(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105814
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】販売管理装置、販売管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20230101AFI20230724BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20230724BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005871
(22)【出願日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2022006467
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515139846
【氏名又は名称】ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 慎一郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品やサービスを、仮想店舗の商品やサービスとして一元的にまとめて閲覧・注文できる仕組みを提供できる。
【解決手段】販売管理装置において、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品またはサービスのリストに基づいて生成した所定の仮想店舗の商品またはサービスのリストを顧客に出力するリスト出力手段と、前記仮想店舗の商品またはサービスのリストに基づいて所定の商品または所定のサービスについて顧客から注文を受け付けたことに応じて、所定の優先順位に基づいて前記所定の商品の配送または所定のサービスの提供を行う担当実店舗を決定する担当実店舗決定手段と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品またはサービスのリストに基づいて生成した所定の仮想店舗の商品またはサービスのリストを顧客に出力するリスト出力手段と、
前記仮想店舗の商品またはサービスのリストに基づいて所定の商品または所定のサービスについて顧客から注文を受け付けたことに応じて、所定の優先順位に基づいて、前記所定の商品の配送または所定のサービスの提供を行う担当実店舗を決定する担当実店舗決定手段と、
を備える販売管理装置。
【請求項2】
前記担当実店舗決定手段は、前記所定の商品の在庫情報または前記所定のサービスの担当者のキャパシティ情報に基づいて前記担当実店舗を決定する、
請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項3】
前記担当実店舗決定手段は、さらに前記実店舗に関係する倉庫の在庫情報に基づいて前記担当実店舗を決定する、
請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項4】
前記担当実店舗決定手段は、さらに前記所定の商品または所定のサービスの配送ルートの情報に基づいて前記担当実店舗を決定する、
請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項5】
前記担当実店舗の情報に基づいて、所定の配送指示情報を出力する配送指示情報出力手段をさらに備える、
請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項6】
前記担当実店舗決定手段が前記注文について複数の担当実店舗を決定した場合に最後の商品のパッキングが完了したことに応じて前記注文の決済を行う決済手段をさらに備える、
請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項7】
前記担当実店舗決定手段が前記注文について複数の担当実店舗を決定した場合に、前記顧客からの問い合わせがあったことに応じて、所定の優先順位に基づいて回答する実店舗を決定する回答実店舗決定手段をさらに備える、
請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項8】
前記担当実店舗決定手段が前記注文について複数の担当実店舗を決定した場合に、前記注文にかかる売上を前記複数の実店舗に按分する売上按分手段をさらに備える、
請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項9】
所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品またはサービスのリストに基づいて生成した所定の仮想店舗の商品またはサービスのリストを顧客に出力するステップと、
前記仮想店舗の商品またはサービスのリストに基づいて所定の商品または所定のサービスについて顧客から注文を受け付けたことに応じて、所定の優先順位に基づいて前記所定の商品の配送または所定のサービスの提供を行う担当実店舗を決定するステップと、
を含む販売管理方法。
【請求項10】
所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品またはサービスのリストに基づいて生成した所定の仮想店舗の商品またはサービスのリストを顧客に出力するステップと、
前記仮想店舗の商品またはサービスのリストに基づいて所定の商品または所定のサービスについて顧客から注文を受け付けたことに応じて、所定の優先順位に基づいて前記所定の商品の配送または所定のサービスの提供を行う担当実店舗を決定するステップと、
をコンピュータにより実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売管理装置、販売管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定のエリアに立地する実店舗の加盟店が参加できる実店舗モールを提供する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-104641号公報
【特許文献2】特開2022-104415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品やサービスを、仮想店舗の商品やサービスとして一元的にまとめて閲覧・注文できる仕組みは提案されていない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品やサービスを、仮想店舗の商品やサービスとして一元的にまとめて閲覧・注文できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品またはサービスのリストに基づいて生成した所定の仮想店舗の商品またはサービスのリストを顧客に出力するリスト出力手段と、
前記仮想店舗の商品またはサービスのリストに基づいて所定の商品または所定のサービスについて顧客から注文を受け付けたことに応じて、所定の優先順位に基づいて前記所定の商品の配送または所定のサービスの提供を行う担当実店舗を決定する担当実店舗決定手段と、
を備える販売管理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記販売管理装置に対応する販売管理方法、及びプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品やサービスを、仮想店舗の商品やサービスとして一元的にまとめて閲覧・注文することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】販売管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】販売管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】販売管理サーバにおける機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】販売管理サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】販売管理システムが適用される仮想店舗の具体例を示すイメージ図である。
【
図8】(A)は、優先順位の具体例を示す図である。(B)は、実店舗商品リストの具体例を示す図である。(C)は、優先順位に基づく担当実店舗間のピッキングの振り分けの具体例を示す図である。
【
図9】仮想店舗商品リストの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<概要>
本実施形態に係る販売管理システムは、所定のエリアに立地する複数の実店舗の各々から提供される商品やサービス(以下、「商品等」と呼ぶ。)を、所定の仮想店舗の商品等として一元的に管理し、その商品等の顧客による閲覧及び注文を可能にする情報処理システムである。顧客に提供されるサービスには、顧客の自宅等への訪問によるサービスや、商品に付随したサービス(例えば、ラッピングサービス等)などが含まれる。
【0011】
「エリア」とは、実店舗が立地可能であり、所定の面積を有する地域や領域のことをいう。エリアは、予め設定されていてもよいし、顧客が利用するタイミングで都度設定されてもよい。また、エリアの設定は、販売管理システムが任意のタイミングで行ってもよいし、公的に区画された1以上の市町村からなる領域が予め設定されていてもよい。また、設定されるエリアの広さ等は特に限定されないが、1の顧客の生活圏や、徒歩、自動車、バスなどで移動可能な程度の範囲のものが設定される。
【0012】
「実店舗」とは、現実空間に存在する店舗であり、現物の商品を陳列して販売し、来店した顧客がその商品を手にとり、その場で購入して持ち帰ることができる店舗のことをいう。本実施形態における実店舗は、商品等を配送により顧客に提供する店舗である。実店舗が商品を提供する場合には、在庫から商品をピッキングし、パッキングのうえ出荷する。実店舗から出荷された商品は、顧客に向けて配送される。商品の配送は配送車等により行われる。実店舗が提供するサービスは、実店舗に配置されたサービス担当者により提供される。サービス担当者は、実店舗以外の場所等に訪問することで、デリバリサービスを提供する。以下、サービス担当者によるデリバリサービスの提供のことも「商品等の配送」と呼ぶ場合がある。
【0013】
「仮想店舗」とは、仮想空間に存在する店舗であり、ネットワークを介してアクセスしてきた顧客に対し、商品等の閲覧及び注文を可能にするオンラインショッピング等のサービスを提供する店舗のことをいう。本実施形態における仮想店舗は、1以上の実店舗で提供される商品等を集約し、顧客に向けて販売する。仮想店舗は、設定されたエリアに立地する1以上の実店舗からなる店舗群を1つの店舗として顧客に向けて提示される。
【0014】
店舗群を構成する実店舗がどのような組み合わせであるかは特に限定されない。例えば、仮想店舗は、近隣の同一事業者の実店舗を構成店舗とすることができる。これにより、商品等の在庫切れリスクを低減化させることができる。また、エリア全体における商品等の品揃えを拡大させることができる。また、配送を集約することで配送コストをシェアすることができる。また、例えば、仮想店舗は、近隣の異なる事業者の実店舗を構成店舗とすることができる。これにより、品揃えの拡大、配送コストのシェアなどの効果が得られる。なお、実店舗の業態が異なるほど品揃えを拡大させる効果が大きくなる。
【0015】
また、例えば、仮想店舗は、実店舗と、実店舗の商品等の保管を行う自社倉庫または委託先の出荷倉庫などとの組み合わせとすることができる。これにより、いわゆるダークストアとして活用することができるので、例えば、保存、保管、製造等が特殊な商品等の品揃えを拡大させることができる。また、例えば、仮想店舗は、顧客の所在地の近隣に立地している実店舗を構成店舗とすることができる。この場合、顧客に実店舗を選択させることもできる。これにより、顧客の所在地が配送エリアに含まれていることを認知させることができるので、利用者の拡大を図ることができる。
【0016】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る販売管理システムSの全体構成の一例を示す図である。
販売管理システムSは、販売管理サーバ1と、店舗側端末2-1乃至2-n(nは1以上の整数値)と、顧客端末3-1乃至3-m(mは1以上の整数値)とがネットワークNを介して接続されることで構成される。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、VPN(Vertual Private Network)等である。
【0017】
販売管理サーバ1は、販売管理システムSの全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。販売管理サーバ1は、店舗側端末2-1乃至2-n、顧客端末3-1乃至3-m、及び外部から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、販売管理サーバ1は、店舗側端末2-1乃至2-n、顧客端末3-1乃至3-mの各々、及び外部に向けて各種の情報を送信する。以下、店舗側端末2-1乃至2-n、及び顧客端末3-1乃至3-mの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて店舗側端末2、及び顧客端末3の各々と呼ぶ。
【0018】
例えば、販売管理サーバ1は、所定のエリアに立地する複数の実店舗の各々で提供される商品等に関する情報を少なくとも含む、複数の実店舗の各々に関する実店舗情報に基づいて、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品等を一覧化した実店舗商品リストを生成する。
【0019】
次に、販売管理サーバ1は、生成した実店舗商品リストに基づいて、所定のエリアに立地する複数の実店舗が参加する仮想店舗の商品等を一覧化した仮想店舗商品リストを生成する。そして、販売管理サーバ1は、生成した仮想店舗商品リストを、顧客が操作する顧客端末3に向けて送信する。
【0020】
その後、販売管理サーバ1は、仮想店舗商品リストを閲覧した顧客からの商品等の注文が受け付けられると、仮想店舗商品リストの対象エリアに立地する複数の実店舗の中から、注文された商品等の提供を担当する1以上の担当実店舗を決定する。具体的には、販売管理サーバ1は、仮想店舗商品リストの対象エリアに立地する複数の実店舗の各々の実店舗情報と、実店舗情報に基づき予め設定されている優先順位とに基づいて、1以上の担当実店舗を決定する。
【0021】
「優先順位」は、例えば、複数の実店舗の主幹となる主店舗や主店舗を補助する副店舗の設定の状況、実店舗ごとの商品の在庫の状況、実店舗ごとに配置されたサービス担当者の時間的・能力的な許容量を示すキャパシティの状況、商品等の価格の状況などについて予め設定される。商品等の価格の状況としては、実店舗ごとに設定される商品等の価格(例えば、期間限定の特売価格等)の設定状況などが挙げられる。設定された優先順位に関する情報は、優先順位情報としてデータベースに記憶されて管理される。
【0022】
優先順位の一例として、例えば、商品の価格の状況よりも商品の在庫の状況が優先されるように予め設定されている場合には、商品の在庫に余裕がある実店舗が優先的に担当実店舗として選出されることがある。また、例えば、主店舗として設定されている実店舗が他の実店舗よりも優先的に担当実店舗として選出されるように設定されている場合には、主店舗として設定されている実店舗が優先的に担当実店舗として選出されることがある。優先順位がどのように設定されるのかについては特に限定されない。例えば、仮想店舗商品リストが対象とするエリアに立地する複数の実店舗の相互間の取り決めとして予め設定してもよい。
【0023】
販売管理サーバ1は、決定した1以上の担当実店舗の各々の実店舗情報と、受注情報とに基づいて、1以上の担当実店舗に対する商品等の配送の指示に関する配送指示情報を生成する。配送指示情報には、担当実店舗が準備しなければならない商品等に関する情報(例えば、出荷数、出荷日時など)や、どのようなルートで担当実店舗を回って配送するのが効率的かといった配送ルート情報が含まれている。販売管理サーバ1は、生成した配送指示情報を、1以上の担当実店舗の各々の店舗側端末2に向けて送信する。
【0024】
また、販売管理サーバ1は、注文に係る商品等が顧客に提供されると、その商品等の決済処理を行う。決済処理は、店舗側端末2からそれぞれ送信されてくる、商品等の決済に関する決済情報を取りまとめて一括で実行される。販売管理サーバ1は、1以上の担当実店舗による商品等の提供の対価として計上された売上額を、その1以上の担当実店舗の各々に按分する。売上額の按分は、担当実店舗の実店舗情報等に基づいて行われる。なお、販売管理サーバ1の具体的な構成や処理の詳細については後述する。
【0025】
店舗側端末2は、販売管理システムSを利用する実店舗の管理者や担当者、実店舗に関係する倉庫の管理者や担当者、商品等の配送を行う車両等のドライバーなどが操作する情報処理装置である。店舗側端末2は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等で構成される。店舗側端末2は、販売管理サーバ1から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、店舗側端末2は、販売管理サーバ1に向けて各種の情報を送信する。例えば、店舗側端末2は、販売管理サーバ1に向けて、実店舗情報や決済情報を送信する。また、店舗側端末2は、販売管理サーバ1から送信されてきた配送指示情報を取得する。
【0026】
顧客端末3は、販売管理システムSを利用する顧客が操作する情報処理装置であり、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等で構成される。顧客端末3は、販売管理サーバ1から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、顧客端末3は、販売管理サーバ1に向けて各種の情報を送信する。例えば、顧客端末3は、販売管理サーバ1から送信されてきた仮想店舗商品リストを取得して表示する。また、顧客端末3は、仮想店舗商品リストを閲覧した顧客による商品等を注文するための入力操作を受け付けて、その入力情報を販売管理サーバ1に向けて送信する。なお、顧客端末3の具体的な構成や処理の詳細については後述する。
【0027】
販売管理システムSを構成する販売管理サーバ1、店舗側端末2、及び顧客端末3の各々による上述の処理は一例であり、販売管理システムS全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を販売管理システムS内で分担してもよいし協働してもよい。例えば、販売管理サーバ1の機能の一部または全部を、販売管理システムS内の他の情報処理装置等の機能としてもよいし、販売管理システムS内の他の情報処理装置等の機能の一部または全部を、販売管理サーバ1の機能としてもよい。さらに、販売管理サーバ1の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、販売管理システムS全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0028】
<ハードウェア構成>
(販売管理サーバ1のハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係る販売管理サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
販売管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19とを備えている。
【0029】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0030】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18及び通信部19が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0031】
(店舗側端末2及び顧客端末3のハードウェア構成)
また、図示はしないが、店舗側端末2及び顧客端末3は、
図2に示すハードウェア構成を有する。すなわち、
図2のCPU11と、ROM12と、RAM13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19との各々に対応するCPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部と、入力部と、記憶部と、通信部とを有する。
【0032】
<機能構成>
(販売管理サーバ1の機能構成)
図3は、販売管理サーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
販売管理サーバ1のCPU11においては、動作する際に、リスト出力部31と、担当実店舗決定部32と、配送指示情報出力部33と、決済部34と、回答実店舗決定部35と、売上按分部36とが機能する。また、販売管理サーバ1の記憶部18においては、リスト情報DB41と、優先順位情報DB42と、担当実店舗情報DB43と、決済情報DB44と、回答実店舗情報DB45とが設けられている。
【0033】
リスト出力部31は、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品またはサービスのリスト(実店舗商品リスト)に基づいて生成した所定の仮想店舗の商品またはサービス(例えばラッピングサービス等)のリスト(仮想店舗商品リスト)を顧客端末3に出力する。
実店舗商品リストは、記憶部18のリスト情報DB41に記憶されている。
仮想店舗商品リストにおける商品等には、商品またはサービスが含まれ、サービスとしては、ラッピングサービスなどが挙げられる。
【0034】
担当実店舗決定部32は、上述の仮想店舗商品リストに基づいて、顧客端末3から、商品等の注文を受け付けたことに応じて、優先順位情報DB42に記憶されている優先順位に基づいて、注文された商品の配送やサービスの提供を行う1以上の担当実店舗を決定する。ここで、決定された担当実店舗の情報は、担当実店舗情報DB43に記憶される。
優先順位を決定する基準としては、例えば、主店舗や副店舗の設定の状況、実店舗ごとの商品の在庫状況、実店舗ごとに配置されたサービス担当者の時間的・能力的な許容量を示すキャパシティの状況、商品等の価格(期間限定の特売等を含む)等が挙げられる。
【0035】
担当実店舗決定部32は、商品の在庫情報や、サービスの担当者のキャパシティの状況に基づいて、担当実店舗を決定してもよい。このような構成によれば、販売管理サーバ1は、注文を受けた際の商品の在庫状況やサービスのキャパシティ状況に応じて、適切な商品等のデリバリーを行うことができる。
【0036】
また、担当実店舗決定部32は、さらに実店舗で取り扱う商品等を保管している倉庫の在庫情報に基づいて担当実店舗を決定してもよい。このような構成によれば、販売管理サーバ1は、さらに商品の品揃えを拡大し、かつ在庫切れリスクを低減することができる。
【0037】
また、上記の担当店舗の決定においては、担当実店舗決定部32は、さらに商品等の配送ルートの情報に基づいて担当実店舗を決定してもよい。このような構成によれば、販売管理サーバ1は、配送ルートも勘案して商品等のデリバリーを行うことができる。
【0038】
さらに、担当実店舗決定部32は、注文を受ける担当実店舗が複数の場合には、最後の商品のパッキング(厳密には売買契約が完了したこと等)が完了したことに応じて、注文の決済を行う。
【0039】
配送指示情報出力部33は、担当実店舗情報DB43に記憶されている1以上の担当実店舗の情報に基づいて、配送指示情報を店舗側端末2に出力する。
例えば、配送指示情報出力部33は、各店舗を巡回する配送車で夫々の実店舗でパッキングした商品の移動先リストを出力して店舗間移動を実施して配送店舗に商品を集約したり、出荷準備完了情報に基づいてドライバーに最適な配送・荷受けルートを指示したり、複数の実店舗でドライバーをシェアする。
【0040】
決済部34は、店舗側端末2から受信した配送指示情報に基づいて、決済条件が整うと、注文についての決済処理を行う。具体的には、決済部34は、顧客からの注文に係る商品等の提供を担当する1以上の担当実店舗からの決済情報に基づいて、決済処理を一括で行う。決済処理が行われるタイミングは特に限定されず、販売契約ごとに定められた決済条件に基づくタイミングであってもよいし、商品等を提供する店舗側が予め定めた決済条件に基づくタイミングであってもよい。例えば、予約が受付られたタイミング、売買契約が成立したタイミング、商品等の配送の準備が整ったタイミング、商品等の提供が完了したタイミングなどを、決済処理が行われるタイミングとすることができる。このうち、商品等の配送の準備が整ったタイミングとしては、例えば、複数の担当実店舗により顧客に提供される複数の商品のうち、最後の商品のパッキングが行われたタイミングなどが挙げられる。このような構成により、複数の担当実店舗に割り振られた商品の決済を、当該商品の最後のパッキングが完了してデリバリーが可能となった際に行うことができる。
【0041】
回答実店舗決定部35は、担当実店舗決定部32が注文について複数の担当実店舗を決定した場合に、顧客からの問い合わせがあったことに応じて、所定の優先順位に基づいて回答する実店舗を決定する。このような構成によれば、複数の担当実店舗が存在する注文についても顧客に的確な問い合わせ対応を実施することができる。
所定の優先順位としては、例えば複数の担当実店舗のうち取り扱い数量の多い順や、取り扱い期間の長い順や、商品等の知識が豊富な順等が挙げられる。
【0042】
売上按分部36は、担当実店舗決定部32が注文について複数の担当実店舗を決定した場合に、注文にかかる売上額を複数の実店舗に按分する。具体的には、売上按分部36は、実店舗間にて予め定められた按分の基準や、複数の担当実店舗の各々の実店舗情報などに基づいて、売上額の按分を行う。例えば、実店舗間における按分の基準が、「売上額は商品等の配送料を含む」、「売上額は実店舗に均等配分する」と定められていたとする。この場合、売上按分部36は、配送料を含む全体の売上額を単純に担当実店舗の数で割った額を各担当実店舗の売上額とする。また、例えば、按分の基準が、「売上額は商品等の配送料を含む」、「売上額に含まれる配送料はすべて主店舗の売上額として計上する」、「配送料を除く売上額は実店舗に均等配分する」と定められていたとする。この場合、売上按分部36は、例えば、主店舗以外の実店舗の売上額は、全体の売上額から配送料を除き、主店舗を含む担当実店舗の数で残りを割った額とし、主店舗については、主店舗以外の実店舗の売上額に配送料を加算した額としてもよい。ここで、注文にかかる売上には、配送料等も含まれる。また、配送料は代表店にまとめて計上してもよい。このような構成によれば、複数の担当実店舗で適切に売上を按分することができる。
【0043】
<処理内容>
図4は、本実施形態に係る販売管理サーバ1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
販売管理サーバ1は、所定のエリアに立地する複数の実店舗の各々の店舗側端末2から実店舗情報が送信されてくると(ステップS1でYES)、送信されてきた実店舗情報を取得し(ステップS2)、取得した実店舗情報をデータベースに記憶して管理する(ステップS3)。また、ステップS2で取得した実店舗情報に基づいて、実店舗商品リストを生成する(ステップS4)。これに対して、実店舗情報が送信されてきていない場合(ステップS1でNO)、販売管理サーバ1は、実店舗情報が送信されてくるまでステップS1の処理を繰り返す。
【0044】
販売管理サーバ1は、ステップS4で生成した実店舗商品リストに基づいて、仮想店舗商品リストを生成し(ステップS5)、生成した仮想店舗商品リストを顧客端末3に向けて送信する(ステップS6)。次に、販売管理サーバ1は、仮想店舗商品リストを閲覧した顧客からの商品等の注文が受け付けられると(ステップS7でYES)、仮想店舗商品リストの対象エリアに立地する複数の実店舗の中から1以上の担当実店舗を決定する(ステップS8)。これに対して、顧客からの商品等の注文が受け付けられていない場合(ステップS7でNO)、販売管理サーバ1は、顧客からの商品等の注文が受け付けられるまでステップS7の処理を繰り返す。
【0045】
次に、販売管理サーバ1は、決済条件が整うと(ステップS9でYES)、提供した商品等の決済処理を行う(ステップS10)。そして、販売管理サーバ1は、1以上の担当実店舗による商品等の提供の対価として計上された売上額を、その1以上の担当実店舗の各々に按分する(ステップS11)。これに対して、決済条件が整っていない場合(ステップS9でNO)、販売管理サーバ1は、決済条件が整うまでステップS9の処理を繰り返す。
【0046】
次に、販売管理サーバ1は、ステップS8で決定した1以上の担当実店舗の各々の実店舗情報と、受注情報とに基づいて、配送指示情報を生成する(ステップS12)。そして、販売管理サーバ1は、1以上の担当実店舗の各々の店舗側端末2に向けて、ステップS12で生成した配送指示情報を送信する(ステップS13)。
【0047】
<具体例>
図5は、本実施形態の販売管理システムSが適用される仮想店舗の具体例を示すイメージ図である。
図5に示す仮想店舗Vは、所定のエリアに立地する実店舗R1乃至Rr(rは1以上の整数値)の各々により提供される商品等を一元的にまとめて、顧客Cの顧客端末30による閲覧および注文を可能にする仮想店舗である。仮想店舗Vは、実店舗R1乃至Rrの実店舗商品リストLR1乃至LRrに基づき生成された仮想店舗商品リストLVを顧客Cに提供する。なお、
図5の例では、実店舗R1の実店舗商品リストLR1に掲載されている商品aと、実店舗R2の実店舗商品リストLR1に掲載されている商品bとが仮想店舗商品リストLVに掲載されている。仮想店舗商品リストLVは、顧客Cの入力操作や、顧客端末30のGPS(Global Positioning System)情報に基づき決定されたエリアを対象とするものが顧客端末3に表示される。
【0048】
顧客Cは、顧客端末3を操作することで、仮想店舗商品リストLVを閲覧し、提供を受けたい商品等を注文する。なお、
図5の例では、商品aおよびbが注文されている。顧客Cからの注文が仮想店舗Vによって受け付けられると、予め設定された優先順位に基づいて、実店舗R1乃至Rrの中から、注文に係る商品等の提供を担当する1以上の担当実店舗が決定される。なお、
図5の例では、主店舗である実店舗R1と、商品等の在庫に余裕のある実店舗R2とが担当実店舗に決定されたとする。また、顧客Cからの注文内容は、受注情報として記憶される。
【0049】
商品等の注文が受注されると、その受注情報と、担当実店舗である実店舗R1およびR2の各々の実店舗情報とに基づく配送指示情報が生成されて、担当実店舗である実店舗R1およびR2に渡される。具体的には、生成された配送指示情報は、実店舗R1およびR2の各々に設置され、または実店舗R1およびR2の各々の従業者(ピッキング担当者、パッキング担当者、サービス担当者、ドライバーなど)に配備された店舗側端末2に向けて送信される。
【0050】
実店舗R1およびR2の各々の従業者は、店舗側端末2に表示された配送指示情報に従って、商品等を発送するための準備を進める。なお、
図5の例では、実店舗R1の配送指示情報には、商品aのピッキングおよびパッキングを行うことについての指示の内容が含まれており、実店舗R2の配送指示情報には、商品bのピッキングおよびパッキングを行うことについての指示の内容が含まれている。
【0051】
さらに、実店舗R1およびR2の各々の配送指示情報には、実店舗R1にてパッキングされた商品aが実店舗R2に向けて配送されることや、実店舗R2にてパッキングされた商品bが、実店舗R1からの商品aとともに混載された状態で顧客Cに向けて配送されることなどの配送ルート情報が含まれる。
【0052】
このように、顧客Cは、仮想店舗Vを利用することで、実店舗R1およびR2の各々から提供された商品等(商品aおよびb)をまとめて配送してもらうことができる。すなわち、顧客Cは、仮想店舗Vを利用することで、実店舗R1およびR2の各々から提供される商品等(商品aおよびb)を、あたかも1つの店舗を利用する感覚で購入することができる。
【0053】
図6は、設定されたエリアの具体例を示す図である。
上述のように、顧客Cに提供される仮想店舗商品リストLVは、設定されたエリアごとに生成される。エリアの設定は重畳的に行うことができる。例えば、
図6に示すように、ある地域に実店舗R1乃至R4が立地している場合には、実店舗R1乃至R4のすべてを含むエリアA1を設定することもできるし、実店舗R2およびR3のみを含むエリアA2を設定することもできる。また、実店舗R1、R3、およびR4のみを含むエリアA3を設定することもできるし、実店舗R1およびR3のみを含むエリアA4を設定することもできる。
【0054】
また、エリアが設定された場合には、そのエリアに立地している複数の実店舗の中から、主幹となる主店舗や、主店舗の補助的な役割を担う副店舗が設定される。例えば、
図6の例において、実店舗R1乃至R4のすべてを含むエリアA1が設定された場合には、実店舗R1が主店舗、実店舗R2が副店舗となるように設定されてもよい。
【0055】
また、商品等の配送を行う配送車は、エリアごとに管理してもよいし、例えば、
図6の例のように複数のエリアが重畳的に設定されている場合には、複数のエリアで配送車を共用できるように管理してもよい。また、配送車を運転するドライバーに店舗側端末2を配備して、上述の配送指示情報が表示されるようにしてもよい。配送指示情報には、上述のように配送ルート情報が含まれるので、効率の良い配送業務が実現される。
【0056】
図7は、商品等の配送の具体例を示す図である。
図7において、仮想店舗Vよりも右側は、仮想店舗Vと担当実店舗R1乃至R4との関係(Back-office)を示している。また、仮想店舗Vよりも左側は、仮想店舗Vと顧客C1乃至C9との関係(Front-end)を示している。仮想店舗Vと顧客C1乃至C9との関係において、顧客C1乃至C9から見た仮想店舗Vは、仮想店舗商品リストに掲載されている商品等を注文すると自宅に配送してくれる便利な存在となる。一方、仮想店舗Vと担当実店舗R1乃至R4との関係において、担当実店舗R1乃至R4から見た仮想店舗Vは、自身が提供する商品等の販路を提供してくれる頼れる存在となる。
【0057】
具体的には、顧客C1乃至C9の各々が、仮想店舗Vに対し、仮想店舗商品リストに掲載されている商品等を注文すると、その注文を仮想店舗Vが受注する。そして、担当実店舗として決定された実店舗R1乃至R4に向けて配送指示情報が提供される。配送指示情報は、上述のように、予め設定された優先順位に基づき決定された担当実店舗の各々の実店舗情報に基づいて生成される。
【0058】
例えば、主店舗の在庫からの商品のピッキングを軸とし、主店舗の在庫にない商品については副店舗の在庫からピッキングすることとする配送指示情報を生成することもできる。具体的には、
図7に示すように、主店舗である実店舗R1の在庫に商品aがあり、副店舗である実店舗R2およびR3の在庫に商品bがあり、副店舗である実店舗R4の在庫に商品bおよびcがあったとする。そして、顧客C1、C2、C4、およびC5が商品aおよびbを注文し、顧客C3、C6乃至C8が商品aのみを注文し、顧客C9が商品a乃至cを注文したとする。なお、ここでいう「在庫」には、実店舗の倉庫に保管された商品だけではなく、バックオフィスとして機能する、実店舗に関係する倉庫に保管された商品も含めることができる。
【0059】
この場合、顧客C1乃至C9に配送される商品aは、主店舗である実店舗R1の在庫から優先的にピッキングされ、それ以外の商品bおよびcについては、副店舗である実店舗R2乃至R4の各々の在庫からピッキングされるようにしてもよい。具体的には、顧客C1およびC2に配送される商品bは、実店舗R2の在庫からピッキングされ、顧客C4およびC9に配送される商品bは、実店舗R3の在庫からピッキングされ、顧客C5およびC9に配送される商品bおよびcは、実店舗R4の在庫からピッキングされるようにしてもよい。
【0060】
図8(A)は、優先順位の具体例を示す図である。
上述のように、担当実店舗は、予め設定された優先順位に基づいて決定される。優先順位は、優先順位情報としてデータベース(例えば、
図3の優先順位情報DB42)に記憶されて管理されている。
図8(A)には、所定のエリアに立地している実店舗R1(店舗名「〇〇〇」)、実店舗R2(店舗名「△△△」)、および実店舗R3(店舗名「□□□」)に設定された優先順の具体例が示されている。
図8(A)に示す優先順位は、商品の在庫数に応じて商品の種類ごとに設定されている。なお、各数字は優先順位を示している。例えば、商品の種類のうち「鮮魚」は、優先順位が高い順に、実店舗R1、実店舗R2、実店舗R3と設定されている。また、「精肉」は、優先順位が高い順に、実店舗R2、実店舗R1、実店舗R3と設定されている。また、「日配」は、優先順位が高い順に、実店舗R3、実店舗R2、実店舗R1と設定されている。また、「部門外」は、優先順位が高い順に、実店舗R1、実店舗R2、実店舗R3と設定されている。
【0061】
図8(B)は、実店舗商品リストの具体例を示す図である。
実店舗商品リストは、予め定められたタイミングにおける在庫量に基づいて生成される。例えば、
図8(B)には、予め定められたタイミングを「締め時」としたときの商品(品名「塩たら切り身(甘口)」)の在庫量が、実店舗R1が「1」、実店舗R2が「3」、実店舗R3が「15」であることが示されている。また、商品(品名「豚肉ヒレブロック」)の在庫量が、実店舗R1が「10」、実店舗R2が「3」、実店舗R3が「20」であることが示されている。
【0062】
図8(C)は、優先順位に基づく担当実店舗間のピッキングの振り分けの具体例を示す図である。
配送指示情報が生成される際に行われる、優先順位に基づく担当実店舗間のピッキング数の振り分けは、例えば以下のようにして行われる。すなわち、
図8(C)の上図に示すように、顧客から注文された商品が2種類であり、このうち1種類目が「鮮魚」であり、2種類目が「精肉」であり、それぞれの具体的な品名と数量が「塩たら切身(甘口)」が「2つ」、「豚肉ヒレブロック」が「3つ」であったとする。この場合、優先順位に基づく担当実店舗間のピッキングの振り分けとして、例えば、1種類目の商品が、担当実店舗のうち、実店舗(店舗名「〇〇〇」)と、実店舗(店舗名「△△△」)との各々の在庫から1つずつピッキングされ、2種類目の商品が、担当実店舗のうち実店舗(店舗名「△△△」)の在庫から3つピッキングされるように振り分けられることがある。これにより、担当実店舗間における在庫不足を補い合うことができる。
【0063】
図9は、仮想店舗商品リストの具体例を示す図である。
上述のように、仮想店舗商品リストは、所定のエリアに立地する複数の実店舗の実店舗商品リストに基づいて生成される。
図9には、仮想店舗商品リストLVの具体例が示されている。
図9に例示する仮想店舗商品リストLVには、商品等の品番と、商品の種類と、実店舗の店舗名と、商品の品名と、価格とがそれぞれ含まれる。例えば、品番が「0200342」、商品の種類が「鮮魚」、実店舗の店舗名が「〇〇〇」、商品の品名が「塩たら切身(甘口)」、商品の価格が「198」円である商品や、品番が「0200342」、商品の種類が「鮮魚」、実店舗の店舗名が「△△△」、商品の品名が「塩たら切身(甘口)」、商品の価格が「188」円である商品などが仮想店舗商品リストLVに含まれている。なお、仮想店舗商品リストLVに含まれる情報の他の具体例は、
図9に示すとおりである。
【0064】
図10は、決済処理の具体例を示す図である。
上述のように、決済処理が行われるタイミングは、契約内容等に従ったものとなる。このため、例えば、担当実店舗として商品等を提供する複数の実店舗のうち、いずれか1の実店舗により行われた最後のパッキングが完了したタイミングで決済処理が行われるようにすることがある。
図10には、その具体例が示されている。
【0065】
販売管理システムSは、担当実店舗の各々において行われるパッキングおよび出荷状態の各々の進捗が管理される。例えば、
図10の例では、担当実店舗としての実店舗(店舗名「〇〇〇」)、実店舗(店舗名「□□□」)、実店舗(店舗名「△△△」)、および実店舗(店舗名「×××」)の各々において行われるパッキングおよび出荷状態の各々の進捗が管理されている。
図10の上側には、パッキングが未完了の実店舗が存在するタイミングが示されている。
図10の下側には、最後のパッキングが完了したタイミングが示されている。
【0066】
図10の上側に示すタイミングでは、担当実店舗のうち、実店舗(店舗名「△△△」)、実店舗(店舗名「×××」)は、パッキングが「完了」し、出荷状態が「出荷準備状態」となっている。これに対して、実店舗(店舗名「〇〇〇」)、実店舗(店舗名「□□□」)は、パッキングが「未完了」であり、出荷状態が「出荷手配中」になっている。その後、
図10の下側に示すタイミングでは、担当実店舗のすべてがパッキングを「完了」させており、出荷状態がすべて「出荷準備状態」になっている。このため、
図10の下側に示すタイミング以降に決済処理が行われる。
【0067】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品やサービスを、仮想店舗の商品やサービスとして一元的にまとめて閲覧・注文できる仕組みを提供することができる。
【0068】
(その他)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、販売管理サーバ1の機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよいし、他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0069】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0070】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0071】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0072】
換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、(1)本発明が適用される情報処理装置(例えば、
図3の販売管理サーバ1)は、
所定のエリアに立地する複数の実店舗(例えば、
図5の実店舗R1及びR2)の商品またはサービスのリスト(例えば、
図5の実店舗商品リストLR1及びLR2)に基づいて生成した所定の仮想店舗(例えば、
図5の仮想店舗V)の商品またはサービス(例えば、ラッピングサービス等)のリスト(例えば、
図5の仮想店舗商品リストLV)を顧客(例えば、
図5の顧客C)に出力するリスト出力手段(例えば、
図3のリスト出力部31)と、
前記仮想店舗の商品またはサービスのリストに基づいて所定の商品または所定のサービスについて顧客から注文を受け付けたことに応じて、所定の優先順位(例えば、主店舗や副店舗の設定の状況、商品の在庫の状況、サービス担当者のキャパシティの状況、商品等の価格(例えば、期間限定の特売価格など)等)に基づいて前記所定の商品の配送または所定のサービスの提供を行う担当実店舗を決定する担当実店舗決定手段(例えば、
図3の担当実店舗決定部32)と、
を備える。
これにより、顧客は、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品またはサービスを一元的に仮想店舗としてまとめて閲覧及び注文が可能となる。また、実店舗は、担当実店舗として自らの得意分野に特化しつつ、エリア全体における品揃えを拡大し、かつ、商品の在庫切れのリスクや、サービス担当者の欠員のリスクを低減化できる。
【0073】
また、(2)前記担当実店舗決定手段(例えば、
図3の担当実店舗決定部32)は、前記所定の商品の在庫情報(例えば、上述の実店舗商品リスト)または前記所定のサービスの担当者(例えば、上述のサービス担当者)のキャパシティ情報に基づいて前記担当実店舗を決定する。
これにより、顧客からの注文を受けた際の所定の商品の在庫の状況や、初手のサービスのキャパシティの状況に応じて担当実店舗が決定されるので、適切な商品またはサービスの提供を実現させることができる。
【0074】
また、(3)前記担当実店舗決定手段(例えば、
図3の担当実店舗決定部32)は、さらに前記実店舗に関係する倉庫の在庫情報に基づいて前記担当実店舗を決定する。
これにより、いわゆるダークストアを活用できる。その結果、商品の品揃えをさらに拡大し、かつ、商品の在庫切れのリスクをさらに低減化できる。
【0075】
また、(4)前記担当実店舗決定手段(例えば、
図3の担当実店舗決定部32)は、さらに前記所定の商品または所定のサービスの配送ルートの情報(例えば、上述の配送ルート情報)に基づいて前記担当実店舗を決定する。
これにより、配送ルートが勘案された商品またはサービスのデリバリーを実現させることができる。
【0076】
また、(5)前記担当実店舗の情報(例えば、上述の実店舗情報)に基づいて、所定の配送指示情報(例えば、上述の配送指示情報)を出力する配送指示情報出力手段(例えば、
図3の配送指示情報出力部33)をさらに備える。
これにより、複数の実店舗を巡回する配送車が担当実店舗間の商品の配送を実施することで、担当実店舗に商品を集約することができる。また、商品の配送を担当するドライバーに最適となる配送ルートを指示することができる。また、商品の配送を担当する者を、複数の実店舗間でシェアすることができる。
【0077】
また、(6)前記担当実店舗決定手段(例えば、
図3の担当実店舗決定部32)が前記注文について複数の担当実店舗を決定した場合に最後の商品のパッキングが完了したことに応じて前記注文の決済を行う決済手段(例えば、
図3の決済部34)をさらに備える。
これにより、複数の担当実店舗に割り振られた商品の決済を、商品の最後のパッキングが完了して出荷が可能となった段階で行うことができる。
【0078】
また、(7)前記担当実店舗決定手段(例えば、
図3の担当実店舗決定部32)が前記注文について複数の担当実店舗を決定した場合に、前記顧客からの問い合わせがあったことに応じて、所定の優先順位に基づいて回答する実店舗を決定する回答実店舗決定手段(例えば、
図3の回答実店舗決定部35)をさらに備える。
これにより、複数の担当実店舗が存在する注文に関する責任の所在を明確化できる。
【0079】
また、(8)前記担当実店舗決定手段(例えば、
図3の担当実店舗決定部32)が前記注文について複数の担当実店舗を決定した場合に、前記注文にかかる売上を前記複数の実店舗に按分する売上按分手段(例えば、
図3の売上按分部36)をさらに備える。
これにより、複数の担当実店舗で適切に売上を按分することができる。
【0080】
また、(9)本発明が適用される販売管理方法は、
所定のエリアに立地する複数の実店舗(例えば、
図5の実店舗R1及びR2)の商品またはサービスのリスト(例えば、
図5の実店舗商品リストLR1及びLR2)に基づいて生成した所定の仮想店舗(例えば、
図5の仮想店舗V)の商品またはサービス(例えば、ラッピングサービス等)のリスト(例えば、
図5の仮想店舗商品リストLV)を顧客(例えば、
図5の顧客C)に出力するステップと、
前記仮想店舗の商品またはサービスのリストに基づいて所定の商品または所定のサービスについて顧客から注文を受け付けたことに応じて、所定の優先順位(例えば、主店舗や副店舗の設定の状況、商品の在庫の状況、サービス担当者のキャパシティの状況、商品等の価格(例えば、期間限定の特売価格など)等)に基づいて前記所定の商品の配送または所定のサービスの提供を行う担当実店舗を決定するステップと、
を含む。
これにより、顧客は、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品またはサービスを一元的に仮想店舗としてまとめて閲覧及び注文が可能となる。また、実店舗は、担当実店舗として自らの得意分野に特化しつつ、品揃えを拡大し、かつ、商品の在庫切れのリスクや、サービス担当者の欠員のリスクを低減化できる。
【0081】
また、(10)本発明が適用されるプログラムは、
所定のエリアに立地する複数の実店舗(例えば、
図5の実店舗R1及びR2)の商品またはサービスのリスト(例えば、
図5の実店舗商品リストLR1及びLR2)に基づいて生成した所定の仮想店舗(例えば、
図5の仮想店舗V)の商品またはサービス(例えば、ラッピングサービス等)のリスト(例えば、
図5の仮想店舗商品リストLV)を顧客(例えば、
図5の顧客C)に出力するステップと、
前記仮想店舗の商品またはサービスのリストに基づいて所定の商品または所定のサービスについて顧客から注文を受け付けたことに応じて、所定の優先順位(例えば、主店舗や副店舗の設定の状況、商品の在庫の状況、サービス担当者のキャパシティの状況、商品等の価格(例えば、期間限定の特売価格など)等)に基づいて前記所定の商品の配送または所定のサービスの提供を行う担当実店舗を決定するステップと、
をコンピュータにより実行させる。
これにより、顧客は、所定のエリアに立地する複数の実店舗の商品またはサービスを一元的に仮想店舗としてまとめて閲覧及び注文が可能となる。また、実店舗は、担当実店舗として自らの得意分野に特化しつつ、品揃えを拡大し、かつ、商品の在庫切れのリスクや、サービス担当者の欠員のリスクを低減化できる。
【符号の説明】
【0082】
1:販売管理サーバ、2:店舗側端末、3:顧客端末、11:CPU、18:記憶部、19:通信部、31:リスト出力部、32:担当実店舗決定部、33:配送指示情報出力部、34:決済部、35:回答実店舗決定部、36:売上按分部、S:情報処理システム、N:ネットワーク