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特開2023-106056情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106056
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20230725BHJP
   G06Q 30/02 20230101ALI20230725BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007175
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池本 佳史
(72)【発明者】
【氏名】助光 康大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者に関する有益な情報を提供可能にする情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムを提供する。
【解決手段】情報提供装置10は、収集部と、算出部と、を備える。収集部は、利用者情報を収集するS1。算出部は、利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者と関係性を有する第2利用者の取引対象に関する信頼度を算出するS5。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者情報を収集する収集部と、
前記利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者と関係性を有する第2利用者の前記取引対象に関する信頼度を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記利用者情報が示す、各利用者における登録情報、履歴情報または位置情報に基づいて、所定の媒体から前記取引対象を推奨する第1推奨情報を取得した後に前記購買行動を行った前記第1利用者を特定し、前記購買行動の前に前記第1利用者に対する前記取引対象を推奨する第2推奨情報を供与した前記第2利用者を特定する特定部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記第2利用者における前記取引対象の所有の有無に基づいて、前記信頼度を算出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記第2利用者における前記取引対象に関する理解度に基づいて、前記信頼度を算出する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記第1利用者と前記第2利用者との間で端末を用いた通信に基づいて、前記信頼度を算出する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記第1利用者と前記第2利用者との位置情報が示す接触行動に基づいて、前記信頼度を算出する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記第1利用者における前記購買行動を行う前の履歴情報に基づいて、前記信頼度を算出する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記算出部は、前記第2利用者が前記第2推奨情報を供与した前記第1利用者の人数に基づいて、前記信頼度を算出する、
ことを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記信頼度に基づいて、前記第2利用者に対して提供する提供情報を送信する送信部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項10】
情報提供装置によって実行される情報提供方法であって、
利用者情報を収集する収集工程と、
前記利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者と関係性を有する第2利用者の前記取引対象に関する信頼度を算出する算出工程と、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項11】
利用者情報を収集する収集手順と、
前記利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者と関係性を有する第2利用者の前記取引対象に関する信頼度を算出する算出手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、インターネット上の種々の情報を用いた分析に関する技術が提供されている。例えば、購買履歴データ等を用いて時期のトレンドを考慮して顧客(適宜、「利用者」)を分析する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-146145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術は、利用者に関する有益な情報を提供する上で改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に関する有益な情報を提供可能にする情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、利用者情報を収集する収集部と、前記利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者と関係性を有する第2利用者の前記取引対象に関する信頼度を算出する算出部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報提供方法は、情報提供装置によって実行される情報提供方法であって、利用者情報を収集する収集工程と、前記利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者と関係性を有する第2利用者の前記取引対象に関する信頼度を算出する算出工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報提供プログラムは、利用者情報を収集する収集手順と、前記利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者と関係性を有する第2利用者の前記取引対象に関する信頼度を算出する算出手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、利用者に関して有益な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る情報提供システムの処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る利用者情報記憶部の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る信頼度情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る信頼度算出処理の具体例1を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る信頼度算出処理の具体例2を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る信頼度算出処理の具体例3を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る信頼度算出処理の具体例4を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを実施するための形態(以下、実施形態)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係る情報提供システム100の処理、情報提供装置10の構成、信頼度算出処理の具体例、情報提供処理の流れを順に説明し、最後に実施形態の効果を説明する。
【0013】
[1.情報提供システム100の処理]
図1を用いて、実施形態に係る情報提供システム(適宜、本システム)100の処理を説明する。図1は、実施形態に係る情報提供システムの処理の一例を示す図である。以下では、本システム100の構成例、本システム100の処理、本システム100の効果の順に説明する。
【0014】
(1-1.システム100の構成例)
図1に示した情報提供システム100は、情報提供装置10と、利用者端末20(第1利用者端末20A、第2利用者端末20B)とを有する。ここで、情報提供装置10と、利用者端末20とは、図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。また、同様に、第1利用者端末20Aと、第2利用者端末20Bとは、図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、本システム100には、複数台の情報提供装置10が含まれてもよい。
【0015】
(1-1-1.情報提供装置10)
情報提供装置10は、利用者端末20(20A、20B)との間でデータの送受信を行う装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。図1の例では、情報提供装置10がサーバ装置により実現される場合を示す。
【0016】
(1-1-2.利用者端末20)
利用者端末20(20A、20B)は、ウェブページを閲覧したり、ウェブ上でインターネットショッピング等を行ったりする利用者U(第1利用者UA、第2利用者UB)によって使用されるデバイス(コンピュータ)である。第1利用者端末20Aは、第1利用者UAによる操作を受け付ける。また、第2利用者端末20Bは、第2利用者UBによる操作を受け付ける。なお、利用者端末20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。図1の例では、利用者端末20がスマートフォンにより実現される場合を示す。
【0017】
(1-2.システム100の処理)
(1-2-1.ステップS1の処理)
本システム100において、第1に、情報提供装置10は、第1利用者端末20Aから第1利用者UAの利用者情報を収集する(ステップS1)。ここで、利用者情報とは、本システム100の利用者Uに関する情報であって、例えば、登録情報、履歴情報、位置情報等を含む情報である。登録情報は、利用者Uの性別、年齢、年代、職業、年収、居住地、既婚・未婚の別、子供の有無等の利用者属性の他、利用者Uの知人・友人や所属するコミュニティ等の交遊関係に関する情報である。履歴情報は、購買履歴、閲覧履歴、検索履歴、通信履歴等の情報である。位置情報は、利用者端末20によって取得される利用者Uの位置、移動等に関する情報である。さらに、利用者情報は、利用者端末20の画面情報、生体情報等を含む情報であってもよく、特に限定されない。また、図1の例では、情報提供装置10は、第1利用者UAの利用者情報を第1利用者端末20Aから取得しているが、図示しない利用者Uの端末、その他の端末・データベース等から取得してもよい。
【0018】
(1-2-2.ステップS2の処理)
本システム100において、第2に、情報提供装置10は、収集した第1利用者UAの利用者情報から、利用者UAの取引対象の購買行動の有無を判定する(ステップS2)。すなわち、情報提供装置10は、複数の利用者Uの閲覧履歴、購買履歴等の履歴情報を用いて、所定の媒体(メディア)から取引対象を推奨(レコメンド)する広告等の一次情報を取得した後に、当該取引対象を購入した第1利用者UAを特定する。ここで、一次情報を供与する媒体は、ウェブ(Web)広告、人物、SNS(Social Networking Service)等であるが、特に限定されない。
【0019】
(1-2-3.ステップS3の処理)
本システム100において、第3に、情報提供装置10は、第2利用者端末20Bから第2利用者UBの利用者情報を収集する(ステップS3)。また、図1の例では、情報提供装置10は、第2利用者UBの利用者情報を第2利用者端末20Bから取得しているが、図示しない利用者Uの端末、その他の端末・データベース等から取得してもよい。
【0020】
(1-2-4.ステップS4の処理)
本システム100において、第4に、情報提供装置10は、収集した第2利用者UBの利用者情報から、第2利用者UBによる第1利用者UAに対する取引対象のレコメンドの有無を判定する(ステップS4)。すなわち、情報提供装置10は、複数の利用者Uの登録情報、通信履歴等の履歴情報、位置情報を用いて、第1利用者UAの取引対象の購買行動の前に、第1利用者UAに対する当該取引対象をレコメンドするメッセージ等の二次情報を供与した第2利用者UBを特定する。ここで、二次情報は、利用者端末20を用いた通信、通話の他、対面で直接行った会話等であるが、特に限定されない。
【0021】
(1-2-5.ステップS5の処理)
本システム100において、第5に、情報提供装置10は、収集した利用者情報から、第2利用者UBの信頼度を算出する(ステップS5)。ここで、信頼度とは、取引対象の購買行動を行った第1利用者UAに対する、第2利用者UBの当該購買行動の後押しの程度を数値化したものである。例えば、情報提供装置10は、利用者U(UA、UB)の登録情報、履歴情報、位置情報等に基づいて、機械学習モデルを用いて、第1利用者UAに対する第2利用者UBの影響の程度に応じて0~1の数値をとるように信頼度を算出する。例えば、情報提供装置10は、利用者Uの登録情報と、履歴情報と、位置情報とが入力された際に、第1利用者UAと関係性を有する第2利用者UBごとの信頼度を出力するように学習されたDNN(Deep Neural Network)等の機械学習モデルを用いて、信頼度を算出する。また、情報提供装置10は、ルールベースで信頼度を算出してもよい。
【0022】
上述したステップS5について、具体的な例を用いて説明する。以下では、第1利用者UAが商品Xの一次情報を取得し、第2利用者UBによる商品Xの二次情報を取得し、最終的に商品Xを購入した例について説明する。
【0023】
例えば、情報提供装置10は、第2利用者UBが商品Xを所有していれば、信用力があるとして高い信頼度を算出する。また、情報提供装置10は、第2利用者UBの商品Xに対する理解が深ければ、信用力があるとして高い信頼度を算出する。また、情報提供装置10は、第1利用者UAと第2利用者UBとの利用者端末を用いたメッセージの頻度や、メッセージや通話における商品Xの出現回数等に応じて信頼度を算出する。また、情報提供装置10は、第1利用者UAと第2利用者UBとの接触回数、接触時間、接触頻度等に応じて信頼度を算出する。また、情報提供装置10は、第1利用者UAの商品Xの購入前における購入確率が低かったり、二次情報の取得から商品Xの購入までの時間が短かったりする場合には、第2利用者UBの影響が大きいとして高い信頼度を算出する。また、情報提供装置10は、第2利用者UBが商品Xの二次情報を供与した第1利用者UAの人数に応じて信頼度を算出する。
【0024】
(1-2-6.ステップS6の処理)
本システム100において、第6に、情報提供装置10は、特定した第2利用者UBの第2利用者端末20Bに対して提供情報を送信する(ステップS6)。上記ステップS5の例を用いて説明すると、例えば、情報提供装置10は、第2利用者UBに対して、商品Xの関連商品Yをレコメンドする広告を送信する。また、情報提供装置10は、情報提供装置10は、第2利用者UBに対して、商品Xや関連商品Yの割引クーポン等の特典を送信してもよい。
【0025】
(1-2-7.ステップS7の処理)
本システム100において、第7に、情報提供装置10は、算出した信頼度を学習する(ステップS7)。例えば、情報提供装置10は、第1利用者UAの第2利用者UBに対する後押しを示す情報(登録情報、履歴情報、位置情報)が機械学習モデルに入力された場合には、第2利用者UBの信頼度を「1」に近づく数値として出力するように、バックプロパゲーション等を用いて学習する。
【0026】
(1-3.システム100の効果)
本システム100では、情報提供装置10は、利用者端末20(20A、20B)を介して利用者U(UA,UB)に関する利用者情報を収集し、収集した利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者UAと関係性を有する第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。このため、本システム100では、コミュニティ内において、メディア等が発信した一次情報の信頼を後押ししてくれる対象者を発見することができる。また、本システム100では、コミュニティ内において発信されるリアルな口コミを推定することができる。
【0027】
また、本システム100では、収集した利用者情報が示す、各利用者における登録情報、履歴情報または位置情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者UAと関係性を有する第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。このとき、情報提供装置10は、利用者情報が示す、各利用者における登録情報、履歴情報または位置情報に基づいて、所定のメディアから取引対象をレコメンドする一次情報を取得した後に購買行動を行った第1利用者UAを特定し、当該購買行動の前に第1利用者UAに対する取引対象をレコメンドする二次情報を供与した第2利用者UBを特定する。このため、本システム100は、一次情報をインプレッションした利用者がインプレッション対象のコンバージョンに至らせる情報提供を行う可能性が高いフォローアップユーザを精度よく特定することができる。
【0028】
[2.情報提供装置10の構成]
図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報提供装置10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、情報提供装置10は、情報提供装置10の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0029】
(2-1.通信部11)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、所定の通信網(ネットワーク)と有線または無線で接続され、各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0030】
(2-2.記憶部12)
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部12は、図2に示すように、利用者情報記憶部12aおよび信頼度記憶部12bを有する。そして、記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。
【0031】
(2-2-1.利用者情報記憶部12a)
利用者情報記憶部12aは、利用者U(UA、UB)に関する各種の情報(利用者情報)を記憶する。ここで、図3を用いて、利用者情報記憶部12aが記憶する情報の一例を説明する。図3は、実施形態に係る利用者情報記憶部12aの一例を示す図である。図3の例において、利用者情報記憶部12aは、「利用者ID」、「登録情報」、「履歴情報」、「位置情報」といった項目を有する。
【0032】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。「登録情報」は、利用者Uの性別、年齢、年代、職業、年収、居住地、既婚・未婚の別、子供の有無等の利用者属性の他、利用者Uの知人・友人や所属するコミュニティ等の交遊関係に関する情報である。「履歴情報」は、購買履歴、閲覧履歴、検索履歴、通信履歴等の情報である。「位置情報」は、利用者端末20によって取得される利用者Uの位置、移動等に関する情報である。
【0033】
すなわち、図3では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者Uについて、登録情報が「登録情報#1」、履歴情報が「履歴情報#1」、位置情報が「位置情報#1」である例を示す。
【0034】
(2-2-2.信頼度情報記憶部12b)
信頼度情報記憶部12bは、制御部13の算出部13cによって算出された第1利用者UAと関連性を有する第2利用者UBごとの信頼度(信頼度情報)を記憶する。ここで、図4を用いて、信頼度情報記憶部12bが記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る信頼度情報記憶部12bの一例を示す図である。図4の例において、信頼度情報記憶部12bは、「第1利用者ID」、「第2利用者ID」、「信頼度」といった項目を有する。
【0035】
「第1利用者ID」は、第1利用者UAを識別するための識別情報を示す。「第2利用者ID」は、第2利用者UBを識別するための識別情報を示す。「信頼度」は、第1利用者UAに対する第2利用者UBの購買行動における影響の大きさを示し、例えば、商品やサービス等の取引対象や、当該取引対象が含まれる区分・種別(カテゴリ)ごとに算出された数値である。
【0036】
すなわち、図4では、第1利用者ID「UAID#1」によって識別される第1利用者UAについて、第2利用者ID「UBID#1」によって識別される第2利用者UBの信頼度が「信頼度#1」、第2利用者ID「UBID#2」によって識別される第2利用者UBの信頼度が「信頼度#2」である例を示す。
【0037】
(2-3.制御部13)
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0038】
図2に示すように、制御部13は、収集部13a、特定部13b、算出部13c、送信部13dおよび学習部13eを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0039】
(2-3-1.収集部13a)
収集部13aは、利用者U(UA、UB)に関する利用者情報を収集する。例えば、収集部13aは、利用者情報として、利用者Uにおける登録情報、履歴情報または位置情報等を利用者Uの利用者端末20から収集する。なお、収集部13aは、収集した利用者情報を利用者情報記憶部12aに格納する。
【0040】
(2-3-2.特定部13b)
特定部13bは、利用者情報が示す、各利用者における登録情報、履歴情報または位置情報に基づいて、所定の媒体から取引対象を推奨する第1推奨情報(一次情報)を取得した後に購買行動を行った第1利用者UAを特定し、購買行動の前に第1利用者UAに対する取引対象を推奨する第2推奨情報(二次情報)を供与した第2利用者UBを特定する。例えば、特定部13bは、第1利用者UAの購買履歴、検索履歴、閲覧履歴等を用いて、第1利用者UAの取引対象の一次情報の取得行動と、第1利用者UAの当該取引対象の購買行動とを特定する。また、特定部13bは、第1利用者UAの登録情報、通信履歴、位置情報等を用いて、第2利用者UBによる当該取引対象の二次情報の供与行動を特定する。
【0041】
(2-3-3.算出部13c)
算出部13cは、利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者UAと関係性を有する第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。例えば、算出部13cは、利用者情報として、利用者Uの登録情報、履歴情報または位置情報を用いて、第1利用者UAと関係性を有する第2利用者UBごとに、取引対象に関する信頼度を算出する。さらに、算出部13cは、取引対象のカテゴリごとに信頼度を算出してもよい。
【0042】
算出する手法について説明すると、算出部13cは、利用者Uの登録情報と、履歴情報と、位置情報とを入力した際に、第1利用者UAと関係性を有する第2利用者UBごとの信頼度を出力するように学習されたDNN等の機械学習モデルを用いて、信頼度を算出する。また、算出部13cは、ルールベースで信頼度を算出してもよい。
【0043】
算出する数値について説明すると、算出部13cは、第2利用者UBごとの信用力や影響力に応じて0~1の数値をとるように信頼度を算出する。また、算出部13cは、第2利用者UBごとの信用力や影響力に応じて0~100%の数値をとるように信頼度を算出してもよく、算出する数値の範囲や単位は特に限定されない。
【0044】
算出に用いる情報について説明すると、算出部13cは、第2利用者UBにおける取引対象の所有の有無に基づいて、信頼度を算出する。例えば、算出部13cは、第2利用者UBの購買履歴を用いて、第2利用者UBが二次情報で推奨した取引対象の所有の有無を判定し、当該判定結果をもとに信頼度を算出する。すなわち、算出部13cは、第2利用者UBが当該取引対象を所有していると判定した場合には高い信頼度を算出し、第2利用者UBが当該取引対象を所有していないと判定した場合には低い信頼度を算出する。
【0045】
また、算出部13cは、第2利用者UBにおける取引対象に関する理解度に基づいて、信頼度を算出する。例えば、算出部13cは、第2利用者UBの利用者属性等の登録情報、購買履歴、検索履歴、閲覧履歴等を用いて、第2利用者UBが二次情報で推奨した取引対象に関する理解度を算出し、算出した理解度に応じて信頼度を算出する。
【0046】
また、算出部13cは、第1利用者UAと第2利用者UBとの間で端末を用いた通信に基づいて、信頼度を算出する。例えば、算出部13cは、第1利用者UAと第2利用者UBとの間での通信履歴等を用いて、通信の頻度や、送受信された文章データ、動画像データ、音声データ等の通信データにおける取引対象の出現回数等を算出し、当該算出結果に応じて信頼度を算出する。
【0047】
また、算出部13cは、第1利用者UAと第2利用者UBとの位置情報が示す接触行動に基づいて、信頼度を算出する。例えば、算出部13cは、第1利用者UAと第2利用者UBとの位置情報等を用いて、第1利用者UAと第2利用者UBとの接触回数、接触時間、接触頻度等を算出し、当該算出結果に応じて信頼度を算出する。
【0048】
また、算出部13cは、第1利用者UAにおける購買行動を行う前の履歴情報に基づいて、信頼度を算出する。例えば、算出部13cは、第1利用者UAと第2利用者UBとの購買履歴、検索履歴、閲覧履歴、通信履歴、位置情報等を用いて、第1利用者UAの一次情報取得時の取引対象の購入確率や、第1利用者UAの二次情報取得時から購買行動までの時間を算出し、当該算出結果に応じて信頼度を算出する。すなわち、算出部13cは、一次情報取得時の取引対象の購入確率が低い場合や、二次情報取得時から購買行動までの時間が短い場合には、二次情報が効果的であったとして高い信頼度を算出する。
【0049】
また、算出部13cは、第2利用者UAが二次情報を供与した第1利用者UAの人数に基づいて、前記信頼度を算出する。例えば、算出部13cは、第1利用者UAと第2利用者UBとの登録情報、購買履歴、検索履歴、閲覧履歴、通信履歴、位置情報等を用いて、第2利用者UBが取引対象の二次情報を供与し、かつ当該取引対象の購買行動に至った第1利用者UAの人数を算出し、当該算出結果に応じて信頼度を算出する。
【0050】
なお、算出部13cは、利用者情報記憶部12aから利用者情報を取得する。一方、算出部13cは、算出した信頼度を信頼度情報記憶部12bに格納する。
【0051】
(2-3-4.送信部13d)
送信部13dは、算出部13cによって算出された信頼度に基づいて、第2利用者UBに対して提供する提供情報を送信する。例えば、送信部13dは、提供情報として、取引対象と関連する取引対象(例:バリエーション商品、同一カテゴリ商品)を推奨するレコメンドする広告を生成し、第2利用者UBに送信する。また、送信部13dは、提供情報として、ネットショッピングで使用する割引クーポン等を取得し、第2利用者UBに送信することもできる。なお、送信部13dは、生成した提供情報や取得した提供情報を記憶部12に格納してもよい。
【0052】
(2-3-5.学習部13e)
学習部13eは、利用者U(UA、UB)の利用者情報を入力された際に、第1利用者UAと関係性を有する第2利用者UBごとの取引対象に関する信頼度を出力するように、機械学習モデルの学習を行う。このとき、学習部13eは、バックプロパゲーション等により機械学習モデルの学習を行ってもよい。
【0053】
例えば、学習部13eは、第2利用者UBが当該取引対象を所有している情報が機械学習モデルに入力された場合には、第2利用者UBの信頼度を「1」に近づく数値として出力するように、機械学習モデルの学習を行う。
【0054】
また、学習部13eは、第2利用者UBが当該取引対象に対する理解度が高い情報が機械学習モデルに入力された場合には、第2利用者UBの信頼度を「1」に近づく数値として出力するように、機械学習モデルの学習を行う。
【0055】
また、学習部13eは、第1利用者UAと第2利用者UBとの利用者端末を用いたメッセージの頻度や、メッセージや通話における当該取引対象の出現回数等の情報が機械学習モデルに入力された場合には、当該入力された数値が大きいほど第2利用者UBの信頼度を「1」に近づく数値として出力するように、機械学習モデルの学習を行う。
【0056】
また、学習部13eは、第1利用者UAと第2利用者UBとの接触回数、接触時間、接触頻度等の情報が機械学習モデルに入力された場合には、当該入力された数値が大きいほど第2利用者UBの信頼度を「1」に近づく数値として出力するように、機械学習モデルの学習を行う。
【0057】
また、学習部13eは、第1利用者UAの一次情報取得時の取引対象の購入確率や、第1利用者UAの二次情報取得時から購買行動までの時間等の情報が機械学習モデルに入力された場合には、当該入力された数値が大きいほど第2利用者UBの信頼度を「0」に近づく数値として出力するように、機械学習モデルの学習を行う。
【0058】
また、学習部13eは、第2利用者UBが取引対象の二次情報を供与し、かつ当該取引対象の購買行動に至った第1利用者UAの人数等の情報が機械学習モデルに入力された場合には、当該入力された数値が大きいほど第2利用者UBの信頼度を「1」に近づく数値として出力するように、機械学習モデルの学習を行う。
【0059】
[3.信頼度算出処理の具体例]
図5図8を用いて、実施形態に係る信頼度算出処理の具体例について詳細に説明する。図5図8は、実施形態に係る信頼度算出処理の具体例を示す図である。
【0060】
(3-1.具体例1)
図5を用いて、信頼度算出処理の具体例1について説明する。以下では、スマートフォンである商品G1未所有の第1利用者UA1と、商品G1所有の第2利用者UB1との例について説明する。
【0061】
図5に示すように、まず、情報提供装置10は、第1利用者UA1がWeb広告、人物、SNSによって発信された商品G1の一次情報と接触したことを判定する(図5(1)参照)。次に、情報提供装置10は、第1利用者UA1が商品G1未所有であることを判定する(図5(2)参照)。そして、情報提供装置10は、第1利用者UA1と第2利用者UB1との接触行動があり、第1利用者UA1による商品G1の購買行動があった場合には、第2利用者UB1から第1利用者UA1へ商品G1のレコメンドがあった(二次情報を与えた)と推定する(図5(3)参照)。したがって、情報提供装置10は、第1利用者UA1にとって第2利用者UB1は信頼できると判定し、高い信頼度を算出する(例:第2利用者UB1[0.90])。
【0062】
上記の具体例1で示すように、友人等が所持している商品のレビューに後押しされて購買行動につながることは日常的である。このため、情報提供装置10は、利用者間の関係性(SNS等の友人登録や、やりとりの回数から判定)と、接触行動(メッセージ履歴、同地点への滞在、音声データ等)と、所有商品の伝搬(第2利用者UB1が所持している商品G1を第1利用者UA1が購入した)とから、第2利用者UB1から一次情報にインプレッションしている第1利用者UA1へ商品購買の後押し(レコメンド)が起きたとして、第2利用者UB1の信頼度をスコア化することができる。
【0063】
(3-2.具体例2)
図6を用いて、信頼度算出処理の具体例2について説明する。以下では、シャツである商品G2未所有の第1利用者UA1と、商品G2未所有の第2利用者UB1と、商品G2未所有の第2利用者UB2との例について説明する。すなわち、具体例2では、複数の第2利用者UBが存在し、第2利用者UBがレコメンドする商品を所有していない例について説明する。
【0064】
図6に示すように、まず、情報提供装置10は、第1利用者UA1がWeb広告、人物、SNSによって発信された商品G1の一次情報と接触したことを判定する(図6(1)参照)。このとき、情報提供装置10は、具体例1と同様な処理を実行し、第1利用者UA1が商品G2未所有であることを判定する。次に、情報提供装置10は、第2利用者UB1が商品G2未所有であるが、商品G2の属するカテゴリである「ファッション」に関する造詣が深い(理解度が高い)ことを判定する(図6(2)参照)。そして、情報提供装置10は、第1利用者UA1と第2利用者UB1との接触行動、および第1利用者UA1と第2利用者UB2との接触行動があり、第1利用者UA1による商品G2の購買行動があった場合には、第2利用者UB1または第2利用者UB2から第1利用者UA1へ商品G2のレコメンドがあった(二次情報を与えた)と推定する(図6(3)参照)。このとき、情報提供装置10は、第2利用者UB1および第2利用者UB2がともに商品G2未所有であるが、第2利用者UB1はファッションに関する造詣が深いので、第2利用者UB1が第2利用者UB2よりも信頼できると判定し、第2利用者UB1についてより高い信頼度を算出する(例:第2利用者UB1[0.53]、第2利用者UB2[0.17])。
【0065】
上記の具体例2で示すように、情報提供装置10は、複数の第2利用者UBから第1利用者UAへ商品の伝搬が起きた場合には、コミュニティ内のレコメンドがあったと推定する。このとき、情報提供装置10は、具体例1で示した第2利用者UBの商品の所有の有無だけではなく、利用者同士の関係性や接触時の該当ワード(例:「商品G2」、「シャツ」)の出現頻度や利用者属性(例:ファッション、飲食業界、音楽、流行についての理解度が高い)から、複数の第2利用者UBのうちいずれの利用者がより商品をレコメンドしたか(二次情報を与えた信頼できる利用者か)をスコア化することができる。
【0066】
(3-3.具体例3)
図7を用いて、信頼度算出処理の具体例3について説明する。以下では、具体例2とは異なるシャツである商品G3未所有の第1利用者UA1と、商品G3所有の第2利用者UB1と、商品G3所有の第2利用者UB2との例について説明する。すなわち、具体例3では、複数の第2利用者UBが存在し、第2利用者UBがレコメンドする商品を所有している例について説明する。
【0067】
図7に示すように、まず、情報提供装置10は、第1利用者UA1がWeb広告、人物、SNSによって発信された商品G3の一次情報と接触したことを判定する(図7(1)参照)。このとき、情報提供装置10は、具体例1と同様な処理を実行し、第1利用者UA1が商品G3未所有であることを判定する。次に、情報提供装置10は、第2利用者UB1が商品G3所有であり、商品G3の属するカテゴリである「ファッション」に関する造詣が深い(理解度が高い)ことを判定する(図7(2)参照)。また、情報提供装置10は、第2利用者UB2が商品G3所有であり、第1利用者UA1との接触時間が長いことを判定する(図7(3)参照)。そして、情報提供装置10は、第1利用者UA1と第2利用者UB1との接触行動、および第1利用者UA1と第2利用者UB2との接触行動があり、第1利用者UA1による商品G3の購買行動があった場合には、第2利用者UB1または第2利用者UB2から第1利用者UA1へ商品G3のレコメンドがあった(二次情報を与えた)と推定する(図7(4)参照)。このとき、情報提供装置10は、第2利用者UB1および第2利用者UB2がともに商品G3所有であって、第2利用者UB1はファッションに関する造詣が深い一方、第2利用者UB2は第1利用者UA1との接触頻度が高く、同地点での滞在時間が長いので、どちらも信頼できると判定し、第2利用者UB1と第2利用者UB2との信頼度について同程度の信頼度を算出する(例:第2利用者UB1[0.53]、第2利用者UB2[0.52])。
【0068】
上記の具体例3で示すように、情報提供装置10は、複数の第2利用者UBから第1利用者UAへ商品の伝搬が起きた場合には、コミュニティ内のレコメンドがあったと推定する。このとき、情報提供装置10は、具体例1で示した第2利用者UBの商品の所有の有無や、利用者同士の関係性や接触時の該当ワード(例:「商品G3」、「シャツ」)の出現頻度や、具体例2で示した利用者属性(例:ファッション、飲食業界、音楽、流行についての理解度が高い)だけではなく、位置情報に基づく接触頻度や滞在時間から、複数の第2利用者UBのうちいずれの利用者がより商品をレコメンドしたか(二次情報を与えた信頼できる利用者か)をスコア化することができる。
【0069】
(3-4.具体例4)
図8を用いて、信頼度算出処理の具体例4について説明する。以下では、商品G3未所有であって具体例1~3とは異なる第1利用者UA2と、商品G3所有の第2利用者UB1と、商品G3所有であって具体例2~3とは異なる第2利用者UB3との例について説明する。すなわち、具体例4では、複数の第2利用者UBが存在し、第2利用者UBが複数の第1利用者UAに商品をレコメンドする例について説明する。
【0070】
図8に示すように、まず、情報提供装置10は、第1利用者UA2がWeb広告、人物、SNSによって発信された商品G3の一次情報と接触したことを判定する(図8(1)参照)。このとき、情報提供装置10は、具体例1と同様な処理を実行し、第1利用者UA2が商品G3未所有であることを判定する。次に、情報提供装置10は、第2利用者UB1が商品G3所有であり、また具体例3で示したように、同じコミュニティ内の第1利用者UA1にも商品G3をレコメンドしていることを判定する(図8(2)参照)。そして、情報提供装置10は、第1利用者UA2と第2利用者UB1との接触行動、および第1利用者UA2と第2利用者UB3との接触行動があり、第1利用者UA2による商品G3の購買行動があった場合には、第2利用者UB1または第2利用者UB3から第1利用者UA2へ商品G3のレコメンドがあった(二次情報を与えた)と推定する(図8(3)参照)。このとき、情報提供装置10は、第2利用者UB1および第2利用者UB2がともに商品G3所有であるが、第2利用者UB1が複数の第1利用者UA(UA1、UA2)に商品G3を後押ししており同じコミュニティ内での信用力が高いので、第2利用者UB1が第2利用者UB3よりも信頼できると判定し、第2利用者UB1についてより高い信頼度を算出する(例:第2利用者UB1[0.93]、第2利用者UB3[0.22])。
【0071】
上記の具体例4で示すように、情報提供装置10は、複数の第2利用者UBから第1利用者UAへ商品の伝搬が起きた場合には、コミュニティ内のレコメンドがあったと推定する。このとき、情報提供装置10は、具体例1で示した第2利用者UBの商品の所有の有無や、利用者同士の関係性や接触時の該当ワード(例:「商品G3」、「シャツ」)の出現頻度や、具体例2で示した利用者属性(例:ファッション、飲食業界、音楽、流行についての理解度が高い)や、具体例3で示した位置情報に基づく接触頻度や滞在時間だけではなく、同じコミュニティ内での信用力(例:二次情報を与えた人数)から、複数の第2利用者UBのうちいずれの利用者がより商品をレコメンドしたか(二次情報を与えた信頼できる利用者か)をスコア化することができる。
【0072】
[4.情報提供処理の流れ]
図9を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の情報処理の手順について説明する。図9は、実施形態に係る情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS101~S106は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S106のうち、省略される処理があってもよい。
【0073】
(4-1.利用者情報収集処理)
第1に、情報提供装置10の収集部13aは、利用者情報収集処理を実行する(ステップS101)。例えば、収集部13aは、利用者端末20(20A、20B)から利用者U(UA、UB)の利用者情報(登録情報、履歴情報、位置情報)を収集する。
【0074】
(4-2.第1利用者特定処理)
第2に、情報提供装置10の特定部13bは、第1利用者特定処理を実行する(ステップS102)。例えば、特定部13bは、利用者情報が示す購買履歴等を用いて、一次情報を取得した後に購買行動を行った第1利用者UAを取得する。
【0075】
(4-3.第2利用者特定処理)
第3に、情報提供装置10の特定部13bは、第2利用者特定処理を実行する(ステップS103)。例えば、特定部13bは、利用者情報が示す通信情報や位置情報等を用いて、第1利用者UAの購買行動の前に二次情報を供与した第2利用者UBを特定する。
【0076】
(4-4.信頼度算出処理)
第4に、情報提供装置10の算出部13cは、信頼度算出処理を実行する(ステップS104)。例えば、算出部13cは、利用者情報が示す登録情報、履歴情報(購買履歴、検索履歴、閲覧履歴、通信履歴)、位置情報等を用いて、第1利用者UAと関係性を有する第2利用者UBごとの信頼度を算出する。
【0077】
(4-5.提供情報送信処理)
第5に、情報提供装置10の送信部13dは、提供情報送信処理を実行する(ステップS105)。例えば、送信部13dは、生成した提供情報や取得した提供情報を利用者UBの利用者端末20Bに送信する。
【0078】
(4-6.信頼度学習処理)
第6に、情報提供装置10の学習部13eは、信頼度学習処理を実行する(ステップS106)。例えば、学習部13eは、算出された信頼度の学習を行う。
【0079】
[5.実施形態の効果]
(5-1.効果1)
上述した実施形態に係る処理では、利用者情報を収集し、利用者情報に基づいて、取引対象の購買行動を行った第1利用者UAと関係性を有する第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。このため、本処理では、利用者Uに関する有益な情報を提供できる。
【0080】
(5-2.効果2)
上述した実施形態に係る処理では、利用者情報が示す、各利用者における登録情報、履歴情報または位置情報に基づいて、所定の媒体から取引対象を推奨する一次情報を取得した後に購買行動を行った第1利用者UAを特定し、当該購買行動の前に第1利用者UAに対する当該取引対象を推奨する二次情報を供与した第2利用者UBを特定する。このため、本処理では、利用者Uに関する有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0081】
(5-3.効果3)
上述した実施形態に係る処理では、第2利用者UBにおける取引対象の所有の有無に基づいて、第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。このため、本処理では、取引対象の有無に基づいた利用者Uに関する有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0082】
(5-4.効果4)
上述した実施形態に係る処理では、第2利用者UBにおける取引対象に関する理解度に基づいて、第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。このため、本処理では、取引対象に関する理解度に基づいた利用者Uに関する有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0083】
(5-5.効果5)
上述した実施形態に係る処理では、第1利用者UAと第2利用者UBとの間で端末を用いた通信に基づいて、第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。このため、本処理では、利用者間の端末を用いた通信に基づいた利用者Uに関する有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0084】
(5-6.効果6)
上述した実施形態に係る処理では、第1利用者UAと第2利用者UBとの位置情報が示す接触行動に基づいて、第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。このため、本処理では、利用者間の接触行動に基づいた利用者Uに関する有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0085】
(5-7.効果7)
上述した本実施形態に係る処理では、第1利用者UAにおける購買行動を行う前の履歴情報に基づいて、第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。このため、本処理では、購買行動を行う前の履歴情報に基づいた利用者Uに関する有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0086】
(5-8.効果8)
上述した本実施形態に係る処理では、第2利用者UBが二次情報を供与した第1利用者UAの人数に基づいて、第2利用者UBの取引対象に関する信頼度を算出する。このため、本処理では、第1利用者UAの人数に基づいた利用者Uに関する有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0087】
(5-9.効果9)
上述した本実施形態に係る処理では、第2利用者UBの取引対象に関する信頼度に基づいて、第2利用者UBに対して提供する提供情報を送信する。このため、本処理では、利用者に関する有益な情報を、より効果的に提供できるとともに、利用者UBに対して有益な情報を提供できる。
【0088】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。図10は、情報提供装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0089】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0090】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網Nを介して他の機器へ送信する。
【0091】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0092】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0093】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0094】
〔その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0095】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0096】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0097】
例えば、上述した情報提供装置10は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0098】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0099】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0100】
10 情報提供装置
11 通信部
12 記憶部
12a 利用者情報記憶部
12b 信頼度情報記憶部
13 制御部
13a 収集部
13b 特定部
13c 算出部
13d 送信部
13e 学習部
20、20A、20B 利用者端末
100 情報提供システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10