(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106170
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】名刺管理システム及び名刺管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 3/40 20060101AFI20230725BHJP
G06F 16/538 20190101ALI20230725BHJP
【FI】
G06T3/40
G06F16/538
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007338
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】599108242
【氏名又は名称】Sky株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】坊坂 裕亮
(72)【発明者】
【氏名】長沼 卓也
【テーマコード(参考)】
5B057
5B175
【Fターム(参考)】
5B057AA11
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
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5B057CD05
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5B057DA17
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5B057DC03
5B057DC08
5B057DC09
5B175DA02
5B175GA03
5B175JB02
(57)【要約】
【課題】表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置が名刺管理システムに用いられる場合に、端末装置の種類によらずに、ユーザにとって視認性の良い寸法の名刺画像を表示画面に表示させることが可能な技術を実現する。
【解決手段】複数種類の端末装置1は、表示画面12の寸法HD,WD及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる。画像生成装置は、表示画面12に表示された状態の名刺画像80の表示画面12上での寸法が、名刺情報の元となった名刺の寸法に基づいて予め設定された設定寸法HS,WSとなるように、端末装置1の種類によって異なる表示画面12の寸法HD,WD及び解像度に応じた解像度の名刺画像80を含む表示画像70を生成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
名刺の画像データを含む名刺情報を前記名刺から読み取る読取装置と、
前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報を管理する管理サーバと、
前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報或いは前記管理サーバによって管理されている前記名刺情報に含まれる前記画像データに基づき、前記名刺を表す名刺画像を含む表示画像を生成する画像生成装置と、
前記画像生成装置によって生成された前記表示画像を表示する表示画面を備えた複数種類の端末装置と、を備え、
前記複数種類の端末装置は、前記表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なり、
前記画像生成装置は、前記表示画面に表示された状態の前記名刺画像の前記表示画面上での寸法が、前記名刺情報の元となった前記名刺の寸法に基づいて予め設定された設定寸法となるように、前記端末装置の種類によって異なる前記表示画面の寸法及び解像度に応じた解像度の前記名刺画像を含む前記表示画像を生成する、名刺管理システム。
【請求項2】
前記設定寸法は、前記名刺情報の元となった前記名刺の実寸に応じた寸法である、請求項1に記載の名刺管理システム。
【請求項3】
前記名刺には、実寸が異なる複数種類があり、
前記名刺情報には、当該名刺情報の元となった前記名刺の実寸に関する情報が含まれている、請求項2に記載の名刺管理システム。
【請求項4】
前記表示画像には、前記名刺画像の周辺に配置される画像である周辺画像が含まれ、
前記画像生成装置は、前記表示画面の寸法及び解像度と、前記名刺画像の解像度との関係に応じて、前記名刺画像が前記設定寸法で前記表示画面に表示されるように、前記周辺画像の寸法、配置、及び内容の少なくとも1つを変更する周辺画像調整処理を実行する、請求項1から3のいずれか一項に記載の名刺管理システム。
【請求項5】
名刺の画像データを含む名刺情報を前記名刺から読み取る読取装置と、
前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報を管理する管理サーバと、
前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報或いは前記管理サーバによって管理されている前記名刺情報に含まれる前記画像データに基づき、前記名刺を表す名刺画像を含む表示画像を生成する画像生成装置と、
前記画像生成装置によって生成された前記表示画像を表示する表示画面を備えた複数種類の端末装置と、を備えた名刺管理システムにおいて、前記画像生成装置における画像生成機能をコンピュータに実現させるための名刺管理プログラムであって、
前記複数種類の端末装置は、前記表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なり、
前記画像生成機能は、前記表示画面に表示された状態の前記名刺画像の前記表示画面上での寸法が、前記名刺情報の元となった前記名刺の寸法に基づいて予め設定された設定寸法となるように、前記端末装置の種類によって異なる前記表示画面の寸法及び解像度に応じた解像度の前記名刺画像を含む前記表示画像を生成する機能を含む、名刺管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名刺管理システム及び名刺管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
名刺管理システムの一例が、特開2014-153939号公報(特許文献1)に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。特許文献1の名刺管理システム(1)は、名刺画像を有する名刺情報を管理する名刺管理サーバ(10)と、モニタ(203a)を備えた入力端末(20)と、モニタ(207a)を備えた特権入力端末(30)と、を備えている。入力端末(20)や特権入力端末(30)は、オペレータや特権オペレータが名刺の情報を入力するために用いる情報処理端末であり、入力端末(20)や特権入力端末(30)のモニタ(203a,207a)には、特許文献1の
図14及び
図17に示されているように、名刺管理サーバ(10)から送信される名刺画像(140,171)が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末装置(特許文献1では、入力端末や特権入力端末)として、表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置が、名刺管理システムに用いられる場合がある。このような場合であっても、端末装置の種類によらずに、ユーザにとって視認性の良い寸法の名刺画像が表示画面に表示されることが望ましい。しかしながら、特許文献1にはこの点についての記載はない。
【0005】
そこで、表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置が名刺管理システムに用いられる場合に、端末装置の種類によらずに、ユーザにとって視認性の良い寸法の名刺画像を表示画面に表示させることが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る名刺管理システムは、名刺の画像データを含む名刺情報を前記名刺から読み取る読取装置と、前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報を管理する管理サーバと、前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報或いは前記管理サーバによって管理されている前記名刺情報に含まれる前記画像データに基づき、前記名刺を表す名刺画像を含む表示画像を生成する画像生成装置と、前記画像生成装置によって生成された前記表示画像を表示する表示画面を備えた複数種類の端末装置と、を備え、前記複数種類の端末装置は、前記表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なり、前記画像生成装置は、前記表示画面に表示された状態の前記名刺画像の前記表示画面上での寸法が、前記名刺情報の元となった前記名刺の寸法に基づいて予め設定された設定寸法となるように、前記端末装置の種類によって異なる前記表示画面の寸法及び解像度に応じた解像度の前記名刺画像を含む前記表示画像を生成する。
【0007】
本開示に係る名刺管理プログラムは、名刺の画像データを含む名刺情報を前記名刺から読み取る読取装置と、前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報を管理する管理サーバと、前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報或いは前記管理サーバによって管理されている前記名刺情報に含まれる前記画像データに基づき、前記名刺を表す名刺画像を含む表示画像を生成する画像生成装置と、前記画像生成装置によって生成された前記表示画像を表示する表示画面を備えた複数種類の端末装置と、を備えた名刺管理システムにおいて、前記画像生成装置における画像生成機能をコンピュータに実現させるための名刺管理プログラムであって、前記複数種類の端末装置は、前記表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なり、前記画像生成機能は、前記表示画面に表示された状態の前記名刺画像の前記表示画面上での寸法が、前記名刺情報の元となった前記名刺の寸法に基づいて予め設定された設定寸法となるように、前記端末装置の種類によって異なる前記表示画面の寸法及び解像度に応じた解像度の前記名刺画像を含む前記表示画像を生成する機能を含む。
【0008】
例えば、表示画面の寸法が比較的小さい小型端末装置(例えば、スマートフォン)を用いた場合に表示画面に表示される名刺画像の寸法が、表示画面の寸法が比較的大きい大型端末装置(例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ)を用いた場合に表示画面に表示される名刺画像の寸法よりも小さくなる場合、小型端末装置を用いた場合の名刺画像の視認性が低下する事態が発生し得る。また、一人のユーザが、表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置を使い分ける場合に、表示画面に表示される名刺画像の寸法が端末装置によって異なると、ユーザが名刺画像を見ながら端末装置を操作する際の操作感覚が端末装置によって異なることに起因して、ユーザが操作のしづらさを感じる事態が発生し得る。
【0009】
これに対して、上記の各構成によれば、読取装置によって読み取られた名刺情報或いは管理サーバによって管理されている名刺情報に含まれる画像データを閲覧する際に、表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置のいずれを用いる場合であっても、名刺情報の元となった名刺(すなわち、閲覧しようとする画像データの元となった名刺)を表す名刺画像を、当該名刺の寸法に基づいて設定された設定寸法で表示画面に表示させることができる。よって、ユーザにとって視認性が良い寸法となるように設定寸法を予め設定しておくことで、上述したような事態が発生することを回避して、ユーザにとって視認性の良い設定寸法の名刺画像を、端末装置の種類によらずに表示画面に表示させることができる。すなわち、上記の各構成によれば、表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置が名刺管理システムに用いられる場合に、端末装置の種類によらずに、ユーザにとって視認性の良い寸法の名刺画像を表示画面に表示させることが可能となっている。
【0010】
名刺管理システム及び名刺管理プログラムの更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】名刺管理システムの概略構成を示すブロック図
【
図3】複数種類の端末装置の間での表示画像の比較図
【発明を実施するための形態】
【0012】
名刺管理システムの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する名刺管理システムの種々の技術的特徴は、名刺管理プログラム(名刺管理システムの機能をコンピュータに実現させるためのプログラム)にも適用可能であり、そのようなプログラム、更には、そのようなプログラムが記憶された記憶媒体(例えば、光ディスク、フラッシュメモリ等)も、本明細書によって開示される。
【0013】
図1に示すように、名刺管理システム100は、読取装置2と、管理サーバ20と、画像生成装置3と、端末装置1と、を備えている。本実施形態では、名刺管理システム100は、更に、データベース30と、操作端末50と、を備えている。名刺管理システム100が備える複数の装置は、通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワークNは、有線、無線、或いはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。
【0014】
読取装置2は、名刺60の画像データ91を含む名刺情報90を名刺60から読み取る装置である。画像データ91が表す画像は、名刺60の外面(表面、裏面、或いはこれらの双方)の画像である。読取装置2は、現実の名刺60から、当該名刺60の画像データ91を含む名刺情報90を読み取る。読取装置2によって読み取られた名刺情報90は、当該名刺情報90の元となった名刺60(言い換えれば、当該名刺情報90の読み取り元の名刺60)の識別情報(以下、「名刺識別情報」という)と共に、管理サーバ20に送信される。名刺情報90及び名刺識別情報は、直接又は他の装置を介して、管理サーバ20に送信される。管理サーバ20に送信される名刺情報90には、少なくとも画像データ91が含まれる。管理サーバ20に送信される名刺情報90に、画像データ91以外のデータ(例えば、名刺60に記載された文字のテキストデータ)が含まれていてもよい。名刺60に記載された文字のテキストデータは、例えば、名刺60の画像データ91に対する文字認識処理によって取得される。
【0015】
読取装置2は、端末装置1と一体の装置であっても、端末装置1と別体の装置であってもよい。
図1に示すように、本実施形態では、名刺管理システム100は、端末装置1と一体の読取装置2として撮像装置18を備えると共に、端末装置1と別体の読取装置2としてスキャナ40を備えている。なお、名刺管理システム100が、端末装置1と一体の読取装置2と、端末装置1と別体の読取装置2との、いずれか一方のみを備える構成としてもよい。
【0016】
撮像装置18は、端末装置1の外部を撮影するカメラである。撮像装置18は、例えば、端末装置1の背面(後述する表示画面12が配置される前面とは反対側の面)に設けられた背面カメラとされる。読取装置2が撮像装置18である場合、撮像装置18による名刺60の撮影画像のデータが、当該名刺60の画像データ91となる。スキャナ40は、単機能のイメージスキャナでもよいし、他の機能(例えば、複写機能やプリント機能)と共にスキャン機能を備えた複合機であってもよい。読取装置2がスキャナ40である場合、スキャナ40による名刺60の読取画像のデータが、当該名刺60の画像データ91となる。
【0017】
管理サーバ20は、読取装置2によって読み取られた名刺情報90を管理するサーバである。管理サーバ20は、名刺情報90を、当該名刺情報90の元となった名刺60の識別情報と関連付けて管理する。
図1に示す例では、管理サーバ20が管理する名刺情報90は、管理サーバ20とは別体のデータベース30(データベースサーバ)に記憶されている。なお、管理サーバ20が管理する名刺情報90が、後述する管理記憶装置22に記憶されてもよい。
【0018】
管理サーバ20は、演算装置(管理演算装置21)と、記憶装置(管理記憶装置22)と、通信装置(管理通信装置23)と、を備えている。管理演算装置21は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と、当該演算処理装置が直接参照可能な記憶装置(主記憶装置)と、を備えている。主記憶装置として、DDR(Double Data Rate)規格或いはその後継の規格のRAM(Random Access Memory)を例示することができる。後述する演算装置14が備える主記憶装置についても同様である。管理記憶装置22は、データを記憶及び書き換え可能な記憶装置(補助記憶装置)である。管理記憶装置22として、フラッシュメモリ又はハードディスクを記憶媒体として備えた記憶装置を例示することができる。後述する記憶装置17についても同様である。管理通信装置23は、通信ネットワークNを介して通信を行う装置である。管理通信装置23は、管理サーバ20が通信ネットワークN上の他の装置(例えば、端末装置1)とデータ通信を行うために用いられる。管理通信装置23として、無線LAN(Local Area Network)を利用して通信ネットワークNに接続される無線通信装置や、LANケーブルを用いて通信ネットワークNに接続される有線通信装置を例示することができる。後述する通信装置19についても同様である。
【0019】
管理演算装置21の機能(例えば、名刺情報90を管理する機能)は、管理演算装置21(具体的には、演算処理装置)が記憶装置(主記憶装置又は管理記憶装置22)に記憶されているプログラムを実行することで実現される。すなわち、管理演算装置21の機能をコンピュータ(ここでは、管理演算装置21が備える演算処理装置)に実現させるためのプログラムは、当該コンピュータが参照可能な記憶装置(ここでは、管理演算装置21が備える主記憶装置、又は管理記憶装置22)に記憶される。このプログラムは、例えば、記憶媒体或いは通信ネットワークNを介して提供される。そして、管理演算装置21の機能は、演算処理装置等のハードウェアと、当該ハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により実現される。
【0020】
画像生成装置3は、読取装置2によって読み取られた名刺情報90或いは管理サーバ20によって管理されている名刺情報90に含まれる画像データ91に基づき、名刺60を表す名刺画像80を含む表示画像70を生成する装置である。名刺画像80は、画像データ91をそのまま画像化したものであっても、画像データ91を加工して画像化したものであってもよい。画像生成装置3は、表示対象となる名刺60である対象名刺を表す名刺画像80を含む表示画像70を生成する。ここで、「読取装置2によって読み取られた名刺情報90」は、読取装置2によって読み取られた後であって管理サーバ20によって管理される前の名刺情報90を意味する。
【0021】
画像生成装置3は、単独の装置であってもよいし、名刺管理システム100が備える装置に設けられていてもよい。後者の場合、例えば、画像生成装置3は、管理サーバ20に設けられ、或いは、端末装置1に設けられる。また、画像生成装置3は、1つの装置ではなく、互いに通信可能な複数の装置の集合であってもよい。この場合、例えば、画像生成装置3は、管理サーバ20に設けられた装置と端末装置1に設けられた装置との集合によって構成される。このように、本明細書において、「装置」は、一体化された1つのハードウェアと、複数のハードウェアの集合との、双方を含む概念である。
【0022】
端末装置1は、画像生成装置3によって生成された表示画像70を表示する表示画面12を備えた装置である。例えば、複数の端末装置1が名刺管理システム100において用いられる。
図1に示すように、端末装置1は、入力装置10と、表示装置11と、演算装置14と、記憶装置17と、上述した撮像装置18と、通信装置19と、を備えている。
【0023】
演算装置14は、CPU等の演算処理装置と、当該演算処理装置が直接参照可能な記憶装置(主記憶装置)と、を備えている。記憶装置17は、データを記憶及び書き換え可能な記憶装置(補助記憶装置)である。通信装置19は、通信ネットワークNを介して通信を行う装置である。通信装置19は、端末装置1が通信ネットワークN上の他の装置(例えば、管理サーバ20)とデータ通信を行うために用いられる。
【0024】
演算装置14の機能(例えば、後述する検出部15や表示制御部16の機能)は、演算装置14(具体的には、演算処理装置)が記憶装置(主記憶装置又は記憶装置17)に記憶されているプログラムを実行することで実現される。すなわち、演算装置14の機能をコンピュータ(ここでは、演算装置14が備える演算処理装置)に実現させるためのプログラムは、当該コンピュータが参照可能な記憶装置(ここでは、演算装置14が備える主記憶装置、又は記憶装置17)に記憶される。このプログラムは、例えば、記憶媒体或いは通信ネットワークNを介して提供される。そして、演算装置14の機能は、演算処理装置等のハードウェアと、当該ハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により実現される。
【0025】
入力装置10は、ユーザ(端末装置1のユーザ)の操作を受け付ける装置である。入力装置10として、キーボードやポインティングデバイス(マウス、タッチパッド、タッチパネル等)を例示することができる。表示装置11は、画像生成装置3が生成した表示画像70を表示する装置である。表示装置11は、表示画像70を表示画面12(表示装置11の外面に設けられる画面、スクリーン等への投影画面等)に表示する。表示装置11として、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイを例示することができる。本実施形態では、一例として、入力装置10と表示装置11とを含む表示入力装置13を端末装置1が備えている。表示入力装置13を構成する入力装置10は、表示画面12に対するユーザの操作を受け付けるように構成される。本実施形態では、表示入力装置13として、入力装置10と表示装置11とが一体化された装置(具体的には、表示装置11の外面に設けられた表示画面12がタッチパネルとして機能する装置)を用いる場合を想定しているが、表示入力装置13として、スクリーン等に投影された表示画面12(投影画面)に対するユーザの操作を受け付けることが可能な装置を用いてもよい。
【0026】
演算装置14は、検出部15と表示制御部16とを備えている。このように演算装置14は複数の機能部を備えているが、演算装置14が備える複数の機能部は、少なくとも論理的に区別されるものであり、物理的には必ずしも区別される必要はない。
【0027】
検出部15は、入力装置10に対するユーザの操作を検出する機能部である。上述したように、本実施形態では、端末装置1が表示入力装置13を備えている。そのため、検出部15による検出対象となるユーザの操作には、表示画面12に対するユーザの操作が含まれる。検出部15は、入力装置10からの信号に基づき(具体的には、入力装置10からの信号を解析して)、入力装置10に対するユーザの操作内容を表す操作情報を取得する。
【0028】
画像生成装置3は、入力装置10に対するユーザの操作内容を表す操作情報を検出部15から取得し、入力装置10に対するユーザの操作内容に応じた表示画像70を生成する。例えば、表示対象となる名刺60である対象名刺を別の名刺に変更する名刺変更操作が検出部15により検出された場合には、画像生成装置3は、変更後の対象名刺を表す名刺画像80を含む表示画像70を生成する。
【0029】
表示制御部16は、表示画像70が表示画面12に表示されるように表示装置11(本実施形態では、表示入力装置13)を制御する機能部である。表示制御部16は、画像生成装置3によって生成された表示画像70(表示画像70のデータ)を取得し、当該表示画像70が表示画面12に表示されるように表示装置11を制御する。
【0030】
本実施形態では、名刺管理システム100は、操作端末50を備えている。操作端末50は、ユーザ(操作端末50のユーザ)の操作に応じて画像データ91に対する画像処理を行う装置である。例えば、複数の操作端末50が名刺管理システム100において用いられる。操作端末50のユーザは、例えば、名刺情報90に対して端末装置1のユーザよりも広範なアクセス権を有するユーザ(例えば、名刺管理システム100のオペレータ)とされる。操作端末50についての詳細は省略するが、操作端末50は、端末装置1の入力装置10、表示装置11、演算装置14、記憶装置17、及び通信装置19のそれぞれに対応する装置(同様の機能を有する装置)を備えている。
【0031】
操作端末50が行う画像処理には、例えば、画像データ91から名刺60の外縁に応じた範囲を切り出すトリミング処理が含まれる。例えば、読取装置2としての撮像装置18によって名刺情報90が読み取られた場合に、当該名刺情報90に含まれる画像データ91に対してトリミング処理が行われる。操作端末50は、読取装置2によって読み取られた名刺情報90或いは管理サーバ20によって管理されている名刺情報90に含まれる画像データ91を取得して、当該画像データ91に対してトリミング処理を行う。操作端末50によってトリミング処理が行われた場合、画像生成装置3は、トリミング処理が行われた後の画像データ91に基づき表示画像70を生成する。このようなトリミング処理を行うことで、表示画面12に表示される名刺画像80を、現実の名刺60の外観に近づけやすくなる。よって、表示画面12に表示される名刺60は仮想的な名刺60であるものの、現実の名刺60に近い感覚をユーザに与えやすくなり、端末装置1を使用するユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0032】
なお、トリミング処理は、ユーザの操作に応じてではなく、自動で行われてもよい。また、名刺管理システム100が操作端末50を備えない構成とすることもできる。この場合、例えば、上述したトリミング処理が、ユーザの操作に応じて或いは自動で端末装置1において行われ、トリミング処理が行われた後の画像データ91を含む名刺情報90が、管理サーバ20に送信される構成としてもよい。
【0033】
本実施形態では、画像生成装置3は、端末装置1とは別の装置に設けられており、表示制御部16は、画像生成装置3によって生成された表示画像70を、当該別の装置から通信装置19を介して取得する。
図1に示す例では、画像生成装置3は、管理サーバ20(端末装置1とは別の装置の一例)に設けられている。具体的には、管理サーバ20が備える管理演算装置21が、画像生成装置3を構成している。より具体的には、管理演算装置21が、画像生成部4を備えている。画像生成部4は、読取装置2によって読み取られた名刺情報90或いは管理サーバ20によって管理されている名刺情報90に含まれる画像データ91に基づき、名刺60を表す名刺画像80を含む表示画像70を生成する機能部である。画像生成部4によって、画像生成装置3における画像生成機能が実現される。
【0034】
名刺管理システム100において画像生成装置3における画像生成機能をコンピュータに実現させるための名刺管理プログラムは、コンピュータが参照可能な記憶装置に記憶される。本実施形態では、この名刺管理プログラムは、管理演算装置21の演算処理装置が参照可能な主記憶装置又は管理記憶装置22に記憶される。そして、管理演算装置21の演算処理装置が当該名刺管理プログラムを実行することで、画像生成装置3における画像生成機能が実現される。
【0035】
このように、本実施形態では、画像生成装置3が、端末装置1とは別の装置に設けられているが、画像生成装置3が端末装置1に設けられてもよい。この場合、名刺管理プログラムは、演算装置14が参照可能な主記憶装置又は記憶装置17に記憶される。そして、演算装置14の演算処理装置が当該名刺管理プログラムを実行することで、画像生成装置3における画像生成機能が実現される。
【0036】
また、画像生成装置3の全体が1つの装置(例えば、管理サーバ20又は端末装置1)に設けられるのではなく、画像生成装置3が複数の装置に分かれて設けられてもよい。例えば、画像生成装置3の一部が管理サーバ20に設けられ、画像生成装置3の残りが端末装置1に設けられる構成とすることができる。この場合、管理演算装置21の演算処理装置と演算装置14の演算処理装置との協働によって、画像生成装置3における画像生成機能が実現される。
【0037】
図3に例示するように、名刺管理システム100は、複数種類の端末装置1を備えている。複数種類の端末装置1は、表示画面12の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なっている。すなわち、本明細書では、端末装置1を、表示画面12の寸法及び解像度によって分類している。表示画面12の寸法には、表示画面12の横方向(幅方向、水平方向)の寸法である横寸法WDと、表示画面12の縦方向(高さ方向、垂直方向)の寸法である縦寸法HDとが含まれる。表示画面12の寸法や後述する設定寸法は、例えば、メートル単位系又はインチ単位系で表される。
【0038】
表示画面12の解像度には、表示画面12の横方向の解像度である横解像度と、表示画面12の縦方向の解像度である縦解像度とが含まれる。ここで、解像度は、画素密度(単位長さ当たりの画素数)ではなく、画素数(ピクセル数)である。すなわち、横解像度は、表示画面12の横方向の総画素数であり、縦解像度は、表示画面12の縦方向の総画素数である。なお、表示画面12の解像度を変更可能な端末装置1については、画像生成装置3による表示画像70の生成時の解像度の設定値を、当該表示画面12の解像度とする。また、表示画面12の表示倍率(表示スケール)を変更可能な端末装置1については、解像度の設定値を表示倍率の設定値で除算した値を、当該表示画面12の解像度とする。例えば、表示画面12の横解像度の設定値が1280であり、表示画面12の表示倍率の設定値が1.25(125%)である場合には、1280を1.25で除算した値である1024を、当該表示画面12の横解像度とする。
【0039】
表示画面12の横方向は、端末装置1のユーザから見た左右方向であり、表示画面12の縦方向は、端末装置1のユーザから見た上下方向である。
図3に示す例では、端末装置1は長方形状の表示画面12を備えており、端末装置1は、表示画面12の長辺が水平方向に沿う向き(すなわち、横向き)で配置されている。そのため、横寸法WDが縦寸法HDよりも大きくなっている。なお、端末装置1が、表示画面12の短辺が水平方向に沿う向き(すなわち、縦向き)で配置される場合には、縦寸法HDが横寸法WDよりも大きくなる。
【0040】
図3には、少なくとも表示画面12の寸法が互いに異なる3つの端末装置1として、第1端末装置1A、第2端末装置1B、及び第3端末装置1Cが例示されている。第1端末装置1Aは、デスクトップ型のパーソナルコンピュータであり、
図3ではそのディスプレイのみを示している。第2端末装置1Bは、タブレット端末(携帯情報端末の一例)であり、第3端末装置1Cは、スマートフォン(携帯情報端末の別例)である。
【0041】
このように、この名刺管理システム100では、表示画面12の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置1が用いられる。この名刺管理システム100は、以下に述べる構成を備えることで、表示画面12の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置1が名刺管理システム100に用いられる場合であっても、端末装置1の種類によらずに、ユーザにとって視認性の良い寸法の名刺画像80(具体的には、後述する設定寸法の名刺画像80、
図3参照)を表示画面12に表示させることが可能となっている。なお、
図3等では、名刺60に記載されている文字を簡略化して“○”で表している。
【0042】
画像生成装置3は、表示画面12に表示された状態の名刺画像80の表示画面12上での寸法が、名刺情報90の元となった名刺60の寸法(実寸)に基づいて予め設定された設定寸法となるように、端末装置1の種類によって異なる表示画面12の寸法及び解像度に応じた解像度の名刺画像80を含む表示画像70を生成する。すなわち、画像生成装置3における画像生成機能は、表示画面12に表示された状態の名刺画像80の表示画面12上での寸法が、名刺情報90の元となった名刺60の寸法に基づいて予め設定された設定寸法となるように、端末装置1の種類によって異なる表示画面12の寸法及び解像度に応じた解像度の名刺画像80を含む表示画像70を生成する機能を含む。
【0043】
画像生成装置3は、名刺画像80の表示画面12上での寸法が、表示画面12の横方向及び縦方向のそれぞれにおいて設定寸法となるように、表示画像70を生成する。具体的には、設定寸法には、表示画面12の横方向の設定寸法である設定横寸法WSと、表示画面12の縦方向の設定寸法である設定縦寸法HSとが含まれる(
図3参照)。そして、画像生成装置3は、名刺画像80の表示画面12上での横方向の寸法が設定横寸法WSとなり、名刺画像80の表示画面12上での縦方向の寸法が設定縦寸法HSとなるように、表示画像70を生成する。
【0044】
表示画面12の横解像度をWPとし縦解像度をHPとすると、横方向の解像度(画素数或いはピクセル数、以下同様)がWP×WS/WDであり縦方向の解像度がHP×HS/HDである名刺画像80は、表示画面12上での横方向の寸法が設定横寸法WSとなり、表示画面12上での縦方向の寸法が設定縦寸法HSとなる。そのため、画像生成装置3は、横方向の解像度がWP×WS/WDであり縦方向の解像度がHP×HS/HDである名刺画像80を含む表示画像70を生成する。画像生成装置3は、名刺情報90に含まれる画像データ91の解像度を必要に応じて変更して、上記のような解像度の名刺画像80を含む表示画像70を生成する。
【0045】
画像生成装置3は、表示画面12(具体的には、生成した表示画像70を表示する表示画面12)の寸法及び解像度の情報と、設定寸法の情報とに基づいて、表示画像70を生成する。これらの情報は、例えば、画像生成装置3が参照可能な記憶装置又はデータベースに記憶され、或いは、他の装置から画像生成装置3に送信される。画像生成装置3が端末装置1とは別の装置に設けられる場合、
図2に示す例のように、当該端末装置1の表示画面12の寸法及び解像度を特定するための端末情報93が、端末装置1から画像生成装置3に送信される。端末情報93は、例えば、表示画面12の寸法及び解像度を表す情報とされ、或いは、当該表示画面12を備えた端末装置1の識別情報とされる。後者の場合、例えば、表示画面12の寸法及び解像度の情報が、当該表示画面12を備えた端末装置1の識別情報に関連付けられた状態で、画像生成装置3が参照可能な記憶装置又はデータベースに記憶される。
【0046】
本実施形態では、設定寸法を、名刺情報90の元となった名刺60の実寸に応じた寸法としている。名刺情報90の元となった名刺60の実寸は、例えば、名刺情報90に含まれる画像データ91に対する画像処理(名刺60の外縁の判別処理)によって取得される。名刺60の実寸に関する情報(以下、「実寸関連情報92」という)は、例えば、当該名刺60の画像データ91と共に(言い換えれば、名刺情報90に含まれた状態で)、端末装置1から管理サーバ20に送信される。
【0047】
本実施形態では、上述したように、名刺管理システム100が操作端末50を備えており、
図6では、操作端末50の表示画面である端末表示画面51に、名刺画像80が表示されている。そして、
図6は、操作端末50のユーザが画像データ91に対するトリミング処理を行って、画像データ91から名刺60の外縁に応じた範囲を切り出す状況を示している。名刺情報90の元となった名刺60の外縁の判別を自動で行うこともできるが、状況によっては操作端末50のユーザによるトリミング処理を行うことで、名刺情報90の元となった名刺60の実寸を適切に取得しやすい。このように、名刺情報90の元となった名刺60の実寸が操作端末50において取得される場合、実寸関連情報92(例えば、実寸関連情報92を含む名刺情報90)は、操作端末50から管理サーバ20に送信される。
【0048】
名刺60の実寸によって複数の名刺60を分類した場合に、名刺管理システム100において1種類の名刺60のみが取り扱われる場合には、1種類の設定寸法が、1種類の名刺60の寸法に基づいて予め設定される。一方、名刺管理システム100において複数種類の名刺60が取り扱われる場合(すなわち、名刺60に、実寸が異なる複数種類がある場合)には、複数種類の設定寸法が、複数種類の名刺60のそれぞれの寸法に基づいて予め設定される。そのため、実寸が互いに異なる複数種類の名刺60を表す名刺画像80は、互いに異なる寸法で表示画面12に表示される。このように複数種類の設定寸法が設定される場合、複数種類の設定寸法の情報は、例えば、設定寸法の設定対象となった名刺60の種類を特定することが可能な情報(例えば、以下に述べる実寸関連情報92)に関連付けられた状態で、画像生成装置3が参照可能な記憶装置又はデータベースに記憶される。
【0049】
名刺60に、実寸が異なる複数種類がある場合には、名刺情報90に、当該名刺情報90の元となった名刺60の実寸に関する情報である実寸関連情報92が含まれる構成とすると好適である(
図2参照)。このような構成とすることで、画像生成装置3は、名刺情報90に含まれる画像データ91に基づき、名刺60を表す名刺画像80を含む表示画像70を生成する際に、当該名刺情報90に含まれる実寸関連情報92に基づき、当該名刺60について予め設定された設定寸法の情報(言い換えれば、当該実寸関連情報92に関連付けられた設定寸法の情報)を取得することができる。実寸関連情報92は、名刺60の実寸を表す情報(すなわち、数値の情報)であっても、名刺60の実寸に応じて定まる情報であってもよい。後者の情報として、名刺60をその実寸に応じて複数の区分(例えば、大・中・小の3つの区分)に分類した場合の区分の情報や、名刺60をその実寸に応じて標準サイズであるか否かに分類した場合の標準サイズであるか否かの情報を例示することができる。
【0050】
ところで、
図4及び
図5に示す例のように、表示画像70に、名刺画像80の周辺に配置される画像である周辺画像81が含まれる場合がある。
図4に示す例では、複数の名刺60を表す複数の名刺画像80を一覧表示する表示画像70が、第1端末装置1Aの表示画面12に表示されている。
図4に示す例では、表示画像70の中央の名刺画像80の周辺に配置された他の名刺画像80(ここでは、8個の名刺画像80)が、周辺画像81である。また、
図5に示す例では、名刺画像80に加えて、顔画像82(名刺画像80が表す名刺60に記載された人物の顔の画像)、ロゴマーク83(図案化した文字イメージ等)、及び操作標章84(アイコンやボタンイメージ等)を表示する表示画像70が、第2端末装置1Bの表示画面12に表示されている。
図5に示す例では、これらの顔画像82、ロゴマーク83、及び操作標章84が、周辺画像81である。
【0051】
本実施形態では、表示画像70に、名刺画像80の周辺に配置される画像である周辺画像81が含まれる場合に、画像生成装置3が周辺画像調整処理を実行するように構成されている。周辺画像調整処理は、表示画面12の寸法及び解像度と、名刺画像80の解像度との関係に応じて、名刺画像80が設定寸法で表示画面12に表示されるように、周辺画像81の寸法(言い換えれば、解像度)、配置、及び内容の少なくとも1つを変更する処理である。周辺画像81の内容の変更は、周辺画像81(画像コンテンツ)の追加や削除を意味する。画像生成装置3は、表示画面12上での名刺画像80の寸法を設定寸法とした場合に、周辺画像81(具体的には、周辺画像81の全体)を既定の寸法及び位置(名刺画像80に対する相対位置)で表示画面12に表示することができない場合に、周辺画像調整処理を実行する。
【0052】
図4では、表示画面12上での名刺画像80(表示画像70の中央の名刺画像80)の寸法を設定寸法とした場合に、この名刺画像80の周辺に配置された周辺画像81(ここでは、名刺画像80)を既定の寸法及び位置で表示画面12に表示することが、第1端末装置1Aでは可能であり、第2端末装置1Bでは不可能である状況を示している。そのため、
図4に示す例では、第2端末装置1Bの表示画面12に表示する表示画像70を生成する際に、画像生成装置3による周辺画像調整処理が行われる。
図4に示す例では、周辺画像調整処理として、周辺画像81の非表示(周辺画像81の内容の変更の一例)が行われている。そのため、第2端末装置1Bの表示画面12には、名刺画像80の周辺に他の名刺画像80が配置されていない表示画像70が表示されている。
【0053】
図5では、表示画面12上での名刺画像80の寸法を設定寸法とした場合に、この名刺画像80の周辺に配置された周辺画像81(ここでは、顔画像82、ロゴマーク83、及び操作標章84)を既定の寸法及び位置で表示画面12に表示することが、第2端末装置1Bでは可能であり、第3端末装置1Cでは不可能である状況を示している。そのため、
図5に示す例では、第3端末装置1Cの表示画面12に表示する表示画像70を生成する際に、画像生成装置3による周辺画像調整処理が行われる。
図5に示す例では、周辺画像調整処理として、顔画像82の寸法の縮小(周辺画像81の寸法の変更の一例)と、ロゴマーク83の非表示(周辺画像81の内容の変更の一例)と、操作標章84の名刺画像80への接近(周辺画像81の配置の変更の一例)とが行われている。そのため、第3端末装置1Cの表示画面12には、名刺画像80の周辺に顔画像82と操作標章84とが配置されているもののロゴマーク83が配置されていない表示画像70が表示されている。
【0054】
〔その他の実施形態〕
次に、名刺管理システムのその他の実施形態について説明する。
【0055】
(1)上記の実施形態では、名刺60に実寸が異なる複数種類がある場合に、複数種類の設定寸法が、複数種類の名刺60のそれぞれの寸法に基づいて予め設定される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、名刺60に実寸が異なる複数種類がある場合であっても、共通の設定寸法を用い、実寸が互いに異なる種類の名刺60を表す名刺画像80が、当該共通の設定寸法で表示画面12に表示される構成とすることもできる。この場合、例えば、一般的によく用いられる名刺60の寸法(標準サイズ)に応じた寸法を、上記の共通の設定寸法とすると好適である。
【0056】
(2)上記の実施形態では、設定寸法を、名刺情報90の元となった名刺60の実寸に応じた寸法とする構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、設定寸法を、名刺情報90の元となった名刺60の寸法に基づく寸法であって、当該名刺60の実寸に応じた寸法とは異なる寸法とすることもできる。例えば、名刺情報90の元となった名刺60の寸法(実寸)を、縦横比(縦方向の寸法と横方向の寸法との比)を固定したまま予め設定された設定倍率で拡大又は縮小した寸法を、設定寸法とすることができる。
【0057】
(3)上記の実施形態では、画像生成装置3が周辺画像調整処理を実行する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、画像生成装置3が周辺画像調整処理を実行しない構成とすることもできる。この場合、例えば
図4に示す例では、第2端末装置1Bの表示画面12に、第1端末装置1Aの表示画面12に表示された表示画像70の一部(
図4において、第2端末装置1Bの表示画面12の外縁を表す二点鎖線の矩形で囲まれた領域)がそのまま表示される。また、例えば
図5に示す例では、第3端末装置1Cの表示画面12に、第2端末装置1Bの表示画面12に表示された表示画像70の一部(
図5において、第3端末装置1Cの表示画面12の外縁を表す一点鎖線の矩形で囲まれた領域)がそのまま表示される。
【0058】
(4)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0059】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した名刺管理システムの概要について説明する。
【0060】
名刺管理システムは、名刺の画像データを含む名刺情報を前記名刺から読み取る読取装置と、前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報を管理する管理サーバと、前記読取装置によって読み取られた前記名刺情報或いは前記管理サーバによって管理されている前記名刺情報に含まれる前記画像データに基づき、前記名刺を表す名刺画像を含む表示画像を生成する画像生成装置と、前記画像生成装置によって生成された前記表示画像を表示する表示画面を備えた複数種類の端末装置と、を備え、前記複数種類の端末装置は、前記表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なり、前記画像生成装置は、前記表示画面に表示された状態の前記名刺画像の前記表示画面上での寸法が、前記名刺情報の元となった前記名刺の寸法に基づいて予め設定された設定寸法となるように、前記端末装置の種類によって異なる前記表示画面の寸法及び解像度に応じた解像度の前記名刺画像を含む前記表示画像を生成する。
【0061】
例えば、表示画面の寸法が比較的小さい小型端末装置(例えば、スマートフォン)を用いた場合に表示画面に表示される名刺画像の寸法が、表示画面の寸法が比較的大きい大型端末装置(例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ)を用いた場合に表示画面に表示される名刺画像の寸法よりも小さくなる場合、小型端末装置を用いた場合の名刺画像の視認性が低下する事態が発生し得る。また、一人のユーザが、表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置を使い分ける場合に、表示画面に表示される名刺画像の寸法が端末装置によって異なると、ユーザが名刺画像を見ながら端末装置を操作する際の操作感覚が端末装置によって異なることに起因して、ユーザが操作のしづらさを感じる事態が発生し得る。
【0062】
これに対して、上記の構成によれば、読取装置によって読み取られた名刺情報或いは管理サーバによって管理されている名刺情報に含まれる画像データを閲覧する際に、表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置のいずれを用いる場合であっても、名刺情報の元となった名刺(すなわち、閲覧しようとする画像データの元となった名刺)を表す名刺画像を、当該名刺の寸法に基づいて設定された設定寸法で表示画面に表示させることができる。よって、ユーザにとって視認性が良い寸法となるように設定寸法を予め設定しておくことで、上述したような事態が発生することを回避して、ユーザにとって視認性の良い設定寸法の名刺画像を、端末装置の種類によらずに表示画面に表示させることができる。すなわち、本構成によれば、表示画面の寸法及び解像度の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の端末装置が名刺管理システムに用いられる場合に、端末装置の種類によらずに、ユーザにとって視認性の良い寸法の名刺画像を表示画面に表示させることが可能となっている。
【0063】
ここで、前記設定寸法は、前記名刺情報の元となった前記名刺の実寸に応じた寸法であると好適である。
【0064】
本構成によれば、現実に見たり触ったりする名刺の実寸に対応する寸法で、名刺画像を表示画面に表示させることができる。よって、表示画面に表示される名刺は仮想的な名刺であるものの、現実の名刺に近い感覚をユーザに与えることができ、端末装置を使用するユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0065】
上記のように前記設定寸法が前記名刺情報の元となった前記名刺の実寸に応じた寸法である構成において、前記名刺には、実寸が異なる複数種類があり、前記名刺情報には、当該名刺情報の元となった前記名刺の実寸に関する情報が含まれていると好適である。
【0066】
本構成によれば、名刺管理システムにおいて実寸が異なる複数種類の名刺が管理される場合であっても、名刺情報に含まれる名刺の実寸に関する情報に基づいて、設定寸法を名刺情報の元となった名刺の実寸に応じた寸法に設定することができる。よって、名刺の種類によらずに、現実に見たり触ったりする名刺の実寸に対応する寸法で、名刺画像を表示画面に表示させることができる。
【0067】
上記の各構成の名刺管理システムにおいて、前記表示画像には、前記名刺画像の周辺に配置される画像である周辺画像が含まれ、前記画像生成装置は、前記表示画面の寸法及び解像度と、前記名刺画像の解像度との関係に応じて、前記名刺画像が前記設定寸法で前記表示画面に表示されるように、前記周辺画像の寸法、配置、及び内容の少なくとも1つを変更する周辺画像調整処理を実行すると好適である。
【0068】
本構成によれば、端末装置の種類によって表示画像に占める名刺画像の割合が大きく変化する場合であっても、名刺画像を設定寸法で表示しつつ、周辺画像も適切に表示画面に表示することができる。従って、例えば、表示画面の寸法に対する設定寸法の割合が大きく、周辺画像の配置スペースが小さい場合であっても、名刺画像が設定寸法で表示画面に表示されると共に周辺画像も表示されるような表示画像を適切に生成することができる。
【0069】
本開示に係る名刺管理システムは、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0070】
1:端末装置
2:読取装置
3:画像生成装置
12:表示画面
20:管理サーバ
60:名刺
70:表示画像
80:名刺画像
81:周辺画像
90:名刺情報
91:画像データ
92:実寸関連情報(名刺の実寸に関する情報)
100:名刺管理システム
HD:縦寸法(表示画面の寸法)
HS:設定縦寸法(設定寸法)
WD:横寸法(表示画面の寸法)
WS:設定横寸法(設定寸法)