がり、テープフィーダ8のテープ送り異常が発生することがある。
図9は、テープフィーダ8のテープ送り異常を説明するための図である。
【0066】
図9では、キャリアテープ16(1)の終端部16Eが第1の供給リール17(1)の仮止め用スリット17dから外れないことが原因である。これにより、部品供給が進むにつれて、第1の供給リール17(1)が、第1の供給リール17(1)を所定の位置で保持する第1のリール保持部18Aから浮き上がり(矢印j)、キャリアテープ16が挿入される挿入口8dに引っかかっている。
【0067】
図9の状態になると、テープフィーダ8のテープ送り機構23に対してピッチ送りするように制御信号が送信されたとしても、キャリアテープ16(1)は挿入口8dの手前で引っかかってテープフィーダ8内に送ることができず、テープ送り異常となる。また第1の供給リール17(1)から外れたキャリアテープ16の終端部16E付近が近接するテープフィーダ8により送られるキャリアテープ16に絡まることが原因で(図示省略)、絡まれたキャリアテープ16のピッチ送りが阻害されて当該テープフィーダ8がテープ送り異常となる場合もある。
【0068】
テープフィーダ8のテープ送り機構23に対してピッチ送りするように制御信号が送信されている場合には、駆動モータ25は、ピッチ送りするようモータ電流を大きくする。この場合でも、テープ送り機構23の回転(例えばスプロケット24の回転)が進まない場合には、更にモータ電流を増大させて過負荷状態となり、オーバーロードエラーが発生する。この場合、テープフィーダ8又は部品実装装置1の本体等の動作が停止し得る。オペレータは、本体等の動作の停止を目視しても、なぜオーバーロードエラーが発生しているのか把握することが困難であり、エラー内容の把握が正確ではないことで、オペレータの確認負担が増大し得る。また、オーバーロードエラーがテープフィーダ8の動作不良であると誤判定されることもある。
【0069】
なお、
図9において、第2の供給リール17(2)は、第1の供給リール17(1)に後続する供給リールであり、第2のリール保持部18Bに保持され、キャリアテープ16(2)を供給する。
【0070】
本実施形態では、状態判定部62は、部品残数が少ない場合(部品残数が部品残数減少閾値th2未満である場合)に、モータ電流値(例えばモータ電流最大値)がリール持ち上がり判定値th3を超える場合に、供給リール17が持ち上がったことを検出する。通常、部品残数が少なくなる程、モータ電流値が小さくなるが、状態判定部62は、部品残数が少ないにも関わらず、突発的に高いモータ電流値が検出された場合、リール持ち上がりが発生したことを検出する。
【0071】
リール持ち上がりが検出された場合、操作・表示パネル31は、供給リール17が持ち上がったことを示すリール持ち上がりの警告情報を表示してよい。なお、テープフィーダ8は、通信部43,65を介して部品実装装置1に警告情報を送信し、部品実装装置1の表示部42が警告情報を表示してもよい。操作・表示パネル31又は表示部42がリール持ち上がりの警告情報を表示することで、オペレータは、単に供給リール17が持ちあがった段階でリール持ち上がり状態を確認でき、オーバーロードエラーに進行することを事前に防止できる可能性がある。なお、テープ送り異常とならずにキャリアテープ16の残量が所定量以下となった場合には、例えば、オペレータによる手動で、又は自動(例えばスプライシング)で、第1のリール保持部18Aに保持される供給リール17が交換される。
【0072】
図10Aは、駆動モータ25のモータ電流最大値とテープフィーダ8の部品残数との関係の第1例を示す図である。
図10Bは、駆動モータ25のモータ電流最大値とテープフィーダ8の部品残数との関係の第2例を示す図である。
【0073】
図10Aでは、部品残数が多い程、モータ電流最大値が大きく、部品残数が少ない程、モータ電流最大値が小さいことを示している。部品残数が少なくなる程、部品Pを保持するキャリアテープ16の重量が軽くなり、モータ電流最大値が小さくなることは通常である。よって、この場合、状態判定部62は、リール持ち上がりは発生しておらず、正常であると判定する。
【0074】
図10Bでは、
図10Aと同様に、部品残数が多い程、モータ電流最大値が大きく、部品残数が少ない程、モータ電流最大値が小さいことを示している。ただし、部品残数が少なり、部品残数が部品残数減少閾値th2未満である場合に、モータ電流最大値がリール持ち上がり判定値th3以上となり突発的に大きくなっている。この場合、状態判定部62は、部品Pを保持するキャリアテープ16の重量が軽くなり、通常はモータ電流最大値が小さくなるところ、モータ電流最大値が大きくなっているので、リール持ち上がりが発生しており、異常であると判定する。
【0075】
<部品実装装置の動作>
図11は、部品実装装置1による摺動不良判定値th1の決定時の動作例を示すフローチャートである。摺動不良判定値th1の決定は、部品実装装置1による生産前に実施される。
【0076】
まず、フィーダ制御部21は、部品残数をカウントするための変数lにLを設定し、l=Lとする(S11)。この場合、自動又は手動により、実際の部品残数が変数nに合わせてL個とされる。フィーダ制御部21は、スプロケット24の1回分のピッチ送りの送り動作(部品送り)を行うよう制御する(S12)。1回分の送り動作は、送りピン24aを1つ分送るようにスプロケット24を回転させる動作である。例えば、部品送り動作では、スプロケット24は、基準位置から1回分の送り動作が行われた回転位置となる。
【0077】
フィーダ制御部21は、電流計測部64によりステップS12において1回の送り動作が行われる際の駆動モータ25の駆動電流Idを計測する。フィーダ制御部21は、この駆動電流Idに基づいて、この送り動作中のモータ電流最大値を計測(算出)する(S13)。フィーダ制御部21は、設定された部品残数と計測されたモータ電流最大値とを関連付けて、フィーダ記憶部66に記憶させる(S14)。
【0078】
フィーダ制御部21は、変数lが「0」であるか否かを判定する(S15)。つまり、フィーダ制御部21は、スプロケット24の送り動作により、キャリアテープ16内の部品Pが無くなったか否か、つまり全ての部品Pを送出したか否かを判定する。
【0079】
変数lが「0」ではない場合、つまりキャリアテープ16内に部品Pが残存している場合、フィーダ制御部21は、変数lをデクリメントし、変数lから値1を減算する(S16)。
【0080】
変数lが「0」である場合、フィーダ制御部21は、部品残数に応じた摺動不良判定値th1を決定し、フィーダ記憶部66に記憶させる。例えば、フィーダ制御部21は、フィーダ記憶部66に記憶された部品残数毎に、部品残数に関連付けられたモータ電流最大値よりも大きな値を摺動不良判定値th1として決定してよい。この場合、フィーダ制御部21は、部品残数毎に、モータ電流最大値を所定倍(例えば1.3倍~1.5倍)した値を摺動不良判定値th1として決定してよい。
【0081】
また、フィーダ制御部21は、部品残数毎の摺動不良判定値th1に基づいて、各摺動不良判定値th1を結んだ線である判定値線L1(
図9)を生成してよい。部品実装装置1は、判定値線L1を生成することで、部品残数に対応する摺動不良判定値th1の導出個数が少ない場合でも、部品残数に対応して細やかに変化する摺動不良判定値th1を得ることができる。
【0082】
また、摺動不良判定値th1は、部品残数の所定の範囲において同じ値が用いられてもよい。例えば、フィーダ制御部21は、部品残数10000個以上である場合には、摺動不良判定値Aとし、部品残数3000個以上10000個未満である場合には、摺動不良判定値Bとし、部品残数1000個以上3000個未満である場合には、摺動不良判定値Cとし、部品残数1000個未満である場合には、摺動不良判定値Dとしてもよい。この場合、各摺動不良判定値th1を結んだ線である判定値線は、階段状に変化する線となる。この場合、部品実装装置1は、部品残数の範囲に応じて少数の摺動不良判定値th1が導出された場合であっても、各部品残数に対応した摺動不良判定値th1を得ることができる。
【0083】
このような
図11の動作によれば、部品実装装置1は、実際の生産前(部品実装における部品送り前)である事前処理として、部品残数毎に(部品残数に対応する)モータ電流最大値を計測する。そして、部品実装装置1は、部品残数とモータ電流最大値との相関に基づいて、部品残数に応じた摺動不良判定値th1を、摺動不良であるか否かの判定基準として導出できる。また、部品実装装置1は、摺動不良判定値th1を予めフィーダ記憶部66に記憶しておくことで、実際の生産時に迅速に摺動不良の有無を判定できる。
【0084】
図12は、部品実装装置1による状態判定時の動作例を示すフローチャートである。
図12に示す状態判定では、決定された摺動不良判定値th1を用いた摺動不良の判定が行われ、リール持ち上がり判定も行われる。なお、
図11の動作において使用されたテープ送り機構23と
図12の動作において使用されたテープ送り機構23とは、同じ機構でよい。これにより、部品実装装置1は、摺動不良判定値th1の決定時と同様の挙動を行うスプロケット24及び駆動モータ25について、摺動不良判定の有無を判別できる。
【0085】
まず、フィーダ制御部21は、部品残数をカウントするための変数nにNを設定し、n=Nとする(S21)。この場合、自動又は手動により、実際の部品残数が変数nに合わせてN個とされる。フィーダ制御部21は、スプロケット24の1回分のピッチ送りの送り動作(部品送り)を行うよう制御する(S22)。
【0086】
フィーダ制御部21は、電流計測部64によりステップS22において1回の送り動作が行われる際の駆動モータ25の駆動電流Idを計測する。フィーダ制御部21は、この駆動電流Idに基づいて、この送り動作中のモータ電流最大値を計測(算出)する(S23)。
【0087】
フィーダ制御部21は、モータ電流最大値が部品残数に応じた摺動不良判定値th1よりも大きいか否かを判定する(S24)。摺動不良判定値th1は、
図11の処理によりフィーダ記憶部66に記憶されている。モータ電流最大値が部品残数に応じた摺動不良判定値th1よりも大きい場合(ステップS24のYes)、フィーダ制御部21は、部品残数の変数nが部品残数減少閾値th2未満であるか否かを判定する(S25)。部品残数の変数nが部品残数減少閾値th2未満である場合(ステップS25のYes)、フィーダ制御部21は、モータ電流最大値がリール持ち上がり判定値th3よりも大きいか否かを判定する(S26)。モータ電流最大値がリール持ち上がり判定値th3よりも大きい場合、フィーダ制御部21は、供給リール17が持ち上がっている状態(リール持ち上がり状態)であると判定する(S27)。一方、部品残数の変数nが部品残数減少閾値th2以上である場合(ステップS25のNo)、又は、モータ電流最大値がリール持ち上がり判定値th3以下である場合(ステップS26のNo)、フィーダ制御部21は、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動不良の状態であると判定する(S28)。
【0088】
ステップS24において、モータ電流最大値が部品残数に応じた摺動不良判定値th1以下である場合(ステップS24のNo)、フィーダ制御部21は、スプロケット24又は駆動モータ25が摺動正常の状態であると判定し(S24A)、部品残数の変数nが0であるか否かを判定する(S29)。
【0089】
ステップS29において、部品残数の変数nが0でない場合(S29のNo)、フィーダ制御部21は、変数nをデクリメントし、つまり変数nから値1を減算して(S30)、ステップS22に進む。つまり、フィーダ制御部21は、引き続き次の部品送りについての摺動不良の有無及びリール持ち上がりの有無を判定する。
【0090】
一方、ステップS29において、部品残数の変数nが0である場合(S29のYes)、フィーダ制御部21は、
図12の処理を終了する。
【0091】
このような
図12の動作によれば、部品実装装置1は、実際の生産時(部品実装における部品送り時)に、部品残数に対応するモータ電流最大値を計測する。そして、部品実装装置1は、事前に導出された部品残数に応じた摺動不良判定値th1と比較することで、部品残数に応じて判定基準を変更して、摺動不良の有無を判別できる。また、部品実装装置1は、予め決定された摺動不良判定値th1を用いることで、実際の生産時に迅速に摺動不良の有無を判定できる。また、メンテナンス時の電流測定工数の削減が可能である。
【0092】
また、部品実装装置1は、部品残数が所定数(部品残数減少閾値th2)以下である場合に、突発的にモータ電流最大値が上昇した場合には、供給リール17が持ち上がっていると推定でき、リール持ち上がり状態であると判別できる。また、オペレータは、早期にリール持ち上がり状態であることの判定結果を確認することで、リール持ち上がりが発生していることを容易に把握でき、例えば、リール持ち上がりに起因するオーバーロードの発生を回避する対応を講じることができる。また、オーバーロードエラーの要因がテープフィーダ8の動作不良ではなく供給リール17の状態不良であることが判別可能である。
【0093】
なお、
図12では、ステップS25,S26の処理が省略されてもよい。つまり、フィーダ制御部21は、部品残数(部品残数の変数n)とモータ電流最大値とに基づくリール持ち上がり判定を省略してもよい。この場合、モータ電流最大値が部品残数に応じた摺動不良判定値th1よりも大きい場合(ステップS24のYes)、摺動不良であると判定し(ステップS28)、モータ電流最大値が部品残数に応じた摺動不良判定値th1以下である場合(ステップS24のNo)、摺動正常であると判定してもよい(ステップS24A)。
【0094】
また、
図12では、ステップS24,S24Aの処理が省略されてもよい。つまり、フィーダ制御部21は、部品残数(部品残数の変数n)とモータ電流最大値とに基づく摺動不良判定を省略してもよい。この場合、フィーダ制御部21は、部品残数の変数nが部品残数減少閾値th2未満であり(ステップS25のYes)、モータ電流最大値がリール持ち上がり判定値th3よりも大きい場合に(ステップS26のYes)、リール持ち上がり状態であると判定してもよい(ステップS27)。一方、フィーダ制御部21は、部品残数の変数nが部品残数減少閾値th2以上である場合(ステップS25のNo)、又は、モータ電流最大値がリール持ち上がり判定値th3以下である場合に(ステップS26のNo)、単にリール持ち上がり状態ではないと判定してもよい。
【0095】
このように、本実施形態の部品実装装置100は、部品残数に対応して値が変化する摺動不良判定値th1を用いて、摺動不良の有無を判定できる。そのため、部品実装装置100は、テープフィーダに設置された部品の個数に依存せずに、故障の検出精度の低下を抑制できる。したがって、部品実装装置100は、テープフィーダ8の状態を正確に判定できる。また、部品実装装置100は、部品残数が少ない際のモータ電流値に基づいて、供給リール17のリール持ち上がり状態を判別できる。
【0096】
なお、本実施形態では、駆動電流Idの電流値を用いて、摺動不良判定及びリール持ち上がり判定を行うことを例示したが、これに限られない。例えば、状態判定部62は、駆動電流Idに対応するトルク値に基づいて、摺動不良判定及びリール持ち上がり判定を行ってもよいし、スプロケット24の位置偏差に基づいて、摺動不良判定及びリール持ち上がり判定を行ってもよい。
【0097】
本実施形態では、フィーダ制御部21が、モータ電流値の値自体に基づいてリール持ち上がり判定することを主に例示したが、これに限られない。例えば、フィーダ制御部21が、モータ電流値の時間変化率(つまり急激なモータ電流値の増減)に基づいてリール持ち上がり判定を実施してもよい。例えば、ステップS26において、状態判定部62は、モータ電流最大値の変化率が所定値よりも大きい場合に、リール持ち上がり状態であると判定してもよい。
【0098】
なお、本実施形態では、フィーダ制御部21が摺動不良判定及びリール持ち上がり判定を実施し、フィーダ記憶部66が摺動不良判定及びリール持ち上がり判定に係るデータを保持することを例示したが、これに限られない。例えば、部品実装装置100の実装制御部22が摺動不良判定及びリール持ち上がり判定(例えば
図12に示した各処理)を実施し、実装記憶部41が摺動不良判定に係るデータ及びリール持ち上がり判定に係るデータ(例えばモータ電流データ66a、部品残数データ66b、閾値データ66c)を保持してもよい。
【0099】
以上のように、上記実施形態の部品実装装置100は、テープフィーダ8により部品Pを収納したキャリアテープ16を送り方向に送り、部品取り出し位置Sに送られた部品Pを保持し基板6に装着する。部品実装装置100は、キャリアテープ16を送り方向に送るスプロケット24と、スプロケット24を回転駆動する駆動モータ25(部品搬送モータの一例)と、を備える。部品実装装置100は、所定の部品残数減少閾値th2を記憶するフィーダ記憶部66(第1の記憶部の一例)を備える。部品実装装置100は、テープフィーダ8の供給リール17(リールの一例)の持ち上がりを判定するためのリール持ち上がり判定値th3を記憶するフィーダ記憶部66(第2の記憶部の一例)を備える。部品実装装置100は、駆動モータ25がスプロケット24を回転駆動する際のキャリアテープ16に残る部品残数を記憶するフィーダ記憶部66(第3の記憶部の一例)と、を備える。部品実装装置100は、駆動モータ25がスプロケット24を回転駆動する際の駆動モータ25の電流値を計測する電流計測部64(計測部の一例)を備える。部品実装装置100は、フィーダ記憶部66に記憶された部品残数がフィーダ記憶部66に記憶された部品残数減少閾値th2よりも小さい場合、且つ、電流計測部64によって計測された電流値が、フィーダ記憶部66に記憶されたリール持ち上がり判定値th3より大きい場合、供給リール17が持ち上がっていると判定する状態判定部62(判定値の一例)を備える。
【0100】
これにより、部品実装装置100は、部品残数とモータ電流値とに基づいて、リール持ち上がり状態であるか否かを判別できる。よって、オペレータは、オーバーロードエラーが発生する前であっても、リール持ち上がり状態であることを迅速に対応でき、オーバーロードエラーの発生を未然に回避し得る。よって、リール持ち上がりによる部品実装装置100の運転の停止が抑制され得る。また、オーバーロードエラーが発生した場合でも、リール持ち上がり状態であることがオーバーロードエラーの要因であることを容易に認識できる。このように、部品実装装置100は、テープフィーダ8の状態を正確に判別できる。
【0101】
また、状態判定部62は、フィーダ記憶部66に記憶された部品残数がフィーダ記憶部66に記憶された部品残数減少閾値th2よりも小さい場合、且つ、電流計測部64によって計測された電流値の時間変化率が所定値よりも大きい場合、リールが持ち上がっていると判定してよい。
【0102】
これにより、部品実装装置100は、部品残数が少ない状態において急激な電流値の変化が発生した場合においても、リール持ち上がり状態を検出できる。
【0103】
また、電流計測部64は、駆動モータ25によるキャリアテープ16の搬送中に電流値を計測してよい。
【0104】
これにより、部品実装装置100は、例えば、部品実装装置100を用いた生産中にモータ電流値を計測して、生産中にリール持ち上がりの有無を判定できる。よって、部品実装装置100は、生産時の動作の一環としてリール持ち上がりの有無を判定可能である。
【0105】
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本開示は、テープフィーダの状態を正確に判別できる部品実装装置及び状態判定方法等に有用である。
【符号の説明】
【0107】
6 基板
7 部品供給部
8 テープフィーダ
16 キャリアテープ
21 フィーダ制御部
22 実装制御部
24 スプロケット
24a 送りピン
25 駆動モータ
41 実装記憶部
61 判定値決定部
62 状態判定部
63 モータ駆動部
64 電流計測部
65 通信部
66 フィーダ記憶部
100 部品実装装置
E ロータリーエンコーダ
P 部品
S 部品取り出し位置