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特開2023-106152機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106152
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
E04H6/18 601G
E04H6/18 601A
E04H6/18 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007307
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】野田 整一
(72)【発明者】
【氏名】藤川 博康
(57)【要約】
【課題】出入口扉を開けるときの安全性を向上させること。
【解決手段】機械式駐車装置は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室7と、乗降室7の出入口に設けられた出入口扉4と、乗降室外であって、出入口扉4の近傍に設けられた所定の監視領域における人又は車両を検知する外部検知センサ34と、外部検知センサ34によって人又は車両が検知されていない状態で出入口扉4の開扉を行う制御装置とを備える。制御装置は、出入口扉4の開扉中に、監視領域に人又は車両が検知された場合に、出入口扉4の開動作を停止させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、
前記乗降室の出入口に設けられた出入口扉と、
前記乗降室外であって、前記出入口扉の近傍に設けられた所定の監視領域における人又は車両を検知する外部検知手段と、
前記外部検知手段によって人又は車両が検知されていない状態で前記出入口扉の開扉を行う制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記出入口扉の開扉中に、前記監視領域に人又は車両が検知された場合に、前記出入口扉の開動作を停止させる機械式駐車装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記乗降室内に車両搬送手段が到着した場合に、前記監視領域に人又は車両が検知されていないか否かを判定し、人又は車両が検知されていない場合に、開扉を開始する請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項3】
前記乗降室外に設けられるとともに、前記出入口扉を開けるための入力情報を受け付ける外部受付手段を備え、
前記制御手段は、前記外部受付手段によって所定の入力情報が受け付けられ、かつ、前記監視領域に人又は車両が検知されていない場合に、開扉を開始する請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項4】
前記入力情報は、開扉指示情報である請求項3に記載の機械式駐車装置。
【請求項5】
前記入力情報は、操作盤に設けられている入力手段又は前記入力手段とは異なる他の入力手段から送信される情報であり、
前記制御手段は、前記入力情報の送信元に応じて、異なる前記監視領域を設定する請求項3又は4に記載の機械式駐車装置。
【請求項6】
他の前記入力手段は、利用者が携帯する携帯端末及び車両に設置された車載器の少なくとも一つを含む請求項5に記載の機械式駐車装置。
【請求項7】
前記制御手段は、他の前記入力手段から送信された前記入力情報に基づいて開扉が行われ、かつ、前記監視領域に人が検知されることによって前記出入口扉の開動作が停止された場合は、操作盤に設けられた前記入力手段から前記入力情報が再度入力されたことを条件に、前記出入口扉の開動作を再開させる請求項5又は6に記載の機械式駐車装置。
【請求項8】
前記制御手段は、入庫時か出庫時かに応じて、異なる前記監視領域を設定する請求項1から7のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項9】
入庫時において、前庭に停車されている車両の輪郭を検出するための輪郭検出手段を備え、
前記制御手段は、前記輪郭検出手段による検出結果を用いて、入庫時における前記監視領域を設定する請求項8に記載の機械式駐車装置。
【請求項10】
前記外部検知手段は、前記出入口扉を挟んで操作盤と反対側に設けられている請求項1から9のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項11】
複数の前記外部検知手段を備え、
前記外部検知手段は、前記出入口扉を挟んで両側に設けられている請求項1から9のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項12】
前記出入口扉を開く前に、前記監視領域からの退避を促すガイダンスを行う報知手段を備える請求項1から11のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項13】
前記制御手段は、前記外部検知手段によって前記監視領域に人又は車両が検知されていない状態で前記出入口扉の閉扉を行う請求項1から12のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記出入口扉の閉扉中に、前記監視領域に人又は車両が検知された場合に、前記出入口扉を反転駆動させる請求項13に記載の機械式駐車装置。
【請求項15】
車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた出入口扉とを備える機械式駐車装置の制御方法であって、
前記乗降室の外部、かつ、前記出入口扉の近傍に設けられた所定の監視領域における人又は車両を検知する工程と、
前記監視領域に人又は車両が検知されていない状態で、前記出入口扉の開扉を行う工程と、
前記出入口扉の開扉中に、前記監視領域に人又は車両が検知された場合に、前記出入口扉の開動作を停止させる工程と
をコンピュータが実行する機械式駐車装置の制御方法。
【請求項16】
請求項15に記載の機械式駐車装置の制御方法をコンピュータが実行するための機械式駐車装置のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械式駐車装置では、安全性を確保するために種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、入出庫時において、乗降室内に人が残された状態で入出庫扉が閉められることを回避するために、乗降室内に人がいないことをセンサで検知しながら入出庫扉を閉じるようにした閉扉制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-186562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1には、安全性が確保された状態で扉を閉じることのできる技術が開示されている。しかしながら、扉を開く際も扉を閉めるときと同様に、安全性を確保する必要がある。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、出入口扉を開けるときの安全性を向上させることのできる機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一態様は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた出入口扉と、前記乗降室外であって、前記出入口扉の近傍に設けられた所定の監視領域における人又は車両を検知する外部検知手段と、前記外部検知手段によって人又は車両が検知されていない状態で前記出入口扉の開扉を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記出入口扉の開扉中に、前記監視領域に人又は車両が検知された場合に、前記出入口扉の開動作を停止させる機械式駐車装置である。
【0007】
本開示の第二態様は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた出入口扉とを備える機械式駐車装置の制御方法であって、前記乗降室の外部、かつ、前記出入口扉の近傍に設けられた所定の監視領域における人又は車両を検知する工程と、前記監視領域に人又は車両が検知されていない状態で、前記出入口扉の開扉を行う工程と、前記出入口扉の開扉中に、前記監視領域に人又は車両が検知された場合に、前記出入口扉の開動作を停止させる工程とをコンピュータが実行する機械式駐車装置の制御方法である。
【0008】
本開示の第三態様は、上記機械式駐車装置の制御方法をコンピュータが実行するための機械式駐車装置のプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、出入口扉を開けるときの安全性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1実施形態に係る機械式駐車装置の縦断面図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る乗降室を示す概略斜視透視図である。
図3】本開示の第1実施形態に係る操作盤の一構成例を示した図である。
図4】本開示の第1実施形態に係る入庫時におけるユーザ認証時の監視領域の一例を示した図である。
図5】本開示の第1実施形態に係る入庫時における開扉処理時の監視領域の一例を示した図である。
図6】本開示の第1実施形態に係る出庫時におけるユーザ認証時の監視領域の一例を示した図である。
図7】本開示の第1実施形態に係る出庫時における開扉処理時の監視領域の一例を示した図である。
図8】本開示の第1実施形態に係る機械式駐車装置の制御系統の機能の一例を示した機能ブロック図である。
図9】本開示の第1実施形態に係る入出庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図10】本開示の第1実施形態に係る入出庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図11】本開示の第1実施形態に係る入出庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図12】本開示の第1実施形態に係る開扉処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図13】本開示の第1実施形態に係る閉扉処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図14】本開示の第2実施形態に係る入庫時におけるユーザ認証時の監視領域の一例を示した図である。
図15】本開示の第2実施形態に係る入庫時における開扉処理時の監視領域の一例を示した図である。
図16】本開示の第2実施形態に係る出庫時におけるユーザ認証時の監視領域の一例を示した図である。
図17】本開示の第2実施形態に係る出庫時における開扉処理時の監視領域の一例を示した図である。
図18】本開示の第2実施形態に係る入出庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図19】本開示の第2実施形態に係る入出庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図20】本開示の第2実施形態に係る開扉処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図21】本開示の第2実施形態に係る開扉処理でエラーが発生した場合の後続処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の各実施形態に係る機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムについて、図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態では、本開示の機械式駐車装置としてエレベータ式のタワー型機械式駐車装置を例示して説明するが、この例に限定されない。本開示の機械式駐車装置は、垂直循環式、平面往復式、水平循環式、二多段式等であってもよい。また、パレットを使用しないコンベア式やフォーク式の機械式駐車装置であってもよい。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1は、本開示の第1実施形態に係る機械式駐車装置1の縦断面図である。図1に示すように、機械式駐車装置1は、複数の車両2を収容可能なエレベータ式のタワー型立体駐車場施設であり、入出庫口3と出入口扉4とが設けられた駐車塔5を備えている。駐車塔5の地上階は、車両2を入出庫させる乗降室7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗降室7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。なお、本実施形態では、乗降室7において、入庫及び出庫の両方が行われる場合を示しているがこれに限定されない。例えば、入庫と出庫とで乗降室を異ならせ、入庫専用の乗降室と、出庫専用の乗降室とを備える構成としてもよい。また、本実施形態において、1つの乗降室が示されているが、複数の乗降室を備えていてもよい。
【0013】
駐車塔5の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状の搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔5の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる複数本のワイヤロープに四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
【0014】
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17(駐車スペース)が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
【0015】
リフト14と車両格納棚17の床面には、両者の床面の高さが一致した時に、空荷のパレット18、または車両2が積載されたパレット18を、リフト14から車両格納棚17に、または車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
【0016】
図2は、乗降室7を示す概略斜視透視図である。乗降室7の内部には、中央部にパレット18が配置されるスペースがあり、出入口扉4の正面の壁には車両2の位置をドライバー(利用者)が確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の案内を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。
【0017】
乗降室7には、内部状況を撮影する4台のカメラ35A~35Dが設置されている。本実施形態において、カメラ35A~35Dは、例えば、ビデオカメラであり、それぞれ乗降室7の異なる壁面(4面)に取り付けられている。例えば、カメラ35Aは乗降室7内に停車した車両2の正面を撮影するように配置され、カメラ35Bは車両2の後面、カメラ35Cは車両2の左側面、カメラ35Dは車両2の右側面をそれぞれ撮影する位置に配置されている。なお、カメラの設置数については上記に限定されず、少なくとも1台のカメラが設けられていればよい。
【0018】
乗降室7内には、乗降室内にいる人を検知するための内部検知センサ(内部検知手段)30(図8参照)が設けられている。内部検知センサ30は、例えば、乗降室7の前部領域、右側部領域、左側部領域、及び後部領域のそれぞれの領域において、人を検出するためのセンサを備えていてもよい。また、内部検知センサ30は、車両の停車位置を検知するためのセンサを備えていてもよい。また、内部検知センサ30は、乗降室7の対角位置に設けられた2台の測域センサを備えていてもよい。
【0019】
乗降室7の入出庫口3には、乗降室7から人又は車両が入退出したことを検知するための入退出検知センサ(退出検知手段)32が設けられている。入退出検知センサ32は、例えば、入出庫口3の内側に設けられた一対のセンサ32Aと、入出庫口3の外側に設けられた一対のセンサ32Bとを有している。センサ32A、32Bは、例えば、送信部から送信されたビームを受信部において受信するラインビームタイプのセンサである。このビームが車両2や人等によって遮光されるとセンサがオンになり、そのセンサ信号が後述するセンサ制御部57(図8参照)に伝達されるようになっている。
【0020】
センサ制御部57は、例えば、センサ32Aからセンサ32Bの順でオン信号が入力された場合に乗降室7から人又は車両が退出したと判定する。また、センサ制御部57は、例えば、センサ32Bからセンサ32Aの順でオン信号が入力された場合に乗降室7に人又は車両が侵入したと判定する。
【0021】
なお、乗降室7からの人又は車両の退出を検知する手法は、上記例に限定されない。例えば、センサ32Aに代えて、乗降室7の後部領域における人を検知するためのセンサを使用してもよい。また、図2では、センサ32A、32Bは、出入口扉4を挟んで乗降室7の内側と外側にそれぞれ設けられているが、この例に限定されない。例えば、センサ32A、32Bがいずれも乗降室内に設けられていてもよいし、乗降室外に設けられていてもよい。
【0022】
本実施形態では、上記構成による入退出検知センサ32により侵入及び退出がそれぞれ検出可能な構成とされているが、この例に限定されない。例えば、少なくとも乗降室7からの退出を検知できるような構成を備えていればよい。一例として、カメラ35が挙げられる。
【0023】
また、乗降室内には、音声で利用者に情報(入出庫のためのガイダンス情報、エラー発生情報等)を通知するための報知部(報知手段)が設けられていてもよい。報知部の一例として、スピーカ、警告灯などが挙げられる。
【0024】
乗降室7の外部には、機械式駐車装置1に対して各種の入力指示を与えるための操作盤(外部受付手段)22が設けられている。図3は、操作盤22の一構成例を示した図である。図3に示すように、操作盤22は、例えば、風雨からの保護と悪戯防止のために金属製の筐体43に収容されており、この筐体43には施錠可能な蓋44が設けられている。操作者が操作盤22を操作する際には、施錠を解錠して蓋44を開き、操作盤22にアクセスする。
【0025】
操作盤22は、例えば、利用者の認証情報を受け付けるための認証情報入力部(入力手段)を備えている。本実施形態では、認証情報入力部の一例として、ICカードリーダ46が設けられているが、この例に限定されない。認証情報入力部は、例えば、テンキー、指紋、虹彩、静脈の情報、顔画像等のいわゆる生体認証情報を読み取る生体情報読取部によって構成されていてもよい。
【0026】
また、操作盤22は、タッチパネル(入力手段)45、操作者(例えば、利用者)に操作方法を音声で案内するためのスピーカ47、機械式駐車装置1の動作を非常停止させる非常停止ボタン48、マイク等を備えている。
【0027】
タッチパネル45は、表示機能と入力機能とを兼ね備えている。タッチパネル45には、例えば、入出庫の操作を行わせるための各種案内情報が表示されるとともに、入出庫の操作を操作者に行わせるための操作ボタン等が表示される。タッチパネル45の表示は後述する制御装置40によって制御され、また、タッチパネル45が操作者等によって操作されることにより入力された情報は、制御装置40に出力される。
操作盤22の近傍には、後述するカメラ35A~35Dによって撮像されたリアルタイム画像を表示するためのモニタ28が設置されている。
【0028】
更に、乗降室7の外部には、出入口扉4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。
また、乗降室7の外部には、出入口扉4の近傍に設けられた所定の監視領域における人又は車両を検知する外部検知センサ(外部検知手段)34が設けられている。本実施形態において、外部検知センサ34は、例えば、測域センサである。測域センサの一例として、例えば、レーザスキャンセンサ等が挙げられる。ここで、図2において、外部検知センサ34は、正面から見て、出入口扉4の左側下部に設けられているが、設置位置はこれに限られない。すなわち、外部検知センサ34は、所定の監視領域における人又は車両を検知できる位置に配置されていればよく、また、複数台設けられていてもよい。例えば、一台の外部検知センサ34を設置する場合には、出入口扉4を挟んで操作盤22とは反対側に設置するとよい。また、複数台の外部検知センサ34を設置する場合には、例えば、出入口扉4を挟んで両側に設置するとよい。
【0029】
測域センサは、例えば、レーザー光線や超音波等の目標物に当たって反射する性質のある探査波を出力し、その反射波を受信しながら所定の角度範囲を水平方向にスキャニング(走査)することにより、得られる角度情報と距離情報に基づいて、被検知対象物の位置・大きさ・形状を算出できる。測域センサによって検出されたセンサデータに基づいて、前庭に停止している入庫車両の前方部分及び側方部分をスキャンし、車両2の車両輪郭データを取得することができる。ここで、車両輪郭データは、車両の二次元データ、つまり平面輪郭形状であってもよいし、三次元データであってもよい。また、測域センサは、車両の輪郭だけでなく、出入口扉4の近傍における人などの検知も行うことが可能である。
【0030】
なお、外部検知センサ34は、測域センサに限られない。例えば、外部検知センサ34として、カメラ、人感センサ、光電センサ等を採用することも可能であり、これらを組み合わせて用いることも可能である。外部検知センサ34のセンサ信号は、後述するセンサ制御部57(図8参照)に出力されるように構成されている。
【0031】
外部検知センサ34によって監視される監視領域は、入庫時と出庫時とで異なる範囲に設定されてもよい。更に、入庫時、出庫時のそれぞれにおいて、ユーザ認証時における監視領域と、開扉処理時における監視領域とは異なる範囲に設定されてもよい。
【0032】
図4図7は、監視領域の一例について示した図である。なお、図4図7において、乗降室内の構成は簡略化して示されている。
図4は、入庫時におけるユーザ認証時の監視領域KA1の一例を示した図である。図5は入庫時における開扉処理時の監視領域KA2の一例を示した図である。図6は、出庫時におけるユーザ認証時の監視領域KB1の一例を示した図である。図7は出庫時における開扉処理時の監視領域KB2の一例を示した図である。
【0033】
図4図7に示されるように、機械式駐車装置1の前庭には、出入口扉4から所定距離離れた場所に停止線36が設定されている。
本実施形態では、操作盤22から利用者の認証情報、開扉指示情報等の各種情報が入力される。したがって、操作盤22の前方領域は、利用者がいるため監視領域から除外される。また、入庫時は前庭に入庫する車両2が停止しているため、開扉処理時の監視領域KA2は、開扉を行う前に車両2の輪郭をスキャンし、そのスキャン結果に基づいて監視領域KA2を設定するとよい。
【0034】
また、監視領域KA1,KA2,KB2において、操作盤22近傍における監視領域の縦方向の距離(出入口扉4からの距離)L1は、出入口扉4から停止線36までの間に設定される。一例として、距離L1は、1m~2m程度に設定される。また、監視領域KB1において、監視領域の縦方向の距離L2は、一例として、5m程度に設定される。
【0035】
乗降室7の内部又は外部に、機械式駐車装置1の全体の制御を行う制御装置40が設置されている。
【0036】
図8は、本実施形態に係る機械式駐車装置1の制御系統の機能ブロック図を示した図である。制御装置40は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、ネットワークに接続するための通信インターフェース等を備えている。また、制御装置40は、機械式駐車装置1を制御するために必要となる各種データが格納されている総合データベース52を備えている。総合データベース52には、在車状況、パレット形状種別、車両格納棚形状種別、当該機械式駐車装置1の使用を許可されている人物の識別情報、利用者等の連絡先(例えば、登録メールアドレス等)が格納されている。当該機械式駐車装置1の使用を許可されている人物には、利用者の他、管理者、保守員等が含まれる。
【0037】
また、制御装置40は、後述する入出庫処理の実行に伴い、必要なデータを格納するための記憶部41を備えている。例えば、記憶部41には、出入口扉を開ける前のユーザ認証においてユーザ認証に成功した利用者ID(第1認証情報)、外部検知センサ34によるスキャン結果、各監視領域の情報等が格納される。
【0038】
制御装置40の補助記憶装置には、機械式駐車装置1の各機構を制御するための制御プログラム等が記憶されており、CPUが補助記憶装置に格納されている各種プログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、後述する各部の機能を実現させる。また、プログラムの実行にあたり、CPUは総合データベース52に格納されている各種データを参照して用いる。
【0039】
上記制御プログラムは、制御装置40の製造時においてROM等の補助記憶装置に予め格納されていてもよいし、施工後などにおいて、制御プログラム等を配信するサーバ等からダウンロードしてインストールされてもよい。また、外部記憶装置を介してインストールされる態様としてもよい。このように、各種プログラムのインストール方法については特に限定されない。
【0040】
制御装置40は、主制御部50を備えている。主制御部50には、上述した総合データベース52、記憶部41に加えて、出入口扉制御部55、搬送機制御部56、センサ制御部57、カメラ制御部58、画像データベース59、車両計測制御部61、旋回駆動制御部62等が接続されている。また、主制御部50には、操作盤22が接続されており、双方向通信が可能な構成とされている。
【0041】
出入口扉制御部55は、主制御部50から動作指令を受けて出入口扉4を開閉操作し、出入口扉センサ67から出入口扉4の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。出入口扉センサ67は、出入口扉4の全開及び全閉を検知し、その旨を示すセンサ信号を出入口扉制御部55に出力することとしてもよい。
【0042】
搬送機制御部56は、主制御部50から動作指令を受けてリフト14の昇降およびパレット18の積み下ろし動作を実行させ、搬送機位置センサ68からリフト14の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
【0043】
センサ制御部57は、内部検知センサ30、外部検知センサ34からのセンサ信号を受信し、その情報を主制御部50に出力する。また、センサ制御部57は、入退出検知センサ32からのセンサ信号に基づいて人又は車両の入退出を判定し、判定結果を主制御部50に出力する。
【0044】
カメラ制御部58は、主制御部50から動作指令を受けて乗降室7の内部に設置されたカメラ35(35A~35D)に画像を撮像させ、その画像情報を主制御部50に出力する。この画像情報は、画像データベース59に所定の期間蓄積される。なお、画像データベース59を総合データベース52の内部に設けたり、クラウド上に設けたりしても良い。
【0045】
車両計測制御部61は、主制御部50から動作指令を受けて、車両計測器69により、リフト14に搭載された車両の車重を計測し、車重センサ73を介してその情報を主制御部50にフィードバックする。この車重情報は、リフト14の制御等に用いられる。
【0046】
旋回駆動制御部62は、主制御部50から動作指令を受けて、旋回駆動部11(ターンテーブル8)を動作させ、ターンテーブル位置センサ71によりターンテーブル8の旋回位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
【0047】
主制御部50は、各制御部55,56,57,58,61,62からのフィードバック、操作盤22からの入力情報に基づいて機械式駐車装置1を運行させる。また、主制御部50は、操作盤22から入力される各種情報に基づいて入出庫処理の制御プログラムを実行する。なお、内部検知センサ30、外部検知センサ34、入退出検知センサ32からのセンサ信号については、上述したセンサ制御部57を介して主制御部50に入力されるのに代えて、直接的に主制御部50に入力されることとしてもよい。このようにすることで、センサ信号に応じたより迅速な制御を実施することが可能となる。
【0048】
〔入出庫処理〕
次に、制御装置40によって実行される本実施形態に係る入出庫処理について図を参照して説明する。図9図13は、制御装置40によって実行される入出庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0049】
まず入出庫を行う場合、利用者は操作盤22の蓋44を専用の鍵で開ける。制御装置40は、蓋44が開いたことを検知すると(図9のSA1)、操作盤22のタッチパネル45にユーザ認証画面を表示させる(SA2)。
【0050】
利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者ID(第1認証情報)が読み取られ、制御装置40に送信される。制御装置40は、利用者IDが入力されると(SA3)、操作を行おうとしている人物が予め登録された利用者であるか否かを判定するユーザ認証(第1ユーザ認証)を行う(SA4)。具体的には、制御装置40は総合データベース52にアクセスし、入力された利用者IDが登録されているか否かを判定する。この結果、ユーザ認証が成功しなかった場合には(SA5:NO)、ステップSA2に戻り、ユーザ認証画面を表示させる。このとき、タッチパネル45にユーザ認証に失敗したメッセージを表示させることにより、認証が失敗したことをユーザに通知することとしてもよい。
【0051】
一方、ユーザ認証が成功した場合(SA5:YES)、すなわち、利用者IDが総合データベース52に登録されている場合には、入出庫判定を行う(SA6)。すなわち、制御装置40は、総合データベース52に、利用者IDに関連付けられた格納棚情報又は車両情報等が登録されている場合には、出庫と判定し、利用者IDに関連付けられた格納棚情報又は車両情報等が登録されていない場合には、入庫と判定する。なお、入出庫判定については公知の技術であるため、それら公知の技術を適宜採用すればよい。
【0052】
この結果、入庫であると判定された場合には(SA6:入庫)、監視領域KA1(図4参照)を設定し(SA7)、設定した監視領域KA1の無人を確認する(SA8)。すなわち、外部検知センサ34によって人などが検知されて否かを判定する。この結果、監視領域KA1において人などが検知された場合には(SA8:NO)、ステップSA2に戻る。一方、監視領域KA1において人などが検知されず、無人であると判定した場合には(SA8:YES)、外部検知センサ34によって車両2の輪郭をスキャンする(SA9)。ここで、車両2の輪郭の検出は、車両2が前庭に停車している場合に、車両の領域を監視領域から除外するために行われるものであり、必ずしも車両2の全体の輪郭を検出する必要はない。本実施形態では、出入口扉4を挟んで操作盤22と反対側に外部検知センサ34が設けられていることから、前庭に停止されている車両2の前方と側方の一部の輪郭を検出することとなる。
【0053】
続いて、スキャン結果として得た車両の輪郭を考慮して、換言すると、車両2の領域が監視領域から除外されるような監視領域KA2(図5参照)を設定し(SA10)、図10のステップSA14に移行する。
【0054】
一方、ステップSA6において、出庫であると判定された場合には(SA6:出庫)、監視領域KB1(図6参照)を設定し(SA11)、設定した監視領域KB1の無人を確認する(SA12)。この結果、監視領域KB1において人などが検知された場合には(SA12:NO)、ステップSA2に戻る。一方、監視領域KB1において人などが検知されず、無人であると判定した場合には(SA12:YES)、監視領域KB2(図8参照)を設定し(SA13)、図10のステップSA14に移行する。すなわち、出庫の場合には、前庭に車両2は停車されていないこととなるから、車両2の領域を考慮せずに、監視領域KB2を設定すればよい。
【0055】
このようにして、監視領域KA2又はKB2が設定されると、制御装置40は、続いて、操作盤22のタッチパネル45からの入力操作が可能な操作許可状態とし(図10のSA14)、第1のユーザ認証が成功した利用者IDを記憶部41に記憶し(SA15)、操作盤22のタッチパネル45に起動確認画面を表示させる(SA16)。
【0056】
起動確認画面において、起動ボタンが押下されると(SA17)、制御装置40は、リフト14等の車両搬送機構や出入口扉4等の機械機構の運転が可能な運転許可状態とし(SA18)、入庫時においては車両格納棚17から空のパレット、出庫時においては車両が載置されたパレットを呼び出す(SA19)。
【0057】
次に、パレットが乗降室7に到着すると(SA20)、制御装置40は出入口扉4を開く処理である開扉処理を行う(SA21)。なお、閉扉処理の詳細については、後述する。
【0058】
続いて、出入口扉4が完全に開くと、制御装置40は、機械機構(リフト14等の車両搬送手段や出入口扉4)の運転をロックする運転ロック状態とし(SA22)、操作盤22のタッチパネル45からの入力を受け付けない操作ロック状態とする(SA23)。これにより、利用者が操作盤22の前を離れている間における第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0059】
また、出入口扉4が完全に開くと、入庫の場合は、利用者は車両2に乗り込み、車両2を乗降室7内のパレット上に停止させた後、乗降室7から退出して操作盤22の前に戻る。一方、出庫の場合は、利用者は、乗降室7に入室し、パレット上に載置されている車両2に乗り込み、車両2を前庭に移動させて停車した後、操作盤22の前に戻る。
【0060】
また、制御装置40は、操作盤22のタッチパネル45にユーザ認証画面を表示させ、利用者に対して認証情報の入力を促す(図11のSA24)。
これにより、利用者等がICカードをICカードリーダ46に接触させ、利用者ID(第2認証情報)が入力されると(SA25)、制御装置40は、ユーザ認証を行う(SA26)。このユーザ認証は、図9のステップSA4と同様である。この結果、ユーザ認証に失敗した場合には(SA27:NO)、ステップSA24に戻り、ユーザ認証画面を再び表示させる。このとき、認証に失敗した旨を通知することとしてもよい。
【0061】
一方、ユーザ認証が成功した場合(SA27:YES)、制御装置40は、照合処理を行う(SA28)。照合処理では、開扉前のユーザ認証で入力された利用者ID、換言すると、記憶部41に格納されている利用者ID(第1認証情報)と、ステップSA25で入力された利用者ID(第2認証情報)とが同一又は所定の関係を有するか否かを判定することにより、同一人物であるか否かを判定する。この結果、照合処理に成功しなかった場合には(SA29:NO)、ステップSA24に戻り、ユーザ認証画面を表示させる。なお、このとき、照合に失敗した旨を通知することとしてもよい。
【0062】
一方、照合処理に成功した場合には(SA29:YES)、制御装置40は、操作盤22を操作許可状態とする(SA30)。続いて、閉扉ボタンが利用者等によって押下されると(SA31)、閉扉処理を行い(SA32)、記憶部41に記憶されている利用者IDを消去し(SA33)、入出庫処理を終了する。なお、ステップSA32において行われる閉扉処理については、後述する。
【0063】
〔開扉処理〕
次に、図10のステップSA21で実行される本実施形態に係る開扉処理について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態に係る開扉処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0064】
開扉処理では、制御装置40は、タイマを起動させる(SB1)。続いて、タイマ起動から所定期間が経過したか否かを判定し(SB2)、経過していない場合には(SB2:NO)、外部検知センサ34からのセンサ信号に基づいて監視領域の無人を判定する(SB3)。ここで、開扉処理における監視領域は、入庫時においては、図9のステップSA10で設定された監視領域KA2であり、出庫時においては、図9のステップSA13において設定された監視領域KB2である。
【0065】
この結果、監視領域に人が検知された場合には(SB3:NO)、ステップSB2に戻る。このとき、制御装置40は、監視領域からの退避を促すガイダンスをスピーカ47などの報知部から報知することとしてもよい。
一方、監視領域の無人が確認された場合には(SB3:YES)、乗降室7の外部における出入口扉4近傍の安全が確保されている状態と判定して、開扉を開始する。具体的には、制御装置40は、タイマをリセットし(SB4)、開扉を開始する(SB5)。
【0066】
そして、出入口扉4が完全に開くまで、制御装置40は、外部検知センサ34からのセンサ信号に基づいて監視領域の無人を継続的に確認する(SB6)。なお、このとき、制御装置40は、監視領域への立ち入りを禁止するためのガイダンスをスピーカ47などの報知部から報知することとしてもよい。
【0067】
そして、外部検知センサ34によって人が検知されずに(SB6:YES)、出入口扉4が完全に開いたことが検知されると(SB7:YES)、制御装置40は、開扉処理を終了する。
【0068】
一方、上記ステップSB2において所定期間が経過したと判定した場合(SB2:YES)、すなわち、タイマ起動から所定期間を経過しても監視領域における無人が確認できなかった場合には、開扉処理を終了し、図9のステップSA2に戻り、ユーザ認証から再度やり直す。
【0069】
また、出入口扉4の開扉を開始してから完全に開くまでに、外部検知センサ34によって人が検知された場合には(SB6:NO)、出入口扉4の駆動を停止し(SB8)、開扉処理を終了した後に、図9のステップSA2に戻り、ユーザ認証から再度やり直す。すなわち、この場合には、開扉の途中で出入口扉4が一旦停止された状態となる。そして、ユーザ認証から再度やり直すことで、エラーで一旦停止された位置から出入口扉4が開かれることとなる。
【0070】
〔閉扉処理〕
次に、図11のステップSA32で実行される本実施形態に係る閉扉処理について図13を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る閉扉処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0071】
閉扉処理では、制御装置40は、タイマを起動させる(SC1)。続いて、タイマ起動から所定期間が経過したか否かを判定し(SC2)、経過していない場合には(SC2:NO)、内部検知センサ30からのセンサ信号に基づいて乗降室7内の無人を確認する(SC3)。
【0072】
この結果、乗降室内の無人が確認された場合には(SC3:YES)、外部検知センサ34によって乗降室7の外部に設定された所定の監視領域の無人を確認する(SC4)。ここで、監視領域は、一例として、入庫時、出庫時にかかわらず、監視領域KB2に設定される。また、このとき、制御装置40は、監視領域からの退避を促すガイダンスをスピーカ47などの報知部から報知することとしてもよい。
【0073】
この結果、監視領域の無人が確認された場合には(SC4:YES)、乗降室内外における出入口扉近傍の安全が確保されている状態と判定して、閉扉を開始する。具体的には、制御装置40は、タイマをリセットし(SC5)、閉扉を開始する(SC6)。
【0074】
そして、出入口扉4が完全に閉じるまで、制御装置40は、内部検知センサ30からのセンサ信号に基づく乗降室内の無人と、外部検知センサ34からのセンサ信号に基づく監視領域の無人とを継続的に確認する。このとき、制御装置40は、乗降室内への立ち入りを禁止するためのガイダンス及び監視領域への立ち入りを禁止するためのガイダンスをスピーカ47などの報知部から報知することとしてもよい。
【0075】
そして、内部検知センサ30及び外部検知センサ34によって人が検知されずに(SC7:YES)、出入口扉4が完全に閉まったことが検知されると(SC8:YES)、制御装置40は、閉扉処理を終了する。
【0076】
一方、上記ステップSC2において所定期間が経過したと判定した場合(SC2:YES)、すなわち、タイマ起動から所定期間を経過しても乗降室内における無人又は乗降室外の監視領域における無人が確認できなかった場合には、閉扉処理を終了して、図11のステップSA24に戻り、ユーザ認証から再度やり直す。
【0077】
また、出入口扉4の閉扉を開始してから完全に閉じるまでに、内部検知センサ30又は外部検知センサ34によって人が検知された場合には(SC7:NO)、出入口扉4を反転させて開状態とし(SC9)、閉扉処理を終了した上で、図11のステップSA24に戻り、ユーザ認証から再度やり直す。
【0078】
以上、説明してきたように、本実施形態に係る機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムによれば、以下の作用効果を奏する。
【0079】
乗降室7の外部に設けられた監視領域の無人を確認しながら開扉が行われるので、開扉時の安全性を高めることが可能となる。
また、閉扉の際にも、乗降室7の内部の無人及び乗降室7の外部に設けられた監視領域の無人を確認しながら閉扉が行われるので、閉扉時の安全性を確保することが可能となる。
【0080】
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態に係る機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムについて説明する。本実施形態では、操作盤22からの入力に加えて、操作盤22に設けられたタッチパネル45やICカードリーダ46とは異なる入力部(他の入力手段)から各種情報(例えば、利用者ID、開扉指示情報、閉扉指示情報等)の入力が可能である点が上述した第1実施形態と異なる。
【0081】
入力部の一例として、例えば、利用者が携帯する携帯端末、車載器が挙げられる。携帯端末として、例えば、リモートコントローラ(以下、「リモコン」という。)、スマートフォン、タブレット端末等を用いることが可能である。携帯端末や車載器には、例えば、機械式駐車装置1との双方向通信を確立させて制御装置40と各種情報を授受するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされている。また、携帯端末や車載器には、利用者に付与されている認証情報(利用者ID)が登録されている。
【0082】
以下の説明では、入力部として利用者に予め付与されているリモコンを用いる場合を例示して説明するとともに、第1実施形態と共通する構成については説明を適宜省略し、異なる点について主に説明する。
【0083】
本実施形態に係る機械式駐車装置1は、リモコンからの入力情報を受け付けるための外部受付部(外部受付手段)を備えている。外部受付部は、例えば、無線通信部であり、リモコンとの間で相互通信が可能な構成とされている。外部受付部は、操作盤22に設けられていてもよいし、操作盤22とは異なる場所に設けられていてもよい。本実施形態において、リモコンが利用者によって操作されることにより、ユーザ認証情報、開扉指示情報等の各種情報が送信され、外部受付部によって受信されることにより、各種情報が制御装置40に入力される。なお、リモコンからの入力操作については公知であるため、公知の技術を適宜採用すればよい。
【0084】
図14図17は、リモコンを用いて入出庫処理の入力操作を行う場合の監視領域の一例を示した図である。図14は、入庫時におけるユーザ認証時の監視領域KC1の一例を示した図である。図15は入庫時における開扉処理時の監視領域KC2の一例を示した図である。図16は、出庫時におけるユーザ認証時の監視領域KD1の一例を示した図である。図17は出庫時における開扉処理時の監視領域KD2の一例を示した図である。
【0085】
図14図17に示すように、本実施形態において、外部検知センサ34によって監視される監視領域は、入庫時と出庫時とで異なる範囲に設定されている。また、入庫時、出庫時のそれぞれにおいて、ユーザ認証時における監視領域と、開扉処理時における監視領域とは異なる範囲に設定されている。
【0086】
リモコンを操作して各種情報が入力される場合、利用者は操作盤22の前に立つ必要はない。このため、操作盤22の前方領域についても監視領域に含まれている点が上述した第1実施形態と異なる。すなわち、操作盤22から入力操作を行う場合と、操作盤22以外の入力部から入力操作を行う場合とで、監視領域は異なる範囲に設定される。
なお、上述した第1実施形態と同様に、入庫時は前庭に入庫する車両が停止しているため、開扉処理時の監視領域は、開扉を行う前に入庫車両の輪郭をスキャンし、そのスキャン結果に基づいて監視領域を設定するとよい。
【0087】
〔入出庫処理〕
次に、制御装置40によって実行される本実施形態に係る入出庫処理について図18図21を参照して説明する。図18図21は、制御装置40によって実行される入出庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。なお、上述した第1実施形態と同様の処理については、第1実施形態の説明を適宜引用して説明を省略する。以下の説明においては、利用者がリモコンを用いて入出庫処理に関する各種入力情報を入力する場合を例示して説明する。
【0088】
まず入出庫を行う利用者は、リモコンを操作して、利用者IDを送信する。例えば、入庫時であれば、利用者は車両2を前庭の停止線36の手前に車両2を停車させ、車両2に乗車した状態でリモコンを操作し、利用者IDを送信する。また、出庫時であれば、利用者は機械式駐車装置1の近傍において、リモコンを操作し利用者IDを送信する。
【0089】
利用者IDは、外部受付部によって受信され、制御装置40に入力される。制御装置40は、利用者IDが入力されると(SD1)、操作を行おうとしている人物が予め登録された利用者であるか否かを判定するユーザ認証を行う(SD2)。具体的には、制御装置40は総合データベース52にアクセスし、入力された利用者IDが登録されているか否かを判定する。この結果、ユーザ認証が成功しなかった場合には(SD3:NO)、ステップSD1に戻る。このとき、ユーザ認証に失敗したメッセージをユーザに報知し、再度、利用者IDを入力する旨のアナウンスを行ってもよい。
【0090】
一方、ユーザ認証が成功した場合(SD3:YES)には、入出庫判定を行う(SD4)。この結果、入庫であると判定された場合には(SD4:入庫)、監視領域KC1(図14参照)を設定し(SD5)、設定した監視領域KC1の無人を確認する(SD6)。すなわち、外部検知センサ34によって人などが検知されて否かを判定する。この結果、監視領域KC1において人などが検知された場合には(SD6:NO)、ステップSD1に戻る。一方、監視領域KC1において人などが検知されず、無人であると判定した場合には(SD6:YES)、外部検知センサ34によって車両2の輪郭をスキャンし(SD7)、スキャン結果として得た車両の輪郭を考慮して、すなわち、車両の停車領域を避けるように監視領域KC2(図15参照)を設定し(SD8)、図19のステップSD12に移行する。
【0091】
一方、ステップSD4において、出庫であると判定された場合には(SD4:出庫)、監視領域KD1(図16参照)を設定し(SD9)、設定した監視領域KD1の無人を確認する(SD10)。この結果、監視領域KD1において人などが検知された場合には(SD10:NO)、ステップSD1に戻る。一方、監視領域KD1において人などが検知されず、無人であると判定した場合には(SD10:YES)、監視領域KD2(図17参照)を設定し(SD11)、図19のステップSD12に移行する。
【0092】
図19のステップSD12において、制御装置40は、ユーザ認証で入力された利用者IDを記憶部41に記憶し、待機状態となる。そして、利用者がリモコンを操作することにより、起動指示情報がリモコンから送信され、外部受付部を介して制御装置40に入力されると(SD13)、制御装置40は、リフト14等の車両搬送機構や出入口扉4等の機械機構の運転が可能な運転許可状態とし(SD14)、入庫時においては車両格納棚17から空のパレット、出庫時においては車両が載置されたパレットを呼び出す(SD15)。
【0093】
そして、パレットが乗降室7に到着すると(SD16)、制御装置40は開扉処理を行う(SD17)。なお、開扉処理の詳細については、後述する。
【0094】
続いて、出入口扉4が完全に開くと、制御装置40は、機械機構(リフト14等の車両搬送手段や出入口扉4)の運転をロックする運転ロック状態とし(SD18)、後続の処理、を実行する(SD19)。なお、後続の処理については、操作盤22から利用者ID、閉扉指示情報が入力される点及び閉扉処理においてエラーが発生した場合の復帰処理が上述した第1実施形態と異なり、その他の処理については、第1実施形態で説明した図11のステップSA24以降の処理と同様である。なお、リモコン操作の場合に、閉扉処理においてエラーが発生した場合の処理については後述する。
【0095】
〔開扉処理〕
次に、図19のステップSD17で実行される本実施形態に係る開扉処理について、図20を参照して説明する。図20は、本実施形態に係る開扉処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。図20に示すように、本実施形態に係る開扉処理は、ステップSE1~SE8までは、上述した第1実施形態に係る開扉処理のステップSB1~SB8(図12参照)と同様であり、以下の2点において異なる。
【0096】
1点目は、ステップSE2において、所定期間が経過した場合には(SE2:YES)、開扉処理を終了した上で、図18のステップSD1に戻り、リモコンからの利用者IDの再入力が必要とされる点である。なお、この場合、利用者は後述するように操作盤22から利用者IDを入力することとしてもよい。
【0097】
2点目は、ステップSE5において、出入口扉4の開扉を開始してから完全に開くまでに、外部検知センサ34によって人が検知された場合(SE6:NO)の処理である。すなわち、この場合には、出入口扉4を停止させて(SE8)、エラーフラグをオンにし(SE9)、その後、開扉処理を終了させ、図21のステップSF1に移行する。そして、後述するように、リモコンを用いた操作を行っている際に開扉処理でエラーが生じた場合には、リモコンからの入力情報の受付を拒否し、操作盤22からの入力のみを受け付けることとする。
【0098】
すなわち、開扉処理でエラーが発生した場合には、利用者は、操作盤22に向かい、操作盤の蓋を開け、利用者IDを入力する(SF1)。制御装置40は、利用者IDが入力されると、ユーザ認証を行う(SF2)。この結果、ユーザ認証に成功しなかった場合には(SF3:NO)、ステップSF1に戻り、利用者IDの入力を再度行う。
【0099】
一方、ユーザ認証が成功した場合には(SF3:YES)、続いて、照合処理を行う(SF4)。この照合処理では、図18のステップSD2で入力された利用者IDとステップSF2のユーザ認証で入力された利用者IDとが同一又は所定の関係を有するか否かを判定する。すなわち、リモコン操作による開扉処理においてエラーが発生したときの利用者と同一人物による操作か否かを判定する。
この結果、照合処理に成功しなかった場合には(SF5:NO)、ステップSF1に戻り、利用者IDの入力を再度行う。
【0100】
一方、照合処理に成功した場合には(SF5:YES)、入出庫判定等の後続の処理を行う(SF6)。すなわち、照合処理に成功した後の処理については、図9のステップSA6以降の処理と同様である。そして、開扉処理においては、監視領域の無人が確認されながら、エラーで停止している位置から出入口扉4が開かれることとなる。
【0101】
また、リモコン操作で各種情報を入力している際の閉扉処理についても同様である。すなわち、リモコン操作を行っている場合の閉扉処理は、図13に示される第1実施形態に係る処理とほぼ同様であり、エラーが発生した場合の処理が異なる。すなわち、閉扉処理においてエラーが発生した場合には、開扉処理と同様に、リモコンからの入力情報の受付を拒否し、操作盤22からの入力のみを受け付けることとする。
このため、利用者は操作盤22の前に移動し、操作盤22から各種入力操作を行う。操作盤22からの入力操作については、上述した第1実施形態で説明した通りである。
【0102】
以上、説明してきたように、本実施形態に係る機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムによれば、以下の作用効果を奏する。
【0103】
リモコンから入力操作が行われる場合においても、乗降室外に設けられた監視領域の無人を確認しながら開扉が行われるので、開扉時の安全性を高めることが可能となる。また、リモコンから入力操作が行われる場合においても、乗降室内の無人及び乗降室外部に設けられた監視領域の無人を確認しながら閉扉が行われるので、閉扉時の安全性を確保することが可能となる。
【0104】
また、リモコンから入力操作が行われている場合において、開扉処理でエラーが発生した場合には、リモコンからの入力が受け付けられなくなり、操作盤22に設けられたICカードリーダ46、タッチパネル45等から認証情報や開扉指示情報が再度入力されたことを条件に出入口扉の開動作が再開される。これにより、安全性を更に高めることが可能となる。
【0105】
以上、本開示について、上記実施形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。開示の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0106】
例えば、各実施形態では、出入口扉4として上方開きの扉を例示して説明したがこれに限られない。例えば、出入口扉4は、水平開きであってもよいし、下方開き(地面に格納されるタイプ)であってもよい。
【0107】
上述した各実施形態に係る監視領域は一例であり、この例に限定されない。例えば、入庫、出庫にかかわらず、また、入力情報を入力する入力部(操作盤22かリモコンか)にかかわらず、一様の監視領域を設定することも可能である。
【0108】
また、監視領域は、入退出検知センサ32を構成するセンサ32Bによる検知領域と一致するように設定させてもよい。すなわち、この場合、入退出検知センサ32が外部検知センサとしても機能し、センサ32Bによって人が検知された場合に、開扉動作や閉扉動作が停止されることとなる。また、外部検知センサ34としてセンサ32Bを採用する場合には、上述した測域センサ等を省略することが可能である。また、この場合、監視領域は、停止線36よりも出入口扉4側に設けられることから、前庭に停車されている車両の輪郭スキャンも不要となる。
【0109】
また、上述した各実施形態においては、制御装置40によって操作盤22が制御される場合を例示したが、この例に限られず、例えば、操作盤22に操作盤制御装置を設け、操作盤制御装置と制御装置40との情報のやり取りによって、上述の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、例えば、制御装置40が行っていた認証情報(利用者ID)の格納処理や照合処理を操作盤22に設けられている操作盤制御装置に実行させることとしてもよい。すなわち、上記入庫処理及び出庫処理を実現させるための具体的な制御系に関する装置構成については、上述した構成に限定されず、公知の技術を参酌し、様々な構成を実現し得る。
【0110】
また、操作盤22とは異なる場所に、入庫を予約するための入庫予約装置が設けられており、入庫予約装置から入庫予約を行うような場合にも本開示の開扉処理や閉扉処理は適用することが可能である。同様に、操作盤22とは異なる場所に、出庫を予約するための出庫予約装置が設けられており、出庫予約装置から出庫予約を行うような場合にも本開示の開扉処理や閉扉処理は適用することが可能である。
【0111】
また、上記実施形態で説明した入出庫処理の流れは一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることが可能である。
一例として、以下の変形例が挙げられる。
【0112】
例えば、利用者が乗降室内や前庭の安全を確認したことを入力するための安全確認処理や、無人確認処理を適宜追加してもよい。
また、開扉を行う場合の開扉指示の入力を省略し、パレットが到着した場合に、自動的に開扉処理を開始することとしてもよい。
また、閉扉を行う場合の閉扉指示の入力を省略し、ユーザ認証又は照合処理が成功した場合に、自動的に閉扉処理に以降するような構成とされていてもよい。
また、開扉処理、閉扉処理においてエラーが発生した場合に、管理者および保守員にエラーの発生を通知することとしてもよい。
また、照合処理を行う前のユーザ認証は省略してもよい。
【0113】
以上説明した各実施形態に記載の機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0114】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、車両(2)の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室(7)と、前記乗降室の出入口に設けられた出入口扉(4)と、前記乗降室外であって、前記出入口扉の近傍に設けられた所定の監視領域における人又は車両を検知する外部検知手段(34)と、前記外部検知手段によって人又は車両が検知されていない状態で前記出入口扉の開扉を行う制御手段(40)とを備え、前記制御手段は、前記出入口扉の開扉中に、前記監視領域に人又は車両が検知された場合に、前記出入口扉の開動作を停止させる。
【0115】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、乗降室外に設けられた監視領域の無人を確認しながら開扉が行われるので、開扉時の安全性を高めることが可能となる。
【0116】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記制御手段は、前記乗降室内に車両搬送手段が到着した場合に、前記監視領域に人又は車両が検知されていないか否かを判定し、人又は車両が検知されていない場合に、開扉を開始することとしてもよい。
【0117】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、乗降室内に車両搬送手段が到着したことをトリガとして監視領域の無人が判定され、無人が確認された場合に開扉が開始されることとなる。
【0118】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、前記乗降室外に設けられるとともに、前記出入口扉を開けるための入力情報を受け付ける外部受付手段(22)を備え、前記制御手段は、前記外部受付手段によって所定の入力情報が受け付けられ、かつ、前記監視領域に人又は車両が検知されていない場合に、開扉を開始することとしてもよい。
【0119】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記入力情報は、例えば、開扉指示情報である。
【0120】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、外部受付手段によって所定の入力情報(例えば、開扉指示情報)が受け付けられ、かつ、監視領域の無人が確認された場合に、開扉が開始されることとなる。
【0121】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記入力情報は、例えば、操作盤に設けられている入力手段(45,46)又は前記入力手段とは異なる他の入力手段から送信される情報であり、前記制御手段は、前記入力情報の送信元に応じて、異なる前記監視領域を設定することとしてもよい。
【0122】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、他の前記入力手段は、利用者が携帯する携帯端末及び車両に設置された車載器の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0123】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、操作盤に設けられている入力手段又は操作盤に設けられている入力手段とは異なる他の入力手段(例えば、利用者が携帯する携帯端末及び車載器の少なくとも一つを含む)から、入力情報が送信されることにより、入力情報が外部受付手段によって受け付けられる。制御手段は、入力情報が操作盤に設けられている入力手段から入力されたのか、あるいは、該入力手段とは異なる他の入力手段から入力されたのかに応じて、監視領域を異ならせる。これにより、入力情報の入力態様に応じて適切な監視領域を設定することが可能となる。
【0124】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記制御手段は、他の前記入力手段から送信された前記入力情報に基づいて開扉が行われ、かつ、前記監視領域に人が検知されることによって前記出入口扉の開動作が停止された場合は、操作盤に設けられた前記入力手段から前記入力情報が再度入力されたことを条件に、前記出入口扉の開動作を再開させることとしてもよい。
【0125】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、他の入力手段から入力情報が入力された場合に、出入口扉の開動作が停止された場合には、他の入力手段からの入力が受け付けられなくなり、操作盤に設けられた入力手段から入力情報が再度入力されたことを条件に出入口扉の開動作が再開される。これにより、安全性を更に高めることが可能となる。
【0126】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記制御手段は、入庫時か出庫時かに応じて、異なる前記監視領域を設定することとしてもよい。
【0127】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、入庫時及び出庫時のそれぞれにおいて、適切な監視領域を設定することが可能となる。
【0128】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、入庫時において、前庭に停車されている車両の輪郭を検出するための輪郭検出手段を備え、前記制御手段は、前記輪郭検出手段による検出結果を用いて、入庫時における前記監視領域を設定することとしてもよい。
【0129】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、前庭に停車されている車両の輪郭に応じた適切な監視領域を設定することが可能となる。
【0130】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記外部検知手段は、前記出入口扉を挟んで操作盤と反対側に設けられていてもよい。
【0131】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、出入口扉を挟んで操作盤と反対側に外部検知手段が設けられているので、利用者が視認できない車両の反対側の領域における無人をセンサによって確認することが可能となる。
【0132】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、複数の前記外部検知手段を備え、前記外部検知手段は、前記出入口扉を挟んで両側に設けられていてもよい。
【0133】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、出入口扉を挟んで両側に外部検知手段が設けられているので、車両の両側の無人をセンサによって確認することが可能となる。
【0134】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、前記出入口扉を開く前に、前記監視領域からの退避を促すガイダンスを行う報知手段(47)を備えていてもよい。
【0135】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、監視領域にいる利用者を速やかに監視領域から退出させることが可能となる。
【0136】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記制御手段は、前記外部検知手段によって前記監視領域に人又は車両が検知されていない状態で前記出入口扉の閉扉を行うこととしてもよい。
【0137】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、外部検知手段によって監視領域の無人が確認されている状態で出入口扉の閉扉を行うので、閉扉時における安全を確保することが可能となる。
【0138】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記制御手段は、前記出入口扉の閉扉中に、前記監視領域に人又は車両が検知された場合に、前記出入口扉を反転駆動させることとしてもよい。
【0139】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、閉扉中において、監視領域に人が検知された場合には、出入口扉が反転駆動されるので、閉扉時における安全を確保することが可能となる。
【0140】
本開示に係る機械式駐車装置の制御方法は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれか一方を行う乗降室と、前記乗降室の出入口に設けられた出入口扉とを備える機械式駐車装置の制御方法であって、前記乗降室の外部、かつ、前記出入口扉の近傍に設けられた所定の監視領域における人又は車両を検知する工程と、前記監視領域に人又は車両が検知されていない状態で、前記出入口扉の開扉を行う工程と、前記出入口扉の開扉中に、前記監視領域に人又は車両が検知された場合に、前記出入口扉の開動作を停止させる工程とをコンピュータが実行する。
【0141】
本開示に係る機械式駐車装置(1)のプログラムは、上記機械式駐車装置の制御方法をコンピュータが実行するための機械式駐車装置のプログラムである。
【符号の説明】
【0142】
1 :機械式駐車装置
2 :車両
3 :入出庫口
4 :出入口扉
7 :乗降室
14 :リフト
17 :車両格納棚
18 :パレット
22 :操作盤(外部受付手段)
28 :モニタ
30 :内部検知センサ
32 :入退出検知センサ
34 :外部検知センサ(外部検知手段、輪郭検出手段)
35 :カメラ
36 :停止線
40 :制御装置(制御手段)
41 :記憶部
45 :タッチパネル(入力手段)
46 :ICカードリーダ(入力手段)
47 :スピーカ(報知手段)
48 :非常停止ボタン
50 :主制御部
52 :総合データベース
55 :出入口扉制御部
56 :搬送機制御部
57 :センサ制御部
58 :カメラ制御部
59 :画像データベース
61 :車両計測制御部
62 :旋回駆動制御部
67 :出入口扉センサ
68 :搬送機位置センサ
図1
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