IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日益電機股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-マグネットポンプ 図1
  • 特開-マグネットポンプ 図2
  • 特開-マグネットポンプ 図3
  • 特開-マグネットポンプ 図4
  • 特開-マグネットポンプ 図5
  • 特開-マグネットポンプ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106002
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】マグネットポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/58 20060101AFI20230725BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20230725BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
F04D29/58 D
F04D29/42 E
H02K7/14 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007086
(22)【出願日】2022-01-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】514084060
【氏名又は名称】日益電機股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZI YI ELECTRICAL ENGINEERING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.20, Jingke S. Rd., Nantun Dist., Taichung City, TAIWAN,
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 丁財
【テーマコード(参考)】
3H130
5H607
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB22
3H130AB46
3H130AC30
3H130BA32A
3H130BA33G
3H130CA21
3H130DA03Z
3H130DD04Z
3H130EB01A
3H130EC12A
5H607AA05
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB14
5H607CC05
5H607DD03
5H607FF06
5H607JJ10
(57)【要約】
【課題】放熱効果の向上に有利な後面シュラウドを有するマグネットポンプを提供する。
【解決手段】ベース10と固定座20とモータユニット30と前面シュラウド40と後面シュラウド50とを備えたマグネットポンプ100であって、ベース10は中空筒状となって収容孔13が画成され、固定座20は収容空間を有する中空筒状となって収容孔13内に取り付けられ、モータユニット30はハウジング31とステーター32とローター33とインペラー34とを有し、前面シュラウド40は、インペラー34をカバーするよう、ベース10の前端に取り付けられ、後面シュラウド50は、ベース10の後端に取り付けられ、ベース10に当接する内側面と、内側面から突出する環状リブ53と、を有し、環状リブ53は、内側面と共にステーター32と隣接する第1の熱伝導空間54を画成する上、固定座20と気密に当接する環状端面531がある。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、固定座と、モータユニットと、前面シュラウドと、後面シュラウドと、を備えているマグネットポンプであって、
前記ベースは、通常の使用状態では略水平方向となる所定の軸線を取り囲んでいる前後両端のある中空筒状となっていて、内側に収容孔が画成されており、
前記固定座は、内側に収容空間を有する中空筒状となって、前記ベースに対して回転不能に前記収容孔内に取り付けられており、
前記モータユニットは、前記収容空間に挿入するように前記ベースに取り付けられているハウジングと、前記収容空間において前記ハウジングと前記固定座との間に嵌め込まれているステーターと、前記ハウジング内に取り付けられているローターと、前記ローターの前端に接続されているインペラーと、を有しており、
前記前面シュラウドは、前記モータユニットの前記インペラーをカバーするよう、前記ベースの前端に取り付けられており、
前記後面シュラウドは、前記ベースの後端に取り付けられているものであり、前方に面して前記ベースに一部が当接している内側面と、前記内側面から閉環形状となるように突出している環状リブと、を有しており、
前記環状リブは、前記内側面と共に前記閉環形状の内側にあって前記ステーターと隣接している第1の熱伝導空間を画成している上、前記固定座と気密に当接している環状端面があるように構成されている、
ことを特徴とするマグネットポンプ。
【請求項2】
前記後面シュラウドの前記環状リブは、前記第1の熱伝導空間を取り囲んでいると共に前記環状端面に接続している内周面と、前記第1の熱伝導空間の径方向における前記内周面の反対側にあると共に前記環状端面に接続している上に、前記内側面と共に第2の熱伝導空間を画成している外周面と、をさらに有しており、
前記後面シュラウドには、それぞれ前記外周面から突出していると共に前記内側面に連接している複数のリブがさらに構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のマグネットポンプ。
【請求項3】
前記複数のリブは、それぞれ前記軸線を周る周方向に沿って間隔をあけて放射状に配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のマグネットポンプ。
【請求項4】
前記固定座と前記環状端面との間の気密を保つことができるように設けられている漏れ防止リングをさらに備えている、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のマグネットポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネットポンプに関し、具体的には、放熱効果の向上に有利な後面シュラウドを有するマグネットポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マグネットの磁気吸引力を用いてインペラを回転させて液体を送出することができる従来のマグネットポンプ9が記載されている。
【0003】
図6を参照して特許文献1に記載された従来のマグネットポンプ9について説明する。ここで、図6は特許文献1に記載された従来のマグネットポンプ9の構成が示される分解斜視図である。
【0004】
従来のマグネットポンプ9は、図6に示されるように、ベース91と、定位ユニット92と、モーターユニット93と、ポンプ前蓋94と、放熱蓋95と、を具えている。
【0005】
ベース91は、プラスチック材料により作成されたものであり、図6に示されるように、所定の軸線Xと略直交する第1の側面913と、第1の側面913の反対側である第2の側面914と、を有すると共に、軸線Xに沿って第1の側面913から第2の側面914まで延伸し、軸線Xと直交する断面が、円心に軸線Xが通過する円形になっている第1の内孔(図示せず)を画成する環状部911と、軸線Xに沿って環状部911の第2の側面914に接続されると共に、内側に第1の内孔に連通し、且つ、軸線Xと直交する断面が非円形の接合孔915を画成するカバー部912と、を有している。
【0006】
定位ユニット92は、金属材料により作成されたものであり、図6に示されるように、ベース91に対して回転不能に接合孔915内に取り付けられ、且つ、内部に軸線Xに沿って延伸し、第1の内孔に連通する第2の内孔921を有するように中空の筒状に形成されている。
【0007】
モーターユニット93は、図6に示されるように、第1の内孔及び第2の内孔921内に挿入するようにベース91に取り付けられるハウジング931と、ハウジング931と第1の内孔及び第2の内孔921との間に嵌め込まれるステーター932と、ハウジング931内に取り付けられるローター933と、ローター933に接続されるインペラー934と、を有している。
【0008】
ポンプ前蓋94は、図6に示されるように、インペラー934を覆っていると共に、ベース91の第1の側面913に取り付けられている。
【0009】
放熱蓋95は、図6に示されるように、定位ユニット92及びモーターユニット93を軸線Xに沿って定位するようにベース91に取り付けられている。
【0010】
従来のマグネットポンプ9によれば、金属材料を採用して定位ユニット92を作成することによって、より優れたマグネットポンプ9の構造強度を得ると共に、温度上昇に耐えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】台湾実用新案第M577069号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記のような従来のマグネットポンプは、金属材料からなる定位ユニットにより温度上昇に耐えることができるが、本発明者は、マグネットポンプの放熱効果をより一層向上させて、装置の使用寿命を向上させることができると考え、鋭意研究した。
【0013】
よって、本発明は上記問題点に鑑みて、より優れた放熱効果を有するマグネットポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成すべく、本発明は以下のマグネットポンプを提供する。
即ち、ベースと、固定座と、モータユニットと、前面シュラウドと、後面シュラウドと、を備えているマグネットポンプであって、
前記ベースは、通常の使用状態では略水平方向となる所定の軸線を取り囲んでいる前後両端のある中空筒状となっていて、内側に収容孔が画成されており、
前記固定座は、内側に収容空間を有する中空筒状となって、前記ベースに対して回転不能に前記収容孔内に取り付けられており、
前記モータユニットは、前記収容空間に挿入するように前記ベースに取り付けられているハウジングと、前記収容空間において前記ハウジングと前記固定座との間に嵌め込まれているステーターと、前記ハウジング内に取り付けられているローターと、前記ローターの前端に接続されているインペラーと、を有しており、
前記前面シュラウドは、前記モータユニットの前記インペラーをカバーするよう、前記ベースの前端に取り付けられており、
前記後面シュラウドは、前記ベースの後端に取り付けられているものであり、前方に面して前記ベースに一部が当接している内側面と、前記内側面から閉環形状となるように突出している環状リブと、を有しており、
前記環状リブは、前記内側面と共に前記閉環形状の内側にあって前記ステーターと隣接している第1の熱伝導空間を画成している上、前記固定座と気密に当接している環状端面があるように構成されているマグネットポンプを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るマグネットポンプによれば、後面シュラウドの環状リブにより、第1の熱伝導空間内の熱エネルギーを吸収する表面積が広くなり、放熱効果を向上することができる。このため、マグネットポンプの使用寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る実施形態のマグネットポンプの構成が示される分解斜視図である。
図2】該実施形態のマグネットポンプの構成が示される側面断面図である。
図3図2の部分拡大断面図である。
図4】該実施形態のマグネットポンプにおける後面シュラウドの構成が示される斜視図である。
図5図4に示された構成が他の角度から示される斜視図である。
図6】特許文献1に記載された従来のマグネットポンプの構成が示される側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るマグネットポンプ100について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1図3を参照して本発明に係るマグネットポンプ100の一実施形態の構成を説明する。ここで、図1は本発明に係る実施形態のマグネットポンプ100の構成が示される分解斜視図であり、図2は該実施形態のマグネットポンプ100の構成が示される側面断面図であり、また、図3図2の部分拡大断面図である。
【0019】
本発明に係るマグネットポンプ100は、図1及び図2に示されるように、ベース10と、固定座20と、モータユニット30と、前面シュラウド40と、後面シュラウド50と、2つの漏れ防止リング61、62と、を備えている。
【0020】
ベース10は、プラスチック材料を採用して作成されたものであり、図1及び図2に示されるように、通常の使用状態では略水平方向となる所定の軸線Lを取り囲んでいる前後両端のある中空筒状となっていて、内側に収容孔13が画成されている。なお、本実施形態では、該プラスチック材料は、例えばポリプロピレン(polypropylene、略称:PP)、グラスファイバー強化ポリプロピレン(Glass Fiber reinforced Polypropylene、略称:GFRPP)、ポリフッ化ビニリデン(Polyvinylidene difluoride、略称:PVDF)、炭素繊維強化熱可塑性樹脂(Carbon Fiber Filled Ethylene Tetra Fluoro Ethylene、略称:CFRETFE)などの酸性またはアルカリ性に対する耐性を有するエンジニアリングプラスチックを選定することができる。
【0021】
該ベース10は、図1及び図2に示されるように、軸線Lと略直交するように配置されていると共に、内孔103を画成している環状部101と、軸線Lに沿って環状部101に接続されていると共に、内側に内孔103に連通し、且つ、軸線Lと直交する断面が非円形の収容孔13を画成しているカバー部102と、環状部101における前方に面している第1の端面11と、軸線Lに沿った反対側にあってカバー部102における後方に面している第2の端面12と、内孔103及び収容孔13を取り囲んでいる内周面14と、を備えている。
【0022】
内周面14は、図3に示されるように、内孔103を取り囲んでいて第1の端面11に接続している第1の平面141と、第1の平面141に接続していると共に第1の端面11と平行している第1の当接面142と、第1の当接面142に接続していると共に軸線Lと平行している第2の平面143と、第2の平面143に接続していると共に第1の端面11と平行している第2の当接面144と、第2の当接面144に接続していると共に軸線Lと平行している第3の平面145と、第3の平面145に接続していると共に第1の端面11と平行している第3の当接面146と、第3の当接面146に接続していると共に軸線Lと平行している第4の平面147と、を含んで段状に形成されている。
【0023】
固定座20は、金属材料により作成されたものであり、図1及び図2に示されるように、内側に収容空間231を有する中空筒状となって、ベース10に対して回転不能に収容孔13内に取り付けられている。なお、本実施形態では、該金属材料は、アルミニウム合金である。
【0024】
また、該固定座20は、図1に示されるように、軸線Lと直交する断面の外周縁の輪郭が収容孔13に対応する形であり、図3に示されるように、ベース10における内周面14の第2の当接面144に当接している第1の面21と、第1の面21の反対側にあって第2の当接面144及び第3の当接面146の間にある第2の面22と、軸線Lを取り囲んでいて上記の収容空間231を画成していると共に第1の面21と第2の面22とを接続している内面23と、内面23の反対側にあって第1の面21と第2の面22とを接続していると共に内周面14の第4の平面145に対向している外面24と、を備えている。
【0025】
図3に示されるように、該第1の面21及び該第2の面22には、軸線Lを取り囲んでいる環状スロット211、221がそれぞれ凹設されている。また、漏れ防止リング61が第1の面21にある環状スロット211内に嵌め込まれている一方、漏れ防止リング62が第2の面22にある環状スロット221内に嵌め込まれている。
【0026】
モータユニット30は、図1図3に示されるように、固定座20における収容空間231に挿入するようにベース10に取り付けられているハウジング31と、該収容空間231においてハウジング31と固定座20との間に嵌め込まれているステーター32と、ハウジング31内に取り付けられているローター33と、ローター33の前端に接続されているインペラー34と、を有している。
【0027】
ステーター32は、図3に示されるように、ベース10における内周面14の第1の当接面142に当接している前端面321と、前端面321の軸線Lに沿った反対側にある後端面322と、前端面321及び後端面322に接続していると共に固定座20の内面23に当接している外端面323と、を有している。
【0028】
ここで、該モータユニット30の構成や作動原理は、本発明の特徴ではないので、更なる詳細な記載がなくても、同業者であれば、本発明の内容に基づいて利用できると考えられる。
【0029】
前面シュラウド40は、図1及び図2に示されるように、モータユニット30のインペラー34をカバーするよう、ベース10の前端に取り付けられているものであり、且つ液体を投入する箇所である流入口401と、液体を送出する箇所である流出口402と、を有している。より具体的に言うと、該前面シュラウド40は、図1に示されるように、複数のねじを介してベース10の第1の端面11に螺着されている。
【0030】
後面シュラウド50は、金属材料(例えば、アルミニウム合金)により作成されたものであり、図1図3に示されるように、ベース10の後端に取り付けられていると共に、ベース10における内周面14の第4の平面147に対応してベース10により取り囲まれている。
【0031】
以下、該実施形態に係るマグネットポンプ100の後面シュラウド50の詳細な構造について説明する。
【0032】
図4及び図5を参照して該実施形態に係るマグネットポンプ100の後面シュラウド50の構成を説明する。ここで、図4は該実施形態のマグネットポンプ100における後面シュラウド50の構成が示される斜視図であり、また、図5図4に示された構成が他の角度から示される斜視図である。
【0033】
該後面シュラウド50は、図1図5に示されるように、前方に面してベース10における内周面14の第3の当接面146に一部が当接していると共にモータユニット30のハウジング31の後端が当接する内側面51と、ステーター32の前端面321の軸線Lに沿った反対側にある外側面52と、内側面51から閉環形状となるように突出している環状リブ53と、例えば図5に示されるような多数のフィンが略平行に配置されるように形成された蛇腹状となって外側面52から突出しているヒートシンク57と、を有している。
【0034】
環状リブ53は、図3及び図4に示されるように、内側面51と共に閉環形状の内側にあってステーター32の後端面322と隣接している第1の熱伝導空間54を画成している上、固定座20における第2の面22と気密に当接している環状端面531と、第1の熱伝導空間54を取り囲んでいると共に環状端面531に接続している内周面532と、第1の熱伝導空間54の径方向における内周面532の反対側にあると共に環状端面531に接続している上に、内側面51と共に第2の熱伝導空間55を画成している外周面533と、を有している。
【0035】
本実施形態では、該後面シュラウド50には、図4に示されるように、それぞれ外周面533から第2の熱伝導空間55へ突出していると共に内側面51に連接している複数のリブ56がさらに構成されている。また、該複数のリブ56は、図4に示されるように、それぞれ軸線Lを周る周方向に沿って間隔をあけて放射状に配置されている。
【0036】
また、図3に示されるように、漏れ防止リング61は、ベース10の第2の当接面144及び固定座20の第1の面21により挟まれて、ベース10及び固定座20の気密を保つことができるように設けられたものである。一方、漏れ防止リング62は、固定座20の第2の面22及び後面シュラウド50の環状端面531により挟まれて、固定座20と環状端面531(即ち、後面シュラウド50)との間の気密を保つことができるように設けられたものである。
【0037】
本実施形態のマグネットポンプ100を使用するとき、例えば、ステーター32が電源に電気的に接続されると、ステーター32は、ローター33を軸線Lを中心に回転させる。インペラー34がローター33に固定接続されているので、ローター33の回転に連れて、インペラー34が回転する。これによって、液体が前面シュラウド40の流入口401(図1を参照)から吸い込まれて、インペラー34によって加圧され、加圧された液体が前面シュラウド40の流出口402(図1を参照)へ流出する。これによって、液体を運送する。
【0038】
これと同時に、モータユニット30が発生する熱エネルギーは、ステーター32を介して後面シュラウド50の環状リブ53及び内側面51が画成する第1の熱伝導空間54へ伝わる。そして、該熱エネルギーは、金属製の固定座20及び後面シュラウド50を経由して放出される。
【0039】
以下、本発明に係る実施形態のマグネットポンプ100の利点について説明する。
【0040】
第1に、固定座20がベース10に回転不能に取り付けられることにより、固定座20とベース10との組立が安定する。また、プラスチック材料により作成されたベース10により、強酸性または強アルカリ性に対する耐性を得ることができ、金属材料により作成された固定座20により、モーターユニット30の運転による高温に耐えることができる。そのため、従来より構造強度が高くなる。
【0041】
第2に、後面シュラウド50における環状リブ53によって、第1の熱伝導空間54内の熱エネルギーを吸収することができる表面積が広くなる。より詳しく言うと、本実施形態の後面シュラウド50によれば、従来のようなモータユニット30に隣接する内側面51の一部だけではなく、該環状リブ53の内周面532も第1の熱伝導空間54内の熱エネルギーを吸収する表面積となされる。これによって、本実施形態のマグネットポンプ100の放熱効果を向上することができる。
【0042】
また、環状リブ53の環状端面531が固定座20における第2の面22と気密に当接し、即ち、後面シュラウド50が固定座20と接触することによって、放熱効果の向上だけではなく、後面シュラウド50の固定座20に対する支持性も強化することができる。
【0043】
第3に、第2の熱伝導空間55へ突出している複数のリブ56によって、後面シュラウド50の固定座20に対する支持性を向上する。それだけではなく、後面シュラウド50と固定座20との接触面積が広くなり、熱伝導面積の増加で放熱効果の向上に対しても有利である。
【0044】
第4に、後面シュラウド50のヒートシンク57によって、後面シュラウド50の構造強度を強めることができる上に、後面シュラウド50の外側に接する表面積が広くなって、後面シュラウド50内に蓄積されている熱エネルギーがより効果的に外気へ排出され得る。
【0045】
第5に、固定座20の第2の面22及び後面シュラウド50の環状端面531に挟まれている漏れ防止リング62によって、固定座20と後面シュラウド50との当接箇所が水密や気密となり、そのため、液体がリークしてもモーターユニット30のステーター32にまで滲入することを防止する効果を発揮することができる。
【0046】
総括すると、本発明に係るマグネットポンプ100によれば、後面シュラウド50の環状リブ53により、第1の熱伝導空間54内の熱エネルギーを吸収する表面積が広くなり、放熱効果を向上することができる。このため、マグネットポンプ100の使用寿命を延ばすことができる。
【0047】
上記においては、本発明の全体的な理解を促すべく、多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。
【0048】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係るマグネットポンプは、環状リブを有する後面シュラウドにより、放熱効果の飛躍的な向上に有用である。そのため、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0050】
100 マグネットポンプ
10 ベース
101 環状部
102 カバー部
103 内孔
11 第1の端面
12 第2の端面
13 収容孔
14 内周面
141 第1の平面
142 第1の当接面
143 第2の平面
144 第2の当接面
145 第3の平面
146 第3の当接面
147 第4の平面
20 固定座
21 第1の面
211 環状スロット
22 第2の面
221 環状スロット
23 内面
231 収容空間
24 外面
30 モータユニット
31 ハウジング
32 ステーター
321 前端面
322 後端面
323 外端面
33 ローター
34 インペラー
40 前面シュラウド
401 流入口
402 流出口
50 後面シュラウド
51 内側面
52 外側面
53 環状リブ
531 環状端面
532 内周面
533 外周面
54 第1の熱伝導空間
55 第2の熱伝導空間
56 リブ
57 ヒートシンク
61 漏れ防止リング
62 漏れ防止リング
L 軸線
9 マグネットポンプ
91 ベース
911 環状部
912 カバー部
913 第1の側面
914 第2の側面
915 接合孔
92 定位ユニット
921 第2の内孔
93 モーターユニット
931 ハウジング
932 ステーター
933 ローター
934 インペラー
94 ポンプ前蓋
95 放熱蓋
X 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6