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特開2023-106020骨切り術支援治具及びデジタルテンプレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106020
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】骨切り術支援治具及びデジタルテンプレート
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/15 20060101AFI20230725BHJP
   A61B 34/10 20160101ALN20230725BHJP
【FI】
A61B17/15
A61B34/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007120
(22)【出願日】2022-01-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】521045184
【氏名又は名称】K&Tコンサルティング合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 卓
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
4C160LL29
(57)【要約】
【課題】OWHTO術にも適用でき、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる骨切り術支援治具を提供する。
【解決手段】骨切り術支援治具は、位置決めプレート(11)、骨切りガイド部(12)、複数の第1ヒンジ候補穴(15)が設けられた第1ヒンジ設定用プレート(13)、及び遠位スクリューボルトガイド部(14)を有する第1レジストレーション部材と、第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴が設けられた第2ヒンジ設定用プレート(21)及び近位スクリューボルトガイド部(22)を有する第2レジストレーション部材と、両者を連結する連結部材と、を備える。第1ヒンジ候補穴及び第2ヒンジ候補穴は、初期状態において前後方向に一致し、第1ヒンジ候補穴及び第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つにヒンジ軸部材が挿通される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴は、初期状態において前記前後方向に一致し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される、
骨切り術支援治具。
【請求項2】
前記長管骨は、脛骨であり、
前記位置決めプレートは、前記脛骨の骨幹部に当接する、
請求項1に記載の骨切り術支援治具。
【請求項3】
前記連結部材は、前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材を回転させ、前記相対姿勢を変化させる姿勢調整部として機能する、
請求項1又は2に記載の骨切り術支援治具。
【請求項4】
前記連結部材は、連結長さを伸縮可能に構成され、
前記連結長さと、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の回転角度とが、関連付けられている、
請求項3に記載の骨切り術支援治具。
【請求項5】
前記第1レジストレーション部材に配置され、上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナをさらに備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項6】
前記リファレンスアンテナによって規定される前記上下方向における位置が可変である、
請求項5に記載の骨切り術支援治具。
【請求項7】
前記骨切りガイド部及び前記第1ヒンジ設定用プレートは、前記位置決めプレートに対して、前記ガイド方向を多段階に変更可能に接続され、
前記第2ヒンジ設定用プレートは、前記第1ヒンジ候補穴が取り得るすべての位置に対応して、前記第2ヒンジ候補穴を有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項8】
前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材が回転したときの回転角度を検出する角度検出部をさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長管骨矯正用の骨切り術支援治具に関する。
【背景技術】
【0002】
変形性膝関節症という膝の軟骨がすり減ることで痛みが生じる疾患は、膝の内側の軟骨が摩耗している場合が圧倒的に多く、その原因として下肢のO脚変形が挙げられる。O脚の場合、膝の内側に大きな荷重がかかるため、内側の軟骨が摩耗しやすく、内側の軟骨だけが摩耗すると更にO脚が進み、悪循環となって疾患が進行する。この変形性膝関節症に対する治療法の一つとして、高位脛骨骨切り術(HTO:High Tibial Osteotomy)がある。従来、術前計画通りに高位脛骨骨切り術を行うために、種々の骨切り用治具が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
高位脛骨骨切り術とは、下腿にある2本の骨のうち、ほとんどの荷重を担う脛骨の膝に近い脛骨近位端を切除して形を変えることで、O脚をX脚に変える手術であり、内側にかかっていた荷重を外側に逃がして負担を減らすことで痛みを和らげ、かつ疾患の進行を抑制することができる。高位脛骨骨切り術のような骨切り術は、脛骨の矯正に限らず、大腿骨等の長管骨を矯正する場合にも適用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6941393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の骨切り術支援治具によれば、外側楔状閉鎖式高位脛骨骨切り術(以下、「CWHTO術」と称する)、CWHTO:Closed wedge HTO)を行う際、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる。しかしながら、特許文献1に開示の骨切り術支援治具は、内側楔状開大式高位脛骨骨切り術(以下、「OWHTO術」と称する、OWHTO:Open Wedge HTO)に適用することはできない。高位脛骨骨切り術としては、CWHTO術よりも、OWHTO術の方が普及しており、OWHTO術に適用できる治具の実用化が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、OWHTO術にも適用でき、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる骨切り術支援治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る骨切り術支援治具は、
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴は、初期状態において前記前後方向に一致し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、CWHTO術だけでなく、OWHTO術においても、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1A図1Bは、脛骨の骨切り部に固定される固定プレートを示す図である。
図2図2は、術前計画におけるヒンジ軸H、矯正角度θ及び骨切り面Sの設定方法の一例を示す図である。
図3図3は、実施の形態に係るHTO支援治具を示す斜視図である。
図4図4A図4Bは、HTO支援治具の平面図である。
図5図5は、術前計画で用いられるテンプレートの一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態に係る術前計画を説明する図である。
図7図7は、実施の形態に係る術前計画を説明する図である。
図8図8は、実施の形態に係る術前計画を説明する図である。
図9図9は、実施の形態に係る術前計画を説明する図である。
図10図10は、術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。
図11図11は、術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。
図12図12は、術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。
図13図13は、術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。
図14図14は、術前計画に従う高位脛骨骨切り術を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
本実施の形態では、本発明に係る骨切り術支援治具を適用した高位脛骨骨切り術支援治具1(以下、「HTO支援治具1」と称する)について説明する。
本明細書では、解剖学的正位を基準にして、上下方向、左右方向、前後方向を用いて示している。また、左右方向において正中に近い側を「内側」、遠い側を「外側」と称し、上下方向において体幹に近い側を「近位」、遠い側を「遠位」と称する。なお、HTO支援治具1の構成要素についても、HTO支援治具1を骨切り部に配置した状態を基準として、「上下方向」、「左右方向」及び「前後方向」を用いて説明する。
【0012】
図1A図1Bは、脛骨Tの骨切り部に固定される固定プレート5を示す図である。図1Aは、骨切り部に固定プレート5を配置した状態を示す図であり、図1Bは、固定プレート5の平面図である。
図1A図1Bに示すように、脛骨Tの骨切り部には、骨切り部分の下側(膝から遠い側)の遠位骨片T1と上側(膝に近い側)の近位骨片T2とを架橋するように金属製の固定プレート5が配置される。固定プレート5は、スクリューボルト52a~52hが挿通されるスクリューボルト穴51a~51hを有する。遠位スクリューボルト52a~52dにより固定プレート5の遠位部分が遠位骨片T1に締結され、近位スクリューボルト52e~52hにより固定プレート5の近位部分が近位骨片T2に締結されることで、固定プレート5が脛骨Tの骨切り部に固定される。
【0013】
一般に、CWHTO術では、脛骨の外側に器械(例えば、特許文献1に開示の骨切り術支援治具)をあてて、外側が広く内側が狭い楔状の骨片を除去し、近位側骨切り面と遠位側骨切り面を閉じる(閉鎖する)ことで矯正が行われる。
これに対して、OWHTO術では、図1Aに示すように、脛骨Tの内側に器械をあてて、1つの骨切り面で骨切りを行い、矯正時の回転軸となるヒンジ軸Hを中心に遠位骨片T1又は近位骨片T2を予定の矯正角度θだけ回転させて、近位側骨切り面と遠位側骨切り面との間を開大することで矯正が行われる。
【0014】
本実施の形態では、HTO支援治具1の位置及び姿勢を示す情報、及びHTO支援治具1に関連付けられた骨切りアライメントを示す情報を有するテンプレートR(図5参照)を用いて術前計画を作成するとともに、術中にHTO支援治具1を用いることにより、術前計画で設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる。
【0015】
ここで、骨切りアライメントは、骨切り術において必要となる情報であり、矯正時の回転軸となるヒンジ軸H、目標の骨切り面S(図2参照)、並びに固定プレート5(図1A等参照)の遠位スクリューボルト固定位置P1及び近位スクリューボルト固定位置P2(図8参照)などを含む。
【0016】
図2は、術前計画におけるヒンジ軸H、矯正角度θ及び骨切り面Sの設定方法の一例を示す図である。
術前計画では、図2に示すように、前面(正面)から見た立位下肢全長のX線画像IMGを利用して、大腿骨の骨頭中心Aと足関節(距骨)中心B1とを結ぶ矯正前の実際の機能軸ML1と、理想的な目標機能軸ML2が作図される。目標機能軸ML2は、例えば、実際の機能軸ML1を、大腿骨の骨頭中心Aを支点として回転させて、脛骨関節面の内側縁から外側縁の距離を100%とした場合に内側縁から約60~65%の点F(例えば、外側隆起の外側縁)を通るように作図される。図2に示すように、O脚の場合、実際の機能軸ML1は、目標機能軸ML2よりも内側になる。
【0017】
そして、例えば、腓骨頭頂部から脛腓関節までのセーフゾーン内において、脛腓関節最近接部から約5mm内側の位置に、ヒンジ軸Hが設定される。ヒンジ軸Hと矯正前の足関節中心B1とを結ぶ直線H-B1と、ヒンジ軸Hと矯正後の目標となる足関節中心B2とを結ぶ直線H-B2とのなす角が、矯正角度θとなる。また、脛骨Tの内側端において、例えば、関節面から約35~40mm遠位側の位置に、骨切り開始点Eが設定される。ヒンジ軸Hと骨切り開始点Eとを結ぶ線が、骨切り面Sとなる。
【0018】
本実施形態のHTO支援治具1を用いる場合、骨切り面Sは、HTO支援治具1に関連付けられている。術前計画において、施術者の操作によりヒンジ軸Hが決定された後、ヒンジ軸Hを基準にHTO支援治具1が描画されたテンプレートR(図5参照)を至適な位置に合わせることにより、骨切り面Sは自動的に設定される。
【0019】
例えば、デジタルX線画像及びデジタルテンプレートを用いて術前計画を行う場合、大腿骨頭輪郭点(3点)、脛骨内外側縁点(計2点)、足関節内外側縁点(計2点)をデジタイズするだけで、コンピューターの演算により、デジタイズされた特徴点を元に、大腿骨骨頭中心A、目標機能軸通過点F、及び矯正前の足関節中心B1の3点が求められ、実際の機能軸ML1、目標機能軸ML2、及び矯正後の足関節中心B2が自動的に計算される。
そして、ヒンジ軸Hをマニュアルで設定し、テンプレートRを至適な位置に配置すると、骨切り面Sが自動的に設定される。また、ヒンジ軸H及び矯正前後の足関節中心B1、B2から矯正角度θが自動的に計算される。
【0020】
図3は、実施の形態に係るHTO支援治具1を示す斜視図である。図4Aは、HTO支援治具1を前側から見た平面図であり、図4Bは、HTO支援治具1を左側から見た平面図である。なお、図3図4A及び図4Bでは、HTO支援治具1が模式的に示されているのであって、HTO支援治具1の細部の構造は、図3図4A及び図4Bに示される構造に限定されない。
【0021】
図3等に示すHTO支援治具1は、右脚脛骨に対するOWHTO術において用いられる。左脚脛骨に対するOWHTO術において用いられるHTO支援治具は、左右方向に垂直な矢状面に関して対称な構造となる。
【0022】
HTO支援治具1は、術前計画で設定されたヒンジ軸H、骨切り面S、遠位スクリューボルト固定位置P1、近位スクリューボルト固定位置P2を設定できるように設計されている。形状やスクリューボルト固定位置が異なる複数の固定プレート5がある場合、HTO支援治具1は、固定プレート5ごとに用意される。
【0023】
具体的には、前述の骨切りアライメントのうち、骨切り面S、遠位スクリューボルト固定位置P1及び近位スクリューボルト固定位置P2は、HTO支援治具1に関連付けて予め設定されている。また、HTO支援治具1には、複数のヒンジ候補の中から、ヒンジ軸Hを選択して設定できるようになっている。なお、近位スクリューボルト固定位置P2は、術前計画において設定される矯正角度θに基づいて、適宜調整可能となっている。
【0024】
図3等に示すように、HTO支援治具1は、第1レジストレーション部材10、第2レジストレーション部材20、ヒンジ軸部材30、連結部材40、及びリファレンスアンテナ50等を備える。なお、図3では、リファレンスアンテナ50の図示が省略されている。HTO支援治具1を構成する各部材は、例えば、チタン等の金属材料で形成される。
【0025】
第1レジストレーション部材10は、脛骨Tに対するHTO支援治具1の位置決め、並びに、骨切り面S及び遠位スクリューボルト固定位置P1の設定を行うための部材である。第1レジストレーション部材10は、位置決めプレート11、骨切りガイド部12、第1ヒンジ設定用プレート13、及び遠位スクリューボルトガイド部14を有する。
【0026】
位置決めプレート11は、術中に脛骨内測に当接されて、HTO支援治具の位置決めを行う。位置決めプレート11の脛骨内側に当接する面は、HTO支援治具1を脛骨Tに設置したときにHTO支援治具1を安定した姿勢で保持できる形状を有している。
【0027】
骨切りガイド部12は、骨切り面Sを設定するための部分であり、骨切り方向に延在する筒形状を有する。本実施の形態では、位置決めプレート11の近位端に、3つの骨切りガイド部12が配置されている。骨切りガイド部12を介して、骨切り用のガイドピン61(いわゆるK-ワイヤー、図11参照)が脛骨Tの遠位骨片T1に刺入される。なお、骨切りガイド部12は、骨切りガイド部12を介して刺入されるガイドピン61によって、骨切り面Sが確定するように複数設けられていればよい。
【0028】
第1ヒンジ設定用プレート13は、前後方向に直交する主面(上下方向及び左右方向に拡がる主面)を有する板状部材である。第1ヒンジ設定用プレート13は、前後方向に延在する連結アーム16によって、位置決めプレート11と連結される。
【0029】
第1ヒンジ設定用プレート13は、前後方向に延在する複数の第1ヒンジ候補穴15を有している。複数の第1ヒンジ候補穴15は、骨切りガイド部12の指し示すガイド方向と同一直線上に配列される。つまり、HTO支援治具1を前方からみたときに、骨切りガイド部12の延長上に第1ヒンジ候補穴15が存在する。第1ヒンジ候補穴15の内径は、例えば、1.5~2.0mmである。図3等において、第1ヒンジ設定用プレート13は、第1ヒンジ候補穴15の配列方向に沿って延在しているが、第1ヒンジ設定用プレート13の前後方向から見た平面形状は、特に制限されない。
【0030】
遠位スクリューボルトガイド部14は、骨切りによって分割された遠位骨片T1に固定プレート5の遠位スクリューボルト固定位置P1を設定するための部分である。本実施の形態では、遠位スクリューボルトガイド部14は、位置決めプレート11に設けられた3つの穴で構成されている。遠位スクリューボルトガイド部14は、固定プレート5の遠位スクリューボルト穴51a~51c(図1B参照)に対応して設けられている。
【0031】
なお、遠位スクリューボルトガイド部14は、固定プレート5の4つの遠位スクリューボルト穴51a~51dのうちの2つ又は4つ全部に対応して設けられてもよい。すなわち、遠位スクリューボルトガイド部14は、遠位スクリューボルトガイド部14を介して刺入される遠位スクリューボルト用のガイドピン62(図11参照)によって、固定プレート5の遠位部分の固定位置が確定するように複数設けられていればよい。
【0032】
第2レジストレーション部材20は、近位骨片T2に対して近位スクリューボルト固定位置P2の設定を行うための部材である。第2レジストレーション部材20は、第2ヒンジ設定用プレート21及び近位スクリューボルトガイド部22を有する。
【0033】
第2ヒンジ設定用プレート21は、第1ヒンジ設定用プレート13と同様に、前後方向に直交する主面(上下方向及び左右方向に拡がる主面)を有する板状部材である。第2ヒンジ設定用プレート21は、前後方向に延在する連結アーム24によって、近位スクリューボルトガイド部22と連結される。
【0034】
第2ヒンジ設定用プレート21は、前後方向に延在する複数の第2ヒンジ候補穴23を有している。複数の第2ヒンジ候補穴23は、第1ヒンジ設定用プレート13に設けられた第1ヒンジ候補穴15に対応するように、一直線上に配列される。第2ヒンジ候補穴23の内径は、例えば、1.5~2.0mmである。第1ヒンジ設定用プレート13と同様に、第2ヒンジ設定用プレート21の前後方向から見た平面形状は、特に制限されない。
【0035】
近位スクリューボルトガイド部22は、骨切りによって分割された近位骨片T2に固定プレート5の近位スクリューボルト固定位置P2を設定するための部分である。本実施の形態では、近位スクリューボルトガイド部22は、2つのガイド筒で構成されている。近位スクリューボルトガイド部22は、固定プレート5の近位スクリューボルト穴51f、51h(図1B参照)に対応して設けられている。
【0036】
なお、近位スクリューボルトガイド部22は、固定プレート5の3つの遠位スクリューボルト穴51a~51cのうちの3つ全部に対応して設けられてもよい。すなわち、近位スクリューボルトガイド部22は、近位スクリューボルトガイド部22を介して刺入される近位スクリューボルト用のガイドピン63(図11参照)によって、固定プレート5の近位部分の固定位置が確定するように複数設けられていればよい。
【0037】
第1レジストレーション部材10及び第2レジストレーション部材20は、第1ヒンジ設定用プレート13の第1ヒンジ候補穴15が配置されている部分と、第2ヒンジ設定用プレート21の第2ヒンジ候補穴23が配置されている部分とが、前後方向に重なるように配置され、ヒンジ軸部材30及び連結部材40によって連結される。
【0038】
ヒンジ軸部材30は、第1レジストレーション部材10と第2レジストレーション部材20を前後方向に連結し、第1レジストレーション部材10に対して第2レジストレーション部材20を冠状面内で回転可能に支持する。ヒンジ軸部材30は、第1レジストレーション部材10の第1ヒンジ候補穴15及び第2レジストレーション部材20の第2ヒンジ候補穴23に挿脱自在に構成される。ヒンジ軸部材30が挿通される第1ヒンジ候補穴15と第2ヒンジ候補穴23の組は、術前計画に従って選択される。
【0039】
連結部材40は、第1レジストレーション部材10及び第2レジストレーション部材20を連結し、互いの相対姿勢を固定するための部材である。また、連結部材40は、ヒンジ軸部材30を支点として、第1レジストレーション部材10に対して第2レジストレーション部材20を回転させ、互いの相対姿勢を変化させる姿勢調整部として機能する。なお、HTO支援治具1は、連結部材40とは別体で、姿勢調整部を備えていてもよい。
【0040】
連結部材40は、連結長さを伸縮可能に構成されており、伸縮に伴い第1ヒンジ設定用プレート13及び第2ヒンジ設定用プレート21に対して両端部が回転するようになっている。また、連結部材40は、連結長さを固定できるようになっている。
【0041】
また、連結部材40には、連結長さを示す目盛り41が設けられており、第1ヒンジ設定用プレート13に対する第2ヒンジ設定用プレート21のヒンジ軸部材30を支点とする回転角度と、目盛り41とが関連付けられている。すなわち、ヒンジ軸部材30の位置と連結長さに基づいて、第1ヒンジ設定用プレート13に対する第2ヒンジ設定用プレート21のヒンジ軸部材30を支点とする回転角度を認識できるようになっている。
なお、HTO支援治具1は、第1レジストレーション部材10に対する第2レジストレーション部材20の回転角度を自動的に検出する角度センサー等の角度検出部(図示略)を備えていてもよい。
【0042】
リファレンスアンテナ50は、例えば、略上下方向に延在するロッド形の部材であり、第1ヒンジ設定用プレート13の上面に取り付けられる。リファレンスアンテナ50は、脛骨Tに対するHTO支援治具1の上下方向の位置を規定するために用いられる。リファレンスアンテナ50の近位側の先端部51を骨切りの基準面(例えば、脛骨近位外側関節面)に合わせることで、HTO支援治具1の上下方向の位置が確定する。
【0043】
リファレンスアンテナ50は、例えば、伸縮可能に構成され、先端部51の位置を調整可能である。すなわち、リファレンスアンテナ50は、リファレンスアンテナ50の長さによって規定されるHTO支援治具1の上下方向の位置が可変であるように構成される。これにより、術前計画において固定プレート5の位置調整、すなわちHTO支援治具1の上下方向の位置調整が行われる場合に容易に対応でき、脛骨Tに対して術前計画通りにHTO支援治具1を設置することができる。
【0044】
HTO支援治具1の初期状態において、第1ヒンジ候補穴15及び第2ヒンジ候補穴23は、前後方向に一致する。「初期状態」とは、遠位スクリューボルトガイド部14及び近位スクリューボルトガイド部22のそれぞれが、固定プレート5の遠位スクリューボルト穴及び近位スクリューボルト穴に対応している状態である。第1ヒンジ設定用プレート13に対する第2ヒンジ設定用プレート21の回転角度は、初期状態を基準(回転角度0°)にして表される。
【0045】
以下に、HTO支援治具1を用いてOWHTO術を行う場合の術前計画の作成及び実際の施術について説明する。本実施の形態では、2D画像を用いた術前計画の一例について説明する。
【0046】
術前計画では、図5に示すようなテンプレートRが用いられる。例えば、X線フィルムを用いてアナログ的に作図して術前計画を行う場合、フィルム状のテンプレートが用いられる。また例えば、デジタルX線画像を用いてコンピューターの演算により術前計画を行う場合、デジタルテンプレートが用いられる。
【0047】
テンプレートRには、HTO支援治具1の位置及び姿勢を示すレジストレーション情報I1、HTO支援治具1によって規定される骨切り面を示す骨切り面情報I2及びヒンジ候補を示すヒンジ候補情報I3が描画されている。また、テンプレートRには、遠位スクリューボルト固定位置P1を示す遠位スクリューボルト情報I4及び近位スクリューボルト固定位置P2(刺入方向)を示す近位スクリューボルト情報I5が描画されている。それぞれの情報は、脛骨Tとの位置関係を把握する上で、視覚的に容易に認識できる態様で描画される。デジタルテンプレートの場合、各情報は、2次元座標データを有する。
【0048】
図5において、レジストレーション情報I1は、HTO支援治具1を前側から見た状態をモデル化した画像で示されている。骨切り面情報I2、遠位スクリューボルト情報I4、及び近位スクリューボルト情報I5は、それぞれ、一点鎖線で示されている。また、ヒンジ候補情報I3は、円画像で示されている。なお、レジストレーション情報I1の表示態様は、図5に示すものに限定されない。すなわち、HTO支援治具1の脛骨Tに対する設置位置を確定できるように、少なくとも位置決めプレート11の脛骨当接面を示す情報を含んでいればよい。
【0049】
骨切り面情報I2、ヒンジ候補情報I3、遠位スクリューボルト情報I4、及び近位スクリューボルト情報I5は、レジストレーション情報I1に関連付けられている。すなわち、レジストレーション情報I1の位置又は姿勢が変化すると、それに対応して、骨切り面情報I2、ヒンジ候補情報I3、遠位スクリューボルト情報I4及び近位スクリューボルト情報I5の位置又は姿勢も変化する。また、近位スクリューボルト情報I5は、ヒンジ候補情報I3(術前計画において設定されるヒンジ軸H)を中心に回転可能となっている。
【0050】
以下、図6図9を参照して、本実施の形態における術前計画について説明する。なお、図6図9では、骨切り部を拡大して示している。
【0051】
術前計画では、図2を参照して説明したように、例えば、立位下肢全長のX線画像上で、大腿骨頭輪郭点(3点)、脛骨内外側縁点(計2点)、足関節内外側縁点(計2点)をデジタイズする。コンピューターの演算により、デジタイズされた特徴点を元に、大腿骨骨頭中心A、目標機能軸通過点F、及び矯正前の足関節中心B1の3点が求められ、実際の機能軸ML1、目標機能軸ML2、及び矯正後の足関節中心B2が自動的に計算される。
【0052】
そして、ヒンジ軸Hをマニュアルで設定すると、ヒンジ軸H及び矯正前後の足関節中心B1、B2から矯正角度θが自動的に計算される。その後、図6に示すように、テンプレートRを至適な位置に配置すると、骨切り面Sが自動的に決定される。
具体的には、HTO支援治具1のテンプレートRをX線画像に重ね合わせ、レジストレーション情報I1及びヒンジ候補情報I3を参照しながら、位置決めプレート11が脛骨内側骨皮質と適合し、かつ、設定されたヒンジ軸Hが複数のヒンジ候補穴のいずれかに一致するように、テンプレートRの位置及び姿勢を調整する。図6では、右側から2番目のヒンジ候補穴と、設定されたヒンジ軸Hが一致している。
【0053】
この時点で、図7に示すように、骨切り面S及び遠位スクリューボルト固定位置P1が仮決定される。次いで、図8に示すようにして、矯正後の下肢アライメント及び固定プレート5の形状適合性を確認する。
具体的には、仮決定された骨切り面Sで骨切りしたときの近位骨片画像I6が、ヒンジ軸Hを中心に矯正角度θだけ回転させた状態で表示される。また、レジストレーション情報I1を元に、固定プレート5のモデル画像I7が重畳して表示される。
【0054】
形状適合性が極端に悪い場合は、サイズ又は形状が異なる別のタイプの固定プレートに変更する必要がある。したがって、当該固定プレート用のHTO支援治具1を用いた場合の術前計画を改めて行う。固定プレート5の形状と矯正後のプレート設置部位との形状適合性を含めて術前計画を立てることにより、術中に固定プレート5の形状不適合が判明し、固定プレート5を設置した後に矯正角度θが損なわれるのを防止できる。
なお、形状適合性の乖離が小さい場合は、ヒンジ軸Hを設定し直すようにしてもよい。また、矯正後の骨形状と固定プレート5の適合性の判断は、図8に示す前後方向から見た正面像だけでなく、左右方向から見た側面像でも確認することが好ましい。
【0055】
次いで、図9に示すように、テンプレートRにリファレンスアンテナ情報I8を追加し、術中におけるHTO支援治具1の遠位近位位置(上下方向の位置)を定量的に決定する。リファレンスアンテナ情報I8は、リファレンスアンテナ50の延在方向を示す。例えば、脛骨近位外側関節面とリファレンスアンテナ情報I8との交点をデジタイズすることで、この点がリファレンスアンテナ50の先端部51の位置として設定されるとともに、リファレンスアンテナ50の長さが自動的に計算される。
このようにして、HTO支援治具1を用いてOWHTO術を行う際の術前計画が作成される。
【0056】
図10図14は、前述の術前計画に従うOWHTO術を説明する図である。OWHTO術は、術前計画に従ってX線透視下で確認しながら行われる。
【0057】
図10に示すように、OWHTO術に際し、予備的処理として、HTO支援治具1の状態を術前計画通りに設定する。具体的には、リファレンスアンテナ50の長さを、術前計画通りに調整する。ヒンジ軸部材30を、術前計画において選択されたヒンジ候補穴に挿通し、脱落不能に固定する。また、連結部材40の連結長さを調整し、第1レジストレーション部材10(第1ヒンジ設定用プレート13)に対して第2レジストレーション部材20(第2ヒンジ設定用プレート21)を、術前計画で設定された矯正角度θだけ回転させる。なお、初期状態のHTO支援治具1を骨切り部の至適位置に設置した後に、連結部材40における連結長さを調整して、第1レジストレーション部材10に対して第2レジストレーション部材20を回転させてもよい。
【0058】
そして、図11に示すように、HTO支援治具1を脛骨Tの所定部位に設置する。具体的には、位置決めプレート11の脛骨当接面を脛骨骨幹部に沿わせながら、リファレンスアンテナ50の先端部51を脛骨近位外側関節面と同一レベルに合わせる。これにより、脛骨Tに対するHTO支援治具1の位置が確定する。また、HTO支援治具1の設置位置が術前計画通りに再現され、HTO支援治具1は安定した姿勢で保持される。
【0059】
次に、骨切り部の至適位置に設置されたHTO支援治具1を用いて、骨切りアライメントを設定する。HTO支援治具1には、術前計画で設定されたヒンジ軸H、骨切り面S、遠位スクリューボルト固定位置P1及び近位スクリューボルト固定位置P2が関連付けられているので、術前計画通りの骨切りアライメントを容易に設定することができる。
【0060】
具体的には、図12に示すように、脛骨Tに対してガイドピン61~63を刺入する。
骨切り用のガイドピン61は、HTO支援治具1の骨切りガイド部12を介して3本刺入され、骨切り面Sを形成する際の指標として利用される。遠位スクリューボルト用のガイドピン62は、遠位スクリューボルトガイド部14を介して遠位骨片T1に刺入され、遠位スクリューボルト52a~52dを固定する際の指標として利用される。近位スクリューボルト用のガイドピン63は、近位スクリューボルトガイド部22を介して2本刺入され、近位スクリューボルト52f、52hを固定する際の指標として利用される。
【0061】
このように、HTO支援治具1を用いることにより、骨切り面S、固定プレート5の遠位スクリューボルト固定位置P1及び近位スクリューボルト固定位置P2を、骨切り前の安定した状態において設定することができる。また、第1レジストレーション部材10に対して第2レジストレーション部材20を回転させるという極めて簡単な動作により、矯正後(遠位骨片T1を矯正角度θだけ回転させた後)に固定プレート5の近位スクリューボルト穴51f~51hが向くこととなる方向が近位スクリューボルトガイド部22によって示されるので、遠位スクリューボルト固定位置P1だけでなく近位スクリューボルト固定位置P2も容易に設定することができる。そして、骨切り前に設定したスクリューボルト固定位置P1,P2を基準に固定プレート5を固定するので、骨切り面に不整合が生じていても術前計画通りに矯正することができる。
【0062】
次に、図12に示すように、HTO支援治具1を取り外し、骨切り用のガイドピン61を指標として、左側の脛骨内側からヒンジ軸Hに向かって骨切りを行う。そして、図13に示すように、遠位骨片T1を、ヒンジ軸Hを支点として遠位側に回転させ、開大させる。これにより、矯正角度θだけ脛骨Tが外側に曲がり、矯正される。
【0063】
次に、図13に示すように、遠位骨片T1と近位骨片T2とに跨るように固定プレート5を設置し、遠位スクリューボルト52a~52d及び近位スクリューボルト52e~52hによって固定する。遠位スクリューボルト52a~52d及び近位スクリューボルト52e~52hは、例えば、中空ボルトで構成されており、ガイドピン62、63に挿通させながら固定することができる。なお、遠位骨片T1の骨切り面と近位骨片T2の骨切り面の間には、人工骨又は自家骨が充填される。
【0064】
本実施の形態では、遠位スクリューボルト固定位置P1及び近位スクリューボルト固定位置P2が骨切り前に設定されているので、固定プレート5を適正な位置に確実に固定することができ、術前計画通りの矯正を獲得することができる。極端に言えば、術前計画に従って正確に骨切りが行われていなくても、固定プレート5が適切な位置に固定されることによって、術前計画通りの矯正を獲得することができる。施術者の骨切り技術にかかわらず適切な矯正が行われるので、矯正骨切り術の安定性が向上する。
【0065】
このようにして、OWHTO術が行われる。本実施の形態では、HTO支援治具1に、術前計画において設定された骨切りアライメントが関連付けられているので、術前計画通りにHTO支援治具1を調整し、設置することにより、術中において術前計画通りの骨切りアライメントが再現される。
【0066】
このように、本実施の形態に係るHTO支援治具1(骨切り術支援治具)は、管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、第1レジストレーション部材10と、第2レジストレーション部材20と、第1レジストレーション部材10に対して第2レジストレーション部材20を回転可能に支持するヒンジ軸部材30と、第1レジストレーション部材10及び第2レジストレーション部材20を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材40と、を備える。
第1レジストレーション部材10は、脛骨T(長管骨)に当接する位置決めプレート11と、骨切り面を設定するための骨切りガイド部12と、前後方向から見た平面視において、骨切りガイド部12のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴15を有する第1ヒンジ設定用プレート13と、骨切りによって分割される近位骨片T2及び遠位骨片T1のうち、遠位骨片T1に固定プレート5の遠位スクリューボルト固定位置P1を設定するための遠位スクリューボルトガイド部14と、を有する。
第2レジストレーション部材20は、複数の第1ヒンジ候補穴15に対応する複数の第2ヒンジ候補穴23を有する第2ヒンジ設定用プレート21と、近位骨片T2に固定プレート5の近位スクリューボルト固定位置P2を設定するための近位スクリューボルトガイド部22と、を有する。
第1ヒンジ候補穴15及び第2ヒンジ候補穴23は、初期状態において前後方向に一致し、ヒンジ軸部材30は、第1ヒンジ候補穴15及び第2ヒンジ候補穴23の複数の組のうちの一つに挿通される。
【0067】
HTO支援治具1によれば、HTO支援治具1によって骨切りアライメントが規定されるので、HTO支援治具1をモデル化したテンプレートを用いて術前計画を行うとともに、HTO支援治具1を用いてHTO術を行うことにより、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる。また、術前計画において、症例に応じて設定されたヒンジ軸Hを、複数のヒンジ候補穴から選択して設定することができるので、ヒンジ軸Hの設定が重要となるOWHTO術にも対応することができる。
さらに、近位骨片T2に対する近位スクリューボルト固定位置P2及び遠位骨片T1に対する遠位スクリューボルト固定位置P1を術前計画において予め確認でき、固定プレート5の固定位置を含めて適切な骨切りアライメントを設定することができる。また、骨切り後に、固定プレート5を適正な位置に確実に固定し、術前計画通りの矯正を獲得することができる。
【0068】
また、HTO支援治具1において、連結部材40は、ヒンジ軸部材30を支点として、第1レジストレーション部材10に対して第2レジストレーション部材20を回転させ、相対姿勢を変化させる姿勢調整部として機能する。
具体的には、連結部材40は、連結長さを伸縮可能に構成され、連結長さと、第1レジストレーション部材10に対する第2レジストレーション部材20の回転角度とが、関連付けられている。
これにより、近位スクリューボルトガイド部22を、矯正角度θに応じた位置に、容易に固定することができる。
【0069】
また、HTO支援治具1は、第1レジストレーション部材10に配置され、上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナ50をさらに備える。
さらに、リファレンスアンテナ50によって規定される上下方向における位置が可変である。
これにより、術前計画において固定プレート5の位置調整、すなわちHTO支援治具1の上下方向の位置調整が行われる場合に容易に対応でき、脛骨Tに対して術前計画通りにHTO支援治具1を設置することができる。
【0070】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0071】
例えば、HTO支援治具1において、骨切りガイド部12及び第1ヒンジ設定用プレート13は、位置決めプレート11に対して、骨切りガイド部12のガイド方向を多段階(例えば、3段階)に変更可能に接続されてもよい。例えば、位置決めプレート11の近位端部に回転軸が設け、この回転軸を中心に骨切りガイド部12及び第1ヒンジ設定用プレートが所定角度(例えば5°)で離散的に回転できるように構成される。この場合、第2ヒンジ設定用プレート21には、第1ヒンジ候補穴15が取り得るすべての位置に対応して、第2ヒンジ候補穴23が設けられる。
これにより、ヒンジ軸Hの位置、矯正角度θ、並びに、固定プレート5の位置及びサイズの組み合わせは、症例によって多様であるが、様々な症例に幅広く対応することができる。
【0072】
本発明は、実施の形態で説明したOWHTO術だけでなく、CWHOT術や大腿骨等の長管骨の矯正骨切り術に適用することができる。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0074】
1 HTO支援治具(骨切り術支援治具)
10 第1レジストレーション部材
11 位置決めプレート
12 骨切りガイド部
13 第1ヒンジ設定用プレート
14 遠位スクリューボルトガイド部
20 第2レジストレーション部材
21 第2ヒンジ設定用プレート
22 近位スクリューボルトガイド部
30 ヒンジ軸部材
40 連結部材
50 リファレンスアンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴は、初期状態において前記前後方向に一致し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される、
骨切り術支援治具。
【請求項2】
前記長管骨は、脛骨であり、
前記位置決めプレートは、前記脛骨の骨幹部に当接する、
請求項1に記載の骨切り術支援治具。
【請求項3】
前記連結部材は、前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材を回転させ、前記相対姿勢を変化させる姿勢調整部として機能する、
請求項1又は2に記載の骨切り術支援治具。
【請求項4】
前記連結部材は、連結長さを伸縮可能に構成され、
前記連結長さと、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の回転角度とが、関連付けられている、
請求項3に記載の骨切り術支援治具。
【請求項5】
前記第1レジストレーション部材に配置され、上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナをさらに備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項6】
前記リファレンスアンテナによって規定される前記上下方向における位置が可変である、
請求項5に記載の骨切り術支援治具。
【請求項7】
前記骨切りガイド部及び前記第1ヒンジ設定用プレートは、前記位置決めプレートに対して、前記ガイド方向を多段階に変更可能に接続され、
前記第2ヒンジ設定用プレートは、前記第1ヒンジ候補穴が取り得るすべての位置に対応して、前記第2ヒンジ候補穴を有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項8】
前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材が回転したときの回転角度を検出する角度検出部をさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項9】
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
前記骨切り術支援治具の配置の基準であり、遠位骨片に固定される遠位スクリューボルトの位置を示す遠位スクリューボルトガイド部を有する位置決めプレートと、複数のヒンジ候補位置を有するヒンジ設定用プレートと、を有する第1レジストレーション部材と、
近位骨片に固定される近位スクリューボルトの位置を示す近位スクリューボルトガイド部を有し、前記第1レジストレーション部材に接続され、複数の前記ヒンジ候補位置のいずれかを中心に回動可能、且つ、任意の角度で固定可能に構成された第2レジストレーション部材と、
を備え、
前記遠位骨片に固定される前記遠位スクリューボルトの位置と、前記近位骨片に固定される前記近位スクリューボルトの位置とを位置決めする、
骨切り術支援治具。
【請求項10】
前記ヒンジ設定用プレートは、複数の前記ヒンジ候補位置となる軸穴を列状に配置した板状部材である、
請求項9に記載の骨切り術支援治具。
【請求項11】
前記第1レジストレーション部材は、骨切り方向に延在し骨切り面を示す骨切りガイド部を有する、
請求項9又は10に記載の骨切り術支援治具。
【請求項12】
前記第1レジストレーション部材は、複数の前記ヒンジ候補位置となる軸穴の配列方向と一致する方向に延在する、骨切り面を示す骨切りガイド部を有する、
請求項9又は10に記載の骨切り術支援治具。
【請求項13】
前記骨切りガイド部は、骨切りガイドピンを保持する筒状体である、
請求項11又は12に記載の骨切り術支援治具。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具の表示装置であって、
前記骨切り術支援治具の画像に、骨切り術前の管骨の画像を重畳して表示する画面と、
骨切り術後の管骨の画像に、前記遠位骨片に固定されるボルトの位置と前記近位骨片に固定されるボルトの位置とにより位置決めされる固定プレートの画像を重畳して表示する画面とを、
切り換えて表示する、
骨切り術支援治具の表示装置。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具の表示方法であって、
前記骨切り術支援治具の画像に、骨切り術前の管骨の画像を重畳して表示する画面と、
骨切り術後の管骨の画像に、前記遠位骨片に固定されるボルトの位置と前記近位骨片に固定されるボルトの位置とにより位置決めされる固定プレートの画像を重畳して表示する画面とを、
切り換えて表示する、
骨切り術支援治具の表示方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、長管骨矯正用の骨切り術支援治具、並びに骨切り術支援治具の表示装置及び表示方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の目的は、OWHTO術にも適用でき、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる骨切り術支援治具、並びに骨切り術支援治具の表示装置及び表示方法を提供することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係る骨切り術支援治具は、
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴は、初期状態において前記前後方向に一致し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される。
本発明に係る骨切り術支援治具は、
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
前記骨切り術支援治具の配置の基準であり、遠位骨片に固定される遠位スクリューボルトの位置を示す遠位スクリューボルトガイド部を有する位置決めプレートと、複数の第1ヒンジ候補位置を有する第1ヒンジ設定用プレートと、を有する第1レジストレーション部材と、
近位骨片に固定される近位スクリューボルトの位置を示す近位スクリューボルトガイド部を有し、前記第1レジストレーション部材に接続され、前記複数のヒンジ候補位置のいずれかを中心に回動可能、且つ、任意の角度で固定可能に構成された第2レジストレーション部材と、
を備え、
前記遠位骨片に固定される前記遠位スクリューボルトの位置と、前記近位骨片に固定される前記近位スクリューボルトの位置とを位置決めする。
本発明に係る骨切り術支援治具の表示装置は、
上記の骨切り術支援治具の表示装置であって、
前記骨切り術支援治具の画像に、骨切り術前の管骨の画像を重畳して表示する画面と、
骨切り術後の管骨の画像に、前記遠位骨片に固定されるボルトの位置と前記近位骨片に固定されるボルトの位置とにより位置決めされる固定プレートの画像を重畳して表示する画面とを、
切り換えて表示する。
本発明に係る骨切り術支援治具の表示方法は、
上記の骨切り術支援治具の表示方法であって、
前記骨切り術支援治具の画像に、骨切り術前の管骨の画像を重畳して表示する画面と、
骨切り術後の管骨の画像に、前記遠位骨片に固定されるボルトの位置と前記近位骨片に固定されるボルトの位置とにより位置決めされる固定プレートの画像を重畳して表示する画面とを、
切り換えて表示する。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される、
骨切り術支援治具。
【請求項2】
前記長管骨は、脛骨であり、
前記位置決めプレートは、前記脛骨の骨幹部に当接する、
請求項1に記載の骨切り術支援治具。
【請求項3】
前記連結部材は、前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材を回転させ、前記相対姿勢を変化させる姿勢調整部として機能する、
請求項1又は2に記載の骨切り術支援治具。
【請求項4】
前記連結部材は、連結長さを伸縮可能に構成され、
前記連結長さと、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の回転角度とが、関連付けられている、
請求項3に記載の骨切り術支援治具。
【請求項5】
前記第1レジストレーション部材に配置され、上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナをさらに備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項6】
前記リファレンスアンテナによって規定される前記上下方向における位置が可変である、
請求項5に記載の骨切り術支援治具。
【請求項7】
前記骨切りガイド部及び前記第1ヒンジ設定用プレートは、前記位置決めプレートに対して、前記ガイド方向を多段階に変更可能に接続され、
前記第2ヒンジ設定用プレートは、前記第1ヒンジ候補穴が取り得るすべての位置に対応して、前記第2ヒンジ候補穴を有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項8】
前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材が回転したときの回転角度を検出する角度検出部をさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項9】
脛骨の切断位置と、管骨矯正骨切り術後に使用する固定プレートに接続する遠位スクリューボルト及び近位スクリューボルトの位置決めと、に使用する骨切り術支援治具であって、
配置の基準となる位置決めプレート及び切断の基準となる骨切りガイド部を有し、前記管骨の切断位置及び前記遠位スクリューボルトの位置の設定を行う第1レジストレーション部材と、
前記第1レジストレーション部材に対して、複数の位置で回動可能、且つ、任意の角度で固定可能に接続された、前記近位スクリューボルトの位置の設定を行う第2レジストレーション部材と、を備え、
前記第1レジストレーション部材の位置と、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の接続位置と接続角度により、前記脛骨の切断位置、前記遠位スクリューボルト及び前記近位スクリューボルトの位置決めをする、
骨切り術支援治具。
【請求項10】
術前計画において、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具をモデル化したテンプレートを、脛骨のX線画像に重畳して表示させる、
骨切り術支援表示方法。
【請求項11】
術前計画において、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具をモデル化したテンプレートを用いて骨切りしたときの近位骨片を、矯正角度θ回転させた状態で、遠位骨片と共に表示させた画像に、固定プレートのモデル画像を重畳して表示させる、
請求項10記載の骨切り術支援表示方法。
【請求項12】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具を、側面視でモデル化したテンプレートであって、
位置決めプレート、骨切り面位置、ヒンジ候補位置、遠位スクリューボルト位置及び近位スクリューボルト位置を含む、フィルム状テンプレート又はデジタルテンプレート。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、長管骨矯正用の骨切り術支援治具、骨切り術支援表示方法及びテンプレートに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の目的は、OWHTO術にも適用でき、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる骨切り術支援治具、骨切り術支援表示方法及びテンプレートを提供することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係る骨切り術支援治具は、
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される。
本発明に係る骨切り術支援治具は、
脛骨の切断位置と、管骨矯正骨切り術後に使用する固定プレートに接続する遠位スクリューボルト及び近位スクリューボルトの位置決めと、に使用する骨切り術支援治具であって、
配置の基準となる位置決めプレート及び切断の基準となる骨切りガイド部を有し、前記管骨の切断位置及び前記遠位スクリューボルトの位置の設定を行う第1レジストレーション部材と、
前記第1レジストレーション部材に対して、複数の位置で回動可能、且つ、任意の角度で固定可能に接続された、前記近位スクリューボルトの位置の設定を行う第2レジストレーション部材と、を備え、
前記第1レジストレーション部材の位置と、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の接続位置と接続角度により、前記脛骨の切断位置、前記遠位スクリューボルト及び前記近位スクリューボルトの位置決めをする。
本発明に係る骨切り術支援表示方法は、
術前計画において、上記の骨切り術支援治具をモデル化したテンプレートを、脛骨のX線画像に重畳して表示させる。
本発明に係るフィルム状テンプレート又はデジタルテンプレートは、
上記の骨切り術支援治具を、側面視でモデル化したテンプレートであって、
位置決めプレート、骨切り面位置、ヒンジ候補位置、遠位スクリューボルト位置及び近位スクリューボルト位置を含む。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される、
骨切り術支援治具。
【請求項2】
前記長管骨は、脛骨であり、
前記位置決めプレートは、前記脛骨の骨幹部に当接する、
請求項1に記載の骨切り術支援治具。
【請求項3】
前記連結部材は、前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材を回転させ、前記相対姿勢を変化させる姿勢調整部として機能する、
請求項1又は2に記載の骨切り術支援治具。
【請求項4】
前記連結部材は、連結長さを伸縮可能に構成され、
前記連結長さと、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の回転角度とが、関連付けられている、
請求項3に記載の骨切り術支援治具。
【請求項5】
前記第1レジストレーション部材に配置され、上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナをさらに備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項6】
前記リファレンスアンテナによって規定される前記上下方向における位置が可変である、
請求項5に記載の骨切り術支援治具。
【請求項7】
前記骨切りガイド部及び前記第1ヒンジ設定用プレートは、前記位置決めプレートに対して、前記ガイド方向を多段階に変更可能に接続され、
前記第2ヒンジ設定用プレートは、前記第1ヒンジ候補穴が取り得るすべての位置に対応して、前記第2ヒンジ候補穴を有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項8】
前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材が回転したときの回転角度を検出する角度検出部をさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項9】
管骨の切断位置と、管骨矯正骨切り術後に使用する固定プレートに接続する遠位スクリューボルト及び近位スクリューボルトの位置決めと、に使用する骨切り術支援治具であって、
配置の基準となる位置決めプレート及び切断の基準となる骨切りガイド部を有し、前記管骨の切断位置及び前記遠位スクリューボルトの位置の設定を行う第1レジストレーション部材と、
前記第1レジストレーション部材に対して、複数の候補位置から選択される軸を中心に回動可能、且つ、任意の回動角度で固定可能に接続され、前記近位スクリューボルトの位置の設定を行う第2レジストレーション部材と、を備え、
前記第1レジストレーション部材の位置と、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の接続位置と接続角度により、前記管骨の切断位置、前記遠位スクリューボルト及び前記近位スクリューボルトの位置決めをする、
骨切り術支援治具。
【請求項10】
請求項1又は請求項9に記載の骨切り術支援治具を、側面視でモデル化したテンプレートであって、
前記位置決めプレート情報と、
前記第1レジストレーション部材の情報と、
前記第2レジストレーション部材の情報と、
前記ヒンジ候補穴の位置情報又は前記第2レジストレーション部材の回動軸の位置情報と、
遠位スクリューボルト位置情報及び近位スクリューボルト位置情報と、
を含むフィルム状テンプレート又はデジタルテンプレート。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、長管骨矯正用の骨切り術支援治具及びテンプレートに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の目的は、OWHTO術にも適用でき、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる骨切り術支援治具及びテンプレートを提供することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係る骨切り術支援治具は、
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される。
また、本発明に係る骨切り術支援治具は、
管骨の切断位置と、管骨矯正骨切り術後に使用する固定プレートに接続する遠位スクリューボルト及び近位スクリューボルトの位置決めと、に使用する骨切り術支援治具であって、
配置の基準となる位置決めプレート及び切断の基準となる骨切りガイド部を有し、前記管骨の切断位置及び前記遠位スクリューボルトの位置の設定を行う第1レジストレーション部材と、
前記第1レジストレーション部材に対して、複数の候補位置から選択される軸を中心に回動可能、且つ、任意の回動角度で固定可能に接続され、前記近位スクリューボルトの位置の設定を行う第2レジストレーション部材と、を備え、
前記第1レジストレーション部材の位置と、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の接続位置と接続角度により、前記管骨の切断位置、前記遠位スクリューボルト及び前記近位スクリューボルトの位置決めをする。
また、本発明に係るフィルム状テンプレート又はデジタルテンプレートは、
上記の骨切り術支援治具を、側面視でモデル化したテンプレートであって、
前記位置決めプレート情報と、
前記第1レジストレーション部材の情報と、
前記第2レジストレーション部材の情報と、
前記ヒンジ候補穴の位置情報又は前記第2レジストレーション部材の回動軸の位置情報と、
遠位スクリューボルト位置情報及び近位スクリューボルト位置情報と、を含む。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される、
骨切り術支援治具。
【請求項2】
前記長管骨は、脛骨であり、
前記位置決めプレートは、前記脛骨の骨幹部に当接する、
請求項1に記載の骨切り術支援治具。
【請求項3】
前記連結部材は、前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材を回転させ、前記相対姿勢を変化させる姿勢調整部として機能する、
請求項1又は2に記載の骨切り術支援治具。
【請求項4】
前記連結部材は、連結長さを伸縮可能に構成され、
前記連結長さと、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の回転角度とが、関連付けられている、
請求項3に記載の骨切り術支援治具。
【請求項5】
前記第1レジストレーション部材に配置され、上下方向の位置を規定するためのリファレンスアンテナをさらに備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項6】
前記リファレンスアンテナによって規定される前記上下方向における位置が可変である、
請求項5に記載の骨切り術支援治具。
【請求項7】
前記骨切りガイド部及び前記第1ヒンジ設定用プレートは、前記位置決めプレートに対して、前記ガイド方向を多段階に変更可能に接続され、
前記第2ヒンジ設定用プレートは、前記第1ヒンジ候補穴が取り得るすべての位置に対応して、前記第2ヒンジ候補穴を有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項8】
前記ヒンジ軸部材を支点として、前記第1レジストレーション部材に対して前記第2レジストレーション部材が回転したときの回転角度を検出する角度検出部をさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の骨切り術支援治具。
【請求項9】
管骨の切断位置と、管骨矯正骨切り術後に使用する固定プレートに接続する遠位スクリューボルト及び近位スクリューボルトの位置決めと、に使用する骨切り術支援治具であって、
配置の基準となる位置決めプレート及び切断の基準となる骨切りガイド部を有し、前記管骨の切断位置及び前記遠位スクリューボルトの位置の設定を行う第1レジストレーション部材と、
前記第1レジストレーション部材に対して、複数の候補位置から選択される軸を中心に回動可能、且つ、任意の回動角度で固定可能に接続され、前記近位スクリューボルトの位置の設定を行う第2レジストレーション部材と、を備え、
前記第1レジストレーション部材の位置と、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の接続位置と接続角度により、前記管骨の切断位置、前記遠位スクリューボルト及び前記近位スクリューボルトの位置決めをする、
骨切り術支援治具。
【請求項10】
請求項1又は請求項9に記載の骨切り術支援治具を、側面視でモデル化したデジタルテンプレートであって、
骨切り術支援治具の位置及び姿勢を示すレジストレーション情報と、
前記骨切り術支援治具によって規定される骨切り面を示す骨切り面情報と、
前記ヒンジ候補穴の情報又は前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の回動軸の候補位置情報と、
前記遠位スクリューボルトの固定位置情報と、
前記近位スクリューボルトの固定位置情報と、
を含んで描画されるデジタルテンプレート。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、長管骨矯正用の骨切り術支援治具及びデジタルテンプレートに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の目的は、OWHTO術にも適用でき、術前計画において設定された骨切りアライメントを、術中に正確に再現させることができる骨切り術支援治具及びデジタルテンプレートを提供することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に係る骨切り術支援治具は、
管骨矯正骨切り術に用いられる骨切り術支援治具であって、
第1レジストレーション部材と、
第2レジストレーション部材と、
第1レジストレーション部材に対して第2レジストレーション部材を回転可能に支持するヒンジ軸部材と、
前記第1レジストレーション部材及び前記第2レジストレーション部材を連結し、互いの相対姿勢を固定する連結部材と、
を備え、
前記第1レジストレーション部材は、
長管骨に当接する位置決めプレートと、
骨切り面を設定するための骨切りガイド部と、
前後方向から見た平面視において、前記骨切りガイド部のガイド方向と同一直線上に配列された複数の第1ヒンジ候補穴を有する第1ヒンジ設定用プレートと、
骨切りによって分割される近位骨片及び遠位骨片のうち、前記遠位骨片に固定プレートの遠位スクリューボルト固定位置を設定するための遠位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記第2レジストレーション部材は、
複数の前記第1ヒンジ候補穴に対応する複数の第2ヒンジ候補穴を有する第2ヒンジ設定用プレートと、
前記近位骨片に前記固定プレートの近位スクリューボルト固定位置を設定するための近位スクリューボルトガイド部と、を有し、
前記ヒンジ軸部材は、前記第1ヒンジ候補穴及び前記第2ヒンジ候補穴の複数の組のうちの一つに挿通される。
また、本発明に係る骨切り術支援治具は、
管骨の切断位置と、管骨矯正骨切り術後に使用する固定プレートに接続する遠位スクリューボルト及び近位スクリューボルトの位置決めと、に使用する骨切り術支援治具であって、
配置の基準となる位置決めプレート及び切断の基準となる骨切りガイド部を有し、前記管骨の切断位置及び前記遠位スクリューボルトの位置の設定を行う第1レジストレーション部材と、
前記第1レジストレーション部材に対して、複数の候補位置から選択される軸を中心に回動可能、且つ、任意の回動角度で固定可能に接続され、前記近位スクリューボルトの位置の設定を行う第2レジストレーション部材と、を備え、
前記第1レジストレーション部材の位置と、前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の接続位置と接続角度により、前記管骨の切断位置、前記遠位スクリューボルト及び前記近位スクリューボルトの位置決めをする。
また、本発明に係るデジタルテンプレートは、
上記の骨切り術支援治具を、側面視でモデル化したデジタルテンプレートであって、
前記骨切り術支援治具の位置及び姿勢を示すレジストレーション情報と、
前記骨切り術支援治具によって規定される骨切り面を示す骨切り面情報と、
前記ヒンジ候補穴の情報又は前記第1レジストレーション部材に対する前記第2レジストレーション部材の回動軸の候補位置情報と、
前記遠位スクリューボルトの固定位置情報と、
前記近位スクリューボルトの固定位置情報と、
を含んで描画されるデジタルテンプレートである。