(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106181
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】マットレス、マットレスへのリネン材止め構造及びマットレスへのリネン材止め方法
(51)【国際特許分類】
A47C 27/14 20060101AFI20230725BHJP
A47C 31/08 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
A47C27/14 C
A47C31/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007353
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000138244
【氏名又は名称】株式会社モルテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶原 隆司
(72)【発明者】
【氏名】大西 洋
(72)【発明者】
【氏名】三村 真季
(72)【発明者】
【氏名】澤 和也
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AC11
3B096AD07
(57)【要約】
【課題】マットレスにシーツなどのリネン材を止め易くしたマットレス、マットレスへのリネン材止め構造及びマットレスへのリネン材止め方法を提供することを目的とする。
【解決手段】長辺部5Yと短辺部5Xからなる略長方形の上面及び下面と、上面及び下面の間に所定の厚さを有する側面5Cと、からなる略直方体のマットレス5の短辺部5Xにおける側面5Cの各端部に、両端8a、8bが側面に固定されたループ部8を設け、マットレス5を覆う略長方形のリネン材の角部をループ部8に結んでリネン材をマットレス5へ止める。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレスであって、
前記マットレスの前記短辺部における前記側面の各端部に、両端が前記側面に固定されたループ部を備えるマットレス。
【請求項2】
前記ループ部は、前記マットレスの二辺の前記短辺部における前記側面の各端部に、それぞれ固定されている、請求項1記載のマットレス。
【請求項3】
前記ループ部は、前記側面の厚さ方向の略中央部に固定されている、請求項1又は2のいずれかに記載のマットレス。
【請求項4】
前記マットレスは、長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレス本体と、前記マットレス本体の少なくとも前記上面及び前記側面を覆うマットレスカバーと、を備え、前記ループ部は、前記マットレスカバーの前記短辺部における前記側面の各端部に固定されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のマットレス。
【請求項5】
長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレスに、前記マットレスを覆う略長方形のリネン材を止める、マットレスへのリネン材止め構造であって、
前記マットレスの前記短辺部における前記側面の各端部に、両端が前記側面に固定されたループ部を設け、前記リネン材の略長方形の角部を前記ループ部に結んで前記リネン材を前記マットレスへ止める、マットレスへのリネン材止め構造。
【請求項6】
前記ループ部は、前記マットレスの二辺の前記短辺部における前記側面の各端部に、それぞれ固定されており、前記リネン材の略長方形の各角部を前記ループ部に結んで前記リネン材を前記マットレスへ止める、請求項5記載のマットレスへのリネン材止め構造。
【請求項7】
前記ループ部は、前記側面の厚さ方向の略中央部に固定されている、請求項5又は6のいずれかに記載のマットレスへのリネン材止め構造。
【請求項8】
前記リネン材の略長方形の角部を、前記ループ部の中に下側から上側に向けて通すことで、前記リネン材の略長方形の角部を前記ループ部に結んで前記リネン材を前記マットレスへ止める、請求項5から7のいずれか1項に記載のマットレスへのリネン材止め構造。
【請求項9】
前記マットレスは、長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレス本体と、前記マットレス本体の少なくとも前記上面及び前記側面を覆うマットレスカバーと、を備え、前記ループ部は、前記マットレスカバーの前記短辺部における前記側面の各端部に固定されている、請求項5から8のいずれか1項に記載のマットレスへのリネン材止め構造。
【請求項10】
長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレスに、前記マットレスを覆う略長方形のリネン材を止める、マットレスへのリネン材止め方法であって、
前記マットレスの前記短辺部における前記側面の各端部に、両端が前記側面に固定されたループ部を設け、前記リネン材の略長方形の角部を前記ループ部に結んで前記リネン材を前記マットレスへ止める、マットレスへのリネン材止め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレス、マットレスへのリネン材止め構造及びマットレスへのリネン材止め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マットレスにシーツなどのリネン材を固定するものとして、従来、特許文献1、2に記載されているように、略直方体のマットレスの四隅に固定ベルトやストラップを設け、シーツの四隅を、この固定ベルトやストラップに固定することで、マットレスにシーツを固定するものが知られている。
また、特許文献3に記載されているように、マットレスを動かすために、略直方体のマットレスの長手方向の側面において、マットレスの厚さ方向の略中央部であって、長手方向の中央寄りの二か所にハンドルを設け、このハンドルを持ってマットレスを動かすものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6905904号公報
【特許文献2】特許第3345679号公報
【特許文献3】特開平9-276083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載されたものは、略直方体のマットレスの四隅の各角部に、この各角部の下面を斜めに横切るように固定テープやストラップを設け、この固定テープやストラップにシーツの角部を通してマットレスにシーツを固定するものであり、シーツの角部を固定テープやストラップに通す際に、固定テープやストラップがマットレスの下面に設けられているため、固定テープやストラップ、及びマットレスの下面に回したシーツの角部を上方から視認できない。このため、シーツの角部を固定テープやストラップに固定しにくく、マットレスにシーツを止める際の作業性が悪いものとなっていた。なお、固定テープやストラップがマットレスの上面に設けられている場合には、シーツを固定した部分が外側から見えるため美観が悪化する。
また、特許文献3に記載されたハンドルは、マットレスを動かすものであり、マットレスの上に敷くシーツを固定することについては何ら配慮されていない。
【0005】
本発明は、上述のような課題に鑑み、マットレスにシーツなどのリネン材を止め易くしたマットレス、マットレスへのリネン材止め構造及びマットレスへのリネン材止め方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の第1の観点は、長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレスであって、前記マットレスの前記短辺部における前記側面の各端部に、両端が前記側面に固定されたループ部を備えるものである。
【0007】
(2)上記(1)の構成において、前記ループ部は、前記マットレスの二辺の前記短辺部における前記側面の各端部に、それぞれ固定されているものである。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記ループ部は、前記側面の厚さ方向の略中央部に固定されているものである。
【0009】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記マットレスは、長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレス本体と、前記マットレス本体の少なくとも前記上面及び前記側面を覆うマットレスカバーと、を備え、前記ループ部は、前記マットレスカバーの前記短辺部における前記側面の各端部に固定されているものである。
【0010】
(5)本発明の第2の観点は、長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレスに、前記マットレスを覆う略長方形のリネン材を止める、マットレスへのリネン材止め構造であって、前記マットレスの前記短辺部における前記側面の各端部に、両端が前記側面に固定されたループ部を設け、前記リネン材の略長方形の角部を前記ループ部に結んで前記リネン材を前記マットレスへ止めるものである。
【0011】
(6)上記(5)の構成において、前記ループ部は、前記マットレスの二辺の前記短辺部における前記側面の各端部に、それぞれ固定されており、前記リネン材の略長方形の各角部を前記ループ部に結んで前記リネン材を前記マットレスへ止めるものである。
【0012】
(7)上記(5)又は(6)の構成において、前記ループ部は、前記側面の厚さ方向の略中央部に固定されているものである。
【0013】
(8)上記(5)から(7)のいずれか1つの構成において、前記リネン材の略長方形の角部を、前記ループ部の中に下側から上側に向けて通すことで、前記リネン材の略長方形の角部を前記ループ部に結んで前記リネン材を前記マットレスへ止めるものである。
【0014】
(9)上記(5)から(8)のいずれか1つの構成において、前記マットレスは、長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレス本体と、前記マットレス本体の少なくとも前記上面及び前記側面を覆うマットレスカバーと、を備え、前記ループ部は、前記マットレスカバーの前記短辺部における前記側面の各端部に固定されているものである。
【0015】
(10)本発明の第3の観点は、長辺部と短辺部からなる略長方形の上面及び下面と、前記上面及び前記下面の間に所定の厚さを有する側面と、からなる略直方体のマットレスに、前記マットレスを覆う略長方形のリネン材を止める、マットレスへのリネン材止め方法であって、前記マットレスの前記短辺部における前記側面の各端部に、両端が前記側面に固定されたループ部を設け、前記リネン材の略長方形の角部を前記ループ部に結んで前記リネン材を前記マットレスへ止めるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、マットレスにシーツなどのリネン材を止め易くしたマットレス、マットレスへのリネン材止め構造及びマットレスへのリネン材止め方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係るマットレスをベッドに載置した状態示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るマットレス本体を示す斜視図である。
【
図3】マットレスに設けられたループ部を示す斜視図である。
【
図4】マットレスにシーツをセットする動作を表す斜視図であって、マットレスの長手方向の半分にシーツを敷いた状態を示す。
【
図5】同じく、マットレス全体にシーツを敷いて覆った状態を示す。
【
図6】同じく、マットレスの一方の長辺部における側面に対応するシーツを折り返してマットレスの下面に敷く状態を示す。
【
図7】同じく、シーツの折り返し部分の端部とシーツの角部を合わせた状態を示す。
【
図8】同じく、ループ部を拡開して通孔部を露出させた状態を示す。
【
図9】同じく、通孔部に、下側から紐状態部を貫通させて通孔部の上側に通す状態を表す。
【
図10】同じく、通孔部の上側に通した紐状態部を上側に引き出す状態を示す。
【
図11】同じく、上側に引き出した紐状態部を再度、通孔部の下側から貫通させて通孔部の上側に通す状態を示す。
【
図12】同じく、通孔部の上側に通した紐状態部を上側に引き出す状態を示す。
【
図13】同じく、通孔部の上側に通した紐状態部を上側に引き出す状態を示す。
【
図14】同じく、マットレスの一方の短辺部における側面に対応するシーツを折り返してマットレスの下面に敷く状態を示す。
【
図15】同じく、マットレスの一方の短辺部における側面に対応するシーツを折り返してマットレスの下面に敷いた後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付している。
また、本実施形態において、長手方向(Y方向ともいう)とは、直方体のマットレスの長辺部に沿った方向を示し、使用者がマットレスに横たわった場合の頭部から脚部に亘る方向を示す。また、短手方向(X方向ともいう)とは、長手方向に直交する方向であり、直方体のマットレスの短辺部に沿った方向を示す。さらに、厚さ方向(Z方向ともいう)とは、長手方向及び短手方向に対して直交する垂直方向を示す。
【0019】
(実施形態)
(ベッド1)
ベッド1は、
図1に示すように、フレーム2と、フレーム2を床に対して支える脚部3と、フレーム2の上に敷設される受けプレート4と、から成っている。
フレーム2は、使用者の体重を受ける平板状の受けプレート4を支持するため、所定の剛性を有する略矩形状のフレームであり、全体として略長方形状に形成されている。また、略長方形状の内側には、適宜、縦梁と横梁を互いに交差し組み合わせて設けられ、フレーム2の補強がなされている。
フレーム2の下側にはその四方に、フレーム2を床に対して支える脚部3がそれぞれ形成されている。なお、脚部3の数は四つに限られない。
受けプレート4は、クッション性を有する材料から成る平板状のプレートであり、略長方形状のフレーム2の大きさより小さい長方形のプレートが、フレーム2の上面の全面に亘り複数枚敷設されている。
なお、
図1では、受けプレート4を一枚のプレートとして記載している。また、フレーム2は、上記のものに限定されない。例えば、フレーム2自体が平板上のプレートであってもよく、その場合には、受けプレート4を敷設しなくてもよい。
【0020】
(マットレス5)
マットレス5は、利用者が直接その上に横たわるものであり、マットレス本体6と、マットレス本体6を被覆するマットレスカバー7と、から成っている。
マットレス5は、二辺の長辺部5Yと二辺の短辺部5Xからなる略長方形の上面5A(不図示)及び下面5B(不図示)と、上面5A及び下面5Bの間に所定の厚さ5Z(不図示)を有する四つの側面5Cと、からなる略直方体形状を有する(
図3)。
(マットレス本体6)
マットレス本体6は、
図2に示すように、受けプレート4の上に載置され、二辺の長辺部6Yと二辺の短辺部6Xからなる略長方形の上面6A及び下面6B(不図示)と、上面6A及び下面6Bの間に所定の厚さ6Zを有する四つの側面6Cと、からなる略直方体形状を有する。
マットレス本体6は、例えばウレタンフォームで形成されており、マットレス本体6に求められる機能により、中密度高反発性ウレタンフォームなど、ウレタンフォームの硬さを適宜選択して用いてもよい。また、マットレス本体6の素材はウレタンフォームに限らず、他の素材でも構わない。
本実施形態では、マットレス本体6の長辺部6Yの長さは、191cm、短辺部6Xの長さは、83cm、厚さ6Zは、12cmであるが、これらの寸法は上記に限定されない。
【0021】
(マットレスカバー7)
マットレスカバー7は、
図1、
図3に示すように、マットレス本体6の全体を被覆するものであり、あらかじめマットレス本体6の全体を被覆する大きさのカバーを、マットレス本体6より若干大きい略直方体形状に成形し、マットレス本体6をこのマットレスカバー7内に包み込んで、マットレス本体6の全体を被覆するものである。
したがって、マットレスカバー7もマットレス本体6と同様に、二辺の長辺部7Yと二辺の短辺部7Xからなる略長方形の上面7A及び下面7B(不図示)と、上面7A及び下面7Bの間に所定の厚さ7Zを有する四辺の側面7Cと、からなる略直方体形状を有する。
マットレスカバー7は、本実施形態では、ポリエステルのニット生地にウレタンフィルムをラミネートした素材から構成されているが、マットレスカバー7の素材はこれに限られず、他の素材でも構わない。
【0022】
本実施形態では、あらかじめ、長辺が、マットレス本体6の短辺部6Xの長さに厚さ6Zを加えた寸法の2倍より若干大きな寸法((6Xの長さ+厚さ6Z)×2+α)で、短辺が、マットレス本体6の長辺部6Yの長さに厚さ6Zを加えた寸法より若干大きな寸法(6Yの長さ+厚さ6Z+β)のマットレスカバー7を準備しておき、マットレスカバー7の短辺同士を接着や縫い合わせるなどして接合して略筒状のマットレスカバー7を成形し、この略筒状のマットレスカバー7にマットレス本体6を挿入する。
その後、マットレス本体6の二辺の短辺部6X側の側面6Cに合わせてマットレスカバー7の長辺同士を折り畳んで、接着や縫い合わせるなどして接合してマットレス本体6全体をマットレスカバー7で被覆する。
具体的には、マットレス本体6の短辺部6Xにおいては、マットレス本体6の上面6A側に位置するマットレスカバー7と、マットレス本体6の下面6B側に位置するマットレスカバー7とを、互いにマットレス本体6の側面6C側に折り畳み、マットレス本体6の厚さ6Zの中央部で両者を接合する。したがって、両者を接合した部分は、マットレス本体6の厚さ6Zの中央部に位置する。
【0023】
なお、マットレスカバー7は、マットレス本体6の上面6Aと、マットレス本体6の下面6B(不図示)の一部と、四辺の側面6Cとを少なくとも覆うものであればよく、マットレス本体6の全ての面を覆うものでなくてもよい。
そして、マットレスカバー7は、マットレスカバー7の二辺の短辺部7Xにおける側面7Cの各端部に、平帯状のループ部8を備えている。したがって、マットレスカバー7は、マットレスカバー7の四隅の合計四か所に平帯状のループ部8を備えていることとなる。
【0024】
(ループ部8)
図3に示すように、平帯状のループ部8は、その両方の端部8a、8b(両端8a、8bと記載する場合がある)が、側面7Cの厚さ7Z方向の略中央部に固定されている。具体的には、上述したマットレス本体6の上面6A側に位置するマットレスカバー7と、マットレス本体6の下面6B側に位置するマットレスカバー7とを、接合した部分に併せて縫い合わせるなどして固定されている。
また、平帯状のループ部8は、その一方の端部8aが、長辺部7Yにおける側面7Cに最も近い短辺部7Xにおける側面7C、すなわち、短辺部7Xにおける側面7Cの端部において、側面7Cの厚さ7Z方向の略中央部に縫い合わせて固定されている。
また、他方の端部8bは、短辺部7Xの長さ方向の中央寄りに向けて一方の端部8aから所定の寸法だけ離れた短辺部7Xにおける側面7Cにおいて、側面7Cの厚さ7Z方向の略中央部に縫い合わせて固定されている。
これにより、ループ部8とマットレスカバー7の短辺部7Xにおける側面7Cとの間に、通孔部8Hが形成される。
一方の端部8aは、短辺部7Xにおける側面7Cの最端部に固定されていてもよい。
【0025】
平帯状のループ部8は、一方の端部8aと他方の端部8bとが、それぞれにおける側面7Cに、その厚さ7Z方向の略中央部に縫い合わせて固定されているため、
図3に示すように、ループ部8を折り畳んだ状態では、ループ部8の中央部8cが、両端8a、8bに対して反転した状態となる。すなわち、ループ部8を折り畳んだ状態では、両端8a、8bはループ部8の一方の面である表面が外側に表れるのに対して、中央部8cはループ部8の他方の面である裏面が外側に表れる状態となる。
したがって、前述の所定の寸法は、ループ部8を折り畳んだ状態において、ループ部8の中央部8cが、短辺部7Xにおける側面7Cの厚さ7Z内に納まるような寸法であることが望ましく、このような寸法であれば、ループ部8、特にループ部8の中央部8cが、短辺部7Xにおける側面7Cの厚さ7Zを超えて下方又は上方にはみ出すことがなく、他の部材と干渉することがない。
本実施形態では、平帯状のループ部8は、長さ12cm、幅4cmであり、平帯状のループ部8の上記所定の寸法(ループ部8の一方の端部8aにおける他方の端部8b寄りの端部と、ループ部8の他方の端部8bにおける一方の端部8a寄りの端部との間の寸法)は、8cmである。また、平帯状のループ部8は、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂で形成されている。なお、ループ部8の素材はポリプロピレン(PP)に限られない。
【0026】
上記実施形態では、マットレス本体6の全体を被覆するマットレスカバー7に、平帯状のループ部8を備えたものであったが、マットレスカバー7は備えていなくてもよく、マットレスカバー7を備えない場合は、平帯状のループ部8は、両端8a、8bが、マットレス本体6の側面6Cの厚さ6Z方向の略中央部に接着や縫い合わせるなどして固定されている。平帯状のループ部8のその他の詳細は、平帯状のループ部8をマットレスカバー7に備えた上記実施形態と同じである。この場合にも、上記所定の寸法等は上記と同様に設定される。
なお、上記実施形態では、ループ部8が平帯状であったが、紐状であってもよく、ループ部8の形状は平帯状に限られない。
【0027】
マットレスカバー7には、シーツ9などのリネン材が掛けられる。シーツ9は、略直方体形状を有するマットレス本体6より大きい略長方形状の布である。シーツ9は、マットレスカバー7の上面7A及び四つの側面7Cをカバーするように掛けられ、シーツ9の四つの端である折り返し部分を下面7Bの下に折り返してセットされる。
なお、リネン材は、毛布などでもよく、シーツ9に限られない。
【0028】
(シーツ9のセット方法)
以下、シーツ9をマットレスカバー7に掛けて、シーツ9の四隅の角部をループ部8に結び、シーツ9をマットレスカバー7にセットする方法を、
図4から
図15を参照して手順を追って説明する。なお、マットレスカバー7を備えていない場合には、マットレス本体6にシーツ9を掛けて、シーツ9の四隅の角部をループ部8に結び、シーツ9をマットレス本体6にセットすることとなる。
【0029】
まず、半分に畳んだシーツ9をマットレスカバー7の長手方向の略半分に掛け(
図4)、続いて、半分に畳んだシーツ9の上側のシーツ9を伸ばして、シーツ9をマットレスカバー7の長手方向及び短手方向の全体を覆い皺がないように掛ける(
図5)。その際、上方から見て、シーツ9の中心が、マットレスカバー7の中心と一致するようにシーツ9をマットレスカバー7に掛けることで、マットレスカバー7の上面7Aと四辺の側面7Cを覆い、なおかつマットレスカバー7の下面7B(不図示)に折り返す折り返し部分が、長手方向及び短手方向でそれぞれ均等となるようにシーツ9がマットレスカバー7に掛けられる。
【0030】
次に、マットレスカバー7の四隅の合計四か所の平帯状のループ部8のうち、マットレスカバー7の二辺の短辺部7Xのうち一方の短辺部7Xにおける一方のループ部8に対応する部分のシーツ9をマットレスカバー7にセットする場合について説明する。
マットレスカバー7の一方の長辺部7Yにおける側面7Cに対応するシーツ9の上記折り返し部分を、マットレスカバー7の下面7B(不図示)に折り返してマットレスカバー7の下面7B(不図示)に敷く(
図6)。
続いて、シーツ9の上記折り返し部分の端部と、シーツ9の角部を合わせ(
図7)、この合わせた部分をねじり、紐のような状態とさせて紐状態部を形成する。
続いて、ループ部8を拡開して通孔部8Hを露出させ(
図8)、この通孔部8Hに、通孔部8Hの下側から、紐状態部を貫通させて通孔部8Hの上側に通して引き出す(
図9、
図10)。このように、シーツ9の略長方形の角部を、ループ部8の中に下側から上側に向けて通すことで、シーツ9の略長方形の角部をループ部8に結んでシーツ9をマットレスカバー7へ止めることとなる。
【0031】
続いて、上側に引き出した紐状態部を再度、通孔部8Hの下側から貫通させて通孔部8Hの上側に引き出す(
図11、
図12)。
なお、本実施形態では、紐状態部を通孔部8Hに二回貫通させているが、貫通させる回数は一回でも三回でもよく、シーツ9がマットレスカバー7から外れなければ、その回数は二回に限定されない。
次に、マットレスカバー7の四隅の合計四か所の平帯状のループ部8のうち、マットレスカバー7の二辺の短辺部7Xのうち一方の短辺部7Xにおける他方のループ部8に対応する部分のシーツ9をマットレスカバー7にセットする場合について説明する。
【0032】
図6で示したのと同様に、マットレスカバー7の他方の長辺部7Yにおける側面7Cに対応するシーツ9の上記折り返し部分を、マットレスカバー7の下面7B(不図示)に折り返してマットレスカバー7の下面7B(不図示)に敷く。
続いて、
図7で示したのと同様に、シーツ9の上記折り返し部分の端部と、シーツ9の角部を合わせ、この合わせた部分をねじり、紐のような状態とさせて紐状態部を形成する。
続いて、
図8で示したのと同様に、ループ部8を拡開して通孔部8Hを露出させ、この通孔部8Hに、
図9、
図10で示したのと同様に、通孔部8Hの下側から、紐状態部を貫通させて通孔部8Hの上側に引き出す。
続いて、
図11で示したのと同様に、上側に引き出した紐状態部を再度、通孔部8Hの下側から貫通させて通孔部8Hの上側に引き出す(
図13)。
なお、上述したように、紐状態部を通孔部8Hに貫通させる回数は二回に限定されない。
【0033】
次に、マットレスカバー7の一方の短辺部7Xにおける側面7Cに対応するシーツ9の上記折り返し部分を、マットレスカバー7の下面7B(不図示)に折り返してマットレスカバー7の下面7B(不図示)に敷く(
図14、
図15)。
これにより、紐状態部を貫通させたループ部8が、マットレスカバー7の一方の短辺部7Xにおける側面7Cに対応するシーツ9により覆われる。
以上により、マットレスカバー7の二辺の短辺部7Xのうち一方の短辺部7Xにおける側面7Cに対応する部分のシーツ9のマットレス本体6へのセットが完了する。
最後に、マットレスカバー7の二辺の短辺部7Xのうち他方の短辺部7Xにおける側面7Cに対応する部分のシーツ9を、上記一方の短辺部7Xにおける側面7Cに対応する部分のシーツ9と同様にマットレスカバー7にセットして、シーツ9全体のマットレスカバー7へのセットが完了する。
【0034】
このように、本実施形態では、マットレスカバー7の二辺の短辺部7Xにおける側面7Cの各端部に、両端8a、8bが側面7Cの厚さ7Z方向の略中央部に固定されたループ部8を設けたため、シーツ9の略長方形の角部をループ部8に結んでシーツ9をマットレスカバー7へ止める際に、ループ部8の視認性がよく、マットレスカバー7にシーツ9を止め易い。この結果、マットレスカバー7にシーツ9を止める際の作業性が向上する。
また、ループ部8の両端8a、8bが、マットレスカバー7の二辺の短辺部7Xにおける側面7Cの各端部に、マットレスカバー7の側面7Cの厚さ7Z方向の略中央部に固定されているため、マットレスカバー7の上面7Aと下面7Bを逆にして、すなわち、上面7Aを下面に下面7Bを上面として使用する場合にもループ部8の位置が変化しないため、ループ部8の視認性がよく、マットレスカバー7にシーツ9を止め易い。この結果、マットレスカバー7にシーツ9を止める際の作業性が向上する。
【0035】
さらに、ループ部8が、マットレスカバー7の二辺の短辺部7Xにおける側面7Cの各端部に固定されているため、ループ部8が、マットレスカバー7の二辺の短辺部7Xにおける側面7Cの中央寄りに固定されている場合に比して、シーツ9の折り返し部分の端部とシーツ9の角部を合わせた部分をねじり、紐のような状態に形成した紐状態部を、ループ部8の通孔部8Hに貫通させ易く、また、紐状態部を通孔部8Hに複数回貫通させることができ、シーツ9がマットレスカバー7から外れにくくできる。
また、紐状態部を貫通させたループ部8が、マットレスカバー7の一方の短辺部7Xにおける側面7Cに対応するシーツ9により覆われて外側から見えなくなるため、シーツ9をマットレスカバー7にセットした後の美観を損ねることがない。
また、ループ部8を備えたため、マットレス5を移動させる際に、ループ部8を持って持ち運びすることができ、マットレス5の運搬性が向上する。その際、ループ部8が上記のようにマットレスカバー7の短辺部7Xにおける側面7Cの四隅に備えられているため、複数人(例えば、二人)で持ち運びすることができるとともに、ループ部8がマットレスカバー7の上記四隅に均等に備えられているため、バランスがよく、また持ち運びしやすく、運搬性がさらに向上する。
【0036】
(その他の実施形態)
先の実施形態では、マットレス本体6は、一種類のウレタンフォームで形成されていたが、マットレス本体6を複数種類のウレタンフォームで形成した場合の実施形態について以下説明する。
先の実施形態と同様に、マットレス本体6は、受けプレート4の上に載置され、二辺の長辺部6Yと二辺の短辺部6Xからなる略長方形の上面6A及び下面6B(不図示)と、上面6A及び下面6B(不図示)の間に所定の厚さ6Zを有する四つの側面6Cと、からなる略直方体形状を有する。
そして、本実施形態では、マットレス本体6の厚さ6Z方向の中央から上の部分である上部マットレス本体61と、マットレス本体6の厚さ6Z方向の中央から下の部分である下部マットレス本体62とを別々に形成して、これらを合わせてマットレス本体6として一体的に形成している。
【0037】
上部マットレス本体61は、例えば、寝心地を重視した中密度高反発性ウレタンフォームで、比較的柔らかめのもので形成されている。一方、下部マットレス本体62は、例えば、体圧分散性を重視した高反発ウレタンフォームで比較的柔らかめのもので形成されている。
そして、上部マットレス本体61と下部マットレス本体62とを接着剤で接合する又は縫い合わせるなどして一体的に形成する。
本実施形態では特に、上部マットレス本体61を下面にし、下部マットレス本体62を上面にして使用する場合にもループ部8の位置が変化しないため、ループ部8の視認性がよく、マットレスカバー7にシーツ9を止め易い。この結果、マットレスカバー7にシーツ9を止める際の作業性が向上する。
【0038】
上述したように、本明細書には、長辺部5Yと短辺部5Xからなる略長方形の上面5A及び下面5Bと、上面5A及び下面5Bの間に所定の厚さ5Zを有する側面5Cと、からなる略直方体のマットレス5に、マットレス5を覆う略長方形のリネン材であるシーツ9を止める、マットレス5へのリネン材止め構造であって、マットレス5の短辺部5Xにおける側面5Cの各端部に、両端8a、8bが側面5Cに固定されたループ部8を設け、シーツ9の略長方形の角部をループ部8に結んでシーツ9をマットレス5へ止める、マットレスへのリネン材止め構造も開示されている。
また、本明細書には、長辺部5Yと短辺部5Xからなる略長方形の上面5A及び下面5Bと、上面5A及び下面5Bの間に所定の厚さ5Zを有する側面5Cと、からなる略直方体のマットレス5に、マットレスを覆う略長方形のリネン材であるシーツ9を止める、マットレス5のリネン材止め方法であって、マットレス5の短辺部5Xにおける側面5Cの各端部に、両端8a、8bが側面5Cに固定されたループ部8を設け、シーツ9の略長方形の角部をループ部8に結んでシーツ9をマットレス5へ止める、マットレス5へのリネン材止め方法も開示されている。
【0039】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0040】
1…ベッド
2…フレーム
3…脚部
4…受けプレート
5…マットレス
6…マットレス本体
7…マットレスカバー
5X、6X、7X…短辺部
5Y、6Y、7Y…長辺部
5Z、6Z、7Z…厚さ
5A、6A、7A…上面
5B、6B、7B…下面
5C、6C、7C…側面
8…ループ部
8a、8b…端部(両端)
9…シーツ(リネン材)