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  • 特開-保育評価システム 図1
  • 特開-保育評価システム 図2
  • 特開-保育評価システム 図3
  • 特開-保育評価システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105669
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】保育評価システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230724BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006640
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】522026544
【氏名又は名称】小林 修
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】小林 修
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】子どもの発育具合を容易に把握することができる保育評価システムを提供する。
【解決手段】主制御部30は、保育評価の対象となる複数の対象者ごとに割り当てられた基本情報と、各対象者の年齢に応じて予め定められた達成目標に基づいた基準達成多寡情報と、が記憶されたRAM32を備え、入力情報は、基本情報別に前記対象者が予め定められた前記達成目標を達成したか否かを示す個別達成情報を含み、出力情報は、個別達成情報に基づいて算出された個別達成算出多寡情報と基準達成多寡情報とを含み、出力部40は、個別達成算出多寡情報と基準達成多寡情報とを対比可能に出力してなる保育評価システム1である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の入力情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された入力情報に基づいて所定の出力情報を生成する主制御部と、
前記主制御部で生成された出力情報が出力される出力部と、
を備えた保育評価システムであって、
保育の対象となる複数の対象者ごとに割り当てられた基本情報と、各対象者の年齢に応じて予め定められた達成目標に基づいて設定された基準達成多寡情報と、が記憶された記憶手段を備え、
前記入力情報は、
各対象者が前記達成目標を達成したか否かを示す個別達成情報を含み、
前記主制御部は、
前記基本情報に対して前記個別達成情報を割り当てる機能と、
前記個別達成情報に基づいて算出される個別達成算出多寡情報を生成する機能と、
前記個別達成算出多寡情報と前記基準達成多寡情報とを含む情報を出力情報とする機能と、
前記出力情報としての前記個別達成算出多寡情報と前記基準達成多寡情報とを、前記出力部で前記基本情報に対応する対象者ごとに出力する機能と、
を有することを特徴とする保育評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保育所における子どもの発育度合いに関する評価を出力する保育評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、期間ごとの成績通知と、保護者の確認や連絡等を行うことのできる通知表を提供することのできる成績情報通知システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-191413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、保育所において、子どもが自己を十分に発揮し、生活と遊びが豊かに展開される中で乳幼児期にふさわしい経験が積み重ねられるよう、保育の内容を充実させていくことは極めて重要であり、それは保育所の第一義的な役割と責任である。特に保育の専門性を有する保育士は、子どもと共に保育環境を構成しながら、保育所の生活全体を通して保育の目標が達成されるよう努めなければならない。そのためには、子どもの実態と保育の内容とを照らし合わせながら、具体的な保育の計画を作成し、見通しをもって保育することが必要である。
【0005】
また、保育所に通う子どもの保護者にとっても、自分の子どもが他と比べてどれくらいの発育具合であるのかを知る事は非常に重要である。特に保育所に通う子どもは、できることが急速に増えていくものであり、保育士と保護者とが互いに協力して子どもの保育にあたるためにも保育士のみならず保護者が子どもの発育具合を知る事は非常に重要なことである。
【0006】
そこで本発明は、子どもの発育具合を容易にわかりやすく確認することのできる保育評価システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所定の入力情報が入力される入力部と、前記入力部に入力された入力情報に基づいて所定の出力情報を生成する主制御部と、前記主制御部で生成された出力情報が出力される出力部と、を備えた保育評価システムであって、保育の対象となる複数の対象者ごとに割り当てられた基本情報と、各対象者の年齢に応じて予め定められた達成目標に基づいて設定された基準達成多寡情報と、が記憶された記憶手段を備え、前記入力情報は、各対象者が前記達成目標を達成したか否かを示す個別達成情報を含み、前記主制御部は、前記基本情報に前記個別達成情報を割り当てる機能と、前記個別達成情報に基づいて算出される個別達成算出多寡情報を生成する機能と、前記個別達成算出多寡情報と前記基準達成多寡情報とを含む情報を出力情報とする機能と、前記出力情報としての前記個別達成算出多寡情報と前記基準達成多寡情報とを、前記出力部で前記基本情報に対応する対象者ごとに出力する機能と、を有することを特徴とする保育評価システムである。
【0008】
かかる構成にあっては、各子どもの達成目標に対応した個別達成情報に基づいて個別達成算出多寡情報を算出し、この個別達成算出多寡情報と、予め定められて基準となる基準達成多寡情報と、を例えば対比可能に出力部で出力する制御内容を備えているため、個別達成算出多寡情報と基準達成多寡情報とを比べながら、個々の子どもの能力や達成度を容易に把握することができる。これによって保育士が保育の計画を作成することが容易となるとともに、保護者も子どもの発育具合を確認することができ、保育士と保護者とが一層協力して子どもの保育にあたることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の保育評価システムは、子どもの発育具合を容易にわかりやすく確認することができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例にかかる保育評価システムの概要説明図である。
図2】実施例にかかる基本情報の説明図である。
図3】実施例にかかる入力部の説明図である。
図4】実施例にかかる出力部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の保育評価システムを具体化した実施例を詳細に説明する。なお本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0012】
図1に示すように、保育評価システム1は、例えば携帯端末等で構成された入力部10と、入力部10と所定のネットワーク回線20を介して接続された主制御部30と、主制御部30と当該ネットワーク回線20を介して接続された携帯端末やその他のモニター等で構成された出力部40とを備えている。
【0013】
ここで、入力部10は、保育に関する所定の入力情報が入力される機能を有し、入力部10に入力された入力情報は、所定のネットワーク回線20を介して主制御部30が受信する。
【0014】
また、主制御部30は、中央演算手段であるCPU31と、記憶手段であるRAM32とを備えている。そして、入力部10から送信された入力情報を受信し、入力情報に基づいて所定の出力情報を演算処理して生成した上で、当該出力情報を出力部40で出力する。
【0015】
なお、上述した主制御部30におけるRAM32には、後述する基本情報と基準達成多寡情報とがデータ化されてあらかじめ記憶されている。
【0016】
ここで基本情報には、保育の対象者である複数の子どもを個別に識別するための識別情報(例えばID番号)と、図2に示すような、子どもの発育具合を客観的に評価するための評価分類情報とが含まれている。
【0017】
次に、評価分類情報について説明する。評価分類情報は、第1の分類部100から第6の分類部150で構成されており、第1の分類部100から順に第6の分類部150まで階層化されており、第1の分類部100から第6の分類部150に向かって下位概念化されている。
【0018】
例えば第1の分類部100は、保育分野と教育分野で構成されている。さらに保育分野においては、身体の発達と心の発達とに下位概念化されて分類されており、身体の発達と心の発達が、第2の分類部110である要素に対応している。
【0019】
さらに、身体の発達においては、生理的能力と運動能力とに下位概念化されて分類されており、生理的能力と運動能力が、第3の分類部120であるアビリティに対応している。
【0020】
また、生理的能力においては、健康管理、午睡や休息、情緒の安定、及び基本的生活習慣の習得に下位概念化されて分類されており、これらが第4の分類部130であるプロセスに対応している。
【0021】
また、健康管理においては、スプーン・フォークの使用、箸の使用、コップを使って飲むこと、食事を楽しむこと、及びバランスよく食べることに下位概念化されて分類されており、これらが第5の分類部140であるセクションに対応している。
【0022】
また、スプーン・フォークの使用というセクションは、使って食べること、食具の持ち方、スプーンで飲み物をすくうこと、こぼさず口まで運ぶこと、及び最後まで集めて食べることに下位概念化されて分類されており、これらが第6の分類部150であるテキストに対応している。そして、このテキストを構成する項目が、達成目標に対応している。
【0023】
そして保育士は実際に、子どもが年齢に応じてできること(達成できること)と、できないこと(達成できていないこと)を、上述のテキスト(第6の分類部150)に沿って評価する。
【0024】
具体的には、図3に示すように、入力部10には所定の入力画面が保育対象者である子どもごとに表示可能となっており、セクション「食具の使用(スプーン・フォーク)」のテキスト「使って食べる」に該当する欄には、「できる」、「一人でできるときもある」、「手伝えばできる」、及び「できない」という選択肢が選択可能に表示されている。
【0025】
そして、保育士は、適正な識別情報(ID番号もしくは氏名データ)を選択した上でその子どもがスプーン・フォークを使ってものを食べることができるようになったと判断した場合には、「できる」の項目にチェックを入れるという入力作業を実行する。これにより、当該テキストには、あらかじめ定められた算出ルールに従って、「できる」の評価に基づく所定の点数(例えば1点)が新規に設定されて、その点数が所定の記憶手段で一時的に記憶保持される。
【0026】
ここで例えば、「一人でできるときもある」という項目が該当する場合には0.5点が記憶保持され、「手伝えばできる」の項目が該当する場合には0.3点が記憶保持される。また、「できない」の項目が該当する場合には0点が紀記憶保持される。
【0027】
なお、ここで選択された「できる」、「一人でできるときもある」、「手伝えばできる」、又は「できない」といういずれかの情報が、個別達成情報に相当する。
【0028】
そして、上述の算出ルールで算出されて記憶保持された第6の分類部150における点数は、上位の第5の分類部140において合算されて、別途、記憶保持される。例えばセクション「食具の使用(スプーン・フォーク)」では、テキスト「使って食べる」、「持ち方」、「スプーンですくう」、「こぼさず口まで運ぶ」、及び「最後まで集めて食べる」の各項目で記憶保持された点数の合計が、当該セクション「食具の使用(スプーン・フォーク)」の点数となる。
【0029】
なお、このようにテキストで設定された点数が、数値化されて加減乗除可能な個別達成算出多寡情報に相当する。
【0030】
一方、各子どもの年齢に応じた平均的な達成度合いを基準として、テキスト(達成目標)に沿って基準達成多寡情報が定められている。すなわち、例えば全国の統計に基づいて数値化された各項目における個別達成算出多寡情報の平均値が、基準達成多寡情報に相当することとなる。
【0031】
具体的には、図4に示すように、表示画面で構成される出力部40においては、第2の分類部110である要素の「身体の発達」要素表示部111、「心の発達」要素表示部112、「ことば」要素表示部113、「かず」要素表示部114、及び「自然」要素表示部115が形成されており、各表示部111~115において、各個別達成算出多寡情報(グラフ内の実線部分)と基準達成多寡情報(グラフ内の破線部分)とが表示される。具体的には、児童「岡崎太郎」は「身体の発達」、「心の発達」、及び「ことば」について、基準達成多寡情報よりも個別達成算出多寡情報の方が多く(大きく)、これに対して「かず」及び「自然」については、個別達成算出多寡情報よりも基準達成多寡情報の方が多い(小さい)。これにより、当該児童においては「身体の発達」、「心の発達」、及び「ことば」は同年齢の子どもに比べて発育が進んでおり、「かず」及び「自然」については発育が幾分か遅れている、と判断することができる。
【0032】
すなわち、主制御部30は、基本情報に含まれる識別情報に、入力された新たな個別達成情報を割り当てるとともに、前記個別達成情報に基づいて数値化された個別達成算出多寡情報を生成し、前記個別達成算出多寡情報と、予め定められた基準となる基準達成多寡情報とを出力情報として、両情報を対比しながら閲覧できるように出力部40で各子どもに応じて出力する制御内容を具備している。
【0033】
再度述べると、これまでに述べた保育評価システム1によれば、出力部40で対比可能に視覚化されて表示される個別達成算出多寡情報と基準達成多寡情報とを保育士や保護者が参照することで、対象となる子どもの発育具合を容易に把握することができるようになる。また、各子ども固有の得意分野を把握した上で更なる発育や不得意分野の習得に努める、といった育成方針を定めることもできるようになる。
【符号の説明】
【0034】
1 保育評価システム
10 入力部
20 ネットワーク回線
30 主制御部
31 CPU
32 RAM
40 出力部
100 第1の分類部
110 第2の分類部
120 第3の分類部
130 第4の分類部
140 第5の分類部
150 第6の分類部
図1
図2
図3
図4