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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105879
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】灯具、照明装置および透光カバー
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230725BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230725BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20230725BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230725BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230725BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21S8/04 130
F21V17/00 150
F21Y115:10
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006880
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 豪
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011AA09
3K011BA02
3K011BA06
3K011BA09
3K011EF06
3K011GA02
(57)【要約】
【課題】信頼性を向上させた灯具、照明装置および透光カバーを得る。
【解決手段】透光カバーは、内表面が台座の一面と向き合うように第1方向に沿って延設される透光部と、台座の両側方に第1方向に沿って設けられる一対の取付部と、台座の両側方において透光部における第1方向に直交する第2方向の端部と取付部とを接続する一対の接続部とを備え、透光部における第2方向の端部、取付部および接続部によって囲まれる一対の側方空間が形成されたカバー本体部と、透光部における第1方向の一端面を覆う端壁部と、透光部の内表面と向き合うように端壁部から第1方向の他端面に向かって立設する立設部とを備え、立設部における第2方向の両端部のそれぞれが側方空間に収容された状態でカバー本体部における第1方向の端部に取り付けられる蓋部とを有し、蓋部がカバー本体部に取り付けられた状態で、透光部は立設部の両端部を除く部分と接しない位置に配置される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って延設された台座と、
前記台座の一面の側に配置された光源と、
前記光源を覆うように前記台座に取り付けられる透光カバーと、を有し、
前記透光カバーは、
内表面が前記台座の前記一面と向き合うように前記第1方向に沿って延設される透光部と、前記台座の両側方に前記第1方向に沿って設けられる一対の取付部と、前記台座の両側方において、前記透光部における前記第1方向に直交する第2方向の端部と前記取付部とを接続する一対の接続部とを備え、前記透光部における前記第2方向の端部、前記取付部および前記接続部によって囲まれる一対の側方空間が形成されたカバー本体部と、
前記透光部における前記第1方向の一端面を覆う端壁部と、前記透光部の前記内表面と向き合うように前記端壁部から前記第1方向の他端面に向かって立設する立設部とを備え、前記立設部における前記第2方向の両端部のそれぞれが前記側方空間に収容された状態で前記カバー本体部における前記第1方向の端部に取り付けられる蓋部と、を有し、
前記蓋部が前記カバー本体部に取り付けられた状態において、前記透光部は、前記立設部に対して前記立設部の前記両端部を除く部分と接しない位置に配置される構成である、
灯具。
【請求項2】
前記蓋部が前記カバー本体部に取り付けられた状態において、
前記一対の取付部、および前記透光部における前記第2方向の両端部のうち、一方または両方が、前記立設部における前記第2方向の両端部によって押圧される、
請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記蓋部が前記カバー本体部に取り付けられた状態において、
前記一対の取付部が、前記立設部における前記第2方向の両端部によって押圧されると、前記押圧されない場合と比べて、前記透光部の前記内表面と前記蓋部の前記立設部との距離が長くなる、
請求項1または2に記載の灯具。
【請求項4】
前記蓋部が前記カバー本体部に取り付けられた状態において、
前記透光部における前記第2方向の両端部が、前記立設部における前記第2方向の両端部によって押圧されると、前記押圧されない場合と比べて、前記透光部の前記内表面と前記蓋部の前記立設部との距離が短くなる、
請求項1または2に記載の灯具。
【請求項5】
前記立設部における前記第2方向の両端部のそれぞれは、
前記第2方向において、前記蓋部の中心から離れる方向の面である外側面および前記蓋部の中心に近づく方向の面である内側面のうち、一方または両方の面に突出部を有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の灯具。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の灯具と、
前記灯具が装着される灯具装着部が設けられた器具と、
を有する照明装置。
【請求項7】
第1方向に沿って延設された台座の一面の側に配置された光源を覆うように前記台座に取り付けられる透光カバーであって、
内表面が前記台座の前記一面と向き合うように前記第1方向に沿って延設される透光部と、前記台座の両側方に前記第1方向に沿って設けられる一対の取付部と、前記台座の両側方において、前記透光部における前記第1方向に直交する第2方向の端部と前記取付部とを接続する一対の接続部とを備え、前記透光部、前記取付部および前記接続部によって囲まれる一対の側方空間が形成されたカバー本体部と、
前記透光部における前記第1方向の一端面を覆う端壁部と、前記透光部の前記内表面と向き合うように前記端壁部から前記第1方向の他端面に向かって立設する立設部とを備え、前記立設部における前記第2方向の両端部のそれぞれが前記側方空間に収容された状態で前記カバー本体部における前記第1方向の端部に取り付けられる蓋部と、を有し、
前記蓋部が前記カバー本体部に取り付けられた状態において、前記透光部は、前記立設部に対して前記立設部の前記両端部を除く部分と接しない位置に配置される構成である、
透光カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明空間に設置される灯具、照明装置および透光カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源部の前面側に透光性を有するカバーを備え、カバーの端部を蓋体で閉塞して光源部を密閉した照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された照明器具は、接着剤を使用しなくても、蓋体がカバーの端部に取り付けられる構成である。
【0003】
特許文献1に開示された照明器具は、発光素子を実装した帯状の基板と、この基板の前面側を覆うように基板の短手方向に湾曲した前面部を有する透光性のカバーと、カバーの長手方向の端部を塞ぐ蓋体とを有する。この蓋体は、カバーより剛性が高く、カバーの弾性変形を伴ってカバーの長手方向の端部に挿入される挿入部分を有する。そして、この挿入部分は、カバーの前面部より湾曲した湾曲面を有しており、蓋体の挿入部分をカバーの端部に挿入すると、カバーの端部における前面部が挿入部分の湾曲面に倣ってさらに湾曲するように弾性変形して前面側に膨出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5772661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具においては、剛性の高い蓋体の挿入部分の湾曲面に倣ってさらに湾曲するようにカバーの端部の前面部が短手方向に弾性変形するので、カバーの端部の前面部に応力が持続的に残留する。そのため、照明器具が長期間使用されると、残留する応力によりカバーが変形して損傷してしまうおそれがある。その結果、照明器具の信頼性が低下してしまう。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、信頼性を向上させた灯具、照明装置および透光カバーを得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る灯具は、第1方向に沿って延設された台座と、前記台座の一面の側に配置された光源と、前記光源を覆うように前記台座に取り付けられる透光カバーと、を有し、前記透光カバーは、内表面が前記台座の前記一面と向き合うように前記第1方向に沿って延設される透光部と、前記台座の両側方に前記第1方向に沿って設けられる一対の取付部と、前記台座の両側方において、前記透光部における前記第1方向に直交する第2方向の端部と前記取付部とを接続する一対の接続部とを備え、前記透光部における前記第2方向の端部、前記取付部および前記接続部によって囲まれる一対の側方空間が形成されたカバー本体部と、前記透光部における前記第1方向の一端面を覆う端壁部と、前記透光部の前記内表面と向き合うように前記端壁部から前記第1方向の他端面に向かって立設する立設部とを備え、前記立設部における前記第2方向の両端部のそれぞれが前記側方空間に収容された状態で前記カバー本体部における前記第1方向の端部に取り付けられる蓋部と、を有し、前記蓋部が前記カバー本体部に取り付けられた状態において、前記透光部は、前記立設部に対して前記立設部の前記両端部を除く部分と接しない位置に配置される構成である。
【0008】
本開示に係る照明装置は、上記の灯具と、前記灯具が装着される灯具装着部が設けられた器具と、を有するものである。
【0009】
本開示に係る透光カバーは、第1方向に沿って延設された台座の一面の側に配置された光源を覆うように前記台座に取り付けられる透光カバーであって、内表面が前記台座の前記一面と向き合うように前記第1方向に沿って延設される透光部と、前記台座の両側方に前記第1方向に沿って設けられる一対の取付部と、前記台座の両側方において、前記透光部における前記第1方向に直交する第2方向の端部と前記取付部とを接続する一対の接続部とを備え、前記透光部、前記取付部および前記接続部によって囲まれる一対の側方空間が形成されたカバー本体部と、前記透光部における前記第1方向の一端面を覆う端壁部と、前記透光部の前記内表面と向き合うように前記端壁部から前記第1方向の他端面に向かって立設する立設部とを備え、前記立設部における前記第2方向の両端部のそれぞれが前記側方空間に収容された状態で前記カバー本体部における前記第1方向の端部に取り付けられる蓋部と、を有し、前記蓋部が前記カバー本体部に取り付けられた状態において、前記透光部は、前記立設部に対して前記立設部の前記両端部を除く部分と接しない位置に配置される構成である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、カバー本体部が変形していると、蓋部が透光カバーのカバー本体部に取り付けられた状態において、側方空間に収容される、立設部の両端部のそれぞれが透光部の端部に当接する。そのため、カバー本体部の変形が矯正され、蓋部の立設部と透光部との間に隙間が形成され、透光部が立設部と接しない位置に配置される。その結果、透光カバーが変形によって損傷することが抑制され、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る照明装置の一構成例を示す斜視図である。
図2図1に示した照明装置の分割斜視図である。
図3図1に示した灯具について、器具に対向する面を示す斜視図である。
図4図1に示した灯具の主要構成を示す分解斜視図である。
図5】実施の形態1に係る灯具の端部を示す分解斜視図である。
図6図5に示した蓋部の一構成例を示す斜視図である。
図7図6に示した蓋部を示す5面図である。
図8図4に示した透光カバーの端部を示す側面図である。
図9】実施の形態1に係る灯具の作用を説明する図である。
図10】実施の形態2に係る灯具の端部を示す側面図である。
図11】実施の形態2に係る灯具の作用を説明する図である。
図12】実施の形態3に係る灯具の端部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、光源部の前面側に配置される透光部とこの透光部の端部を閉塞する蓋部とを有し、光源部を覆う透光カバーを備える灯具およびこの灯具を用いた照明装置と、その透光カバーとに関する。
【0013】
以下、本開示に係る灯具、照明装置および透光カバーの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、同一または対応する構成要素に同じ符号を付して説明し、同様な説明の繰り返しを省略する場合がある。ただし、同一の符号において、「a」、「b」または「c」等のように付属する文字が異なる場合については、互いに構成が異なることがある。
【0014】
また、本開示に係る灯具、照明装置および透光カバーは、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。また、図面に示す灯具、照明装置および透光カバーは、本開示が適用される態様の一例を示すものであり、図面に示された灯具、照明装置および透光カバーによって本開示の適用範囲が限定されるものではない。
【0015】
本開示に係る灯具、照明装置および透光カバーの説明に用いる図面においては、各構成部材等の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、向き、方向、または位置が表記されている場合がある。これらの表記は、説明の理解を容易にするために便宜上用いられるものであって、灯具、照明装置および透光カバー、ならびにこれらを構成する部品等の向き、方向、および位置を限定するものではない。また、本開示の構成の説明に用いる複数の図において、説明の便宜上、方向を定義するためにX軸、Y軸およびZ軸を表示している。
【0016】
実施の形態1.
[照明装置1]
本実施の形態1の照明装置1の構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る照明装置1の一構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示した照明装置1の分割斜視図である。
【0017】
照明装置1は、照明空間を照明できる位置に設置され、照明空間を照らすものである。照明空間とは、照明装置1が設置される空間であり、例えば居住空間、倉庫等の空間、ビルもしくは公共施設等の空間、エレベータもしくは廊下等の共有空間、または、電車もしくは船舶等の乗り物内の空間等を意味する。
【0018】
照明装置1は、器具2と、器具2に対して着脱自在に取り付けられる灯具3とを有する。照明装置1は、灯具3を室内に向けた状態で天井または壁面等の造営部9に取り付けられる。造営部9は、器具2が取り付けられる被取付部である。照明装置1は、灯具3を点灯させることによって灯具3から光を照射させ、照明空間を照らす。
【0019】
照明装置1は、いわゆる逆富士タイプと称される照明装置である。図1に示す構成例においては、照明装置1、器具2および灯具3はいずれも長尺状である。以下の説明において、照明装置1の長手方向をX軸方向とし、長手方向に直交し、長手方向に対する短手方向をY軸方向とする。X軸方向を第1方向と称し、Y軸方向を第2方向と称する。照明装置1の長手方向および短手方向のそれぞれに直交する方向をZ軸方向とする。また、照明装置1が取り付けられる天井等の造営部9側を上方向Z1とし、上方向Z1と反対側であり、照明装置1が光を照射する側を下方向Z2とする。下方向Z2は、例えば重力方向である。
【0020】
[器具2]
図1および図2を参照して、器具2の構成を概説する。器具2は、造営部9に直接取り付けられる、いわゆる直付けタイプの照明器具である。器具2は、灯具3に対して、灯具3が取り付けられる被取付部である。器具2は、器具2に取り付けられた灯具3を保持し、灯具3に電力を供給する。
【0021】
器具2は、金属製の板材(板金)を用いて、折り曲げ、ロールフォーミング、または、プレスといった加工を施すことによって、所望の形状に形成することができる。また、器具2は、金属材料を用いた押出成形、または3Dプリンティングのような三次元造形等の製造方法で形成されてもよい。器具2は、器具本体部20と、器具端部24とを有する。
【0022】
(器具本体部20)
器具本体部20は、例えば、ナット等の固定具(図示せず)を用いて造営部9に設けられた吊ボルト等の取付具(図示せず)に取り付けられる。器具本体部20は、天面部21と、天面部21の側方に配置される2つで一組となる器具側部として、内側の側面部22および外側の外面部23とを有する。
【0023】
天面部21は、第1方向に沿って長尺かつ平板状に形成されている。天面部21には、電線挿通孔(図示せず)が形成されている。電線挿通孔は、商用電源等の外部電源と接続された電源線等を、後述する灯具装着部29に引き込むための開口である。
【0024】
側面部22は、天面部21の第2方向における両端に繋がり、外面部23は、側面部22の天面部21と反対側の端部に繋がっている。側面部22は、天面部21の第1方向に沿って、天面部21の側縁部に設けられている。側面部22は、天面部21の側縁部から造営部9と反対側に向かって立ち上がる。
【0025】
外面部23は、照明装置1および器具2の外観となる意匠部分である。外面部23は、第2方向において、後述する灯具装着部29の両側に設けられている。外面部23の端部は、カール形状の端部処理がなされている。外面部23は、灯具3から側方に出射された光を反射させて、さらに側方に広げるように配光する反射部の機能を有してもよい。
【0026】
造営部9に沿って配置される天面部21と、天面部21の側縁部から造営部9と反対側に向かって立ち上がる側面部22とによって、灯具3が装着される灯具装着部29が形成されている。
【0027】
器具本体部20は、器具側連結具28と、端子台26とを有する。器具側連結具28は、連結バネであり、器具本体部20の第1方向に沿って対になるように、天面部21に2つ取り付けられている。器具側連結具28は、灯具3が器具2に取り付けられる際に、連結金具である灯具側連結具71(図3参照)と連結する。器具側連結具28と灯具側連結具71とが連結することによって、灯具3が器具2に取り付けられる。器具側連結具28は、灯具側連結具71と係合して灯具3を支持する。
【0028】
端子台26は、天面部21に設けられている。端子台26は、天面部21に形成された電線挿通孔(図示せず)を介して器具2内に引き込まれた電源線と器具側通電具27とが接続され、外部電源から供給された電力を灯具3に供給する中継装置である。
【0029】
(器具端部24)
2つで一組となる器具端部24は、器具本体部20の第1方向における両端に配置されている。器具端部24は、天面部21および外面部23の両端部と当接している。器具端部24の端面には、ノックアウト25が形成されている。ノックアウト25は、器具端部24の端面にノックアウト加工が施された部分である。ノックアウト25は、例えば、照明装置1の設置現場において、作業者が叩くことにより、または、切り取ることにより、作業者が簡単に穴をあけることができる部分である。ノックアウト25は、例えば、隣接する照明装置等から器具2の内部に電線を引き込む際に取り外される。
【0030】
[灯具3]
図3は、図1に示した灯具3について、器具2に対向する面を示す斜視図である。図4は、図1に示した灯具3の主要構成を示す分解斜視図である。図1図4を参照して、灯具3の構成を概説する。灯具3は、台座60と、光源65と、透光カバー30と、電源68とを有する。灯具3は光源ユニットと称されることもある。
【0031】
(台座60)
台座60の構成を説明する。台座60は、電源68および光源65を支持する支持体の機能を有する。台座60は、灯具3の長手方向である第1方向(X軸)に沿って灯具3に延設される。台座60は、第1方向に延び、各種の部品が配置される基部61と、基部61を挟んで、第1方向に沿って並行するように設けられた一対の側部62とを有する。
【0032】
基部61は、一面63と、その反対側の面である他面64とを有する。基部61の一面63に光源65が配置されている。基部61の他面64には、電源68と、器具2の器具側通電具27と電源68とを電気的に接続するための灯具側通電具69と、電源68から光源65に電力を供給するための給電部70とが配置されている。給電部70は、電源68から光源65に点灯電力を供給するための給電線700と、給電線700を保持する給電線保持具701とを有する。
【0033】
また、基部61の第1方向に沿って対になるように、基部61の他面64に2つの灯具側連結具71が設けられている。灯具側連結具71は、例えば、バネ受け具である。器具側連結具28と灯具側連結具71とが連結することによって、灯具3は器具2に保持される。
【0034】
台座60は、鋼板、アルミまたはマグネシウム等の材料で構成される。台座60に、メッキ処理または塗装処理等の処理が施された材料を用いてもよい。台座60は、折り曲げ加工、ロールフォーマ加工、タレットパンチプレス加工または押出加工等の加工方法を用いて形成される。加工後の台座60の基部61の平面形状は、本実施の形態1においては長方形であるが、正方形であってもよく、また、四角形以外の多角形であってもよく、さらに、多角形に限らない。
【0035】
(光源65および電源68)
光源65の構成を説明する。光源65は、発光素子66となるLED(Light Emitting Diode)と、LEDが実装される光源基板67とを有する。光源基板67が台座60の一面63側に第1方向に沿って配置されている。発光素子66は、電源68から供給される点灯電力によって点灯する。発光素子66は、LEDに限らず、レーザまたは有機EL(Electro Luminescence)等の他の発光素子であってもよい。
【0036】
光源基板67の形状は、図4に示す構成例の場合、長尺状であるが、正方形状でもよい。光源基板67は2つの面を有し、一方の面に発光素子66および表面実装部品(図示せず)が配置され、その反対側の面に発光素子66または表面実装部品(図示せず)と接続される配線パターン(図示せず)が配設される。なお、配線パターン(図示せず)は、光源基板67の一方の面に配設されてもよい。
【0037】
光源基板67を台座60に取り付ける方法として、例えば、台座60の一部を切り起こして形成された把持片により光源基板を機械的に押さえる方法がある。別の取り付け方法として、シリコーン接着剤等を用いて、光源基板67と台座60とを接着して固定する方法、または、別部品を用いて光源基板67を台座60に固定する方法等がある。
【0038】
電源68の構成を説明する。電源68は、外部電源から器具2を介して供給される外部電力を用いて発光素子66を点灯させるための点灯電力を生成する。電源68は、給電線700を介して、光源基板67に実装された発光素子66に点灯電力を供給する。
【0039】
光源基板67および電源基板(図示せず)には、汎用品を用いることができる。光源基板67および電源基板(図示せず)の材質は、例えば、紙フェノール、ガラスエポキシ(FR4)、コンポジット(CEM)メタルコア等を採用することが考えられる。
【0040】
(透光カバー30)
図5は、実施の形態1に係る灯具3の端部を示す分解斜視図である。図6は、図5に示した蓋部51の一構成例を示す斜視図である。図6(a)はカバー本体部31を取り付ける方から蓋部51を見た図であり、図6(b)は図6(a)に示す蓋部51を反対側から見た図である。図7は、図6に示した蓋部51を示す5面図である。図7(a)は図5に示した蓋部51を下方向Z2から見上げたときの下面図であり、図7(b)はカバー本体部31を取り付ける方から蓋部51を見たときの背面図であり、図7(c)は図5に示した蓋部51を上方向Z1から見下ろしたときの上面図である。図7(d)は図7(b)に示す蓋部51を反対側から見たときの正面図であり、図7(e)は図5に示した蓋部51をY軸方向に沿って見たときの側面図である。
【0041】
図8は、図4に示した透光カバー30の端部を示す側面図である。図8(a)は、図4に示した透光カバー30をYZ面と平行に切り、その切断面から透光カバー30の第1方向(X軸)の一端面の方を見たときの図である。図8(b)は、図8(a)に示す破線枠で囲まれた領域A1の部分を拡大した図である。図8(a)には、透光カバー30が図4に示した台座60の外周形状を破線で示している。透光カバー30の構成について、図4図8を参照して説明する。
【0042】
図4に示すように、透光カバー30は、透光カバー30の本体部であるカバー本体部31と、カバー端部として、カバー本体部31の第1方向の両端のそれぞれに取り付けられる蓋部51とを有する。透光カバー30は、光源65を覆うように台座60に取り付けられる。透光カバー30は、光源65を保護する外郭としての機能も有する。カバー本体部31は、透光部32、取付部36および接続部35を有する。
【0043】
透光カバー30は、透光性の樹脂材料を用いて形成されている。樹脂材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、またはアクリル(PMMA)等の汎用のエンジニアリングプラスチック等の材料である。透光カバー30の加工方法として、押出成形または射出成形等の方法を用いることができる。本実施の形態1においては、カバー本体部31は押出成形によって形成され、蓋部51は射出成型によって形成されている。
【0044】
カバー本体部31は、透明であってもよく、拡散材料が添加された拡散仕様としてもよい。また、カバー本体部31は、無色であってもよく、拡散材料が添加された乳白色であってもよい。または、カバー本体部31は、防虫効果等を目的として黄色等の色素が添加された色であってもよい。色素の材料は、染料または顔料等である。
【0045】
カバー本体部31の表面には、表面にホコリが付きにくくするために、膜状の保護層が塗布されていてもよい。また、カバー本体部31の表面には、取付部36と接触する他の部品との摩擦によるきしみ音(スティックスリップ現象)を発生しにくくするために、フッ素系材料が塗布されていてもよい。さらに、カバー本体部31には、後加工を施すことにより、切り欠きや穴を設け、蓋部51、台座60、またはその他の部品等を装着しやすくしてもよい。
【0046】
透光部32は、内表面41が台座60の一面63と向き合うように第1方向に沿って延設されている。透光部32は、半円形状の断面形状が第1方向に沿って連続している。透光部32の断面形状は、半円形状に限らず、U字形状であってもよく、樋形状であってもよい。また、透光部32は、第1方向に沿って連続する断面形状が四角形状または円筒形状等であってもよい。つまり、発光素子66と対向する透光部32は、湾曲面または平坦面によって形成される。
【0047】
透光部32の断面形状を湾曲状にして、発光素子66から出射された光を照明空間へ均一に拡散させてもよい。また、透光部32の外表面42に凸状または凹状のプリズム加工を施して、照明空間の一部分に光を集光させてもよい。透光部32の外表面42にシボ加工を施して、指紋等が外表面42に付着しにくくなるようにしてもよい。
【0048】
取付部36は、透光カバー30を台座60に取り付けるための機能を有する。一対の取付部36が、第1方向に沿って透光部32の側方に延設されている。一対の取付部36のそれぞれは、L字形状の断面形状が第1方向にわたって連続している。透光カバー30が台座60に取り付けられた状態において、一対の取付部36は、台座60の基部61と一対の側部62とを抱えるように台座60の側方に配置される。取付部36は、台座60の基部61を支える支持部37と、台座60の側部62の先端に係合する係合部38とを有する。
【0049】
接続部35は、透光部32と取付部36とを接続し、透光部32および取付部36と一体化している。一対の接続部35が第1方向に沿って並行するように設けられている。具体的には、一対の接続部35は、透光部32における第2方向の両端部34と一対の係合部38とを接続している。
【0050】
一対の支持部37は、第1方向に沿って並行するよう設けられている。一対の支持部37のそれぞれは、第2方向において、係合部38からカバー本体部31の中心方向に向かって延びるように形成されている。
【0051】
一対の係合部38が第1方向に沿って並行するように設けられている。一対の係合部38のそれぞれは、第2方向に対して垂直な上方向(Z1)に延び、先端が逆U字状に曲がった形状である。係合部38に台座60の側部62が当接する。
【0052】
図8に示すように、カバー本体部31には、透光部32における第2方向の端部34、取付部36における係合部38、および、接続部35によって三方が囲まれた側方空間40が形成されている。透光部32における第2方向の端部34は側方空間40の外壁部であり、取付部36における係合部38は側方空間40の内壁部であり、接続部35は側方空間40の底壁部である。
【0053】
本実施の形態1においては、図8に示す側方空間40は、第1方向に沿って連続して形成される。一対の側方空間40が、第1方向に沿って並行するように、溝状に形成されている。一対の側方空間40のそれぞれは、第2方向において、透光部32と取付部36との間に形成される。側方空間40は、発光素子66からの一次光が通過しない領域に形成されることが望ましい。
【0054】
(蓋部51)
蓋部51の構成について、図5図8を参照して説明する。本実施の形態1において、蓋部51は、カバー本体部31と同じ材料を用いて形成されているが、カバー本体部31とは別の材料を用いて形成されていてもよい。別の材料として、例えば、光学仕様がカバー本体部31とは異なるエンジニアリングプラスチック、セラミックまたは金属の材料である。
【0055】
蓋部51は、カバー本体部31の端部に取り付けられ固定される。蓋部51は、端壁部52と、端壁部52の一方の面に設けられた立設部53とを有する。端壁部52は、端板部と称されることもある。立設部53は、リブと称されることもある。
【0056】
蓋部51のカバー本体部31への固定方法として、加熱、超音波もしくは有機溶剤等による溶着固定、または接着部材による接着固定による方法がある。蓋部51のカバー本体部31への固定方法は、溶着固定および接着固定による方法ではなく、機械的に固定する方法であってもよい。詳細な説明を省略するが、例えば、予めカバー本体部31と蓋部51とに設けられた係合機構を用いた機械的固定方法、または予め台座60と蓋部51とに設けられた係合機構を用いた機械的固定方法等を用いてもよい。
【0057】
端壁部52は、図6および図7に示すように、板状の構成である。端壁部52は、透光部32における第1方向の一端面を覆う。端壁部52の外形は、カバー本体部31における透光部32のYZ平面に平行な断面と同等形状の部分を有する。2つの端壁部52は、カバー本体部31の両端面を覆うとともに、透光部32と支持部37とに囲まれた空間を塞ぐ形状である。
【0058】
立設部53は、図5に示すように、蓋部51がカバー本体部31の一方の端部に取り付けられた状態において、第1方向に沿ってカバー本体部31の他方の端部に向かって延設される。立設部53は、蓋部51がカバー本体部31に取り付けられた状態において、カバー本体部31の内面である、透光部32の内表面41に向き合うように形成されている。立設部53は、透光部32のYZ平面に平行な断面形状に沿うように第1方向に延びた形状である。
【0059】
立設部53は、蓋部51がカバー本体部31に取り付けられた状態において、第1方向にカバー本体部31の一部と重なる。立設部53とカバー本体部31との重なり量は、立設部53の第1方向の長さに依存する。立設部53とカバー本体部31との重なり量とは、第1方向に立設部53とカバー本体部31とが重なる長さ、または立設部53とカバー本体部31とが重なる面積である。立設部53の第1方向の長さが長いほど、立設部53とカバー本体部31との重なり量は増加する。
【0060】
蓋部51がカバー本体部31に取り付けられた状態において、カバー本体部31がYZ面に沿って変形している場合には、側方空間40に収容される立設部53の両端部54のそれぞれが、透光部32の端部34に当接する。そのため、カバー本体部31の変形が矯正され、蓋部51の立設部53と透光部32との間に隙間が形成され、透光部32は、立設部53の両端部54を除く部分と接しない位置に配置される。その結果、透光カバー30が変形することによって透光部32が損傷することを抑制することができ、信頼性が向上する。また、蓋部51の立設部53と透光部32との間に空気が流れやすくなり、透光カバー30の内部に溜まる熱を効率的に排出し、発光素子66の長寿命化を図ることができる。
【0061】
本実施の形態1において、透光カバー30は、透光部32の内表面41と立設部53の外表面との隙間の距離である間隔寸法D1が透光部32の厚さ寸法よりも小さくなるように構成されている。具体的には、図8に示す間隔寸法D1は、0.10mm~0.50mmの範囲であることが望ましい。
【0062】
透光部32の内表面41と立設部53の外表面との間隔寸法D1の最小値は、カバー本体部31および蓋部51の成形精度、ならびに灯具3の組み立て精度を勘案して決定される。透光部32の内表面41と立設部53の外表面との間隔寸法D1の最大値は、例えば、カバー本体部31に対して変形を伴う応力を加えた場合でも、カバー本体部31に、ひびまたは割れ等の損傷が発生しない程度の変形に留まる値が選択される。
【0063】
また、透光部32の第1方向の端面に接着部分を設ける場合、カバー本体部31に対して変形を伴う応力を加えた場合でも、蓋部51とカバー本体部31との接着部分が剥離しない値を選択する。透光部32の第1方向の端面に溶着部分を設ける場合、カバー本体部31に対して変形を伴う応力を加えた場合でも、蓋部51とカバー本体部31との溶着部分が剪断しない値を選択する。
【0064】
立設部53における第2方向の両端部54のそれぞれは、カバー本体部31の係合部38に当接する。立設部53の両端部54は、蓋部51がカバー本体部31に取り付けられた状態において、カバー本体部31の側方空間40に収容される。側方空間40は、蓋部51がカバー本体部31に取り付けられた状態において、立設部53の両端部54が収容される収容空間の機能を有する。
【0065】
また、例えば、カバー本体部31が押出成形によって製造される場合、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って外側に広がるように変形することがある。この場合、立設部53の各端部54は、側方空間40の内壁部であるカバー本体部31の係合部38に当接するとともに、第2方向に沿って内側に向かって係合部38を押圧する。立設部53の各端部54は、各係合部38から押圧力による反作用の抗力を受ける。立設部53の各端部54は、各係合部38から抗力を受けることによって各係合部38を押圧する。一対の係合部38は、立設部53の両端部54に押圧されることによって、互いに近づくように移動し、カバー本体部31の端部34は変形が矯正される。つまり、立設部53の両端部54は、カバー本体部31の端部34を矯正する矯正部として機能する。このように、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って外側に広がるような変形は、蓋部51をカバー本体部31に取り付けることによって矯正される。
【0066】
なお、本実施の形態1では、立設部53がカバー本体部31の内面である、透光部32の内表面41に向き合うように、透光部32のYZ平面に平行な断面形状に沿って連続して設けられる構成の場合について説明したが、この構成に限らない。例えば、立設部53は、透光部32のYZ平面に平行な断面形状に沿って、断続的に形成される構成であってもよい。また、立設部53は、矯正部として機能する両端部54が、立設部53の本体と分離して形成されるものであってもよい。
【0067】
次に、本実施の形態1の灯具3の作用の一例を説明する。作業者が、上述した溶着固定によって蓋部51をカバー本体部31の端部に固定する際、溶着の準備から溶着が完了するまでの間、蓋部51がカバー本体部31から脱落しないように、蓋部51がカバー本体部31に取り付けられた状態を維持する必要がある。
【0068】
例えば、作業者が蓋部51をカバー本体部31に仮止めしたまま、透光カバー30を溶着装置に装着する作業が想定されるが、その間、蓋部51はカバー本体部31に保持されなければならない。蓋部51がカバー本体部31に保持されないと、溶着装置に装着するまでに蓋部51がカバー本体部31から脱落してしまう。そのため、蓋部51がカバー本体部31に溶着固定されるまでの間、蓋部51をカバー本体部31に保持するための保持機能を備えた構成が、別途、必要になる。
【0069】
これに対して、本実施の形態1においては、立設部53は、上述した矯正部として機能するだけでなく、蓋部51がカバー本体部31に保持されるための保持部として機能する。そのため、蓋部51がカバー本体部31に溶着固定されるまでの間、蓋部51をカバー本体部31に保持するための保持機能を備えた構成を、別途、設ける必要がない。
【0070】
次に、本実施の形態1の灯具3の作用について、別の例を説明する。図9は、実施の形態1に係る灯具の作用を説明する図である。図9(a)は、図9(b)に示すB-B部分の側面図である。図9(c)は、カバー本体部31の端部の側面を示す図である。
【0071】
押出成形によって製造されるカバー本体部31の端部34が、図9(b)および図9(c)に示すように、第2方向に沿って外側に広がるように変形する場合がある。変形していないカバー本体部31の一対の係合部38の間隔寸法をW1とし、第2方向に沿って外側に広がるように変形したカバー本体部31の一対の係合部38の間隔寸法をW2とすると、W2≧W1の関係である。
【0072】
この場合、図8に示したように、立設部53の両端部54は、側方空間40の内壁部である、カバー本体部31の係合部38に当接するとともに、第2方向に沿って内側に向かって係合部38を押圧する。一対の係合部38は、立設部53の両端部54に押圧されることによって、互いに近づくように移動し、カバー本体部31の端部34は変形が矯正される。このように、図9に示す広がりを抑制するように変形を矯正する応力は、蓋部51がカバー本体部31に保持されるための保持力として作用する。図8に示した間隔寸法D1は、カバー本体部31が第2方向に沿って外側に広がるように変形した場合よりも長くなり、カバー本体部31が変形していない場合の間隔寸法D1に近づく。
【0073】
この例においては、立設部53は、カバー本体部31の端部34の変形を矯正する目的においては矯正部として機能する。また、立設部53は、蓋部51をカバー本体部31に保持する目的においては保持部として機能する。このように、立設部53は、複数の機能を兼ね備えている。
【0074】
本実施の形態1においては、図8に示したように、蓋部51は立設部53における第2方向に一対の両端部54を備えている。そして、一対の両端部54の第2方向の間隔寸法は、側方空間40の内壁部である、一対の係合部38の間隔寸法よりも大きい。そのため、第2方向に沿って一対の係合部38が外側に広がろうとすると、一対の両端部54が一対の係合部38を外側から第2方向に沿って透光部32の中心方向に挟み込む。これにより、一対の両端部54は、一対の係合部38を介してカバー本体部31に応力を加えながら、カバー本体部31の端部34によって保持される。このようにして、蓋部51はカバー本体部31に保持されることとなる。蓋部51およびカバー本体部31は互いに相手を保持する関係になる。
【0075】
本実施の形態1の透光カバー30は、カバー本体部31と、蓋部51とを有する。カバー本体部31は、内表面41が台座60の一面と向き合うように第1方向に沿って延設される透光部32と、台座60の両側方に第1方向に沿って設けられる一対の取付部36と、台座60の両側方において、透光部32における第2方向の端部34と取付部36とを接続する一対の接続部35とを備える。カバー本体部31には、透光部32、取付部36および接続部35によって囲まれる一対の側方空間40が形成される。蓋部51は、透光部32における第1方向の一端面を覆う端壁部52と、透光部32の内表面41と向き合うように端壁部52から第1方向の他端面に向かって立設する立設部53とを備える。蓋部51は、立設部53における第2方向の両端部54のそれぞれが側方空間40に収容された状態でカバー本体部31における第1方向の端部に取り付けられる。蓋部51がカバー本体部31に取り付けられた状態において、透光部32は、立設部53に対して両端部54を除く部分と接しない位置に配置される。
【0076】
本実施の形態1によれば、例えば、透光部32の両端部34が第2方向に沿って外側に広がるように、カバー本体部31が変形していると、蓋部51がカバー本体部31に取り付けられた状態において、立設部53の両端部54のそれぞれは、側方空間40に収容されるとともに、側方空間40の内壁部であるカバー本体部31の各係合部38に当接する。そして、立設部53の各端部54は第2方向に沿って内側に向かってカバー本体部31の各係合部38を押圧する。そのため、一対の係合部38は、立設部53aの両端部54aに押圧されることによって、互いに近づくように移動し、カバー本体部31の変形が矯正される。その結果、立設部53の両端部54以外の部分は、カバー本体部31の透光部32との間に距離が保たれており、透光部32と接触しない。つまり、蓋部51の立設部53と透光部32との間に隙間が形成される。このように、カバー本体部31の透光部32がYZ面に沿って変形していても、蓋部51を取り付けることによってカバー本体部31の変形は矯正され、透光カバー30の信頼性が向上する。また、蓋部51の立設部53と透光部32との間に空気が流れやすくなり、透光カバー30の内部に溜まる熱を効率的に排出し、発光素子66の長寿命化を図ることができる。
【0077】
透光カバーの損傷は意匠性および光学性能の低下を招く原因となるが、本実施の形態1によれば、透光カバー30が損傷することが抑制されるため、意匠性および光学性能が低下することを抑制できる。さらに、本実施の形態1によれば、透光カバー30が損傷することが抑制されるため、カバー本体部31の端部から蓋部51が脱落することを抑制できる。
【0078】
また、本実施の形態1は、透光カバー30、灯具3および照明装置1の製造において、次のような効果が得られる。本実施の形態1によれば、両端部54がカバー本体部31の変形を矯正する矯正部として機能する立設部53が蓋部51に設けられている。そのため、カバー本体部31は、第2方向に外側に広がるように変形していると、作業者が蓋部51をカバー本体部31に装着する際、立設部53の両端部54によって、外側に広がる変形が矯正される。このように、立設部53の両端部54は、カバー本体部31の透光部32以外の部分を押圧することによって、カバー本体部31の変形を矯正する。そのため、透光カバー30、灯具3および照明装置1の製造に関して、作業性および量産性が向上する。以下に、本実施の形態1の効果について、従来の照明器具として、例えば、特許文献1に開示された照明器具と比較して、具体的に説明する。
【0079】
従来の照明器具を製造する際、挿入部分によってカバーの端部を弾性変形させる程度の力を加えながら蓋体をカバーの端部へ装着する必要があり、作業性および量産性が低下するおそれがある。これに対して、本実施の形態1によれば、カバー本体部31に蓋部51を固定する際、カバー本体部31を弾性変形させる必要がないので、作業性および量産性が低下することを抑制できる。
【0080】
従来の照明器具において、カバーの端部における前面部を弾性変形させながら蓋体をカバーの端部へ装着される過程で、カバーの前面部には蓋部と擦れ合うことによって傷ができてしまうおそれがある。この場合、カバーの意匠性が悪化してしまう。
【0081】
これに対して、本実施の形態1によれば、カバー本体部31に蓋部51を固定する際、カバー本体部31を弾性変形させる必要がない。そのため、透光部32と蓋部51とが擦れ合うことが抑制され、透光部32に傷が生じてしまうことが抑制される。その結果、透光カバー30の意匠性が損なわれてしまうことを抑制できる。
【0082】
従来の照明器具において、蓋体の挿入部分とカバーの前面部とが接触した状態では、蓋体の挿入部分とカバーの前面部との重なる領域が大きくなると、膨張量または収縮量の差によるきしみ音(スティックスリップ現象)の原因となる。そのため、きしみ音が使用者に不快感または不安感を生じさせてしまうおそれがある。
【0083】
これに対して、本実施の形態1によれば、立設部53の両端部54のそれぞれが透光部32の端部34に当接するため、カバー本体部31の変形が矯正される。その結果、カバー本体部31の膨張量または収縮量の差によるきしみ音の発生を抑制できる。
【0084】
従来の照明器具において、カバーが押出成形によって形成される場合、カバーの端部は、残留応力から解放されたり切断時に加熱されたりすることによって、変形することがある。これに対して、本実施の形態1によれば、立設部53の両端部54のそれぞれが透光部32の端部34に当接するため、カバー本体部31の変形が矯正される。
【0085】
従来の照明器具において、接着剤を用いずに蓋体の挿入部分とカバーの前面部とが接触した状態でカバー内に虫が侵入しないようにしているため、挿入部分をカバーの長手方向に長くしている。そのため、発光素子が点灯しているとき、挿入部分の影が強調されやすくなり、発光素子が消灯しているとき、挿入部分が透映されやすくなる。その結果、点灯時と消灯時のいずれにおいても意匠性が悪化してしまう。この問題は、蓋体の挿入部分とカバーの前面部との重なる領域が大きくなるほど顕著となる。
【0086】
これに対して、本実施の形態1によれば、カバー本体部31と蓋部51との固定方法として溶着固定または接着固定を採用することができ、立設部53を必要以上に長くする必要がない。そのため、立設部53によって透光カバー30の意匠性が悪化してしまうことを抑制できる。
【0087】
従来の照明器具において、蓋体に挿入部分を設けずに、蓋体をカバーの端面に接着または溶着する方法を採用することによって、上述した課題を解決することが考えられる。しかしながら、照明器具を製造したり施工したりする際、カバーに変形を伴う応力を加えてしまうことによって、蓋体とカバーとの接着部分が剥離したり、蓋体とカバーとの溶着部分が剪断したりするおそれがある。この場合、蓋体がカバーから外れてしまうおそれがある。
【0088】
これに対して、本実施の形態1によれば、立設部53の両端部54のそれぞれが透光部32の端部34に当接するため、カバー本体部31の変形が矯正される。そのため、蓋部51とカバー本体部31との接着部分が剥離することが抑制され、蓋部51とカバー本体部31との溶着部分が剪断することが抑制される。
【0089】
実施の形態2.
本実施の形態2の灯具3の構成を説明する。図10は、実施の形態2に係る灯具3の端部を示す側面図である。図10(a)は、透光カバー30をYZ面と平行に切り、その切断面から透光カバー30の第1方向の一端面の方を見たときの図である。図10(b)は、図10(a)に示す破線枠で囲まれた領域A2の部分を拡大した図である。
【0090】
本実施の形態2の蓋部51aにおいて、立設部53aにおける第2方向の両端部54aのそれぞれは、蓋部51aの中心から第2方向に沿って外側に位置する、透光部32の端部34と当接する。蓋部51bがカバー本体部31に取り付けられた状態において、端部54aは、カバー本体部31の側方空間40に収容される。透光部32の内表面41と立設部53aの外表面との間隔寸法D2は、実施の形態1で説明した間隔寸法D1と同様に、0.10mm~0.50mmの範囲であることが望ましい。
【0091】
次に、本実施の形態2の灯具3の作用を説明する。図11は、実施の形態2に係る灯具の作用を説明する図である。図11(a)は、図11(b)に示すC-C部分の側面図である。図11(c)は、カバー本体部31の端部の側面を示す図である。
【0092】
カバー本体部31が押出成形によって製造される場合、カバー本体部31の端部54aが、図11(c)に示すように、第2方向に沿って内側に窄まるように変形することがある。変形していないカバー本体部31の一対の係合部38の間隔寸法をW1とし、変形していないカバー本体部31の両端部34の間隔寸法をW6とする。第2方向に沿って内側に窄まるように変形したカバー本体部31の両端部34の間隔寸法をW7とすると、間隔寸法W1、W6およびW7は、W6≧W7>W1の関係になる。
【0093】
この場合、図10に示したように、立設部53aの両端部54aは、側方空間40の外壁部である、カバー本体部31の透光部32の両端部34に当接するとともに第2方向に沿って外側に向かって透光部32の両端部34を押圧する。
【0094】
一対の係合部38は、立設部53aの両端部54aに押圧されることによって、互いに遠ざかるように移動し、カバー本体部31は変形が矯正される。つまり、立設部53aの両端部54aは、カバー本体部31の両端部34の位置を矯正する矯正部として機能する。図10に示した間隔寸法D2は、カバー本体部31が第2方向に沿って内側に窄まるように変形した場合よりも短くなり、カバー本体部31が変形していない場合の間隔寸法D2に近づく。
【0095】
本実施の形態2によれば、例えば、透光部32の両端部34が第2方向に沿って内側に窄まるように、カバー本体部31が変形していると、蓋部51がカバー本体部31に取り付けられた状態において、立設部53の両端部54のそれぞれは、側方空間40に収容されるとともに、側方空間40の外壁部である透光部32の各端部34に当接する。そして、立設部53aの各端部54aが第2方向に沿って外側に向かって透光部32の各端部34を押圧する。そのため、一対の係合部38は、立設部53aの両端部54aに押圧されることによって、互いに遠ざかるように移動し、カバー本体部31は変形が矯正される。その結果、透光部32の内表面41と蓋部51の立設部53との距離が短くなり、カバー本体部31が変形していない場合の間隔寸法D2に近づき、透光部32と立設部53とが接しない状態が維持される。
【0096】
実施の形態3.
本実施の形態3の灯具3の構成を説明する。図12は、実施の形態3に係る灯具3の端部を示す側面図である。図12(a)は、図8(a)に示した破線枠で囲まれた領域A1の部分について、本実施の形態3の灯具3を示す図である。
【0097】
本実施の形態3の蓋部51bにおいて、立設部53bにおける第2方向の両端部54bのそれぞれは、第2の方向において蓋部51bの中心から離れる方向の面である外側面に突出部55が設けられている。図12(a)は、一方の端部54bに設けられた突出部55を示しているが、他方の端部54bにも突出部55が設けられている。各突出部55は、端部54bから第2方向に沿って外側に突出するように形成されている。立設部53bにおける第2方向の両端部54bは、蓋部51bがカバー本体部31に取り付けられた状態において、カバー本体部31の側方空間40に収容される。
【0098】
次に、本実施の形態3の灯具3の作用を、図12(a)を参照して説明する。
【0099】
カバー本体部31が押出成形によって製造される場合、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って外側に広がるように変形することがある。この場合、立設部53bの各端部54bは、側方空間40の内壁部であるカバー本体部31の各係合部38に当接するとともに、第2方向に沿って内側に向かって各係合部38を押圧する。立設部53bの各端部54bは、各係合部38から押圧力による反作用の抗力を受ける。立設部53bの各端部54bは、各係合部38から抗力を受けることによって各係合部38を押圧する。
【0100】
そして、カバー本体部31が押出成形によって製造される場合、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って内側に窄まるように変形することがある。この場合、立設部53bの各端部54bのそれぞれに繋がる突出部55は、側方空間40の外壁部である透光部32の各端部34に当接するとともに、第2方向に沿って外側に向かって透光部32の各端部34を押圧する。各突出部55は透光部32の各端部34から押圧力による反作用の抗力を受ける。立設部53bの各端部54bは、各突出部55を介して透光部32の各端部34から抗力を受けることによって透光部32の各端部34を押圧する。
【0101】
透光部32の両端部34は、一対の立設部53bの両端部54bによって内側方向に押圧されることで、互いに近づくように移動し、また、透光部32の両端部34は、一対の突出部55によって外側方向に押圧されることで、互いに遠ざかるように移動し、カバー本体部31は変形が矯正される。つまり、立設部53bの両端部54bは、カバー本体部31の端部34の位置を矯正し、カバー本体部31の変形を矯正する矯正部として機能する。
【0102】
本実施の形態3において、一対の突出部55は、立設部53bの両端部54bから第2方向に沿って側方空間40の外壁部へ向かって突出する構成である。そのため、カバー本体部31の両端部34が第2方向に沿って外側に広がるように変形している場合に、立設部53bの一対の両端部54bは、カバー本体部31の係合部38から抗力を受け、この窄まりを抑制するように変形を矯正し、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って内側に窄まるように変形している場合に、立設部53bの一対の両端部54bは、一対の突出部55を介して係合部38から抗力を受け、この窄まりを抑制するように変形を矯正する。また、これらの変形を矯正する応力は、蓋部51bがカバー本体部31に保持されるための保持力として作用する。カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って外側に広がるように変形している場合、または、内側に窄まるように変形している場合とは、例えば、カバー本体部31が押出成形によって製造される場合である。
【0103】
本実施の形態3によれば、蓋部51bは側方空間40の内壁部と外壁部との両方との間で保持機能を発揮する。そのため、蓋部51bは、カバー本体部31の端部34が変形していても、カバー本体部31をより確実に保持することができる。
【0104】
(変形例1)
本実施の形態3の変形例1の灯具3の構成を説明する。図12(b)は、変形例1に係る灯具3の端部を示す側面図である。図12(b)は、図8(a)に示した破線枠で囲まれた領域A1の部分について、本実施の形態3の変形例1の灯具3を示す図である。
【0105】
本変形例1の蓋部51cにおいて、立設部53cにおける第2方向の両端部54cのそれぞれは、第2の方向において蓋部51cの中心に近づく方向の面である内側面に突出部55cが設けられている。図12(b)は、一方の端部54cに設けられた突出部55cを示しているが、他方の端部54cにも突出部55が設けられている。各突出部55cは、端部54cから第2方向に沿って内側に突出するように形成されている。立設部53cにおける第2方向の両端部54cは、蓋部51cがカバー本体部31に取り付けられた状態において、カバー本体部31の側方空間40に収容される。
【0106】
次に、本変形例1の灯具3の作用を、図12(b)を参照して説明する。
【0107】
カバー本体部31が押出成形によって製造される場合、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って内側に窄まるように変形することがある。この場合、立設部53cの各端部54cは、側方空間40の外壁部であるカバー本体部31の透光部32の各端部34に当接するとともに、第2方向に沿って外側に向かって透光部32の各端部34を押圧する。立設部53cの各端部54cは透光部32の各端部34から押圧力による反作用の抗力を受ける。立設部53cの各端部54cは、透光部32の各端部34から抗力を受けることによって、透光部32の各端部34に当接するとともに第2方向に沿って外側に向かって透光部32の各端部34を押圧する。
【0108】
そして、カバー本体部31が押出成形によって製造される場合、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って外側に広がるように変形することがある。この場合、立設部53cの各端部54cのそれぞれに繋がる各突出部55cは、側方空間40の内壁部であるカバー本体部31の各係合部38に当接するとともに、第2方向に沿って内側に向かって各係合部38を押圧する。各突出部55cはカバー本体部31の各係合部38から押圧力による反作用の抗力を受ける。立設部53cの各端部54cは、各突出部55cを介して各係合部38から抗力を受けることによって各係合部38を押圧する。
【0109】
透光部32の両端部34は、一対の立設部53bの両端部54bによって内側方向に押圧されることで、互いに近づくように移動し、また、透光部32の両端部34は、一対の両端部54cによって外側方向に押圧されることで、互いに遠ざかるように移動し、カバー本体部31は変形が矯正される。つまり、立設部53cの両端部54cは、カバー本体部31の端部34の位置を矯正し、カバー本体部31の変形を矯正する矯正部として機能する。
【0110】
本変形例1において、一対の突出部55cは、立設部53cの両端部54cから第2方向に沿って側方空間40の外壁部へ向かって突出する構成である。そのため、カバー本体部31の両端部34が第2方向に沿って内側に窄まるように変形している場合に、立設部53cの一対の両端部54cは、カバー本体部31の両端部34から抗力を受け、この窄まりを抑制するように変形を矯正し、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って外側に広がるように変形している場合に、立設部53cの一対の両端部54cは、一対の各突出部55cを介して係合部38から抗力を受け、この広がりを抑制するように変形を矯正する。また、これらの変形を矯正する応力は、蓋部51cがカバー本体部31に保持されるための保持力として作用する。カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って内側に窄まるように変形している場合、または、外側に広がるように変形している場合とは、例えば、カバー本体部31が押出成形によって製造される場合である。
【0111】
本変形例1によれば、蓋部51cは側方空間40の内壁部と外壁部との両方との間で保持機能を発揮する。そのため、蓋部51cは、カバー本体部31の端部34が変形していても、カバー本体部31をより確実に保持することができる。
【0112】
(変形例2)
本実施の形態3の変形例2の灯具3の構成を説明する。図12(c)は、変形例2に係る灯具3の端部を示す側面図である。図12(c)は、図8(a)に示した破線枠で囲まれた領域A1の部分について、本実施の形態3の変形例2の灯具3を示す図である。
【0113】
本変形例2の蓋部51dにおいて、立設部53dにおける第2方向の両端部54dのそれぞれは、端部54dの第2方向における内側面および外側面のそれぞれに突出部55dが設けられている。図12(c)は、一方の端部54dに設けられた2つの突出部55dを示しているが、他方の端部54dにも2つの突出部55dが設けられている。各端部54dは、端部54dから第2方向に沿って外側に突出するように形成された突出部55dと、端部54dから第2方向に沿って内側に突出するように形成された突出部55dとを有する。立設部53cにおける第2方向の両端部54dは、蓋部51cがカバー本体部31に取り付けられた状態において、カバー本体部31の側方空間40に収容される。
【0114】
次に、本変形例2の灯具3の作用を、図12(c)を参照して説明する。
【0115】
カバー本体部31が押出成形によって製造される場合、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って外側に広がるように変形することがある。この場合、立設部53dの各端部54dのそれぞれに繋がる2つの突出部55dのうち、内側の一方がカバー本体部31の係合部38に当接するとともに、第2方向に沿って内側に向かって各係合部38を押圧する。係合部38に当接する一方の突出部55dは、係合部38から押圧力による反作用の抗力を受ける。立設部53dの各端部54dは、各係合部38に当接する一方の突出部55dを介して各係合部38から抗力を受けることによって各係合部38を押圧する。
【0116】
そして、カバー本体部31が押出成形によって製造される場合、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って内側に窄まるように変形することがある。この場合、立設部53dの各端部54dのそれぞれに繋がる2つの突出部55dのうち、外側の他方が透光部32の各端部34に当接するとともに、第2方向に沿って外側に向かって各端部34を押圧する。各端部34に当接する他方の突出部55dは、係合部38から押圧力による反作用の抗力を受ける。立設部53dの各端部54dは、透光部32の各端部34に当接する他方の突出部55dを介して透光部32の各端部34から抗力を受けることによって透光部32の各端部34を押圧する。
【0117】
透光部32の両端部34は、立設部53dの一対の両端部54dによって内側方向に押圧されることで、互いに近づくように移動し、また、透光部32の両端部34は、立設部53dの一対の両端部54dによって外側方向に押圧されることで、互いに遠ざかるように移動し、カバー本体部31は変形が矯正される。つまり、立設部53dの両端部54dは、カバー本体部31の端部34の位置を矯正し、カバー本体部31の変形を矯正する矯正部として機能する。
【0118】
本変形例2において、立設部53dは、両端部54dから第2方向に沿って側方空間40の内壁部に向かって突出する一方の突出部55dと、両端部54dから第2方向に沿って側方空間40の外壁部に向かって突出する他方の突出部55dとを有する構成である。そのため、カバー本体部31の両端部34が第2方向に沿って外側に広がるように変形している場合に、一対の両端部54dは、一方の突出部55dから受ける係合部38による抗力によって、この広がりを抑制するように変形を矯正し、カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って内側に窄まるように変形している場合に、一対の両端部54dは、他方の突出部55dから受けるカバー本体部31の端部34による抗力によって、この窄まりを抑制するように変形を矯正する。また、これらの変形を矯正する応力は、蓋部51dがカバー本体部31に保持されるための保持力として作用する。カバー本体部31の端部34が第2方向に沿って内側に窄まるように変形している場合とは、例えば、カバー本体部31が押出成形によって製造される場合である。
【0119】
本変形例2によれば、蓋部51dは側方空間40の内壁部と外壁部との両方との間で保持機能を発揮する。そのため、蓋部51dは、カバー本体部31の端部34が外側に広がるような変形、または、内側に窄まるような変形をしていても、カバー本体部31をより確実に保持することができる。
【0120】
(変形例3)
本実施の形態3の変形例3の灯具3の構成を説明する。図12(d)は、変形例3に係る灯具3の端部を示す側面図である。図12(d)は、図8(a)に示した破線枠で囲まれた領域A1の部分について、本実施の形態3の変形例3の灯具3を示す図である。
【0121】
本変形例3の蓋部51eにおいて、立設部53eにおける第2方向の両端部54eのそれぞれは、端部54eの第2方向における内側面および外側面のそれぞれに突出部55eが設けられている。本変形例3においても、立設部53eにおける第2方向の両端部54eは、蓋部51cがカバー本体部31に取り付けられた状態において、カバー本体部31の側方空間40に収容される。
【0122】
本変形例3について、変形例2と比較して説明する。変形例2の蓋部51dにおいて、端部54dの2つの突出部55dが端部54dの頂部に設けられている。これに対して、本変形例3においては、図12(d)に示すように、2つの突出部55eは端部54eの頂部よりも下がった位置に設けられている。図12(d)に示すように、本変形例3においても、端部54eの外側面に設けられた突出部55eは透光部32の端部34と当接し、端部54eの内側面に設けられた突出部55eは係合部38と当接している。そのため、本変形例3の灯具3は、変形例2の灯具3と同様な作用および効果が得られる。
【0123】
本変形例3は、変形例2と同様な作用および効果を得ることができ、その詳細な説明を省略する。
【0124】
以上、実施の形態および変形例に基づいて、灯具、照明装置および透光カバーを説明したが、本開示の灯具、照明装置および透光カバーは、上述した実施の形態および変形例の構成に限定されるものではない。上述した照明装置の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。本開示の灯具、照明装置および透光カバーは、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更および応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0125】
1 照明装置、2 器具、3 灯具、9 造営部、20 器具本体部、21 天面部、22 側面部、23 外面部、24 器具端部、25 ノックアウト、26 端子台、27 器具側通電具、28 器具側連結具、29 灯具装着部、30 透光カバー、31 カバー本体部、32 透光部、33 主部、34 端部、35 接続部、36 取付部、37 支持部、38 係合部、40 側方空間、41 内表面、42 外表面、51、51a~51e 蓋部、52 端壁部、53、53a~53e 立設部、54、54a~54e 端部、55、55c~55e 突出部、60 台座、61 基部、62 側部、63 一面、64 他面、65 光源、66 発光素子、67 光源基板、68 電源、69 灯具側通電具、70 給電部、71 灯具側連結具、700 給電線、701 給電線保持具。
図1
図2
図3
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図10
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図12