(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106188
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】PLC管理システム、ゲートウェイ装置、管理サーバおよびPLC管理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 43/02 20220101AFI20230725BHJP
H04L 41/04 20220101ALI20230725BHJP
【FI】
H04L43/02
H04L41/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007364
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】322006641
【氏名又は名称】株式会社GUGEN
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】杉村 和晃
(72)【発明者】
【氏名】南 友樹登
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宗太郎
(57)【要約】
【課題】PLCと通信を行うゲートウェイ装置を用いてPLCを管理するにあたって、トラブル等に対して的確に対応できる態様で端末装置によりPLCを管理可能とする。
【解決手段】ユーザは端末装置6を操作して、リモートアクセス要求を端末装置6から管理サーバ3に送信することができる。これに対して、管理サーバ3は、リモートアクセス要求の受信に応じて、ゲートウェイ装置1にリモートアクセスモードの実行を要求し、ゲートウェイ装置1は、管理サーバ3からのリモートアクセスモードの実行の要求に応じて、リモートアクセスモードを実行する。このリモートアクセスモードでは、PLC71と端末装置6とが接続されて、端末装置6からPLC71へのアクセスが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置からの要求を受信する管理サーバと、
PLC(Programmable Logic Controller)と前記端末装置とを接続して、前記端末装置から前記PLCへのアクセスを許可するリモートアクセスモードを実行可能であるゲートウェイ装置と
を備え、
前記管理サーバは、前記PLCへのアクセスを要求するリモートアクセス要求を前記端末装置から受信したのに応じて、前記ゲートウェイ装置に前記リモートアクセスモードの実行を要求し、
前記ゲートウェイ装置は、前記管理サーバからの前記リモートアクセスモードの実行の要求に応じて、前記リモートアクセスモードを実行するPLC管理システム。
【請求項2】
前記ゲートウェイ装置は、前記PLCからデータを読み出して、読み出した前記データを前記管理サーバに送信するデータ収集モードを実行可能であり、
前記管理サーバは、前記PLCからのデータ収集を要求するデータ収集要求を前記端末装置から受信したのに応じて、前記ゲートウェイ装置に前記データ収集モードの実行を要求し、
前記ゲートウェイ装置は、前記管理サーバからの前記データ収集モードの実行の要求に応じて、前記データ収集モードを実行する請求項1に記載のPLC管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記ゲートウェイ装置に接続された前記PLCを一覧で示すPLC管理画面を前記端末装置に表示させ、
前記PLC管理画面では、前記リモートアクセスモードの有効あるいは無効および前記データ収集モードの有効あるいは無効を前記PLC毎に設定でき、
前記端末装置は、前記リモートアクセスモードが有効と設定された前記PLCへのアクセスを要求する前記リモートアクセス要求を前記管理サーバに送信し、前記データ収集モードが有効と設定された前記PLCからのデータ収集を要求する前記データ収集要求を前記管理サーバに送信する請求項2に記載のPLC管理システム。
【請求項4】
前記ゲートウェイ装置と前記PLCとは、ローカルエリアネットワークによって相互に接続され、
前記ゲートウェイ装置は、前記端末装置と前記ローカルエリアネットワークとを接続して、前記ローカルエリアネットワークを介した前記端末装置から前記PLCへのアクセスを許可することで、前記リモートアクセスモードを実行する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のPLC管理システム。
【請求項5】
前記ゲートウェイ装置は、前記ローカルエリアネットワークに接続されている機器を示す機器情報を前記管理サーバに送信し、
前記端末装置は、前記機器情報を前記管理サーバから取得して、前記機器情報が示す前記機器のリストを表示する請求項4に記載のPLC管理システム。
【請求項6】
前記ゲートウェイ装置は、前記ローカルエリアネットワークに接続されている前記機器を探索して前記機器情報を作成する請求項5に記載のPLC管理システム。
【請求項7】
前記ゲートウェイ装置は、前記ローカルエリアネットワークに接続されている前記機器のIPアドレスを調査して、前記機器のIPアドレスとは異なるIPアドレスを前記ゲートウェイ装置に対する推奨IPアドレスとして前記管理サーバに送信し、
前記端末装置は、前記推奨IPアドレスを前記管理サーバから取得して、前記推奨IPアドレスを表示する請求項5または6に記載のPLC管理システム。
【請求項8】
前記ゲートウェイ装置は、前記リモートアクセスモードの実行時において、前記ローカルエリアネットワークに接続されている前記PLCとは異なる機器への前記端末装置からのアクセスを許可する請求項4ないし7のいずれか一項に記載のPLC管理システム。
【請求項9】
前記ゲートウェイ装置は、前記リモートアクセスモードの実行が許可あるいは禁止されているかを判定するアクセス制限判定部を有し、
前記管理サーバが前記リモートアクセスモードの実行を前記ゲートウェイ装置に要求した場合、前記ゲートウェイ装置は、前記リモートアクセスモードの実行が許可されていると前記アクセス制限判定部により判定すると前記リモートアクセスモードを実行する一方、前記リモートアクセスモードの実行が禁止されていると前記アクセス制限判定部により判定すると前記リモートアクセスモードを実行しない請求項1ないし8のいずれか一項に記載のPLC管理システム。
【請求項10】
前記ゲートウェイ装置は、前記PLCに対する前記リモートアクセスモードの実行の許可および禁止のいずれか一方を示すアクセス制限設定値を保持する設定保持部と、前記設定保持部に保持される前記アクセス制限設定値をユーザの操作に応じて前記許可と前記禁止との間で変更するユーザ操作部とを有し、
前記アクセス制限判定部は、前記設定保持部に保持される前記アクセス制限設定値に基づき、前記リモートアクセスモードの実行の許可あるいは禁止を判定する請求項9に記載のPLC管理システム。
【請求項11】
前記PLCは、前記PLCに対する前記リモートアクセスモードの実行の許可および禁止のいずれか一方を示すアクセス制限フラグを保持し、
前記アクセス制限判定部は、前記PLCに保持される前記アクセス制限フラグに基づき、前記リモートアクセスモードの実行の許可あるいは禁止を判定する請求項9に記載のPLC管理システム。
【請求項12】
前記管理サーバは、所定の利用料金に応じた上限利用時間と、前記リモートアクセスモードが実行された累積時間である累積利用時間とを管理する時間管理部を有し、
前記時間管理部は、前記上限利用時間に対する前記累積利用時間の関係を示す利用時間管理情報を、ユーザに報知する請求項1ないし11のいずれか一項に記載のPLC管理システム。
【請求項13】
前記時間管理部は、前記上限利用時間から前記累積利用時間を減じた残時間を前記利用時間管理情報として前記端末装置に表示させる請求項12に記載のPLC管理システム。
【請求項14】
前記時間管理部は、前記残時間が所定の閾残時間未満になった場合に、前記端末装置に前記残時間を表示させる請求項13に記載のPLC管理システム。
【請求項15】
前記時間管理部は、前記上限利用時間から前記累積利用時間を減じた残時間が所定の閾残時間未満になったことを示す警告を前記利用時間管理情報として前記端末装置に表示させる請求項12に記載のPLC管理システム。
【請求項16】
前記時間管理部は、前記上限利用時間および前記累積利用時間を前記利用時間管理情報として前記端末装置に表示させる請求項12に記載のPLC管理システム。
【請求項17】
前記時間管理部は、前記上限利用時間に対する前記累積利用時間の関係を示す利用時間管理情報を、所定の電子メールアドレス宛に電子メールにより送信する請求項12ないし16のいずれか一項に記載のPLC管理システム。
【請求項18】
前記時間管理部は、前記リモートアクセスモードによって実行される通信の帯域を設定するための帯域設定画面を前記端末装置に表示させ、前記帯域設定画面の操作によって前記帯域が変更された場合には、前記上限利用時間を変更する請求項12ないし17のいずれか一項に記載のPLC管理システム。
【請求項19】
前記管理サーバは、前記ゲートウェイ装置が前記リモートアクセスモードを実行中に、前記端末装置が前記PLCにアクセスしない時間が所定の閾経過時間以上継続すると、前記ゲートウェイ装置に前記リモートアクセスモードを停止させる請求項1ないし18のいずれか一項に記載のPLC管理システム。
【請求項20】
前記管理サーバは、前記リモートアクセスモードを実行中に、前記端末装置が前記PLCにアクセスしない時間が所定の閾経過時間以上継続すると、前記端末装置に警告を表示させる請求項1ないし18のいずれか一項に記載のPLC管理システム。
【請求項21】
前記管理サーバは、ユーザを特定するユーザ識別子と、前記ゲートウェイ装置を特定するゲートウェイ識別子とを互いに関連付けた識別管理情報を記憶し、
前記端末装置は、前記端末装置への操作によって入力された前記ユーザ識別子である入力ユーザ識別子と、前記端末装置への操作によって入力された前記ゲートウェイ識別子である入力ゲートウェイ識別子とを前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記入力ゲートウェイ識別子が、前記入力ユーザ識別子と異なる前記ユーザ識別子に対して前記識別管理情報により関連付けられていない場合には、前記端末装置からの前記リモートアクセス要求の送信を可能にする一方、前記入力ゲートウェイ識別子が前記入力ユーザ識別子と異なる前記ユーザ識別子に対して前記識別管理情報により関連付けられている場合には、前記リモートアクセス要求を前記端末装置に送信させない請求項1ないし20のいずれか一項に記載のPLC管理システム。
【請求項22】
PLC(Programmable Logic Controller)と通信を行う第1通信部と、
端末装置からの要求を受信する管理サーバと通信を行う第2通信部と、
前記PLCと前記端末装置とを接続して、前記端末装置から前記PLCへのアクセスを許可するリモートアクセスモードを実行する要求モード実行部と
を備え、
前記管理サーバは、前記PLCへのアクセスを要求するリモートアクセス要求を前記端末装置から受信したのに応じて、前記リモートアクセスモードの実行の要求を前記第2通信部に送信し、
前記要求モード実行部は、前記第2通信部が受信した前記リモートアクセスモードの実行の要求に応じて、前記リモートアクセスモードを実行するゲートウェイ装置。
【請求項23】
前記要求モード実行部は、前記第1通信部によって前記PLCからデータを読み出して、前記第1通信部が読み出した前記データを前記第2通信部により前記管理サーバに送信するデータ収集モードを実行可能であり、
前記管理サーバは、前記PLCからのデータ収集を要求するデータ収集要求を前記端末装置から受信したのに応じて、前記データ収集モードの実行の要求を前記第2通信部に送信し、
前記要求モード実行部は、前記第2通信部が受信した前記データ収集モードの実行の要求に応じて、前記データ収集モードを実行する請求項22に記載のゲートウェイ装置。
【請求項24】
PLC(Programmable Logic Controller)と通信を行うゲートウェイ装置を用いて前記PLCを管理する管理サーバであって、
前記ゲートウェイ装置と通信を行う第3通信部と、
端末装置と通信を行う第4通信部と、
前記第4通信部が受信した前記端末装置からの要求に応じた制御を実行する要求処理部と
を備え、
前記ゲートウェイ装置は、前記PLCと前記端末装置とを接続して、前記端末装置から前記PLCへのアクセスを許可するリモートアクセスモードを実行可能であり、
前記要求処理部は、前記PLCへのアクセスを要求するリモートアクセス要求を前記端末装置から前記第4通信部が受信したのに応じて、前記リモートアクセスモードの実行の要求を前記第3通信部から前記ゲートウェイ装置に送信する管理サーバ。
【請求項25】
前記ゲートウェイ装置は、前記PLCからデータを読み出して、読み出した前記データを前記管理サーバに送信するデータ収集モードを実行可能であり、
前記要求処理部は、前記PLCからのデータ収集を要求するデータ収集要求を前記端末装置から前記第4通信部が受信したのに応じて、前記データ収集モードの実行の要求を前記第3通信部から前記ゲートウェイ装置に送信する請求項24に記載の管理サーバ。
【請求項26】
所定の利用料金に応じた上限利用時間と、前記リモートアクセスモードが実行された累積時間である累積利用時間とを管理する時間管理部をさらに備え、
前記時間管理部は、前記上限利用時間に対する前記累積利用時間の関係を示す利用時間管理情報を、ユーザに報知する請求項24または25に記載の管理サーバ。
【請求項27】
PLC(Programmable Logic Controller)と通信を行うゲートウェイ装置と、前記ゲートウェイ装置と通信を行う管理サーバと、前記管理サーバと通信を行う端末装置とを用いて、前記PLCを管理するPLC管理方法であって、
前記PLCへのアクセスを要求するリモートアクセス要求を前記端末装置が前記管理サーバに送信する工程と、
前記管理サーバが前記リモートアクセス要求を受信したのに応じて、前記PLCと前記端末装置とを接続して前記端末装置から前記PLCへのアクセスを許可するリモートアクセスモードの実行を前記管理サーバが前記ゲートウェイ装置に要求する工程と、
前記ゲートウェイ装置が前記管理サーバからの要求に応じて、前記リモートアクセスモードを実行する工程と
を備えたPLC管理方法。
【請求項28】
前記PLCからのデータ収集を要求するデータ収集要求を前記端末装置が前記管理サーバに送信する工程と、
前記管理サーバが前記データ収集要求を受信したのに応じて、前記PLCからデータを読み出して当該データを前記管理サーバに送信するデータ収集モードの実行を前記管理サーバが前記ゲートウェイ装置に要求する工程と、
前記ゲートウェイ装置が前記管理サーバからの要求に応じて、前記データ収集モードを実行する工程と
をさらに備えた請求項27に記載のPLC管理方法。
【請求項29】
所定の利用料金に応じた上限利用時間と、前記リモートアクセスモードが実行された累積時間である累積利用時間とを管理して、前記上限利用時間に対する前記累積利用時間の関係を示す利用時間管理情報をユーザに報知する工程をさらに備えた請求項27または28に記載のPLC管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、PLC(Programmable Logic Controller)と通信を行うゲートウェイ装置を用いてPLCを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、製造現場等で使用されるPLCから管理サーバへのデータ収集をゲートウェイ装置によって実行する技術が記載されている。具体的には、PLCから収集するデータが格納されたレジスタや、レジスタからデータを収集する周期といったデータ収集のためのルールが管理サーバからゲートウェイ装置に送信される。そして、ゲートウェイ装置は、管理サーバから受信したルールに従って、PLCからデータを取得して当該データを管理サーバにアップロードするといった動作を定期的に実行する。これによって、PLCから管理サーバにデータが収集される。また、パーソナルコンピュータやタブレット等がユーザのための端末装置として利用することができ、ユーザは、管理サーバに収集されたデータを端末装置にダウンロードすることで、当該データを端末装置のディスプレイにより確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、PLCから管理サーバに定期的にアップロードされたデータを端末装置にダウンロードするといった上記の管理態様では、製造現場において発生したトラブル等に的確に対応することが難しい場面があった。したがって、トラブル等に対して的確に対応できる態様で端末装置によりPLCを管理できる技術が求められていた。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、PLCと通信を行うゲートウェイ装置を用いてPLCを管理するにあたって、トラブル等に対して的確に対応できる態様で端末装置によりPLCを管理可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るPLC管理システムは、端末装置からの要求を受信する管理サーバと、PLC(Programmable Logic Controller)と端末装置とを接続して、端末装置からPLCへのアクセスを許可するリモートアクセスモードを実行可能であるゲートウェイ装置とを備え、管理サーバは、PLCへのアクセスを要求するリモートアクセス要求を端末装置から受信したのに応じて、ゲートウェイ装置にリモートアクセスモードの実行を要求し、ゲートウェイ装置は、管理サーバからのリモートアクセスモードの実行の要求に応じて、リモートアクセスモードを実行する。
【0007】
本発明に係るゲートウェイ装置は、PLC(Programmable Logic Controller)と通信を行う第1通信部と、端末装置からの要求を受信する管理サーバと通信を行う第2通信部と、PLCと端末装置とを接続して、端末装置からPLCへのアクセスを許可するリモートアクセスモードを実行する要求モード実行部とを備え、管理サーバは、PLCへのアクセスを要求するリモートアクセス要求を端末装置から受信したのに応じて、リモートアクセスモードの実行の要求を第2通信部に送信し、要求モード実行部は、第2通信部が受信したリモートアクセスモードの実行の要求に応じて、リモートアクセスモードを実行する。
【0008】
本発明に係る管理サーバは、PLC(Programmable Logic Controller)と通信を行うゲートウェイ装置を用いてPLCを管理する管理サーバであって、ゲートウェイ装置と通信を行う第3通信部と、端末装置と通信を行う第4通信部と、第4通信部が受信した端末装置からの要求に応じた制御を実行する要求処理部とを備え、ゲートウェイ装置は、PLCと端末装置とを接続して、端末装置からPLCへのアクセスを許可するリモートアクセスモードを実行可能であり、要求処理部は、PLCへのアクセスを要求するリモートアクセス要求を端末装置から第4通信部が受信したのに応じて、リモートアクセスモードの実行の要求を第3通信部からゲートウェイ装置に送信する。
【0009】
本発明に係るPLC管理方法は、PLC(Programmable Logic Controller)と通信を行うゲートウェイ装置と、ゲートウェイ装置と通信を行う管理サーバと、管理サーバと通信を行う端末装置とを用いて、PLCを管理するPLC管理方法であって、PLCへのアクセスを要求するリモートアクセス要求を端末装置が管理サーバに送信する工程と、管理サーバがリモートアクセス要求を受信したのに応じて、PLCと端末装置とを接続して端末装置からPLCへのアクセスを許可するリモートアクセスモードの実行を管理サーバがゲートウェイ装置に要求する工程と、ゲートウェイ装置が管理サーバからの要求に応じて、リモートアクセスモードを実行する工程とを備える。
【0010】
このように構成された本発明(PLC管理システム、ゲートウェイ装置、管理サーバおよびPLC管理方法)によれば、ユーザは端末装置を操作して、リモートアクセス要求を端末装置から管理サーバに送信することができる。これに対して、管理サーバは、リモートアクセス要求の受信に応じて、ゲートウェイ装置にリモートアクセスモードの実行を要求し、ゲートウェイ装置は、管理サーバからのリモートアクセスモードの実行の要求に応じて、リモートアクセスモードを実行する。このリモートアクセスモードでは、PLCと端末装置とが接続されて、端末装置からPLCへのアクセスが可能となる。つまり、リモートアクセスモードによれば、端末装置とPLCとは相互に通信を行うことができる。そのため、端末装置によるPLCのリアルタイムの監視や、端末装置からPLCへのコマンド送信によるPLCのプログラミングといった種々の対策を、端末装置の操作によって実行できる。これによって、PLCと通信を行うゲートウェイ装置を用いてPLCを管理するにあたって、トラブル等に対して的確に対応できる態様で端末装置によりPLCを管理することが可能となっている。
【0011】
なお、リモートアクセスモードの実行中に、上記のリアルタイム監視およびプログラミングの両方が実行されることは必須ではない。つまり、リアルタイム監視およびプログラミングのいずれか一方のみを実行するような運用でも構わない。
【0012】
また、ゲートウェイ装置は、PLCからデータを読み出して、読み出したデータを管理サーバに送信するデータ収集モードを実行可能であり、管理サーバは、PLCからのデータ収集を要求するデータ収集要求を端末装置から受信したのに応じて、ゲートウェイ装置にデータ収集モードの実行を要求し、ゲートウェイ装置は、管理サーバからのデータ収集モードの実行の要求に応じて、データ収集モードを実行するように、PLC管理システムを構成してもよい。
【0013】
また、要求モード実行部は、第1通信部によってPLCからデータを読み出して、第1通信部が読み出したデータを第2通信部により管理サーバに送信するデータ収集モードを実行可能であり、管理サーバは、PLCからのデータ収集を要求するデータ収集要求を端末装置から受信したのに応じて、データ収集モードの実行の要求を第2通信部に送信し、要求モード実行部は、第2通信部が受信したデータ収集モードの実行の要求に応じて、データ収集モードを実行するように、ゲートウェイ装置を構成してもよい。
【0014】
また、ゲートウェイ装置は、PLCからデータを読み出して、読み出したデータを管理サーバに送信するデータ収集モードを実行可能であり、要求処理部は、PLCからのデータ収集を要求するデータ収集要求を端末装置から第4通信部が受信したのに応じて、データ収集モードの実行の要求を第3通信部からゲートウェイ装置に送信するように、管理サーバを構成してもよい。
【0015】
また、PLCからのデータ収集を要求するデータ収集要求を端末装置が管理サーバに送信する工程と、管理サーバがデータ収集要求を受信したのに応じて、PLCからデータを読み出して当該データを管理サーバに送信するデータ収集モードの実行を管理サーバがゲートウェイ装置に要求する工程と、ゲートウェイ装置が管理サーバからの要求に応じて、データ収集モードを実行する工程とをさらに備えるように、PLC管理方法を構成してもよい。
【0016】
これらの構成では、リモートアクセスモードおよびデータ収集モードのうち、一方あるいは両方のモードを選択して実行することができる。しかも、実行するモードの選択を同一の端末装置に対する操作によって簡便に実行でき、ユーザの作業負担の軽減を図ることができる。
【0017】
また、管理サーバは、ゲートウェイ装置に接続されたPLCを一覧で示すPLC管理画面を端末装置に表示させ、PLC管理画面では、リモートアクセスモードの有効あるいは無効およびデータ収集モードの有効あるいは無効をPLC毎に設定でき、端末装置は、リモートアクセスモードが有効と設定されたPLCへのアクセスを要求するリモートアクセス要求を管理サーバに送信し、データ収集モードが有効と設定されたPLCからのデータ収集を要求するデータ収集要求を管理サーバに送信するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、ゲートウェイ装置に接続された各PLCに対するリモートアクセスモードおよびデータ収集モードそれぞれの実行の可否を、端末装置のPLC管理画面への操作によって一元的に管理することができる。
【0018】
また、ゲートウェイ装置とPLCとは、ローカルエリアネットワークによって相互に接続され、ゲートウェイ装置は、端末装置とローカルエリアネットワークとを接続して、ローカルエリアネットワークを介した端末装置からPLCへのアクセスを許可することで、リモートアクセスモードを実行するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、ユーザは、PLCが接続されたローカルエリアネットワークにゲートウェイを接続するといった簡便な作業で、リモートアクセスモードを実行する環境を準備することができ、ユーザの作業負担の軽減を図ることができる。
【0019】
また、ゲートウェイ装置は、ローカルエリアネットワークに接続されている機器を示す機器情報を管理サーバに送信し、端末装置は、機器情報を管理サーバから取得して、機器情報が示す機器のリストを表示するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、ゲートウェイ装置が接続されたローカルエリアネットワークに接続されている機器が端末装置によってリストで表示される。したがって、ユーザは、ローカルエリアネットワークに接続された機器を簡便に確認することができる。なお、当該機器とは、代表的にはPLCである。ただし、PLC以外の例えばパーソナルコンピュータも当該機器に含まれる。
【0020】
また、ゲートウェイ装置は、ローカルエリアネットワークに接続されている機器を探索して機器情報を作成するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、ゲートウェイ装置をローカルエリアネットワークに接続することで、ローカルエリアネットワークに接続される機器を把握することができる。
【0021】
また、ゲートウェイ装置は、ローカルエリアネットワークに接続されている機器のIPアドレスを調査して、機器のIPアドレスとは異なるIPアドレスをゲートウェイ装置に対する推奨IPアドレスとして管理サーバに送信し、端末装置は、推奨IPアドレスを管理サーバから取得して、推奨IPアドレスを表示するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、ユーザは、端末装置に表示された推奨IPアドレスを用いることで、PLCに対するIPアドレスの設定を簡便に実行することができる。
【0022】
ゲートウェイ装置は、リモートアクセスモードの実行時において、ローカルエリアネットワークに接続されているPLCとは異なる機器への端末装置からのアクセスを許可するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、PLCが接続されたローカルエリアネットワークに接続されたPLCとは異なる機器の管理にゲートウェイ装置を利用することができる。
【0023】
また、ゲートウェイ装置は、リモートアクセスモードの実行が許可あるいは禁止されているかを判定するアクセス制限判定部を有し、管理サーバがリモートアクセスモードの実行をゲートウェイ装置に要求した場合、ゲートウェイ装置は、リモートアクセスモードの実行が許可されているとアクセス制限判定部により判定するとリモートアクセスモードを実行する一方、リモートアクセスモードの実行が禁止されているとアクセス制限判定部により判定するとリモートアクセスモードを実行しないように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、端末装置からPLCへのアクセスに対して設定された制限に応じて、リモートアクセスモードの実行を適切に管理できる。
【0024】
また、ゲートウェイ装置は、PLCに対するリモートアクセスモードの実行の許可および禁止のいずれか一方を示すアクセス制限設定値を保持する設定保持部と、設定保持部に保持されるアクセス制限設定値をユーザの操作に応じて許可と禁止との間で変更するユーザ操作部とを有し、アクセス制限判定部は、設定保持部に保持されるアクセス制限設定値に基づき、リモートアクセスモードの実行の許可あるいは禁止を判定するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、PLCに接続されたゲートウェイ装置のユーザ操作部を操作することで、当該PLCに対するリモートアクセスモードの実行の許可および禁止を簡便に切り換えることができる。
【0025】
また、PLCは、PLCに対するリモートアクセスモードの実行の許可および禁止のいずれか一方を示すアクセス制限フラグを保持し、アクセス制限判定部は、PLCに保持されるアクセス制限フラグに基づき、リモートアクセスモードの実行の許可あるいは禁止を判定するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、PLCが保持するアクセス制限フラグを変更することで、当該PLCに対するリモートアクセスモードの実行の許可および禁止を切り換えることができる。
【0026】
また、管理サーバは、所定の利用料金に応じた上限利用時間と、リモートアクセスモードが実行された累積時間である累積利用時間とを管理する時間管理部を有し、時間管理部は、上限利用時間に対する累積利用時間の関係を示す利用時間管理情報をユーザに報知するように、PLC管理システムを構成してもよい。
【0027】
また、所定の利用料金に応じた上限利用時間と、リモートアクセスモードが実行された累積時間である累積利用時間とを管理する時間管理部をさらに備え、時間管理部は、上限利用時間に対する累積利用時間の関係を示す利用時間管理情報をユーザに報知するように、管理サーバを構成してもよい。
【0028】
また、所定の利用料金に応じた上限利用時間と、リモートアクセスモードが実行された累積時間である累積利用時間とを管理して、上限利用時間に対する累積利用時間の関係を示す利用時間管理情報をユーザに報知する工程をさらに備えるように、PLC管理方法を構成してもよい。
【0029】
これらの構成では、所定の利用料金に応じた上限利用時間(換言すれば、リモートアクセスモードを実行できる上限時間)と、リモートアクセスモードの累積利用時間との関係を示す利用時間管理情報がユーザに報知される。したがって、ユーザは、報知された利用時間管理情報を確認することで、リモートアクセスモードの利用時間を簡便に管理できる。この際、ユーザへの報知は、次に示すように端末装置への表示や、電子メールの送信によって実行できる。
【0030】
つまり、時間管理部は、上限利用時間から累積利用時間を減じた残時間を利用時間管理情報として端末装置に表示させてもよい。この際、時間管理部は、残時間が所定の閾残時間未満になった場合に、端末装置に残時間を表示させてもよい。あるいは、時間管理部は、上限利用時間から累積利用時間を減じた残時間が所定の閾残時間未満になったことを示す警告を利用時間管理情報として端末装置に表示させてもよいし、時間管理部は、上限利用時間および累積利用時間を利用時間管理情報として端末装置に表示させてもよい。かかる構成では、ユーザは端末装置に表示された利用時間管理情報を確認することで、リモートアクセスモードの利用時間を簡便に管理できる。
【0031】
また、時間管理部は、上限利用時間に対する累積利用時間の関係を示す利用時間管理情報を、所定の電子メールアドレス宛に電子メールにより送信するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、ユーザは所定のメールアドレスが受信した電子メールを確認することで、リモートアクセスモードの利用時間を簡便に管理できる。
【0032】
また、時間管理部は、リモートアクセスモードによって実行される通信の帯域を設定するための帯域設定画面を端末装置に表示させ、帯域設定画面の操作によって帯域が変更された場合には、上限利用時間を変更するように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、リモートアクセスモードにおける通信の帯域に応じて、リモートアクセスモードの上限利用時間を適切に設定することができる。
【0033】
また、管理サーバは、ゲートウェイ装置がリモートアクセスモードを実行中に、端末装置がPLCにアクセスしない時間が所定の閾経過時間以上継続すると、ゲートウェイ装置にリモートアクセスモードを停止させるように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、端末装置からPLCへのアクセスがない状態で、リモートアクセスモードにより利用時間が無駄に消費されるのを抑制できる。
【0034】
また、管理サーバは、リモートアクセスモードを実行中に、端末装置がPLCにアクセスしない時間が所定の閾経過時間以上継続すると、端末装置に警告を表示させるように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、ユーザは、端末装置に表示された警告を確認してリモートアクセスモードを停止させることで、端末装置からPLCへのアクセスがない状態で、リモートアクセスモードにより利用時間が無駄に消費されるのを抑制できる。
【0035】
また、管理サーバは、ユーザを特定するユーザ識別子と、ゲートウェイ装置を特定するゲートウェイ識別子とを互いに関連付けた識別管理情報を記憶し、端末装置は、端末装置への操作によって入力されたユーザ識別子である入力ユーザ識別子と、端末装置への操作によって入力されたゲートウェイ識別子である入力ゲートウェイ識別子とを管理サーバに送信し、管理サーバは、入力ゲートウェイ識別子が、入力ユーザ識別子と異なるユーザ識別子に対して識別管理情報により関連付けられていない場合には、端末装置からのリモートアクセス要求の送信を可能にする一方、入力ゲートウェイ識別子が入力ユーザ識別子と異なるユーザ識別子に対して識別管理情報により関連付けられている場合には、リモートアクセス要求を端末装置に送信させないように、PLC管理システムを構成してもよい。かかる構成では、ゲートウェイ装置の利用権限を有する適正なユーザに対して端末装置からPLCへのアクセスを許可し、不正なユーザによる端末装置からPLCへのアクセスを防止することができる。
【発明の効果】
【0036】
以上のように、本発明によれば、PLCと通信を行うゲートウェイ装置を用いてPLCを管理するにあたって、トラブル等に対して的確に対応できる態様で端末装置によりPLCを管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明に係るPLC管理システムの利用形態の一例を模式的に示す図。
【
図2】ゲートウェイ装置の設置環境を模式的に示すブロック図。
【
図3】ゲートウェイ装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図5A】ゲートウェイ管理画面のウェブページの一例を模式的に示す図。
【
図5B】ゲートウェイ登録画面のウェブページの一例を模式的に示す図。
【
図5C】ネットワーク設定画面のウェブページの一例を模式的に示す図。
【
図5D】データ収集設定画面のウェブページの一例を模式的に示す図。
【
図5E】リモートアクセス設定画面のウェブページの一例を模式的に示す図。
【
図5F】リモートアクセス接続画面のウェブページの一例を模式的に示す図。
【
図5G】データ収集モード用のデータ閲覧画面のウェブページの一例を模式的に示す図。
【
図6】
図5Bのゲートウェイ登録画面へのユーザ操作に応じて管理サーバが実行するゲートウェイ登録の一例を示すフローチャート。
【
図7】
図5Cのネットワーク設定画面へのユーザ操作に応じて管理サーバおよびゲートウェイ装置が実行するネットワーク設定の一例を示すフローチャート。
【
図8】
図5Dのデータ収集設定画面へのユーザ操作に応じて管理サーバおよびゲートウェイ装置が実行する設定の一例を示すフローチャート。
【
図9】ゲートウェイ装置により実行されるデータ収集モードの要求処理の一例を示すフローチャート。
【
図10】管理サーバによって実行されるリモートアクセスモード設定の一例を示すフローチャート。
【
図11】ゲートウェイ装置により実行されるリモートアクセスモードの要求処理の一例を示すフローチャート。
【
図12】
図11のリモートアクセスモードの要求処理と並行して管理サーバにより実行されるリモートアクセスモードの時間管理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は本発明に係るPLC管理システムの利用形態の一例を模式的に示す図である。
図1の例に示すPLC管理システムは、ゲートウェイ装置1と、ゲートウェイ装置1を管理する管理サーバ3とで構成される。さらに、管理サーバ3を介してゲートウェイ装置1を管理するために、ユーザは端末装置6を使用することができる。ユーザとしては、ゲートウェイ装置1および管理サーバ3を用いたPLC管理サービスを利用するOT(Operational Technology)技術者が例えば想定される。
【0039】
ゲートウェイ装置1と管理サーバ3とは、通信事業者(キャリア)によって提供される通信回線網C1を介して通信を行う。
図3を用いて後述するように、ゲートウェイ装置1は、SIM(Subscriber Identity Module)113を内蔵し、当該SIM113を用いて通信回線網C1を介して管理サーバ3と無線通信を行う。通信回線網C1を介した通信には、通信事業者に支払うべき通信料金が発生し、この通信料金は通信回線網C1により通信したデータ量に依存する。
【0040】
ゲートウェイ装置1および管理サーバ3を用いたPLC管理サービスは、サービスプロバイダによってユーザに提供される。ゲートウェイ装置1は、サービスプロバイダがユーザに貸与あるいは販売することで提供され、管理サーバ3は、サービスプロバイダがユーザへの利用を許諾することで提供される。ただし、ゲートウェイ装置1および管理サーバ3の提供形態はこれに限られず、例えば管理サーバ3がユーザに貸与あるいは販売されても構わない。サービスプロバイダは通信事業者と異なり、サービスプロバイダは、通信事業者から貸与された通信回線網C1を用いてPLC管理サービスを提供する。通信回線網C1の通信料金は、PLC管理サービスの利用料金に含まれ、ユーザは、サービスプロバイダにのみ利用料金を支払い、通信事業者に通信料金を支払う必要は無い。なお、サービスプロバイダと通信事業者とが異なる必要は必ずしもなく、これらが同じ主体であっても構わない。
【0041】
端末装置6と管理サーバ3とは、インターネットあるいは移動体通信等の通信回線網C2を介して通信を行う。端末装置6は、パーソナルコンピュータ、スマートフォンあるいはタブレット等のコンピュータであり、ウェブページ等の画面をブラウザによってユーザに表示したり、ブラウザに表示された画面に対するユーザからの操作を受け付けたりするUI(User Interface)61を有する。UI61は、ディスプレイ等の出力機器とキーボードやマウス等の入力機器を有する。ただし、UI61の出力機器と入力機器とを別体で構成する必要は無く、タッチパネルディスプレイ等によってこれらを一体的に構成してもよい。また、端末装置6には、PLC71のレジスタに格納されたデータの読み取りや、PLC71のプログラミングの実行といった操作をユーザが行うためのラダープログラム管理用コンピュータソフトウェア63(PLC用のアプリケーションソフトウェア)がインストールされており、ユーザは、ラダープログラム管理用コンピュータソフトウェア63によってUI61に表示される画面に対して当該操作を実行できる。さらに、後述するように、端末装置6は、管理サーバ3により提供されるPLC管理用のウェブページを、ブラウザによってディスプレイに表示しつつ、当該ウェブページに対するユーザの操作に応じた要求を管理サーバ3に送信する。
【0042】
ゲートウェイ装置1は、PLC71を収容する金属製の筐体75に取り付けられる。このゲートウェイ装置1は、筐体75の外側に配置されるアンテナ部11と、筐体75の内側に配置される本体部13とを有し、筐体75の天板あるいは側板を挟むアンテナ部11と本体部13とをネジ等の締結部材によって互いに締結することで、ゲートウェイ装置1が筐体75に固定される。ただし、ゲートウェイ装置1の設置態様はここの例に限られず、ゲートウェイ装置1は筐体75から離れた場所に設置されてもよい。また、ゲートウェイ装置1のアンテナ部11と本体部13とを別体で構成する必要は無く、これらを一体的に構成してもよい。
【0043】
管理サーバ3は、ゲートウェイ装置31(サーバ側ゲートウェイ)と、各種のDB(Database)等を格納する記憶部37とを有する。管理サーバ3とゲートウェイ装置1(クライアント側ゲートウェイ)との通信や、管理サーバ3と端末装置6との通信は、ゲートウェイ装置31によって実行される。
【0044】
図2はゲートウェイ装置の設置環境を模式的に示すブロック図である。ゲートウェイ装置1の設置環境には、LAN(Local Area Network)70が構築されており、ゲートウェイ装置1およびPLC71は、LAN70に接続されている。したがって、ゲートウェイ装置1とPLC71とは、LAN70を介してイーサネット(登録商標)によって通信を行うことができる。このLAN70には、PLC71を含む複数の機器76が接続されている。なお、LAN70に接続されるPLC71の台数は1台に限られず複数台でも構わない。複数台のPLC71がLAN70に接続される場合には、ゲートウェイ装置1は、複数のPLC71それぞれを対象に後述の管理を実行できる。
【0045】
PLC71と、当該PLC71の対象77とは、ケーブルによって互いに接続されており、PLC71はケーブルを介して対象77からデータを取得してレジスタに格納する。対象77は、例えばFA(Factory Automation)機器に搭載されたセンサであり、PLC71はセンサにより出力されるデータを取得する。
【0046】
図3はゲートウェイ装置の電気的構成を示すブロック図である。上述の通り、ゲートウェイ装置1は、アンテナ部11と本体部13とを備える。アンテナ部11と本体部13とはケーブル12によって接続されており、アンテナ部11と本体部13とのデータの送受信は、ケーブル12を介して実行される。
【0047】
アンテナ部11は、通信モジュール111、LTEアンテナ112、SIM113およびGPS114を有する。通信モジュール111は、ゲートウェイ装置1と管理サーバ3との通信回線網C1を介した通信を制御し、LTEアンテナ112、SIM113およびGPS114のそれぞれは、通信モジュール111に接続されている。LTEアンテナ112は、通信規格であるLTE(Long Term Evolution)に準拠して、通信回線網C1と無線通信を行うためのアンテナである。SIM113は、固有の番号を記録したICカードであり、アンテナ部11に対して着脱可能に装着される。通信モジュール111は、SIM113を用いることで、LTEアンテナ112と通信回線網C1との間で通信を行うことができる。SIM113は、上述のサービスプロバイダによって予め準備されてアンテナ部11に装着されており、ユーザはSIM113を用いた通信のための設定を行う必要がない。GPS114は、GPS(Global Positioning System)信号によってゲートウェイ装置1の位置を特定し、例えば通信モジュール111は、GPS114により特定された位置を、LTEアンテナ112を介して管理サーバ3に送信することで、ゲートウェイ装置1の位置を管理サーバ3に知らせることができる。
【0048】
また、アンテナ部11はタクトスイッチ115を有する。タクトスイッチ115は、ユーザによって操作されるスイッチである。後に詳述するように、ゲートウェイ装置1は、端末装置6からPLC71へのアクセスを許可するリモートアクセスモードを実行できる。これに対して、ユーザは、タクトスイッチ115を操作することで、リモートアクセスモードの実行を許可あるいは禁止することができる。例えば、ゲートウェイ装置1の電源が投入されてからユーザがタクトスイッチ115を最初に操作するまでのデフォルト状態では、リモートアクセスモードの実行が禁止される。リモートアクセスモードが禁止された状態からタクトスイッチ115が所定時間継続して押されると(長押しされると)、リモートアクセスモードの実行が許可される。リモートアクセスモードが許可された状態からタクトスイッチ115が所定時間継続して押されると(長押しされると)、リモートアクセスモードの実行が禁止される。
【0049】
さらに、アンテナ部11はLED(Light Emitting Diode)116を有する。このLED116はゲートウェイ装置1のステータスに応じた態様で点灯する。特に、リモートアクセスモードの実行が許可されている場合には、LED116は、許可を示す許可色(例えば青色)で点灯し、リモートアクセスモードの実行が禁止されている場合には、LED116は、禁止を示す禁止色(許可色と異なる色で例えば緑色)で点灯する。したがって、ユーザは、LED116の色を視認することで、リモートアクセスモードの実行の許可あるいは禁止を把握することができる。
【0050】
また、アンテナ部11は、ケーブル12が接続されるコネクタ部117を有する。コネクタ部117には、通信モジュール111、タクトスイッチ115およびLED116が接続されており、これらと本体部13との間でのデータの送受信がコネクタ部117を介して実行される。
【0051】
本体部13は、制御部14、記憶部15、コネクタ部16および通信I/F17を有する。制御部14は、ゲートウェイ装置1での動作を統括的に制御する。記憶部15は、例えばHDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)等で構成され、制御部14による制御に利用される各種のデータやプログラムを格納する。コネクタ部16はケーブル12に接続され、通信I/F17はLAN70に接続されて、PLC71との通信を実行する。
【0052】
制御部14は、通信I/F17を介してPLC71から取得したデータを、コネクタ部16およびコネクタ部117を介して通信モジュール111に受け渡し、通信モジュール111は当該データをLTEアンテナ112によって管理サーバ3に送信する。また、制御部14は、通信モジュール111がLTEアンテナ112によって管理サーバ3から受信したデータを、コネクタ部117およびコネクタ部16を介して受け取る。さらに、制御部14は、ユーザの操作に応じてタクトスイッチ115が出力する信号(スイッチ操作信号)を、コネクタ部117およびコネクタ部16を介して受け取って、当該信号に応じてリモートアクセスモードの実行を許可あるいは禁止する。また、制御部14は、リモートアクセスモードの実行あるいは禁止をコネクタ部16およびコネクタ部117を介してLED116に通知して、LED116が点灯する色を許可色と禁止色との間で切り換える。また、制御部14は、通信I/F17を介してPLC71にデータ(例えば、PLC71へのコマンド)を送信することができる。
【0053】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)といったプロセッサあるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって構成することができる。この制御部14は、設定情報取得部141、実行モード制御部142、データ収集部143、リモートアクセス部144およびネットワーク管理部145を有する。制御部14がプロセッサである場合には、制御部14は所定のプログラムを実行することで、これらの機能部141~145を展開することができる。
【0054】
特に制御部14は、
・PLC71からデータを読み出して、読み出したデータを管理サーバ3に送信するデータ収集モード
・PLC71と端末装置6とを接続して、端末装置6からPLC71へのアクセスを許可するリモートアクセスモード
を実行することができる。
【0055】
設定情報取得部141は、データ収集モードの実行態様を示すデータ収集設定情報Dcおよびリモートアクセスモードの実行態様を示すリモートアクセス設定情報Daを、管理サーバ3から受信して、これらを記憶部15に格納する。実行モード制御部142は、データ収集モードの実行の要否を判定して、これの実行が必要な場合には、データ収集部143にデータ収集モードを実行させるとともに、リモートアクセスモードの実行の要否を判定して、これの実行が必要な場合には、リモートアクセス部144にリモートアクセスモードを実行させる。なお、ゲートウェイ装置1が複数のPLC71を管理する場合には、データ収集モードの実行の要否およびリモートアクセスモードの実行の要否は、PLC71毎に設定することができる。
【0056】
データ収集部143は、記憶部15にリングバッファ151を構築し、データ収集設定情報Dcが示すPLC71のレジスタから取得したデータをリングバッファ151に格納するとともに、当該データを管理サーバ3に送信する動作を、データ収集設定情報Dcが示す周期で実行する。こうして、データ収集モードがデータ収集部143により実行される。
【0057】
リモートアクセス部144は、ゲートウェイ装置1と端末装置6との間をセキュアに接続するセキュア通信を構築して、当該セキュア通信を介して端末装置6をLAN70に接続する。そして、リモートアクセス部144は、端末装置6とPLC71との通信を仲介するルータとして機能する。つまり、LTEアンテナ112が端末装置6から受信したPLC71宛のデータ(パケット)を、リモートアクセス部144は通信I/F17からPLC71に転送し、通信I/F17がPLC71から受信した端末装置6宛のデータ(パケット)を、リモートアクセス部144はLTEアンテナ112から端末装置6に転送する。こうして、リモートアクセスモードがリモートアクセス部144によって実行される。このリモートアクセスモードによって端末装置6とPLC71との間に確立された通信は、リモートアクセス設定情報Daが示す帯域(通信速度)で実行される。
【0058】
なお、ゲートウェイ装置1が管理する複数のPLC71において、データ収集モードのみを実行するPLC71と、リモートアクセスモードのみを実行するPLC71とが併存する場合が想定される。このような場合、ゲートウェイ装置1は、端末装置6との間にセキュア通信を構築した状態で、前者のPLC71に対してはパケットの転送(ルーティング)を行わないことで端末装置6からのアクセスを禁止し、後者のPLC71に対してはパケットの転送(ルーティング)を行うことで端末装置6からのアクセスを許可する。
【0059】
また、実行モード制御部142は、リモートアクセス部144にリモートアクセスモードを開始させる前に、アクセス制限設定値Dlを参照する。このアクセス制限設定値Dlは、リモートアクセスモードの実行の許可および禁止のいずれか一方を示し、実行モード制御部142は上述のタクトスイッチ115への操作に応じたアクセス制限設定値Dlを生成して、記憶部15に予め格納している。そして、実行モード制御部142は、アクセス制限設定値Dlが許可を示す場合に限って、リモートアクセス部144にリモートアクセスモードを実行させる一方、アクセス制限設定値Dlが禁止を示す場合には、リモートアクセス部144にリモートアクセスモードを実行させない。
【0060】
また、ネットワーク管理部145は、LAN70に接続されている機器76(PLC71を含む)を探索して、これらの機器76を示す機器情報Ddを作成する。具体的には、ネットワーク管理部145は、候補となるIPアドレスのリストを保持しており、これらのIPアドレスを有する機器76がLAN70に接続されているかを確認することで、機器76それぞれの名称とIPアドレスとを示す機器情報Ddを作成する。さらに、機器がLAN70に接続された際に当該機器からLAN70に送信される情報を受信することによっても、ネットワーク管理部145は、機器情報Ddを作成することができる。こうして作成された機器情報Ddは、記憶部15に格納される。また、ネットワーク管理部145は、機器情報Ddに含まれるIPアドレスとは異なるIPアドレスを、ゲートウェイ装置1に対する推奨IPアドレスDrとして記憶部15に格納する。なお、ネットワーク管理部145のこれらの動作は、例えばゲートウェイ装置1の電源が投入されてから所定期間に初期動作として実行されてもよいし、後述のようにネットワーク設定の際に実行されてもよい。
【0061】
図4は管理サーバの電気的構成を示すブロック図である。上述の通り、管理サーバ3は、ゲートウェイ装置31と記憶部37とを備える。記憶部37は、HHDあるいはSSD等で構成され、各種のDB(Database)やデータを格納する。具体的には、記憶部37には、登録装置DB371、データ収集タイプDB372、収集データDB373およびリモートアクセスタイプDB374が格納されている。
【0062】
登録装置DB371には、ゲートウェイ装置1と当該ゲートウェイ装置1のユーザとの関係を示すゲートウェイ登録情報Dgが格納される。具体的には、ゲートウェイ登録情報Dgは、ゲートウェイ装置1を特定するゲートウェイIDと、ユーザを特定するユーザアカウントIDとを関連付けた情報である。このゲートウェイ登録情報Dgは、後述のゲートウェイ登録が実行される度に作成されて、登録装置DB371に保存される。なお、ゲートウェイ登録情報Dgは、ゲートウェイIDと、当該ゲートウェイIDのゲートウェイ装置1に搭載されたSIM113の情報(固有の番号)とを併せて関連付けている。したがって、管理サーバ3は、ゲートウェイIDに基づきSIM113の情報を特定して、SIM113を搭載したゲートウェイ装置1と通信を実行できる。
【0063】
データ収集タイプDB372は、ゲートウェイ装置1がデータ収集モードの実行の際に参照するデータ収集設定情報Dcを、ゲートウェイ装置1毎に保存する。収集データDB373は、データ収集モードを実行するゲートウェイ装置1から管理サーバ3に送信されたデータを保存する。リモートアクセスタイプDB374は、ゲートウェイ装置1がリモートアクセスモードの実行の際に参照するリモートアクセス設定情報Daを、ゲートウェイ装置1毎に保存する。
【0064】
ゲートウェイ装置31(サーバ側)は、ゲートウェイ装置1(クライアント側)および端末装置6のそれぞれと通信を行う通信I/F32と、管理サーバ3での動作を統括的に制御する制御部33とを有する。制御部33は、CPU等のプロセッサによって構成することができる。この制御部33は、ウェブページ提供部331、アカウント管理部332、モード要求処理部333、データ収集管理部334、リモートアクセス管理部335およびネットワーク管理部336を有する。制御部33は所定のプログラムを実行することで、これらの機能部331~336を展開することができる。
【0065】
ウェブページ提供部331は、PLC管理用のウェブページを端末装置6に提供する。具体的には、ウェブページ提供部331は、ウェブページのURL(Uniform Resource Locator)にアクセスした端末装置6に当該ウェブページを提供する。こうして、管理サーバ3と端末装置6とは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)によって通信を行う。
【0066】
アカウント管理部332は、ゲートウェイ装置1のユーザのアカウントを管理する。例えば、アカウント管理部332は、登録装置DB371に保存されたゲートウェイ登録情報Dgを参照しつつ、ゲートウェイ装置1のユーザによる使用の可否を判定する処理等を実行する。
【0067】
モード要求処理部333は、通信I/F32が端末装置6から受信した要求を処理する。端末装置6から受信する要求としては、例えばデータ収集モードの実行の要求や、リモートアクセスモードの実行の要求が挙げられる。
【0068】
具体的には、ゲートウェイ装置1によるデータ収集モードの実行の要求を通信I/F32が受信すると、モード要求処理部333は、データ取得モードの実行指令を当該ゲートウェイ装置1に送信するようにデータ収集管理部334に命令する。これを受けて、データ収集管理部334は、当該ゲートウェイ装置1に対応するデータ収集設定情報Dcをデータ収集タイプDB372から読み出して、当該データ収集設定情報Dcを含む実行指令を通信I/F32から当該ゲートウェイ装置1に送信する。ゲートウェイ装置1は、管理サーバ3から受信した実行指令に従って、当該実行指令に含まれるデータ収集設定情報Dcに基づき、データ収集モードを実行する。また、ゲートウェイ装置1がデータ取得モードによってPLC71から取得したデータを通信I/F32が受信すると、データ収集管理部334は、当該データを収集データDB373に保存する。
【0069】
ゲートウェイ装置1によるリモートアクセスモードの実行の要求を通信I/F32が受信すると、モード要求処理部333は、リモートアクセスモードの実行指令を当該ゲートウェイ装置1に送信するようにリモートアクセス管理部335に命令する。これを受けて、リモートアクセス管理部335は、当該ゲートウェイ装置1に対応するリモートアクセス設定情報DaをリモートアクセスタイプDB374から読み出して、当該リモートアクセス設定情報Daを含む実行指令を通信I/F32からゲートウェイ装置1に送信する。ゲートウェイ装置1は、管理サーバ3から受信した実行指令に従って、当該実行指令に含まれるリモートアクセス設定情報Daに基づき、リモートアクセスモードを実行する。
【0070】
ネットワーク管理部336は、ゲートウェイ装置1が接続されたLAN70を管理する。具体的には、通信I/F32がゲートウェイ装置1から機器情報Ddおよび推奨IPアドレスDrを受信すると、これらを記憶部37に格納する。また、ネットワーク管理部336は、機器情報Ddおよび推奨IPアドレスDrを通信I/F32から端末装置6に送信する。
【0071】
ユーザは、上述のゲートウェイ装置1および管理サーバ3の動作を、管理サーバ3のウェブページ提供部331が端末装置6に提供するウェブページWP(
図5A~
図5G)によって管理できる。続いては、
図5A~
図5Gに例示するウェブページWPを用いて、この点について説明する。なお、ウェブページWPは、端末装置6にインストールされたブラウザによって端末装置6のUI61に表示され、端末装置6によってウェブページWPに対して実行されたユーザ操作(クリック、タッチあるいはテキスト入力等)の内容は、端末装置6から管理サーバ3に送信される。また、各ウェブページWPは一例に過ぎず、ウェブページWPで使用されるパーツの種類(ラジオボタン、プルダウンメニューあるいはチェックボックス等)やレイアウトは適宜変更が可能である。
【0072】
図5Aはゲートウェイ管理画面のウェブページの一例を模式的に示す図である。ゲートウェイ管理画面81には、ユーザが使用するゲートウェイ装置1をリスト形式で示すゲートウェイリスト811が表示される。ゲートウェイリスト811では、ゲートウェイ装置1を特定するためのゲートウェイIDの一覧が表示されている。また、ゲートウェイリスト811に表示される各ゲートウェイIDに対しては、操作の対象を示すラジオボタンが配置され、ユーザはこれらのラジオボタンのうちの1つを選択することで、ゲートウェイ管理画面81を用いた操作の対象となるゲートウェイ装置1を選択することができる。
【0073】
ゲートウェイ管理画面81は、新規のゲートウェイ装置1を登録するためのゲートウェイ登録ボタン812を有する。ユーザがゲートウェイ登録ボタン812を操作すると、端末装置6のUI61に
図5Bのゲートウェイ登録画面が表示される。
【0074】
図5Bはゲートウェイ登録画面のウェブページの一例を模式的に示す図であり、
図6は
図5Bのゲートウェイ登録画面へのユーザ操作に応じて管理サーバが実行するゲートウェイ登録の一例を示すフローチャートである。ゲートウェイ登録画面82は、ゲートウェイID入力欄822、戻るボタン823および決定ボタン824を有する。ユーザが戻るボタン823を操作すると、端末装置6のUI61に表示される画面が、ゲートウェイ登録画面82からゲートウェイ管理画面81に切り換わる。
【0075】
また、ユーザは、ゲートウェイ装置1を特定するゲートウェイIDをゲートウェイID入力欄822に入力する。なお、ゲートウェイIDは、ゲートウェイ装置1のアンテナ部11およびケーブル12の少なくとも一方に記載されており、ユーザはこれを確認しつつ、ゲートウェイID入力欄822への入力操作を実行できる。こうして、ゲートウェイIDがゲートウェイ登録画面82に入力された状態で、ユーザが決定ボタン824を操作すると、ゲートウェイ装置1の登録を要求するゲートウェイ登録要求が、端末装置6から管理サーバ3に送信される。このゲートウェイ登録要求は、ゲートウェイ登録画面82に入力されたゲートウェイIDを含む。
【0076】
図6のゲートウェイ登録のステップS101では、通信I/F32が端末装置6からゲートウェイ登録要求を受信したかを、アカウント管理部332が確認する。ゲートウェイ登録要求の受信を確認すると、アカウント管理部332は、ユーザアカウントID(入力ユーザアカウントID)と、ゲートウェイ登録要求に含まれるゲートウェイID(入力ゲートウェイID)との対応関係の適否を、ゲートウェイ登録情報Dgに基づき判定する(ステップS102)。なお、ユーザアカウントIDは、
図5Aのゲートウェイ管理画面81にアクセスするために、ユーザによるUI61への操作によって端末装置6から管理サーバ3に事前に送信され、アカウント管理部332は、このユーザアカウントIDを入力ユーザアカウントIDとして保持している。
【0077】
具体的には、アカウント管理部332は、入力ゲートウェイIDと関連付けられた他のユーザアカウントID(入力ユーザアカウントIDと異なるユーザアカウントID)が、ゲートウェイ登録情報Dgに含まれているかを判定する。入力ゲートウェイIDと関連付けられた他のユーザアカウントIDがゲートウェイ登録情報Dgに含まれていない場合には、入力ゲートウェイIDの登録を許可できると判断して(ステップS102で「YES」)、ステップS103、S104に進む。一方、入力ゲートウェイIDと関連付けられた他のユーザアカウントIDがゲートウェイ登録情報Dgに含まれている場合には、入力ゲートウェイIDの登録を許可できないと判断して(ステップS102で「NO」)、ステップS105に進む。
【0078】
ステップS103では、アカウント管理部332は、入力ユーザアカウントIDと入力ゲートウェイIDとを関連付けて、ゲートウェイ登録情報Dgに追加する。ステップS104では、アカウント管理部332は、登録許可を通信I/F32から端末装置6に送信する。登録許可を受信した端末装置6は、ゲートウェイ登録要求の対象となったゲートウェイ装置1をゲートウェイリスト811に追加して、UI61に表示する。このように、対象のゲートウェイ装置1がゲートウェイリスト811に追加されることで、対象のゲートウェイ装置1を用いたデータ収集モードおよびリモートアクセスモードの実行が可能となる。
【0079】
ステップS105では、アカウント管理部332は、登録拒絶を通信I/F32から端末装置6に送信する。登録拒絶を受信した端末装置6は、新規のゲートウェイ装置1の登録が拒絶されたことを示すエラーメッセージをUI61に表示する。この場合は、対象のゲートウェイ装置1がゲートウェイリスト811に追加されないため、対象のゲートウェイ装置1を用いたデータ収集モードおよびリモートアクセスモードを実行することはできない。
【0080】
図5Aに戻って説明を続ける。ゲートウェイ管理画面81は、ラジオボタンによって選択されたゲートウェイ装置1のネットワーク設定を実行するためのネットワーク設定ボタン813を有する。ユーザがネットワーク設定ボタン813を操作すると、端末装置6のUI61に
図5Cのネットワーク設定画面が表示される。
【0081】
図5Cはネットワーク設定画面のウェブページの一例を模式的に示す図であり、
図7は
図5Cのネットワーク設定画面へのユーザ操作に応じて管理サーバおよびゲートウェイ装置が実行するネットワーク設定の一例を示すフローチャートである。ネットワーク設定画面83は、IPアドレス入力欄831、推奨取得ボタン832、推奨IPアドレス表示欄833、機器情報取得ボタン834、機器リスト835、戻るボタン836および決定ボタン837を有する。ユーザが戻るボタン836を操作すると、端末装置6のUI61に表示される画面がネットワーク設定画面83からゲートウェイ管理画面81に切り換わる。
【0082】
図7のネットワーク設定のステップS201では、管理サーバ3のネットワーク管理部336は、端末装置6からのIPアドレスの設定要求を通信I/F32が受信したかを確認する。つまり、ユーザは、LAN70に接続されたゲートウェイ装置1に設定したいIPアドレスを、IPアドレス入力欄831に入力することができる。そして、ユーザが決定ボタン837を操作すると、IPアドレス入力欄831に入力されたIPアドレスと、対象のゲートウェイ装置1のゲートウェイIDとを含む設定要求が、端末装置6から管理サーバ3に送信される。管理サーバ3で設定要求の受信が確認された場合(ステップS201で「YES」の場合)、ネットワーク管理部336は、設定要求が示すゲートウェイIDのゲートウェイ装置1に、設定要求が示すIPアドレスを送信する(ステップS202)。一方、ゲートウェイ装置1のネットワーク管理部145は、LTEアンテナ112により受信した管理サーバ3からのIPアドレスを、当該ゲートウェイ装置1のIPアドレスとして設定する(ステップS203)。これによって、ゲートウェイ装置1は、このIPアドレスを用いてLAN70における通信を実行できる。また、ステップS203の後は、ステップS209に進む。
【0083】
管理サーバ3でIPアドレスの設定要求の受信が確認されない場合(ステップS201で「NO」の場合)、管理サーバ3のネットワーク管理部336は、端末装置6からのIPアドレスの推奨要求を通信I/F32が受信したかを確認する(ステップS204)。つまり、ユーザは、対象のゲートウェイ装置1への設定が推奨されるIPアドレスを要求するために、推奨取得ボタン832を操作することができる。推奨取得ボタン832の操作に応じて、対象のゲートウェイ装置1のゲートウェイIDを含む推奨要求が、端末装置6から管理サーバ3に送信される。管理サーバ3で推奨要求の受信が確認された場合(ステップS204で「YES」の場合)、ネットワーク管理部336は、推奨要求が示すゲートウェイIDのゲートウェイ装置1に、推奨IPアドレスを要求する(ステップS205)。
【0084】
ネットワーク管理部336からの要求を受けたゲートウェイ装置1では、ネットワーク管理部145が上述の要領で推奨IPアドレスDrを調査して(ステップS206)、推奨IPアドレスDrを管理サーバ3に送信する(ステップS207)。一方、管理サーバ3のネットワーク管理部336は、LTEアンテナ112によってゲートウェイ装置1から受信した推奨IPアドレスDrを、記憶部37に格納するとともに、端末装置6に転送する(ステップS208)。これによって、端末装置6のUI61の推奨IPアドレス表示欄833に、推奨IPアドレスDrが表示される。
【0085】
管理サーバ3でIPアドレスの推奨要求の受信が確認されない場合(ステップS204で「NO」の場合)、ネットワーク管理部336は、端末装置6からの機器情報要求を通信I/F32が受信したかを確認する(ステップS209)。つまり、ユーザは、対象のゲートウェイ装置1が接続されたLAN70に接続された機器76の情報を要求するために、機器情報取得ボタン834を操作することができる。機器情報取得ボタン834の操作に応じて、対象のゲートウェイ装置1のゲートウェイIDを含む機器情報要求が、端末装置6から管理サーバ3に送信される。管理サーバ3で機器情報要求の受信が確認された場合(ステップS209で「YES」の場合)、ネットワーク管理部336は、機器情報要求が示すゲートウェイIDのゲートウェイ装置1に、機器情報Ddを要求する(ステップS210)。
【0086】
ネットワーク管理部336からの要求を受けたゲートウェイ装置1では、ネットワーク管理部145が上述の要領で機器情報Ddを作成して(ステップS211)、機器情報Ddを管理サーバ3に送信する(ステップS212)。そして、管理サーバ3のネットワーク管理部336は、LTEアンテナ112によってゲートウェイ装置1から受信した機器情報Ddを、記憶部37に格納するとともに、端末装置6に転送する(ステップS212)。これによって、端末装置6のUI61の機器リスト835に、機器情報Ddがリスト形式で表示される。
【0087】
特に、機器リスト835には、LAN70を介してゲートウェイ装置1に接続される各PLC71が表示される。なお、ユーザは、ゲートウェイ装置1によって管理したいPLC71が機器リスト835に表示されていない場合には、UI61を操作することで、当該PLC71の機器名称やIPアドレスを機器リスト835に追加することができる。
【0088】
また、機器リスト835は、データ収集モードの実行の有無を示すチェックボックスと、リモートアクセスモードの実行の有無を示すチェックボックスとが、各PLC71(のIPアドレス)に隣接して配置されている。したがって、ユーザは、データ収集のチェックボックスにチェックを入れる操作を行うことで、当該チェックボックスに対応するPLC71に対してデータ収集モードを実行すると設定できる。また、ユーザは、リモートアクセスのチェックボックスにチェックを入れる操作を行うことで、当該チェックボックスに対応するPLC71にリモートアクセスモードを実行すると設定できる。
【0089】
図5Aに戻って説明を続ける。ゲートウェイ管理画面81は、ラジオボタンによって選択されたゲートウェイ装置1によるデータ収集モードの詳細を設定するためのデータ収集設定ボタン814aを有する。ユーザがデータ収集設定ボタン814aを操作すると、端末装置6のUI61に
図5Dのデータ収集設定画面84aが表示される。
【0090】
図5Dはデータ収集設定画面のウェブページの一例を模式的に示す図であり、
図8は
図5Dのデータ収集設定画面へのユーザ操作に応じて管理サーバおよびゲートウェイ装置が実行する設定の一例を示すフローチャートである。データ収集設定画面84aは、詳細設定部841a、戻るボタン842aおよび決定ボタン843aを有する。ユーザが戻るボタン842aを操作すると、端末装置6のUI61に表示される画面がデータ収集設定画面84aからゲートウェイ管理画面81に切り換わる。
【0091】
ウェブページ提供部331は、
図5Dに示すデータ収集設定画面84aをUI61に表示する。データ収集設定画面84aの詳細設定部841aでは、
図5Cの機器リスト835において、データ収集モードを実行すると設定されたPLC71が表示される。具体的には、詳細設定部841aでは、該当のPLC71の各レジスタのうち取得対象のデータを格納するレジスタ、当該レジスタにより監視される計測項目、当該レジスタから取得するデータの長さおよび当該レジスタからデータを取得する周期(時間間隔)で特定される取得条件がリスト形式で表示される。
【0092】
そして、ユーザは、レジスタ、計測項目、データ長および周期といった各項目を端末装置6のUI61によって編集することができる。こうしてデータ収集設定画面84aに示される取得条件はデータ収集設定情報Dcを構成する。つまり、ユーザは、ネットワーク設定画面83(
図5C)でデータ収集モードを実行するPLC71を選択し、さらにデータ収集設定画面84a(
図5D)で取得条件を設定することで、データ収集設定情報Dcを編集することができる。そして、ユーザが決定ボタン843aを操作すると、詳細設定部841aに表示されているデータ収集設定情報Dcに基づきデータ収集モードを実行するよう要求するデータ収集要求を、端末装置6が管理サーバ3に送信する。このデータ収集要求は、対象となるゲートウェイ装置1(すなわち、ラジオボタンで選択されているゲートウェイ装置1)のゲートウェイIDを含む。
【0093】
図8のデータ収集モード設定のステップS301では、管理サーバ3のモード要求処理部333は、通信I/F32が端末装置6からデータ収集要求を受信したかを確認する。データ収集要求の受信を確認した場合(ステップS301で「YES」の場合)には、データ収集管理部334が、データ収集要求の受信時の詳細設定部841aに従ってデータ収集設定情報Dcを作成して、データ収集タイプDB372に格納する(ステップS302)。また、データ収集管理部334は、データ収集要求に含まれるゲートウェイIDのゲートウェイ装置1に対して、データ収集設定情報Dcを通信I/F32から送信する(ステップS303)。こうして、データ収集設定情報Dcに基づくデータ収集モードの実行がゲートウェイ装置1に要求される。ステップS304では、該当のゲートウェイ装置1は、次の
図9のフローに従って、データ収集モードの要求を処理する。
【0094】
図9はゲートウェイ装置により実行されるデータ収集モードの要求処理の一例を示すフローチャートである。ステップS401では、実行モード制御部142は、設定情報取得部141がデータ収集設定情報Dcを管理サーバ3から受信したか、すなわちデータ収集モードの実行要求があったかを確認する。データ収集設定情報Dcの受信が確認されると(ステップS401で「YES」)、データ収集部143が記憶部15にデータ収集設定情報Dcを格納する(ステップS402)。そして、実行モード制御部142は、データ収集部143にデータ収集モードを開始させる。
【0095】
つまり、データ収集設定情報Dcが示す周期で(ステップS403で「YES」)、データ収集部143は、データ収集設定情報Dcが示すPLC71のレジスタからデータを収集して、リングバッファ151にバッファするとともに(ステップS404)、このデータをLTEアンテナ112から管理サーバ3に送信する(ステップS405)。これに対して、管理サーバ3では、データ収集管理部334がゲートウェイ装置1から受信したデータを収集データDB373に格納する。そして、LTEアンテナ112が管理サーバ3からデータ収集モードの終了指示を受信するまで(ステップS406で「YES」)、ステップS403~S406が繰り返される。
【0096】
図5Aに戻って説明を続ける。ゲートウェイ管理画面81は、ラジオボタンによって選択されたゲートウェイ装置1によるリモートアクセスモードの詳細を設定するためのリモートアクセス設定ボタン814bを有する。ユーザがリモートアクセス設定ボタン814bを操作すると、端末装置6のUI61に
図5Eのリモートアクセス設定画面84bが表示される。
【0097】
図5Eはリモートアクセス設定画面のウェブページの一例を模式的に示す図である。リモートアクセス設定画面84bは、詳細設定部841b、戻るボタン842bおよび決定ボタン843bを有する。ユーザが戻るボタン842bを操作すると、端末装置6のUI61に表示される画面がリモートアクセス設定画面84bからゲートウェイ管理画面81に切り換わる。
【0098】
ウェブページ提供部331は、
図5Eに示すリモートアクセス設定画面84bをUI61に表示する。リモートアクセス設定画面84bの詳細設定部841bでは、対象となるPLC71を表示するアクセス対象表示部844と、アクセス対象表示部844に表示されるPLC71に接続されたゲートウェイ装置1と端末装置6との間の通信速度を設定する通信速度設定部845とを有する。アクセス対象表示部844には、
図5Cの機器リスト835において、リモートアクセスモードを実行すると設定されたPLC71と、当該PLC71のIPアドレスとが表示される。また、通信速度設定部845では、標準的な通信速度を示す「Normal」、「Normal」より速い通信速度を示す「High」および「Normal」より遅い通信速度を示す「Low」を示すプルダウンメニューによって選択した一つに対応する通信速度を設定することができる。なお、通信速度の設定態様はこの例に限られず、例えばテキスト入力によって通信速度を設定できるように構成してもよい。
【0099】
こうしてリモートアクセス設定画面84bに示された内容(アクセス条件)はリモートアクセス設定情報Daを構成する。つまり、ユーザは、ネットワーク設定画面83(
図5C)でリモートアクセスモードを実行するPLC71を選択し、さらにリモートアクセス設定画面84b(
図5E)で通信速度を設定することで、リモートアクセス設定情報Daを編集することができる。そして、決定ボタン843bが操作されると、管理サーバ3のリモートアクセス管理部335は、詳細設定部841aに表示されたアクセス条件を示すリモートアクセス設定情報Daを、対象となるゲートウェイ装置1(換言すれば、当該ゲートウェイ装置1のゲートウェイID)について作成して、これをリモートアクセスタイプDB374に保存する。
【0100】
図5Aに戻って説明を続ける。ゲートウェイ管理画面81は、ラジオボタンによって選択されたゲートウェイ装置1にリモートアクセスモードを実行させるためのリモート接続ボタン815を有する。ユーザがリモート接続ボタン815を操作すると、端末装置6のUI61に
図5Fのリモート接続画面85が表示される。
【0101】
図5Fはリモートアクセス接続画面のウェブページの一例を模式的に示す図である。ユーザは、
図5Aのラジオボタンで選択されたゲートウェイ装置1に対して、
図5Fのリモート接続画面85により以下の操作を実行できる。このリモート接続画面85は、アクセスボタン851、時間情報表示部852、状態モニタ部853および戻るボタン854を有する。ユーザが戻るボタン854を操作すると、端末装置6のUI61に表示される画面がリモート接続画面85からゲートウェイ管理画面81に切り換わる。
【0102】
ユーザは、アクセスボタン851を操作することで、リモートアクセスモードの実行および終了を選択できる。ゲートウェイ装置1がリモートアクセスモードを実行中は、アクセスボタン851に「切断」が表示され(
図5Fの状態)、ユーザはアクセスボタン851を操作することで、リモートアクセスモードの終了を要求するアクセス終了要求を端末装置6から管理サーバ3に送信できる。一方、ゲートウェイ装置1がリモートアクセスモードを停止中は、アクセスボタン851に「接続」が表示され、ユーザはアクセスボタン851を操作することで、リモートアクセスモードの実行を要求するリモートアクセス要求を端末装置6から管理サーバ3に送信できる。
【0103】
時間情報表示部852は、ゲートウェイ装置1の通信時間に関する通信時間情報852aを表示する。通信時間情報852aは、契約利用時間852bおよび残利用時間852cを含む。契約利用時間852bは、ゲートウェイ装置1によってリモートアクセスモードを実行できる上限時間であり、ユーザがサービスプロバイダに支払う利用料金に応じて設定されている。残利用時間852cは、ゲートウェイ装置1によってリモートアクセスモードを実行した累積時間(累積利用時間)を、契約利用時間852bから減じた時間である。残利用時間852cがゼロになると、ユーザは利用料金をサービスプロバイダに支払うことで、当該利用料金に応じた契約利用時間852bまで残利用時間852cを増やすことができる。また、契約利用時間852bは、リモートアクセスモードによる通信の帯域に応じて設定され、通信帯域(通信速度[bps])が高くなると、契約利用時間852bは短くなる。
【0104】
このようなゲートウェイ装置1の利用時間に関する管理は、管理サーバ3のリモートアクセス管理部335によって実行される。つまり、リモートアクセス管理部335は、累積利用時間および契約利用時間852bを、ゲートウェイ装置1毎に管理する。そして、リモートアクセス管理部335は、時間情報表示部852へ表示すべき通信時間情報852aを算出して、当該通信時間情報852aを時間情報表示部852に表示する。
【0105】
状態モニタ部853は、対象となるゲートウェイ装置1(GW)と、当該ゲートウェイ装置1に接続されるPLC71を表示する。さらに、状態モニタ部853は、ゲートウェイ装置1およびPLC71それぞれのIPアドレスを示す。
【0106】
上述の様に、ユーザがアクセスボタン851を操作すると、端末装置6は、リモートアクセス要求を管理サーバ3に送信する。このリモートアクセス要求は、対象のゲートウェイ装置1のゲートウェイIDを含む。そして、リモートアクセス要求を受信した管理サーバ3は、
図10に示すリモートアクセスモード設定を実行する。
【0107】
図10は管理サーバによって実行されるリモートアクセスモード設定の一例を示すフローチャートである。
図10のリモートアクセスモード設定のステップS311では、管理サーバ3のモード要求処理部333は、通信I/F32が端末装置6からリモートアクセス要求を受信したかを確認する。リモートアクセス要求の受信を確認した場合(ステップS311で「YES」の場合)には、リモートアクセス管理部335が、リモートアクセス要求に含まれるゲートウェイIDに対して設定されたリモートアクセス設定情報Daを、リモートアクセスタイプDB374から読み出す(ステップS312)。続いて、リモートアクセス管理部335は、リモートアクセス要求に含まれるゲートウェイIDのゲートウェイ装置1に対して、このリモートアクセス設定情報Daを通信I/F32から送信する(ステップS313)。こうして、リモートアクセス設定情報Daに基づくリモートアクセスモードの実行がゲートウェイ装置1に要求される。そして、該当のゲートウェイ装置1は、次の
図11のフローに従って、リモートアクセスモードの要求を処理する。
【0108】
図11はゲートウェイ装置により実行されるリモートアクセスモードの要求処理の一例を示すフローチャートである。ステップS501では、実行モード制御部142は、設定情報取得部141がリモートアクセス設定情報Daを管理サーバ3から受信したか、すなわちリモートアクセスモードの実行要求があったかを確認する。リモートアクセス設定情報Daの受信が確認されると(ステップS501で「YES」)、リモートアクセス部144が記憶部15にリモートアクセス設定情報Daを格納する(ステップS502)。
【0109】
ステップS503では、実行モード制御部142は、アクセス制限設定値Dlを参照して、リモートアクセスモードの実行が禁止されているかを確認する。リモートアクセスモードの実行が禁止されている場合(ステップS503で「YES」の場合)には、実行モード制御部142は、リモートアクセスモードを開始せずに、
図11のフローチャートを終了する。この際、実行モード制御部142は、リモートアクセスの禁止を示す警告を、管理サーバ3を介して端末装置6に送信してもよい。これによって、ユーザは、端末装置6のUI61に表示される警告によって、リモートアクセスの禁止を把握できる。また、リモートアクセスモードの実行が許可されている場合(ステップS503で「NO」の場合)には、実行モード制御部142は、リモートアクセス部144にリモートアクセスモードを開始させる。
【0110】
つまり、リモートアクセス部144は、ゲートウェイ装置1と端末装置6との間にセキュア通信を構築して、当該セキュア通信を介して端末装置6をLAN70に接続する(ステップS504)。これによって、端末装置6からPLC71へのアクセスが可能となって、リモートアクセスモードが開始される。具体的には、上述の通り、ゲートウェイ装置1はルータとして機能することで、端末装置6からセキュア通信を介して受信したデータ(パケット)を、LAN70を介してPLC71に転送し、PLC71からLAN70を介して受信したデータ(パケット)を、セキュア通信を介して端末装置6に転送する。なお、このセキュア通信は管理サーバ3を経由するように構築され、セキュア通信で通信されるデータは管理サーバ3を通過する。
【0111】
ステップS505では、リモートアクセス部144は、ゲートウェイ装置1がデータを受信したかを確認する。このデータは、PLC71を宛先とする端末装置6からのデータと、端末装置6を宛先とするPLC71からのデータとを含む。データの受信を確認した場合(ステップS505で「YES」の場合)には、ゲートウェイ装置1は、宛先(PLC71/端末装置6)にデータを転送する(ステップS506)。
【0112】
一方、ステップS505でデータの受信を確認できない場合(「NO」の場合)およびステップS506のデータ転送を実行した場合には、ステップS507において、リモートアクセス部144は、LTEアンテナ112が管理サーバ3からリモートアクセスモードの終了指示を受信したかを確認する。この終了指示は、例えば、ユーザによるアクセスボタン851の操作によってアクセス終了要求が端末装置6から管理サーバ3に送信された場合に、管理サーバ3がゲートウェイ装置1に送信される。リモートアクセスモードの終了指示の受信を確認できない場合(ステップS507で「NO」の場合)には、リモートアクセス部144は、ステップS505に戻る。一方、リモートアクセスモードの終了指示を受信した場合(ステップS507で「YES」の場合)には、リモートアクセス部144は、端末装置6とPLC71との接続を解消して、端末装置6からPLC71へのアクセスを禁止する(ステップS508)。そして、
図11のフローチャートが終了する。
【0113】
なお、端末装置6とPLC71との接続の解消は、例えばゲートウェイ装置1がセキュア通信を解消することで実行してもよいし、ゲートウェイ装置1がセキュア通信を維持しつつ端末装置6とPLC71との間のデータの転送(ルーティング)を停止することで実行してもよい。
【0114】
図12は
図11のリモートアクセスモードの要求処理と並行して管理サーバにより実行されるリモートアクセスモードの時間管理の一例を示すフローチャートである。
図12の時間管理は、管理サーバ3のリモートアクセス管理部335によって実行される。つまり、リモートアクセスモードが開始されると(ステップS601)、リモートアクセス管理部335は、ステップS602でリモートアクセスモードの開始からの経過時間の計測値をリセットしてから、ステップS603で当該経過時間の計測を開始する。
【0115】
こうして、リモートアクセスモード開始からの経過時間の計測が開始されると、リモートアクセス管理部335は、ゲートウェイ装置1と端末装置6との間のセキュア通信によって、データが管理サーバ3を通過したかを確認する(ステップS604)。つまり、ステップS604では、ゲートウェイ装置1を介した端末装置6からPLC71へのアクセスの有無が確認される。管理サーバ3のデータの通過が確認された場合(ステップS604で「YES」の場合)には、ステップS602に戻って、経過時間の計測値がリセットされる。
【0116】
一方、管理サーバ3のデータの通過が確認されない場合(ステップS604で「NO」の場合)には、リモートアクセス管理部335は、リモートアクセスモードの開始からの経過時間の計測値が閾経過時間以上になったかを確認する(ステップS605)。経過時間の計測値が閾経過時間未満である場合(ステップS605で「NO」の場合)には、リモートアクセス部144は、ステップS604に戻る。一方、経過時間の計測値が閾経過時間以上である場合(ステップS605で「YES」の場合)には、リモートアクセス部144は、端末装置6のUI61に警告を表示させる(ステップS606)。この警告は、例えば、PLC71へのアクセスが無い状態でリモートアクセスモードが継続されているといった内容を示すテキストでもよいし、リモートアクセスモードの終了を提案するテキストでも良いし、所定の図柄でもよい。また、警告は、
図5Fのリモート接続画面85に表示しても良いし、リモート接続画面85とは別のポップアップウィンドウに表示してもよい。
【0117】
図5Aに戻って説明を続ける。ゲートウェイ管理画面81は、ラジオボタンによって選択されたゲートウェイ装置1がデータ収集モードで収集したデータを閲覧するための収集データ閲覧ボタン816を有する。収集データ閲覧ボタン816が操作されると、端末装置6のUI61に
図5Gの収集データ閲覧画面が表示される。
【0118】
図5Gはデータ収集モード用のデータ閲覧画面のウェブページの一例を模式的に示す図である。データ収集モード用の収集データ閲覧画面86は、期間設定部861、データ表示部862および戻るボタン863を有する。ユーザが戻るボタン863を操作すると、端末装置6のUI61に表示される画面が収集データ閲覧画面86からゲートウェイ管理画面81に切り換わる。
【0119】
期間設定部861では、例えばプルダウンメニューより表示期間を設定できる。そして、データ表示部862には、管理サーバ3が当該表示期間に対象のゲートウェイ装置1によってPLC71から収集したデータ(PLCログデータ)が表示される。つまり、端末装置6は、管理サーバ3の収集データDB373から当該PLCログデータをダウンロードして、データ表示部862に当該PLCログデータを表示する。
【0120】
また、リモートアクセスモードの実行中は、ユーザは、端末装置6からPLC71にアクセスすることができる。この端末装置6からPLC71のアクセスは、ラダープログラム管理用コンピュータソフトウェア63によってUI61に表示されるラダー操作画面に対する操作によって実行できる。例えば、ラダー操作画面にプログラミング操作を行うことで、端末装置6からPLC71にラダーコマンドを送信してPLC71のプログラミングを実行することができる(リモートアクセスモード)。あるいは、ラダー操作画面への操作によってPLC71のレジスタを指定することで、当該レジスタからデータを読み出して、当該データ(PLCリアルタイムデータ)をラダー操作画面に表示することができる(リモートアクセスモード)。上記のPLCログデータとPLCリアルタイムデータとの違いは、PLCログデータは、PLC71のレジスタから管理サーバ3に収集されて格納された過去のデータであるのに対して、PLCリアルタイムデータは、PLC71のレジスタに現在格納されるデータである点で異なる。
【0121】
以上のように構成された実施形態によれば、ユーザは端末装置6を操作して、リモートアクセス要求を端末装置6から管理サーバ3に送信することができる(ステップS311)。これに対して、管理サーバ3は、リモートアクセス要求の受信に応じて(ステップS311で「YES」)、ゲートウェイ装置1にリモートアクセスモードの実行を要求し(ステップS313)、ゲートウェイ装置1は、管理サーバ3からのリモートアクセスモードの実行の要求に応じて(ステップS501で「YES」)、リモートアクセスモードを実行する(ステップS504~506)。このリモートアクセスモードでは、PLC71と端末装置6とが接続されて、端末装置6からPLC71へのアクセスが可能となる。つまり、リモートアクセスモードによれば、端末装置6とPLC71とは相互に通信を行うことができる。そのため、PLC71が設置された現場でトラブル等が発生した場合に、ユーザは、例えば次のような対策
・PLC71のリアルタイム監視
・PLC71へのプログラミング
を実行することができる。ここで、PLC71のリアルタイム監視とは、PLC71が保有するデータ(PLC71のレジスタに格納されたデータや、PLC71の状態を示すデータ)を、PLC71と端末装置6との間に確立された通信によって端末装置6に転送することを示す。PLC71へのプログラミングとは、PLC71と端末装置6との間に確立された通信によって、端末装置6からPLC71にコマンド(ラダーコマンド)を送信することで、PLC71にプログラミングを実行することを示す。こうして、PLC71と通信を行うゲートウェイ装置1を用いてPLC71を管理するにあたって、トラブル等に対して的確に対応できる態様で端末装置6によりPLC71を管理することが可能となっている。
【0122】
なお、リモートアクセスモードの実行中に、上記のリアルタイム監視およびプログラミングの両方が実行されることは必須ではない。つまり、リアルタイム監視およびプログラミングのいずれか一方のみを実行するような運用でも構わない。
【0123】
また、ゲートウェイ装置1は、PLC71からデータを読み出して、読み出したデータを管理サーバ3に送信するデータ収集モードを実行可能である(ステップS403~405)。これに対して、管理サーバ3は、PLC71からのデータ収集を要求するデータ収集要求を端末装置6から受信したのに応じて(ステップS301で「YES」)、ゲートウェイ装置1にデータ収集モードの実行を要求する(ステップS303)。そして、ゲートウェイ装置1は、管理サーバ3からのデータ収集モードの実行の要求に応じて、データ収集モードを実行する(ステップS304、S401~S406)。かかる構成では、リモートアクセスモードおよびデータ収集モードのうち、一方あるいは両方のモードを選択して実行することができる。しかも、実行するモードの選択を同一の端末装置6に対する操作によって簡便に実行でき、ユーザの作業負担の軽減を図ることができる。
【0124】
また、管理サーバ3は、ゲートウェイ装置1に接続された各PLC71を一覧で示すネットワーク設定画面83(PLC管理画面)を端末装置6のUI61に表示させる。これに対して、ネットワーク設定画面83では、リモートアクセスモードの有効あるいは無効およびデータ収集モードの有効あるいは無効をPLC71毎に設定できる。
【0125】
つまり、ネットワーク設定画面83の機器リスト835において、リモートアクセスモードのチェックボックスにチェックを入れることで、当該チェックボックスに対応するPLC71に対するリモートアクセスモードを有効にでき、リモートアクセスモードのチェックボックスにチェックを入れないことで、当該チェックボックスに対応するPLC71に対するリモートアクセスモードを無効にできる。同様に、機器リスト835において、データ収集モードのチェックボックスにチェックを入れることで、当該チェックボックスに対応するPLC71に対するデータ収集モードを有効にでき、データ収集モードのチェックボックスにチェックを入れないことで、当該チェックボックスに対応するPLC71に対するデータ収集モードを無効にできる。
【0126】
そして、端末装置6は、ゲートウェイ装置1に接続された各PLC71のうち、リモートアクセスモードが有効と設定されたPLC71へのアクセスを要求するリモートアクセス要求を管理サーバ3に送信する。換言すれば、当該各PLC71のうち、リモートアクセス要求が無効と設定されたPLC71へのアクセスを要求するリモートアクセス要求の端末装置6から管理サーバ3への送信は禁止される。同様に、端末装置6は、ゲートウェイ装置1に接続された各PLC71のうち、データ収集モードが有効と設定されたPLC71からのデータ収集を要求するデータ収集要求を管理サーバ3に送信する。換言すれば、当該各PLC71のうち、データ収集要求が無効と設定されたPLC71からのデータ収集を要求するデータ収集要求の端末装置6から管理サーバ3への送信は禁止される。したがって、ゲートウェイ装置1に接続された各PLC71に対するリモートアクセスモードおよびデータ収集モードそれぞれの実行の可否を、端末装置6のネットワーク設定画面83への操作によって一元的に管理することができる。
【0127】
ところで、ゲートウェイ装置1とPLC71とは、LAN70によって相互に接続されている。これに対して、ゲートウェイ装置1は、端末装置6とLAN70とを接続して、LAN70を介した端末装置6からPLC71へのアクセスを許可することで、リモートアクセスモードを実行する。かかる構成では、ユーザは、PLC71が接続されたLAN70にゲートウェイ装置1を接続するといった簡便な作業で、リモートアクセスモードを実行する環境を準備することができ、ユーザの作業負担の軽減を図ることができる。
【0128】
また、ゲートウェイ装置1は、LAN70に接続されている機器76を示す機器情報Ddを管理サーバ3に送信する(ステップS212)。これに対して、端末装置6は、機器情報Ddを管理サーバ3から取得して、機器情報Ddが示す機器のリストを表示する(
図5C)。かかる構成では、ゲートウェイ装置1が接続されたLAN70に接続されている機器76が端末装置6によってリストで表示される。したがって、ユーザは、LAN70に接続された機器76を簡便に確認することができる。
【0129】
また、ゲートウェイ装置1は、LAN70に接続されている機器を探索して機器情報Ddを作成する(ステップS211)。かかる構成では、ゲートウェイ装置1をLAN70に接続することで、LAN70に接続される機器76を把握することができる。
【0130】
また、ゲートウェイ装置1は、LAN70に接続されている機器のIPアドレスを調査して(ステップS206)、機器76のIPアドレスとは異なるIPアドレスをゲートウェイ装置1に対する推奨IPアドレスとして管理サーバ3に送信する(ステップS207)。これに対して、端末装置6は、推奨IPアドレスを管理サーバ3から取得して、推奨IPアドレスを表示する(
図5C)。かかる構成では、ユーザは、端末装置6に表示された推奨IPアドレスを用いることで、PLC71に対するIPアドレスの設定を簡便に実行することができる。
【0131】
また、ゲートウェイ装置1は、リモートアクセスモードの実行が許可あるいは禁止されているかを判定する実行モード制御部142(アクセス制限判定部)を有する。そして、管理サーバ3がリモートアクセスモードの実行をゲートウェイ装置1に要求した場合(ステップS313、S501)、ゲートウェイ装置1は、リモートアクセスモードの実行が許可されていると実行モード制御部142により判定すると(ステップS503で「NO」)、リモートアクセスモードを実行する(ステップS504~S506)。一方、ゲートウェイ装置1は、リモートアクセスモードの実行が禁止されていると実行モード制御部142により判定すると(ステップS503で「YES」)、リモートアクセスモードを実行しない。かかる構成では、端末装置6からPLC71へのアクセスに対して設定された制限に応じて、リモートアクセスモードの実行を適切に管理できる。
【0132】
また、ゲートウェイ装置1は、PLC71に対するリモートアクセスモードの実行の許可および禁止のいずれか一方を示すアクセス制限設定値Dlを保持する記憶部15(設定保持部)と、記憶部15に保持されるアクセス制限設定値Dlをユーザの操作に応じて許可と禁止との間で変更するタクトスイッチ115とを有する。そして、実行モード制御部142は、記憶部15に保持されるアクセス制限設定値Dlに基づき、リモートアクセスモードの実行の許可あるいは禁止を判定する(ステップS503)。かかる構成では、ユーザは、PLC71に接続されたゲートウェイ装置1のタクトスイッチ115を操作することで、当該PLC71に対するリモートアクセスモードの実行の許可および禁止を簡便に切り換えることができる。
【0133】
なお、リモートアクセスに制限を加える具体的な態様は、タクトスイッチ115の例に限られず、次のような変形例によってリモートアクセスに制限を加えてもよい。この変形例では、PLC71は、PLC71に対するリモートアクセスモードの実行の許可および禁止のいずれか一方を示すアクセス制限フラグを保持する。具体的には、PLC71に設けられたデバイスの所定のビットにアクセス制限フラグを保持することができ、例えば当該フラグが「1」を示す場合にはリモートアクセスモードの実行が禁止され、当該フラグが「0」を示す場合にはリモートアクセスモードの実行が許可されているといった制御ができる。そして、実行モード制御部142は、PLC71に保持されるアクセス制限フラグを参照した結果に基づき、リモートアクセスモードの実行の許可あるいは禁止を判定する(ステップS503)。かかる構成では、PLC71が保持するアクセス制限フラグを変更することで、当該PLC71に対するリモートアクセスモードの実行の許可および禁止を切り換えることができる。
【0134】
また、管理サーバ3は、所定の利用料金に応じた契約利用時間852b(上限利用時間)と、リモートアクセスモードが実行された累積時間である累積利用時間とを管理するリモートアクセス管理部335(時間管理部)を有する。そして、リモートアクセス管理部335は、上限利用時間に対する累積利用時間の関係を示す残利用時間852c(利用時間管理情報)を端末装置6のUI61の時間情報表示部852に表示させる。かかる構成では、ユーザは、端末装置に表示された残利用時間852cを確認することで、リモートアクセスモードの利用時間を簡便に管理できる。
【0135】
また、リモートアクセス管理部335は、リモートアクセスモードによって実行される通信の帯域を設定するためのリモートアクセス設定画面84b(帯域設定画面)をウェブページ提供部331によって端末装置6に表示させる。そして、リモートアクセス管理部335は、リモートアクセス設定画面84bの操作によって帯域が変更された場合には、契約利用時間852bを変更する。かかる構成では、リモートアクセスモードにおける通信の帯域に応じて、リモートアクセスモードの契約利用時間852bを適切に設定することができる。
【0136】
また、管理サーバ3は、リモートアクセスモードを実行中に、端末装置6がPLC71にアクセスしない時間が所定の閾経過時間以上継続すると(ステップS605で「YES」)、端末装置6に警告を表示させる(ステップS606)。かかる構成では、ユーザは、端末装置6に表示された警告を確認してリモートアクセスモードを停止させることで、端末装置6からPLC71へのアクセスがない状態で、リモートアクセスモードにより利用時間が無駄に消費されるのを抑制できる。
【0137】
また、管理サーバ3は、ユーザを特定するユーザアカウントID(識別子)と、ゲートウェイ装置1を特定するゲートウェイID(ゲートウェイ識別子)とを互いに関連付けたゲートウェイ登録情報Dg(識別管理情報)を記憶する。これに対して、端末装置6は、端末装置6への操作によって入力されたユーザアカウントIDである入力ユーザアカウントID(入力ユーザ識別子)と、端末装置6への操作によって入力されたゲートウェイIDである入力ゲートウェイID(入力ゲートウェイ識別子)とを管理サーバ3に送信する。そして、管理サーバ3は、入力ゲートウェイIDが、入力ユーザアカウントIDと異なるユーザアカウントIDに対してゲートウェイ登録情報Dgにより関連付けられていない場合には、端末装置6からのリモートアクセス要求の送信を可能にする(ステップS104)。一方、入力ゲートウェイIDが入力ユーザアカウントIDと異なるユーザアカウントIDに対してゲートウェイ登録情報Dgにより関連付けられている場合には、リモートアクセス要求を端末装置6に送信させない(ステップS105)。かかる構成では、ゲートウェイ装置1の利用権限を有する適正なユーザに対して端末装置6からPLC71へのアクセスを許可し、不正なユーザによる端末装置6からPLC71へのアクセスを防止することができる。
【0138】
以上に説明した実施形態では、ゲートウェイ装置1および管理サーバ3が本発明の「PLC管理システム」の一例を構成し、ゲートウェイ装置1が本発明の「ゲートウェイ装置」の一例に相当し、LTEアンテナ112が本発明の「第2通信部」の一例に相当し、タクトスイッチ115が本発明の「ユーザ操作部」の一例に相当し、実行モード制御部142、データ収集部143およびリモートアクセス部144が本発明の「要求モード実行部」の一例を構成し、実行モード制御部142が本発明の「アクセス制限判定部」の一例に相当し、記憶部15が本発明の「設定保持部」の一例に相当し、通信I/F17が本発明の「第1通信部」の一例に相当し、管理サーバ3が本発明の「管理サーバ」の一例に相当し、通信I/F32が本発明の「第3通信部」および「第4通信部」の一例に相当し、モード要求処理部333、データ収集管理部334およびリモートアクセス管理部335が本発明の「要求処理部」の一例を構成し、リモートアクセス管理部335が本発明の「時間管理部」の一例に相当し、端末装置6が本発明の「端末装置」の一例に相当し、LAN70が本発明の「ローカルエリアネットワーク」の一例に相当し、PLC71が本発明の「PLC」の一例に相当し、機器76が本発明の「機器」の一例に相当し、ネットワーク設定画面83が本発明の「PLC管理画面」の一例に相当し、残利用時間852cが本発明の「利用時間管理情報」の一例に相当し、リモートアクセス設定画面84bが本発明の「帯域設定画面」の一例に相当し、機器情報Ddが本発明の「機器情報」の一例に相当し、アクセス制限設定値Dlが本発明の「アクセス制限設定値」の一例に相当し、推奨IPアドレスDrが本発明の「推奨IPアドレス」の一例に相当し、ゲートウェイ登録情報Dgが本発明の「識別管理情報」の一例に相当する。
【0139】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、時間情報表示部852へ表示する通信時間情報852aの具体的内容は種々想定できる。つまり、上記の例では、残利用時間852c(残時間)がリモート接続画面85に常時表示される。しかしながら、リモートアクセス管理部335は、残利用時間852cが所定の閾値未満になった場合に、残利用時間852cをリモート接続画面85に表示してもよい(換言すれば、残利用時間852cが所定の閾値以上の場合には、残利用時間852cをリモート接続画面85に表示しなくてもよい)。
【0140】
あるいは、リモートアクセス管理部335は、契約利用時間852bから累積利用時間を減じた残利用時間852cが所定の閾残時間未満になったことを示す警告(利用時間管理情報)を、通信時間情報852aとして時間情報表示部852に表示してもよい。具体的には、「利用時間が10%未満になりました」といったメッセージを警告として表示できる。
【0141】
あるいは、リモートアクセス管理部335は、契約利用時間852bおよび累積利用時間の両方(利用時間管理情報)を、通信時間情報852aとして時間情報表示部852に表示してもよい。この場合、残利用時間852cを明示的に示す必要はない。
【0142】
さらには、リモートアクセス管理部335は、例示列挙した通信時間情報852aを、所定の電子メールアドレス宛に電子メールにより送信してもよい。かかる構成では、ユーザは所定のメールアドレスが受信した電子メールを確認することで、リモートアクセスモードの利用時間を簡便に管理できる。また、電子メールを送信するタイミングは、例えば契約利用時間852bから累積利用時間を減じた残利用時間852cが所定の閾残時間未満になったタイミングとすることができる。
【0143】
あるいは、リモートアクセスモードの時間管理(
図12)のステップS606では、端末装置6のUI61に警告を表示する代わりに、リモートアクセス管理部335は、リモートアクセスモードの終了指示をゲートウェイ装置1に送信してもよい。これによって、上記のステップSS507~S508が実行されて、端末装置6とPLC71との接続が解消されることとなる。この変形例では、リモートアクセス管理部335は、リモートアクセスモードを実行中に、端末装置6がPLC71にアクセスしない時間が所定の閾経過時間以上継続すると、ゲートウェイ装置1にリモートアクセスモードを停止させる(ステップS605、S606)。かかる構成では、端末装置6からPLC71へのアクセスがない状態で、リモートアクセスモードにより利用時間が無駄に消費されるのを抑制できる。
【0144】
また、管理サーバ3からゲートウェイ装置1にデータ収集モードの実行を要求する際に、管理サーバ3からゲートウェイ装置1にデータ収集設定情報Dcを送信することは必須ではない。つまり、ゲートウェイ装置1が記憶部15に既にデータ収集設定情報Dcを格納している場合には、管理サーバ3は、記憶部15のデータ収集設定情報Dcを用いてデータ収集モードを実行するように要求すればよい。
【0145】
同様に、管理サーバ3からゲートウェイ装置1にリモートアクセスモードの実行を要求する際に、管理サーバ3からゲートウェイ装置1にリモートアクセス設定情報Daを送信することは必須ではない。つまり、ゲートウェイ装置1が記憶部15に既にリモートアクセス設定情報Daを格納している場合には、管理サーバ3は、記憶部15のリモートアクセス設定情報Daを用いてリモートアクセスモードを実行するように要求すればよい。
【0146】
また、端末装置6から管理サーバ3への要求は、管理サーバ3が提供するウェブページWPによって実行されている。しかしながら、ウェブページWPと同様の機能を持ったウェブアプリケーションを端末装置6にインストールして、端末装置6がウェブアプリケーションの機能によって管理サーバ3に要求を行ってもよい。
【0147】
また、ゲートウェイ装置1がデータ収集モードを実行できることは必須ではない。したがって、ゲートウェイ装置1はリモートアクセスモードのみを実行でき、データ収集モードを実行できなくてもよい。
【0148】
また、リモートアクセスモード以外のゲートウェイ装置1の機能、例えばLAN70に接続される機器76の調査機能や、ゲートウェイ装置1への推奨IPアドレスの決定機能等も必須ではない。
【0149】
また、データ収集モードの際に、リングバッファ151にデータをバッファすることは必須ではない。したがって、ゲートウェイ装置1のデータ収集部143は、データ収集設定情報Dcに示される周期の度に、PLC71からデータを取得して、当該データを管理サーバ3に送信してもよい。
【0150】
また、リモートアクセスモードの実行時には、ゲートウェイ装置1は、LAN70に接続されているPLC71以外の機器(例えば、パーソナルコンピュータあるいはカメラ等)への端末装置6からのアクセスを許可してもよい。これによって、当該パーソナルコンピュータをリモートデスクトップとして利用したり、当該カメラを現場画像のストリーミングに利用したりすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、PLCと通信を行うゲートウェイ装置を用いてPLCを管理する技術の全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0152】
1…ゲートウェイ装置(PLC管理システム)
112…LTEアンテナ(第2通信部)
115…タクトスイッチ(ユーザ操作部)
142…実行モード制御部(要求モード実行部、アクセス制限判定部)
143…データ収集部(要求モード実行部)
144…リモートアクセス部(要求モード実行部)
15…記憶部(設定保持部)
17…通信I/F(第1通信部)
3…管理サーバ(PLC管理システム)
32…通信I/F(第3通信部、第4通信部)
333…モード要求処理部(要求処理部)
334…データ収集管理部(要求処理部)
335…リモートアクセス管理部(要求処理部、時間管理部)
6…端末装置
70…LAN
71…PLC
76…機器
83…ネットワーク設定画面(PLC管理画面)
852c…残利用時間(利用時間管理情報)
84b…リモートアクセス設定画面(帯域設定画面)
Dd…機器情報
Dl…アクセス制限設定値
Dr…推奨IPアドレス
Du…販売貸与情報(識別管理情報)