(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106250
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
F21V 8/00 20060101AFI20230725BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20230725BHJP
H01S 5/02251 20210101ALI20230725BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20230725BHJP
F21V 9/30 20180101ALI20230725BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230725BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230725BHJP
【FI】
F21V8/00 281
H01L33/50
H01S5/02251
F21V8/00 241
F21V7/28 240
F21V9/30
F21V23/00 115
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007476
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 利彦
(72)【発明者】
【氏名】七井 識成
(72)【発明者】
【氏名】溝上 陽介
【テーマコード(参考)】
3K014
5F142
5F173
【Fターム(参考)】
3K014AA01
5F142DA15
5F142DA22
5F142DA36
5F142DA52
5F142DA53
5F142DB32
5F142DB39
5F142DB40
5F142DB42
5F142DB52
5F142DB54
5F142GA21
5F173ME44
5F173MF03
5F173MF04
5F173MF18
5F173MF23
5F173MF24
5F173MF26
5F173MF29
5F173MF39
5F173MF40
(57)【要約】
【課題】外部空間の対象物体を検出可能とする。
【解決手段】照明システム1は、光ファイバ2、第1光源部11、第2光源部12及び灯具ユニット6を備える。第1光源部11は、励起光P1を出射する。第2光源部12は、シード光P2を出射する。灯具ユニット6は、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4を外部空間S1へ出射させる。光ファイバ2の波長変換要素で発生可能な複数波長の自然放出光は、400nm以上700nm未満の第1波長域内の第1波長の光と、700nm以上800nm以下の第2波長域内の第2波長の光と、を含む。光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4は、第1波長と同じ波長の第1光P41と、第2波長と同じ波長の第2光P42と、を含む。灯具ユニット6は、灯具ユニット6から出射された第2光P42の、外部空間S1の対象物体200からの反射光P52を光電変換する受光部65を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光入射部と、光出射部と、前記光入射部と前記光出射部との間に設けられており、励起光によって励起され前記励起光よりも長波長の複数波長の自然放出光を発生可能であり、かつ、自然放射増幅光によって励起可能な波長変換要素を含む波長変換部と、を有する光ファイバと、
前記光ファイバの前記光入射部へ入射させる前記励起光を出射する第1光源部と、
励起された前記波長変換要素から誘導放出光を発生させるために前記光ファイバの前記光入射部へ入射させるシード光を出射する第2光源部と、
前記光ファイバの前記光出射部から出射される光を外部空間へ出射させる灯具ユニットと、を備え、
前記複数波長の自然放出光は、
400nm以上700nm未満の第1波長域内の第1波長の光と、
700nm以上800nm以下の第2波長域内の第2波長の光と、を含み、
前記光ファイバの前記光出射部から出射される前記光は、
前記第1波長と同じ波長の第1光と、
前記第2波長と同じ波長の第2光と、を含み、
前記シード光の波長は、前記第1波長を含み、
前記灯具ユニットは、
前記灯具ユニットから出射された前記第2光の、前記外部空間の対象物体からの反射光を光電変換する受光部を有する、
照明システム。
【請求項2】
制御部を更に備え、
前記制御部は、前記受光部の出力に基づいて前記第2光源部の出力を変化させる、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記灯具ユニットは、
前記光ファイバの前記光出射部から出射される前記光のうち前記第2光を反射し、かつ、前記第1波長域内の光を透過するダイクロイックミラーと、
前記ダイクロイックミラーを透過した前記第1波長域内の光の配光を制御するレンズと、を有する、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記灯具ユニットは、
前記光ファイバの前記光出射部と前記ダイクロイックミラーとの間に配置されているコリメートレンズを更に有する、
請求項3に記載の照明システム。
【請求項5】
前記灯具ユニットは、
前記ダイクロイックミラーで反射された前記第2光の一部を前記外部空間へ向けて反射させ、残りの少なくとも一部を透過するハーフミラーと、
前記第2光の前記残りの少なくとも一部を検出する出力光検出部と、を更に有する、
請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
前記出力光検出部の出力に基づいて前記第1光源部の出力を変化させる出力制御部を更に備える、
請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
前記光ファイバは、
前記波長変換要素を含む第1コア部と、
前記波長変換要素を含まない第2コア部と、を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記光ファイバは、前記波長変換部を複数有し、
前記複数の波長変換部それぞれに含まれる前記波長変換要素が互いに異なる、
請求項1~7のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項9】
前記第1光源部は、レーザ光源を含む、
請求項1~8のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記第2光源部を複数備え、
前記複数の第2光源部は、複数の前記シード光を出射し、
前記複数の第2光源部から出射される前記複数のシード光は、互いに異なる波長を有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項11】
前記複数のシード光は、前記第2波長と同じ波長のシード光を含む、
請求項10に記載の照明システム。
【請求項12】
前記第2光源部は、レーザ光源を含む、
請求項1~11のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項13】
前記第2光源部は、
前記励起光である第1励起光とは別の第2励起光を出射する励起光源と、
前記シード光である第1シード光とは別の第2シード光を出射するシード光源と、
前記光ファイバである第1光ファイバとは別であって、前記第2励起光で励起されて前記第2シード光と同じ波長の光を発生する波長変換材料を含む第2光ファイバと、を有する、
請求項1~12のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項14】
前記第2光源部は、前記シード光源を複数有し、
前記複数のシード光源は、複数の前記第2シード光を出力し、
前記複数のシード光源から出射される複数の前記第2シード光は、互いに異なる波長を有する、
請求項13に記載の照明システム。
【請求項15】
前記波長変換要素は、Pr、Tb、Ho、Dy、Er、Eu、Nd及びMnの群から選択される1以上の元素を含む、
請求項1~14のいずれか一項に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、照明システムに関し、より詳細には、励起光を利用する照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光ファイバと、第1光源部と、第2光源部と、灯具ユニットと、を備える照明システムが開示されている(特許文献1)。ここにおいて、光ファイバは、光入射部と、光出射部と、波長変換要素を含む波長変換部と、を有している。また、第1光源部は、波長変換要素を励起するための励起光を出射する。第2光源部は、シード光を出射する。灯具ユニットは、光ファイバの光出射部から出射される光を外部空間へ出射させる。
【0003】
また、特許文献1には、外部空間に面する天井に設置され、外部空間にいる人を検出する画像センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された照明システムでは、外部空間にいる人を検出するために画像センサを天井等に設置する必要があった。
【0006】
本開示の目的は、外部空間の対象物体を検出可能な照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る一態様の照明システムは、光ファイバと、第1光源部と、第2光源部と、灯具ユニットと、を備える。前記光ファイバは、光入射部と、光出射部と、波長変換部と、を有する。前記波長変換部は、前記光入射部と前記光出射部との間に設けられている。前記波長変換部は、波長変換要素を含む。前記波長変換要素は、励起光によって励起され前記励起光よりも長波長の複数波長の自然放出光を発生可能であり、かつ、自然放射増幅光によって励起可能である。前記第1光源部は、前記光ファイバの前記光入射部へ入射させる前記励起光を出射する。前記第2光源部は、励起された前記波長変換要素から誘導放出光を発生させるために前記光ファイバの前記光入射部へ入射させるシード光を出射する。前記灯具ユニットは、前記光ファイバの前記光出射部から出射される光を外部空間へ出射させる。前記複数波長の自然放出光は、400nm以上700nm未満の第1波長域内の第1波長の光と、700nm以上800nm以下の第2波長域内の第2波長の光と、を含む。前記光ファイバの前記光出射部から出射される前記光は、前記第1波長と同じ波長の第1光と、前記第2波長と同じ波長の第2光と、を含む。前記シード光の波長は、前記第1波長を含む。前記灯具ユニットは、受光部を有する。前記受光部は、前記灯具ユニットから出射された前記第2光の、前記外部空間の対象物体からの反射光を光電変換する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の照明システムでは、外部空間の対象物体を検出可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る照明システムの構成図である。
【
図2】
図2は、同上の照明システムにおける灯具ユニットの構成図である。
【
図3】
図3Aは、同上の照明システムにおける光ファイバの第1端の断面図である。
図3Bは、同上の照明システムにおける光ファイバの第2端の断面図である。
【
図4】
図4A~4Cは、同上の照明システムの動作原理の説明図である。
【
図5】
図5は、実施形態2に係る照明システムの構成図である。
【
図6】
図6は、実施形態3に係る照明システムの構成図である。
【
図7】
図7は、同上の照明システムにおける灯具ユニットの構成図である。
【
図8】
図8は、実施形態4に係る照明システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記の実施形態1~4等において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
以下では、実施形態1に係る照明システム1について
図1、2、3A、3B、4A、4B及び4Cに基づいて説明する。
【0012】
(1)概要
照明システム1は、
図1~3Bに示すように、波長変換要素(元素)を含む波長変換部23を有する光ファイバ2に、波長変換要素を励起するための励起光P1と、励起光P1によって励起された波長変換要素から誘導放出光P3(
図4C参照)を発生させるためのシード光P2と、を入射させる。光ファイバ2からは、励起光P1と誘導放出光P3とを含む光P4が出射される。
図4A、4B及び4Cは、照明システム1の動作原理の説明図である。
図4A、4B及び4Cの縦軸は、電子エネルギである。また、
図4Aの上向きの矢印は、励起光P1の吸収を示している。また、
図4Cの下向きの矢印は、自然放出光あるいは誘導放出光P3に関する遷移を示している。照明システム1では、光ファイバ2に入射した励起光P1によって、波長変換要素の基底準位E0(複数のエネルギ準位を含む)にあった電子e
-が励起準位E2に励起される。そして、励起準位E2の電子e
-が励起準位E2よりもエネルギの低い準安定準位E1に遷移する。その後、例えば準安定準位E1と基底準位E0の複数のエネルギ準位のうち上位のエネルギ準位(以下、第2エネルギ準位ともいう)とのエネルギ差に相当する波長のシード光P2(P22)によって準安定準位E1の電子e
-が第2エネルギ準位に遷移するときに、誘導放出光P3(P32)が発生する。また、準安定準位E1と基底準位E0の複数のエネルギ準位のうち第2エネルギ準位よりも低い第1エネルギ準位とのエネルギ差に相当する波長のシード光P2(P21)によって準安定準位E1の電子e
-が第1エネルギ準位に遷移するときに、誘導放出光P3(P31)が発生する。
【0013】
照明システム1は、ダウンライトとして用いられるが、これに限らない。照明システム1は、施設に適用してもよいし、移動体に適用してもよい。施設は、例えば、テニスコート、スタジアム、空港、戸建て住宅、集合住宅、オフィスビル、店舗、美術館、ホテル、工場等である。移動体は、例えば、自動車、自転車、電車、飛行機、船舶、ドローン等である。
【0014】
(2)照明システムの構成
照明システム1は、
図1に示すように、光ファイバ2と、第1光源部11と、第2光源部12と、灯具ユニット6と、を備える。第1光源部11は、光ファイバ2へ入射させる励起光P1を出射する。第2光源部12は、励起された波長変換要素から誘導放出光P3(
図4C参照)を発生させるために光ファイバ2へ入射させるシード光P2(以下、外部シード光P2ともいう)を出射する。また、照明システム1は、筐体15と、光結合部16と、を更に備える。筐体15は、第1光源部11及び複数の第2光源部12を収容している。光結合部16は、第1光源部11及び第2光源部12と、光ファイバ2との間に配置されている。また、照明システム1は、出力制御部10と、制御部9と、を更に備える。出力制御部10は、第1光源部11の出力を変化させる。制御部9は、第2光源部12の出力を変化させる。
【0015】
(2.1)光ファイバ
光ファイバ2は、
図3A及び3Bに示すように、コア3と、クラッド4と、被覆部5と、を有する。クラッド4は、コア3の外周面を覆っている。被覆部5は、クラッド4の外周面を覆っている。コア3に関し、光軸方向に直交する断面形状は、円形状である。クラッド4は、コア3と同軸状に配置されている。光ファイバ2は、可撓性を有する。コア3の直径は、例えば、25μm~500μmである。光ファイバ2の長さは、例えば、3m~10mである。光ファイバ2は、第1端210(
図3A参照)及び第2端220(
図2及び3B参照)を有する。
【0016】
コア3は、第1端面31(
図3A参照)と、コア3の長さ方向において第1端面31とは反対側の第2端面32(
図3B参照)と、を有する。コア3は、第1コア部3Aと、第2コア部3Bと、を有する。第1コア部3A及び第2コア部3Bそれぞれの長さは、コア3の長さよりも短い。コア3の長さは、第1コア部3Aの長さと第2コア部3Bの長さとの合計長さである。第1コア部3Aは、第1端面31を含み、第2端面32を含まない。第2コア部3Bは、第2端面32を含み、第1端面31を含まない。第1コア部3Aは、透光性材料と、波長変換要素と、を含む。第2コア部3Bは、上述の透光性材料を含むが、波長変換要素を含まない。第1コア部3Aにおける波長変換要素の濃度は、第1コア部3Aの全長に亘って略均一であってもよいし、均一でなくてもよい。コア3の屈折率は、コア3の主成分である上述の透光性材料の屈折率と略同じである。
【0017】
透光性材料は、例えば、フッ化物、酸化物、又は窒化物のいずれかである。フッ化物は、例えば、フッ化物ガラスである。酸化物は、例えば、酸化ケイ素、石英等である。
【0018】
波長変換要素は、希土類元素である。ここにおいて、波長変換要素は、例えば、Pr、Tb、Ho、Dy、Er、Eu、Nd及びMnの群から選択される元素を含む。波長変換要素は、希土類元素のイオンとしてコア3に含有されており、例えば、Prのイオン(Pr3+)として含有されている。波長変換要素は、励起光P1によって励起されるか、あるいは自身とは別の波長変換要素から発せられた自然放出光を内部シード光として増幅された光、即ち自然放射増幅光(ASE)によって励起されてもよい。このような励起を介して、波長変換要素は、波長変換要素の元素特有のASEを放出し、併せて外部シード光P2の波長と同じ波長の誘導放出光を発生し、これらを合わせて誘導放出光P3として放出する。ASE及び外部シード光P2の波長は、励起光P1の波長(例えば、440nm~450nm)よりも長波長である。外部シード光P2の波長については、「(2.3)第2光源部」の欄で説明する。
【0019】
Pr3+はシアン~赤色の範囲でASEあるいはシード光の増幅光を放出できる波長変換要素である。誘導放出光の強度は、内部シード光(自然放出光)及び外部シード光P2の強さに依存する。コア3が複数種類の波長変換要素として、例えば、Pr3+とTb3+とを含有している場合、Tb3+は、Pr3+からのASEを吸収して励起され、Tb3+特有の波長のASEを発生することもできる。
【0020】
クラッド4の屈折率は、コア3の屈折率よりも小さい。クラッド4は、コア3(の第1コア部3A)の含有している波長変換要素を含まない。
【0021】
被覆部5の材料は、例えば、樹脂である。
【0022】
光ファイバ2は、光入射部21と、光出射部22と、波長変換部23と、を有する。
【0023】
光入射部21は、励起光P1が入射する部分であり、例えば、コア3の第1端面31を含む。光出射部22は、励起光P1と、ASEを含む誘導放出光P3と、を含む光P4が出射するコア3の第2端面32を含む。
【0024】
光入射部21は、光ファイバ2の外部から光入射部21に入射する励起光P1の反射を低減する反射低減部を含んでいてもよい。反射低減部は、例えば、コア3の第1端面31を覆うアンチリフレクションコートであってもよい。
【0025】
光出射部22は、励起光P1とASEを含む誘導放出光P3との反射を低減する反射低減部を含んでいてもよい。反射低減部は、例えば、好ましくは、コア3の屈折率と略等しい屈折率を有する透明材料より構成することができる。反射低減部は、例えば、エンドキャップを含む。反射低減部は、エンドキャップに限らず、例えば、コア3の第2端面32に含まれる微細凹凸構造であってもよい。
【0026】
波長変換部23は、光入射部21と光出射部22との間に設けられている。波長変換部23は、励起光P1によって励起され励起光P1よりも長波長の光を放射する波長変換要素を含む。波長変換要素は、励起光P1を吸収して励起光P1よりも長波長の自然放出光又はシード光を誘導放出によって増幅することができる元素である。波長変換要素は、励起光P1によって励起され励起光P1よりも長波長の自然放出光を発生可能であり、かつ、自然放射増幅光によって励起可能である。波長変換部23は、コア3の第1コア部3Aと、クラッド4のうち第1コア部3Aに対応する部分(第1コア部3Aの外周面を覆っている部分)と、被覆部5のうち第1コア部3Aに対応する部分と、を含む。
図1では、光ファイバ2において、波長変換部23と、波長変換部23の以外の部分24と、をドットハッチングの有無により、区別している。具体的には、
図1では、波長変換部23にドットのハッチングを付してあり、波長変換部23以外の部分24には、ドットのハッチングを付していない。第1コア部3Aの透光性材料は、第2コア部3Bの透光性材料と同じであるのが好ましい。第1コア部3Aの屈折率は、第2コア部3Bの屈折率と同じであるのが好ましい。
【0027】
波長変換部23において発生する複数波長の自然放出光は、400nm以上700nm未満の第1波長域内の第1波長の光と、700nm以上800nm以下の第2波長域内の第2波長の光と、を含む。光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4は、第1波長と同じ波長の第1光P41と、第2波長と同じ波長の第2光P42と、を含む。シード光P2の波長は、第1波長を含む。
【0028】
波長変換要素が例えばPr3+の場合、波長変換部23において発生する複数波長の自然放出光は、第1波長域の波長の光として、波長482nm、523nm、605nm及び637nmそれぞれの光を含み、第2波長域の波長の光として波長719nmの光(近赤外光)を含む。また、波長変換要素が例えばDy3+の場合、波長変換部23において発生する複数波長の自然放出光は、第1波長域の波長の光として波長450nm、475nm、580nm及び660nmの光を含み、第2波長域の波長の光として波長750nmの光(近赤外光)を含む。
【0029】
光ファイバ2は、可撓性を有する。コア3の直径は、例えば、25μm~500μmである。光ファイバ2の長さは、例えば、3m~10mである。波長変換部23の長さについては、波長変換部23における波長変換要素の濃度が低いほど長いほうが好ましい。光ファイバ2の開口数は、例えば、0.22である。波長変換部23における波長変換要素の濃度は、第1コア部3Aにおける波長変換要素の濃度である。
【0030】
(2.2)第1光源部
第1光源部11は、光ファイバ2の波長変換部23に含まれる波長変換要素を励起するための励起光P1を出射する。第1光源部11から出射された励起光P1は、光ファイバ2の光入射部21へ入射される。波長変換要素をより効率的に励起する観点から、励起光P1の波長は、350nm以上500nm以下であるのが好ましい。
【0031】
第1光源部11は、例えば、レーザ光源を含む。レーザ光源は、レーザ光を出射する。第1光源部11から出射された励起光P1(レーザ光源から出射したレーザ光)は、光入射部21へ入射される。レーザ光源は、例えば、青色のレーザ光を出射する半導体レーザである。この場合、励起光P1の波長は、例えば、440nm~450nmである。
【0032】
(2.3)第2光源部
第2光源部12は、シード光P2を出射する。第2光源部12から出射されたシード光P2は、光ファイバ2の光入射部21へ入射される。
【0033】
照明システム1は、複数(例えば、2つ)の第2光源部12を備える。2つの第2光源部12は、例えば、互いに異なる波長のシード光P2を出射する。複数のシード光P2の波長は、互いに異なる第1波長を含む。以下では、説明の便宜上、2つの第2光源部12のうち1つの第2光源部12を第2光源部121と称し、残りの1つの第2光源部12を第2光源部122と称することもある。第2光源部121は、例えば、緑色の光を出射する半導体レーザである。また、第2光源部122は、例えば、赤色の光を出射する半導体レーザである。波長変換部23の波長変換要素がPr3+を含む場合、第2光源部121から出射される緑色のシード光P21の波長は、例えば約520nm(Pr3+が発生させる緑色の自然放出光の光の波長523nm)であり、第2光源部122から出射される赤色のシード光P22の波長は、例えば約640nm(Pr3+が発生させる赤色の自然放出光の光の波長637nm)であるのが好ましい。各第2光源部12は、準単色光を放射する光源である。ここにおいて、準単色光とは、狭い波長範囲(例えば、10nm)に含まれる光である。照明システム1における第2光源部12の数は、2つに限らず、3つ以上でもよいし、1つでもよい。照明システム1は、第2光源部12を3つ備える場合、3つの第2光源部12として、緑色の光を出射する半導体レーザと、赤色の光を出射する半導体レーザと、オレンジ色の光を出射する半導体レーザと、を備えていてもよい。オレンジ色のシード光の波長は、例えば約600nm(605nm)であるのが好ましい。
【0034】
(2.4)光結合部
光結合部16は、第1光源部11及び第2光源部12と、光ファイバ2との間に配置されている。光結合部16は、励起光P1及び各シード光P2を光ファイバ2の光入射部21へ効率良く入射するために設けられている。光結合部16は、筐体15の開口部151に配置されている。光結合部16は、例えば、導波路型カプラであるが、これに限らず、例えば、光ファイバ型カプラ又は多波長コンバイナでもよい。導波路型カプラ、光ファイバ型カプラ及び多波長コンバイナ等の光路の材料は、例えば、石英であるが、これに限らない。
【0035】
(2.5)灯具ユニット
灯具ユニット6は、例えば、建物100の天井101の貫通孔102内に配置される。この場合、光ファイバ2の一部は、灯具ユニット6を保持する構造物である天井101と建物100内の壁103とによって隠蔽される。言い換えれば、光ファイバ2の一部は、天井裏及び壁裏に配置される。灯具ユニット6は、例えば、下面に開口601を有する円錐台状のユニット本体60を備える。灯具ユニット6は、例えば、ユニット本体60の下端から外方に突出するフランジと、フランジとの間に天井101を挟持する複数の板ばねとを利用して天井101に取り付けられる。灯具ユニット6は、例えば、取付枠と複数の取付ばねとを利用して天井101に取り付けられてもよい。灯具ユニット6は、ダウンライトと同様の取付方法で天井101に取り付けられる。
【0036】
灯具ユニット6は、光ファイバ2の光出射部22を含む光ファイバ2の第2端220を保持する。光ファイバ2の第2端220は、ユニット本体60の上壁602の孔を通してユニット本体60内に導入されている。
【0037】
灯具ユニット6は、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4を外部空間S1へ出射させる。灯具ユニット6は、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4を、ユニット本体60の開口を通して外部空間S1へ出射させる。
【0038】
灯具ユニット6は、受光部65を有する。受光部65は、灯具ユニット6から出射された第2光P42の、外部空間S1の対象物体200からの反射光P52を光電変換する。受光部65は、例えば、光電変換素子であるフォトダイオードを含む。また、受光部65は、フォトダイオードの受光面の前方に配置された集光レンズを更に含んでもよい。受光部65は、反射光P52の光量に応じて出力信号が変化する。対象物体200は、例えば、外部空間S1において灯具ユニット6の下方に存在する人を含む。
【0039】
灯具ユニット6は、ダイクロイックミラー62と、レンズ63と、を有する。ダイクロイックミラー62及びレンズ63は、ユニット本体60内に配置されている。
【0040】
ダイクロイックミラー62は、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4のうち第2波長域内の第2光P42を反射し、かつ、第1波長域内の光を透過する。第1波長域内の光は、互いに波長の異なる複数の第1光を含む。複数の第1光は、例えば、波長が約445nmの青色光と、波長が約520nmの緑色光と、波長が約640nmの赤色光と、を含む。したがって、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4は、例えば、青色光と緑色光と赤色光とを含む白色光である。ダイクロイックミラー62は、近赤外光を反射し、可視光を透過する。
【0041】
レンズ63は、ダイクロイックミラー62を透過した第1波長域内の光の配光を制御する。レンズ63は、例えば、第1波長域内の光を照明光L1(
図1参照)に変換して外部空間S1へ配光する。照明光L1の配光角は、レンズ63の形状等によって決まる。レンズ63は、例えば、入射光を入射光の配光特性とは異なる配光特性の照明光L1に変換して外部空間S1へ配光する。ここにおいて、照明光L1は、入射光よりも指向性が低い配光特性を有する。言い換えれば、照明光L1は、入射光よりも光束の広がり角が大きい。照明光L1は、入射光に比べて、相対的にコヒーレンスが低い光(インコヒーレント光)である。レンズ63は、例えば、拡散レンズである。
【0042】
灯具ユニット6は、コリメートレンズ61を更に有する。コリメートレンズ61は、ユニット本体60内に配置されている。
【0043】
コリメートレンズ61は、光ファイバ2の光出射部22とダイクロイックミラー62との間に配置されている。言い換えれば、コリメートレンズ61は、光ファイバ2の光出射部22とダイクロイックミラー62との間の光路上に配置されている。コリメートレンズ61は、光ファイバ2の光出射部22から出射された光P4をコリメートする。よって、ダイクロイックミラー62には、コリメートレンズ61によってコリメートされた光P4が入射する。
【0044】
また、灯具ユニット6は、ハーフミラー64と、出力光検出部66と、を更に有する。ハーフミラー64及び出力光検出部66は、ユニット本体60内に配置されている。
【0045】
ハーフミラー64は、光P4のうちダイクロイックミラー62で反射された第2光P42の一部を外部空間S1へ向けて反射させ、残りの少なくとも一部を透過する。以下では、説明の便宜上、ダイクロイックミラー62で反射された第2光P42のうちハーフミラー64によって外部空間S1へ向けて反射された光を投射光P421と称し、ハーフミラー64を透過した光をモニタ光P422と称することもある。灯具ユニット6から出射された第2光P42(投射光P421)の、対象物体200からの反射光P52は受光部65によって検出(受光)される。モニタ光P422は、出力光検出部66によって検出(受光)される。
【0046】
出力光検出部66は、ハーフミラー64側から入射したモニタ光P422を光電変換する。出力光検出部66は、例えば、光電変換素子であるフォトダイオードを含む。また、出力光検出部66は、フォトダイオードの受光面の前方に配置された集光レンズを更に含んでもよい。
【0047】
(2.6)出力制御部
出力制御部10は、出力光検出部66の出力に基づいて第1光源部11の出力を変化させる。出力制御部10は、第1光源部11から出射させる励起光P1の強度を調整する。出力制御部10は、第1光源部11を駆動する第1駆動回路と、第1駆動回路を制御する第1制御回路と、を含む。出力制御部10では、第1制御回路が第1駆動回路を制御することにより、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4の強度を調整可能となる。要するに、照明システム1は、出力制御部10を備えることにより、光P4の出力の低下を抑制することが可能となり、第2光P42の出力の低下を抑制することが可能となる。出力制御部10は、筐体15の外に配置されているが、これに限らず、筐体15に収容されていてもよい。第1駆動回路には、例えば、第1電源回路から電源電圧が供給される。また、第1制御回路には、例えば、第2電源回路から電源電圧が供給される。第1電源回路及び第2電源回路は、照明システム1の構成要素に含まれないが、これに限らず、含まれてもよい。
【0048】
出力制御部10は、コンピュータシステムを含んでいてもよい。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、出力制御部10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0049】
(2.7)制御部
制御部9は、受光部65の出力に基づいて複数の第2光源部12のうち少なくとも1つの第2光源部12を制御することで、当該少なくとも1つの第2光源部12の出力を変化させる。
【0050】
制御部9は、複数のシード光P21,P22それぞれの強度を調整する。制御部9は、複数の第2光源部12に一対一に対応し対応する第2光源部12を駆動する複数の第2駆動回路と、複数の第2駆動回路を個別に制御する第2制御回路と、を含む。制御部9では、第2制御回路が複数の第2駆動回路を個別に制御することにより、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4の色度を調整可能となる。要するに、照明システム1は、制御部9を備えることにより、照明光L1の調色が可能となる。制御部9は、筐体15の外に配置されているが、これに限らず、筐体15に収容されていてもよい。複数の第2駆動回路には、第1電源回路から電源電圧が供給される。また、第2制御回路には、例えば、第2電源回路から電源電圧が供給される。
【0051】
制御部9は、コンピュータシステムを含んでいてもよい。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、制御部9としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI、又はULSIと呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0052】
(3)照明システムの動作
照明システム1では、第1光源部11から励起光P1を出射させ、かつ、複数の第2光源部12それぞれからシード光P21,P22を出射させる。これにより、照明システム1では、励起光P1及びシード光P2を光ファイバ2の光入射部21に入射させる。光入射部21に入射した励起光P1の一部は、光出射部22から出射される。照明システム1では、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4は、励起光P1、波長変換要素から発生する波長約480nmのASE、及びシード光P2が増幅された光の混色光と、波長約715nmの近赤外光と、を含む。複数のシード光P21,P22に一対一に対応し互いに波長の異なる2種類の誘導放出光P31,P32は、例えば、それぞれ、緑色光、赤色光である。この場合、混色光は、例えば、白色光である。なお、
図3Cにおいて下側の誘導放出光P3(P31)が、緑色光であり、上側の誘導放出光P3(P32)が赤色光である。
【0053】
光ファイバ2は、自然放出光とシード光P2により誘導放出が生じるので、光入射部21に入射した励起光P1と、誘導放出により増幅された誘導放出光P3とが光出射部22から出射する。光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4のうちシード光P21の波長と同じ波長の誘導放出光P31の強度は、第2光源部121から光入射部21に入射させるシード光P21の強度よりも大きい。また、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4のうちシード光P22の波長と同じ波長の誘導放出光P32の強度は、第2光源部122から光入射部21に入射させるシード光P22の強度よりも大きい。光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4は、インコヒーレント光である。照明システム1では、ASEとシード光P2の波長に応じて、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4の色度、色温度、演色性等が決まる。なお、照明システム1の動作は、レーザ発振するファイバレーザの動作とは異なる。
【0054】
照明システム1では、灯具ユニット6から出射する第2光P42を、反射型の人体検知センサから出射する近赤外光として利用し、対象物体200で反射された反射光P52を受光部65において光電変換する。
図1では、対象物体200に入射して対象物体200で乱反射された反射光のうち受光部65に入射する反射光P52を模式的に示してある。
【0055】
照明システム1では、制御部9は、受光部65の出力に基づいて複数の第2光源部12のうち少なくとも1つの第2光源部12を制御することで、当該少なくとも1つの第2光源部12の出力を変化させる。より詳細には、制御部9は、受光部65の出力に基づいて対象物体200の存否を判定し、判定結果に応じて複数の第2光源部12のうち少なくとも1つの第2光源部12の出力を制御することによって、照明光L1の色度、色温度、演色性等を変化させる。例えば、対象物体200が人の場合、照明システム1は、受光部65の出力に基づく対象物体200(人)の存否に応じて照明光L1の色度を変えるように複数の第2光源部12のうち少なくとも1つの第2光源部12の出力を変化させる。対象物体200は、人に限らず、例えば、動物、物、ロボット等であってもよい。
【0056】
(4)まとめ
実施形態1に係る照明システム1は、光ファイバ2と、第1光源部11と、第2光源部12と、灯具ユニット6と、を備える。光ファイバ2は、光入射部21と、光出射部22と、波長変換部23と、を有する。波長変換部23は、光入射部21と光出射部22との間に設けられている。波長変換部23は、波長変換要素を含む。波長変換要素は、励起光P1によって励起され互いに波長の異なる複数波長の自然放出光を発生可能であり、かつ、自然放射増幅光によって励起可能である。第1光源部11は、光ファイバ2の光入射部21へ入射させる励起光P1を出射する。第2光源部12は、励起された波長変換要素から誘導放出光P3を発生させるために光ファイバ2の光入射部21へ入射させるシード光P2を出射する。灯具ユニット6は、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4を外部空間S1へ出射させる。複数波長の自然放出光は、400nm以上700nm未満の第1波長域内の第1波長の光と、700nm以上800nm以下の第2波長域内の第2波長の光と、を含む。光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4は、第1波長と同じ波長の第1光P41と、第2波長と同じ波長の第2光P42と、を含む。シード光P2の波長は、第1波長を含む。灯具ユニット6は、受光部65を有する。受光部65は、灯具ユニット6から出射された第2光P42の、外部空間S1の対象物体200からの反射光P52を光電変換する。
【0057】
実施形態1に係る照明システム1では、外部空間S1の対象物体200を検出可能となる。より詳細には、実施形態1に係る照明システム1は、シード光P2によって第1波長域内の第1波長の光の強度を高め、かつ、波長変換部23で発生する第2波長域内の第2波長の光と同じ波長の第2光P42を対象物体200の検出するための近赤外光として利用する。これにより、実施形態1に係る照明システム1は、外部空間S1へ近赤外光を投射するためのだけの赤外光源(赤外LD、赤外LED等)を用いることなく、対象物体200の検出用の近赤外光(第2光P42)を外部空間S1へ投射することができ、受光部65の出力に基づいて、外部空間S1の対象物体200を検出可能となる。
【0058】
また、実施形態1に係る照明システム1は、受光部65の出力に基づいて複数の第2光源部12のうち少なくとも1つの第2光源部12の出力を変化させる制御部9を備えるので、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4の色度を調整可能となる。ここで、照明システム1では、制御部9が第1光源部11の出力を変化させないので、光ファイバ2の光出射部22から出射される第2光P42の出力変動を抑制でき、対象物体200を安定して検出することが可能となる。
【0059】
また、実施形態1に係る照明システム1では、灯具ユニット6が、光ファイバ2の光出射部22から出射される光P4のうち第2光P42を反射し、かつ、第1波長域内の光を透過するダイクロイックミラー62と、ダイクロイックミラー62を透過した第1波長域内の光の配光を制御するレンズ63と、を有する。これにより、実施形態1に係る照明システム1では、第2光P42の出射方向を第1波長域内の光の出射方向とは異ならせることができ、かつ、第1波長域内の光の配光を制御することが可能となる。
【0060】
また、実施形態1に係る照明システム1では、灯具ユニット6が、光ファイバ2の光出射部22とダイクロイックミラー62との間に配置されているコリメートレンズ61を更に有する。これにより、実施形態1に係る照明システム1では、コリメートレンズ61によってコリメートされた第1波長域内の光をレンズ63で配光することが可能となるとともに、ダイクロイックミラー62で反射された第2光P42を利用しやすくなる。また、実施形態1に係る照明システム1は、コリメートレンズ61を備えるので、第1波長域内の光をレンズ63に効率良く入射させることが可能となり、照明光L1の高出力化を図ることが可能となる。
【0061】
また、実施形態1に係る照明システム1では、灯具ユニット6が、ダイクロイックミラー62で反射された第2光P42の一部を外部空間S1へ向けて反射させ、残りの少なくとも一部を透過するハーフミラー64を更に有し、出力光検出部66が、第2光P42の残りの少なくとも一部を検出する。これにより、実施形態1に係る照明システム1は、ダイクロイックミラー62で反射された第2光P42を対象物体200の検出と、第1光源部11の出力変動の間接的な検出と、に利用することが可能となる。
【0062】
また、実施形態1に係る照明システム1は、出力光検出部66の出力に基づいて第1光源部11の出力を変化させる出力制御部10を備える。ここにおいて、実施形態1に係る照明システム1では、例えば、第1光源部11の出力が低下すると、光ファイバ2で発生する第2波長の光の光量が低下し、出力光検出部66の出力も低下する傾向にある。したがって、実施形態1に係る照明システム1は、第1光源部11の出力の低下等によって第2光P42の出力が低下することを抑制でき、外部空間S1の対象物体200を、より安定して検出可能となる。
【0063】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る照明システム1aについて、
図5に基づいて説明する。実施形態2に係る照明システム1aに関し、実施形態1に係る照明システム1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
照明システム1aにおける光ファイバ2は、複数(例えば、2つ)の波長変換部23を有する。照明システム1aにおける光ファイバ2では、2つの波長変換部23それぞれに含まれる波長変換要素が互いに異なる。以下では、説明の便宜上、光ファイバ2の2つの波長変換部23のうち第1光源部11及び第2光源部12に近い波長変換部23を第1波長変換部231と称し、第1光源部11及び第2光源部12から遠い波長変換部23を第2波長変換部232と称することもある。
【0065】
照明システム1aにおける光ファイバ2では、第1波長変換部231が、光入射部21と光出射部22とのうち光入射部21側に位置しており、第2波長変換部232が、光入射部21と光出射部22とのうち光出射部22側に位置している。
【0066】
第1波長変換部231は、波長変換要素として、例えば、Pr3+を含む。第2波長変換部232は、波長変換要素として、例えば、Tb(Tb3+)を含む。Tb3+は、Pr3+からのASEを吸収して励起され、Tb3+特有の波長のASEを発生することもできる。第1波長変換部231の波長変換要素と第2波長変換部232の波長変換要素との組み合わせは、Pr、Tb、Ho、Dy、Er、Eu、Nd及びMnの群から選択される2つの元素の組み合わせであれば、PrとTbとの組み合わせに限らない。例えば、第2波長変換部232の含む波長変換要素は、例えば、Dy(Dy3+)であってもよい。Dy3+は、Pr3+からのASEを吸収して励起され、Dy3+特有の波長のASEを発生することもできる。Dy3+は、第2波長域内の第2波長の光として波長755nmの自然放出光を発生することができる。
【0067】
実施形態2に係る照明システム1aは、2つの波長変換部23を有し、2つの波長変換部23それぞれに含まれる波長変換要素が互いに異なるので、演色性を向上させることが可能となる。
【0068】
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る照明システム1bについて、
図6及び7に基づいて説明する。実施形態3に係る照明システム1bに関し、実施形態1に係る照明システム1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
照明システム1bは、照明システム1a(
図1及び2参照)におけるハーフミラー64及び出力光検出部66を備えていない点で、照明システム1aと相違する。実施形態1に係る照明システム1では、光ファイバ2の光出射部22とコリメートレンズ61とダイクロイックミラー62とレンズ63とが上下方向において並んでいる。これに対して、実施形態3に係る照明システム1bでは、光ファイバ2の光出射部22とコリメートレンズ61とダイクロイックミラー62とレンズ63とが、上下方向に対して傾いた直線上において並んでいる。
【0070】
照明システム1bは、照明システム1aと比べて、ハーフミラー64及び出力光検出部66を配置するスペースが不要となるので、灯具ユニット6の小型化を図ることが可能となる。
【0071】
(実施形態4)
以下、実施形態4に係る照明システム1cについて、
図8に基づいて説明する。実施形態4に係る照明システム1cに関し、実施形態1に係る照明システム1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
照明システム1cでは、第2光源部12が、励起光源13と、複数(例えば、2つ)のシード光源14と、光ファイバ2(以下、第1光ファイバ2ともいう)とは別の第2光ファイバ18と、を有する点で、照明システム1と相違する。
【0073】
励起光源13は、励起光P1(以下、第1励起光P1ともいう)とは別の第2励起光P13を出射する。励起光源13は、第2光ファイバ18(のコア)に含まれる波長変換材料を励起するための第2励起光P13を出射する。波長変換材料は、第1光ファイバ2の波長変換要素と同様、例えば、Pr、Tb、Ho、Dy、Er、Eu、Nd及びMnの群から選択される元素を含む。波長変換材料は、希土類元素のイオンとして第2光ファイバ18のコアに含有されており、例えば、Prのイオン(Pr3+)として含有されている。
【0074】
励起光源13から出射された第2励起光P13は、第2光ファイバ18へ入射される。波長変換材料をより効率的に励起する観点から、第2励起光P13の波長は、350nm以上500nm以下であるのが好ましい。
【0075】
励起光源13は、例えば、レーザ光源を含む。レーザ光源は、レーザ光を出射する。励起光源13から出射された第2励起光P13(レーザ光源から出射したレーザ光)は、第2光ファイバ18へ入射される。レーザ光源は、例えば、青色のレーザ光を出射する半導体レーザである。この場合、第2励起光P13の波長は、例えば、440nm~450nmである。
【0076】
複数のシード光源14の各々は、シード光P2(以下、第1シード光P2ともいう)とは別の第2シード光P14を出射する。複数のシード光源14から出射された第2シード光P14は、第2光ファイバ18へ入射される。
【0077】
2つのシード光源14は、例えば、互いに異なる波長の第2シード光P14を出射する。複数の第2シード光P14の波長は、互いに異なる第1波長を含む。以下では、説明の便宜上、2つのシード光源14のうち1つのシード光源14をシード光源141と称し、残りの1つのシード光源14をシード光源142と称することもある。シード光源141は、例えば、緑色の光を出射する半導体レーザである。また、シード光源142は、例えば、赤色の光を出射する半導体レーザである。第2光ファイバ18は、第2励起光P13で励起されて第2シード光P14と同じ波長の光を発生する波長変換材料を含む。第2光ファイバ18の波長変換材料がPr3+を含む場合、シード光源141から出射される緑色の第2シード光P141の波長は、例えば約520nm(523nm)であり、シード光源142から出射される赤色の第2シード光P142の波長は、例えば約640nm(637nm)であるのが好ましい。各シード光源14は、準単色光を放射する光源である。ここにおいて、準単色光とは、狭い波長範囲(例えば、10nm)に含まれる光である。照明システム1cの第2光源部12におけるシード光源14の数は、2つに限らず、3つ以上でもよいし、1つでもよい。照明システム1は、シード光源14を3つ備える場合、3つのシード光源14として、緑色の光を出射する半導体レーザと、赤色の光を出射する半導体レーザと、オレンジ色の光を出射する半導体レーザと、を備えていてもよい。オレンジ色の第2シード光の波長は、例えば約600nm(605nm)であるのが好ましい。
【0078】
照明システム1cは、第2光ファイバ18が波長変換材料を含み、第2光源部12が複数のシード光源14を有するので、複数の第2シード光P14に一対一に対応する複数の誘導放出光を、複数の外部シード光P2として第2光ファイバ18から出射させることが可能となる。これにより、照明システム1cは、灯具ユニット6から出射される照明光L1の演色性を向上させることが可能となる。
【0079】
また、照明システム1cは、第2光源部12が第2光ファイバ18とシード光源14とを有するので、半導体レーザのような固体光源の数を増やすことなく、第1光ファイバ2において増幅可能な波長の光が増え、演色性を向上させることが可能となるとともに、第2波長域内の光の強度を高めることが可能となる。
【0080】
照明システム1cでは、第2光源部12が複数のシード光源14を有しているが、第2光源部12の有するシード光源14の数は、複数に限らず、1つであってもよい。
【0081】
(変形例)
上記の実施形態1~4は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態1~4は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0082】
例えば、照明システム1、1a、1bでは、励起光P1及び各シード光P2は、光結合部16を介して光ファイバ2の光入射部21へ入射されるが、これに限らず、光ファイバ2の光入射部21へ光結合部16等の他の光学部材を介さずに直接入射されてもよい。
【0083】
例えば、照明システム1、1a、1bでは、第1光源部11と光ファイバ2の光入射部21との間に、第1コリメートレンズと第1集光レンズとの少なくとも一方を含む第1光学系が配置されていてもよい。
【0084】
また、照明システム1、1a、1bでは、例えば、第2光源部12と光ファイバ2の光入射部21との間に、第2コリメートレンズと第2集光レンズとの少なくとも一方を含む第2光学系が配置されていてもよい。
【0085】
また、第1光源部11及び複数の第2光源部12と光ファイバ2の光入射部21との相対的な位置関係は、実施形態1~3での位置関係に限定されない。例えば、照明システム1、1a、1bでは、第1光源部11及び複数の第2光源部12と光ファイバ2の光入射部21との間に光学系としてクロスダイクロイックプリズムを配置することで、第1光源部11及び複数の第2光源部12と光ファイバ2の光入射部21との相対的な位置関係を変えてもよい。光学系は、励起光P1及び複数のシード光P2それぞれを集光する複数の集光レンズであってもよいし、励起光P1及び複数のシード光P2を集光する1つの集光レンズであってもよい。
【0086】
また、照明システム1、1a、1bは、1つの光ファイバ2に対して複数の第2光源部12を備えているが、これに限らず、1つの光ファイバ2に対して少なくとも1つの第2光源部12を備えていればよい。
【0087】
(態様)
以上説明した実施形態1~4等から本明細書には以下の態様が開示されている。
【0088】
第1の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、光ファイバ(2)と、第1光源部(11)と、第2光源部(12)と、灯具ユニット(6)と、を備える。光ファイバ(2)は、光入射部(21)と、光出射部(22)と、波長変換部(23)と、を有する。波長変換部(23)は、光入射部(21)と光出射部(22)との間に設けられている。波長変換部(23)は、波長変換要素を含む。波長変換要素は、励起光(P1)によって励起され励起光(P1)よりも長波長の複数波長の自然放出光を発生可能であり、かつ、自然放射増幅光によって励起可能である。第1光源部(11)は、光ファイバ(2)の光入射部(21)へ入射させる励起光(P1)を出射する。第2光源部(12)は、励起された波長変換要素から誘導放出光(P3)を発生させるために光ファイバ(2)の光入射部(21)へ入射させるシード光(P2)を出射する。灯具ユニット(6)は、光ファイバ(2)の光出射部(22)から出射される光(P4)を外部空間(S1)へ出射させる。複数波長の自然放出光は、400nm以上700nm未満の第1波長域内の第1波長の光と、700nm以上800nm以下の第2波長域内の第2波長の光と、を含む。光ファイバ(2)の光出射部(22)から出射される光(P4)は、第1波長と同じ波長の第1光(P41)と、第2波長と同じ波長の第2光(P42)と、を含む。シード光(P2)の波長は、第1波長を含む。灯具ユニット(6)は、受光部(65)を有する。受光部(65)は、灯具ユニット(6)から出射された第2光(P42)の、外部空間(S1)の対象物体(200)からの反射光(P52)を光電変換する。
【0089】
第1の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、外部空間(S1)の対象物体(200)を検出可能となる。
【0090】
第2の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、第1の態様において、制御部(9)を更に備える。制御部(9)は、受光部(65)の出力に基づいて第2光源部(12)の出力を変化させる。
【0091】
第2の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、光ファイバ(2)の光出射部(22)から出射される光(P4)の色度を調整可能となる。
【0092】
第3の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、第1又は2の態様において、灯具ユニット(6)は、ダイクロイックミラー(62)と、レンズ(63)と、を有する。ダイクロイックミラー(62)は、光ファイバ(2)の光出射部(22)から出射される光(P4)のうち第2光(P42)を反射し、かつ、第1波長域内の光を透過する。レンズ(63)は、ダイクロイックミラー(62)を透過した第1波長域内の光の配光を制御する。
【0093】
第3の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第2光(P42)の出射方向を第1波長域内の光の出射方向とは異ならせることができ、かつ、第1波長域内の光の配光を制御することが可能となる。
【0094】
第4の態様に係る照明システム(1;1a;1c)では、第3の態様において、灯具ユニット(6)は、コリメートレンズ(61)を更に有する。コリメートレンズ(61)は、光ファイバ(2)の光出射部(22)とダイクロイックミラー(62)との間に配置されている。
【0095】
第4の態様に係る照明システム(1;1a;1c)では、コリメートレンズ(61)によってコリメートされた第1波長域内の光をレンズ(63)で配光することが可能となるとともに、ダイクロイックミラー(62)で反射された第2光(P42)を利用しやすくなる。
【0096】
第5の態様に係る照明システム(1;1a;1c)では、第4の態様において、灯具ユニット(6)は、ハーフミラー(64)と、出力光検出部(66)と、を更に有する。ハーフミラー(64)は、ダイクロイックミラー(62)で反射された第2光(P42)の一部を外部空間(S1)へ向けて反射させ、残りの少なくとも一部を透過する。出力光検出部(66)は、第2光(P42)の残りの少なくとも一部を検出する。
【0097】
第5の態様に係る照明システム(1;1a;1c)では、第2光(P42)のうちハーフミラー(64)を透過した分を出力光検出部(66)によって検出することで、第1光源部(11)の出力の変化を間接的にモニタすることが可能となる。
【0098】
第6の態様に係る照明システム(1;1a;1c)では、第5の態様において、出力制御部(10)を更に備える。出力制御部(10)は、出力光検出部(66)の出力に基づいて第1光源部(11)の出力を変化させる。
【0099】
第6の態様に係る照明システム(1;1a;1c)では、第1光源部(11)の出力の低下を抑制することが可能となり、第2光(P42)の出力の低下を抑制することが可能となる。
【0100】
第7の態様に係る照明システム(1;1b;1c)は、第1~6の態様のいずれか一つにおいて、光ファイバ(2)は、波長変換要素を含む第1コア部(3A)と、波長変換要素を含まない第2コア部(3B)と、を含む。
【0101】
第7の態様に係る照明システム(1;1b;1c)は、例えば、光ファイバ(2)を、第1コア部(3A)を有する光ファイバと、第2コア部(3B)を有する光ファイバと、を結合することで構成可能となり、低コスト化を図ることが可能となる。
【0102】
第8の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第1~7の態様のいずれか一つにおいて、光ファイバ(2)は、波長変換部(23)を複数有する。複数の波長変換部(23)それぞれに含まれる波長変換要素が互いに異なる。
【0103】
第8の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、演色性を向上させることが可能となる。
【0104】
第9の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第1~8の態様のいずれか一つにおいて、第1光源部(11)は、レーザ光源を含む。
【0105】
第9の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、励起光(P1)の強度を高めることができる。
【0106】
第10の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、第1~9の態様のいずれか一つにおいて、第2光源部(12)を複数備える。複数の第2光源部(12)は、複数のシード光(P2)を出射する。複数の第2光源部(12)から出射される複数のシード光(P2)は、互いに異なる波長を有する。
【0107】
第10の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、複数のシード光(P2)に一対一に対応する複数の誘導放出光(P3)を含む光を光ファイバ(2)から出射させることが可能となり、演色性を向上させることが可能となる。
【0108】
第11の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第10の態様において、複数のシード光(P2)は、第2波長と同じ波長のシード光を含む。
【0109】
第11の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第2光(P42)の強度を高めることが可能となる。
【0110】
第12の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第1~11の態様のいずれか一つにおいて、第2光源部(12)は、レーザ光源を含む。
【0111】
第12の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、シード光(P2)の強度を高めることができる。
【0112】
第13の態様に係る照明システム(1c)では、第1~12の態様のいずれか一つにおいて、第2光源部(12)は、励起光源(13)と、シード光源(14)と、光ファイバ(2)である第1光ファイバ(2)とは別の第2光ファイバ(18)と、を有する。励起光源(13)は、励起光(P1)である第1励起光(P1)とは別の第2励起光(P13)を出射する。シード光源(14)は、シード光(P2)である第1シード光(P2)とは別の第2シード光(P14)を出射する。第2光ファイバ(18)は、第2励起光で励起されて第2シード光(P14)と同じ波長の光を発生する波長変換材料を含む。
【0113】
第13の態様に係る照明システム(1c)は、半導体レーザのような固体光源の数を増やすことなく、第1光ファイバ2において増幅可能な波長の光が増え、演色性を向上させることが可能となるとともに、第2波長域内の光の強度を高めることが可能となる。
【0114】
第14の態様に係る照明システム(1c)では、第13の態様において、第2光源部(12)は、シード光源(14)を複数有する。複数のシード光源(14)は、複数の第2シード光(P14)を出力する。複数のシード光源(14)から出力される複数の第2シード光(P14)は、互いに異なる波長を有する。
【0115】
第14の態様に係る照明システム(1c)では、複数の第2シード光(P14)に一対一に対応する複数の誘導放出光を含む光を第2光ファイバ(18)から出射させることが可能となり、演色性を向上させることが可能となる。
【0116】
第15の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第1~14の態様のいずれか一つにおいて、波長変換要素は、Pr、Tb、Ho、Dy、Er、Eu、Nd及びMnの群から選択される1以上の元素を含む。
【0117】
第15の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、例えば、波長変換要素として2つ以上の元素を含む場合、少なくとも一の元素からの自然放射増幅光による励起によって、別の元素からの異なる波長での自然放射増幅光を発生させることもできる。
【符号の説明】
【0118】
1、1a、1b、1c 照明システム
2 光ファイバ(第1光ファイバ)
21 光入射部
22 光出射部
23 波長変換部
231 第1波長変換部
232 第2波長変換部
3A 第1コア部
3B 第2コア部
6 灯具ユニット
61 コリメートレンズ
62 ダイクロイックミラー
63 レンズ
64 ハーフミラー
65 受光部
66 出力光検出部
9 制御部
10 出力制御部
11 第1光源部
12 第2光源部
121 第2光源部
122 第2光源部
13 励起光源
14 シード光源
141 シード光源
142 シード光源
18 第2光ファイバ
P1 励起光(第1励起光)
P2 シード光(第1シード光)
P21 シード光
P22 シード光
P3 誘導放出光
P31 誘導放出光
P32 誘導放出光
P4 光
P41 第1光
P42 第2光
P13 第2励起光
P14 第2シード光
P141 第2シード光
P142 第2シード光