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特開2023-106318パッケージ基板の作製方法及びパッケージ基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106318
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】パッケージ基板の作製方法及びパッケージ基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20230725BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L23/12 B
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000467
(22)【出願日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202210069428.6
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】陳 先明
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
(72)【発明者】
【氏名】黄 本霞
(72)【発明者】
【氏名】林 文健
(72)【発明者】
【氏名】黄 高
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA04
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC08
5E316CC32
5E316DD33
5E316EE08
5E316EE33
5E316EE39
5E316FF07
5E316GG15
5E316HH24
5E316HH25
5E316HH33
5E316JJ12
5E316JJ13
5E316JJ28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配線密度を向上させるパッケージ基板の作製方法及びパッケージ基板を提供する。
【解決手段】方法は、第1の回線層が設置される底板を提供し、第1の回線層に需要点を設置し、需要点の一側に第1の退避すべき領域を設置するステップと、底板上に、第1の退避すべき領域を被覆する第1の中間絶縁誘電体を含む第1の中間絶縁層を加工するステップと、第1の中間絶縁層上に、第1の中間絶縁誘電体上に部分的に設置され、需要点に接続される第1の中間回線を含む第1の中間配線層を加工するステップと、第1の中間配線層上に、底板上に積層され、第1の中間配線層を被覆する第1の絶縁層を加工するステップと、第1の絶縁層上に回線ビルドアップ層を加工するステップと、を含む。
【効果】隣接する2層の回線層の間に第1の中間配線層を加工し、局所的な段差配線を実現し、より薄いビルドアップ層構造を実現することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回線層が設置される底板を提供するステップであって、前記第1の回線層に少なくとも1つの需要点が設置され、前記需要点の一側に第1の退避すべき領域が設置されるステップと、
前記底板上に、前記第1の退避すべき領域を被覆する第1の中間絶縁誘電体を含む第1の中間絶縁層を加工するステップと、
前記第1の中間絶縁層上に、前記第1の中間絶縁誘電体上に部分的に設置されるとともに、前記需要点に接続される第1の中間回線を含む第1の中間配線層を加工するステップと、
前記第1の中間配線層上に、前記底板上に積層されるとともに、前記第1の中間配線層を被覆する第1の絶縁層を加工するステップと、
前記第1の絶縁層上に回線ビルドアップ層を加工するステップと、を含む、ことを特徴とするパッケージ基板の作製方法。
【請求項2】
底板を提供する前記ステップの前に、前記方法は、
対向する両面を有するコアプレートを提供するステップであって、前記コアプレートに前記コアプレートの対向する両面を貫通するパッケージキャビティが設置されるステップと、
前記コアプレート上において、前記パッケージキャビティの底部に仮担持面を加工するステップと、
アクティブ面が前記仮担持面に接続される電子部品を前記パッケージキャビティ内に実装するステップと、
パッケージ材料により前記パッケージキャビティに対してパッケージ処理を行うステップと、
前記電子部品のアクティブ面上の接続端子が露出するように、前記仮担持面を除去するステップと、
前記底板が形成されるように、前記コアプレート上に前記第1の回線層を加工するステップであって、そのうちの少なくとも1つの前記需要点が前記電子部品のアクティブ面上の接続端子に接続されるステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の作製方法。
【請求項3】
底板を提供する前記ステップの前に、前記方法は、
対向する両面を有するコアプレートを提供するステップであって、前記コアプレートに前記コアプレートの対向する両面を貫通するパッケージキャビティが設置されるステップと、
前記コアプレート上において、前記パッケージキャビティの底部に仮担持面を加工するステップと、
対向するアクティブ面と、前記仮担持面に接続されるパッシブ面とを有する電子部品を前記パッケージキャビティ内に実装するステップと、
パッケージ材料により前記パッケージキャビティに対してパッケージ処理を行い、第1のパッケージ体を形成するステップと、
前記第1のパッケージ体上に、前記電子部品のアクティブ面の接続端子に接続される導通孔を加工するステップと、
前記底板が形成されるように、前記コアプレート上に前記第1の回線層を加工するステップであって、そのうちの少なくとも1つの前記需要点が前記導通孔に接続されるステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の作製方法。
【請求項4】
前記底板上に、前記第1の退避すべき領域内に位置する、内部に電子部品がパッケージされるパッケージキャビティが設置され、前記底板上に第1の中間絶縁層を加工する前記ステップは、
前記底板上において、前記第1の退避すべき領域に対応する位置に、前記パッケージキャビティを被覆する第1の中間絶縁誘電体を加工するステップと、
前記電子部品が露出するように、前記第1の中間絶縁誘電体に対して窓開け処理を行うステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の作製方法。
【請求項5】
前記底板上に第1の中間絶縁層を加工する前記ステップは、
前記底板上に感光性絶縁誘電体材料を加工するステップと、
前記第1の退避すべき領域に位置する前記感光性絶縁誘電体材料を保持するように、前記感光性絶縁誘電体材料に対してパターン転写を行うステップと、
前記第1の中間絶縁層が形成されるように、パターン転写後の前記感光性絶縁誘電体材料を硬化して、前記第1の中間絶縁誘電体を取得するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の作製方法。
【請求項6】
前記感光性絶縁誘電体材料は、ドライフィルムタイプ感光性絶縁誘電体材料であり、前記底板上に感光性絶縁誘電体材料を加工する前記ステップは、前記底板上に、前記第1の回線層を被覆する前記ドライフィルムタイプ感光性絶縁誘電体材料を圧着するステップを含むか、
又は、前記感光性絶縁誘電体材料は、液状タイプ感光性絶縁誘電体材料であり、前記底板上に感光性絶縁誘電体材料を加工する前記ステップは、前記底板上に、前記第1の回線層を被覆する前記液状タイプ感光性絶縁誘電体材料を塗布するステップを含む、ことを特徴とする請求項5に記載のパッケージ基板の作製方法。
【請求項7】
第1の回線層が設置される底板であって、前記第1の回線層に少なくとも1つの需要点が設置され、前記需要点の一側に第1の退避すべき領域が設置される底板と、
前記底板上に設置される、前記第1の退避すべき領域を被覆する第1の中間絶縁誘電体を含む第1の中間絶縁層と、
前記第1の中間絶縁誘電体上に部分的に設置されるとともに、前記需要点に接続される第1の中間回線を含む第1の中間配線層と、
前記底板上に積層されるとともに、前記第1の中間配線層を被覆する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に設置される回線ビルドアップ層と、を含む、ことを特徴とするパッケージ基板。
【請求項8】
前記底板内に電子部品がパッケージされ、少なくとも1つの前記需要点が前記電子部品のアクティブ面の接続端子に接続される、ことを特徴とする請求項7に記載のパッケージ基板。
【請求項9】
前記第1の退避すべき領域内に回線、パッドと電子部品のうちの少なくとも1つが設置される、ことを特徴とする請求項7に記載のパッケージ基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージの技術分野に関し、特にパッケージ基板の作製方法及びパッケージ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージの関連技術では、一般的には、金属回線を異なる回線層に配置し、且つ絶縁誘電層によって隣接する回線層を隔離し、同一回線層における金属回線は、同一配線平面内に位置する。同一回線層に位置する2つの需要点の間に障害領域が存在する場合、関連技術は、一般的には、障害領域を回避するように、接続回線を延長するか、又は、障害領域を回避するように、接続回線を隣接する回線層に配置し、且つ層間導通孔によって接続する。前者は、配線面積の増大と配線難度の増加を引き起こし、後者は、ビルドアップしてから配線する必要があり、パッケージ基板の厚さをより厚くし、且つ層間導通孔を加工する必要があり、設計難易度を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の技術において存在する技術課題のうちの少なくとも1つを解決することを目的とする。このため、本発明は、配線密度を向上させることができるパッケージ基板の作製方法及びパッケージ基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本発明の実施形態は、パッケージ基板の作製方法を提供する。前記方法は、
第1の回線層が設置される底板を提供するステップであって、前記第1の回線層に少なくとも1つの需要点が設置され、前記需要点の一側に第1の退避すべき領域が設置されるステップと、
前記底板上に、前記第1の退避すべき領域を被覆する第1の中間絶縁誘電体を含む第1の中間絶縁層を加工するステップと、
前記第1の中間絶縁層上に、前記第1の中間絶縁誘電体上に部分的に設置されるとともに、前記需要点に接続される第1の中間回線を含む第1の中間配線層を加工するステップと、
前記第1の中間配線層上に、前記底板上に積層されるとともに、前記第1の中間配線層を被覆する第1の絶縁層を加工するステップと、
前記第1の絶縁層上に回線ビルドアップ層を加工するステップと、を含む。
【0005】
本発明のいくつかの実施形態によれば、底板を提供する前記ステップの前に、前記方法は、
対向する両面を有するコアプレートを提供するステップであって、前記コアプレートに前記コアプレートの対向する両面を貫通するパッケージキャビティが設置されるステップと、
前記コアプレート上において、前記パッケージキャビティの底部に仮担持面を加工するステップと、
アクティブ面が前記仮担持面に接続される電子部品を前記パッケージキャビティ内に実装するステップと、
パッケージ材料により前記パッケージキャビティに対してパッケージ処理を行うステップと、
前記電子部品のアクティブ面上の接続端子が露出するように、前記仮担持面を除去するステップと、
前記底板が形成されるように、前記コアプレート上に前記第1の回線層を加工するステップであって、そのうちの少なくとも1つの前記需要点が前記電子部品のアクティブ面上の接続端子に接続されるステップと、をさらに含む。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によれば、底板を提供する前記ステップの前に、前記方法は、
対向する両面を有するコアプレートを提供するステップであって、前記コアプレートに前記コアプレートの対向する両面を貫通するパッケージキャビティが設置されるステップと、
前記コアプレート上において、前記パッケージキャビティの底部に仮担持面を加工するステップと、
対向するアクティブ面と、前記仮担持面に接続されるパッシブ面とを有する電子部品を前記パッケージキャビティ内に実装するステップと、
パッケージ材料により前記パッケージキャビティに対してパッケージ処理を行い、第1のパッケージ体を形成するステップと、
前記第1のパッケージ体上に、前記電子部品のアクティブ面の接続端子に接続される導通孔を加工するステップと、
前記底板が形成されるように、前記コアプレート上に前記第1の回線層を加工するステップであって、そのうちの少なくとも1つの前記需要点が前記導通孔に接続されるステップと、をさらに含む。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記底板上に、前記第1の退避すべき領域内に位置する、内部に電子部品がパッケージされるパッケージキャビティが設置され、前記底板上に第1の中間絶縁層を加工する前記ステップは、
前記底板上において、前記第1の退避すべき領域に対応する位置に、前記パッケージキャビティを被覆する第1の中間絶縁誘電体を加工するステップと、
前記電子部品が露出するように、前記第1の中間絶縁誘電体に対して窓開け処理を行うステップと、を含む。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記底板上に第1の中間絶縁層を加工する前記ステップは、
前記底板上に感光性絶縁誘電体材料を加工するステップと、
前記第1の退避すべき領域に位置する前記感光性絶縁誘電体材料を保持するように、前記感光性絶縁誘電体材料に対してパターン転写を行うステップと、
前記第1の中間絶縁層が形成されるように、パターン転写後の前記感光性絶縁誘電体材料を硬化し、前記第1の中間絶縁誘電体を取得するステップと、を含む。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記感光性絶縁誘電体材料は、ドライフィルムタイプ感光性絶縁誘電体材料であり、前記底板上に感光性絶縁誘電体材料を加工する前記ステップは、前記底板上に、前記第1の回線層を被覆する前記ドライフィルムタイプ感光性絶縁誘電体材料を圧着するステップを含むか、
又は、前記感光性絶縁誘電体材料は、液状タイプ感光性絶縁誘電体材料であり、前記底板上に感光性絶縁誘電体材料を加工する前記ステップは、前記底板上に、前記第1の回線層を被覆する前記液状タイプ感光性絶縁誘電体材料を塗布するステップを含む。
【0010】
別の態様では、本発明の実施形態は、上記パッケージ基板の作製方法によって製造されるパッケージ基板を提供する。
【0011】
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、パッケージ基板を提供する。前記パッケージ基板は、
第1の回線層が設置される底板であって、前記第1の回線層に少なくとも1つの需要点が設置され、前記需要点の一側に第1の退避すべき領域が設置される底板と、前記底板上に設置される、前記第1の退避すべき領域を被覆する第1の中間絶縁誘電体を含む第1の中間絶縁層と、前記第1の中間絶縁誘電体上に部分的に設置されるとともに、前記需要点に接続される第1の中間回線を含む第1の中間配線層と、前記底板上に積層されるとともに、前記第1の中間配線層を被覆する第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に設置される回線ビルドアップ層と、を含む。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記底板内に電子部品がパッケージされ、少なくとも1つの前記需要点が前記電子部品のアクティブ面の接続端子に接続される。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の退避すべき領域内に回線、パッドと電子部品のうちの少なくとも1つが設置される。
【0014】
本発明の実施形態によれば、少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0015】
本発明の実施形態によれば、隣接する2層の回線層の間に第1の中間配線層を加工し、局所的な段差配線を実現することができ、より薄いビルドアップ層構造を実現することができ、配線密度の向上に有利である。
【0016】
本発明の追加の態様及び利点は、以下の記述において部分的に示され、部分的には以下の記述から明らかになるか、又は本発明の実践によって理解される。
本発明の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を結び付ける実施形態への記述から明らかになり、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態によるパッケージ基板の作製方法のステップフローチャートである。
図2図1に示されるパッケージ基板の作製方法の中間プロセスにおけるパッケージ基板の構造概略図である。
図3図1に示されるパッケージ基板の作製方法の中間プロセスにおけるパッケージ基板の構造概略図である。
図4図1に示されるパッケージ基板の作製方法の中間プロセスにおけるパッケージ基板の構造概略図である。
図5図1に示されるパッケージ基板の作製方法の中間プロセスにおけるパッケージ基板の構造概略図である。
図6図1に示されるパッケージ基板の作製方法の中間プロセスにおけるパッケージ基板の構造概略図である。
図7】本発明の実施形態によるパッケージ基板の平面構造概略図のその一である。
図8】本発明の実施形態によるパッケージ基板の平面構造概略図のその二である。
図9】本発明の実施形態によるパッケージ基板の断面構造概略図のその一である。
図10】本発明の実施形態によるパッケージ基板の断面構造概略図のその二である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施形態を詳細に説明し、前記実施形態の例を図面に示し、ここで、最初から最後まで同じ又は類似している符号は、同じ又は類似している素子、或いは同じ又は類似している機能を有する素子を示す。以下で図面を参照して説明する実施形態は、本発明を解釈するためにのみ使用される例示的なものであり、本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0019】
本発明の説明では、「いくつか」の意味は、1つ又は複数であり、「複数」の意味は、2つ以上であり、「よりも大きい」、「よりも小さい」、「超える」などの用語は、本数を含まないものとして理解され、「以上」、「以下」、「以内」などは、本数を含むものとして理解される。「第1」、「第2」などが説明されている場合、それらは、単に技術的特徴を区別することを目的としたものであり、相対的重要性を指示又は暗示しているか、指示された技術的特徴の数を暗示しているか、又は指示された技術的特徴の前後関係を暗示していると理解されるべきではない。
【0020】
本発明の説明において、別途明確な限定がない限り、「設置」、「接続」などの用語は、広義に理解すべきであり、当業者は、技術的解決手段の具体的な内容を結び付けて、上記用語の本発明における具体的な意味を合理的に確定することができる。
【0021】
本実施形態の説明において、方法のステップに連続した符号を付しているのは、審査と理解を容易にするためであり、本実施形態の全体的な技術的解決手段及び各ステップの間の論理的関係と合わせて、ステップの間の実施順序を調整しても、本発明の技術的解決手段によって達成される技術的効果に影響を与えることはない。
【0022】
図1を参照すると、本実施形態は、パッケージ基板の作製方法を開示する。本方法は、ステップS100~S500を含む。ここで、各ステップの詳細な内容は、以下のとおりである。
【0023】
S100:図2を参照すると、第1の回線層120が設置される底板100を提供し、第1の回線層120に少なくとも1つの需要点121が設置され、需要点121の一側に第1の退避すべき領域122が設置される。
【0024】
S200:図3図4を参照すると、底板100上に、第1の退避すべき領域122を被覆する第1の中間絶縁誘電体210を含む第1の中間絶縁層200を加工する。
【0025】
S300:図5を参照すると、第1の中間絶縁層200上に、第1の中間絶縁誘電体210上に部分的に設置されるとともに、需要点121に接続される第1の中間回線310を含む第1の中間配線層300を加工する。
【0026】
S400:図6を参照すると、第1の中間配線層300上に、底板100上に積層されるとともに、第1の中間配線層300を被覆する第1の絶縁層400を加工する。
【0027】
S500:図6を引き続き参照すると、第1の絶縁層400上に回線ビルドアップ層500を加工する。
【0028】
図2から図6を合わせて参照すると、本実施形態の底板100は、片面板、両面板又は多層板であってもよい。片面板の場合、第1の回線層120は、片面配線構造であり、すなわち底板100は、コアプレート110と、コアプレート110の一方の面に設置される第1の回線層120とを含む。両面板の場合、第1の回線層120は、両面配線構造であり、底板100は、コアプレート110と、コアプレート110の対向する両面に設置される第1の回線層120とを含み、コアプレート110の異なる面に位置する第1の回線層120は、層間導通構造によって接続を行い、ここで層間導通構造は、銅ポスト又は導通孔などの構造であってもよい。多層板の場合、底板100は、順次に積層されるコアプレート110と、内層回線層と、第1の回線層120とを含み、片面板、両面板と同様に、内層回線層と第1の回線層120は、片面配線構造であってもよく、両面配線構造であってもよい。
【0029】
回線配線において、配線間隔を短縮することは、配線密度を向上させて小型化設計を実現する手段の一つである。しかしながら、実際の配線プロセスでは、ある需要点121、例えば回線の端部、パッド又は底板100に埋め込まれる電子デバイスの接続端子などについて、配線面積が限られるため、該需要点121の周囲に回線、パッド又は放熱ブロックなどの配線構造が配置される場合に、該需要点121は、回線延長又は他の需要点121との回線接続を行うことができないことが発見された。このとき、配線退避を容易に行うように、該需要点121の外側の回線、パッド又は放熱ブロックなどの構造が位置する領域を第1の退避すべき領域122と見なす必要がある。
【0030】
限られる平面配線空間の場合、回線配線の最適化の難易度が大きいため、本実施形態は、配線空間を平面配線空間から立体配線空間に変更し、第1の中間絶縁誘電体210が第1の退避すべき領域122を被覆することによって、第1の退避すべき領域122上に新たな配線領域を加工し、局所的な段差配線を実現する。さらに、第1の中間絶縁層200が底板100の表面に対する高さは、第1の回線層120よりも高く、それに続く第1の絶縁層400よりも低い。関連技術の接続回線を隣接する回線層に配置する方式と比べて、本実施形態は、厚さ方向上の配線空間を十分に利用し、隣接する回線層の間に配線を行い、より薄いビルドアップ層構造を実現し、高密度配線要求を満たすとともに、パッケージ基板の厚さを低減させる。なお、実際の応用の必要性に応じて、第1の中間絶縁誘電体210の形状と面積は、適応的に調整することができ、例えば、第1の中間絶縁誘電体210の底板100上への平面投影形状は、四角形、円形、環状又は不規則な形状などであってもよい。
【0031】
本実施形態は、第1の中間絶縁層200上に第1の中間配線層300を加工し、第1の中間絶縁誘電体210によって第1の中間回線310と第1の回線層120とを隔離することができ、配線要求を満たすことができる。なお、第1の中間回線310の配線方式は、実際の応用に応じて柔軟な調整を行うことができる。例えば、図7図8を参照すると、需要点121の数は、1つ、2つ又は3つ以上であってもよく、第1の中間回線310は、ループ状構造、直線構造、T型構造又は複数の端部を有する分岐構造などであり、第1の中間回線310が第1の中間絶縁誘電体210上に配置され、第1の中間回線310の端部が需要点121に接続される。なお、第1の中間配線層300は、Tentingマスキング法、SAPセミアディティブ法又はMSAPモディファイドセミアディティブ法などのプロセスによって加工を行うことができる。接続回線を隣接する回線層に配置する方式と比べて、本実施形態の第1の中間回線310は、需要点121に直接的に接続し、導通孔又は銅ポストなどの層間導通構造を省くことができ、それにより、層間導通構造の作製工程を省くことができ、作製効率の向上と作製コストの節約に有利である。
【0032】
第1の中間配線層300の作製を完了した後、積層、圧着の方式によって第1の中間配線層300上に第1の絶縁層400を加工し、第1の絶縁層400上に回線ビルドアップ層500を加工することにより、マルチレイヤ回線の作製を実現する。
【0033】
図9を参照すると、いくつかの応用例では、パッケージ基板の機能多様性を向上させるために、底板100内に電子部品010を埋め込む必要がある。電子部品010は、チップのような能動デバイスであってもよく、抵抗器のような受動デバイスであってもよい。そのため、底板100を提供するステップの前に、パッケージ基板の作製方法は、以下のステップをさらに含む。
【0034】
S011:対向する両面を有するコアプレート110を提供し、コアプレート110にコアプレート110の対向する両面を貫通するパッケージキャビティが設置される。
【0035】
S012:コアプレート110上において、パッケージキャビティの底部に仮担持面(図示せず)を加工し、例えば、パッケージキャビティの底部に仮担持面が形成されるように、コアプレート110上に粘着シート又は粘着テープを貼り付ける。
【0036】
S013:アクティブ面が仮担持面に接続される電子部品010をパッケージキャビティ内に実装する。
【0037】
S014:パッケージ材料によりパッケージキャビティに対してパッケージ処理を行い、ここで、パッケージ材料は、感光性媒体材料、例えばドライフィルムタイプ感光性媒体材料又は液状タイプ感光性媒体材料を採用する。パッケージ材料により電子部品010をパッケージキャビティ内にパッケージし、電子部品010の埋め込み処理を実現することができ、電子部品010の平面配線の空間への占有を減少することができ、集積密度の向上に有利である。
【0038】
S015:電子部品010のアクティブ面上の接続端子が露出するように、仮担持面を除去する。
【0039】
S016:底板100が形成されるように、コアプレート110上に第1の回線層120を加工し、そのうちの少なくとも1つの需要点121が電子部品010のアクティブ面上の接続端子に接続される。なお、第1の回線層120を加工する前に、コアプレート110上にレーザドリル又は機械的ドリルのようなドリルをすることによって、貫通孔加工を行い、且つ貫通孔に対してメッキ処理を行い、導通孔を形成することができる。無論、層間導通を実現するために、コアプレート110上に銅ポストをプレキャストしてもよい。
【0040】
該応用例では、電子部品010のアクティブ面上の接続端子が需要点121に接続され、第1の中間絶縁層200上に第1の中間配線層300を加工することによって、電子部品010の周辺の配線構造を退避し、電子部品010の柔軟な配線を実現することができる。
【0041】
別のいくつかの応用例(図示せず)では、同様に底板100に電子部品010を埋め込む必要があるが、電子部品010の実装の向きがパッシブ面と仮担持面が接続される点で上記応用例と異なる。このため、底板100を提供するステップの前に、パッケージ基板の作製方法は、以下のステップをさらに含む。
【0042】
S021:対向する両面を有するコアプレート110を提供し、コアプレート110にコアプレート110の対向する両面を貫通するパッケージキャビティが設置される。
【0043】
S022:コアプレート110上において、パッケージキャビティの底部に仮担持面を加工し、例えば、パッケージキャビティの底部に仮担持面が形成されるように、コアプレート110上に粘着シート又は粘着テープを貼り付ける。
【0044】
S023:対向するアクティブ面とパッシブ面を有する、パッシブ面が仮担持面に接続される電子部品010をパッケージキャビティ内に実装する。
【0045】
S024:パッケージ材料によりパッケージキャビティに対してパッケージ処理を行い、第1のパッケージ体を形成する。
【0046】
S025:第1のパッケージ体上に導通孔を加工し、導通孔が電子部品010のアクティブ面の接続端子に接続され、ここで、導通孔の加工は、機械的ドリル又はレーザドリルによって貫通孔を取得することができ、且つ貫通孔に対してメッキ処理を行って取得することができる。
【0047】
S026:底板100が形成されるように、コアプレート110上に第1の回線層120を加工し、そのうちの少なくとも1つの需要点121が導通孔に接続される。
【0048】
別のいくつかの応用例では、底板100上に第1の退避すべき領域122内に位置する電子部品010がパッケージされるパッケージキャビティが設置され、底板100上に第1の中間絶縁層200を加工するステップは、以下のステップを含む。
【0049】
S031:底板100上において、第1の退避すべき領域122に対応する位置に、パッケージキャビティを被覆する第1の中間絶縁誘電体210を加工する。
【0050】
S032:電子部品010が露出するように、第1の中間絶縁誘電体210に対して窓開け処理を行う。
【0051】
図10を参照すると、第1の中間絶縁誘電体210に対して窓開け処理を行い、第1の中間絶縁誘電体210上にキャビティ211を形成することができ、実際の配線の必要性に応じて、キャビティ211は、第1の中間回線310に対して配線の調整を行うことができ、柔軟な配線を実現するのに有利である。
【0052】
上記討論において、底板100上に第1の中間絶縁層200を加工するステップは、以下のステップを含む。
【0053】
S210:底板100上に感光性絶縁誘電体材料を加工する。
【0054】
S220:第1の退避すべき領域122に位置する感光性絶縁誘電体材料を保持するように、感光性絶縁誘電体材料に対して、感光性絶縁誘電体材料への露光、現像を含むパターン転写を行う。
【0055】
S230:第1の中間絶縁層200が形成されるように、パターン転写後の感光性絶縁誘電体材料を硬化し、第1の中間絶縁誘電体210を取得する。
【0056】
具体的には、感光性絶縁誘電体材料は、ドライフィルムタイプ感光性絶縁誘電体材料であり、底板100上に感光性絶縁誘電体材料を加工するステップは、底板100上に、第1の回線層120を被覆するドライフィルムタイプ感光性絶縁誘電体材料を圧着するステップを含むか、
又は、感光性絶縁誘電体材料は、液状タイプ感光性絶縁誘電体材料であり、底板100上に感光性絶縁誘電体材料を加工するステップは、底板100上に、第1の回線層120を被覆する液状タイプ感光性絶縁誘電体材料を塗布するステップを含む。
【0057】
本実施形態は、上記パッケージ基板の作製方法によって製造されるパッケージ基板をさらに提供する。本実施形態は、隣接する2層の回線層の間に第1の中間配線層300を加工し、局所的な段差配線を実現することができ、より薄いビルドアップ層構造を実現することができ、配線密度の向上に有利である。
【0058】
本実施形態は、第1の回線層120が設置される底板100であって、第1の回線層120に少なくとも1つの需要点121が設置され、需要点121の一側に第1の退避すべき領域122が設置される底板100と、底板100上に設置される、第1の退避すべき領域122を被覆する第1の中間絶縁誘電体210を含む第1の中間絶縁層200と、第1の中間絶縁誘電体210上に部分的に設置されるとともに、需要点121に接続される第1の中間回線310を含む第1の中間配線層300と、底板100上に積層されるとともに、第1の中間配線層300を被覆する第1の絶縁層400と、第1の絶縁層400上に設置される回線ビルドアップ層500と、を含むパッケージ基板をさらに提供する。
【0059】
本実施形態は、隣接する2層の回線層の間に第1の中間配線層300を加工し、局所的な段差配線を実現することができ、より薄いビルドアップ層構造を実現することができ、配線密度の向上に有利である。
【0060】
底板100内に電子部品010がパッケージされ、少なくとも1つの需要点121が電子部品010のアクティブ面の接続端子に接続され、このように、第1の中間絶縁層200上に第1の中間回線310を配置することによって、電子部品010の外側の配線構造を退避することができ、それにより、電子部品010の柔軟な配線を実現することができる。
【0061】
第1の退避すべき領域122内に回線、パッドと電子部品010のうちの少なくとも1つが設置される。第1の絶縁誘電体は、第1の退避すべき領域122を被覆し、第1の中間回線310を第1の退避すべき領域122内の回線、パッド又は電子部品010から隔離することができ、それにより、柔軟な配線を実現して配線密度を向上させる。
【0062】
以上、図面に関連して本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識の範囲内で、本発明の目的を逸脱することなく種々の変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10