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特開2023-106253部品実装システム、部品供給装置、および判定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106253
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】部品実装システム、部品供給装置、および判定方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230725BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
H05K13/02 B
H05K13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007486
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】北 貴之
(72)【発明者】
【氏名】綴木 邦巳
(72)【発明者】
【氏名】河野 杏奈
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC21
5E353EE89
5E353HH29
5E353HH30
5E353HH33
5E353HH71
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353LL03
5E353LL04
5E353QQ01
5E353QQ08
(57)【要約】
【課題】部品供給装置の異常の予兆を判定できる部品実装システム等を提供する。
【解決手段】部品実装システム10は、部品供給装置12と部品実装装置14とを備え、部品供給装置12は、キャリアテープ4を搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータ42と、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5のテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサ54と、センサ54が第1状態の場合には駆動せず、センサ54が第2状態の場合にはトップテープ5を搬送するために駆動するトップテープ搬送モータ56と、キャリアテープ搬送モータ42が駆動しているか否かを示す第1情報と、センサ54が第1状態であるか第2状態であるかを示す第2情報およびトップテープ搬送モータ56が駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する判定部74とを有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープに収納されている前記部品を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられているトップテープとを有するテープ部材を搬送し、前記トップテープを前記キャリアテープから剥ぎ取って前記部品を供給する部品供給装置と、
前記部品供給装置から供給された前記部品を基板に実装する部品実装装置とを備え、
前記部品供給装置は、
前記キャリアテープを搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータと、
前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープのテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサと、
前記センサが前記第1状態の場合には駆動せず、前記センサが前記第2状態の場合には前記トップテープを搬送するために駆動するトップテープ搬送モータと、
前記キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、前記センサが前記第1状態であるか前記第2状態であるかを示す第2情報および前記トップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記予兆があると判定された場合、前記予兆を示す予兆信号を出力する出力部とを有する、
部品実装システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記センサが前記第2状態から前記第1状態になった場合、および前記トップテープ搬送モータが駆動している状態から駆動していない状態になった場合の少なくとも一方の場合、前記第1情報と前記第2情報および前記第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記予兆があるか否かを判定する、
請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記キャリアテープ搬送モータが駆動し始めてから前記センサが前記第1状態から前記第2状態に切り替わるまでの第1時間、および前記キャリアテープ搬送モータが駆動し始めてから前記トップテープ搬送モータが駆動し始めるまでの第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長い場合、前記予兆があると判定する、
請求項1または2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記部品供給装置は、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープが摺動可能に接触する接触部を有し、
前記部品実装装置は、前記第1時間および前記第2時間の少なくとも一方が前記第1所定時間よりも長いことによって前記予兆があると判定された場合に前記接触部のメンテナンス指示を表示する表示部を有する、
請求項3に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記判定部は、前記センサが前記第1状態から前記第2状態に切り替わってから前記第2状態から前記第1状態に切り替わるまでの第3時間、および前記トップテープ搬送モータが駆動し始めてから駆動し終わるまでの第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長い場合、前記予兆があると判定する、
請求項1または2に記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記部品実装装置は、前記第3時間および前記第4時間の少なくとも一方が前記第2所定時間よりも長いことによって前記予兆があると判定された場合に前記トップテープ搬送モータのメンテナンス指示を表示する表示部を有する、
請求項5に記載の部品実装システム。
【請求項7】
前記判定部は、前記キャリアテープ搬送モータが駆動し始めてからの第3所定時間以内に前記センサが前記第1状態から前記第2状態に複数回切り替わった場合、および前記第3所定時間以内に前記トップテープ搬送モータが複数回駆動し始めた場合の少なくとも一方の場合、前記予兆があると判定する、
請求項1または2に記載の部品実装システム。
【請求項8】
前記部品供給装置は、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープに接触しかつ前記トップテープ搬送モータが駆動することによって回転して前記トップテープを搬送する搬送ローラを有し、
前記部品実装装置は、前記第3所定時間以内に前記センサが前記第1状態から前記第2状態に複数回切り替わったこと、および前記第3所定時間以内に前記トップテープ搬送モータが複数回駆動し始めたことの少なくとも一方によって前記予兆があると判定された場合に前記搬送ローラのメンテナンス指示を表示する表示部を有する、
請求項7に記載の部品実装システム。
【請求項9】
部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープに収納されている前記部品を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられているトップテープとを有するテープ部材を搬送し、前記トップテープを前記キャリアテープから剥ぎ取って前記部品を供給する部品供給装置であって、
前記キャリアテープを搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータと、
前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープのテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサと、
前記センサが前記第1状態の場合には駆動せず、前記センサが前記第2状態の場合には前記トップテープを搬送するために駆動するトップテープ搬送モータと、
前記キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、前記センサが前記第1状態であるか前記第2状態であるかを示す第2情報および前記トップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記予兆があると判定された場合、前記予兆を示す予兆信号を出力する出力部とを有する、
部品供給装置。
【請求項10】
部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープに収納されている前記部品を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられているトップテープとを有するテープ部材を搬送し、前記トップテープを前記キャリアテープから剥ぎ取って前記部品を供給する部品供給装置における判定方法であって、
前記部品供給装置は、
前記キャリアテープを搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータと、
前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープのテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサと、
前記センサが前記第1状態の場合には駆動せず、前記センサが前記第2状態の場合には前記トップテープを搬送するために駆動するトップテープ搬送モータとを備え、
前記キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、前記センサが前記第1状態であるか前記第2状態であるかを示す第2情報および前記トップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって前記予兆があると判定された場合、前記予兆を示す予兆信号を出力する出力ステップとを含む、
判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品実装システム、部品供給装置、および判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品を基板に実装する部品実装システム等が知られている。部品実装システム等の一例として、特許文献1には、剥ぎ取られたトップテープのテンションに応じてオンオフ動作を行うセンサと、センサのオンオフ動作に基づいてトップテープの回収異常を検出するフィーダ制御部とを備える電子部品実装システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-186486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電子部品実装システムでは、部品供給装置の異常の予兆を判定できない。
【0005】
そこで、本開示は、部品供給装置の異常の予兆を判定できる部品実装システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る部品実装システムは、部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープに収納されている前記部品を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられているトップテープとを有するテープ部材を搬送し、前記トップテープを前記キャリアテープから剥ぎ取って前記部品を供給する部品供給装置と、前記部品供給装置から供給された前記部品を基板に実装する部品実装装置とを備え、前記部品供給装置は、前記キャリアテープを搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータと、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープのテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサと、前記センサが前記第1状態の場合には駆動せず、前記センサが前記第2状態の場合には前記トップテープを搬送するために駆動するトップテープ搬送モータと、前記キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、前記センサが前記第1状態であるか前記第2状態であるかを示す第2情報および前記トップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記予兆があると判定された場合、前記予兆を示す予兆信号を出力する出力部とを有する。
【0007】
また、本開示の一態様に係る部品供給装置は、部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープに収納されている前記部品を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられているトップテープとを有するテープ部材を搬送し、前記トップテープを前記キャリアテープから剥ぎ取って前記部品を供給する部品供給装置であって、前記キャリアテープを搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータと、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープのテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサと、前記センサが前記第1状態の場合には駆動せず、前記センサが前記第2状態の場合には前記トップテープを搬送するために駆動するトップテープ搬送モータと、前記キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、前記センサが前記第1状態であるか前記第2状態であるかを示す第2情報および前記トップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記予兆があると判定された場合、前記予兆を示す予兆信号を出力する出力部とを有する。
【0008】
また、本開示の一態様に係る判定方法は、部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープに収納されている前記部品を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられているトップテープとを有するテープ部材を搬送し、前記トップテープを前記キャリアテープから剥ぎ取って前記部品を供給する部品供給装置における判定方法であって、前記部品供給装置は、前記キャリアテープを搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータと、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープのテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサと、前記センサが前記第1状態の場合には駆動せず、前記センサが前記第2状態の場合には前記トップテープを搬送するために駆動するトップテープ搬送モータとを備え、前記キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、前記センサが前記第1状態であるか前記第2状態であるかを示す第2情報および前記トップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによって前記予兆があると判定された場合、前記予兆を示す予兆信号を出力する出力ステップとを含む。
【0009】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の部品実装システム等は、部品供給装置の異常の予兆を判定できる。
【0011】
なお、本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施の形態ならびに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態に係る部品実装システムを示す平面図である。
図2図2は、図1の部品実装システムを示す正面図である。
図3図3は、図1の部品実装システムのセンサが第1状態の場合における、図1の部品実装システムのテープフィーダを示す正面図である。
図4図4は、図1の部品実装システムのセンサが第2状態の場合における、図1の部品実装システムのテープフィーダを示す正面図である。
図5図5は、図1の部品実装システムのテープフィーダを示す平面図である。
図6図6は、テープ部材の一例を示す斜視図である。
図7図7は、図1の部品実装システムの機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、図1の部品実装システムの第1動作例を示すフローチャートである。
図9図9は、図1の部品実装システムの第2動作例を示すフローチャートである。
図10図10は、図9の第2動作例を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係る部品実装システムは、部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープに収納されている前記部品を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられているトップテープとを有するテープ部材を搬送し、前記トップテープを前記キャリアテープから剥ぎ取って前記部品を供給する部品供給装置と、前記部品供給装置から供給された前記部品を基板に実装する部品実装装置とを備え、前記部品供給装置は、前記キャリアテープを搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータと、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープのテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサと、前記センサが前記第1状態の場合には駆動せず、前記センサが前記第2状態の場合には前記トップテープを搬送するために駆動するトップテープ搬送モータと、前記キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、前記センサが前記第1状態であるか前記第2状態であるかを示す第2情報および前記トップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記予兆があると判定された場合、前記予兆を示す予兆信号を出力する出力部とを有する。
【0014】
これによれば、キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、センサが第1状態であるか第2状態であるかを示す第2情報およびトップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定できる。
【0015】
また、本開示の一態様に係る部品実装システムにおいて、前記判定部は、前記センサが前記第2状態から前記第1状態になった場合、および前記トップテープ搬送モータが駆動している状態から駆動していない状態になった場合の少なくとも一方の場合、前記第1情報と前記第2情報および前記第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記予兆があるか否かを判定してもよい。
【0016】
これによれば、センサが第2状態から第1状態になった場合、およびトップテープ搬送モータが駆動している状態から駆動していない状態になった場合の少なくとも一方の場合に異常の予兆があるか否かを判定できる。
【0017】
また、本開示の一態様に係る部品実装システムにおいて、前記判定部は、前記キャリアテープ搬送モータが駆動し始めてから前記センサが前記第1状態から前記第2状態に切り替わるまでの第1時間、および前記キャリアテープ搬送モータが駆動し始めてから前記トップテープ搬送モータが駆動し始めるまでの第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長い場合、前記予兆があると判定してもよい。
【0018】
これによれば、キャリアテープ搬送モータが駆動し始めてからセンサが第1状態から第2状態に切り替わるまでの第1時間、およびキャリアテープ搬送モータが駆動し始めてからトップテープ搬送モータが駆動し始めるまでの第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長い場合に異常の予兆があると判定できるので、部品供給装置の異常の予兆をより精度よく判定できる。
【0019】
また、本開示の一態様に係る部品実装システムにおいて、前記部品供給装置は、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープが摺動可能に接触する接触部を有し、前記部品実装装置は、前記第1時間および前記第2時間の少なくとも一方が前記第1所定時間よりも長いことによって前記予兆があると判定された場合に前記接触部のメンテナンス指示を表示する表示部を有してもよい。
【0020】
これによれば、第1時間および第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長いことによって異常の予兆があると判定された場合に接触部のメンテナンス指示を表示できるので、部品供給装置が異常になることを抑制できる。
【0021】
また、本開示の一態様に係る部品実装システムにおいて、前記判定部は、前記センサが前記第1状態から前記第2状態に切り替わってから前記第2状態から前記第1状態に切り替わるまでの第3時間、および前記トップテープ搬送モータが駆動し始めてから駆動し終わるまでの第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長い場合、前記予兆があると判定してもよい。
【0022】
これによれば、センサが第1状態から第2状態に切り替わってから第2状態から第1状態に切り替わるまでの第3時間、およびトップテープ搬送モータが駆動し始めてから駆動し終わるまでの第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長い場合に異常の予兆があると判定できるので、部品供給装置の異常の予兆をより精度よく判定できる。
【0023】
また、本開示の一態様に係る部品実装システムにおいて、前記部品実装装置は、前記第3時間および前記第4時間の少なくとも一方が前記第2所定時間よりも長いことによって前記予兆があると判定された場合に前記トップテープ搬送モータのメンテナンス指示を表示する表示部を有してもよい。
【0024】
これによれば、第3時間および第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長いことによって異常の予兆があると判定された場合にトップテープ搬送モータのメンテナンス指示を表示できるので、部品供給装置が異常になることを抑制できる。
【0025】
また、本開示の一態様に係る部品実装システムにおいて、前記判定部は、前記キャリアテープ搬送モータが駆動し始めてからの第3所定時間以内に前記センサが前記第1状態から前記第2状態に複数回切り替わった場合、および前記第3所定時間以内に前記トップテープ搬送モータが複数回駆動し始めた場合の少なくとも一方の場合、前記予兆があると判定してもよい。
【0026】
これによれば、キャリアテープ搬送モータが駆動し始めてからの第3所定時間以内にセンサが第1状態から第2状態に複数回切り替わった場合、および第3所定時間以内にトップテープ搬送モータが複数回駆動し始めた場合の少なくとも一方の場合に異常の予兆があると判定できるので、部品供給装置の異常の予兆をより精度よく判定できる。
【0027】
また、本開示の一態様に係る部品実装システムにおいて、前記部品供給装置は、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープに接触しかつ前記トップテープ搬送モータが駆動することによって回転して前記トップテープを搬送する搬送ローラを有し、前記部品実装装置は、前記第3所定時間以内に前記センサが前記第1状態から前記第2状態に複数回切り替わったこと、および前記第3所定時間以内に前記トップテープ搬送モータが複数回駆動し始めたことの少なくとも一方によって前記予兆があると判定された場合に前記搬送ローラのメンテナンス指示を表示する表示部を有してもよい。
【0028】
これによれば、第3所定時間以内にセンサが第1状態から第2状態に複数回切り替わったこと、および第3所定時間以内にトップテープ搬送モータが複数回駆動し始めたことの少なくとも一方によって異常の予兆があると判定された場合に搬送ローラのメンテナンス指示を表示できるので、部品供給装置が異常になることを抑制できる。
【0029】
また、上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係る部品供給装置は、部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープに収納されている前記部品を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられているトップテープとを有するテープ部材を搬送し、前記トップテープを前記キャリアテープから剥ぎ取って前記部品を供給する部品供給装置であって、前記キャリアテープを搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータと、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープのテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサと、前記センサが前記第1状態の場合には駆動せず、前記センサが前記第2状態の場合には前記トップテープを搬送するために駆動するトップテープ搬送モータと、前記キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、前記センサが前記第1状態であるか前記第2状態であるかを示す第2情報および前記トップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記予兆があると判定された場合、前記予兆を示す予兆信号を出力する出力部とを有する。
【0030】
これによれば、上記の部品実装システムと同様の作用効果を奏する。
【0031】
また、上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係る判定方法は、部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープに収納されている前記部品を覆うように前記キャリアテープに貼り付けられているトップテープとを有するテープ部材を搬送し、前記トップテープを前記キャリアテープから剥ぎ取って前記部品を供給する部品供給装置における判定方法であって、前記部品供給装置は、前記キャリアテープを搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータと、前記キャリアテープから剥ぎ取られた前記トップテープのテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサと、前記センサが前記第1状態の場合には駆動せず、前記センサが前記第2状態の場合には前記トップテープを搬送するために駆動するトップテープ搬送モータとを備え、前記キャリアテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第1情報と、前記センサが前記第1状態であるか前記第2状態であるかを示す第2情報および前記トップテープ搬送モータが駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、前記部品供給装置に異常の予兆があるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによって前記予兆があると判定された場合、前記予兆を示す予兆信号を出力する出力ステップとを含む。
【0032】
これによれば、上記の部品実装システムと同様の作用効果を奏する。
【0033】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0034】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0035】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0036】
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る部品実装システム10を示す平面図である。図2は、図1の部品実装システム10を示す正面図である。図1および図2を参照して、部品実装システム10の構成について説明する。
【0037】
図1および図2に示すように、部品実装システム10は、部品1(図5および図6を参照)を基板2に実装するためのシステムであり、複数の部品供給装置12と、部品実装装置14とを備えている。たとえば、部品1は、電子部品である。なお、部品実装システム10は、複数ではなく1つの部品供給装置12を備えていてもよい。
【0038】
複数の部品供給装置12のそれぞれは、部品1を収納するキャリアテープ4とキャリアテープ4に収納されている部品1を覆うようにキャリアテープ4に貼り付けられているトップテープ5とを有するテープ部材3(図5および図6を参照)を搬送し、トップテープ5をキャリアテープ4から剥ぎ取って部品1を供給する装置である。テープ部材3の詳細については後述する。複数の部品供給装置12のそれぞれは、台車16と、複数のリール18と、複数のテープフィーダ20とを有している。なお、複数の部品供給装置12のそれぞれは、複数ではなく1つのリール18と、複数ではなく1つのテープフィーダ20とを有していてもよい。
【0039】
台車16は、移動可能であり、台車16には、複数のリール18および複数のテープフィーダ20が積載されている。複数のリール18のそれぞれには、テープ部材3が巻回されている。複数のテープフィーダ20は、複数のリール18に対応して設けられている。複数のテープフィーダ20のそれぞれは、複数のリール18のうち対応するリール18に巻回されているテープ部材3を搬送し、当該テープ部材3におけるトップテープ5をキャリアテープ4から剥ぎ取って部品1を供給する。テープフィーダ20の詳細については後述する。
【0040】
部品実装装置14は、複数の部品供給装置12のそれぞれから供給された部品1を基板2に実装する装置である。部品実装装置14は、基台22と、搬送部24と、一対のY軸テーブル26と、X軸テーブル28と、ヘッド30と、ノズル32と、基板認識カメラ34と、複数の部品認識カメラ36と、実装制御部38と、表示部39とを備えている。
【0041】
搬送部24は、基台22に設けられ、基板2を搬送する。本実施の形態では、搬送部24は、X軸方向に基板2を搬送する。具体的には、搬送部24は、基板2をY軸方向に挟んで基板2を位置決めし、挟んで位置決めした基板2をX軸方向に移動させる。たとえば、搬送部24は、コンベアを含んで構成される。
【0042】
X軸テーブル28は、一対のY軸テーブル26に取り付けられ、一対のY軸テーブル26によってY軸方向に移動する。
【0043】
ヘッド30は、X軸テーブル28に取り付けられ、X軸テーブル28によってX軸方向に移動し、一対のY軸テーブル26によってX軸テーブル28とともにY軸方向に移動する。
【0044】
ノズル32は、ヘッド30とともにX軸方向およびY軸方向に移動する。ノズル32は、複数の部品供給装置12のそれぞれによって供給された部品1を吸着し、吸着した部品1を基板2に装着することによって、部品1を基板2に実装する。たとえば、ノズル32は、吸着した部品1をZ軸方向において基板2に押し付けることによって、部品1を基板2に装着する。
【0045】
基板認識カメラ34は、ヘッド30とともにX軸方向およびY軸方向に移動する。基板認識カメラ34は、ノズル32の下方を撮像するように設けられており、基板2における部品1の装着位置を認識するために上方から基板2を撮像する。
【0046】
複数の部品認識カメラ36のそれぞれは、ノズル32に保持されている部品1を撮像する。本実施の形態では、複数の部品認識カメラ36のそれぞれは、搬送部24と部品供給装置12との間に設けられ、ノズル32が搬送部24と部品供給装置12との間を通過するときに、ノズル32に保持されている部品1を下方から撮像する。
【0047】
実装制御部38は、部品実装装置14を制御し、基板2への部品1の実装を制御する。
【0048】
表示部39は、複数の部品供給装置12のそれぞれのメンテナンス指示を表示する。たとえば、表示部39は、ディスプレイ等である。
【0049】
以上、部品実装システム10の構成について説明した。
【0050】
図3は、図1の部品実装システム10のセンサ54が第1状態の場合における、図1の部品実装システム10のテープフィーダ20を示す正面図である。図4は、図1の部品実装システム10のセンサ54が第2状態の場合における、図1の部品実装システム10のテープフィーダ20を示す正面図である。図5は、図1の部品実装システム10のテープフィーダ20を示す平面図である。図6は、テープ部材3の一例を示す斜視図である。図3から図6を参照して、テープフィーダ20について説明する。
【0051】
図3から図5に示すように、テープフィーダ20は、筐体40と、キャリアテープ搬送モータ42と、キャリアテープ搬送ローラ44と、部品取出部46と、回動部48と、回動軸50と、バネ52と、センサ54と、トップテープ搬送モータ56と、複数のトップテープ搬送ローラ58,60,62と、トップテープ収納部64と、フィーダ制御部66とを有している。
【0052】
キャリアテープ搬送モータ42は、キャリアテープ4を搬送するために駆動する。つまり、キャリアテープ搬送モータ42が駆動することによって、キャリアテープ4が搬送される。
【0053】
キャリアテープ搬送ローラ44は、キャリアテープ4に接触しかつキャリアテープ搬送モータ42が駆動することによって回転してキャリアテープ4を搬送する。本実施の形態では、キャリアテープ搬送ローラ44は、外歯(図示せず)を有するスプロケットである。
【0054】
図5および図6に示すように、テープ部材3は、部品1を収納するキャリアテープ4と、キャリアテープ4に収納されている部品1を覆うようにキャリアテープ4に貼り付けられているトップテープ5とを有している。キャリアテープ4は、長尺状であり、キャリアテープ4の長手方向において複数の部品1を並べて収納している。キャリアテープ4は、キャリアテープ4の長手方向に並ぶ複数の穴部6を有している。トップテープ5は、長尺状であり、キャリアテープ4に収納されている複数の部品1を覆うようにキャリアテープ4に貼り付けられている。
【0055】
キャリアテープ搬送ローラ44は、キャリアテープ搬送ローラ44の外歯が穴部6と嵌まり合うように設けられている。キャリアテープ搬送ローラ44が回転することによって、キャリアテープ搬送ローラ44の外歯がキャリアテープ4を搬送方向に押し、キャリアテープ4が搬送される。
【0056】
図3から図5に戻って、部品取出部46は、部品1を取り出すための部分であり、部品取出口68と、接触部70とを有している。
【0057】
部品取出口68は、Z軸方向に開口している。本実施の形態では、テープフィーダ20は、キャリアテープ4に収納されている部品1を部品取出口68から露出させることによって、部品1を供給する。ノズル32は、部品取出口68から露出している部品1を吸着し、吸着した部品1を基板2に装着する。
【0058】
接触部70は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5が摺動可能に接触する。たとえば、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5は、接触部70と接触しかつ接触部70に対して摺動しながら搬送される。本実施の形態では、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5は、接触部70を経由して折り曲げられている。
【0059】
回動部48は、回動軸50回りに回動可能に支持されており、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5のテンションに応じて回動軸50回りに回動する。
【0060】
バネ52は、回動軸50回りの一方側に回動部48を回動させるように、回動部48を引っ張っている。
【0061】
センサ54は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5のテンションに応じて第1状態または第2状態となる。たとえば、第1状態は、信号を出力しないオフ状態であり、第2状態は、信号を出力するオン状態である。なお、たとえば、第1状態は、オン状態であり、第2状態は、オフ状態であってもよい。たとえば、図3に示すように、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5に所定値以上のテンションが掛かっており、回動部48の回動量が小さい場合、センサ54は、回動部48を検知せず第1状態となる。また、たとえば、図4に示すように、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5に所定値以上のテンションが掛かっておらず、回動部48の回動量が大きい場合、センサ54は、回動部48を検知して第2状態となる。なお、たとえば、回動部48に代えて、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5のテンションに応じて鉛直方向に移動する部材等を用いてもよい。
【0062】
トップテープ搬送モータ56は、センサ54が第1状態の場合には駆動せず、センサ54が第2状態の場合にはトップテープ5を搬送するために駆動する。つまり、センサ54が第1状態の場合にはトップテープ搬送モータ56が駆動しないことによってトップテープ5が搬送されず、センサ54が第2状態の場合にはトップテープ搬送モータ56が駆動することによってトップテープ5が搬送される。
【0063】
トップテープ搬送ローラ58は、トップテープ搬送モータ56が駆動することによって回転する。本実施の形態では、トップテープ搬送ローラ58は、外歯(図示せず)を有するスプロケットである。
【0064】
トップテープ搬送ローラ60は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5に接触しかつトップテープ搬送モータ56が駆動することによって回転してトップテープ5を搬送する搬送ローラの一例である。本実施の形態では、トップテープ搬送ローラ60は、外歯(図示せず)を有するスプロケットであり、トップテープ搬送ローラ58と噛み合っている。
【0065】
トップテープ搬送ローラ62は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5に接触しかつトップテープ搬送モータ56が駆動することによって回転してトップテープ5を搬送する搬送ローラの一例である。本実施の形態では、トップテープ搬送ローラ62は、外歯(図示せず)を有するスプロケットであり、トップテープ搬送ローラ60と噛み合っている。
【0066】
キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5は、トップテープ搬送ローラ60とトップテープ搬送ローラ62とに挟まれ、トップテープ搬送ローラ60とトップテープ搬送ローラ62とが回転することによって搬送される。
【0067】
トップテープ収納部64は、トップテープ搬送モータ56が駆動することによって搬送されたトップテープ5を収納する。
【0068】
フィーダ制御部66は、キャリアテープ搬送モータ42およびトップテープ搬送モータ56等を制御する。
【0069】
以上、テープフィーダ20について説明した。
【0070】
図7は、図1の部品実装システム10の機能構成を示すブロック図である。図7を参照して、部品実装システム10の機能構成について説明する。
【0071】
図7に示すように、本実施の形態では、実装制御部38は、上位システム72からの指令に基づいて、部品1の実装を制御する。
【0072】
フィーダ制御部66は、判定部74と、出力部76とを有している。
【0073】
判定部74は、キャリアテープ搬送モータ42が駆動しているか否かを示す第1情報と、センサ54が第1状態であるか第2状態であるかを示す第2情報およびトップテープ搬送モータ56が駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する。
【0074】
たとえば、当該異常な状態とは、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5を搬送できない状態であり、当該異常の予兆がある状態とは、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5を搬送することはできるが、異常な状態になりそうな傾向がある状態である。たとえば、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5を搬送できない状態とは、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5が切れている状態、トップテープ搬送モータ56が駆動できない状態等である。
【0075】
たとえば、第1情報は、キャリアテープ搬送モータ42が駆動しているときに出力されかつキャリアテープ搬送モータ42が駆動していないときに出力されない信号の波形を示す情報を含んでいる。また、たとえば、第2情報は、センサ54が第2状態のときに出力されかつセンサ54が第1状態のときに出力されない信号の波形を示す情報を含んでいる。また、たとえば、第3情報は、トップテープ搬送モータ56が駆動しているときに出力されかつトップテープ搬送モータ56が駆動していないときに出力されない信号の波形を示す情報を含んでいる。
【0076】
たとえば、判定部74は、センサ54が第1状態から第2状態に切り替わるタイミング、センサ54が第2状態から第1状態に切り替わるタイミング、センサ54が第1状態から第2状態に切り替わる回数の少なくとも1つに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する。
【0077】
また、たとえば、判定部74は、トップテープ搬送モータ56が駆動し始めるタイミング、トップテープ搬送モータ56が駆動し終わるタイミング、およびトップテープ搬送モータ56が駆動し始める回数の少なくとも1つに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する。
【0078】
また、たとえば、判定部74は、センサ54が第2状態から第1状態になった場合、およびトップテープ搬送モータ56が駆動している状態から駆動していない状態になった場合の少なくとも一方の場合、第1情報と第2情報および第3情報の少なくとも一方とに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する。たとえば、判定部74は、センサ54が第2状態から第1状態になった場合、第1情報と第2情報とに基づいて部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する。また、たとえば、判定部74は、トップテープ搬送モータ56が駆動している状態から駆動していない状態になった場合、第1情報と第3情報とに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する。
【0079】
また、たとえば、判定部74は、キャリアテープ搬送モータ42が駆動し始めてからセンサ54が第1状態から第2状態に切り替わるまでの第1時間、およびキャリアテープ搬送モータ42が駆動し始めてからトップテープ搬送モータ56が駆動し始めるまでの第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長い場合、部品供給装置12に異常の予兆があると判定する。たとえば、第1所定時間は、予め設定されている。
【0080】
また、たとえば、判定部74は、センサ54が第1状態から第2状態に切り替わってから第2状態から第1状態に切り替わるまでの第3時間、およびトップテープ搬送モータが駆動し始めてから駆動し終わるまでの第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長い場合、部品供給装置12に異常の予兆があると判定する。たとえば、第2所定時間は、予め設定されている。
【0081】
また、たとえば、判定部74は、キャリアテープ搬送モータ42が駆動し始めてからの第3所定時間以内にセンサ54が第1状態から第2状態に複数回切り替わった場合、および第3所定時間以内にトップテープ搬送モータ56が複数回駆動し始めた場合の少なくとも一方の場合、部品供給装置12に異常の予兆があると判定する。たとえば、第3所定時間は、予め設定されている。
【0082】
出力部76は、判定部74によって部品供給装置12に異常の予兆があると判定された場合、当該予兆を示す予兆信号を出力する。たとえば、出力部76は、部品実装装置14に予兆信号を出力する。
【0083】
たとえば、表示部39は、第1時間および第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長いことによって部品供給装置12に異常の予兆があると判定された場合に、接触部70のメンテナンス指示を表示する。これは、接触部70における汚れ等の付着よる摩擦の増大に起因してトップテープ5の搬送に通常よりも時間を要している可能性があるためである。
【0084】
また、たとえば、表示部39は、第3時間および第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長いことによって部品供給装置12に異常の予兆があると判定された場合に、トップテープ搬送モータ56のメンテナンス指示を表示する。これは、トップテープ搬送モータ56の劣化に起因してトップテープ5の搬送に通常よりも時間を要している可能性があるためである。
【0085】
また、たとえば、表示部39は、第3所定時間以内にセンサ54が第1状態から第2状態に複数回切り替わったこと、および第3所定時間以内にトップテープ搬送モータ56が複数回駆動し始めたことの少なくとも一方によって部品供給装置12に異常の予兆があると判定された場合に、トップテープ搬送ローラ60およびトップテープ搬送ローラ62のメンテナンス指示を表示する。これは、トップテープ搬送ローラ60またはトップテープ搬送ローラ62の劣化に起因してトップテープ5が破断しかけている可能性があるためである。
【0086】
以上、部品実装システム10の機能構成について説明した。
【0087】
図8は、図1の部品実装システム10の第1動作例を示すフローチャートである。図8を参照して、部品実装システム10の第1動作例について説明する。
【0088】
図8に示すように、まず、フィーダ制御部66は、搬送指令を受信したか否かを判定する(ステップS1)。たとえば、搬送指令は、上位システム72から送信される。
【0089】
フィーダ制御部66は、搬送指令を受信していない場合(ステップS1でNo)、搬送指令を受信したか否かを再び判定する(ステップS1)。
【0090】
フィーダ制御部66は、搬送指令を受信した場合(ステップS1でYes)、キャリアテープ4を1ピッチ分搬送する(ステップS2)。たとえば、フィーダ制御部66は、キャリアテープ搬送モータ42を駆動させることによって、キャリアテープ4を1ピッチ分搬送する。
【0091】
フィーダ制御部66は、キャリアテープ4を1ピッチ分搬送すると、搬送累積時間を更新する(ステップS3)。たとえば、フィーダ制御部66は、前回までの搬送にかかった搬送累積時間に今回の搬送にかかった搬送時間を加算することによって、搬送累積時間を更新する。
【0092】
フィーダ制御部66は、搬送累積時間を更新すると、搬送累積時間が所定の閾値(所定時間)よりも大きいか否かを判定する(ステップS4)。たとえば、所定の閾値は、予め設定されている。
【0093】
フィーダ制御部66は、搬送累積時間が所定の閾値よりも大きくない場合(ステップS4でNo)、搬送指令を受信したか否かを再び判定する(ステップS1)。
【0094】
フィーダ制御部66は、搬送累積時間が所定の閾値よりも大きい場合(ステップS4でYes)、異常を通知する(ステップS5)。たとえば、当該異常は、キャリアテープ4の搬送に関する異常である。たとえば、出力部76は、異常を示す異常信号を出力することによって、異常を通知する。
【0095】
以上、部品実装システム10の第1動作例について説明した。
【0096】
図9は、図1の部品実装システム10の第2動作例を示すフローチャートである。図10は、図9の第2動作例を説明するためのグラフである。図9および図10を参照して、部品実装システム10の第2動作例について説明する。
【0097】
図9に示すように、まず、フィーダ制御部66は、センサ54が第2状態か否かを判定する(ステップS11)。たとえば、センサ54は、第1状態であるか第2状態であるかを示す信号をフィーダ制御部66に送信し、フィーダ制御部66は、当該信号に基づいてセンサ54が第2状態か否かを判定する。
【0098】
フィーダ制御部66は、センサ54が第2状態でない場合(ステップS11でNo)、センサ54が第2状態か否かを再び判定する(ステップS11)。つまり、フィーダ制御部66は、センサ54が第1状態である場合、センサ54が第2状態か否かを再び判定する。
【0099】
フィーダ制御部66は、センサ54が第2状態である場合(ステップS11でYes)、トップテープ5を所定時間搬送する(ステップS12)。たとえば、フィーダ制御部66は、トップテープ搬送モータ56を所定時間駆動させることによって、トップテープ5を所定時間搬送する。
【0100】
フィーダ制御部66は、トップテープ5を所定時間搬送すると、センサ54が第2状態か否かを判定する(ステップS13)。
【0101】
フィーダ制御部66は、センサ54が第2状態である場合(ステップS13でYes)、異常を通知する(ステップS14)。たとえば、フィーダ制御部66は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5を搬送できない状態であることを通知する。たとえば、出力部76は、異常を示す異常信号を出力することによって、異常を通知する。
【0102】
フィーダ制御部66は、センサ54が第2状態でない場合(ステップS13でNo)、搬送累積時間をリセットする(ステップS15)。たとえば、フィーダ制御部66は、搬送累積時間を0とする。
【0103】
フィーダ制御部66は、搬送累積時間をリセットすると、第1情報、第2情報、および第3情報を取得する(ステップS16)。図10に示すように、たとえば、第1情報は、キャリアテープ搬送モータ42が駆動している場合にはオン信号となり、かつキャリアテープ搬送モータ42が駆動していない場合にはオフ信号となる信号の波形を示す情報を含んでいる。また、たとえば、第2情報は、センサ54が第2状態である場合にはオン信号となり、かつセンサ54が第1状態である場合にはオフ信号となる信号の波形を示す情報を含んでいる。また、たとえば、第3情報は、トップテープ搬送モータ56が駆動している場合にはオン信号となり、かつトップテープ搬送モータ56が駆動していない場合にはオフ信号となる信号の波形を示す情報を含んでいる。
【0104】
図9に戻って、フィーダ制御部66は、第1情報、第2情報、および第3情報を取得すると、第1時間および第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長いか否かを判定する(ステップS17)。なお、たとえば、フィーダ制御部66は、第1時間および第2時間の一方のみを第1所定時間と比較してもよい。
【0105】
フィーダ制御部66は、第1時間および第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長い場合(ステップS17でYes)、異常の予兆を通知する(ステップS18)。たとえば、フィーダ制御部66は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5を搬送することはできるが、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5を搬送することができなくなりそうな状態であることを通知する。
【0106】
図10の(a)に示すように、たとえば、所定時間において、正常なタイミングでセンサ54が第1状態から第2状態に1回切り替わり、正常なタイミングでセンサ54が第2状態から第1状態に1回切り替わった場合、フィーダ制御部66は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5の搬送が正常に行われたと判定する。
【0107】
また、たとえば、所定時間において、正常なタイミングでトップテープ搬送モータ56が駆動し始め、正常なタイミングでトップテープ搬送モータ56が駆動し終わった場合、フィーダ制御部66は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5の搬送が正常に行われたと判定する。
【0108】
図10の(b)に示すように、たとえば、第1時間(図10の(b)のT2を参照)が第1所定時間(図10の(b)のT1を参照)よりも長い場合、フィーダ制御部66は、異常の予兆があると判定し、予兆を通知する。
【0109】
また、たとえば、第2時間(図10の(b)のT3を参照)が第1所定時間(図10の(b)のT1を参照)よりも長い場合、フィーダ制御部66は、異常の予兆があると判定し、予兆を通知する。
【0110】
図9に戻って、フィーダ制御部66は、第1時間および第2時間の両方が第1所定時間よりも長くない場合(ステップS17でNo)、第3時間および第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長いか否かを判定する(ステップS19)。なお、たとえば、フィーダ制御部66は、第3時間および第4時間の一方のみを第2所定時間と比較してもよい。
【0111】
図10の(c)に示すように、たとえば、第3時間(図10の(c)のT5を参照)が第2所定時間(図10の(c)のT4を参照)よりも長い場合、フィーダ制御部66は、異常の予兆があると判定し、予兆を通知する。
【0112】
また、たとえば、第4時間(図10の(c)のT6を参照)が第2所定時間(図10の(c)のT4を参照)よりも長い場合、フィーダ制御部66は、異常の予兆があると判定し、予兆を通知する。
【0113】
図9に戻って、フィーダ制御部66は、第3時間および第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長い場合(ステップS19でYes)、異常の予兆を通知する(ステップS18)。
【0114】
フィーダ制御部66は、第3時間および第4時間の両方が第2所定時間よりも長くない場合(ステップS19でNo)、第3所定時間以内にセンサ54が第1状態から第2状態に複数回切り替わったか否かを判定する(ステップS20)。
【0115】
フィーダ制御部66は、第3所定時間以内にセンサ54が第1状態から第2状態に複数回切り替わった場合(ステップS20でYes)、異常の予兆を通知する(ステップS18)。
【0116】
図10の(d)に示すように、たとえば、第3所定時間(図10の(d)のT7を参照)以内にセンサ54が第1状態から第2状態に2回切り替わった場合、フィーダ制御部66は、異常の予兆があると判定し、予兆を通知する。
【0117】
図9に戻って、フィーダ制御部66は、第3所定時間以内にセンサ54が第1状態から第2状態に複数回切り替わらなかった場合(ステップS20でNo)、第3所定時間以内にトップテープ搬送モータ56が複数回駆動し始めたか否かを判定する(ステップS21)。
【0118】
フィーダ制御部66は、第3所定時間以内にトップテープ搬送モータ56が複数回駆動し始めた場合(ステップS21でYes)、異常の予兆を通知する(ステップS18)。
【0119】
図10の(d)に示すように、たとえば、第3所定時間(図10の(d)のT7を参照)以内にトップテープ搬送モータ56が2回駆動し始めた場合、フィーダ制御部66は、異常の予兆があると判定し、予兆を通知する。
【0120】
図9に戻って、フィーダ制御部66は、第3所定時間以内にトップテープ搬送モータ56が複数回駆動し始めなかった場合(ステップS21でNo)、センサ54が第2状態か否かを再び判定する(ステップS11)。
【0121】
なお、たとえば、フィーダ制御部66は、ステップS20よりも先にステップS21を行ってもよいし、ステップS20およびステップS21のうちの一方のみを行ってもよい。
【0122】
以上、部品実装システム10の第2動作例について説明した。
【0123】
なお、たとえば、フィーダ制御部66は、第3情報を取得せず、第1情報と第3情報とに基づいて異常の予兆があるか否かを判定せず、第1情報と第2情報とに基づいて異常の予兆があるか否かを判定してもよい。また、たとえば、フィーダ制御部66は、第2情報を取得せず、第1情報と第2情報とに基づいて異常の予兆があるか否かを判定せず、第1情報と第3情報とに基づいて異常の予兆があるか否かを判定してもよい。
【0124】
以上、実施の形態に係る部品実装システム10について説明した。
【0125】
実施の形態に係る部品実装システム10は、部品1を収納するキャリアテープ4とキャリアテープ4に収納されている部品1を覆うようにキャリアテープ4に貼り付けられているトップテープ5とを有するテープ部材3を搬送し、トップテープ5をキャリアテープ4から剥ぎ取って部品1を供給する部品供給装置12と、部品供給装置12から供給された部品1を基板2に実装する部品実装装置14とを備え、部品供給装置12は、キャリアテープ4を搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータ42と、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5のテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサ54と、センサ54が第1状態の場合には駆動せず、センサ54が第2状態の場合にはトップテープ5を搬送するために駆動するトップテープ搬送モータ56と、キャリアテープ搬送モータ42が駆動しているか否かを示す第1情報と、センサ54が第1状態であるか第2状態であるかを示す第2情報およびトップテープ搬送モータ56が駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する判定部74と、判定部74によって異常の予兆があると判定された場合、異常の予兆を示す予兆信号を出力する出力部76とを有する。
【0126】
これによれば、キャリアテープ搬送モータ42が駆動しているか否かを示す第1情報と、センサ54が第1状態であるか第2状態であるかを示す第2情報およびトップテープ搬送モータ56が駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定できる。
【0127】
また、実施の形態に係る部品実装システム10において、判定部74は、センサ54が第2状態から第1状態になった場合、およびトップテープ搬送モータ56が駆動している状態から駆動していない状態になった場合の少なくとも一方の場合、第1情報と第2情報および第3情報の少なくとも一方とに基づいて、異常の予兆があるか否かを判定する。
【0128】
これによれば、センサ54が第2状態から第1状態になった場合、およびトップテープ搬送モータ56が駆動している状態から駆動していない状態になった場合の少なくとも一方の場合に異常の予兆があるか否かを判定できる。
【0129】
また、実施の形態に係る部品実装システム10において、判定部74は、キャリアテープ搬送モータ42が駆動し始めてからセンサ54が第1状態から第2状態に切り替わるまでの第1時間、およびキャリアテープ搬送モータ42が駆動し始めてからトップテープ搬送モータ56が駆動し始めるまでの第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長い場合、異常の予兆があると判定する。
【0130】
これによれば、キャリアテープ搬送モータ42が駆動し始めてからセンサ54が第1状態から第2状態に切り替わるまでの第1時間、およびキャリアテープ搬送モータ42が駆動し始めてからトップテープ搬送モータ56が駆動し始めるまでの第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長い場合に異常の予兆があると判定できるので、部品供給装置12の異常の予兆をより精度よく判定できる。
【0131】
また、実施の形態に係る部品実装システム10において、部品供給装置12は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5が摺動可能に接触する接触部70を有し、部品実装装置14は、第1時間および第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長いことによって異常の予兆があると判定された場合に接触部70のメンテナンス指示を表示する表示部39を有する。
【0132】
これによれば、第1時間および第2時間の少なくとも一方が第1所定時間よりも長いことによって異常の予兆があると判定された場合に接触部70のメンテナンス指示を表示できるので、部品供給装置12が異常になることを抑制できる。
【0133】
また、実施の形態に係る部品実装システム10において、判定部74は、センサ54が第1状態から第2状態に切り替わってから第2状態から第1状態に切り替わるまでの第3時間、およびトップテープ搬送モータ56が駆動し始めてから駆動し終わるまでの第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長い場合、異常の予兆があると判定する。
【0134】
これによれば、センサ54が第1状態から第2状態に切り替わってから第2状態から第1状態に切り替わるまでの第3時間、およびトップテープ搬送モータ56が駆動し始めてから駆動し終わるまでの第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長い場合に異常の予兆があると判定できるので、部品供給装置12の異常をより精度よく判定できる。
【0135】
また、実施の形態に係る部品実装システム10において、部品実装装置14は、第3時間および第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長いことによって異常の予兆があると判定された場合にトップテープ搬送モータ56のメンテナンス指示を表示する表示部39を有する。
【0136】
これによれば、第3時間および第4時間の少なくとも一方が第2所定時間よりも長いことによって異常の予兆があると判定された場合にトップテープ搬送モータ56のメンテナンス指示を表示できるので、部品供給装置12が異常になることを抑制できる。
【0137】
また、実施の形態に係る部品実装システム10において、判定部74は、キャリアテープ搬送モータ42が駆動し始めてからの第3所定時間以内にセンサ54が第1状態から第2状態に複数回切り替わった場合、および第3所定時間以内にトップテープ搬送モータ56が複数回駆動し始めた場合の少なくとも一方の場合、異常の予兆があると判定する。
【0138】
これによれば、キャリアテープ搬送モータ42が駆動し始めてからの第3所定時間以内にセンサが第1状態から第2状態に複数回切り替わった場合、および第3所定時間以内にトップテープ搬送モータ56が複数回駆動し始めた場合の少なくとも一方の場合に異常の予兆があると判定できるので、部品供給装置12の異常の予兆をより精度よく判定できる。
【0139】
また、実施の形態に係る部品実装システム10において、部品供給装置12は、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5に接触しかつトップテープ搬送モータ56が駆動することによって回転してトップテープ5を搬送するトップテープ搬送ローラ60(トップテープ搬送ローラ62)を有し、部品実装装置14は、第3所定時間以内にセンサ54が第1状態から第2状態に複数回切り替わったこと、および第3所定時間以内にトップテープ搬送モータ56が複数回駆動し始めたことの少なくとも一方によって異常の予兆があると判定された場合にトップテープ搬送ローラ60(トップテープ搬送ローラ62)のメンテナンス指示を表示する表示部39を有する。
【0140】
これによれば、第3所定時間以内にセンサ54が第1状態から第2状態に複数回切り替わったこと、および第3所定時間以内にトップテープ搬送モータ56が複数回駆動し始めたことの少なくとも一方によって異常の予兆があると判定された場合にトップテープ搬送ローラ60(トップテープ搬送ローラ62)のメンテナンス指示を表示できるので、部品供給装置12が異常になることを抑制できる。
【0141】
また、実施の形態に係る部品供給装置12は、部品1を収納するキャリアテープ4とキャリアテープ4に収納されている部品1を覆うようにキャリアテープ4に貼り付けられているトップテープ5とを有するテープ部材3を搬送し、トップテープ5をキャリアテープ4から剥ぎ取って部品1を供給する部品供給装置であって、キャリアテープ4を搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータ42と、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5のテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサ54と、センサ54が第1状態の場合には駆動せず、センサ54が第2状態の場合にはトップテープ5を搬送するために駆動するトップテープ搬送モータ56と、キャリアテープ搬送モータ42が駆動しているか否かを示す第1情報と、センサ54が第1状態であるか第2状態であるかを示す第2情報およびトップテープ搬送モータ56が駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する判定部74と、判定部74によって異常の予兆があると判定された場合、異常の予兆を示す予兆信号を出力する出力部76とを有する。
【0142】
これによれば、上記の部品実装システム10と同様の作用効果を奏する。
【0143】
また、実施の形態に係る判定方法は、部品1を収納するキャリアテープ4とキャリアテープ4に収納されている部品1を覆うようにキャリアテープ4に貼り付けられているトップテープ5とを有するテープ部材3を搬送し、トップテープ5をキャリアテープ4から剥ぎ取って部品1を供給する部品供給装置12における判定方法であって、部品供給装置12は、キャリアテープ4を搬送するために駆動するキャリアテープ搬送モータ42と、キャリアテープ4から剥ぎ取られたトップテープ5のテンションに応じて第1状態または第2状態になるセンサ54と、センサ54が第1状態の場合には駆動せず、センサ54が第2状態の場合にはトップテープ5を搬送するために駆動するトップテープ搬送モータ56とを備え、キャリアテープ搬送モータ42が駆動しているか否かを示す第1情報と、センサ54が第1状態であるか第2状態であるかを示す第2情報およびトップテープ搬送モータ56が駆動しているか否かを示す第3情報の少なくとも一方とに基づいて、部品供給装置12に異常の予兆があるか否かを判定する判定ステップ(ステップS17,S19,S20,S21)と、判定ステップによって異常の予兆があると判定された場合、異常の予兆を示す予兆信号を出力する出力ステップ(ステップS18)とを含む。
【0144】
これによれば、上記の部品実装システム10と同様の作用効果を奏する。
【0145】
(他の実施の形態等)
以上、一つまたは複数の態様に係る部品実装システム等について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0146】
なお、上述した実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上述した実施の形態の装置等を実現するソフトウェアは、図8および図9に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
【0147】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0148】
(1)上記の少なくとも1つの装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。そのRAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、上記の少なくとも1つの装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0149】
(2)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0150】
(3)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部または全部は、その装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0151】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0152】
また、本開示は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0153】
また、本開示は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0154】
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本開示は、基板に部品を実装するためのシステム等に利用可能である。
【符号の説明】
【0156】
10 部品実装システム
12 部品供給装置
14 部品実装装置
16 台車
18 リール
20 テープフィーダ
22 基台
24 搬送部
26 Y軸テーブル
28 X軸テーブル
30 ヘッド
32 ノズル
34 基板認識カメラ
36 部品認識カメラ
38 実装制御部
39 表示部
40 筐体
42 キャリアテープ搬送モータ
44 キャリアテープ搬送ローラ
46 部品取出部
48 回動部
50 回動軸
52 バネ
54 センサ
56 トップテープ搬送モータ
58,60,62 トップテープ搬送ローラ
64 トップテープ収納部
66 フィーダ制御部
68 部品取出口
70 接触部
72 上位システム
74 判定部
76 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10