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  • 特開-コレステリック液晶表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106329
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】コレステリック液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20230725BHJP
   H02S 10/00 20140101ALI20230725BHJP
【FI】
G02F1/1333
H02S10/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003184
(22)【出願日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】111102306
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522436558
【氏名又は名称】アイリス オプトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IRIS OPTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】3F.-3, No. 160, Sec. 1, Guiren 13th Rd., Guiren Dist., Tainan City 711010, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ウ-チャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ハン-ティエン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,チ-チャン
【テーマコード(参考)】
2H189
5F151
【Fターム(参考)】
2H189JA15
2H189LA06
2H189LA09
2H189LA10
2H189LA15
5F151AA02
5F151AA05
5F151AA11
5F151FA06
5F151GA03
5F151HA20
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】本発明は、下から順に積層された金属回路パターン層142を含む太陽電池14、第1基板12、遮蔽層16、第1電極層18、コレステリック液晶層20、第2電極層22、および第2基板24、ならびに第1基板と第1電極層との間に配置され、金属回路パターン層の光に対する反射を低減するため、金属回路パターン層の上方に対応する遮蔽層を備えるコレステリック液晶表示装置10を提供する。
【効果】これにより、前記コレステリック液晶表示装置は、従来の黒色吸収層の代わりに太陽電池の黒色材質を用いて、光を吸収するだけでなく、自己給電で画面を表示させることができる。また、遮蔽層を介して金属回路パターン層を遮蔽することにより、パネルの画質を確保することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下から順に積層された金属回路パターン層を含む太陽電池、第1基板、第1電極層、第1電極層、コレステリック液晶層、第2電極層、および第2基板、ならびに
前記第1基板と前記第1電極層との間に設けられ、前記金属回路パターン層の光に対する反射を低減するため、前記金属回路パターン層の上方に対応する遮蔽層を備えることを特徴とするコレステリック液晶表示装置。
【請求項2】
前記コレステリック液晶表示装置は、前記遮蔽層の空隙領域に充填され、前記第1基板と前記第1電極層との間に位置する平坦層をさらに備える、請求項1に記載のコレステリック液晶表示装置。
【請求項3】
前記平坦層の厚さは、前記遮蔽層の厚さ以上である、請求項2に記載のコレステリック液晶表示装置。
【請求項4】
前記コレステリック液晶表示装置は、アクティブ駆動方式を用いて電圧を駆動する、請求項1に記載のコレステリック液晶表示装置。
【請求項5】
前記コレステリック液晶表示装置は、パッシブ駆動方式を用いて電圧を駆動する、請求項1に記載のコレステリック液晶表示装置。
【請求項6】
前記遮蔽層は、黒色材質で作られる、請求項1に記載のコレステリック液晶表示装置。
【請求項7】
前記遮蔽層は、黒い遮蔽構造である、請求項1に記載のコレステリック液晶表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して液晶表示の技術分野に関し、より詳細にはコレステリック液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コレステリック液晶ディスプレイは液晶ディスプレイの一種であり、コレステリック液晶は双安定特性を有する。つまり、外力が加えられていない状態で二つの安定した状態を有し、これが現在一般的に使用されているTFT液晶ディスプレイやLEDディスプレイとの最大の違いである。
【0003】
コレステリック液晶の分子配列には、焦点円錐配列状態(Focal Conic State)と平面配列状態(Planar State)との二つの安定状態があるため、双安定特性を有する。すなわち、コレステリック液晶は外界から余分なエネルギーを必要とせずに本来の液晶分子配列状態を維持することができる。電圧を印加すると、コレステリック液晶の分子配列状態を焦点円錐配列状態と平面配列状態の二つの安定状態に切り替えるように制御することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコレステリック液晶パネルは、その下に黒色吸収層が設けられ、液晶がフォーカルコニック(光線透過モード)になると黒色になる。従来のコレステリック液晶パネルは、いまでも外部電源によって制限される。
【0005】
したがって、本発明の主な目的は、上記の問題を解決するためのコレステリック液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、従来の黒色吸収層の代わりに太陽電池の黒色材質を用いて、光を吸収するだけでなく、自己給電で画面を表示させることができるコレステリック液晶表示装置を提供する。また、遮蔽層を介して金属回路パターン層を遮蔽することにより、パネルの画質を確保することができる。
【0007】
本発明の一実施形態は、上述の利点の少なくとも1つまたは他の利点を達成するために、コレステリック液晶表示装置を提案する。コレステリック液晶表示装置は、下から順に積層された太陽電池、第1基板、遮蔽層、第1電極層、コレステリック液晶層、第2電極層、および第2基板を備える。
【0008】
太陽電池は、金属回路パターン層を含む。遮蔽層は、第1基板と第1電極層との間に配置され、金属回路パターン層の光に対する反射を低減するため、金属回路パターン層の上方に対応する。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記コレステリック液晶表示装置は、前記遮蔽層の空隙領域に充填され、前記第1基板と前記第1電極層との間に位置する平坦層をさらに備える。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記平坦層の厚さは、前記遮蔽層の厚さ以上である。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記コレステリック液晶表示装置は、アクティブ駆動方式を用いて電圧を駆動する。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記コレステリック液晶表示装置は、パッシブ駆動方式を用いて電圧を駆動する。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記遮蔽層は、黒色材質で作られる。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記遮蔽層は、黒い遮蔽構造である。
【0015】
したがって、本発明が提供するコレステリック液晶表示装置は、従来の黒色吸収層の代わりに太陽電池の黒色材質を用いて、光を吸収するだけでなく、自己給電で画面を表示させることを実現し、自給自足の表示システムを形成することができる。また、遮蔽層を介して金属回路パターン層を遮蔽する設置により、コレステリック液晶表示装置の画質を確保することができる。さらに、遮蔽層を第1基板と第1電極層との間に設置することは、太陽電池と第1基板との間に設置することに比べて、全体的な製造プロセスにとっても有益であり、生産コストを低減することができる。
【0016】
上記の説明は、本発明の技術的解決策の概要に過ぎない。本発明の技術的手段をより明確に理解し、本明細書の内容に従って実施できるようにするため、また、本発明の上記およびその他の目的、特徴、利点をより明確にするために、好ましい実施形態を図面と併せて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
含まれる図面は、明細書の一部として本願の実施形態のさらなる理解のために提供され、本願の実施態様の説明に使用され、書面による説明と合わせて本願の原理を説明する。明らかに、以下の説明の図面は、本出願のいくつかの実施形態にすぎない。当業者が創造的な労働なしにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】は、本発明のコレステリック液晶表示装置の概略構成図である。
図2】は、本発明のコレステリック液晶表示装置に設けられる平坦層の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、代表的なものにすぎず、本発明の例示的な実施形態を説明する目的で使用される。しかしながら、本発明は、多くの代替の形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0019】
本発明の説明において、“中心”、 “横方向”、“上”、“下”、“左”、“右”、“垂直”、“水平”、“頂”、“底”、“内”、“外”などの用語で示される向きまたは位置関係は、図面に示された向きまたは位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜と簡略化するためのものであって、言及される装置または構成要素が、特定の方向を有し、特定の方向で構築および操作されなければならいと示唆するものではなく、したがって、本発明を限定するものとして解釈すべきではない。また、“第1”及び“第2”という用語は目的の説明でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりするものとして理解してはならない。したがって、“第1”及び“第2”で定義された特徴は、これらの特徴のうちの1つまたは複数を明示的または暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明記しない限り、「複数」は2つ以上を意味する。 さらに、“含む”という用語およびその変形は、非排他的な包含を網羅することを意図する。
【0020】
本発明の説明において、“設置”、“連結”、および“接続”などの用語は、他に明確に指定および限定されない限り、広く解釈されるべきである。例えば、固定の接続、脱着可能の接続、一体化の接続、機械的接続、電機的接続、直接接続、間接的接続、二つの部品内部の接続など。当業者にとって、本発明における上記の用語の特定の意味は、具体的に理解することができる。
【0021】
本明細書に使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。明確に指示をしない限り、本明細書で使用される単数形“一個”および“一項”は複数形を含むことを意図している。また、本明細書に使用された“含む”および/または“含有”は、記述された特徴、整数、ステップ、操作、ユニットおよび/または部品の存在を規定するものであって、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、ユニット、部品および/またはその組み合わせの存在や追加を排除するものではない。
【0022】
図1を参照する。図1は、本発明のコレステリック液晶表示装置10の概略構成図である。本発明の一実施形態は、上述の利点の少なくとも1つまたは他の利点を達成するために、コレステリック液晶表示装置10を提供する。図式に示されたように、コレステリック液晶表示装置10は、下から順に積層された太陽電池14、第1基板12、遮蔽層16、第1電極層18、コレステリック液晶層20、第2電極層22、および第2基板24を備える。
【0023】
第1基板12および第2基板24は、例えばガラス基板などの透明基板である。第1電極層18および第2電極層22は、コレステリック液晶層20に電圧を印加し、コレステリック液晶層20内のコレステリック液晶分子の配列を回転させるために用いられる。
【0024】
太陽電池14は、アモルファスシリコン(a-Si)や結晶シリコン、有機薄膜などで形成されており、その表面には従来の黒色吸収層の代わりに暗色の受光活性面、例えば黒色の受光活性面が形成されており、コレステリック液晶表示装置10に電力を供給して、自給自足の表示システムを形成することもできる。さらに、太陽電池14は、金属回路パターン層142を含み、金属回路パターン層142は、ソーラーシートから発生する電気エネルギーを出力端子に集めるために使用される。
【0025】
遮蔽層16は、金属回路パターン層142の光に対する反射を低減するために、第1基板12と第1電極層18との間に設けられ、金属回路パターン層142の上方に対応する。金属回路パターン層142は、光が第2基板24の外側に反射し、コレステリック液晶表示装置10の画質に影響を与えることを防止する。一実施形態では、遮蔽層16は黒色材質で作られ、例えば、遮蔽層16は黒色の遮蔽構造であってもよい。一実施形態では、遮蔽層16のサイズは金属回路パターン層142のサイズよりも大きく、金属回路パターン層142を完全に覆い、コレステリック液晶表示装置10の画質をさらに保証する。一実施形態では、遮蔽層16は、太陽電池14の色と一致するように、塗料遮蔽技術によって金属回路パターン層142上に塗料を堆積して形成することができる。
【0026】
本発明の一実施形態において、コレステリック液晶表示装置10は、アクティブ駆動方式を用いて電圧を駆動することができ、パッシブ駆動方式を用いて電圧を駆動することもできる。
【0027】
本発明の一実施形態において、太陽電池14および第1基板12は、全体の厚さを減らし、コストを節約するために、同じ基板を共用することができる。
【0028】
本発明の一実施形態において、図2に示すように、コレステリック液晶表示装置10は、平坦層26をさらに備えることができる。平坦層26は、遮蔽層16の空隙領域に充填され、第1基板12と第1電極層18との間に位置し、第1基板12と第1電極層18との間の空白部分を埋め、全体構造強度を向上させる。また、遮蔽層16および平坦層26の上に第1電極層18を形成するにも有利である。好ましくは、平坦層26の上面は、遮蔽層16の上面と面一であり、平坦層26の厚さは、遮蔽層16の厚さ以上である。遮蔽層16の材料は、例えば、ブラックレジスト(Black resist)、エポキシ樹脂(Epoxy)、アクリル樹脂(Acrylic)などの黒色不透明材料とすることができ、平坦層26の材料は、例えば、透明レジスト(transparentResist)、エポキシ樹脂(Epoxy)、アクリル樹脂(Acrylic)などの光透過性材料とすることができる。
【0029】
なお、太陽電池14の金属回路パターン層142は、横縦交差または一方向に並んで分布し、間隔があるため、金属回路パターン層142の上方に対応する遮蔽層16は、第1基板12の全面ではなく、金属回路パターン層142のみを覆う。故に遮蔽層16との間には一定の空隙領域が存在する。
【0030】
要約すると、本発明が提供しするコレステリック液晶表示装置10は、従来の黒色吸収層の代わりに太陽電池14の黒色材質を用いて、光を吸収するだけでなく、自己給電で画面を表示させることを実現し、自給自足の表示システムを形成することができる。また、遮蔽層16を介して金属回路パターン層を遮蔽する設置により、金属回路パターン層142の金属反射効果を回避し、コレステリック液晶表示装置10の画質を確保することができる。
【0031】
さらに、遮蔽層16を第1基板12と第1電極層18との間に設置することは、太陽電池14と第1基板12との間に設置することに比べて、全体的な製造プロセスにとっても有益であり、生産コストを低減することができる。
【0032】
上記の好ましい実施形態は、本発明の特徴および精神をより明確に説明されるためのものであって、本発明はこれらの実施形態によって何ら限定されるものではない。その目的は、本発明の特許出願の範囲内での様々な変更を網羅することである。
【符号の説明】
【0033】
10:コレステリック液晶表示装置
12:第1基板
14:太陽電池
142:金属回路パターン層
16:遮蔽層
18:第1電極層
20:コレステリック液晶層
22:第2電極層
24:第2基板
26:平坦層


図1
図2