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特開2023-105778情報処理装置、情報処理方法、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105778
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20230724BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115515
(22)【出願日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2022006486
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519373143
【氏名又は名称】株式会社東京会計パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 伸市
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB55
(57)【要約】
【課題】投資条件と受取条件との関係をシミュレーションしながらユーザの希望や事情に合った退職金の運用方針を提案できるようにすること。
【解決手段】情報処理装置は、所定の企業退職金運用について、少なくとも投資開始年齢、退職年齢、退職前の予定利回り、および所定期間ごとの投資額を含む投資条件情報の入力を受け付ける投資条件情報受付手段と、少なくとも最終受取年齢および退職後の予定利回りを含む受取条件情報の入力を受け付ける受取条件情報受付手段と、前記投資条件情報および前記受取条件情報に基づいて、退職金にかかる税金を反映した退職後の所定期間ごとの受取額を、前記投資条件情報および前記受取条件情報と共に出力するシミュレーション出力手段と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の企業退職金運用について、少なくとも投資開始年齢、退職年齢、退職前の予定利回り、および所定期間ごとの投資額を含む投資条件情報の入力を受け付ける投資条件情報受付手段と、
少なくとも最終受取年齢および退職後の予定利回りを含む受取条件情報の入力を受け付ける受取条件情報受付手段と、
前記投資条件情報および前記受取条件情報に基づいて、退職金にかかる税金を反映した退職後の所定期間ごとの受取額を、前記投資条件情報および前記受取条件情報と共に出力するシミュレーション出力手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
少なくとも前記受取額の指定と、前記投資条件情報または前記受取条件情報に含まれる条件のいずれかの指定とを受け付ける受取額指定受付手段と、
前記指定に基づいて、前記投資条件情報または前記受取条件情報に含まれる条件の一について逆算した内容を出力する逆算出力手段と、をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
所定の時期の指定を受け付ける時期指定受付手段をさらに有し、
前記シミュレーション出力手段は、所定の時期の指定に基づいて前記所定の企業退職金運用に基づく受取可能価額を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記シミュレーション出力手段は、
前記所定の企業退職金運用の運用方法について、特定の利回りに基づく死亡保険金および解約返戻金の支払い条件を組み合わせた終身保険による運用と、
特定の利回りに基づく死亡保険金の支払い条件による定期保険および前記退職前の予定利回りに基づいた前記定期保険とは独立した運用を組み合わせた運用と、
を対比できる態様で出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
所定の企業退職金運用について、少なくとも投資開始年齢、退職年齢、退職前の予定利回り、および所定期間ごとの投資額を含む投資条件情報の入力を受け付ける投資条件情報受付ステップと、
少なくとも最終受取年齢および退職後の予定利回りを含む受取条件情報の入力を受け付ける受取条件情報受付ステップと、
前記投資条件情報および前記受取条件情報に基づいて、退職金にかかる税金を反映した退職後の所定期間ごとの受取額を、前記投資条件情報および前記受取条件情報と共に出力するシミュレーション出力ステップと、
をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項6】
所定の企業退職金運用について、少なくとも投資開始年齢、退職年齢、退職前の予定利回り、および所定期間ごとの投資額を含む投資条件情報の入力を受け付ける投資条件情報受付ステップと、
少なくとも最終受取年齢および退職後の予定利回りを含む受取条件情報の入力を受け付ける受取条件情報受付ステップと、
前記投資条件情報および前記受取条件情報に基づいて、退職金にかかる税金を反映した退職後の所定期間ごとの受取額を、前記投資条件情報および前記受取条件情報と共に出力するシミュレーション出力ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
確定拠出年金の受給が有利となるような支援を行う技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-318076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術を含め、従来の技術では、ユーザの希望や事情に合った退職金の運用を適切に支援することは困難であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、投資条件と受取条件との関係をシミュレーションしながらユーザの希望や事情に合った退職金の運用を適切に支援する技術を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
所定の企業退職金運用について、少なくとも投資開始年齢、退職年齢、退職前の予定利回り、および所定期間ごとの投資額を含む投資条件情報の入力を受け付ける投資条件情報受付手段と、
少なくとも最終受取年齢および退職後の予定利回りを含む受取条件情報の入力を受け付ける受取条件情報受付手段と、
前記投資条件情報および前記受取条件情報に基づいて、退職金にかかる税金を反映した退職後の所定期間ごとの受取額を、前記投資条件情報および前記受取条件情報と共に出力するシミュレーション出力手段と、
を有する情報処理装置である。
【0007】
上述の情報処理装置に対応する情報処理方法およびコンピュータプログラムも、本発明の一態様として提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、投資条件と受取条件との関係をシミュレーションしながらユーザの希望や事情に合った退職金の運用方針を提案できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】システム構成の一例を示す図である。
図2】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】ユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
図5】サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】ユーザ端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】画面表示の一例を示す図である。
図8】画面表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
<概要>
本実施形態では、資金運用シミュレーションシステムを用いて、様々な条件に基づく将来の資産状況についてシミュレーションを行う例について説明する。
例えば、今後の投資や、積み立てによって、老後にどれくらいの収入が見込めるのかをシミュレーションすることができる(パターン1)。
また、例えば、老後に毎月受け取りたい金額(生活費)を設定することにより、現在から退職までに準備する金額をシミュレーションすることができる(パターン2)。
また、例えば、終身保険を検討するにあたり、保障と貯蓄を分けて行う場合との比較シミュレーションすることができる(パターン3)。
ここで、終身保険は、万一の際の保障と支払った保険料の一部が積み立てられて、一定の期間が過ぎると、解約返戻金としての貯蓄機能を備えるものである。
以下、添付図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る資金運用シミュレーションシステム1のシステム構成の一例を示す図である。
資金運用シミュレーションシステム1は、サーバ10と、ユーザ端末30とがネットワークNを介して接続されることにより構成されている。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、VPN(Vertual Private Network)等である。資金運用シミュレーションシステム1を利用するユーザは、例えば、企業の経営者として退職金を運用する者である。
【0012】
サーバ10は、資金運用シミュレーションシステム1の全体の管理をするサーバ(情報処理装置)である。
サーバ10は、ユーザ端末30から送信されてくる投資条件情報および受取条件情報を取得する。
【0013】
投資条件情報は、所定の企業の退職金の運用における投資の条件に関する情報である。投資条件情報には、例えば、以下の情報が含まれる。
・役員就任年齢
・ユーザが投資を開始する投資開始年齢
・ユーザによって決定される退職年齢(引退年齢)
・ユーザが退職する前の予定利回り
・所定期間ごと(例えば、毎月)の投資額
【0014】
受取条件情報は、ユーザ端末30から送信されてくる、ユーザによる退職金の受け取りの条件に関する情報である。受取条件情報には、例えば、以下の情報が含まれる。
・ユーザが受取額を最後に受け取る年齢(最終受取年齢)
・ユーザが退職した後の予定利回り
【0015】
サーバ10は、取得した投資条件情報と、受取条件情報と、退職金にかかる税金(所得税、住民税等)とに基づいて、ユーザが退職後に所定期間ごと(例えば、毎月)に受け取ることができる受取額を試算する。
また、サーバ10は、受取額の試算額と、その算出根拠とされた投資条件情報および受取条件情報とをユーザ端末30に提示する。なお、サーバ10の具体的な構成および処理については後述する。
【0016】
ユーザ端末30は、ユーザが操作するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。例えば、ユーザ端末30は、ユーザから各種情報を入力する操作を受け付ける。
ユーザ端末30に入力される情報としては、投資条件情報、受取条件情報、および指定受取額情報等が挙げられる。
【0017】
指定受取額情報は、ユーザによって指定された、退職後に所定期間ごとに受け取ることができる受取額に関する情報である。
また、ユーザ端末30は、ユーザインターフェースを所定の表示部(ディスプレイ等)に表示する。ユーザ端末30に表示されるユーザインターフェースには、投資条件情報、受取条件情報、指定受取額情報などを入力するための入力欄が表示される。なお、ユーザ端末30の具体的な構成および処理については後述する。
【0018】
<ハードウェア構成>
≪サーバ1のハードウェア構成≫
図2は、本実施形態が適用されるサーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0019】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じてサーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0020】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、投資条件情報が記憶された投資条件DB131、受取条件情報が記憶された受取条件DB132、保険商品に関する情報が記憶された保険DB133等が格納されている。
【0021】
通信部14は、ネットワークNを介してユーザ端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0022】
≪ユーザ端末30のハードウェア構成≫
ユーザ端末30のハードウェア構成は、図2に示すサーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。すなわち、ユーザ端末30は、図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16と同様の機能を有する制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部をそれぞれ備えている。このため、図示および説明を省略する。
【0023】
<機能構成>
≪サーバ1の機能構成≫
図3は、サーバ10における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
サーバ10の制御部11では、投資条件情報受付部101、受取条件情報受付部102、受取額指定受付部103、試算部104、時期指定受付部105、運用先候補特定部106、送信制御部107が機能する。
【0024】
投資条件情報受付部101は、ユーザ端末30から送信されてきた投資条件情報を取得する(受け付ける)。投資条件情報受付部101により取得された投資条件情報は、記憶部13の投資条件DB131に記憶されて管理される。
また、投資条件情報受付部101は、後述する運用先候補特定部106により特定された運用先の候補に保険商品が含まれる場合には、投資条件情報として、当該保険商品の保険料の支払の条件を示す情報を取得する(受け付ける)。
ここで、退職金の運用先の候補として特定される保険商品としては、例えば、保障が一生涯続く死亡保険である終身保険のうち保険契約の内容に保険金および解約返戻金が含まれるもの、保障される期間が定められている定期保険のうち保険契約の内容に保険金および積立金が含まれるものなどが挙げられる。
【0025】
受取条件情報受付部102は、ユーザ端末30から送信されてきた受取条件情報を取得する(受け付ける)。受取条件情報受付部102により取得された受取条件情報は、記憶部13の受取条件DB132に記憶されて管理される。
【0026】
受取額指定受付部103は、ユーザ端末30から送信されてきた指定受取額情報を取得する(受け付ける)。なお、受取額の指定は任意であって、ユーザによって指定された場合に、上述のように、取得するものとする。
【0027】
試算部104は、上述の投資条件情報、および受取条件情報に基づいて、ユーザが退職後に所定期間ごとに受け取ることができる受取額を試算する。この受取額は、退職金を受け取るユーザが負担すべき負担額(例えば、所得税、住民税など)が差し引かれた額として試算される(上述のパターン1)。
また、試算部104は、受取額指定受付部103により取得された指定受取額情報に基づいて、試算の結果がユーザにより指定された受取額になるように、投資条件情報および受取条件情報のパラメータを変化させる(上述のパターン2)。
また、試算部104は、投資条件情報受付部101により取得された開始年齢指定情報および終了年齢指定情報に基づいて、試算の結果がユーザにより指定された投資開始年齢および最終受取年齢になるように受取額を変化させる。
また、試算部104は、後述する運用先候補特定部106により運用先の候補として特定された運用先が終身保険および定期保険である場合、その終身保険および定期保険の各々の保険料の支払の条件を示す情報に基づいて、終身保険よる運用がなされた場合の運用結果と、定期保険よる運用がなされた場合の運用結果との各々を試算する(上述のパターン3)。
【0028】
時期指定受付部105は、所定の時期の指定を受け付ける。
所定の時期としては、退職時から、受取額を最後に受け取る年齢までの間の時期であることが考えられる。
そして、試算部104は、中間時点の受取可能価額を算出して、後述の送信制御部107が算出された額を出力することができる。
これにより、ユーザは、自らが指定した時期の受取可能額を知得できる。
【0029】
運用先候補特定部106は、保険DB133に予め記憶されている保険商品の中から、退職金の運用先の候補となる保険商品を特定する。例えば、運用先候補特定部106は、ユーザが指定した受取額に合致する運用利回りを有する運用先を特定するとよい。
なお、運用先の候補は、ユーザによって決定されてもよく、この場合、運用先候補特定部106の機能部は備えられていなくてもよい。
【0030】
送信制御部107は、ユーザ端末30に向けて各種情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部107は、試算部104により試算された受取額と、その受取額を算出する根拠とされた投資条件情報および受取条件情報のパラメータとをシミュレーション結果としてユーザ端末30に向けて送信する制御を行う。
また、送信制御部107は、運用先候補特定部106により運用先の候補として特定された運用先が終身保険および定期保険である場合、その終身保険および定期保険の各々の運用結果を試算した値をシミュレーション結果としてユーザ端末30に向けて送信する制御を行う。
【0031】
≪ユーザ端末30の機能構成≫
図4は、ユーザ端末30における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
ユーザ端末30の制御部では、表示制御部301と、情報取得部302と、情報管理部303と、送信制御部304とが機能する。
【0032】
表示制御部301は、表示部に各種情報を表示させる制御を行う。例えば、表示制御部301は、表示部にユーザインターフェースを表示する制御を行う。
【0033】
情報取得部302は、各種情報を取得する。例えば、情報取得部302は、表示部に表示されたユーザインターフェースに入力された情報を取得する。ユーザインターフェースに入力される情報としては、例えば、投資条件情報、受取条件情報、指定受取額情報、開始年齢指定情報、終了年齢指定情報などが挙げられる。また、情報取得部302は、サーバ10から送信されてきた情報を取得する。サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、試算された受取額、その受取額を算出する根拠とされた投資条件情報および受取条件情報のパラメータ情報などが挙げられる。
【0034】
情報管理部303は、各種情報を記憶部に記憶させて管理する。例えば、情報管理部303は、ユーザインターフェースに入力された上述の情報、サーバ10から送信されてきた上述の情報などを記憶部に記憶させて管理する。
送信制御部304は、通信部を介して各種情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部304は、ユーザインターフェースに入力された上述の情報などを送信する制御を行う。
【0035】
<処理内容>
≪サーバ10の処理内容≫
図5は、サーバ10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0036】
ステップS501では、サーバ10は、ユーザ端末30から投資条件情報が送信されてきたか否かを判断する。投資条件情報が送信されてきた場合(S501-YES)はステップS502に進み、そうでない場合(S501-NO)はステップS501の処理を繰り返す。
【0037】
ステップS502では、サーバ10は、送信されてきた投資条件情報を取得する。
【0038】
ステップS503では、サーバ10は、ユーザ端末30から受取条件情報が送信されてきたか否かを判断する。受取条件情報が送信されてきた場合(S503-YES)はステップS504に進み、そうでない場合(S503-NO)はステップS503の処理を繰り返す。
【0039】
ステップS504では、サーバ10は、送信されてきた受取条件情報を取得する。
【0040】
ステップS505では、サーバ10は、ユーザ端末30から指定受取額情報が送信されてきたか否かを判断する。指定受取額情報が送信されてきた場合(S505-YES)はステップS506に進み、そうでない場合(S505-NO)はステップS509に進む。
【0041】
ステップS506では、サーバ10は、送信されてきた指定受取額情報を取得する。
【0042】
ステップS507では、サーバ10は、指定受取額情報に基づいて、試算の結果がユーザにより指定された受取額になるように投資条件情報および受取条件情報のパラメータを変化させる。
【0043】
ステップS508では、サーバ10は、試算した受取額と、その受取額を算出する根拠とされた投資条件情報および受取条件情報のパラメータとを含むシミュレーション結果をユーザ端末30に向けて送信する。
【0044】
ステップS509では、サーバ10は、開始年齢指定情報および終了年齢指定情報が送信されてきたか否かを判断する。上述の情報が送信されてきた場合(S509-YES)はステップS510に進み、そうでない場合(S509-NO)はステップS512に進む。
【0045】
ステップS510では、サーバ10は、送信されてきた開始年齢指定情報および終了年齢指定情報を取得する。
【0046】
ステップS511では、サーバ10は、開始年齢指定情報および終了年齢指定情報に基づいて、試算の結果がユーザにより指定された投資開始年齢および最終受取年齢になるように受取額を変化させる。
【0047】
ステップS512では、サーバ10は、投資条件情報および受取条件情報に基づいて、受取額を試算する。
【0048】
≪ユーザ端末30の処理内容≫
図6は、ユーザ端末30の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS601では、ユーザ端末30は、ユーザインターフェースを表示させるための操作が行われたか否かを判断する。操作が行われた場合(S601-YES)はステップS602に進み、そうでない場合(S601-NO)はステップS601の処理を繰り返す。
【0050】
ステップS602では、ユーザ端末30は、表示部にユーザインターフェースを表示する。
【0051】
ステップS603では、ユーザ端末30は、ユーザインターフェースに投資条件情報が入力されたか否かを判断する。投資条件情報が入力された場合(S603-YES)はステップS604に進み、そうでない場合(S603-NO)はステップS603の処理を繰り返す。
【0052】
ステップS604では、ユーザ端末30は、入力された投資条件情報を取得する。
【0053】
ステップS605では、ユーザ端末30は、取得された投資条件情報をサーバ10に向けて送信する。
【0054】
ステップS606では、ユーザ端末30は、ユーザインターフェースに受取条件情報が入力されたか否かを判断する。受取条件情報が入力された場合(S606-YES)はステップS607に進み、そうでない場合(S606-NO)はステップS606の処理を繰り返す。
【0055】
ステップS607では、ユーザ端末30は、入力された受取条件情報を取得する。
【0056】
ステップS608では、ユーザ端末30は、取得された受取条件情報をサーバ10に向けて送信する。
【0057】
ステップS609では、ユーザ端末30は、ユーザインターフェースに指定受取額情報が入力されたか否かを判断する。指定受取額情報が入力された場合(S609-YES)はステップS610に進み、そうでない場合(S609-NO)はステップS612に進む。
【0058】
ステップS610では、ユーザ端末30は、入力された指定受取額情報を取得する。
【0059】
ステップS611では、ユーザ端末30は、取得され指定受取額情報をサーバ10に向けて送信する。
【0060】
ステップS612では、ユーザ端末30は、ユーザインターフェースに開始年齢指定情報および終了年齢指定情報が入力されたか否かを判断する。上述の情報が入力された場合(S612-YES)はステップS613に進み、そうでない場合(S612-NO)はステップS615に進む。
【0061】
ステップS613では、ユーザ端末30は、入力された開始年齢指定情報および終了年齢指定情報を取得する。
【0062】
ステップS614では、ユーザ端末30は、取得された開始年齢指定情報および終了年齢指定情報をサーバ10に向けて送信する。
【0063】
ステップS615では、ユーザ端末30は、サーバ10からシミュレーション結果が送信されてきたか否かを判断する。シミュレーション結果が送信されてきた場合(S615-YES)はステップS616に進み、そうでない場合(S615-NO)はステップS615の処理を繰り返す。
【0064】
ステップS616では、ユーザ端末30は、送信されてきたシミュレーション結果を取得する。
【0065】
ステップS617では、ユーザ端末30は、取得されたシミュレーション結果を表示部に表示する。
【0066】
<表示例>
図7および図8は、ユーザ端末30の表示部に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図7には、受取額のシミュレーション結果が表示されたユーザインターフェースの具体例が示されている。なお、図7および図8の例において、ユーザは企業の経営者であり、退職金の積立および運用が企業により行われ、退職金の取り崩しがユーザ個人により行われるものとする。
【0067】
図7に示すユーザインターフェースは、領域F1と、領域F2とを含む。
領域F1には、下記の項目(例えば、ユーザのための入力欄)および値(例えば、ユーザによって入力された値)が表示されている。
・「積立・運用期間」の始期を示す「開始年齢」
・「積立・運用期間」の終期を示す「引退年齢」
・「積立・運用期間」における「予定利回り(積立時)」
・「積立・運用期間」における「投資額(月額)」
・「退職金」
・「課税額」
・「手取り額」
・「取り崩し期間」の始期を示す「引退年齢」
・「取り崩し期間」の終期を示す「最終受取年齢」
・「取り崩し期間」における「予定利回り(受取時)」
・「取り崩し期間」における「受取額(月額)」
【0068】
領域F2には、領域F21から領域F25が表示されている。
領域F21は、投資条件情報を入力するための領域である。
領域F22は、受取額のシミュレーション結果を表示する領域である。
領域F23は、受取条件情報を入力するための領域である。
領域F24は、ユーザの配偶者保証に関する内容を入力および出力するための領域である。
領域F25は、指定受取額情報を入力するための領域である。
【0069】
ユーザは、まず、「投資入力欄」と表記された領域F21に設けられた「役員就任年齢」、「投資開始年齢」、「引退年齢」、「予定利回り」、「毎月の投資額」の各々を入力する欄に希望する値を入力する。
次に、ユーザは、「受取入力欄」と表記された領域F23に設けられた「最終受取年齢」、「予定利回り」、「追加投資額」の各々を入力する欄に希望する値を入力する。
すると、ユーザの受取額を示すシミュレーション結果が領域F22に表示されるとともに、領域F1には、「開始年齢」、「引退年齢」、「予定利回り(積立時)」、「投資額(月額)」、「退職金」、「課税額」、「手取り額」、「最終受取年齢」、「予定利回り(受取時)」、および「受取額(月額)」と各々を示す値がシミュレーション結果として表示される。また、領域F23には、「退職金手取額」、「合計額」が表示される。
【0070】
すなわち、領域F1および領域F22には、シミュレーション結果として、受取額と、その受取額を算出する根拠とされた投資条件情報および受取条件情報のパラメータとが表示される。ユーザは、図7に示すようなシミュレーション結果を一見するだけで、自らの老後(セカンドライフ)を快適に過ごすための、資金運用を加味した退職金準備、および取り崩しのイメージを把握することができる。
【0071】
また、ユーザが、「逆算用入力欄」と表記された領域F25に設けられた「希望退職金額」および「老後受取希望額」の各々を入力する欄に希望する額を入力すると、入力された額から逆算された各種値がユーザの受取額がシミュレーション結果として領域F22に表示される。
【0072】
また、ユーザが、「配偶者保障欄」と表記された領域F24に設けられた「配偶者年齢」、「老後年齢」、「毎月受取額」、「利回り」の各々を入力する欄に希望する額を入力すると、「必要保障額」および「保険料年額」の各々がシミュレーション結果として表示される。すなわち、領域F24には、積立期間中にユーザが死亡した場合における、ユーザの配偶者の老後資金の保障額および保険料のシミュレーション結果が表示される。
【0073】
図8には、退職金の運用先の候補として特定された保険商品のシミュレーション結果の具体例が示されている。すなわち、図8には、「終身保険の解約返戻金」と「定期保険と投資を組み合わせた運用額」とを簡単に比較できるようにしたシミュレーション結果の具体例が示されている。図8に示すユーザインターフェースは、領域F11から領域F13を含む。
【0074】
領域F11には、退職金の運用先の候補として保険商品が特定された場合の投資条件情報を入力するための入力欄が表示されている。具体的には、ユーザの「満年齢」、「性別」、保険商品の「利回り」の各々の値を入力する欄が領域F11に表示されている。
【0075】
領域F12には、退職金の運用先の候補として特定された保険商品のうち、終身保険で退職金を運用した場合のシミュレーション結果が表示されている。具体的には、終身保険の保険料としての「投入金額」、「中間点」となる年齢で取得できる「終身保険の解約返戻金」、「死亡時の受取額」、保険料の「払込満了」となる年齢で取得できる「終身保険の解約返戻金」および「死亡時の受取額」、保険料の「払込満了」となる年齢から5年後に取得できる「終身保険の解約返戻金」および「死亡時の受取額」の各々を示す値が表示されている。
【0076】
領域F13には、退職金の運用先の候補として特定された保険商品のうち、定期保険で退職金を運用した場合のシミュレーション結果が表示されている。具体的には、「定期保険の保険料」、終身保険の保険料から定期保険の保険料を差し引いた差額の投資額である「投資額」、中間点となる年齢における差額の投資額の累計である「差額の投資累計額」および「死亡時の受取額」、保険料の「払込満了」となる年齢における「差額の投資累計額」および「死亡時の受取額」、保険料の「払込満了」となる年齢から5年後に取得できる「差額の投資累計額」および「死亡時の受取額」の各々を示す値が表示されている。
【0077】
(変形例)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0078】
例えば、図1に示す資金運用シミュレーションシステム1の構成、図2に示すサーバ10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、図3および図4の各々に示すサーバ10およびユーザ端末30の各々の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が図1の資金運用シミュレーションシステム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは図3および図4の例に限定されない。
【0079】
また、上述の実施形態では、サーバ10が、ユーザ端末30から送信されてきた情報に基づいて受取額の試算等のシミュレーションを行う構成となっているが、これに限定されない。例えば、ユーザ端末30が、資金運用シミュレーションシステム1の一実施形態として受取額の試算等のシミュレーションを行う構成であってもよい。
【0080】
また、図5および図6の各々に示すサーバ10およびユーザ端末30の各々の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図7および図8に示すユーザインターフェースの具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0081】
また、前記終身保険は、保険契約の内容に保険金および解約返戻金が含まれる保険とし、前記定期保険は、保険契約の内容に保険金および積立金が含まれる保険とすることができる。
これにより、ユーザは、企業の退職金の運用の枠組みとして、終身保険によるシミュレーション結果と、定期保険および積立金の組み合わせによるシミュレーション結果とを対比することで、自らの希望や事情に合った退職金の運用方針を決めることができる。
【0082】
また、資金運用シミュレーションシステム1を構成するサーバ10およびユーザ端末30の各々の上述の処理は一例であり、資金運用シミュレーションシステム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を資金運用シミュレーションシステム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、サーバ10の機能の一部または全部をユーザ端末30の機能としてもよいし、ユーザ端末30の機能の一部または全部をサーバ10の機能としてもよい。さらに、サーバ10の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、資金運用シミュレーションシステム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0083】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0084】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0085】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0086】
(その他)
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
すなわち、(1)所定の企業退職金運用について、少なくとも投資開始年齢、退職年齢、退職前の予定利回り、および所定期間ごとの投資額を含む投資条件情報の入力を受け付ける投資条件情報受付手段(例えば、投資条件情報受付部101)と、
少なくとも最終受取年齢および退職後の予定利回りを含む受取条件情報の入力を受け付ける受取条件情報受付手段(例えば、受取条件情報受付部102)と、
前記投資条件情報および前記受取条件情報に基づいて、退職金にかかる税金を反映した退職後の所定期間ごとの受取額を、前記投資条件情報および前記受取条件情報と共に出力するシミュレーション出力手段(例えば、送信制御部107)と、
を有する情報処理装置である。
これにより、投資条件と受取条件との関係をシミュレーションしながらユーザの希望や事情に合った退職金の運用方針を提案できるようにする情報システムを提供できる。
また、これにより、ユーザは、投資開始年齢、退職年齢、退職前の予定利回り、所定期間ごとの投資額、最終受取年齢、退職後の予定利回り等の情報を情報処理システムに提供することで、受取額のシミュレーション結果を知得できる。
【0087】
また、(2)少なくとも前記受取額の指定と、前記投資条件情報または前記受取条件情報に含まれる条件のいずれかの指定とを受け付ける受取額指定受付手段(例えば、受取額指定受付部103)と、
前記指定に基づいて、前記投資条件情報または前記受取条件情報に含まれる条件の一について逆算した内容を出力する逆算出力手段(例えば、送信制御部107)と、をさらに有するとよい。
これにより、ユーザは、自分が受け取りたい退職金の額を指定するだけで、投資条件情報および受取条件情報に含まれる条件のうち1以上の情報を逆算して知ることができる。さらに、ユーザは、逆算する条件を変更しつつ当該シミュレーションを繰り返すことで自らの希望や事情に合った退職金の運用方針を決めることができる。
【0088】
また、(3)所定の時期の指定を受け付ける時期指定受付手段(例えば、時期指定受付部105)をさらに有し、
前記シミュレーション出力手段は、前記所定の企業退職金運用に基づく受取可能価額を出力するとよい。
これにより、ユーザは、自らが指定した時期の退職金の受取可能額を知得できる。
【0089】
また、(4)前記シミュレーション出力手段は、前記所定の企業退職金運用の運用方法について、特定の利回りに基づく死亡保険金および解約返戻金の支払い条件を組み合わせた終身保険による運用と、特定の利回りに基づく死亡保険金の支払い条件による定期保険および前記退職前の予定利回りに基づいた前記定期保険とは独立した運用を組み合わせた運用と、を対比できる態様で出力するとよい。
これにより、ユーザは、企業の退職金の運用の枠組みとして、終身保険によるシミュレーション結果と、定期保険によるシミュレーション結果とを対比することで、自らの希望や事情に合った退職金の運用方針を決めることができる。
【符号の説明】
【0090】
1・・・資金運用シミュレーションシステム1、10・・・サーバ、11・・・制御部、12・・・メモリ、13・・・記憶部、14・・・通信部、15・・・操作部、16・・・表示部、30・・・ユーザ端末、101・・・投資条件情報受付部、102・・・受取条件情報受付部、103・・・受取額指定受付部、104・・・試算部、105・・・時期指定受付部、106・・・運用先候補特定部、107・・・送信制御部、131・・・投資条件DB、132・・・受取条件DB、133・・・保険DB、301・・・表示制御部、302・・・情報取得部、303・・・情報管理部、304・・・送信制御部、N・・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8