(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105774
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】非金属炭素系良導体送電法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/03 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
H05K1/03 630H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022030330
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】518440899
【氏名又は名称】パテントフレア株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 学
(57)【要約】
【課題】従来、発電所などからの送電線、装置内の配線、電子回路基板上の回路など送電用材料として、導電性の高い金属(銅など)が使用されていた。
従来の材料と比較して多くの点で優れた導電性材料を提供することで、送電設備や電気機器の性能向上などに寄与する。
【解決手段】従来主に使用されていた銅と比較して、多くの点で優れた導電性材料として、非金属炭素系良導体(炭素同素体など)を送電用材料として使用することで、課題を解決する。
この材料は、従来のものと比較して導電性の高さ、原材料及び製造価格の安さ、製品の軽量化などの点で優位性がある。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(送電線の芯材)
発電所などで作られた電気を、送電するための送電線(電力用、通信用)の材料として、非金属で炭素成分の含有率が高い良導体(炭素同素体など)を加工して使用する方法。
従来、発電所などで作られた電気を送電する際、銅などの導電性の高い金属を細い銅線に加工して、これを寄り合わせて送電線として使用していたが、これに代わる材料として炭素同素体などの非金属で良導体である炭素を多く含む物質を、粉末状に加工して、これを樹脂製チューブなどに充填して送電線として使用する方法。
送電線の芯(電気が流れる部分)の部材として従来使用されていた導電性の高い金属(銅など)ではなく、炭素含有率の高い良導体(炭素同素体など)を加工して使用する方法。
加工法の一例としては、電解質水溶液(ナトリウムイオン水など)、添加剤などと非金属炭素系良導体を粉砕加工したものを配合して水和体(ゲル状)(コロイド水和体)の状態にする。
これが電気が流れる送電線の芯材となり、送電線の外枠となる樹脂製チューブ(中空管)に充填して送電線として使用する。
【請求項2】
(送電線の外枠)
送電線の外枠となる樹脂製チューブは、「デビトロセラミックス」などの粉末と接着剤などを配合した水溶液(コロイド溶液)にくぐらせる。
これにより、チューブの外側と内側にセラミックス溶液がコーティングされ、チューブの絶縁性、耐熱性、破断耐久性を向上させる。
この加工を施した後、請求項1に記載の送電線の芯材を充填して、送電線として使用する方法。
(「デビトロセラミックス」とは、結晶化ガラスであり、耐熱性が高く機械的強さも大きい。膨張率も小さく回路基板、絶縁材、ロケットなどの表面コーティング材として使用される。)
【請求項3】
(装置内配線)
電力を動力とする機器、装置で使用される動力用、通信用の接続配線(電線)の材料として、従来使用されていた導電性の高い金属(銅など)ではなく、非金属で導電性を持つ炭素成分の含有率が高い良導体(炭素同素体など)を使用する方法。
【請求項4】
(電子回路基板)
電力を動力とする機器、装置で使用される電子回路基板の回路部分の材料として、従来使用されていた導電性の高い金属(銅など)ではなく、非金属で導電性を持つ炭素成分の含有率が高い良導体(無定形炭素など)を使用する方法。
加工法の一例としては、コンピューターで回路の図面を設計して、プリンターの技術を応用して回路基板に印刷する。(プリンターの印刷用トナーの材料は、無定形炭素(アモルファス)である。)
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4に記載の方法を使用した部品、装置、機器、設備。
【請求項6】
請求項5に記載の部品、装置、機器、設備を使用した役務、事業。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電用途における良導体技術に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素系良導体の種類
1、炭素同素体(グラファイト、フラーレン、ダイヤモンド)
2、無定形(非晶質)炭素(アモルファス)
3、石炭(コール) など
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、発電所などからの送電線、装置内の配線、電子回路基板上の回路など送電用材料として、導電性の高い金属(銅など)が使用されていた。
従来の材料と比較して送電効率面、コスト面など多くの点でより優れた導電性材料を提供することで、送電設備や電気機器の性能向上などに寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来の材料と比較して多くの優位点がある非金属炭素系良導体(炭素同素体など)を送電用材料として使用することにより、以下の課題を解決する。
1、(送電効率の向上)
従来主に使用されていた銅よりも、炭素系良導体の方が、導電性が高いため、送電効率を向上できる。
2、(製造価格の低下)
従来主に使用されていた銅よりも、炭素系良導体の原材料(石墨、石炭、木材など)の方が、原材料価格、精練製造工程価格、共に安価であるため、製造価格を下げることができる。
3、(作業効率の向上)
従来主に使用されていた銅製送電線よりも、炭素系良導体製送電線の方が軽量であるため、運搬、敷設などの作業効率を向上できる。