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特開2023-105824キャパシタ、それを含む半導体装置、及びキャパシタ製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105824
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】キャパシタ、それを含む半導体装置、及びキャパシタ製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20230724BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20230724BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
H10B12/00 611
H10B12/00 621C
H01L27/04 C
H01L27/06 102A
H01L27/088 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006613
(22)【出願日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0008030
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0182169
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】宋 政奎
(72)【発明者】
【氏名】▲チョ▼ 恩愛
(72)【発明者】
【氏名】金 容誠
(72)【発明者】
【氏名】朴 報恩
(72)【発明者】
【氏名】韓 ナレ
【テーマコード(参考)】
5F038
5F048
5F083
【Fターム(参考)】
5F038AC07
5F038AC10
5F038AC15
5F038AC16
5F038AC17
5F038AC18
5F038AV06
5F038DF05
5F048AA01
5F048AB01
5F048AC10
5F048BA01
5F048BA14
5F048BB05
5F048BB09
5F048BB11
5F048BB19
5F048BD06
5F048BF03
5F048BF07
5F048BG13
5F048BG14
5F083AD04
5F083AD24
5F083AD48
5F083AD56
5F083GA06
5F083GA27
5F083JA02
5F083JA03
5F083JA06
5F083JA12
5F083JA35
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA42
5F083JA43
5F083JA53
5F083JA60
5F083LA12
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083NA01
5F083PR33
(57)【要約】
【課題】キャパシタ、それを含む半導体装置、及びキャパシタ製造方法を提供する。
【解決手段】キャパシタは、下部電極、下部電極上に提供される上部電極、下部電極と上部電極との間に提供される誘電膜、及び上部電極と誘電膜との間に提供される漏れ電流低減膜を含むが、漏れ電流低減膜は、ドーピングされたAlZrO膜を含み、ドーピングされたAlZrO膜に含有されたドーパントのイオン半径は、130pm以上である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部電極と、
前記下部電極上に提供される上部電極と、
前記下部電極と前記上部電極との間に提供される誘電膜と、
前記上部電極と前記誘電膜との間に提供される漏れ電流低減膜と、を含み、
前記漏れ電流低減膜は、ドーピングされたAlZrO膜を含み、
前記ドーピングされたAlZrO膜に含有されたドーパントのイオン半径は、130pm以上である、キャパシタ。
【請求項2】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、75at%以上のジルコニウム(Zr)を含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項3】
前記ドーパントは、K、Rb、Cs、Sr、Ba、Nd、Sm、Eu、Fr及びRaのうちから選択されるいずれか一つである、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項4】
前記下部電極と前記誘電膜との間に提供される下部界面膜をさらに含み、
前記下部界面膜は、MM’ON、M’OまたはM’ONで表される物質を含み、
前記Mは、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含み、
前記M’は、H、Li、Be、B、N、O、Na、Mg、Al、Si、P、S、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項5】
前記漏れ電流低減膜と前記上部電極との間に提供される上部界面膜をさらに含み、
前記上部界面膜は、M’OまたはM’ONで表される物質を含む、請求項4に記載のキャパシタ。
【請求項6】
前記誘電膜及び前記漏れ電流低減膜の総厚は、20オングストローム(Å)ないし80オングストローム(Å)nmである、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項7】
前記誘電膜の厚みは、前記漏れ電流低減膜の厚みの3/2倍である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項8】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、前記ドーパントとアルミニウム(Al)とを、トータルで25at%以下含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項9】
前記誘電膜は、HfO、ZrO、CeO、La、Ta及びTiOのうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項10】
前記下部電極と前記上部電極は、それぞれTiN、MoN、CoN、TaN、W、Ru、RuO、SrRuO、Ir、IrO、Pt、PtO、SRO(SrRuO)、BSRO((Ba,Sr)RuO)、CRO(CaRuO)、LSCO((La,Sr)CoO)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項11】
下部電極を形成することと、
前記下部電極上に誘電膜を形成することと、
前記誘電膜上に漏れ電流低減膜を形成することと、
前記漏れ電流低減膜上に上部電極を形成することと、を含み、
前記漏れ電流低減膜は、ドーピングされたAlZrO膜を含み、
前記ドーピングされたAlZrO膜に含有されたドーパントのイオン半径は、130pm以上である、キャパシタ製造方法。
【請求項12】
前記漏れ電流低減膜を形成することは、
前記誘電膜上に、下部Al膜、ドーパント膜、ZrO膜及び上部Al膜を形成することと、
前記誘電膜、前記下部Al膜、前記ドーパント膜、前記ZrO膜及び前記上部Al膜を熱処理することと、を含み、
前記ドーパント膜は、前記ドーパントを含む酸化膜である、請求項11に記載のキャパシタ製造方法。
【請求項13】
前記下部Al膜の厚みは、1Åないし3Åであり、
前記ドーパント膜の厚みは、1Åないし2Åであり、
前記ZrO膜の厚みは、20Åないし100Åであり、
前記下部Al膜の厚みは、1Åないし3Åである、請求項12に記載のキャパシタ製造方法。
【請求項14】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、75at%以上のジルコニウム(Zr)を含む、請求項11に記載のキャパシタ製造方法。
【請求項15】
前記ドーパントは、K、Rb、Cs、Sr、Ba、Nd、Sm、Eu、Fr及びRaのうちから選択されるいずれか一つである、請求項11に記載のキャパシタ製造方法。
【請求項16】
前記下部電極と前記誘電膜との間に、下部界面膜を形成することをさらに含み、
前記下部界面膜は、MM’ON、M’OまたはM’ONで表される物質を含み、
前記Mは、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含み、
前記M’は、H、Li、Be、B、N、O、Na、Mg、Al、Si、P、S、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含む、請求項11に記載のキャパシタ製造方法。
【請求項17】
前記漏れ電流低減膜と前記上部電極との間に提供される上部界面膜を形成することをさらに含み、
前記上部界面膜は、M’OまたはM’ONで表される物質を含む、請求項16に記載のキャパシタ製造方法。
【請求項18】
基板と、
前記基板上に提供されるゲート構造体と、
前記基板の上部に提供される第1ソース/ドレイン領域及び第2ソース/ドレイン領域と、
前記基板上に提供されるキャパシタと、を含み、
前記キャパシタは、前記第1ソース/ドレイン領域に電気的に連結される下部電極、前記下部電極上に提供される上部電極、前記下部電極と前記上部電極との間に提供される誘電膜、及び前記上部電極と前記誘電膜との間に提供される漏れ電流低減膜を含み、
前記漏れ電流低減膜は、ドーピングされたAlZrO膜を含み、
前記ドーピングされたAlZrO膜に含有されたドーパントのイオン半径は、130pm以上である、半導体装置。
【請求項19】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、75at%以上のジルコニウム(Zr)を含む、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記ドーパントは、K、Rb、Cs、Sr、Ba、Nd、Sm、Eu、Fr及びRaのうちから選択されるいずれか一つである、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項21】
前記下部電極と前記誘電膜との間に提供される下部界面膜をさらに含み、
前記下部界面膜は、MM’ON、M’OまたはM’ONで表される物質を含み、
前記Mは、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含み、
前記M’は、H、Li、Be、B、N、O、Na、Mg、Al、Si、P、S、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含む、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項22】
前記漏れ電流低減膜と前記上部電極との間に提供される上部界面膜をさらに含み、
前記上部界面膜は、M’OまたはM’ONで表される物質を含む、請求項21に記載の半導体装置。
【請求項23】
前記誘電膜及び前記漏れ電流低減膜の総厚は、20オングストローム(Å)ないし80オングストローム(Å)である、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項24】
前記誘電膜の厚みは、前記漏れ電流低減膜の厚みの3/2倍である、請求項18に記載の半導体装置。
【請求項25】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、前記ドーパントとアルミニウム(Al)とを、トータルで25at%以下含む、請求項18に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ、半導体装置、及びキャパシタ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路素子のダウン・スケーリング(down-scaling)により、キャパシタが占める空間も縮小されている。該キャパシタは、上部電極及び下部電極、並びにそれら電極間に介在された誘電体膜によってなり、大きいキャパシタンスを示すために、高誘電率の誘電体物質が使用される。該キャパシタ内に漏れ電流が流れうる。該キャパシタ内に流れる漏れ電流を低減させながら、キャパシタンスの低減は最小化させる技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、優秀な漏れ電流遮断特性、及び大きいキャパシタンスを有するキャパシタを提供するところにある。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、優秀な漏れ電流遮断特性、及び大きいキャパシタンスを有するキャパシタを含む半導体装置を提供するところにある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、優秀な漏れ電流遮断特性、及び大きいキャパシタンスを有するキャパシタの製造方法を提供するところにある。
【0006】
ただし、本発明が解決しようとする課題は、前記開示に限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、下部電極と、前記下部電極上に提供される上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に提供される誘電膜と、前記上部電極と前記誘電膜との間に提供される漏れ電流低減膜とを含み、前記漏れ電流低減膜は、ドーピングされたAlZrO膜を含み、前記ドーピングされたAlZrO膜に含有されたドーパントのイオン半径は、130pm以上のキャパシタが提供されうる。
【0008】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、75at%以上のジルコニウム(Zr)を含むものでもある。
【0009】
前記ドーパントは、K、Rb、Cs、Sr、Ba、Nd、Sm、Eu、Fr及びRaのうちから選択されるいずれか一つでもある。
【0010】
前記下部電極と前記誘電膜との間に提供される下部界面膜をさらに含み、前記下部界面膜は、MM’ON、M’OまたはM’ONで表される物質を含み、
前記Mは、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含み、
前記M’は、H、Li、Be、B、N、O、Na、Mg、Al、Si、P、S、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含むものでもある。
【0011】
前記漏れ電流低減膜と前記上部電極との間に提供される上部界面膜をさらに含み、前記上部界面膜は、M’OまたはM’ONで表される物質を含むものでもある。
【0012】
前記誘電膜及び前記漏れ電流低減膜の総厚は、20オングストローム(Å)ないし80オングストローム(Å)でもある。
【0013】
前記誘電膜の厚みは、前記漏れ電流低減膜の厚みの3/2倍でもある。
【0014】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、前記ドーパントとアルミニウム(Al)とを、トータルで25at%以下含むものでもある。
【0015】
前記誘電膜は、HfO、ZrO、CeO、La、Ta及びTiOのうち少なくとも一つを含むものでもある。
【0016】
前記下部電極と前記上部電極は、それぞれTiN、MoN、CoN、TaN、W、Ru、RuO、SrRuO、Ir、IrO、Pt、PtO、SRO(SrRuO)、BSRO((Ba,Sr)RuO)、CRO(CaRuO)、LSCO((La,Sr)CoO)、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。
【0017】
一態様において、下部電極を形成することと、前記下部電極上に誘電膜を形成することと、前記誘電膜上に漏れ電流低減膜を形成することと、前記漏れ電流低減膜上に上部電極を形成することと、を含み、前記漏れ電流低減膜は、ドーピングされたAlZrO膜を含み、前記ドーピングされたAlZrO膜に含有されたドーパントのイオン半径は、130pm以上であるキャパシタ製造方法が提供されうる。
【0018】
前記漏れ電流低減膜を形成することは、前記誘電膜上に、下部Al膜、ドーパント膜、ZrO膜及び上部Al膜を形成することと、前記誘電膜、前記下部Al膜、前記ドーパント膜、前記ZrO膜及び前記上部Al膜を熱処理することと、を含み、前記ドーパント膜は、前記ドーパントを含む酸化膜でもある。
【0019】
前記下部Al膜の厚みは、1Åないし3Åであり、前記ドーパント膜の厚みは、1Åないし2Åであり、前記ZrO膜の厚みは、20Åないし100Åであり、前記下部Al膜の厚みは、1Åないし3Åでもある。
【0020】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、75at%以上のジルコニウム(Zr)を含むものでもある。
【0021】
前記ドーパントは、K、Rb、Cs、Sr、Ba、Nd、Sm、Eu、Fr及びRaのうちから選択されるいずれか一つでもある。
【0022】
前記下部電極と前記誘電膜との間に、下部界面膜を形成することをさらに含み、前記下部界面膜は、
MM’ON、M’OまたはM’ONで表される物質を含み、
前記Mは、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含み、
前記M’は、H、Li、Be、B、N、O、Na、Mg、Al、Si、P、S、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含むものでもある。
【0023】
前記漏れ電流低減膜と前記上部電極との間に提供される上部界面膜を形成することをさらに含み、前記上部界面膜は、M’OまたはM’ONで表される物質を含むものでもある。
【0024】
一態様において、基板と、前記基板上に提供されるゲート構造体と、前記基板の上部に提供される第1ソース/ドレイン領域及び第2ソース/ドレイン領域と、前記基板上に提供されるキャパシタと、を含み、前記キャパシタは、前記第1ソース/ドレイン領域に電気的に連結される下部電極、前記下部電極上に提供される上部電極、前記下部電極と前記上部電極との間に提供される誘電膜、及び前記上部電極と前記誘電膜との間に提供される漏れ電流低減膜を含み、前記漏れ電流低減膜は、ドーピングされたAlZrO膜を含み、前記ドーピングされたAlZrO膜に含有されたドーパントのイオン半径は、130pm以上である半導体装置が提供されうる。
【0025】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、75at%以上のジルコニウム(Zr)を含むものでもある。
【0026】
前記ドーパントは、K、Rb、Cs、Sr、Ba、Nd、Sm、Eu、Fr及びRaのうちから選択されるいずれか一つでもある。
【0027】
前記下部電極と前記誘電膜との間に提供される下部界面膜をさらに含み、前記下部界面膜は、MM’ON、M’OまたはM’ONで表される物質を含み、
前記Mは、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含み、
前記M’は、H、Li、Be、B、N、O、Na、Mg、Al、Si、P、S、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含むものでもある。
【0028】
前記漏れ電流低減膜と前記上部電極との間に提供される上部界面膜をさらに含み、前記上部界面膜は、M’OまたはM’ONで表される物質を含むものでもある。
【0029】
前記誘電膜及び前記漏れ電流低減膜の総厚は、20オングストローム(Å)ないし80オングストローム(Å)でもある。
【0030】
前記誘電膜の厚みは、前記漏れ電流低減膜の厚みの3/2倍でもある。
【0031】
前記漏れ電流低減膜は、酸素(O)を除いた金属原子において、前記ドーパントとアルミニウム(Al)とを、トータルで25at%以下含むものでもある。
【発明の効果】
【0032】
本開示は、漏れ電流特性及びキャパシタンス特性が改善されたキャパシタを提供することができる。
【0033】
本開示は、漏れ電流特性及びキャパシタンス特性が改善されたキャパシタの製造方法を提供することができる。
【0034】
本開示は、漏れ電流特性及びキャパシタンス特性が改善されたキャパシタを含む半導体装置を提供することができる。
【0035】
ただし、発明の効果は、前述の開示に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】例示的な実施形態によるキャパシタの断面図である。
図2】バイアス電圧による正規化されたキャパシタンスを示す図である。
図3】バイアス電圧による漏れ電流を示す図である。
図4】正規化されたキャパシタンスによる漏れ電流を示す図である。
図5】漏れ電流低減膜にドーピングされるドーパントのイオン半径による正規化されたキャパシタンス差を示す図である。
図6】例示的な実施形態によるキャパシタの断面図である。
図7図1のキャパシタの製造方法について説明するための断面図である。
図8図1のキャパシタの製造方法について説明するための断面図である。
図9】MM’Nで表される金属窒化物を含む下部電極の製造方法について説明するためのフローチャートである。
図10A図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。
図10B図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。
図10C図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。
図10D図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。
図10E図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。
図10F図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。
図10G図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。
図10H図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。
図11】例示的な実施形態による半導体装置を図示した図である。
図12】他の例示的な実施形態による半導体装置を図示した図である。
図13図12のA-A’線に沿って見た断面図である。
図14】さらに他の例示的な実施形態による半導体装置を図示した図である。
図15】例示的な実施形態による電子装置に適用されうる素子アーキテクチャを概略的に図示した概念図である。
図16】例示的な実施形態による電子装置に適用されうる素子アーキテクチャを概略的に図示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の図面において、同一参照符号は、同一構成要素を称し、図面上において、各構成要素の大きさは、説明の明瞭性と便宜さとのために誇張されてもいる。なお、以下で説明される実施形態は、単に例示的なものに過ぎず、そのような実施形態から、多様な変形が可能である。
【0038】
以下において、「上」と記載されたところは、接触して真上にあるものだけではなく、非接触で上にあることを含むものでもある。
【0039】
単数の表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものでもあるということを意味する。
【0040】
図1は、例示的な実施形態によるキャパシタの断面図である。
【0041】
図1を参照すれば、キャパシタ1が提供されうる。キャパシタ1は、下部電極100、下部界面膜200、誘電膜300、漏れ電流低減膜400及び上部電極500を含むものでもある。下部電極100の材質は、電極としての伝導性を確保し、また、キャパシタ1の製造過程における高温工程後にも、安定したキャパシタンス性能を維持するようにも選択される。一例において、下部電極100は、金属、金属窒化物、金属酸化物、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。例えば、下部電極100は、TiN、MoN、CoN、TaN、W、Ru、RuO、SrRuO、Ir、IrO、Pt、PtO、SRO(SrRuO)、BSRO((Ba,Sr)RuO)、CRO(CaRuO)、LSCO((La,Sr)CoO)、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。
【0042】
例えば、下部電極100は、MM’Nで表される金属窒化物を含むものでもある。ここで、Mは、金属元素であり、M’は、Mと異なる元素であり、Nは、窒素である。下部電極100をなす金属窒化物であるMM’Nは、金属窒化物MNに、元素M’がドーピングされたものとも表される。M’は、Mと異なる元素として、M’は、金属でもあるが、それに限定されるものではなく、金属ではない他の物質でもある。
【0043】
Mは、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含むものでもある。
【0044】
M’は、H、Li、Be、B、N、O、Na、Mg、Al、Si、P、S、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つを含むものでもある。金属窒化物MM’NにおいてM、M’、Nの組成比をa:b:cとするとき、0<a≦2、0<b≦2、0<c≦4を満足することができる。該組成比により、電気伝導度だけではなく、キャパシタ1の電気的特性が異なりうる。この組成は、下部界面膜200の物質組成にも影響を及ぼす因子でもある。下部界面膜200は、バイアス電圧によるキャパシタンス変化の主要原因にもなる。該組成比は、M、M’の具体的な選択によっても異なる。
【0045】
金属窒化物を製造するために、通常使用されるALD(atomic layer deposition)工程において、金属物質のソースとして、金属有機リガンド物質が、前駆体として使用される。このとき、金属物質をターゲット面に塗布した後、有機リガンドが好ましく除去されない場合、炭素不純物が金属窒化膜に含まれることになり、それは、キャパシタの性能低下の原因にもなる。一実施形態によるキャパシタ1は、前述のように、金属窒化物であるMM’Nを、下部電極100の材質として使用し、また、後述する製造方法により、炭素不純物がほとんどない、金属窒化物であるMM’Nが、下部電極100に採用されている。下部電極100の炭素含有量は、1at%以下でもある。
【0046】
下部界面膜200は、下部電極100上に提供されるものでもある。下部界面膜200は、下部電極100が含む金属元素を含む金属酸化物を含むものでもある。下部電極100がMM’Nで表される金属窒化物を含む場合、下部界面膜200は、MM’ONで表される金属窒素酸化物を含むものでもある。または、下部界面膜200は、M’OまたはM’ONで表される物質を含むものでもある。ここで、Mは、下部電極100が含む金属元素であり、M’は、下部電極100が含むものの、Mと異なる元素であり、Nは、窒素であり、Oは、酸素である。M及びM’の例示物質は、前述のところと実質的に同一でもある。下部界面膜200は、例えば、NbOまたはNbONを含むものでもある。下部界面膜200の厚みは、下部電極100の厚みよりも薄い。下部界面膜200の炭素不純物の含有量は、1at%以下でもある。
【0047】
誘電膜300は、下部界面膜200上に提供されるものでもある。誘電膜300は、下部界面膜200に直接接することができる。誘電膜300は、所望するキャパシタンスを具現することができる材質を有しうる。キャパシタ1が具備される集積回路素子の集積度が高くなることにより、キャパシタ1が占める空間は、だんだんと狭くなり、従って、高い誘電率の誘電体が要求されうる。誘電膜300は、高誘電率の物質を含むものでもある。該高誘電率は、シリコン酸化物の誘電率より高い誘電率を意味する。誘電膜300は、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Hf、Zr、Nb、Ta、Ce、Pr、Nd、Gd、Dy、Yb及びLuのうちから選択される少なくとも1つの金属を含む金属酸化物が使用されうる。例えば、誘電膜300は、HfO、ZrO、CeO、La、Ta及びTiOのうち少なくとも一つを含むものでもある。誘電膜300は、図示されているように、単層の構造を有しうるが、それに限定されるものではなく、多層膜構造を有することもできる。例えば、誘電膜300は、ZrO/HfO/ZrO/HfOの多層膜構造を有するか、あるいは(HfO+ZrO)/AlO/ZrO/AlOの多層膜構造を有しうる。
【0048】
誘電膜300上に、漏れ電流低減膜400が提供されうる。漏れ電流低減膜400は、上部電極500と下部電極100との間に漏れ電流が流れることを遮断させたり、低減させたりすることができる。漏れ電流低減膜400は、ドーピングされたAlZrO膜でもある。例えば、ドーピングされたAlZrO膜は、(LAlZr(0.5n+1.5x+2y)、(LAlZr(m+1.5x+2y)または(L(LAlZr(0.5n+m+1.5x+2y)を含み、ここで、Lは、K、Rb、Cs及びFrのいずれかを含み、Lは、Sr、Ba及びRaのいずれかである。そして、0<(n+x)≦0.25、0<(m+x)≦0.25、0<(n+m+x)≦0.25、及び0.75≦y<1でもある。すなわち、漏れ電流低減膜400から酸素(O)を除いた金属原子内に、75at%以上のジルコニウム(Zr)が含有されうる。
【0049】
ドーパントは、漏れ電流低減膜400が高い結晶化度を有するように、漏れ電流低減膜400の結晶性指数を過度に高くしない物質としても選択される。該ドーパントは、イオン半径(ionic radius)が130pm以上である元素を含むものでもある。例えば、該ドーパントは、K(イオン半径:152pm)、Rb(イオン半径:166pm)、Cs(イオン半径:181pm)、Sr(イオン半径:132pm)、Ba(イオン半径:149pm)、Nd(イオン半径:143pm)、Sm(イオン半径:136pm)、Eu(イオン半径:131pm)、Fr(イオン半径:194pm)及びRa(イオン半径:162pm)のうちから選択されるいずれか一つでもある。該ドーパントのイオン半径によるキャパシタンス差は、後述される。一例において、該ドーパントは、ストロンチウム(Sr)であり、ドーピングされたAlZrO膜は、SrAlZrm+1.5x+2y膜でもある。m、x、yの範囲は、0<m+x≦0.25、0.75≦y<1.00でもある。すなわち、漏れ電流低減膜400内において、酸素(O)を除いた金属原子内のアルミニウム(Al)とストロンチウム(Sr)との総含有量は、25at%以下でもある。漏れ電流低減膜400内において、酸素(O)を除いた金属原子内のアルミニウム(Al)とストロンチウム(Sr)との総含有量が25at%超過である場合、誘電膜300が結晶化され難くなる。それにより、キャパシタ1は、漏れ電流低減膜400がないときに有しうるキャパシタンスより小さいキャパシタンスを有しうる。ドーピングされたAlZrO膜は、ドーピングされていないAlZrO膜と類似した漏れ電流低減特性を有するが、キャパシタ1のキャパシタンス特性を改善させることができる。ドーピングされたAlZrO膜によるキャパシタンス特性改善は、後述される。
【0050】
誘電膜300と漏れ電流低減膜400との総厚は、誘電膜300と漏れ電流低減膜400との結晶化が容易であり、キャパシタ1が要求されるキャパシタンスを有するようにも決定される。例えば、誘電膜300と漏れ電流低減膜400との総厚は、20オングストローム(Å)ないし80オングストローム(Å)でもある。誘電膜300と漏れ電流低減膜400との総厚が20オングストローム(Å)より薄い場合、誘電膜300と漏れ電流低減膜400とが結晶化され難くもなる。誘電膜300と漏れ電流低減膜400との総厚が80オングストローム(Å)より厚い場合、キャパシタ1が有しうるキャパシタンスが低減されうる。誘電膜300の厚みは、漏れ電流低減膜400の厚みの3/2倍でもある。
【0051】
上部電極500は、漏れ電流低減膜400上に提供されるものでもある。上部電極500は、金属、金属窒化物、金属酸化物、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。例えば、上部電極500は、TiN、MoN、CoN、TaN、TiAlN、TaAlN、W、Ru、RuO、SrRuO、Ir、IrO、Pt、PtO、SRO(SrRuO)、BSRO((Ba,Sr)RuO)、CRO(CaRuO)、LSCO((La,Sr)CoO)、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。
【0052】
以下において、ドーピングされたAlZrO膜によるキャパシタンス特性改善について説明される。
【0053】
図2は、バイアス電圧による正規化されたキャパシタンスを示す。図3は、バイアス電圧による漏れ電流を示す。図4は、正規化されたキャパシタンスによる漏れ電流を示す。
【0054】
図2を参照すれば、漏れ電流低減膜400内のストロンチウム(Sr)とアルミニウム(Al)との含有量別バイアス電圧による正規化されたキャパシタンスグラフ(1-1),(2-1),(3-1),(4-1)が提供される。図3を参照すれば、漏れ電流低減膜400内のストロンチウム(Sr)とアルミニウム(Al)との含有量別バイアス電圧による漏れ電流グラフ(1-2),(2-2),(3-2),(4-2)が提供される。図4を参照すれば、漏れ電流低減膜400内のストロンチウム(Sr)とアルミニウム(Al)との含有量別正規化されたキャパシタンスによる漏れ電流を示す点1,2,3,4が提供される。バイアス電圧は、上部電極500に印加される電圧と、下部電極100に印加される電圧との差でもある。該バイアス電圧が正である場合、上部電極500に印加される電圧が、下部電極100に印加される電圧より高く、バイアス電圧が負である場合、下部電極100に印加される電圧が、上部電極500に印加される電圧より高い。図4の漏れ電流は、1ボルト(V)のバイアス電圧で測定されたものである。
【0055】
グラフ(1-1)、グラフ(1-2)及び点1は、漏れ電流低減膜400が、ドーピングされていないAlZrO膜であり、ドーピングされていないAlZrO膜が20at%のAlを含む場合を示す。グラフ(2-1)、グラフ(2-2)及び点2は、漏れ電流低減膜400が、ストロンチウム(Sr)でもってドーピングされたAlZrO膜であり、5at%のストロンチウム(Sr)と、15at%のアルミニウム(Al)とを含む場合を示す。グラフ(3-1)、グラフ(3-2)及び点3は、漏れ電流低減膜400が、ストロンチウム(Sr)でもってドーピングされたAlZrO膜であり、10at%のストロンチウム(Sr)と、15at%のアルミニウム(Al)とを含む場合を示す。グラフ(4-1)、グラフ(4-2)及び点4は、漏れ電流低減膜400が、ストロンチウム(Sr)でもってドーピングされたAlZrO膜であり、15at%のストロンチウム(Sr)と、15at%のアルミニウム(Al)とを含む場合を示す。
【0056】
図2に図示されているように、グラフ(2-1)、グラフ(3-1)及びグラフ(4-1)は、バイアス電圧のほとんどの領域において、グラフ(1-1)より大きかった。バイアス電圧が-0.5ボルト(V)に近いとき、グラフ(2-1)は、グラフ(1-1)より大きいキャパシタンスを有し、グラフ(3-1)は、グラフ(1-1)と類似したキャパシタンスを有し、グラフ(4-1)は、グラフ(1-1)よりはるかに小さいキャパシタンスを有している。図3に図示されているように、グラフ(2-2)、グラフ(3-2)及びグラフ(4-2)は、グラフ(1-2)と類似している。図4に図示されているように、点2、点3及び点4は、点1に比べ、類似した漏れ電流値、及びそれより大きい正規化されたキャパシタンス値を有している。ここで、下部電極は100、10nm厚のTiNを含み、上部電極500は、10nm厚のTiNを含み、誘電膜300は、ZrOを含む。
【0057】
すなわち、漏れ電流低減膜400が、5at%のストロンチウム(Sr)と15at%のアルミニウム(Al)とを含む、ストロンチウム(Sr)でもってドーピングされたAlZrO膜である場合と、漏れ電流低減膜400が、10at%のストロンチウム(Sr)と15at%のアルミニウム(Al)とを含む、ストロンチウム(Sr)でもってドーピングされたAlZrO膜である場合、ドーピングされていないAlZrO膜が漏れ電流低減膜に利用されるときと類似した漏れ電流特性を有するが、ドーピングされていないAlZrO膜より改善されたキャパシタンス特性を有している。漏れ電流低減膜400が、15at%のストロンチウム(Sr)と15at%のアルミニウム(Al)とを含む、ストロンチウム(Sr)でもってドーピングされたAlZrO膜である場合、ドーピングされていないAlZrO膜が漏れ電流低減膜400に利用されるときと類似した漏れ電流特性を有するが、一部バイアス電圧領域(例:-0.5ボルト(V)近辺)において、ドーピングされていないAlZrO膜より小さいキャパシタンス特性を有している。従って、漏れ電流低減膜400内の、AlとZrとの比率は、25at%以下にも決定される。
【0058】
図5は、漏れ電流低減膜にドーピングされるドーパントのイオン半径による正規化されたキャパシタンス差を示す。
【0059】
図5を参照すれば、漏れ電流低減膜400がドーピングされていないAlZrO膜である場合を示すグラフ1、漏れ電流低減膜400が、5at%のストロンチウム(Sr)と15at%のアルミニウム(Al)とを含む、ストロンチウム(Sr)でもってドーピングされたAlZrO膜である場合を示すグラフ2、及び漏れ電流低減膜400が、5at%のランタン(La)と15at%のアルミニウム(Al)とを含む、ランタン(La)でもってドーピングされたAlZrO膜である場合を示すグラフ3が提供される。ランタン(La)のイオン半径は、117pmであり、ストロンチウム(Sr)のイオン半径である132pmより小さい。
【0060】
漏れ電流低減膜400が、5at%のランタン(La)と15at%のアルミニウム(Al)とを含む、ランタン(La)でもってドーピングされたAlZrO膜である場合のキャパシタンス(グラフ3)は、漏れ電流低減膜400が、5at%のストロンチウム(Sr)と15at%のアルミニウム(Al)とを含む、ストロンチウム(Sr)でもってドーピングされたAlZrO膜である場合のキャパシタンス(グラフ2)より小さく、漏れ電流低減膜400が、ドーピングされていないAlZrO膜である場合のキャパシタンス(グラフ1)に類似している。
【0061】
ストロンチウム(Sr)より小さいイオン半径を有するドーパントが、漏れ電流低減膜400にドーピングされる場合、漏れ電流低減膜400は、大きい結晶性指数、及び低い結晶化度を有しうる。それにより、誘電膜300が、低い結晶化度を有することになり、キャパシタ1は、小さいキャパシタンスを有しうる。
【0062】
本開示と異なり、上部電極500と誘電膜300との間に、ドーピングされていないAlZrO膜が提供される場合、漏れ電流が低減されはするが、ドーピングされていないAlZrO膜の低い結晶化度により、誘電膜300も、低い結晶化度を有しうる。それにより、キャパシタ1は、ドーピングされていないAlZrO膜がないときに有しうるキャパシタンスより小さいキャパシタンスを有しうる。
【0063】
本開示の漏れ電流低減膜400は、ドーピングされたAlZrO膜と類似した漏れ電流遮断特性を有しながら、高い結晶化度を有するので、キャパシタンスの低減を最小化させることができる。すなわち、本開示は、ドーピングされていないAlZrO膜が使用されるときより、キャパシタンス特性を改善させることができる。
【0064】
本開示の漏れ電流低減膜400が、誘電膜300と下部界面膜200との間に提供される場合、漏れ電流低減膜400内のドーパント(例:ストロンチウム(Sr))が、下部界面膜200(例:TiO)をpドーピングさせることができる。下部電極100に印加される電圧が、上部電極500に印加される電圧より高い場合、pドーピングされた下部界面膜200内の空乏領域(depletion region)が広くなり、誘電膜300の結晶化度が低くなりうる。それにより、キャパシタ1のキャパシタンスが低減されうる。
【0065】
本開示の漏れ電流低減膜400は、誘電膜300と上部電極500との間に提供されるので、下部界面膜200がpドーピングされていないのである。従って、誘電膜300の結晶化度、及びキャパシタ1のキャパシタンスが低減されないのである。
【0066】
図6は、図1に図示されたキャパシタに、上部界面膜をさらに具備した例を図示したものである。図6において、図1と同一参照番号を使用した構成要素は、実質的に同一構成及び機能を有するので、ここにおいては、詳細な説明を省略する。
【0067】
キャパシタ1Aは、漏れ電流低減膜400と上部電極500との間に具備された上部界面膜450をさらに含むものでもある。
【0068】
上部界面膜450は、金属酸化物または金属窒素酸化物を含むものでもある。上部界面膜450は、M’OまたはM’ONで表される物質を含むものでもある。M’は、H、Li、Be、B、N、O、Na、Mg、Al、Si、P、S、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、Uのうちいずれか一つでもある。
【0069】
例えば、下部電極100がTiNを含み、下部界面膜200が、NbOまたはNbONを含み、誘電膜300が、ZrO/HfO/ZrO/HfOの多層膜、または(HfO+ZrO)/AlO/ZrO/AlOの多層膜を含み、上部界面膜450が、TiONまたはNbOを含み、上部電極500がTiNを含むものでもある。
【0070】
図7は、図1のキャパシタの製造方法について説明するための断面図である。図8は、図1のキャパシタの製造方法について説明するための断面図である。
【0071】
図7を参照すれば、基板SU上に、下部電極100、下部界面膜200及び誘電膜300が順に形成されうる。基板SUは、半導体物質パターン、絶縁物質パターン及び伝導性物質パターンを含むものでもある。例えば、基板SUは、追って説明する図11の基板1100、ゲート構造体1300、層間絶縁膜1400及びコンタクト1500を含むものでもある。
【0072】
下部電極100は、基板SU上に、蒸着工程によっても形成される。例えば、下部電極100を形成する工程は、化学気相蒸着(CVD:chemical vapor deposition)工程、物理気相蒸着(PVD:physical vapor deposition)工程または原子層蒸着(ALD:atomic layer deposition)工程を含むものでもある。下部電極100は、金属、金属窒化物、金属酸化物、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。例えば、下部電極100は、TiN、MoN、CoN、TaN、W、Ru、RuO、Ir、IrO、Pt、PtO、SRO(SrRuO)、BSRO((Ba,Sr)RuO)、CRO(CaRuO)、LSCO((La,Sr)CoO)、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。下部電極100がMM’Nで表される金属窒化物を含む場合の下部電極100の製造方法は、詳細に後述される。
【0073】
下部界面膜200は、下部電極100上に形成される自然酸化膜でもある。下部界面膜200は、下部電極100が含む金属元素を含む金属酸化物を含むものでもある。下部電極100がMM’Nで表される金属窒化物を含む場合、下部界面膜200は、MM’ONで表される金属窒素酸化物を含むものでもある。または、下部界面膜200は、M’OまたはM’ONで表される物質を含むものでもある。ここで、Mは、下部電極100が含む金属元素であり、M’は、下部電極100が含むものの、Mと異なる元素であり、Nは、窒素であり、Oは、酸素である。M及びM’の例示物質は、前述のところと実質的に同一でもある。下部界面膜200の厚みは、下部電極100の厚みよりも薄い。下部界面膜200の炭素不純物の含有量は、1at%以下でもある。
【0074】
誘電膜300は、下部界面膜200上にも蒸着される。例えば、誘電膜300は、化学気相蒸着(CVD)工程、物理気相蒸着(PVD)工程または原子層蒸着(ALD)工程によっても形成される。誘電膜300は、高誘電率の物質を含むものでもある。例えば、誘電膜300は、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Hf、Zr、Nb、Ta、Ce、Pr、Nd、Gd、Dy、Yb及びLuのうちから選択される少なくとも1つの金属を含む金属酸化物が使用されうる。例えば、誘電膜300は、HfO、ZrO、CeO、La、TaまたはTiOを含むものでもある。説明の簡潔さのために、ZrOを含む誘電膜300について説明される。
【0075】
図8を参照すれば、誘電膜300上に、下部Al膜410、ドーパント膜420、ZrO膜430及び上部Al膜440が順に形成されうる。ドーパント膜420は、イオン半径が130pm以上である元素の酸化物を含むものでもある。例えば、ドーパント膜420は、K、Rb、Cs、Sr、Ba、Nd、Sm、Eu、Fr及びRaのうちから選択されるいずれか1つの酸化膜でもある。下部Al膜410、ドーパント膜420、ZrO膜430及び上部Al膜440は、化学気相蒸着(CVD)工程、物理気相蒸着(PVD)工程または原子層蒸着(ALD)工程によっても形成される。下部Al膜410の厚みは、例えば、1Åないし3Åでもある。ドーパント膜420の厚みは、例えば、1Åないし2Åでもある。ZrO膜430の厚みは、例えば、20Åないし100Åでもある。上部Al膜440の厚みは、例えば、1Åないし3Åでもある。
【0076】
下部Al膜410、ドーパント膜420、ZrO膜430及び上部Al膜440の形成工程の間、または形成工程終了後、熱処理工程Hが遂行されうる。熱処理工程Hにより、下部Al膜410、ドーパント膜420、ZrO膜430及び上部Al膜440が混合され、ストロンチウム(Sr)でもってドーピングされたAlZrO膜が形成されうる。すなわち、図1を参照して説明された漏れ電流低減膜400が形成されうる。漏れ電流低減膜400を形成する工程は、前述の開示に限定されるものではない。他の例において、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、酸素(O)及びストロンチウム(Sr)を、インサイチュ(in-situ)状態で、原子層蒸着(Al)工程に蒸着することにより、漏れ電流低減膜400が形成されうる。
【0077】
図1をさらに参照すれば、漏れ電流低減膜400上に、上部電極500が形成されうる。上部電極500は、蒸着工程によっても形成される。例えば、上部電極500は、化学気相蒸着(CVD)工程、物理気相蒸着(PVD)工程または原子層蒸着(ALD)工程によっても形成される。上部電極500は、金属、金属窒化物、金属酸化物、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。例えば、上部電極500は、TiN、MoN、CoN、TaN、W、Ru、RuO、Ir、IrO、Pt、PtO、SRO(SrRuO)、BSRO((Ba,Sr)RuO)、CRO(CaRuO)、LSCO((La,Sr)CoO)、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。
【0078】
以下において、MM’Nで表される金属窒化物を含む下部電極の製造方法について説明される。
【0079】
図9は、MM’Nで表される金属窒化物を含む下部電極の製造方法について説明するためのフローチャートである。図10Aは、図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。図10Bは、図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。図10Cは、図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。図10Dは、図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。図10Eは、図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。図10Fは、図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。図10Gは、図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。図10Hは、図9の下部電極の製造方法について説明するための概念図である。
【0080】
図9図10A及び図10Bを参照すれば、基板SUが準備されうる(S100)。基板SUは、下部電極を形成するターゲット面を有しうる。基板SUは、半導体物質パターン、絶縁物質パターン及び伝導性物質パターンを含むものでもある。例えば、基板SUは、図11の基板1100、ゲート構造体1300、層間絶縁膜1400及びコンタクト1500を含むものでもある。
【0081】
基板SUが反応チャンバ内に配された後、反応チャンバに、金属有機リガンドを含む第1ソースが供給されうる(S110)。該金属有機リガンドは、金属元素M、有機リガンドRによってなるMRで表されうる。xは、0<x≦6でもある。Mは、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa及びUのうちいずれか一つでもある。Rは、C-C10アルキル基、C-C10アルケニル基、カルボニル基(C=O)、ハライド、C-C10アリール基、C-C10シクロアルキル基、C-C10シクロアルケニル基、(C=O)R(Rは、水素またはC-C10アルキル基)、C-C10アルコキシ基、C-C10アミジナート(amidinate)、C-C10アルキルアミド(alkylamides)、C-C10アルキルイミド(alkylimides)、-N(Q)(Q’)(Q及びQ’は、互いに独立して、C-C10アルキル基または水素)、Q(C=O)CN(Qは、水素またはC-C10アルキル基)、及びC-C10β-ジケトネート(β-diketonates)のうち少なくともいずれか一つでもある。
【0082】
第1ソースを供給する工程として、原子層蒸着(ALD)工程を使用することができる。原子層蒸着(ALD)工程は、100℃~500℃の温度においても行われる。工程温度は、金属有機リガンドの熱安定性によっても設定される。低い熱安定性を有する金属有機リガンドは、高温で分解されうるので、低い熱安定性を有する金属有機リガンドに対する原子層蒸着(ALD)工程は、約400℃以下の温度で遂行されうる。
【0083】
反応チャンバに提供される金属有機リガンドにおいて、基板SUに吸着されていない有機リガンドは、パージング(purging)によっても除去される(S120)。該パージングは、反応に参与しない有機リガンド、または反応参与後の副産物である有機リガンドを、反応チャンバ外部に排出させる工程である。該パージングには、Ar、He、Neのような不活性ガス、またはNガスを利用することができる。
【0084】
図10Bに図示されているように、基板SU上に金属有機リガンドが吸着される。
【0085】
図10A及び図10Bの過程は、以下の化学反応式1及び化学反応式2によっても例示される。
【0086】
[化学反応式1]
xMR→xMR4-a+x*aR
【0087】
[化学反応式2]
xMR4-a+x*aR→xMR4-a
【0088】
化学反応式2は、パージングにより、残留リガンド成分が除去されるところを示す。
【0089】
次に、さらなるMRソース供給が必要であるか否かということが、制御装置(図示せず)によって判断され(S130)、必要である場合、S110、S120の段階が反復されうる。
【0090】
図9図10C図10D及び図10Eを参照すれば、ハロゲン化合物を含む第2ソースが、反応チャンバに供給されうる(S140)。該第2ソースを供給する工程として、原子層蒸着(ALD)工程が使用されうる。原子層蒸着(ALD)工程は、100℃~500℃の温度で行われうる。該工程温度は、基板SUに吸着された金属有機リガンドの熱安定性を考慮しても設定される。低い熱安定性を有する金属有機リガンドは、高温で分解されうるので、ハロゲン化合物に対する原子層蒸着(ALD)工程は、約400℃以下の温度で遂行されうる。
【0091】
ハロゲン化合物は、ハロゲン元素Aを含むM’A(yは、0より大きい実数である)で表されうる。Aは、F、Cl、Br、Iのうち少なくとも一つを含むものでもある。yは、0<y≦6の範囲でもある。M’は、H、Li、Be、B、N、O、Na、Mg、Al、Si、P、S、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Ra、Ac、Th、Pa及びUのうちいずれか一つでもある。
【0092】
次に、ハロゲン化合物と反応しない有機リガンドが、パージングによって除去されうる(S150)。該パージングには、Ar、He、Neのような不活性ガス、またはNガスを利用することができる。この段階において、反応に参与しないハロゲン化合物、及び反応副産物が共に除去されうる。
【0093】
ハロゲン化合物を含む第2ソースの供給(S140)段階及びパージング(150)段階は、図10Cないし図10Eに図示され、以下の化学反応式3ないし化学反応式5で表されうる。
【0094】
[化学反応式3]
yM’Cl→yM’Cl4-b+y*bCl
【0095】
[化学反応式4]
xMR4-a+yM’Cl4-b+y*bCl
→xMCl4-a+yM’Cl4-b+x*(4-a)R+((y*b-x*(4-a))/2)Cl
【0096】
[化学反応式5]
xMCl4-a+yM’Cl4-b+x*(4-a)R+((y*b-x*(4-a))/2)Cl
→xMCl4-a+yM’Cl4-b
【0097】
前述の化学反応式3ないし化学反応式5において、ハロゲン元素Aとして、Clが例示され、化学反応式5は、パージングにより、残留リガンド成分及び反応副産物が除去されるところを示す。
【0098】
図10Eに図示されているように、第1ソースによって供給されたMと、第2ソースによって供給されたM’とがハロゲン元素Aと結合した状態において、基板SU上に吸着されている。
【0099】
次に、さらなるM’Aソース供給が必要であるか否かということを判断し(S160)、必要により、S140、S150の段階が反復されうる。
【0100】
図9図10F図10G及び図10Hを参照すれば、反応チャンバに、窒化剤(nitridant)が供給されうる(S170)。該窒化剤を供給する工程として、原子層蒸着(ALD)工程が使用され、100℃~500℃の温度で行われうる。該窒化剤は、窒素元素を含む反応ガスであり、NH、N、NH及びNのうち少なくとも一つを含むものでもある。該窒化剤は、ハロゲン元素Aと結合したM及びハロゲン元素Aと結合したM’と反応し、基板SU上には、金属窒化膜であるMM’Nが形成される。ハロゲン元素を含む反応副産物は、工程温度によってほとんど気化される。
【0101】
窒化剤供給及び窒化剤による反応は、図10Fないし図10Hに図示されており、以下の化学反応式6で表されうる。
【0102】
[化学反応式6]
xMCl4-a+yM’Cl4-b+zNH
→MM’+(z*c)HCl+((x*(4-a)+y*(4-b)-z*c)/2)Cl
【0103】
金属窒化膜101が所望する厚みに形成されているか否かということを確認し、必要により、S110段階~S170段階が反復されうる(S180)。金属窒化膜101は、前述の下部電極100でもある。
【0104】
一例において、チャンバに窒化剤を供給する段階(S170)以後、ハロゲン化合物において、反応副産物として残ったハロゲン元素を除去するための熱処理がさらに遂行されうる。熱処理温度は、約200℃~1,000℃にもなる。
【0105】
そのような段階によって形成された金属窒化膜101は、MM’N以外の不純物含量が非常に低い。MM’N形成に使用されたソースに含まれた有機リガンドが、ほとんどいずれも除去されたために、金属窒化膜101には、炭素不純物がほとんどない。それは、化学式反応式1ないし6の過程で示されている通りである。そのような過程によって形成された金属窒化膜101に含まれた炭素不純物は、約1at%以下でもある。それと異なり、既存の方法によっては、リガンドや反応副産物が残留してしまう。不純物含量が多くなるほど、金属窒化膜は、高い比抵抗を示すことになり、電極としての機能に適するものではない。不純物含量により、金属窒化膜の比抵抗値は、数百倍に至る範囲において変わりうる。一実施形態の方法によって製造され、不純物がほとんどない金属窒化膜MM’Nは、低い比抵抗値を示し、すぐれたな電極材質としても使用される。一例において、金属窒化膜101は、図1図6図7及び図8に図示された下部電極100でもある。
【0106】
本開示による金属窒化物を含む下部電極の製造方法は、金属有機リガンドと窒化剤とを直接反応させる段階を含まず、それにより、さらに良好な品質を有する金属窒化物を含む下部電極が形成されうる。
【0107】
図11は、例示的な実施形態による半導体装置の断面図である。説明の簡潔さのために、図1を参照して説明されたところと実質的に同一内容は、説明されない。
【0108】
図11を参照すれば、基板1100、ゲート構造体1300、層間絶縁膜1400、コンタクト1500及びキャパシタ1を含む半導体装置D1が提供されうる。基板1100は、半導体基板を含むものでもある。例えば、基板1100は、シリコン基板、ゲルマニウム基板またはシリコン・ゲルマニウム基板を含むものでもある。
【0109】
基板1100上部に、第1ソース/ドレイン領域1210及び第2ソース/ドレイン領域1220が提供されうる。第1ソース/ドレイン領域1210及び第2ソース/ドレイン領域1220は、基板1100の上面に平行な第1方向DR1に沿って互いに離隔されてもいる。第1ソース/ドレイン領域1210及び第2ソース/ドレイン領域1220は、基板1100に不純物が注入されても形成される。
【0110】
ゲート構造体1300は、基板1100上に提供されるものでもある。ゲート構造体1300は、第1ソース/ドレイン領域1210と第2ソース/ドレイン領域1220との間に提供されるものでもある。ゲート構造体1300は、ゲート電極1310及びゲート絶縁膜1320を含むものでもある。ゲート電極1310は、伝導性物質を含むものでもある。例えば、ゲート電極1310は、金属またはポリシリコンを含むものでもある。
【0111】
ゲート絶縁膜1320は、ゲート電極1310と基板1100との間にも配される。ゲート絶縁膜1320は、基板1100をゲート電極1310から断線させることができる。ゲート絶縁膜1320は、誘電物質を含むものでもある。例えば、ゲート絶縁膜1320は、Si酸化物(例:SiO)、Al酸化物(例:Al)、または高誘電物質(例:HfO)を含むものでもある。
【0112】
層間絶縁膜1400は、基板1100上に提供され、ゲート構造体1300を覆うことができる。層間絶縁膜1400は、絶縁物質を含むものでもある。例えば、層間絶縁膜1400は、Si酸化物(例:SiO)、Al酸化物(例:Al)、または高誘電物質(例:HfO)を含むものでもある。
【0113】
層間絶縁膜1400上に、キャパシタ1が提供されうる。キャパシタ1は、下部電極100、下部界面膜200、誘電膜300、漏れ電流低減膜400及び上部電極500を含むものでもある。下部電極100、下部界面膜200、誘電膜300、漏れ電流低減膜400及び上部電極500は、それぞれ図1を参照して説明されたところと実質的に同一でもある。一方、図11において、キャパシタ1の代わりに、図6を参照して説明したキャパシタ1Aが適用されることも可能である。
【0114】
コンタクト1500は、下部電極100と第1ソース/ドレイン領域1210との間に提供されるものでもある。コンタクト1500は、層間絶縁膜1400を貫通することができる。コンタクト1500は、下部電極100と第1ソース/ドレイン領域1210とを互いに電気的に連結させることができる。コンタクト1500は、伝導性物質(例:金属)を含むものでもある。
【0115】
ドーピングされたAlZrO膜を含む漏れ電流低減膜400は、ドーピングされていないAlZrO膜と類似した漏れ電流遮断特性を有しながら、キャパシタ1のキャパシタンス低減は、最小化させることができる。それにより、半導体装置D1の安定性及び信頼性が改善されうる。
【0116】
図12は、他の例示的な実施形態による半導体装置D10を図示したものである。半導体装置D10は、複数個のキャパシタ1と、複数個の電界効果トランジスタとが反復的に配列された構造を有している。
【0117】
図12を参照すれば、半導体装置D10は、ソース、ドレイン及びチャネルを含む基板2100とゲートスタック2200とを含む電界効果トランジスタ、ゲートスタック2200と重畳されないように、基板2100上に配されるコンタクト構造物2700、及びコンタクト構造物2700上に配されるキャパシタ1を含み、複数個の電界効果トランジスタを電気的に連結するビットライン構造物2300をさらに含むものでもある。
【0118】
図12は、コンタクト構造物2700とキャパシタ1とが、いずれもX方向及びY方向に沿って反復的に配列される半導体装置D10が例示的に図示されているが、それに限定されるものではない。例えば、コンタクト構造物2700は、X方向及びY方向に沿って配列され、キャパシタ1は、ハニカム構造のような六角形状にも配列される。
【0119】
図13は、図12の半導体装置D10につき、A-A’線に沿って見た断面図である。
【0120】
図13を参照すれば、基板2100は、素子分離膜2400を含むSTI(shallow trench isolation)構造を有しうる。素子分離膜2400は、1種類の絶縁膜によってなる単一層、または2種以上の絶縁膜の組み合わせによってなる多重層でもある。素子分離膜2400は、基板2100内に、素子分離トレンチ2400Tを含むものでもあり、素子分離トレンチ2400Tは、絶縁物質によっても充填される。該絶縁物質は、FSG(fluoride silicate glass)、USG(undoped silicate glass)、BPSG(boro-phospho-silicate glass)、PSG(phospho-silicate glass)、FOX(flowable oxide)、PE-TEOS(plasma enhanced tetra-ethyl-ortho-silicate)及び/またはTOSZ(tonen silazene)を含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。
【0121】
基板2100は、素子分離膜2400によって定義される活性領域ACと、基板2100上面と平行に、X方向に沿って延長されるように配されるゲートライントレンチ2200Tをさらに具備することができる。活性領域ACは、短軸及び長軸を有する比較的長いアイランド形状を有しうる。活性領域ACの長軸は、図12に例示的に図示されているように、基板2100の上面に平行なK方向に沿っても配列される。ゲートライントレンチ2200Tは、基板2100上面から所定の深さに、活性領域ACと交差されるように、あるいは活性領域AC内にも配される。ゲートライントレンチ2200Tは、素子分離トレンチ2400T内部にも配され、素子分離トレンチ2400T内部のゲートライントレンチ2200Tは、活性領域ACのゲートライントレンチ2200Tより低い底面を有しうる。
【0122】
第1ソース/ドレイン2101及び第2ソース/ドレイン2102は、ゲートライントレンチ2200Tの両側に位置する活性領域ACの上部(upper portion)にも配される。
【0123】
ゲートライントレンチ2200Tの内部には、ゲートスタック2200が配されうる。具体的には、ゲート絶縁層2200a、ゲート電極2200b及びゲートキャッピング層2200cが、ゲートライントレンチ2200Tの内部に順次に配されうる。ゲート絶縁層2200aとゲート電極2200bは、前述の内容を参照することができ、ゲートキャッピング層2200cは、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物及び/またはシリコン窒化物を含むものでもある。ゲートキャッピング層2200cは、ゲートライントレンチ2200Tの残余部分を充填するように、ゲート電極2200b上にも配される。
【0124】
第1ソース/ドレイン2101上に、ビットライン構造物2300が配されうる。ビットライン構造物2300は、基板2100の上面に平行に、Y方向に沿って延長されるようにも配される。ビットライン構造物2300は、第1ソース/ドレイン2101と電気的に連結され、基板2100に順次に積層されたビットラインコンタクト2300a、ビットライン2300b及びビットラインキャッピング層2300cを含むものでもある。例えば、ビットラインコンタクト2300aは、ポリシリコンを含むものでもあり、ビットライン2300bは、金属物質を含むものでもあり、ビットラインキャッピング層2300cは、シリコン窒化物またはシリコン酸窒化物のような絶縁物質を含むものでもある。図13には、ビットラインコンタクト2300aが、基板2100上面と同一レベルの底面を有する場合が例示的に図示されているが、ビットラインコンタクト2300aが、基板2100の上面から所定の深みに形成されたリセス(図示せず)内部まで延長され、ビットラインコンタクト2300aの底面が、基板2100の上面より低いものでもある。
【0125】
ビットライン構造物2300は、ビットラインコンタクト2300aとビットライン2300bとの間に、ビットライン中間層(図示せず)をさらに含むものでもある。該ビットライン中間層は、タングステンシリサイドのような金属シリサイド、及び/またはタングステン窒化物のような金属窒化物を含むものでもある。また、ビットラインスペーサ(図示せず)が、ビットライン構造物2300の側壁上にさらに形成されうる。該ビットラインスペーサは、単一層構造または多重層構造を有し、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物またはシリコン窒化物のような絶縁物質を含むものでもある。また、該ビットラインスペーサは、エアスペース(図示せず)をさらに含むものでもある。
【0126】
コンタクト構造物2700は、第2ソース/ドレイン2102上にも配される。コンタクト構造物2700とビットライン構造物2300は、基板2100上のそれぞれ異なるソース/ドレイン上にも配される。コンタクト構造物2700は、下部コンタクトパターン(図示せず)、金属シリサイド層(図示せず)及び上部コンタクトパターン(図示せず)が、第2ソース/ドレイン2102上に順次に積層された構造でもある。また、コンタクト構造物2700は、上部コンタクトパターンの側面と底面とを取り囲むバリア層(図示せず)をさらに含むものでもある。例えば、該下部コンタクトパターンは、ポリシリコンを含み、該上部コンタクトパターンは、金属物質を含み、該バリア層は、導電性を有する金属窒化物を含むものでもある。
【0127】
キャパシタ1は、コンタクト構造物2700と電気的に連結され、基板2100上にも配される。ここで、キャパシタ1は、図1を参照して説明したところと実質的に同一であり、キャパシタ1の代わりに、図6に図示されたキャパシタ1Aが適用されることも可能である。
【0128】
キャパシタ1は、コンタクト構造物2700と電気的に連結される下部電極100、下部電極100と離隔されて設けられる上部電極500、下部電極100と上部電極500との間に設けられる下部界面膜200、誘電膜300、及び漏れ電流低減膜400を含むものでもある。
【0129】
層間絶縁層2500が、キャパシタ1と基板2100との間にもさらに配される。層間絶縁層2500は、他の構造物が配されていないキャパシタ1と、基板2100との間の空間にも配される。具体的には、層間絶縁層2500は、基板2100上のビットライン構造物2300、コンタクト構造物2700、ゲートスタック2200のような配線及び/または電極構造をカバーするようにも配される。例えば、層間絶縁層2500は、コンタクト構造物2700の壁を取り囲むことができる。層間絶縁層2500は、ビットラインコンタクト2300aを取り囲む第1層間絶縁層2500aと、ビットライン2300b及びビットラインキャッピング層2300cの側面及び/または上面をカバーする第2層間絶縁層2500bと、を含むものでもある。
【0130】
キャパシタ1の下部電極100は、層間絶縁層2500上に、具体的には、第2層間絶縁層2500b上にも配される。また、複数個のキャパシタ1が配される場合、複数個の下部電極100は、エッチング停止層2600により、底面が分離されうる。言い換えれば、エッチング停止層2600は、開口部2600Tを含むものでもあり、そのような開口部2600T内に、キャパシタ1の下部電極100の底面が配されうる。
【0131】
下部電極100は、図13に図示されているように、下が閉じられているシリンダ形状またはコップ形状を有しうる。一方、他の例示として、図14に図示されたキャパシタ1’のように、下部電極100は、垂直方向(Z方向)に沿って延長される円柱、四角柱または多角形柱のようなピラー形状を有することもできる。キャパシタ1’は、下部電極100の傾きまたは転倒を防止する支持部(図示せず)をさらに含むものでもあり、該支持部は、下部電極100の側壁上にも配される。
【0132】
前述の半導体装置D10は、当業界に知られた一般的な方法を参照しても製造される。例えば、半導体装置D10は、以下の1)ないし16)の段階を含んでも製造される:
1)基板2100に、素子分離トレンチ2400Tを形成し、素子分離トレンチ2400T内に、素子分離膜2400を形成する段階(素子分離膜2400及び/または素子分離トレンチ2400Tにより、基板2100の活性領域ACを定義する段階);
2)素子分離トレンチ2400T内部を、絶縁物質で充填する段階;
3)基板2100に不純物イオンを注入し、活性領域ACの上部領域に、第1ソース/ドレイン2101及び第2ソース/ドレイン2102を形成する段階;
4)基板2100に、ゲートライントレンチ2200Tを形成する段階;
5)ゲートライントレンチ2200Tの内部に、ゲート絶縁層2200a、ゲート電極2200b及びゲートキャッピング層2200cを形成する段階;
6)基板2100上に、第1層間絶縁層2500aを形成し、第1ソース/ドレイン2101の上面を露出させる開口部(図示せず)を形成する段階;
7)6)の開口部上に、第1ソース/ドレイン2101と電気的に連結されるビットライン構造物2300を形成する段階;
8)ビットライン構造物2300の上面と側面とをカバーする第2層間絶縁層2500bを形成する段階;
9)第1層間絶縁層2500a及び第2層間絶縁層2500bに、第2ソース/ドレイン2102の上面が露出されるように、開口部(図示せず)を形成する段階;
10)9)の開口部上に、第2ソース/ドレイン2102と電気的に連結されるコンタクト構造物2700を形成する段階;
11)第2層間絶縁層2500b上及びコンタクト構造物2700上に、エッチング停止層2600及びモールド層(図示せず)を形成する段階;
12)エッチング停止層2600及びモールド層(図示せず)に、コンタクト構造物2700上面が露出されるように、開口部(図示せず)を形成する段階;
13)12)の開口部の内壁を覆うように(底面及び側面をカバーするように)、下部電極100を形成する段階;
14)モールド層(図示せず)を除去する段階;
15)下部電極100上に、下部界面膜200、誘電膜300、漏れ電流低減膜400を形成する段階;及び
16)漏れ電流低減膜400上に、上部電極500を形成する段階
【0133】
前述の各段階の種類及び/または順序は、制限されるものではなく、適切に調整され、一部省略されたり追加されたりもする。また、各段階において、構成要素を形成するには、当業界に知られた蒸着工程、パターニング工程、エッチング工程などが利用されうる。例えば、電極の形成時、エッチバック工程が適用されうる。5)段階において、ゲート電極2200bは、ゲート絶縁層2200a上に導電層を形成した後、エッチバック工程を介し、導電層上部を所定高さほど除去しても形成される。また、13)段階において、下部電極100は、モールド層の上面、開口部の底面と側面とをいずれも覆うように電極を形成した後、エッチバック工程により、該モールド層上面上の電極の一部を除去し、複数の下部電極100を有する構造を製造することもできる。他の例として、平坦化工程が適用されうる。例えば、5)段階において、ゲートキャッピング層2200cは、ゲートライントレンチ2200Tの残余部分を絶縁物質で充填した後、基板2100の上面が露出されるまで、絶縁物質を平坦化させても形成される。
【0134】
他の態様によれば、前述のキャパシタ1,1A及び半導体装置D1,D10は、多様な電子装置に適用されうる。例えば、前述のキャパシタ1,1A及び/または半導体装置D1,D10は、多様な電子装置において、論理素子またはメモリ素子としても適用される。具体的には、キャパシタ1,1A及び半導体装置D1,D10は、モバイルデバイス、コンピュータ、ノート型パソコン、センサ、ネットワーク装置、ニューロモルフィック素子(neuromorphic device)のような電子装置において、算術演算、プログラム実行、一時的データ維持などのためにも使用される。一実施形態によるキャパシタ1,1A及び半導体装置D1,D10は、データ送信量が多く、データ伝送が連続的になされる電子装置に有用でもある。
【0135】
図15及び図16は、例示的な実施形態による電子装置に適用されうる素子アーキテクチャを概略的に示す概念図である。
【0136】
図15を参照すれば、素子アーキテクチャ3000は、メモリユニット3010、ALU(arithmetic logic unit)3020及び制御ユニット(control unit)3030を含むものでもある。メモリユニット3010、ALU3020及び制御ユニット3030は、電気的に連結されうる。例えば、電子素子アーキテクチャ3000は、メモリユニット3010、ALU3020及び制御ユニット3030を含む1つのチップにも具現される。具体的には、メモリユニット3010、ALU3020及び制御ユニット3030は、オンチップ(on-chip)でもってメタルラインで相互連結され、直接通信することができる。メモリユニット3010、ALU3020及び制御ユニット3030は、1つの基板上に、モノリシック(monolithic)にも集積され、1つのチップを構成することもできる。素子アーキテクチャ3000には、入出力素子3100が連結されうる。また、メモリユニット3010は、メインメモリ及びキャッシュメモリをいずれも含むものでもある。そのような素子アーキテクチャ3000は、オンチップメモリ制御ユニット(on-chip memory processing unit)でもある。メモリユニット3010、ALU3020及び/または制御ユニット3030は、それぞれ独立し、前述のキャパシタを含むものでもある。
【0137】
図16を参照すれば、キャッシュメモリ3510、ALU3520及び制御ユニット3530が、CPU(central processing unit(中央演算装置))3500を構成することができ、キャッシュメモリ3510は、SRAM(static random access memory)によってもなる。CPU3500と別個に、メインメモリ3600及び補助ストレージ3700が具備されうる。メインメモリ3600は、DRAM(dynamic random access memory)でもあり、前述のキャパシタを含むものでもある。場合により、素子アーキテクチャは、サブユニットの区分なしに、1つのチップでもって、コンピューティング単位素子と、メモリ単位素子とが相互隣接する形態にも具現される。メインメモリ3600には、入出力素子3800が連結されうる。
【0138】
本発明の技術的思想の実施形態に係わる以上の説明は、本発明の技術的思想の説明のための例示を提供する。従って、本発明の技術的思想は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において、当該技術分野の当業者により、前述の実施形態を組み合わせて実施されるというように、さまざまな多くの修正及び変更が可能であるということは、明白である。
【符号の説明】
【0139】
1,1A キャパシタ
D1 半導体装置
100 下部電極
200 下部界面膜
300 誘電膜
400 漏れ電流低減膜
450 上部界面膜
500 上部電極
1100 基板
1210 第1ソース/ドレイン領域
1220 第2ソース/ドレイン領域
1300 ゲート構造体
1310 ゲート電極
1320 ゲート絶縁膜
1400 層間絶縁膜
1500 コンタクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図11
図12
図13
図14
図15
図16