(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105817
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】キャパシタ及びそれを含む半導体装置
(51)【国際特許分類】
H10B 53/00 20230101AFI20230724BHJP
H01G 4/008 20060101ALI20230724BHJP
H01G 4/12 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
H10B53/00
H01G4/008
H01G4/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006068
(22)【出願日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0008131
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】羅 炳勲
(72)【発明者】
【氏名】李 周浩
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
5F083
【Fターム(参考)】
5E001AB01
5E082AB01
5E082EE02
5E082EE18
5E082FF05
5E082FG26
5F083AD25
5F083AD60
5F083FR02
5F083GA06
5F083GA09
5F083JA14
5F083JA15
5F083JA16
5F083JA31
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA43
5F083NA01
5F083PR03
5F083PR05
(57)【要約】
【課題】キャパシタ及びそれを含む半導体装置を提供する。
【解決手段】キャパシタは、ペロブスカイト結晶構造を有する誘電体層と、誘電体層を挟んで離隔配置される第1及び第2電極と、を含み、第1及び第2電極のうち少なくとも1つは、ペロブスカイト結晶構造を有する金属性層、イオン特性を有する第1イオン化層及び半導体層を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペロブスカイト結晶構造を有する誘電体層と、
前記誘電体層を挟んで離隔配置される第1及び第2電極と、を含み、
前記第1及び第2電極のうち少なくとも1つは、
ペロブスカイト結晶構造を有する金属性層と、
イオン特性を有する第1イオン化層と、
半導体層と、を含み、
前記誘電体層から遠くなる方向に、前記金属性層、前記第1イオン化層及び前記半導体層が順次に配列された、キャパシタ。
【請求項2】
前記金属性層は、A1B1O3(O:酸素)組成を有し、B1が金属である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項3】
前記金属性層は、BaRuO3、BaMoO3、BaIrO3、BaVO3、SrRuO3、SrMoO3、SrIrO3及びSrVO3のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項4】
前記金属性層の厚みは、50Å以下である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項5】
前記半導体層は、ペロブスカイト結晶構造を有する誘電性物質に金属物質がドーピングされた、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項6】
前記誘電性物質は、前記誘電体層に含まれた物質と同一である、請求項5に記載のキャパシタ。
【請求項7】
前記金属物質は、La、Nb、Y、Fe、Cr、Ta、Co及びScのうち少なくとも1つを含む、請求項5に記載のキャパシタ。
【請求項8】
前記半導体層の厚みは、前記金属性層の厚みより大きい、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項9】
前記半導体層の厚みは、前記金属性層の厚みの5倍以上である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項10】
前記半導体層の厚みは、100Åないし300Åである、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項11】
前記第1イオン化層は、陽イオン特性を有する、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項12】
前記第1イオン化層は、ペロブスカイト結晶構造を有する、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項13】
前記第1イオン化層は、陽イオン特性を有する陽イオン化層と、中性特性を有する第1中性層とを含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項14】
前記第1イオン化層は、A3B3O3(O:酸素)組成を含み、
A3は3価以上の陽イオンであり、B3は4価陽イオンである、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項15】
前記第1イオン化層に含まれた陽イオンのうち1つは、前記半導体層及び前記金属性層のうち少なくとも1層に含まれた陽イオンと同一である、請求項13に記載のキャパシタ。
【請求項16】
前記第1イオン化層は、LaTiO3、SmTiO3、YTiO3、DyTiO3及びSmTiO3のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項17】
前記第1電極と前記誘電体層との間、及び前記第2電極と前記誘電体層との間に、前記第1イオン化層とイオン特性が異なる第2イオン化層をさらに含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項18】
前記第2イオン化層は、ペロブスカイト結晶構造を有する、請求項17に記載のキャパシタ。
【請求項19】
前記第2イオン化層は、陰イオン特性を有する陰イオン化層と、中性特性を有する第2中性層とを含む、請求項17に記載のキャパシタ。
【請求項20】
前記第2イオン化層は、A4B4O3(O:酸素)組成を含み、
A4は1価以上の陽イオンであり、B4は4価陽イオンである、請求項17に記載のキャパシタ。
【請求項21】
前記第2イオン化層は、LiTiO3、NaTiO3、KTiO3、RbTiO3、LiZrO3、NaZrO3、KZrO3、RbZrO3、LiHfO3、NaHfO3、KHfO3及びRbHfO3のうち少なくとも1つを含む、請求項17に記載のキャパシタ。
【請求項22】
前記誘電体層は、BaTiO3、KNbO3、KTaO3、PbTiO3、PbZrO3、SrTiO3、CaTiO3、SrHfO3及びSrZrO3のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項23】
前記誘電体層は、相異なる誘電特性を有する2以上の誘電性物質が原子単位で反復積層された超格子構造を有する、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項24】
請求項1ないし23のうちいずれか1項に記載のキャパシタを含む、半導体装置。
【請求項25】
トランジスタをさらに含み、
前記キャパシタは、前記トランジスタと電気的に連結された、請求項24に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ及びそれを含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多様な家庭用機器及び産業用機器に、メモリ及びトランジスタのような半導体素子が使用される。家庭用機器及び産業用機器の高性能化によって、半導体素子の高集積化及び微細化が進められる。
【0003】
半導体素子の高集積化及び微細化によって、半導体素子の大きさが減少する。例えば、キャパシタの小型化によって、キャパシタの容量が減少し、漏れ電流が増大するので、そのような問題を解決するために多様な方法が提案される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ペロブスカイト結晶構造を安定して維持する電極を提供することである。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ペロブスカイト結晶構造を安定して維持する誘電体層を提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、高い誘電率を有する誘電体層を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、向上したキャパシタンス特性を有するキャパシタを提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、向上したキャパシタンス特性を有するキャパシタを含む半導体装置を提供することである。
【0009】
但し、本発明が解決しようとする課題は、前記開示に限定されない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によるキャパシタは、ペロブスカイト結晶構造を有する誘電体層と、前記誘電体層を挟んで離隔配置される第1及び第2電極と、を含み、前記第1及び第2電極のうち少なくとも1つは、ペロブスカイト結晶構造を有する金属性層(metallic layer)と、イオン特性を有する第1イオン化層(first ionic layer)と、半導体層と、を含み、前記誘電体層から遠くなる方向に、前記金属性層、前記第1イオン化層及び前記半導体層が順次に配列される。
【0011】
そして、前記金属性層は、A1B1O3(O:酸素)組成を有し、B1が金属でもある。
【0012】
また、前記金属性層は、BaRuO3、BaMoO3、BaIrO3、BaVO3、SrRuO3、SrMoO3、SrIrO3及びSrVO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0013】
そして、前記金属性層の厚みは、50Å以下でもある。
【0014】
また、前記半導体層は、ペロブスカイト結晶構造を有する誘電性物質に金属物質がドーピングされうる。
【0015】
そして、前記誘電性物質は、前記誘電体層に含まれた物質と同一である。
【0016】
また、前記金属物質は、La、Nb、Y、Fe、Cr、Ta、Co及びScのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0017】
そして、前記半導体層の厚みは、前記金属性層の厚みよりも大きい。
【0018】
また、前記半導体層の厚みは、前記金属性層の厚みの5倍以上でもある。
【0019】
そして、前記半導体層の厚みは、100Åないし300Åでもある。
【0020】
また、前記第1イオン化層は、陽イオン特性を有することができる。
【0021】
そして、前記第1イオン化層は、ペロブスカイト結晶構造を有することができる。
【0022】
また、前記第1イオン化層は、陽イオン特性を有する陽イオン化層と、中性特性を有する第1中性層とを含むものでもある。
【0023】
そして、前記第1イオン化層は、A3B3O3(O:酸素)組成を含み、A3は3価以上の陽イオンであり、B3は4価陽イオンでもある。
【0024】
また、前記第1イオン化層に含まれた陽イオンのうち1つは、前記半導体層及び前記金属性層のうち少なくとも1つに含まれた陽イオンと同一である。
【0025】
そして、前記第1イオン化層は、LaTiO3、SmTiO3、YTiO3、DyTiO3及びSmTiO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0026】
また、前記第1電極と前記誘電体層との間、及び前記第2電極と前記誘電体層との間に、前記第1イオン化層とイオン特性が異なる第2イオン化層をさらに含んでもよい。
【0027】
そして、前記第2イオン化層は、ペロブスカイト結晶構造を有することができる。
【0028】
また、前記第2イオン化層は、陰イオン特性を有する陰イオン化層と、中性特性を有する第2中性層とを含むものでもある。
【0029】
そして、前記第2イオン化層は、A4B4O3(O:酸素)組成を含み、A4は1価以上の陽イオンであり、B4は4価陽イオンでもある。
【0030】
また、前記第2イオン化層は、LiTiO3、NaTiO3、KTiO3、RbTiO3、LiZrO3、NaZrO3、KZrO3、RbZrO3、LiHfO3、NaHfO3、KHfO3及びRbHfO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0031】
そして、前記誘電体層は、BaTiO3、KNbO3、KTaO3、PbTiO3、PbZrO3、SrTiO3、CaTiO3、SrHfO3及びSrZrO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0032】
また、前記誘電体層は、相異なる誘電特性を有する2以上の誘電性物質が原子単位で反復積層された超格子構造を有することができる。
【0033】
一方、一実施形態による半導体装置は、前述のキャパシタを含む。
【0034】
そして、トランジスタをさらに含み、前記キャパシタは、前記トランジスタと電気的に連結されうる。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、ペロブスカイト結晶構造を安定して維持する電極を提供することができる。
【0036】
本発明は、ペロブスカイト結晶構造を安定して維持する誘電体層を提供することができる。
【0037】
本発明は、高い誘電率を有する誘電体層を提供することができる。
【0038】
本発明は、向上したキャパシタンス特性を有するキャパシタを提供することができる。
【0039】
本発明は、向上したキャパシタンス特性を有するキャパシタを含む半導体装置を提供することができる。
【0040】
但し、発明の効果は、前記開示に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】一実施形態によるペロブスカイト結晶構造を有するキャパシタを示す図面である。
【
図2】一実施形態による半導体層の母材と金属性層との静電位(electrostatic potential)を示すグラフである。
【
図3】一実施形態による半導体層/第1イオン化層/金属性層の構造体に対するIV特性を示すグラフである。
【
図4】一実施形態によるキャパシタの誘電定数を測定した結果を示す図面である。
【
図5】一実施形態によるキャパシタのIV特性を測定した結果を示す図面である。
【
図6】他の実施形態による第2イオン化層を含むキャパシタを示す図面である。
【
図7】他の実施形態によるキャパシタを示す図面である。
【
図8】例示的な実施形態によるキャパシタを示す図面である。
【
図9】例示的な実施形態による半導体装置の断面図である。
【
図10】例示的な実施形態によるメモリ要素の断面図である。
【
図11】実施形態によるキャパシタを採用した電子装置の概略的な回路図である。
【
図12】さらに他の例示的な実施形態による電子装置を示す平面図である。
【
図14】さらに他の例示的な実施形態による電子装置を示す断面図である。
【
図15】例示的な実施形態による装置に適用可能な素子アーキテクチャを概略的に示す概念図である。
【
図16】例示的な実施形態による装置に適用可能な素子アーキテクチャを概略的に示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付された図面を参照して、例示的な実施形態について詳細に説明する。以下の図面において、同じ参照符号は、同じ構成要素を指し、図面上で、各構成要素の大きさは、説明の明瞭性及び便宜上、誇張されうる。以下に述べられる実施形態は、単に例示的なものであり、それらの実施形態から多様な変形が可能である。
【0043】
一方、以下において、「上部」や「上」と記載されたものは、接触してすぐ上にあるものだけでなく、非接触で上にあるものも含む。単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に逆の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。「前記」の用語及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものである。
【0044】
図1は、一実施形態によるペロブスカイト結晶構造を有するキャパシタ100を示す図面である。
図1を参照すれば、一実施形態によるキャパシタ100は、ペロブスカイト結晶構造を有する誘電体層110と、誘電体層110を挟んで離隔配置される第1及び第2電極130、150とを含むものでもある。
【0045】
誘電体層110の厚みは、例えば、5nmないし100nm、または10nmないし100nmでもある。誘電体層110の厚みが厚すぎれば、キャパシタ100の単位体積当たり容量が減少する。また、誘電体層110の厚みが薄すぎれば、界面の誘電率低下領域の割合が高くなるので、キャパシタ100の単位体積当たり容量が減少する。
【0046】
誘電体層110は、ペロブスカイト結晶構造(perovskite crystal structure)を有する誘電性物質を含んでもよい。ペロブスカイト結晶構造は、A1B1O3組成を有することができる。ペロブスカイト構造を有する前記組成において、A1は、12個の酸素原子に配位される立方八面体サイト(cuboctahedral site)に配置され、B1は、6個の酸素原子に配位される八面体サイト(octahedral site)に配置されうる。誘電体層110は、2価陽イオンであるA1と、4価陽イオンであるB1とで構成されたペロブスカイト結晶構造の3元系酸化物(ABO3)を含んでもよい。
【0047】
誘電体層110は、強誘電特性または常誘電特性を有することができる。誘電体層110が強誘電特性を有する場合、例えば、誘電体層110は、BaTiO3、KNbO3、KTaO3、PbTiO3またはPbZrO3を含んでもよい。誘電体層110が常誘電特性を有する場合、例えば、誘電体層110は、SrTiO3、CaTiO3、SrHfO3またはSrZrO3を含んでもよい。誘電体層110に含まれる酸化物は、それらに限定されず、他の陽イオンを含むペロブスカイト3元系酸化物も可能である。
【0048】
A1B1O3(O:酸素)組成のペロブスカイト結晶構造を有する物質は、A1物質とB1物質との組成比、A1-O、O-B1-O結合状態(bonding state)など結晶性状態によっても誘電特性が大きく左右される。例えば、誘電体層110の結晶性が低ければ、誘電特性が劣化する。
【0049】
誘電体層110の結晶性は、誘電体層110に隣接する第1及び第2電極130、150の結晶性から影響を受けることができる。例えば、第1及び第2電極130、150の結晶性が低ければ、誘電体層110の結晶性も低くなり、第1及び第2電極130、150の結晶性が高ければ、誘電体層110の結晶性も高くなる。従って、誘電体層110の高い誘電率が安定して維持されるために、第1及び第2電極130、150の結晶性が高いことが好ましい。
【0050】
一方、電極としてRu、Ir、Pt、Auなど貴金属(noble metal)が使用される場合、貴金属はペロブスカイト結晶構造を有していないので、誘電体層110がペロブスカイト結晶構造を維持することができず、誘電体層110の誘電特性が劣化する。
【0051】
一実施形態による第1電極130は、ペロブスカイト結晶構造を有する金属性層132を含むものでもある。金属性層132は、A2B2O3組成を有することができる。A2B2O3組成のうち、B2サイトにRu、Mo、Ir、Vなど金属物質を含んでもよい。例えば、金属性層132は、BaRuO3、BaMoO3、BaIrO3、BaVO3、SrRuO3、SrMoO3、SrIrO3及びSrVO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。金属性層132は、比抵抗が低く、かつ高い伝導性の金属特性を有するところ、キャパシタ100の電極の役割を行うことができる。
【0052】
一方、3元系の金属性層132に含まれた金属物質は、多様な価数を有することができ、酸化力が弱く、安定したペロブスカイト結晶構造を維持しがたい。例えば、Ruの場合、電気的抵抗が低く、かつ仕事関数(work-function)が大きく、キャパシタ100の電極として適している。しかしながら、Ru物質自体の酸化及び還元の反応性が高く、ペロブスカイト結晶構造以外の他の結晶に容易に変形されうる。さらに、Ruを含む金属性層132がペロブスカイト結晶構造を形成するとしても、真空、高温、酸素分圧などを含む工程環境によってペロブスカイト結晶構造が容易に崩壊されうる。これにより、誘電体層110と金属性層132との界面及び誘電体層110の結晶性を劣化させうる。
【0053】
金属性層132の不安定性のため、金属性層132の厚みは薄いことが好ましい。金属性層132は、単一層であるが、それに限定されない。金属性層132は、複数の層にも形成される。金属性層132が複数層であるとしても、金属性層132の厚みは、約50Å以下でもある。一方、金属性層132の厚みが薄くなれば、金属性層132の比抵抗が高くなることもある。
【0054】
一実施形態による第1電極130は、半導体層134をさらに含んでもよい。半導体層134は、誘電性物質の母材に金属物質がドーピングされた形態でもある。半導体層134の母材は、金属性層132と同一な結晶構造を有する誘電性物質でもある。半導体層134の母材は、金属性層132の結晶構造と同一なペロブスカイト結晶構造を有することにより、金属性層132の結晶性を安定化させることができる。半導体層134の母材は、誘電体層110に含まれた誘電性物質と同一である。例えば、半導体層134は、BaTiO3、KNbO3、KTaO3、PbTiO3、PbZrO3、SrTiO3、CaTiO3、SrHfO3またはSrZrO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0055】
半導体層134にドーピングされたドーパントは、金属物質でもある。例えば、ドーパントは、La、Nb、Y、Fe、Cr、Ta、Co及びScのうち少なくとも1つを含んでもよい。半導体層134は、厚みが薄い金属性層132によって第1電極130の比抵抗が高くなることを防止することができる。また、半導体層134により、第1電極130の仕事関数も大きくなる。
【0056】
半導体層134は、薄い金属性層132の比抵抗が高くなることを防止するところ、半導体層134の厚みは、金属性層132の厚みよりも大きい。半導体層134の厚みは、金属性層132の厚みの5倍以上でもある。例えば、半導体層134の厚みは、100Åないし300Åでもある。
【0057】
半導体層134は、金属性層132に比べて補充的な電極の役割を行うところ、半導体層134は、金属性層132に比べて誘電体層110から遠く配置されうる。例えば、半導体層134と誘電体層110との間に金属性層132が配置されてもよい。
【0058】
一方、半導体層134と金属性層132とが直接接合することになれば、半導体層134と金属性層132との間に空乏層が形成されうる。空乏層は、寄生キャパシタンスを形成し、キャパシタ100の全体キャパシタンスを低下させることができる。
【0059】
一実施形態による第1電極130は、半導体層134と金属性層132とのオーミックコンタクト(ohmic contact)を形成する第1イオン化層136をさらに含んでもよい。
【0060】
第1イオン化層も、誘電体層110及び第1電極130の結晶性を安定化させるためにペロブスカイト結晶構造を有することができる。ペロブスカイト結晶構造は、A3B3O3(O:酸素)組成を有することができる。ペロブスカイト構造を有する前記組成において、A3は、12個の酸素原子に配位される立方八面体サイトに配置され、B3は、6個の酸素原子に配位される八面体サイトに配置されうる。
【0061】
第1イオン化層136は、全体として陽イオン特性を有することができる。例えば、第1イオン化層136は、[A3O]n+で表される陽イオン化層(positive ionic layer)と、[B3O2]で表される中性層とを含んでもよい。A3は3価以上の陽イオンであり、B3は4価陽イオンでもある。または、第1イオン化層136は、[A3O]で表される中性層と、[B3O2]n+で表される陽イオン化層とを含んでもよい。A3は2価陽イオンであり、B3は5価陽イオンでもある。
【0062】
第1イオン化層136に含まれた陽イオンのうち少なくとも1つは、隣接した半導体層134または金属性層132に含まれた陽イオンと同一である。第1イオン化層136の格子サイズは、半導体層134または金属性層132の格子サイズと類似していることにより、第1電極130の結晶性を高めることができる。例えば、第1イオン化層136は、LaTiO3、SmTiO3、YTiO3、DyTiO3及びSmTiO3のうち少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。イオン化層は、全体として陽イオン特性を有しつつ、ペロブスカイト構造を有する物質であれば十分である。
【0063】
金属性層132と半導体層134との間に第1イオン化層136が挿入されることにより、金属性層132と半導体層134との間にインターフェースダイポール(interface dipole)が生成され、スクリーニング電荷(screening charge)が誘導されうる。特に、第1イオン化層136は、陽イオン特性を有するところ、負のスクリーニング電荷が誘導され、半導体層134と金属性層132との間のショットキーバリア(schottky barrier)が減少しうる。
【0064】
半導体層134と金属性層132との接合によるショットキーバリアは、第1イオン化層136によって減少するところ、半導体層134と金属性層132とのオーミックコンタクトを形成することができる。オーミックコンタクトにより、金属性層132の厚み減少による金属性層132の伝導性低下を防止することができる。また、半導体層134は、金属性層132に含まれた金属物質が誘電体層110に拡散することを減らすことができ、誘電体層110の結晶低下を防止することができる。従って、誘電体層110の誘電特性を向上させることができる。
【0065】
第1イオン化層136は、半導体層134と金属性層132とのオーミックコンタクトを形成するためのものであるところ、第1イオン化層136の厚みは薄いことが好ましい。第1イオン化層136は、単一層でもある。例えば、第1イオン化層136は、1層の陽イオン化層と1層の中性層とが立体的に結合された単一層であるが、それに限定されない。第1イオン化層136は、複数の層にも形成される。第1イオン化層136が複数層であるとしても、第1イオン化層136の厚みは、金属性層132及び半導体層134の厚みよりも小さい。例えば、第1イオン化層136の厚みは、約10Å以下でもある。
【0066】
一実施形態による第2電極150も、第1電極130と同様に、ペロブスカイト結晶構造を有する金属性層152、半導体層154及びイオン特性を有する第1イオン化層156を含むものでもある。金属性層152、第1イオン化層156及び半導体層154は、誘電体層110から遠くなる方向に順次に配置されうる。第2電極150に含まれた金属性層152、第1イオン化層156及び半導体層154は、第1電極130に含まれた金属性層132、第1イオン化層136及び半導体層134と同一である。
【0067】
具体的には、金属性層152は、A2B2O3組成を有することができる。A2B2O3組成のうち、B2サイトにRu、Mo、Ir、Vなど金属物質を含んでもよい。例えば、金属性層152は、BaRuO3、BaMoO3、BaIrO3、BaVO3、SrRuO3、SrMoO3、SrIrO3及びSrVO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。金属性層152は、比抵抗が低く、かつ高い伝導性の金属特性を有するところ、キャパシタ100の電極の役割を行うことができる。
【0068】
半導体層154は、誘電性物質の母材に金属物質がドーピングされた形態でもある。半導体層154の母材は、金属性層152と同一な結晶構造を有する誘電性物質でもある。半導体層154の母材は、金属性層152の結晶構造と同一なペロブスカイト結晶構造を有することにより、金属性層152の結晶性を安定化させることができる。半導体層154の母材は、誘電体層110に含まれた誘電性物質と同一である。例えば、半導体層154は、BaTiO3、KNbO3、KTaO3、PbTiO3、PbZrO3、SrTiO3、CaTiO3、SrHfO3またはSrZrO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0069】
半導体層154にドーピングされたドーパントは、金属物質でもある。例えば、ドーパントは、La、Nb、Y、Fe、Cr、Ta、Co及びScのうち少なくとも1つを含んでもよい。半導体層154の厚みは、金属性層152の厚みよりも大きい。半導体層154の厚みは、金属性層152の厚みの5倍以上でもある。例えば、半導体層154の厚みは、100Åないし300Åでもある。
【0070】
第1イオン化層156も、誘電体層110及び第2電極150の結晶性を安定化させるためにペロブスカイト結晶構造を有することができる。ペロブスカイト結晶構造は、A3B3O3(O:酸素)組成を有することができる。
【0071】
第1イオン化層156は、全体として陽イオン特性を有することができる。例えば、第1イオン化層156は、[A3O]n+で表される陽イオン化層と、[B3O2]で表される中性層とを含んでもよい。A3は3価以上の陽イオンであり、B3は4価陽イオンでもある。または、第1イオン化層156は、[A3O]で表される中性層と、[B3O2]n+で表される陽イオン化層とを含んでもよい。A3は2価陽イオンであり、B3は5価陽イオンでもある。
【0072】
第1イオン化層156に含まれた陽イオンのうち少なくとも1つは、隣接した半導体層154または金属性層152に含まれた陽イオンと同一である。第1イオン化層156の格子サイズは、半導体層154または金属性層152の格子サイズと類似していることにより、第2電極150の結晶性を高めることができる。例えば、イオン化層は、LaTiO3、SmTiO3、YTiO3、DyTiO3及びSmTiO3のうち少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。イオン化層は、全体として陽イオン特性を有しつつ、ペロブスカイト構造を有する物質であれば十分である。
【0073】
第1イオン化層156は、単一層でもある。例えば、第1イオン化層156は、1層の陽イオン化層と1層の中性層とが立体的に結合された単一層であるが、それに限定されない。第1イオン化層156は、複数の層にも形成される。第1イオン化層156が複数層であるとしても、第1イオン化層156の厚みは、金属性層152及び半導体層134の厚みよりも小さい。例えば、第1イオン化層156の厚みは、約10Å以下でもある。
【0074】
図2は、一実施形態による半導体層の母材と金属性層との静電位(electrostatic potential)を示すグラフである。SrTiO
3を半導体層の母材として形成し、SrTiO
3を金属性層として形成した。半導体層の母材と金属性層との間に[LaO]
+を含む陽イオン化層を配置させた実施例、半導体層の母材と金属性層との間に[AlO
2]
-を含む陰イオン化層を配置させた比較例1、及び半導体層の母材と金属性層との間にイオン特性がない中性層を配置させた比較例2に対する静電位を測定した。
【0075】
その結果、
図2に示されたように、半導体層の母材と金属性層との静電位差は、半導体層の母材と金属性層との間に陽イオン特性を有するイオン化層を配置させるときに最も小さいことを確認した。半導体層の母材に金属物質がドーピングされた場合、静電位差はさらに減少するものと予想される。半導体層と金属性層との間に陽イオン特性を有するイオン化層が配置されることにより、半導体層と金属性層との間のショットキーバリアを減らすことができる。
【0076】
図3は、一実施形態による半導体層/第1イオン化層/金属性層の構造体に対するIV特性を示すグラフである。基板上に、La、Nb、Y、Fe、Cr、Ta、CoまたはScでドーピングされたSrTiO
3の半導体層、LaTiO
3の第1イオン化層、及びSrRuO
3またはBaRuO
3の金属性層を形成し、IV特性を測定した。
図3に示されたように、測定された電流は、印加された電圧に線形的に比例することを確認することができる。それは、半導体層/第1イオン化層/金属性層の構造体が電極特性を有することを意味する。
【0077】
図4は、一実施形態によるキャパシタの誘電定数を測定した結果を示す図面である。LaがドーピングされたSrTiO
3の半導体層、LaTiO
3の第1イオン化層、及びBaRuO
3の金属性層が形成された第1及び第2電極を形成し、第1及び第2電極間にSrTiO
3の誘電体層を形成した。
図4を参照すれば、キャパシタの誘電定数は、約190まで上がることを確認することができる。それは、誘電体層が高誘電定数を有することを予想することができる。
【0078】
図5は、一実施形態によるキャパシタのIV特性を測定した結果を示す図面である。LaがドーピングされたSrTiO
3の半導体層、LaTiO
3の第1イオン化層、及びBaRuO
3の金属性層が形成された第1及び第2電極を形成し、第1及び第2電極間にSrTiO
3の誘電体層を形成した。
図5に示されたように、一実施形態によるキャパシタのIV特性は、典型的なキャパシタ特性を有することを確認することができる。そして、漏れ電流がほとんど発生しないことを確認することができる。
【0079】
図6は、他の実施形態による第2イオン化層170を含むキャパシタ100aを示す図面である。
図1及び
図6を参照すれば、
図6のキャパシタ100aは、第1電極130と誘電体層110との間、及び第2電極150と誘電体層110との間のうち少なくとも1つに、第2イオン化層170がさらに配置されうる。
図6の誘電体層110、第1及び第2電極130、150は、
図1を参照して説明される誘電体層110、第1及び第2電極130、150と実質的に同一である。
【0080】
第2イオン化層170は、誘電体層110と同一な結晶構造を有し、陰イオン特性を有することができる。例えば、第2イオン化層170は、ペロブスカイト結晶構造を有することができる。ペロブスカイト結晶構造は、A4B4O3組成を有することができる。例えば、第2イオン化層170は、[A4O]n-で表される陰イオン化層(negative ionice layer)と、[B4O2]で表される中性層とを含んでもよい。A4は1価陽イオンであり、B4は4価陽イオンでもある。または、第2イオン化層170は、[A4O]で表される中性層と、[B4O2]n-で表される陰イオン化層とを含んでもよい。A4は2価陽イオンであり、B4は1価ないし3価陽イオンでもある。
【0081】
第2イオン化層170は、例えば、LiTiO3、NaTiO3、KTiO3、RbTiO3、LiZrO3、NaZrO3、KZrO3、RbZrO3、LiHfO3、NaHfO3、KHfO3及びRbHfO3のうち少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。イオン化層は、全体として陰イオン特性を有しつつ、ペロブスカイト構造を有する物質であれば十分である。
【0082】
第2イオン化層170は、単一層でもある。すなわち、1層の陰イオン化層と1層の中性層とが立体的に結合された単一層でもある。
【0083】
誘電体層110と金属性層132との間に第2イオン化層170が挿入されることにより、誘電体層110と金属性層132との間にインターフェースダイポールが生成され、スクリーニング電荷が誘導されうる。特に、第2イオン化層170は、陰イオン特性を有するところ、正のスクリーニング電荷が誘導され、誘電体層110と金属性層132との間のショットキーバリアを増加させることができる。ショットキーバリアの増加により、金属性層132の電荷が誘電体層110に拡散することを防止し、電極と誘電体層110との間の漏れ電流を抑制することができる。
【0084】
図7は、他の実施形態によるキャパシタ100bを示す図面である。
図1及び
図7を参照すれば、
図7の第2電極150aは、ペロブスカイト結晶構造を有していない。
図7の誘電体層110及び第1電極130は、
図1を参照して説明された誘電体層110及び第1電極130と実質的に同一である。
【0085】
誘電体層110は、下部電極である第1電極130上に形成されうる。従って、誘電体層110の結晶性は、下部電極である第1電極130の結晶性によって影響を多く受ける。第1電極130は、誘電体層110と同一なペロブスカイト結晶構造で形成するが、誘電体層110の結晶性に相対的に影響をさらに及ぼす上部電極である第2電極150aは、ペロブスカイト結晶構造を有していなくても構わない。
【0086】
第2電極150aは、少なくとも1つがペロブスカイト結晶構造を有していない金属、金属酸化物、ドーピングされた金属酸化物、金属窒化物及び金属炭化物のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0087】
第2電極150aは、金属を含むものでもある。第2電極150aは、例えば、Ti、W、Ta、Co、Mo、Ni、V、Hf、Al、Cu、Pt、Pd、Ir、Au及びRuのうち1つを含んでもよい。第2電極150aに含まれた金属は、それらに限定されず、当該技術分野において電極に使用する金属であれば、いずれも使用可能である。
【0088】
第2電極150aは、金属酸化物を含むものでもある。例えば、第2電極150aは、RuO2、IrO2、PtO2、SnO2、MnO2、Sb2O3及びIn2O3のうち少なくとも1つを含んでもよい。第2電極150aに含まれた金属酸化物は、それらに限定されず、当該技術分野において電極に使用する金属の酸化物であれば、いずれも使用可能である。
【0089】
第2電極150aは、ドーピングされた金属酸化物を含むものでもある。例えば、第2電極150aは、TaドーピングされたSnO2、TiドーピングされたIn2O3、NiドーピングされたSnO2、SbドーピングされたSnO2及びAlドーピングされたZnOのうち1つ以上を含んでもよい。第2電極150aに含まれたドーピングされた金属酸化物は、それらに限定されず、当該技術分野において電極に使用するドーピングされた金属の酸化物であれば、いずれも使用可能である。ドーピングされる金属、すなわち、ドーパントの種類は、特に限定されず、金属酸化物の伝導度を向上させるものであれば、いずれも使用可能である。
【0090】
第2電極150aは、金属窒化物を含むものでもある。例えば、第2電極150aは、TiN、WN、TaN、TiAlN、TaSiN、TiSiN、WSiN、TiAlN、TiCN、TiAlCN、RuCN及びRuTiNのうち少なくとも1つを含んでもよい。第2電極150aに含まれた金属窒化物は、それらに限定されず、当該技術分野において電極に使用する金属窒化物であれば、いずれも使用可能である。金属窒化物は、金属の炭素含有窒化物を含むものでもある。
【0091】
図8は、例示的な実施形態によるキャパシタ100cを示す図面である。
図1及び
図8を比較すれば、誘電体層110aは、交互に積層される第1単位層及び第2単位層を含む超格子構造を有することができる。第1単位層及び第2単位層は、相異なる誘電特性を有し、原子単位の厚みを有することができる。例えば、第1単位層は、ペロブスカイト結晶構造を有する強誘電物質を含んでもよい。例えば、第2単位層は、ペロブスカイト結晶構造を有する常誘電物質を含んでもよい。
【0092】
図9は、例示的な実施形態による半導体装置の断面図である。説明の簡潔さのために、
図1、
図6ないし
図8を参照して説明されたものと実質的に同じ内容は省略する。
【0093】
図9を参照すれば、基板210、ゲート電極GE、ゲート絶縁膜GI、層間絶縁膜220、コンタクトCT及びキャパシタCEを含む半導体装置200が提供されうる。基板210は、半導体基板を含むものでもある。例えば、基板210は、シリコン基板、ゲルマニウム基板またはシリコン・ゲルマニウム基板を含んでもよい。
【0094】
基板210の上部に、第1ソース/ドレイン領域SD1及び第2ソース/ドレイン領域SD2が提供されうる。第1及び第2ソース/ドレイン領域SD1、SD2は、基板210の上面に平行な方向に沿って互いに離隔されうる。第1及び第2ソース/ドレイン領域SD1、SD2は、基板210に不純物が注入されて形成されうる。
【0095】
ゲート電極GEは、基板210上に提供されうる。ゲート電極GEは、第1及び第2ソース/ドレイン領域SD1、SD2間に提供されうる。ゲート電極GEは、伝導性物質を含むものでもある。例えば、ゲート電極GEは、金属またはポリシリコンを含んでもよい。
【0096】
ゲート絶縁膜GIは、ゲート電極GEと基板210との間に提供されうる。ゲート絶縁膜GIは、ゲート電極GEと基板210との間に配置されうる。ゲート絶縁膜GIは、絶縁物質を含むものでもある。例えば、ゲート絶縁膜GIは、Si酸化物(例えば、SiO2)、Al酸化物(例えば、Al2O3)、または高誘電物質(例えば、HfO2)を含んでもよい。
【0097】
層間絶縁膜220は、基板210上に提供されうる。層間絶縁膜220は、ゲート電極GEとゲート絶縁膜GIとを覆うことができる。層間絶縁膜220は、絶縁物質を含むものでもある。例えば、層間絶縁膜220は、Si酸化物(例えば、SiO2)、Al酸化物(例えば、Al2O3)、または高誘電物質(例えば、HfO2)を含んでもよい。
【0098】
層間絶縁膜220上にキャパシタCEが提供されうる。キャパシタCEは、
図1、
図6ないし
図8を参照して説明されるキャパシタ100、100a、100b、100cのうちいずれか1つを含むものでもある。但し、キャパシタCEの形状は、
図1、
図6ないし
図8に示されたものに限定されない。キャパシタCEの形状は、
図1、
図6ないし
図8に示された技術的思想を含む範囲において必要に応じて選択可能である。
【0099】
本発明のキャパシタCEは、ペロブスカイト結晶構造を有するが、高い結晶性を有する電極を含むものでもある。これにより、キャパシタCEの誘電膜は、ペロブスカイト結晶構造を有するが、高い結晶性及び高い誘電率を有することができる。キャパシタCEは、向上したキャパシタンス特性を有することができる。結果として、本発明は、向上したキャパシタンス特性を有するキャパシタCEを含む半導体装置200を提供することができる。
【0100】
図10は、例示的な実施形態によるメモリ要素の断面図である。説明の簡潔さのために、
図1、
図6ないし
図8を参照して説明されたものと実質的に同じ内容は省略する。
【0101】
図10を参照すれば、メモリ要素200aが提供されうる。メモリ要素200aは、抵抗変化メモリ(Resistive Random Access Memory: RRAM)で情報を保存する要素でもある。メモリ要素200aは、基板210、下部電極LE、抵抗変化膜RC及び上部電極UEを含むものでもある。下部電極LE、抵抗変化膜RC及び上部電極UEは、情報を保存するメモリ要素でもある。基板210は、
図8を参照して説明された基板210と実質的に同一である。一実施形態において、基板210に配線、受動素子及び/または能動素子が提供されうる。下部電極LEは、前述の第1電極130と実質的に同一である。上部電極UEは、前述の第2電極150、150aと同一である。また、下部電極LEと抵抗変化膜RCとの間、及び上部電極UEと抵抗変化膜RCとの間のうち少なくとも1つに第2イオン化層がさらに配置されることも可能である。
【0102】
抵抗変化膜RCは、下部電極LE上に提供されうる。抵抗変化膜RCは、抵抗変化物質を含むものでもある。抵抗変化物質は、印加される電圧によってその抵抗が変わる物質を指称する。例えば、抵抗変化膜RCは、ペロブスカイト結晶構造を有する絶縁膜でもある。例えば、抵抗変化膜RCは、PbZrTiO3、PrCaMnO3、またはカルシウムがドーピングされた(Ba,Sr)TiO3を含んでもよい。
【0103】
ペロブスカイト結晶構造を有する抵抗変化膜RCの抵抗変化特性は、抵抗変化膜RCの結晶性によっても変わる。例えば、抵抗変化膜RCの結晶性が低ければ、抵抗変化特性が劣化し、抵抗変化膜RCの結晶性が高ければ、抵抗変化特性が維持される。抵抗変化膜RCの結晶性は、ペロブスカイト結晶構造を有する下部電極LEと上部電極UEの結晶性から影響を受けることができる。従って、抵抗変化膜RCの抵抗変化特性が安定して維持されるために、下部電極LE及び上部電極UEの結晶性が高いことが要求される。
【0104】
本発明の下部電極LEは、第1電極130と同一な構造を有することができる。例えば、下部電極は、ペロブスカイト結晶構造を有する金属性層132、金属性の比抵抗の増加を制御する半導体層134、及び金属性層132と半導体層134とのオーミックコンタクトを形成する第1イオン化層136を含むものでもある。
【0105】
金属性層132は、A2B2O3組成を有することができる。A2B2O3組成のうち、B2サイトにRu、Mo、Ir、Vなど金属物質を含んでもよい。例えば、金属性層132は、BaRuO3、BaMoO3、BaIrO3、BaVO3、SrRuO3、SrMoO3、SrIrO3及びSrVO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0106】
半導体層134は、誘電性物質の母材に金属物質がドーピングされた形態でもある。半導体層134の母材は、ペロブスカイト結晶構造を有することができる。例えば、半導体層134は、BaTiO3、KNbO3、KTaO3、PbTiO3、PbZrO3、SrTiO3、CaTiO3、SrHfO3またはSrZrO3のうち少なくとも1つを含んでもよい。半導体層134にドーピングされたドーパントは、金属物質でもある。例えば、ドーパントは、La、Nb、Y、Fe、Cr、Ta、Co及びScのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0107】
第1イオン化層136は、全体として陽イオン特性を有することができる。例えば、第1イオン化層136は、[A3O]n+で表される陽イオン化層と、[B3O2]で表される中性層とを含んでもよい。A3は3価以上の陽イオンであり、B3は4価陽イオンでもある。または、第1イオン化層136は、[A3O]で表される中性層と、[B3O2]n+で表される陽イオン化層とを含んでもよい。A3は2価陽イオンであり、B3は5価陽イオンでもある。例えば、第1イオン化層136は、LaTiO3、SmTiO3、YTiO3、DyTiO3及びSmTiO3のうち少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。イオン化層は、全体として陽イオン特性を有しつつ、ペロブスカイト構造を有する物質であれば十分である。
【0108】
上部電極UEは、第2電極150と実質的に同一である。例えば、上部電極UEは、ペロブスカイト結晶構造を有する金属性層132、金属性の比抵抗の増加を制御する半導体層134、及び金属性層132と半導体層134とのオーミックコンタクトを形成する第1イオン化層136を含むが、それに限定されない。上部電極UEは、ペロブスカイト結晶構造を有していない金属または金属合金で形成されることも可能である。
【0109】
本発明は、高い結晶性を有する抵抗変化膜RCを含むメモリ要素200aを提供することができる。
【0110】
図11は、実施形態によるキャパシタを採用した電子装置の概略的な回路図である。
【0111】
電子装置1000の回路図は、DRAM(dynamic random access memory)素子の一セルに係わるものであり、1つのトランジスタTR、1つのキャパシタCA、ワードラインWL及びビットラインBLを含む。キャパシタCAは、前述のキャパシタでもある。
【0112】
DRAMにデータを書き込む方法は以下の通りである。ワードラインWLを介してトランジスタTRを「オン」状態にするゲート電圧(ハイ)をゲート電極に印加した後、ビットラインBLに入力しようとするデータ電圧値であるVDD(ハイ)や0(ロー)を印加する。ワードラインとビットラインにハイ電圧が印加されれば、キャパシタCAが充電され、データ「1」が記録され、ワードラインにハイ電圧が印加され、ビットラインにロー電圧が印加されれば、キャパシタCAが放電され、データ「0」が記録される。
【0113】
データを読み取るときは、DRAMのトランジスタTRをオンにするためにワードラインWLにハイ電圧を印加した後、ビットラインBLにVDD/2の電圧を印加する。DRAMのデータが「1」であれば、すなわち、キャパシタCAの電圧がVDDである場合、キャパシタCAにある電荷がビットラインBLに徐々に移動しつつ、ビットラインBLの電圧はVDD/2より若干高くなる。逆にキャパシタCAのデータが「0」の状態であれば、ビットラインBLの電荷がキャパシタCAに移動し、ビットラインBLの電圧はVDD/2より若干低くなる。このように発生するビットラインの電位差をセンス増幅器(sense amplifier)で感知し、値を増幅させ、当該データが「0」であるか「1」であるかを判断することができる。
【0114】
図12は、さらに他の例示的な実施形態による電子装置を示す平面図である。
【0115】
図12を参照すれば、電子装置1001は、複数個のキャパシタと複数個の電界効果トランジスタとが反復的に配列された構造体を含むものでもある。電子装置1001は、電界効果トランジスタ、コンタクト構造物20’及びキャパシタCA3を含むものでもある。電界効果トランジスタは、ソース、ドレイン及びチャネルを含む。電界効果トランジスタは、半導体基板11’及びゲートスタック12を含む。コンタクト構造物20’は、ゲートスタック12と重畳されないように半導体基板11’上に配置される。キャパシタCA3は、コンタクト構造物20’上に配列される。電子装置1001は、複数個の電界効果トランジスタを電気的に連結するビットライン構造物13をさらに含んでもよい。キャパシタCA3、ゲートスタック12及び/またはコンタクト構造物20’それぞれは、
図9に示されたように、キャパシタCE、ゲート構造体及び/またはコンタクトCTと実質的に類似している。
【0116】
図12は、コンタクト構造物20’とキャパシタCA3とがいずれもX方向及びY方向に沿って反復的に配列される形態を例示的に示しているが、それに限定されない。例えば、コンタクト構造物20’は、X方向及びY方向に沿って配列され、キャパシタCA3は、ハニカム(honeycomb)構造のような六角形状に配列されることも可能である。
【0117】
【0118】
図13を参照すれば、半導体基板11’は、素子分離膜14を含むSTI(shallow trench isolation)構造を有することができる。素子分離膜14は、1種の絶縁膜からなる単一層、または2種以上の絶縁膜の組み合わせからなる多重層でもある。素子分離膜14は、半導体基板11’内に素子分離トレンチ14Tを含んでもよく、素子分離トレンチ14Tは、絶縁物質でも満たされる。絶縁物質は、FSG(fluoride silicate glass)、USG(undoped silicate glass)、BPSG(boro-phospho-silicate glass)、PSG(phospho-silicate glass)、FOX(flowable oxide)、PE-TEOS(plasma enhanced tetra-ethyl-ortho-silicate)及びTOSZ(tonen silazene)のうち少なくとも1つを含むが、それらに限定されるものではない。
【0119】
半導体基板11’は、素子分離膜14によって定義されるチャネル領域CHと、半導体基板11’の上面と平行であり、X方向に沿って延びるように配置されるゲートライントレンチ12Tとをさらに含んでもよい。チャネル領域CHは、短軸及び長軸を有する比較的長いアイランド状を有することができる。チャネル領域CHの長軸は、
図15に例示的に示されたように、半導体基板11’の上面に平行なD3方向に沿って配列されうる。
【0120】
ゲートライントレンチ12Tは、半導体基板11’の上面から所定の深さにチャネル領域CHと交差するように、またはチャネル領域CH内に配置されうる。ゲートライントレンチ12Tは、素子分離トレンチ14Tの内部にも配置され、素子分離トレンチ14Tの内部のゲートライントレンチ12Tは、チャネル領域CHのゲートライントレンチ12Tより低い底面を有することができる。第1ソース/ドレイン11’ab及び第2ソース/ドレイン11’’abは、ゲートライントレンチ12Tの両側に位置するチャネル領域CHの上部(upper portion)に配置されうる。
【0121】
ゲートライントレンチ12Tの内部には、ゲートスタック12が配置されうる。具体的には、ゲート絶縁層12a、ゲート電極12b及びゲートキャッピング層12cがゲートライントレンチ12Tの内部に順次に配置されうる。ゲート絶縁層12aとゲート電極12bは、前述の内容を参照し、ゲートキャッピング層12cは、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物及びシリコン窒化物のうち少なくとも1つを含んでもよい。ゲートキャッピング層12cは、ゲートライントレンチ12Tの残余部分を満たすようにゲート電極12b上に配置されうる。
【0122】
第1ソース/ドレイン11’ab上にビットライン構造物13が配置されうる。ビットライン構造物13は、半導体基板11’の上面に平行であり、Y方向に沿って延びるように配置されうる。ビットライン構造物13は、第1ソース/ドレイン11’abと電気的に連結され、ビットラインコンタクト13a、ビットライン13b及びビットラインキャッピング層13cを基板上に順次に含むものでもある。例えば、ビットラインコンタクト13aは、ポリシリコンを含んでもよく、ビットライン13bは、金属物質を含んでもよく、ビットラインキャッピング層13cは、シリコン窒化物またはシリコン酸窒化物などの絶縁物質を含んでもよい。
【0123】
図13は、ビットラインコンタクト13aが半導体基板11’の上面と同じレベルの底面を有する場合を示しているが、それは例示的なものであり、それに限定されない。例えば、他の実施形態において、半導体基板11’の上面から所定の深さに形成されたリセスがさらに具備され、ビットラインコンタクト13aがリセス内部まで延び、ビットラインコンタクト13aの底面が半導体基板11’の上面より低く形成されることも可能である。
【0124】
ビットライン構造物13は、ビットラインコンタクト13aとビットライン13bとの間にビットライン中間層(図示せず)をさらに含むこともできる。ビットライン中間層は、タングステンシリサイドのような金属シリサイド、またはタングステン窒化物のような金属窒化物を含んでもよい。また、ビットラインスペーサ(図示せず)がビットライン構造物13の側壁上にさらに形成されることも可能である。ビットラインスペーサは、単一層構造または多重層構造を有することができ、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物またはシリコン窒化物のような絶縁物質を含んでもよい。また、ビットラインスペーサは、エアスペース(図示せず)をさらに含むこともできる。
【0125】
コンタクト構造物20’は、第2ソース/ドレイン11’’ab上に配置されうる。コンタクト構造物20’とビットライン構造物13は、基板上のそれぞれ異なるソース/ドレイン上に配置されうる。コンタクト構造物20’は、下部コンタクトパターン(図示せず)、金属シリサイド層(図示せず)及び上部コンタクトパターン(図示せず)が第2ソース/ドレイン11’’ab上に順次に積層された構造でもある。コンタクト構造物20’は、上部コンタクトパターンの側面と底面とを取り囲むバリア層(図示せず)をさらに含むこともできる。例えば、下部コンタクトパターンは、ポリシリコンを含み、上部コンタクトパターンは、金属物質を含み、バリア層は、導電性を有する金属窒化物を含んでもよい。
【0126】
キャパシタCA3は、コンタクト構造物20’と電気的に連結され、半導体基板11’上に配置されうる。具体的には、キャパシタCA3は、コンタクト構造物20’と電気的に連結される下部電極130、下部電極130と離隔配置される上部電極150、及び下部電極130と上部電極150との間に配置される誘電体薄膜110を含む。下部電極130は、有底の内部空間を有するシリンダ状またはコップ状を有することができる。上部電極150は、下部電極130が形成する内部空間及び隣接した下部電極130間の領域に延びた櫛目を有するコーム(comb)状を有することができる。誘電体薄膜110は、下部電極130と上部電極150との間に、それら表面と平行に配置されうる。
【0127】
キャパシタCA3をなす下部電極130、誘電体薄膜110及び上部電極150の材質は、前述のキャパシタ100、101と実質的に同一であるので、それに係わる説明は省略する。
【0128】
層間絶縁膜15がキャパシタCA3と半導体基板11’との間にさらに配置されうる。層間絶縁膜15は、他の構造物が配置されないキャパシタCA3と半導体基板11’との空間に配置されうる。具体的には、層間絶縁膜15は、基板上のビットライン構造物13、コンタクト構造物20’、ゲートスタック12などの配線及び/または電極構造をカバーするように配置されうる。例えば、層間絶縁膜15は、コンタクト構造物20’の壁を取り囲むことができる。層間絶縁膜15は、ビットラインコンタクト13aを取り囲む第1層間絶縁膜15aと、ビットライン13b及びビットラインキャッピング層13cの側面及び/または上面をカバーする第2層間絶縁膜15bとを含むものでもある。
【0129】
複数個のキャパシタCA3が配置される場合、複数個の下部電極130は、エッチング停止層16によって底面が分離されることも可能である。すなわち、エッチング停止層16は、開口部16Tを含み、当該開口部16T内にキャパシタCA3の下部電極130の底面が配置されうる。下部電極130は、図示されたように、有底の内部空間を有するシリンダ状またはコップ状を有することができる。キャパシタCA3は、下部電極130の傾きまたは倒れを防止する支持部(図示せず)をさらに含んでもよく、支持部は、下部電極130の側壁上に配置されることも可能である。
【0130】
図14は、さらに他の例示的な実施形態による電子装置を示す断面図である。
【0131】
本実施形態の電子装置1002は、
図12のA-A’断面図に対応する断面図で示され、キャパシタCA4の形状のみで
図13と差がある。キャパシタCA4は、コンタクト構造物20’と電気的に連結され、半導体基板11’上に配置され、コンタクト構造物20’と電気的に連結される下部電極204、下部電極204と離隔配置される上部電極150、及び下部電極204と上部電極150との間に配置される誘電体薄膜304を含む。下部電極204、誘電体薄膜304及び上部電極150の材質は、前述のキャパシタと実質的に同一である。
【0132】
下部電極204は、垂直方向(Z方向)に沿って延びる円柱、四角柱または多角柱のようなピラー状を有することができる。上部電極150は、隣接した下部電極204間の領域に延びた櫛目を有するコーム状を有することができる。誘電体薄膜304は、下部電極204と上部電極150との間に、それら表面と平行に配置されうる。
【0133】
前述の実施形態によるキャパシタ及び電子装置は、多様な応用分野に適用可能である。例えば、実施形態による電子装置は、論理素子またはメモリ素子としても適用される。実施形態による電子装置は、モバイルデバイス、コンピュータ、ノート型パソコン、センサ、ネットワーク装置、ニューロモルフィック素子(neuromorphic device)のような装置において算術演算、プログラム実行、一時的データ維持などのためにも使用される。また、実施形態による電子素子及び電子装置は、データ伝送量が大きく、データ伝送が連続して行われる装置に有用である。
【0134】
図15及び
図16は、例示的な実施形態による装置に適用可能な素子アーキテクチャ(architecture)を概略的に示す概念図である。
【0135】
図15を参照すれば、電子素子アーキテクチャ1100は、メモリユニット(memory unit)1010、ALU(arithmetic logic unit)1020及び制御ユニット(control unit)1030を含むものでもある。メモリユニット1010、ALU 1020及び制御ユニット1030は、電気的に連結されうる。例えば、電子素子アーキテクチャ1100は、メモリユニット1010、ALU 1020及び制御ユニット1030を含む1つのチップにも具現される。
【0136】
メモリユニット1010、ALU 1020及び制御ユニット1030は、オン・チップ(on-chip)でメタルライン(metal line)で相互連結され、直接通信することができる。メモリユニット1010、ALU 1020及び制御ユニット1030は、1つの基板上にモノリシック(monolithic)集積され、1つのチップを構成することもできる。電子素子アーキテクチャ(チップ)1100には、入出力素子2000が連結されうる。また、メモリユニット1010は、メインメモリ及びキャッシュメモリの両方を含むものでもある。当該電子素子アーキテクチャ(チップ)1100は、オン・チップメモリプロセッシングユニットでもある。メモリユニット1010は、前述のキャパシタ、それを活用する電子装置を含むものでもある。ALU 1020または制御ユニット1030も、それぞれ前述のキャパシタを含むものでもある。
【0137】
図16を参照すれば、キャッシュメモリ1510、ALU 1520及び制御ユニット1530がCPU(Central Processing Unit)1500を構成することができ、キャッシュメモリ1510は、SRAM(static random access memory)からなる。CPU 1500と別途に、メインメモリ1600及び補助ストレージ1700が具備されることも可能である。メインメモリ1600はDRAMであり、前述のキャパシタを含むものでもある。場合によって、電子素子アーキテクチャは、サブユニット(sub-units)の区分なしに、1つのチップでコンピューティング(computing)単位素子とメモリ単位素子とが相互隣接する形態にも具現される。
【0138】
以上、ペロブスカイト結晶構造を有するキャパシタ及びそれを含む半導体装置について図示して説明したが、本実施形態は、前述の特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることはいうまでもなく、そのような変形実施は、本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0139】
100 キャパシタ
110 誘電体層
130 第1電極
132 金属性層
134 半導体層
136 第1イオン化層
150 第2電極
152 金属性層
154 半導体層
156 第1イオン化層