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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106208
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】車両充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/34 20060101AFI20230725BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230725BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20230725BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230725BHJP
   B60L 53/68 20190101ALI20230725BHJP
【FI】
H02J7/34 C
H02J7/00 P
H02J7/02 V
H02J13/00 301A
H02J13/00 311A
B60L53/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007398
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 弘友希
(72)【発明者】
【氏名】河合 智成
(72)【発明者】
【氏名】浅井 成実
(72)【発明者】
【氏名】平井 孝資
【テーマコード(参考)】
5G064
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G064AC05
5G064AC08
5G064BA02
5G064CB06
5G064CB12
5G064DA11
5G503AA01
5G503AA04
5G503BB01
5G503CB09
5G503CC07
5G503DA18
5G503EA01
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD03
5H125AA01
5H125AC12
5H125BE02
5H125CA18
5H125CD03
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】 充電渋滞が発生している状況では自動で充電時間を短縮し、更に充電開始時に充電が完了する時間を利用者に通知する。
【解決手段】 複数の充電器2が接続され、蓄電池31を備えた蓄電池盤3は、管理サーバ4と通信する外部通信部35と、充電待ち車両を撮像するカメラ8とを有し、カメラ8の撮像画像を管理サーバ4に送信する一方、充電器2は充電時間を表示する表示部2aを有している。管理サーバ4は、蓄電池盤3から送信されたカメラ8の撮像画像情報を基に充電渋滞の有無を判断し、充電器2による充電時間を第1の時間及び第1の時間より短い第2の時間の何れかに設定する。充電渋滞発生と判断したら、充電器2の充電時間を第2の時間に設定し、表示部2aに時間設定部が設定した充電時間を表示させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された車両に充電電力を供給する複数の充電器と、蓄電池を備えて商用電力に加えて前記蓄電池の電力を前記充電器に供給する蓄電池盤と、通信ネットワークを介して前記蓄電池盤を管理する管理サーバとを有する車両充電システムであって、
前記蓄電池盤は、前記商用電力を直流変換するAC/DC変換部と、
前記AC/DC変換部の出力、及び前記蓄電池の出力を前記充電器に供給するためのDC/AC変換部と、
前記管理サーバと通信する外部通信部と、充電待ち車両を撮像するカメラとを有して、前記カメラの撮像画像を前記管理サーバに送信する一方、
前記充電器は、充電時間を表示する表示部を有し、
更に前記管理サーバは、前記蓄電池盤から送信された前記カメラの撮像画像情報を基に充電渋滞の有無を判断する状況判断部と、前記充電器による充電時間を、第1の時間及び前記第1の時間より短い第2の時間の何れかに設定する時間設定部とを有し、
前記時間設定部は、設定対象の前記充電器に対して、前記状況判断部が充電渋滞発生と判断したら、特定の状況を除いて充電時間を前記第2の時間に設定し、
前記表示部には、前記時間設定部が設定した充電時間が表示されることを特徴とする車両充電システム。
【請求項2】
前記第2の時間を選択する際の前記充電器の充電モードは高出力モードであり、
前記充電器の充電モードは、前記高出力モードより出力電力の小さい低出力モードが存在し、
前記管理サーバは、個々の前記充電器の前記充電モードを、前記高出力モードと前記低出力モードとの間で切り替える充電モード制御部を有し、
前記充電モード制御部は、前記蓄電池盤の蓄電池の残容量が所定量未満であったら、充電渋滞の有無に関わらず前記充電器を前記低出力モードに設定し、前記第1の時間で充電を実施することを特徴とする請求項1記載の車両充電システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、車両を充電できる充電スポットの地図情報を記憶するマップ情報記憶部を有すると共に、
前記蓄電池盤は、前記充電器を介して充電対象車両から残容量情報を入手して前記管理サーバに通知し、
前記時間設定部は、入手した車両の前記残容量情報から、残容量が所定量未満であって、且つ前記充電モードが前記低出力モードに設定されたら、
前記充電器から所定の距離内の充電スポット情報を前記マップ情報記憶部から選択して前記蓄電池盤に送信して、充電スポットの情報が前記充電器の表示部にさせることを特徴とする請求項2記載の車両充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された蓄電池を充電するための充電器を複数備えた車両充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両を充電するためにサービスエリア等に設置された充電スタンドは、短時間での充電を可能とする高出力充電機能を備えたものが普及している。
例えば、特許文献1では、複数の充電器と、充電器に充電電流を供給する集中蓄電池盤とを備え、集中蓄電池盤に蓄電池を配置することで、商用電力に加えて蓄電池の放電電力を使用した高速モードでの充電を可能とした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-78235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車専用道路等のサービスエリアに設置されている車両充電のための充電器は、上述したように充電待ち車両が発生するような場合は、急速充電機能を利用することで、高速モードとして30分で充電を終了する運用が普及している。
しかしながら、充電モードを通常モード/高速モードのの間で切り替える操作は、管理者が行うため管理業務の増加を招いていた。また、30分後に戻って来る利用者は少なく、充電完了後もしばらくは充電器に車両が接続されたままとなり、30分充電が効果的に機能していなかった。特に、ゴールデンウィークや年末年始等の繁忙期では、充電待ちが発生するにも関わらず、このような状況が発生するため、改善が望まれていた。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、充電渋滞が発生している状況では自動で充電時間を短縮し、更に充電開始時に充電が完了する時間を利用者に通知する車両充電システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、 接続された車両に充電電力を供給する複数の充電器と、蓄電池を備えて商用電力に加えて蓄電池の電力を充電器に供給する蓄電池盤と、通信ネットワークを介して蓄電池盤を管理する管理サーバとを有する車両充電システムであって、蓄電池盤は、商用電力を直流変換するAC/DC変換部と、AC/DC変換部の出力、及び蓄電池の出力を充電器に供給するためのDC/AC変換部と、管理サーバと通信する外部通信部と、充電待ち車両を撮像するカメラとを有して、カメラの撮像画像を管理サーバに送信する一方、充電器は、充電時間を表示する表示部を有し、更に管理サーバは、蓄電池盤から送信されたカメラの撮像画像情報を基に充電渋滞の有無を判断する状況判断部と、充電器による充電時間を、第1の時間及び第1の時間より短い第2の時間の何れかに設定する時間設定部とを有し、時間設定部は、設定対象の充電器に対して、状況判断部が充電渋滞発生と判断したら、特定の状況を除いて充電時間を第2の時間に設定し、表示部には、時間設定部が設定した充電時間が表示されることを特徴とする。
この構成によれば、特定の状況を除いて充電渋滞発生時には充電時間が短くなるよう制御されるため、待ち時間の削減が可能となり利用者にとって利便性が良いし、管理者が充電時間の変更操作をする必要が無いため、作業負担を軽減できる。
そして、利用者は充電時間を充電開始時に認識できるため、充電が終了するまでの予定を立て易く、充電時間が過ぎても戻らない利用者を削減できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、第2の時間を選択する際の充電器の充電モードは高出力モードであり、充電器の充電モードは、高出力モードより出力電力の小さい低出力モードが存在し、管理サーバは、個々の充電器の充電モードを、高出力モードと低出力モードとの間で切り替える充電モード制御部を有し、充電モード制御部は、蓄電池盤の蓄電池の残容量が所定量未満であったら、充電渋滞の有無に関わらず充電器を低出力モードに設定し、第1の時間で充電を実施することを特徴とする。
この構成によれば、蓄電池盤の蓄電池の残容量が少ない特定の状況が発生したら、充電器の出力が削減されて低出力モードとなるため、商用電力の使用が増加するのを防ぐことができ、電力料金の増加を防止できる。また、充電渋滞が発生していても、低出力モードでは第1の時間で充電されるため、一定の距離を走行可能な充電を実施できる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の構成において、管理サーバは、車両を充電できる充電スポットの地図情報を記憶するマップ情報記憶部を有すると共に、蓄電池盤は、充電器を介して充電対象車両から残容量情報を入手して管理サーバに通知し、時間設定部は、入手した車両の残容量情報から、残容量が所定量未満であって、且つ充電モードが低出力モードに設定されたら、充電器から所定の距離内の充電スポット情報をマップ情報記憶部から選択して蓄電池盤に送信して、充電スポットの情報が充電器の表示部にさせることを特徴とする。
この構成によれば、車両が備える蓄電池の残容量が少ないにも関わらず低出力モードで充電が開始されたならば、充電開始時に最寄りの充電スポットの情報が充電器に表示されるため、更なる充電を行いたい利用者は最寄りの充電場所を認識でき安心できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、充電渋滞発生時には充電時間が短い時間に自動変更されるため、待ち時間を削減でき、利用者にとって利便性が良いし、管理者が充電時間の変更操作をする必要が無いため、作業負担を軽減できる。
そして、利用者は充電時間を充電開始時に認識できるため、充電が終了するまでの予定を立て易く、充電時間が過ぎても戻らない利用者を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る車両充電システムの一例を示し、蓄電池盤をブロック図で示した構成図である。
図2】管理サーバのブロック図である。
図3】充電器の充電モード切換制御の流れを示すフローチャートである。
図4】充電器の他の充電モード切換制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る車両充電システムの一例を示す構成図であり、蓄電池盤をブロックで示している。車両充電システム1は、充電対象の車両5に接続する充電器2、蓄電池31を備えて充電器2を制御する蓄電池盤3、蓄電池盤3を管理する管理サーバ4等で構成されている。また、蓄電池盤3には、充電器2に接続された車両5を認識する車両検知センサ7、充電渋滞を把握するためのカメラ8が接続されている。
【0012】
尚、蓄電池盤3には複数の充電器2が接続されているし、管理サーバ4は複数の蓄電池盤3を管理している。また、充電器2、車両検知センサ7、カメラ8は蓄電池盤3に接続され、管理サーバ4は通信ネットワークNを介して蓄電池盤3と接続されている。
【0013】
蓄電池盤3は、蓄電池31に加えて、交流を直流に変換するコンバータユニット32、充電器2に充電電力を供給するためのインバータユニット33、蓄電池盤3を制御する制御コントローラ34、管理サーバ4と通信する外部通信部35等を備えている。
コンバータユニット32はAC/DC変換部を有し、図示しない高圧受電設備から商用電力が供給され、直流変換された出力が蓄電池31及びインバータユニット33に供給される。インバータユニット33はDC/AC変換部を有し、コンバータユニット32が出力する直流電力と蓄電池31の放電電力の合算電力が交流変換され、車両充電電力として充電器2に供給される。
【0014】
制御コントローラ34は、蓄電池盤3の制御に加え、充電器2及び蓄電池31を制御する。具合的に、管理サーバ4からの指示を受けて、充電器2の充電モードの切換を実施し、車両検知センサ7、カメラ8の撮像画像、蓄電池31の残容量情報を管理サーバ4に通知し、蓄電池31の充放電を制御する。
蓄電池31には、充放電を管理するBMS(Battery Management System)31aが設けられおり、制御コントローラ34はこのBMS31aと通信して蓄電池31を制御する。
【0015】
充電器2は、蓄電池盤3から供給された交流電力を直流変換する電力変換部、接続した車両5とコネクタを介して通信する通信部(何れも図示せず)を有し、変換した直流電力を車両5に供給し、接続された車両5から残容量情報等を入手する。また、充電開始に合わせて充電時間、後述する充電モード等を表示する表示部2aを備えている。
【0016】
車両検知センサ7は、充電器2が接続される車両5を検知する。例えば、充電のための駐車エリアに車両5が駐車したらそれを検知して、管理サーバ4に通知される。
この情報は、充電が完了しているにも関わらず駐車し続けている車両5の検知に使用され、そのような車両5を管理サーバが認識し、管理者等に通知して充電器2の効率の良い利用を促す。
【0017】
カメラ8は、充電待ちの車両5を検知するためのもので、設定された充電待ちエリアを撮像して、充電待ち車両5を撮像する。この撮像画像は管理サーバ4に送信され、管理サーバ4において撮像画像情報から充電渋滞の状況が判断される。
【0018】
図2は管理サーバ4のブロック図を示している。図2に示すように、管理サーバ4は、充電スポットの地図情報を記憶するマップ情報記憶部41、管理サーバ4を制御する管理サーバCPU42、カメラ8から送られてきた撮像画像から車両5を判別する画像解析部43、蓄電池盤3と通信する管理サーバ通信IF44等を備えている。
管理サーバCPU42は、充電渋滞を判断する状況判断部、充電時間を設定する時間設定部、充電モードを切り替える充電モード制御部としての機能を有し、蓄電池盤3から送られて来る充電器2の使用情報、蓄電池31の残容量情報、カメラ8の撮像画像情報、充電対象の車両5の残容量情報を基に、充電器2の充電モード及び充電時間の切換制御を実施する。
【0019】
充電器2の充電モードは、主に商用電力で車両充電を実施する低出力モードと、商用電源に加えて蓄電池31の放電電力を使用して低出力モードより大電流で充電を実施する高出力モードの2種類がある。
また充電時間に関しては、第1の時間である長時間モード(例えば、60分)と、第2の時間である短時間モード(例えば、30分)の2段階の時間設定があり、管理サーバCPU42は蓄電池31の残容量、充電渋滞情報等を基に何れか一方を選択する。
【0020】
尚、9は地図情報等を管理サーバ4に入力する等の各種設定を行ったり、管理者が個々の充電スポットの状況を把握するための管理用パーソナルコンピュータを示している。
【0021】
上記の如く構成された車両充電システム1の車両充電制御は以下のように実施される。尚、この制御は、充電器2に車両5が接続されたら管理サーバCPU42の制御により開始される。
図3は、切換制御の流れを示すフローチャートであり、この図を参照して説明する。最初に充電渋滞の有無が判断(S1)される。これは、カメラ8の撮像画像から画像解析部43が車両5の有無を解析し、充電待ち車両5の有無が判断される。
充電渋滞が発生していないと判断したら、蓄電池31の残容量を確認(S2)し、満充電の20%以上残容量があったら(S2でYES)、高出力モード且つ長時間充電が選択されて充電が開始(S4)される。そして、充電器2の表示部2aに、高出力モードの情報及び60分等の充電時間が表示される(S5)。
【0022】
蓄電池31の残容量が満充電の20%未満であったら(S2でNO)、低出力モード且つ長時間モードが選択されて充電が開始される(S6)。そして、充電器2の表示部2aに低出力モードの情報及び充電時間が表示される(S7)。
【0023】
一方、充電渋滞が発生していると判断したら(S1でYES)、充電器2を介して入手した充電対象車両5が備える蓄電池の残容量を確認する。車両5の残容量が50%以上であったらS2に進み、上記制御の流れが実施される。
車両5の残容量が50%未満であったら(S3でNO)、更に蓄電池盤3の蓄電池31の残容量により制御を判断(S8)し、蓄電池31の残容量が20%未満であったら(S8でNO)、マップ情報記憶部41から、充電器2の周辺(例えば、3km以内)の充電スポット情報を入手し(S9)、低出力モードで長時間モード充電が開始される(S10)。そして、充電器2の表示部2aに、低出力モードの情報及び充電時間が表示され、合わせて入手した近隣の充電スポット情報を表示する(S11)。
S8において蓄電池盤3の蓄電池31の残容量が20%以上であったら(S8でYES)、高出力モードで短時間モードが選択されて充電が開始(S12)される。そして、充電器2の表示部2aに高出力モードの情報及び30分等の充電時間が表示される(S13)。
【0024】
このように、充電渋滞発生時には、車両5の残容量の状況によるが充電時間が短くなるよう制御されるため、待ち時間の削減が可能となり、利用者にとって利便性が良い。また、管理者が充電時間の変更操作をする必要が無いため、作業負担を軽減できる。そして、利用者は充電時間を充電開始時に認識できるため、充電が終了するまでの予定を立て易く、充電時間が過ぎても戻らない利用者を削減できる。
また、蓄電池盤3の蓄電池31の残容量が少ない状況が発生したら、充電器2の出力が削減されて低出力モードで充電されるため、商用電力の使用が増加するのを防ぐことができ、電力料金の増加を防止できる。
加えて、車両5の残容量が少ないにも関わらず低出力モードで充電が開始されたならば、渋滞が発生していても充電時間が短縮されることがないため、充電により一定距離以上の走行が可能となるし、充電開始時に最寄りの充電スポットの情報が充電器2に表示されるため、更なる充電を行いたい利用者は最寄りの充電場所を認識でき安心できる。
【0025】
尚、車両5が備える蓄電池の残容量が50%以上かどうかで、充電器2での充電スポットの表示の有無を判断しているが、この閾値は50%に限定するものでは無い。加えて、近隣の充電スポットを表示する際に、利用状況を入手可能な場合は、近隣の充電スポットのうち空きのある充電スポットの情報のみを表示させても良い。
【0026】
次に、車両充電システム1の車両充電制御の他の形態を説明する。図4のフローチャートは車両充電制御の他の形態の流れを示し、この図を参照して説明する。上記形態では、車両5から車両5が備えている蓄電池の残容量情報を入手して、充電制御の判断に利用しているが、ここでは車両5から残容量情報を入手しない制御を実施している。
充電器2に車両5が接続されたら、まずカメラ8の撮像画像から待機車両5の有無、即ち充電渋滞の有無が判断される(S21)。待機車両5が無ければ、蓄電池盤3の蓄電池31の残容量を見て、20%以上あれば高出力モードで長時間モードでの充電が実施(S23)され、表示部2aに高出力モード、充電時間が表示(S24)される。20%未満であったら、低出力モードで長時間モードでの充電が実施(S25)され、表示部2aにその旨が表示される(S26)。
【0027】
充電渋滞が発生していたら(S21でYES)、次に蓄電池盤3の蓄電池31の残容量を見て、20%未満(S27でNO)であったら、低出力モードで長時間モードでの充電が実施(S25)され、表示部2aにその旨が表示される(S26)。20%以上であったら(S27でYES)、高出力モードで短時間モードでの充電(S28)が行われ、表示部2aにその旨が表示される(S29)。
【0028】
このように、車両5から残容量情報を入手しなくとも、充電渋滞発生時には車両5の残容量の状況によるが充電時間が短くなるよう制御されるため、待ち時間の削減が可能となり、利用者にとって利便性が良い。また、管理者が充電時間の変更操作をする必要が無いため、作業負担を軽減できる。
そして、利用者は充電時間を充電開始時に認識できるため、充電が終了するまでの予定を立て易く、充電時間が過ぎても戻らない利用者を削減できる。
加えて、蓄電池盤3の蓄電池31の残容量が少ない場合は、充電器2の出力が削減されるため、商用電力の使用が増加するのを防ぐことができ、電力料金の増加を防止できる。
【0029】
尚、上記実施形態では、何れも蓄電池盤3の蓄電池31の残容量が20%以上かどうかで充電モードを変更しているが、閾値を20%に限定するものでは無く、例えば40%としても良い。
【符号の説明】
【0030】
1・・車両充電システム、2・・充電器、2a・・表示部、3・・蓄電池盤、4・・管理サーバ、5・・車両、7・・車両検知センサ、8・・カメラ、31・・蓄電池、32・・コンバータユニット(AC/DC変換部)、33・・インバータユニット(DC/AC変換部)、34・・制御コントローラ、35・・外部通信部、41・・マップ情報記憶部、42・・管理サーバCPU(状況判断部、時間設定部、充電モード制御部)、N・・通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4