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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010630
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】ヘッドホン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
H04R1/10 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107039
(22)【出願日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】P 2021112985
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】塩飽 乃野海
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BC02
(57)【要約】
【課題】イヤーパッドが押されることによるヘッドホンの音響特性の変化を抑制することを目的とする。
【解決手段】ヘッドホン1は、ドライバユニット10と、ドライバユニット10を固定し、ドライバユニット10が発する音を通す音響孔が形成されたバッフル板20と、バッフル板20に形成されており、ドライバユニット10が発する音を通す音響孔25hと、バッフル板20における、音響孔25hよりもバッフル板20の外縁に近い側に設けられた音響材50と、音響材50におけるバッフル板に接する第1の面51と反対側に設けられたイヤーパッド30とを備える。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバユニットと、
前記ドライバユニットを固定し、前記ドライバユニットが発する音を通す音響孔が形成されたバッフル板と、
前記バッフル板における、前記音響孔よりも前記バッフル板の外縁に近い側に設けられた音響材と、
前記音響材における前記バッフル板に接する面と反対側に設けられたイヤーパッドと、
を有するヘッドホン。
【請求項2】
前記音響材は、前記ヘッドホンがユーザに装着され、前記イヤーパッドが前記イヤーパッドの厚み方向に縮められた状態で、前記イヤーパッドが前記音響孔を塞がない厚みを有する、
請求項1に記載のヘッドホン。
【請求項3】
前記音響材は、前記バッフル板における前記音響孔が形成されていない領域に設けられている、
請求項1または2に記載のヘッドホン。
【請求項4】
前記音響材は、通気性を有する材料により形成されている、
請求項1または2に記載のヘッドホン。
【請求項5】
前記音響材は、前記バッフル板に接する第1の面と前記第1の面の反対側の第2の面とを有する環状の部材であり、
前記イヤーパッドは、前記音響材における前記第2の面に接触する部分を有する環状の部材である、
請求項1または2に記載のヘッドホン。
【請求項6】
前記音響材は円環状であり、前記音響材の直径は前記バッフル板の直径よりも小さい、
請求項1または2に記載のヘッドホン。
【請求項7】
前記イヤーパッドは、伸縮性を有する延出部を含み、前記延出部が、前記バッフル板の一部又は前記バッフル板を保持するハウジングの一部に係止することにより、前記イヤーパッドが着脱可能に前記バッフル板に固定されている、
請求項1または2に記載のヘッドホン。
【請求項8】
前記音響材は着脱可能に前記バッフル板に設けられており、
前記イヤーパッドの前記延出部は、前記音響材の厚みに応じて伸縮する、
請求項7に記載のヘッドホン。
【請求項9】
前記音響材は、前記ヘッドホンがユーザに装着された状態で、前記ユーザの後方側となる部位の厚みが前記ユーザの前方側となる部位の厚みよりも小さい、
請求項1または2に記載のヘッドホン。
【請求項10】
前記音響材は、前記ヘッドホンがユーザに装着された状態で、前記ユーザの後方側となる部位の厚みが前記ユーザの前方側となる部位の厚みよりも大きい、
請求項1または2に記載のヘッドホン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドホンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イヤーパッドを取り付けるための取付部材がバッフル板に設けられているヘッドホンが知られている。特許文献1には、円環状に配置された複数の音響孔の間の位置に複数の取付部材が設けられたヘッドホンが開示されている。この音響孔は音質の調整に必要なフィルタを構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-149690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヘッドホンがユーザの頭部に装着された場合、ヘッドホンのイヤーカップがユーザの側頭部に押し付けられ、側圧によってイヤーパッドはつぶされる。そのため、従来の構造では、取付部材が設けられていない箇所においては、イヤーパッドがバッフル部材に向かって押し付けられる。そのため、イヤーパッドが部分的に音響孔を塞いでしまうことにより、音響特性が変化してしまうという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、イヤーパッドが押されることによるヘッドホンの音響特性の変化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態のヘッドホンは、ドライバユニットと、前記ドライバユニットを固定し、前記ドライバユニットが発する音を通す音響孔が形成されたバッフル板と、前記バッフル板における、前記音響孔よりも前記バッフル板の外縁に近い側に設けられた音響材と、前記音響材における前記バッフル板に接する面と反対側に設けられたイヤーパッドと、を有する。
【0007】
前記音響材は、前記ヘッドホンがユーザに装着され、前記イヤーパッドが前記イヤーパッドの厚み方向に縮められた状態で、前記イヤーパッドが前記音響孔を塞がない厚みを有してもよい。
【0008】
前記音響材は、前記バッフル板における前記音響孔が形成されていない領域に設けられていてもよい。
【0009】
前記音響材は、通気性を有する材料により形成されていてもよい。
【0010】
前記音響材は、前記バッフル板に接する第1の面と前記第1の面の反対側の第2の面とを有する環状の部材であり、前記イヤーパッドは、前記音響材における前記第2の面に接触する部分を有する環状の部材であってもよい。
【0011】
前記音響材は円環状であり、前記音響材の直径は前記バッフル板の直径よりも小さくてもよい。
【0012】
前記イヤーパッドは、伸縮性を有する延出部を含み、前記延出部が、前記バッフル板の一部又は前記バッフル板を保持するハウジングの一部に係止することにより、前記イヤーパッドが着脱可能に前記バッフル板に固定されていてもよい。
【0013】
前記音響材は着脱可能に前記バッフル板に設けられており、前記イヤーパッドの前記延出部は、前記音響材の厚みに応じて伸縮してもよい。
【0014】
前記音響材は、前記ヘッドホンがユーザに装着された状態で、前記ユーザの後方側となる部位の厚みが前記ユーザの前方側となる部位の厚みよりも小さくてもよい。
【0015】
前記音響材は、前記ヘッドホンがユーザに装着された状態で、前記ユーザの後方側となる部位の厚みが前記ユーザの前方側となる部位の厚みよりも大きくてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、イヤーパッドが押されることによるヘッドホンの音響特性の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ヘッドホン全体の概略構造を示す模式図である。
図2】本実施形態に係るヘッドホンのイヤーカップの断面図である。
図3図2のイヤーカップのバッフル板を示す図(ヘッドホン装着時にユーザの側頭部に面する側から見た図)である。
図4図3のバッフル板のみを示す断面図である。
図5A】音響材の全体を示す外観斜視図である。
図5B】音響材の変形例の1つを示す図である。
図5C】音響材の他の変形例を示す図である。
図6図2のイヤーカップの機械音響回路(音響等価回路)である。
図7】従来のヘッドホンにおいて、イヤーパッドが変形した状態を示す図である。
図8】本実施形態のヘッドホンにおいて、イヤーパッドが変形した状態を示す図である。
図9図1のヘッドホンにおけるイヤーカップの周波数特性を示す図である。
図10】比較例のヘッドホンの周波数特性を示す図である。
図11】音響材が設けられていないイヤーカップの音響特性、および、それぞれ異なる厚みの音響材を有する複数のイヤーカップの音響特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(本実施形態の概要)
以下、本実施形態に係る各種のヘッドホンのイヤーカップを例示する。図1は、ヘッドホン全体の概略構造を示す模式図である。図2は、本実施形態に係るヘッドホンのイヤーカップの断面図である。図3は、図2のイヤーカップのバッフル板を示す図である。図4は、図3のバッフル板のみを示す断面図である。
【0019】
本実施形態に係るヘッドホン1は、図1に示すように、ヘッドバンド2と、右耳用のイヤーカップ100Rと、左耳用のイヤーカップ100Lとを備えている。イヤーカップ100Rおよびイヤーカップ100Lは、それぞれヘッドバンド2の右端および左端に取り付けられている。ヘッドバンド2は、略円弧状の本体部材2aと、2つのハンガー部材2bとを有している。ハンガー部材2bは、本体部材2aの両端部から所定長さだけ引き出すことができるように構成されている。ユーザがヘッドホン1を使用するとき、ヘッドホン1がユーザの頭部に装着されると、ヘッドバンド2の弾性力により各イヤーカップ100R、100L(以下、単に「イヤーカップ100」とも記載する)がユーザの側頭部に押し付けられる。
【0020】
以下の説明において、図面中の方向に対応して「上方側」、「下方側」といった方向を示す用語を用いる。また、ヘッドホンの使用態様に鑑み、「内側」、「外側」といった用語も使用する。「内側」とは、ヘッドホン装着時にユーザの側頭部に面する側に対応し、「外側」とは、その反対側に対応する。
【0021】
イヤーカップ100は、図2および図3に示すように、ドライバユニット10と、保護プレート12と、バッフル板20と、音響抵抗材23と、吸収材27と、イヤーパッド30と、延出部35と、ハウジング40と、音響材50とを備える電気音響変換器である。本実施形態のイヤーカップ100は、イヤーパッド30とバッフル板20との間に音響材50が配置されていることを特徴の1つとしている。音響材50の詳細については後述する。
【0022】
ドライバユニット10は、電気信号を変換して音を再生するユニットである。ドライバユニット10は従来公知のものを利用可能であるが、例えば次のようなものであってもよい。ドライバユニット10は、一例でダイナミック型のドライバユニットである。図示は省略するが、ドライバユニット10は、駆動部と振動板とを有している。駆動部は、電気信号に基づく電磁誘導により駆動(振動)して振動板を振動させる。振動板は駆動部の振動によって振動する部材であり、振動板の振動によりドライバユニット10から音が出力される。
【0023】
保護プレート12は、ドライバユニット10の構成要素を保護するための部材である。保護プレート12は、ドライバユニット10を覆っている。
【0024】
図2では、イヤーカップ100の3つの音響空間Sc、音響空間Sh、及び音響空間Soが示されている。音響空間Scは、ヘッドホン1がユーザの頭部に装着された状態において、保護プレート12、バッフル板20、イヤーパッド30、音響材50及びユーザの側頭部によって囲まれる閉空間である。音響空間Shは、ドライバユニット10のダイヤフラムと保護プレート12との間の閉空間である。音響空間Soは、ドライバユニット10、バッフル板20およびハウジング40で囲まれる閉空間である。音響空間Sc、Soの容積はドライバユニット10の振動特性(換言すればヘッドホン1の特性)に影響を与える。音響空間Sc及び音響空間Shに関する音響等価回路については他の図面を参照して後述する。
【0025】
吸収材27は、音響空間Soにおいて、振動板の音響振動を吸収する。吸収材27は、バッフル板20の背面側(図示下方側)に配置されている。
【0026】
バッフル板20は、ドライバユニット10を保持する部材である。「板」という表現が使用されているが、この部材は必ずしも平らな板状である必要はない。本明細書において「バッフル板の板厚方向」と表現することがあるが、これは、図2の軸Axに沿う上下方向に対応する。図中の上方は、ヘッドホン1がユーザの頭部に装着されたときにユーザの側頭部に対向する方向である。バッフル板20の詳細な構造については後述する。
【0027】
イヤーパッド30は、一例として、ユーザの耳を取り囲むリング状の弾性部材である。イヤーパッド30は、イヤーカップ100とユーザの側頭部との間の緩衝材として機能する。イヤーパッド30は、ヘッドバンド2からの弾性力によりユーザの側頭部に押し付けられる。イヤーパッド30は、音響材50における第2の面52に接触する部分を有する。
【0028】
イヤーパッド30は、図示は省略するが、リング状のクッション材とそれを覆うカバー材とを有するものであってもよい。クッション材は、例えば発泡ウレタンなどで構成される。カバー材は、例えば柔らかいレザーなどの材料で構成される。
【0029】
イヤーパッド30の断面形状は特に限定されるものではないが、図2のイヤーパッド30は、この例では、やや縦長の三角形を横に倒したような断面形状を有する。イヤーパッド30の断面形状は、この形状の他にも、例えば矩形形状等であってもよい。イヤーパッド30は、外周側部分33と内側部分34とを有する。イヤーパッド30の外周側部分33は音響材50上に保持されている。具体的には、外周側部分33の下面が、音響材50の上面である第2の面52(詳細下記)に当接した状態で、イヤーパッド30が固定されている。内側部分34は、外周側部分33から半径方向内側に向かって延び出している。内側部分34の厚みは、半径方向内側に向かうにつれて徐々に薄くなる。このような形状のイヤーパッド30においては、ヘッドホン1がユーザの頭部に装着されたとき、内側部分34がバッフル板20側に向かって(より具体的には内側部分34が音響孔25hに近づくように)変形する。
【0030】
本発明は、音響材50が設けられておらず、変形したイヤーパッドが音響孔の有効面積を減少させる構造のイヤーカップに効果的である。すなわち、イヤーパッドが変形することによって音響孔の有効面積が減少するようなヘッドホンの構成において、本発明は最も効果を発揮する。
【0031】
イヤーパッド30の外周面30aは、半径方向において、例えばバッフル板20の外周部とほぼ同じ箇所に位置している。一方、イヤーパッド30の内周部30bは、バッフル板20の音響孔25h(詳細下記)よりも半径方向内側となるような箇所に位置している。言い換えれば、本実施形態では、イヤーパッド30は、バッフル板20の板厚方向(図2の上下方向)に投影して見たときにイヤーパッド30と音響孔25hとが重なるような形状に形成されている。
【0032】
なお、本実施形態ではイヤーパッド30が音響孔25hを全て覆うような形状(投影視で、音響孔25hがイヤーパッド30によって完全に隠れるような形状)であるが、本発明はこのような構成に限定されない。他の例としては、イヤーパッド30は、投影視において、音響孔25hの一部のみがイヤーパッド30によって隠れるような形状であってもよい。イヤーパッド30は、カバー材の一部からバッフル板20側へと延び出したフラップである延出部35を有している。延出部35は、イヤーパッド30をバッフル板20に固定するための部分であり、例えば、バッフル板20の半径方向および板厚方向のいずれの方向にも伸縮可能である。延出部35の末端部分がバッフル板20に形成された係止部20b-2(詳細下記)に係止することで、音響材50を介在させた状態で、イヤーパッド30がバッフル板20に固定される。延出部35は、音響材50の外周面に接していてもよいし、接していなくてもよい。
【0033】
延出部35が上記のように伸縮性を持っていることにより、イヤーパッド30は必要に応じてバッフル板20から取り外すことができる。また、延出部35が伸縮可能な素材であることにより、例えば音響材50が厚みの異なる他の音響材に交換される場合であっても、延出部35が音響材50の厚みに応じて伸縮するため、イヤーパッド30を良好にバッフル板20に取り付けることができる。なお、イヤーパッド30は音響材50に接着されていてもよい。
【0034】
延出部35は、イヤーパッド30のカバー材と同一の素材であってもよいし、イヤーパッド30のカバー材より伸縮性のある別の素材であってもよい。延出部35が別の素材の場合、例えばイヤーパッド30に延出部35が縫付け等により固定されてもよい。延出部35は、末端部分が係止部20b-2である凹部に係止した図2の状態で、音響材50の厚み方向に延在している部分(図2において上下方向に延在している部分)の長さが、当該部分の自然長よりも長くなるように構成されていてもよい。このような構成の場合、図2の状態で、延出部35が音響材50の厚さ方向に伸び、その弾性力によって、イヤーパッド30が音響材50に向かって押し付けられる。その結果、イヤーパッド30が安定的に固定される。
【0035】
ハウジング40は、バッフル板20に接続されて音響空間Soを形成する部材であり、例えば樹脂材料により形成されている。ハウジング40の形状は特に限定されるものではなく、ヘッドホンの意匠性を考慮した任意の形状であってもよい。この例では、ハウジング40は、底面部41と周壁42とを有する。底面部41は、ヘッドホン1がユーザに装着された状態でユーザの側頭部側の反対側となる部分である。周壁42は、底面部41の外周から立ち上がるように形成された環状の部分である。ハウジング40は、換言すれば、ユーザの頭部側に向かって開口したカップ状の形状に設けられている。
【0036】
バッフル板20は、ハウジング40の開口部を塞ぐように取り付けられる部材である。バッフル板20の輪郭形状は任意の形状とすることができるが、一例として図3に示すように円形であってもよい。バッフル板20は例えばABSなどの樹脂材料である。バッフル板20は、図3および図4から理解されるように、全体として平たい円形である。この例では、バッフル板20の中央部にユニット保持部20aが設けられている。ユニット保持部20aの周りには、環状の周辺部20bが形成されている。
【0037】
ユニット保持部20aは、ドライバユニット10の形状に対応した形状の凹部である。図2に示すようにドライバユニット10がユニット保持部20aに配置された状態で、上下方向におけるドライバユニット10の保護プレート12の上面の位置は、バッフル板20の上面の位置と実質的に同一である。
【0038】
周辺部20bには、複数の音響孔25hが形成されている。音響孔25hは、音響空間Scと音響空間Soとを連通させる貫通孔である。各音響孔25hは、本実施形態では、図3に示すように基準円R1上に、円周方向に沿って形成されている。音響孔25hの形状は、本実施形態では環状扇形である。各音響孔25hは一例で等間隔に配置されていてもよい。
【0039】
なお、音響孔25hはすべて同一形状であってもよいが、これに限定されるものではない。複数の音響孔25hは、異なる形状の音響孔を含んでいてもよい。複数の音響孔25hの形状又は位置は、例えば、バッフル板20とハウジング40とを接続するための構造部(例えばリブ、ボス、ネジ孔等)の構成に基づいて決定されている。また、隣接する複数の音響孔25hの間隔は非同一でもよい。複数の音響孔25hの間隔は、バッフル板20とハウジング40とを接続するための構造部の構成に基づいて決定されていてもよい。なお、図3では、音響孔25hが形成された領域の外側に環状の領域S1が描かれているが、領域S1は、後述する音響材50が配置される領域である。
【0040】
周辺部20bは、図4に示すように、平坦な上面20b-1と、上面20b-1の反対側の下面20b-3とを有している。さらに、周辺部20bの半径方向外側の外周には、凹部が形成されている。この凹部が、イヤーパッド30の延出部35が引っ掛かる係止部20b-2として機能する。なお、このような構成以外にも、係止部は、バッフル板20ではなくハウジング40の一部に形成されてもよい。
【0041】
再び図2を参照する。バッフル板20の上面20b-1には、シート状の音響抵抗材23が各音響孔25hを覆うように配置されている。音響抵抗材23は、リング状のフィルムであってもよい。音響抵抗材23は、単一の部材が1つ配置される構成であってもよい。または、1つまたは幾つかの音響孔25hを塞ぐ音響抵抗材23が複数設けられていてもよい。
【0042】
〔音響材50の構造〕
図5Aは、音響材50の全体を示す外観斜視図である。本実施形態のヘッドホン1のイヤーカップ100では、図2に示すように、イヤーパッド30とバッフル板20との間に音響材50が配置されている。音響材50は、図5Aに示すような所定の厚みを有するリング状の弾性部材であり、より詳細には円環状である。
【0043】
音響材50は、音響材50自体が音響孔25hを塞がないように、音響孔25hが存在する領域の直径よりも大きな内径を有している。別の言い方をすれば、音響材50は、音響孔25hよりもバッフル板20の外縁に近い側に設けられている。
【0044】
音響材50は例えば通気性を有する材料である。通気性を有する材料は、複数の孔が形成された多孔質材料であってもよい。多孔質材料は、例えばポロン(登録商標)のような発泡材料であってもよい。図2に示す例において、音響材50の断面形状は矩形である。音響材50は、バッフル板20に面する第1の面51と、イヤーパッド30に面する第2の面52と、内周面53と、外周面54とを有している。第1の面51および第2の面52は、一例として、いずれも平面である。音響材50の厚みは、例えば0.5mm以上10mm以下の範囲内である。
【0045】
音響材50の厚みは、部材全体にわたって例えば一定である。本発明にこれに限定されるものではなく、音響材50の厚みは一定ではなくてもよい。図5Bは、音響材50の変形例の1つを示す図である。図5Cは、音響材50の他の変形例を示す図である。図5B及び図5Cは、いずれも、ヘッドホンがユーザの頭部に装着された状態で、ユーザの頭部の上方側から見たバッフル板20及び音響材50の模式図である。
【0046】
音響材50の厚みが一定でない態様として、例えば、図5Bのように、ヘッドホンがユーザに装着された状態で、ユーザの後方側となる部位の音響材50の厚みがユーザの前方側となる部位の厚みよりも小さくてもよい。又は、図5Cのように、ユーザの後方側となる部位の音響材50の厚みがユーザの前方側となる部位の厚みよりも小さくてもよい。図5B及び図5Cの構成では、音響材50は、一例として、バッフル板20に面する側の面と反対側の面(イヤーパッドが配置される面)が平面状に形成されている。このような構成によれば、イヤーパッドと音響材50との間に隙間が生じることなく、イヤーパッドが安定的に固定される。
【0047】
音響材50の直径は、例えば、バッフル板20の直径(具体的には、上面20b-1の部分の直径)と実質的に同一であってもよい。このような構成の場合、音響材50の外周面とバッフル板20の外周面との間に段差が生じにくい。別の例としては、音響材50の外形はバッフル板20の外形よりも小さくてもよく、具体的には、音響材50の直径がバッフル板20の直径よりも小さくてもよい。一例として、音響材50の直径はバッフル板20の直径よりも1mm以上小さい。このような構成によれば、組立て時に音響材50の位置が多少ずれたとしても、音響材50がバッフル板20よりも外側に突出しない。そのため、イヤーパッド30を取り外す際に、イヤーパッド30の延出部35が音響材50に引っかかり音響材50が剥がれることが防止される。
【0048】
音響材50は、通気性を有する材質であることが好ましく、この場合、音響材50は、空気の流動に対して抵抗成分として作用する。音響材50を設けることで、バッフル板20に設けられた音響孔25hおよび音響抵抗材23を、帯域幅の広い音響フィルタとして有効に活用することができる。また、音響材50が通気性を有する場合、イヤーパッド30の延出部35を介して、音響空間Soがイヤーカップ100の外部空間と連通する。
【0049】
音響材50が通気性を有していない場合、音響材50が音響抵抗として機能しない。その結果、音響孔25hの音響容量の変化が音響特性に与える影響が大きくなる。これに対して、音響材50が通気性を有する場合、イヤーカップ100の機械音響回路に音響材50の音響容量および音響抵抗も含まれることになる。その結果、装着時のイヤーパッド30の密着度が変化することで発生する音響空間Scの変化を要因とする音響特性の変化を抑制することができる。したがって、本願発明によれば、ユーザの個人差に起因する音響特性の違いが小さくなるという利点が得られる。
【0050】
本実施形態では、イヤーパッド30の下面の一部が音響材50の第2の面52に当接している。他の形態としては、別の部材(不図示)を介在させた状態でイヤーパッド30とバッフル板20との間に音響材50が設けられていてもよい。また、音響材50は、一例としてバッフル板20に接着されているが、音響材50はバッフル板20に着脱可能な状態でバッフル板20に固定されていてもよい。一例として、音響材50に形成された凸部または凹部が、バッフル板20に形成された凹部または凸部と結合することにより、音響材50が固定されてもよい。音響材50がバッフル板20に着脱可能に構成されていてもよい。この場合、ユーザが、音響材50を取り外して、厚みが異なる他の音響材50をバッフル板20に固定できる。
【0051】
[イヤーカップ100の機械音響回路]
図6は、図2のイヤーカップ100の機械音響回路(音響等価回路)を示す図である。ここで、Sc’は音響空間Scの音響容量、Sh’はダイヤフラムと保護プレート12と間の音響容量、Foは振動板の起振力を示している。音響材50を有さない従来構造の場合、音響等価回路は、音響容量Sc’と音響容量Sh’とが単に並列に接続される構成である。本実施形態の場合、イヤーカップ100は音響材50を備えるため、音響等価回路は音響材50に起因する音響容量および音響抵抗を含む。
【0052】
図6の回路において、Sxは音響材50の音響容量であり、Rxは音響材50の音響抵抗である。音響容量Sxと音響抵抗Rxとが並列接続された回路部分が、音響空間Scと直列に接続されている。音響容量Sxと音響抵抗Rxとは、音響材50の厚みにより変化する。音響材50の材質により音響抵抗Rxは変化する。
【0053】
ヘッドホンがユーザの頭部に装着された状態での、イヤーパッド30の変形に起因する音響特性への影響としては次のような点が挙げられる。以下、図面を参照しつつ説明する。図7は、従来のヘッドホンにおいて、イヤーパッドが変形した状態を示す図である。図8は、本実施形態のヘッドホンにおいて、イヤーパッドが変形した状態を示す図である。
【0054】
図7に示すイヤーカップ1100には、本実施形態のような音響材が存在せず、イヤーパッド1030がバッフル板1020上に直接配置されている。その他は、上述した本実施形態のヘッドホンの構成と同様である。
【0055】
このような構成の場合、ヘッドホンがユーザの頭部に装着されると、ユーザ側頭部からの側圧を受けてイヤーパッド1030が押しつぶされるように変形する。特に図の構成では、イヤーパッド1030は、バッフル板1020の外周付近から半径方向内側に向かって延在しており、音響孔1025hを覆ってしまうような形状となっている。そのため、イヤーパッド1030が大きく変形すると、音響孔1025hが遮られ、孔の有効面積が減少することとなる。その結果、ユーザごとに音響特性のばらつきが生じる可能性がある。
【0056】
これに対して本実施形態によれば、図8に示すように、音響材50がスペーサとしてイヤーパッド30とバッフル板20との間に介在している。そのため、イヤーパッド30が変形した場合であっても音響孔25hが遮られることなく、孔の有効面積の減少が発生しづらい。その結果、イヤーパッド30の機械音響特性がイヤーパッド30の状態によって変動しづらいという作用効果が生じる。このような音響材50の機能に鑑みれば、音響材50の厚みは、ヘッドホン1がユーザの頭部に装着されてイヤーパッド30が音響孔25h側に押され、厚み方向に縮められた状態において、イヤーパッド30(特に、図2に示した内側部分34)が音響孔25hを塞がない厚みであることが好ましい。
【0057】
さらに、本実施形態において、音響材50が通気性のある材料で形成されている場合、音響材50を介してイヤーカップ100の外部に空気が抜ける。その結果、ドライバユニット10の振動板が低域でも動き易くなる。振動板が動き易いことにより、聴感上の音質が改善される。また、振動板が動きやすい場合、ヘッドホンの電気インピーダンスが下がり、設計の幅が向上する。なお、本発明の一形態においては、イヤーパッド30の延出部35(図2参照)が通気性を有していてもよい。
【0058】
音響材50が通気性のある材料で形成されている場合、音響空間Soが音響材50および延出部35を介して外部空間と連通する。そのため、バッフル前面の空間の音響容量の変化を小さくできるという作用効果も得られる。なお、音響空間Soと外部空間との間の音響抵抗が小さくなり過ぎることを防ぐために、音響材50は環状であることが好ましい。
【0059】
本実施形態では、音響材50は音響空間Scを構成する一要素である。したがって、本実施形態は、音響材50の形状や材質の変更で音響特性を調整することが可能である。例えば、ヘッドホン1のユーザまたは製造者は、音響材50の材質および/または形状(例えば矩形断面形状の幅および/または厚み)を変更することにより、音響抵抗材としての特性を容易に調整することができる。例えば、ユーザまたは製造者が音響材50の厚みを適宜変更することによって約600Hz以上の中高域の特性を改善することができる。音響特性の観点以外にも、音響材50の材質および/または形状を変えることで、ヘッドホンの耳へのフィット感の調整も可能である。
【0060】
以上説明したように本実施形態の構成によれば、イヤーパッド30とバッフル板20との間に所定の厚みを有する音響材50が設けられている。音響材50がスペーサとして機能することで、ユーザがヘッドホン1を装着した時にイヤーパッド30が押しつぶされて変形したとしても、バッフル板20の音響孔25hが塞がれにくくなる。その結果、ヘッドホン1の音響特性の変化が生じにくい。また、音響材50が音響抵抗材としても機能する部材であることから、音響材50の形状または材質の少なくともいずれかを変更することで、ヘッドホン1の音質の調整を容易に行うことができる。したがって、ヘッドホン1の製造工程においては、金型を修正して部品形状を微調整して音響を調整するといった作業が不要となる。
【0061】
また、イヤーカップ100に設けられた音響材50は、イヤーパッド30のつぶれによって引き起こされる音響孔25hの有効面積のばらつきを低減させる。その結果、ヘッドホン1の周波数特性の安定性が向上する。また、ヘッドホン1を装着するユーザの体形による周波数特性の差を低減させることも可能となる。なお、オンイヤー型ヘッドホンの口径は、オーバーイヤー型ヘッドホンの口径よりも小さく、そのため、イヤーパッド30がつぶれて音響孔25hの有効面積が減少することによる影響が生じやすい。したがって、本実施形態の構成は、特にオンイヤー型のヘッドホンにおいて効果を生じさせる。
【0062】
[ヘッドホンのタイプに応じた音響材の厚み]
音響材50の厚みは音響材50の全体にわたって均一であってもよいが、不均一であってもよい。例えば、リング状の音響材のうち、ヘッドホンがユーザに装着されたときにユーザの後方側(後頭部側)に位置する領域の厚みが、ユーザの前方側の領域の厚みよりも小さくてもよい。オンイヤー型のヘッドホンでは、ユーザの耳介上にイヤーパッドが載置される。そのため、例えば後ろに倒れた耳介の厚みに対応する量だけ音響材が薄くなっていることで、ヘッドホンの装着感の向上や密閉性の向上が期待できる。
【0063】
逆に、ヘッドホンがユーザに装着されたときにユーザの後方側に位置する領域の厚みが、ユーザの前方側の領域の厚みよりも大きくてもよい。アラウンドイヤー型(耳覆い型とも呼ばれる。このタイプでは、耳介を取り囲むサイズのイヤーパッドが設けられている。)のヘッドホンでは、ユーザの後頭部の凹み分に対応して音響材が厚くなっていることで、ヘッドホンの装着感の向上や密閉性の向上が期待できる。
【0064】
<実施例>
図9は、本実施形態のヘッドホン1におけるイヤーカップ100の周波数特性を示す図である。図9において、実線は、音響材50を有するイヤーカップ100が比較的大きな側圧でユーザの側頭部に押し付けられた場合(すなわち、イヤーパッド30の変形量が比較的大きい場合)の音響特性である。破線は、音響材50を有するイヤーカップ100が比較的小さな側圧でユーザの側頭部に押し付けられた場合(すなわち、イヤーパッド30の変形量が比較的小さい場合)の音響特性である。
【0065】
図10は、比較例のヘッドホンの周波数特性を示す図である。図10において、実線は、音響材50が設けられていないイヤーカップ1100が比較的大きな側圧でユーザの側頭部に押し付けられた場合の音響特性である。破線は、音響材50が設けられていないイヤーカップ1100が比較的小さな側圧でユーザの側頭部に押し付けられた場合の音響特性である。
【0066】
図9および図10の音響特性を比較する。1kHz付近では、いずれのイヤーカップ100、1100においても、イヤーパッド30、1030が大きく変形したときと小さく変形したときとの音圧の差は約2dBである。しかしながら、500Hz以下の周波数においては、本実施形態のイヤーカップ100の方が、イヤーパッド30の変形にともなって生じる音響特性の差が比較例と比べて小さくなっている。このように、本実施形態の構成によればイヤーパッド30の変形にともなう音響特性の差が生じにくく、ヘッドホン1の改善が図られていた。
【0067】
具体的には、音響材50が設けられていないイヤーカップ1100の音響特性(図10)では、50Hz付近において、イヤーパッド30が大きく変形したときと小さく変形したときとの音圧の差は約1.5dBである。これに対して、音響材50が設けられたイヤーカップ100の音響特性(図9)では、50Hz付近において、イヤーパッド30が大きく変形したときと小さく変形したときとの音圧の差は約0.3dBである。このことから、音響材50を設けることによって、イヤーパッド30の変形にともなって生じる音響特性の変化を小さくできることが確認された。
【0068】
本実施形態の構成のように音響材50をイヤーカップ100に適用することで、イヤーパッド30つぶれによる、個人差(ヘッドホン1を装着するユーザの体形によって音響特性に差が生じること)を減らせることが確認された。
【0069】
また、音響材50が設けられたイヤーカップ100の音響特性(図9)では、約500Hz以下の低音域で、実線で示される音圧と破線で示される音圧の差が小さくなっている。このように、イヤーカップ100においてはイヤーパッド30の変形にともなう音響特性の変化が生じにくいことが確認された。
【0070】
図11は、音響材50が設けられていないイヤーカップ1100の音響特性、および、異なる厚みの音響材50を有する複数のイヤーカップ100の音響特性を示す図である。図11に示される結果は、音響材50の有無および厚みをパラメータとした場合の音響特性についての測定結果の一例である。実線は音響材なしのイヤーカップ1100の音響特性である。破線は、厚みt=1.25mmの音響材50が設けられたイヤーカップ100の音響特性である。一点鎖線は、厚みt=2.5mmの音響材50が設けられたイヤーカップ100の音響特性である。二点鎖線は、厚みt=5.0mmの音響材50が設けられたイヤーカップ100の音響特性である。
【0071】
1kHz付近の値を見ると、厚みt=1.25mmの音響材50の場合、音響材なしのイヤーカップ1100に比べて約1.5dBの音圧差が生じていた。厚みt=2.5mmの音響材50の場合、音響材なしのイヤーカップ1100に比べて約4dBの音圧差が生じていた。厚みt=5.0mmの音響材50の場合、音響材なしのイヤーカップ1100に比べて約6dBの音圧差が生じていた。
【0072】
このように、音響材50の厚みによってイヤーカップ100の音響特性が変化するので、例えば、ヘッドホン1のユーザまたは製造者は、音響材50の厚みを変更することによりイヤーカップ100の音響特性を変化させることができる。ユーザまたは製造者は、例えば、イヤーカップ100に設けられた第1の音響材を厚みが異なる第2の音響材に交換したり、第1の音響材と同じ厚みの他の音響材を重ねたりすることで、イヤーカップ100の音響特性を変化させることができる。
【0073】
[ヘッドホン1による効果]
以上説明したとおり、ヘッドホン1は、ドライバユニット10が発する音を通す音響孔25hが形成されたバッフル板20と、バッフル板20における、音響孔25hよりもバッフル板20の外縁に近い側に設けられた音響材50と、音響材50におけるバッフル板20に接する面と反対側に設けられたイヤーパッド30と、を有する。ヘッドホン1がこのように構成されていることで、イヤーパッド30が押されることによるヘッドホン1の音響特性の変化が抑制されるので、ヘッドホン1は、ユーザによるヘッドホン1の装着状態によらず安定した音響特性を実現できる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0075】
1 ヘッドホン
2 ヘッドバンド
2a 本体部材
2b ハンガー部材
10 ドライバユニット
12 保護プレート
20 バッフル板
20a ユニット保持部
20b 周辺部
20b-1 上面
20b-2 係止部
20b-3 下面
23 音響抵抗材
25h 音響孔
27 吸収材
30 イヤーパッド
30a 外周面
30b 内周部
33 外周側部分
34 内側部分
35 延出部
40 ハウジング
41 底面部
42 周壁
50 音響材
51 第1の面
52 第2の面
53 内周面
54 外周面
100 イヤーカップ
Ax 軸
R1 基準円
Rx 音響抵抗
S1 領域
Sc 音響空間
Sc’ 音響容量
Sh 音響空間
Sh’ 音響容量
So 音響空間
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11