(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106348
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】バスケットカテーテルの電極のための機械的リテーナシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023006449
(22)【出願日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/301,142
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/066,049
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・マーク・オカルスキ
(72)【発明者】
【氏名】ケシャバ・ダッタ
(72)【発明者】
【氏名】アブバカール・バー
(72)【発明者】
【氏名】タン・グエン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK17
4C160KK24
4C160KK38
4C160KK49
4C160KK63
4C160KK64
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】本開示の技術は、近位端及び遠位端を有するチューブ状シャフトを備える医療用プローブを含み、チューブ状シャフトは長手方向軸に沿って延在する。医療用プローブは、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリを更に備える。バスケットアセンブリは、複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極がそれを通るルーメンを有する、複数の電極を含む。バスケットアセンブリは、長手方向軸に沿って延在し、拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張形態に移行するときに長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインを更に含む。各スパインは、近位端と、遠位端と、電極のルーメンを通過する支柱とを含む。支柱は、支柱上に配置され、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止する、機械的リテーナを含む。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を有し、長手方向軸に沿って延在するチューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリとを備え、前記拡張可能バスケットアセンブリが、
複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極がそれを通るルーメンを有する、複数の電極と、
前記長手方向軸に沿って延在し、前記拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張形態に移行するときに前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインとを備え、前記複数のスパインのうちの各スパインが、
近位端、
遠位端、及び
前記複数の電極のうちの電極の前記ルーメンを通過する支柱を備え、前記支柱が、前記支柱上に配置された機械的リテーナを備え、前記機械的リテーナが、前記電極が前記スパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止する、医療用プローブ。
【請求項2】
前記支柱の前記機械的リテーナが、前記支柱から外向きに延在し、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するリップを形成する1つ又は2つ以上の突出部を備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記支柱が、前記1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部を各々備える、第1の支柱と、第2の支柱とを備え、前記第1の支柱及び前記第2の支柱が、前記それぞれの突出部が前記電極の前記ルーメンを通って摺動することを可能にするために互いに向かって圧縮可能であるように構成されている、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が各々、前記1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部の対を備え、前記突出部の各対が、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを前記突出部の各対が防止するように、前記電極の第1の側に位置付けられた第1の突出部と、前記電極の第2の側に位置付けられた第2の突出部とを備える、請求項3に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記支柱の前記機械的リテーナが、前記支柱にばね付勢を形成する屈曲部を備え、前記ばね付勢が、前記支柱に前記電極との摩擦嵌合を形成させ、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止させる、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
前記屈曲部が、前記電極の第1の端部の近傍から前記電極の第2の端部の近傍まで延在し、前記支柱に前記電極の内面の第1の部分及び第2の部分に前記摩擦嵌合を形成させる、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記屈曲部が、前記電極の第1の端部を越えた第1の距離から前記電極の第2の端部を越えた第2の距離まで延在し、前記支柱に前記電極の内面及び前記電極の外縁に前記摩擦嵌合を形成させる、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
前記支柱が、それぞれの突出部を各々備える第1の支柱と第2の支柱とを備え、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が、前記それぞれの突出部が前記電極の前記ルーメンを通って摺動することを可能にするために互いに向かって圧縮可能であるように構成され、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が前記屈曲部を備える、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記支柱が、第1の支柱と、第2の支柱と、前記第1の支柱と前記第2の支柱との間に位置付けられた第3の支柱とを備え、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が各々、それぞれの突出部を備え、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が、前記それぞれの突出部が前記電極の前記ルーメンを通って摺動することを可能にするために互いに向かって圧縮可能であるように構成され、
前記第3の支柱が前記屈曲部を備える、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記複数のスパインのうちの前記スパインが、第1の電極と第2の電極とを備え、
前記支柱が、前記第1の電極と係合するように構成された第1の機械的リテーナと、前記第2の電極と係合するように構成された第2の機械的リテーナとを備え、前記第1の機械的リテーナ及び前記第2の機械的リテーナが、前記第1の機械的リテーナ及び前記第2の機械的リテーナがそれぞれ前記第1の電極及び前記第2の電極と係合したときに、前記第1の電極及び前記第2の電極が前記スパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記支柱の前記機械的リテーナが締まり嵌めを備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
前記支柱が、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンから成る群から選択される材料を備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
前記支柱がポリマーを備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
前記複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され、前記電気パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
灌注流体を前記複数の電極に送達するように構成されているスプレーポートを更に備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項16】
前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインと前記複数の電極のうちのそれぞれの電極との間に各々配置された複数の電気絶縁ジャケットを更に備え、それによって、前記複数のスパインから前記複数の電極を電気的に絶縁する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項17】
医療用プローブを作製する方法であって、
拡張可能バスケットアセンブリのスパインを前記拡張可能バスケットアセンブリの電極と位置合わせすることであって、前記スパインが、近位端と、遠位端と、機械的リテーナを有する支柱とを備える、位置合わせすることと、
前記スパインを前記電極のルーメン内に挿入することと、
前記電極が前記スパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように、前記機械的リテーナが前記電極と係合するまで前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むこととを含む、方法。
【請求項18】
前記支柱の前記機械的リテーナが、前記支柱から外向きに延在してリップを形成する1つ又は2つ以上の突出部を備え、
前記機械的リテーナが前記電極と係合するまで前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むことが、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように前記リップが位置付けられるまで、前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むことを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記支柱が、前記1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部を各々備える第1の支柱と第2の支柱とを備え、
前記機械的リテーナが前記電極と係合するまで前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むことが、前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込んで、前記第1の支柱及び前記第2の支柱を互いに向かって圧縮させ、前記それぞれの突出部が前記電極の前記ルーメンを通って摺動することを可能にすることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が各々、前記1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部の対を備え、前記突出部の各対が、第1の突出部と、第2の突出部とを備え、
前記機械的リテーナが前記電極と係合するまで前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むことが、前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込んで、前記第1の突出部を前記電極の第1の側に位置付けて、前記第2の突出部を前記電極の第2の側に位置付けて、前記突出部の対が、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年1月20日に出願された先願の米国特許仮出願第63/301,142号の、米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものであり、当該米国特許仮出願は、本明細書に完全に記載されるように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、医療デバイス、特に電極を有するカテーテルに関し、更に、心臓組織の不可逆エレクトロポレーション(IRE)を誘発するための使用に好適なカテーテルに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation:AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝達するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することがある。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する。RFアブレーションは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得る、熱加熱に関連する特定のリスクを有することができる。
【0005】
冷凍アブレーションは、一般にRFアブレーションに関連する熱リスクを低減するRFアブレーションの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気的アブレーションデバイスによって達成される可能性がある特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0006】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆エレクトロポレーション(IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号及び同第2021/0186604(A1)号に開示されており、これらの各々は、参照によりその全体が、あたかも完全に記載されているかのように本出願に組み込まれ、優先権出願の米国特許出願第63/301,142号の付録に添付されている。
【0007】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。しかしながら、スパイン及び電極のサイズが小さいことに起因して、スパインに電極をはんだ付け、溶接、又は接着することは困難な作業であり得、製造時間及びコストを増加させ、不適切な結合又は位置ずれに起因して電極が機能しなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、必要とされているのは、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することを必要とせずに、電極をバスケットアセンブリのスパインに取り付けるシステム及び方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、電極が配置された複数のスパインを含む医療用プローブが提供される。医療用プローブのスパインは各々、機械的リテーナを有する支柱を含み、電極は各々、それを通るルーメンを含む。支柱は、電極のルーメン内に挿入され得、支柱の機械的リテーナは、電極と係合し、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することができる。このようにして、本開示の技術は、はんだ、溶接、又は接着剤を必要とせずに、電極をスパインに固定するために使用することができる。
【0010】
本開示の技術は、近位端及び遠位端を有するチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリとを含む医療用プローブを含む。チューブ状シャフトは、長手方向軸に沿って延在することができる。
【0011】
拡張可能バスケットアセンブリは、複数の電極を含み得る。各電極は、それを通るルーメンを含み得る。拡張可能バスケットアセンブリは、長手方向軸に沿って延在し、拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張形態に移行されるときに長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインを更に含み得る。
【0012】
複数のスパインのうちの各スパインは、近位端と、遠位端と、複数の電極のうちの1つの電極のルーメンを通過する支柱とを含み得る。支柱は、支柱上に配置される機械的リテーナを含み得、機械的リテーナは、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することができる。
【0013】
支柱の機械的リテーナは、支柱から外向きに延在し、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するリップを形成する1つ又は2つ以上の突出部を含み得る。支柱は、第1の支柱と第2の支柱とを含み得、各支柱は、1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部を含む。第1の支柱及び第2の支柱は、それぞれの突出部が電極のルーメンを通って摺動することを可能にするように、互いに向かって圧縮可能であるように構成され得る。第1の支柱及び第2の支柱は各々、1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部の対を含み得る。突出部の各対は、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを突出部の各対が防止するように、電極の第1の側に位置付けられる第1の突出部と、電極の第2の側に位置付けられる第2の突出部とを含み得る。
【0014】
支柱の機械的リテーナは、支柱に電極との摩擦嵌合を形成させ、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように、支柱にばね付勢を形成する屈曲部を含み得る。屈曲部は、電極の第1の端部の近傍から電極の第2の端部の近傍まで延在し、支柱に電極の内面の第1の部分及び第2の部分に摩擦嵌合を形成させることができる。代替的に、屈曲部は、電極の第1の端部を越えた第1の距離から電極の第2の端部を越えた第2の距離まで延在し、支柱に電極の内面及び電極の外縁に摩擦嵌合を形成させることができる。
【0015】
支柱は、各々がそれぞれの突出部を含む第1の支柱と第2の支柱とを含み得る。第1の支柱及び第2の支柱は、それぞれの突出部が電極のルーメンを通って摺動することを可能にするように、互いに向かって圧縮可能であるように構成され得る。第1の支柱及び第2の支柱は、屈曲部を更に含み得る。
【0016】
支柱は、第1の支柱と、第2の支柱と、第1の支柱と第2の支柱との間に位置付けられた第3の支柱とを含み得る。第1の支柱及び第2の支柱は各々、それぞれの突出部を含み得、それぞれの突出部が電極のルーメンを通って摺動することを可能にするように互いに向かって圧縮可能であり得、第3の支柱は屈曲部を含み得る。
【0017】
複数のスパインのうちのスパインは、第1の電極と第2の電極とを含み得、支柱は、第1の電極と係合するように構成された第1の機械的リテーナと、第2の電極と係合するように構成された第2の機械的リテーナとを含み得る。第1の機械的リテーナ及び第2の機械的リテーナは、第1の機械的リテーナ及び第2の機械的リテーナがそれぞれ第1の電極及び第2の電極と係合するときに、第1の電極及び第2の電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように構成され得る。
【0018】
支柱の機械的リテーナ(単数又は複数)は、締まり嵌めを含み得る。
【0019】
医療用プローブは、ワイヤを更に含み得、ルーメンは、医療用プローブのワイヤを受容するように構成されたレリーフを含み得る。ワイヤは、支柱から絶縁され、電極に電気的に接続され得る。ワイヤの少なくとも一部は、第1の導電率を有する導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を有する導電性カバー材料とを含み得る。導電性カバー材料は、導電性コア材料を取り囲むことができる。ワイヤはまた、導電性カバー材料を取り囲む絶縁ジャケットを含み得る。ワイヤの少なくとも一部は、複数のストランドと、複数のストランドを取り囲む絶縁ジャケットとを含み得る。複数のストランドの各ストランドは、第1の導電率を有する導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を有する導電性カバー材料とを含み得る。導電性カバー材料は、導電性コア材料を取り囲むことができる。
【0020】
支柱は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンから成る群から選択される材料を含み得る。代替的に、又は加えて、支柱は、ポリマーを含み得る。
【0021】
電極は、リング型電極、バルジング型電極、又は矩形電極を含み得る。複数の電極は、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され得、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する。
【0022】
複数のスパインは、拡張形態にあるときに、略球状形状のバスケットアセンブリ又は略扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0023】
医療用プローブは、灌注流体を複数の電極に送達するように構成され得るスプレーポートを更に含み得る。
【0024】
医療用プローブは、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインと複数の電極のうちのそれぞれの電極との間に各々配置され、それによって複数のスパインから複数の電極を電気的に絶縁する複数の電気絶縁ジャケットを更に含み得る。複数の電気絶縁ジャケットのうちの電気絶縁ジャケットの各々は、第1のルーメンと第2のルーメンとを含み得る。第1のルーメンは、第1のワイヤを受容するように構成され得、第2のルーメンは、それぞれのスパインを受容するように構成され得る。更に、各電気絶縁ジャケットの断面形状は、実質的に台形形状を含み得る。
【0025】
本開示の技術は、医療用プローブを作製する方法を更に含み得る。本方法は、拡張可能バスケットアセンブリのスパインを拡張可能バスケットアセンブリの電極と位置合わせすることを含み得る。スパインは、近位端と、遠位端と、機械的リテーナを有する支柱とを有することができる。本方法は、スパインを電極のルーメン内に挿入することと、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように、機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むこととを更に含み得る。
【0026】
支柱の機械的リテーナは、支柱から外向きに延在してリップを形成する1つ又は2つ以上の突出部を含み得る。更に、機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことは、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するようにリップが位置付けられるまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことを含み得る。
【0027】
支柱は、第1の支柱と第2の支柱とを含み得、各支柱は、1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部を含む。機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことは、スパインを電極のルーメン内に押し込んで、第1の支柱及び第2の支柱を互いに向かって圧縮させ、それぞれの突出部が電極のルーメンを通って摺動することを可能にすることを含み得る。
【0028】
第1の支柱及び第2の支柱は各々、1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部の対を含み得、突出部の各対は、第1の突出部及び第2の突出部を含む。更に、機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことは、スパインを電極のルーメン内に押し込んで、第1の突出部を電極の第1の側に位置付けて、第2の突出部を電極の第2の側に位置付けて、突出部の対が、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することを含む。
【0029】
支柱の機械的リテーナは、支柱にばね付勢を形成する屈曲部を含み得る。ばね付勢は、支柱に電極との摩擦嵌合を形成させ、電極がスパインの長さに沿って摺動することを防止することができる。機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことは、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように屈曲部が位置付けられるまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことを含み得る。
【0030】
本方法は、支柱に電極の内面の第1の部分及び第2の部分に摩擦嵌合を形成させるように、電極の第1の端部の近傍から電極の第2の端部の近傍まで延在するように屈曲部を位置付けることを更に含み得る。
【0031】
本方法は、電極の第1の端部を越えた第1の距離から電極の第2の端部を越えた第2の距離まで延在するように屈曲部を位置付けて、支柱に電極の内面及び電極の外縁に摩擦嵌合を形成させることを更に含み得る。
【0032】
スパインは、第1の電極及び第2の電極を含み得、機械的リテーナは、第1の機械的リテーナ及び第2の機械的リテーナを含む。本方法は更に、拡張可能バスケットアセンブリのスパインを第1の電極及び第2の電極と位置合わせすることと、スパインを第1の電極のルーメン及び第2の電極のルーメン内に挿入することと、第1の電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように、第1の機械的リテーナが第1の電極と係合するまでスパインを第1の電極のルーメン内に押し込むことと、第2の電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように、第2の機械的リテーナが第2の電極と係合するまでスパインを第2の電極のルーメン内に押し込むこととを含み得る。
【0033】
本方法は、締まり嵌めによって機械的リテーナを電極に固定することを更に含み得る。
【0034】
ルーメンは、医療用プローブのワイヤを受容するように構成されたレリーフを含み得る。ワイヤは、支柱から絶縁され、電極に電気的に接続され得る。
【0035】
ワイヤの少なくとも一部は、第1の導電率を有する導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を有する導電性カバー材料とを含み得る。導電性カバー材料は、導電性コア材料を取り囲むことができる。ワイヤは、導電性カバー材料を取り囲む絶縁ジャケットを更に含み得る。
【0036】
ワイヤの少なくとも一部は、複数のストランドと、複数のストランドを取り囲む絶縁ジャケットとを含み得る。複数のストランドの各ストランドはそれぞれ、第1の導電率を有する導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を有する導電性カバー材料とを含み得る。導電性カバー材料は、導電性コア材料を取り囲むことができる。
【0037】
支柱は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンから成る群から選択される材料を含み得る。代替的に、又は加えて、支柱は、ポリマーを含み得る。
【0038】
電極は、リング型電極、バルジング型電極、又は矩形電極を含み得る。本方法は、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように電極を構成することを更に含み得、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する。
【0039】
本方法は、複数のスパインを、略球状形状のバスケットアセンブリ又は扁球形状のバスケットアセンブリを形成するように構成することを更に含み得る。
【0040】
本方法は、灌注流体を電極に送達するようにスプレーポートを構成することを更に含み得る。
【0041】
本方法は、複数のスパインのうちの各スパインを電気絶縁ジャケットの第1のルーメンを通して位置付けることと、ワイヤを電気絶縁ジャケットの第2のルーメンを通して位置付けることと、電極を電気絶縁ジャケットの上に配置することと、第2のルーメンと電極との間に通路を提供する電気絶縁ジャケット内の開口部を通してワイヤを電極に電気的に接続することとを含み得る。電気絶縁ジャケットの断面形状は、実質的に台形形状を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明の一実施形態による、医療用プローブを含み、医療用プローブの遠位端が電極を有するバスケットアセンブリを含む、医療用システムの概略描画図である。
【
図2A】本発明の一実施形態による、拡張形態の医療用プローブの斜視図を示す概略描画図である。
【
図2B】本開示の技術による、折り畳まれた形態の医療用プローブの側面図を示す概略描画図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による、スパインがチューブ状シャフトとともに組み立てられ得る方法を示す、バスケットアセンブリのチューブ状シャフト及びスパインの分解図を示す概略描画図である。
【
図3B】本発明の一実施形態による、スパインがチューブ状シャフトとともに組み立てられ得る方法を示す、バスケットアセンブリのチューブ状シャフト及びスパインの分解図を示す概略描画図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による、電極の斜視図を示す概略描画図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による、電極の斜視図を示す概略描画図である。
【
図4C】本発明の一実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視図を示す概略描画図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図5B】本発明の一実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図5C】本発明の一実施形態による、
図5Bの線A-Aに沿った電極及び支柱の断面図を示す概略描画図である。
【
図6A】本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図6B】本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図6C】本発明の一実施形態による、
図6Bの線B-Bに沿った電極及び支柱の断面図を示す概略描画図である。
【
図7A】本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図7B】本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図7C】本発明の別の実施形態による、
図7Aの線C-Cに沿った電極及び支柱の断面図を示す概略描画図である。
【
図8A】本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図8B】本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図8C】本発明の別の実施形態による、
図8Aの線D-Dに沿った電極及び支柱の断面図を示す概略描画図である。
【
図9A】本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図9B】本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブの電極及び支柱の斜視詳細図を示す概略描画図である。
【
図9C】本発明の別の実施形態による、
図9Aの線E-Eに沿った電極及び支柱の断面図を示す概略描画図である。
【
図9D】本発明の別の実施形態による、
図9Bの線F-Fに沿った電極及び支柱の断面図を示す概略描画図である。
【
図10A】本発明の様々な実施形態による、所与の医療デバイスの様々な電極を示す概略描画図である。
【
図10B】本発明の様々な実施形態による、所与の医療デバイスの様々な電極を示す概略描画図である。
【
図10C】本発明の様々な実施形態による、所与の医療デバイスの様々な電極を示す概略描画図である。
【
図10D】本発明の様々な実施形態による、所与の医療デバイスの様々な電極を示す概略描画図である。
【
図10E】本発明の様々な実施形態による、所与の医療デバイスの様々な電極を示す概略描画図である。
【
図10F】本発明の様々な実施形態による、所与の医療デバイスの様々な電極を示す概略描画図である。
【
図11A】本発明の実施形態による、所与の医療デバイスの様々な絶縁ジャケットを示す概略描画図である。
【
図11B】本発明の実施形態による、所与の医療デバイスの様々な絶縁ジャケットを示す概略描画図である。
【
図12A】本発明の実施形態による、所与の医療デバイスのスパインの側面図を示す概略描画図である。
【
図12B】本発明の実施形態による、所与の医療デバイスのスパインの側面図を示す概略描画図である。
【
図13A】本発明の一実施形態による、医療用プローブの所与のワイヤの断面図を示す概略描画図である。
【
図13B】本発明の一実施形態による、医療用プローブの所与のワイヤの断面図を示す概略描画図である。
【
図14】本発明の一実施形態による、バスケットアセンブリを製造する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。この説明は、当業者が本発明を製造及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0044】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、記載された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指してもよい。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験体」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。同様に、「近位」という用語は、作業者に近い方の位置を示す一方、「遠位部」は、作業者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0045】
本明細書で述べる「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であってよい。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、種々のあらゆる該当する種類のものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。被験者は、例えば、あらゆる該当するヒト患者でよいことを理解するべきである。
【0046】
本明細書で論じられるように、「作業者」は、医師、外科医、技術者、科学者、又は被験体への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達に関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0047】
本明細書で論じられるように、用語「アブレーションする」又は「アブレーション」は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(PEF)及びパルス場アブレーション(PFA)と互換的に称される、不可逆エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成される、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0048】
本明細書で論じられるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けられた2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を有する1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を有する第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0049】
本明細書で論じられるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称される)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称される)を有する電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを有する電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への適用を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に記載されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分中に本質的に一定の電圧振幅を有する正方形形状を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0050】
本明細書で論じられるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外面を有してもよい。
【0051】
本明細書で使用される「温度定格」という用語は、構成要素が、構成要素の溶融又は熱劣化(例えば、炭化及び崩壊)などの熱損傷を引き起こすことなく、その寿命の間に耐えることができる最大連続温度として定義される。
【0052】
本開示は、心臓不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションのためのシステム、方法、又は使用及びデバイスに関する。アブレーションエネルギーは、通常、アブレーションするべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができるカテーテルの先端部分によって心臓組織に供給される。いくつかの例示的カテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からアブレーションエネルギーを供給するように構成される。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化され得る。
【0053】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。RFアプローチは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得るリスクを有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションに関連するいくらかの熱リスクを低減することができるRFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気的アブレーションデバイスによって達成される可能性がある特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0054】
RFアブレーション及び冷凍アブレーションは、局所組織壊死を誘発するための熱エネルギー伝達に基づくが、本開示の解決策は、本開示全体を通して、パルス電界(PEF)アブレーション及びパルス場アブレーション(PFA)と互換的に称される不可逆エレクトロポレーション(IRE)を利用することによって、これら及び他の問題を解決する。本開示で論じられるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療領域において熱を生成し、治療領域内のすべての細胞を無差別に加熱する。IREはしたがって、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで知られている起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスが利用され得る。
【0055】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的な(reversable)(一時的な)又は不可逆的な(永久的な)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を適用することによって誘発され得る。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、ホメオスタシスの喪失に起因して死滅し、典型的にはアポトーシスによって死亡する。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞はおよそ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0056】
本開示の解決策は、心筋組織の近傍に位置付けられたカテーテル電極から電気信号を印加して、心筋組織にエレクトロポレーションを誘発するのに有効なパルス電界を生成するためのシステム及び方法を含む。本システム及び方法は、不可逆エレクトロポレーションを誘発することによって標的組織をアブレーションするのに有効であり得る。いくつかの例では、本システム及び方法は、診断処置の一部として可逆エレクトロポレーションを誘発するのに有効であり得る。可逆的電気穿孔は、細胞が修復することを可能にする、電極で印加された電気が標的組織の電界閾値を下回るときに行われる。可逆エレクトロポレーションは細胞を死滅させないが、医師が、標的位置の近傍で電気活性化信号に対する可逆エレクトロポレーションの効果を見ることを可能にする。可逆エレクトロポレーションのための例示的なシステム及び方法は、米国特許出願公開第2021/0162210号に開示されており、参照によりその全体が、あたかも完全に記載されているかのように本出願に組み込まれ、優先権出願の米国特許出願第63/301,142号の付録に添付されている。
【0057】
パルス電界、並びに可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを誘発するパルス電界の有効性は、システムの物理パラメータ及び電気信号の二相性パルスパラメータによって影響を受け得る。物理パラメータは、電極接触面積、電極間隔、電極幾何形状などを含み得、本明細書に提示される例は、概して、可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを有効に誘発するように適合される物理パラメータを含む。電気信号の二相性パルスパラメータは、電圧振幅、パルス持続時間、パルス相間遅延、パルス間遅延、総印加時間、送達エネルギーなどを含み得る。いくつかの例では、電気信号のパラメータは、同じ物理パラメータが与えられると、可逆エレクトロポレーション及び不可逆エレクトロポレーションの両方を誘発するように調整することができる。IREを含むアブレーションの様々なシステム及び方法の例は、米国特許公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号及び同第2021/0186604(A1)号に提示されており、これらの各々は、参照によりその全体が、あたかも完全に記載されているかのように本出願に組み込まれ、優先権出願の米国特許出願第63/301,142号の付録に添付されている。
【0058】
IRE(不可逆エレクトロポレーション)処置でパルス場アブレーション(PFA)を送達するために、電極は、アブレーションされる組織と十分に大きな表面積で接触しなければならない。以下に説明するように、医療用プローブは、近位端及び遠位端を有する可撓性チューブ状シャフトと、可撓性チューブ状シャフトの遠位端にあるバスケットアセンブリとを含む。バスケットアセンブリは、少なくとも1つのスパインと、複数の電極とを含み、各所与の電極は、それを通る所与のスパインに嵌合するルーメンを有する。
【0059】
図1は、本発明の一実施形態による、医療用プローブ22と、制御コンソール24とを含む医療用システム20の概略描画図である。医療用システム20は、例えば、Biosense Webster Inc.(31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されたCARTO(登録商標)システムに基づいてもよい。以下に説明する実施形態では、医療用プローブ22は、患者28の心臓26においてアブレーション処置を実行するためなど、診断的処置又は治療的処置のために使用することができる。代替的に、医療用プローブ22は、必要な変更を加えて、心臓又は他の身体器官における他の治療目的及び/又は診断目的に使用されてもよい。
【0060】
医療用プローブ22は、可撓性チューブ状シャフト30と、チューブ状シャフトの近位端に結合されたハンドル32とを含む。医療処置の間、医療専門家34は、医療用プローブの遠位端36が心臓26の室などの体腔に入るように、患者28の血管系を通してプローブ22を挿入することができる。遠位端36が心臓26の室に入ると、医療専門家34は、遠位端36に固定されたバスケットアセンブリ38を展開することができる。バスケットアセンブリ38は、以下
図2A及び
図2Bを参照する説明に記載されているように、複数のスパインに取り付けられた複数の電極40を含み得る。不可逆エレクトロポレーション(IRE)アブレーションなどの医療処置の実行を開始するために、医療専門家34は、電極40が所望の位置(単数又は複数)で心臓組織に係合するように、ハンドル32を操作して遠位端36を位置決めすることができる。電極40が心臓組織に係合し得るように遠位端36を位置付けると、医療専門家34は、電気パルスが電極40によって送達されてIREアブレーションを実行するように、医療用プローブ22を作動させることができる。
【0061】
図1に示される構成では、制御コンソール24は、ケーブル42によって体表面電極に接続され、体表面電極は典型的には、患者28に取り付けられている接着性皮膚パッチ44を含む。制御コンソール24は、追跡モジュール48とともに、心臓26内の遠位端36の位置座標を決定するプロセッサ46を含む。位置座標は、生成された磁場が存在するときにカテーテルの遠位部分から提供される電磁位置センサ出力信号に基づいて決定することができる。位置座標は、追加的又は代替的に、接着性皮膚パッチ44とバスケットアセンブリ38に取り付けられた電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づくことができる。医療処置中に位置センサとして使用されることに加えて、電極40は、心臓内の組織をアブレーションするなど、他のタスクを実行することができる。
【0062】
これまで述べたように、追跡モジュール48とともに、プロセッサ46は、接着性皮膚パッチ44と電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26内の遠位端36の位置座標を決定してもよい。このような決定は、典型的には、インピーダンス又は電流を遠位端の既知の位置に関連付ける較正プロセスが実行された後に行われる。本明細書に提示された実施形態は、心臓26内の組織にIREアブレーションエネルギーを送達するように(も)構成された電極40を説明するが、任意の体腔内の組織に任意の他のタイプのアブレーションエネルギーを送達するように電極40を構成することは、本発明の趣旨及び範囲内であるとみなされる。更に、IREアブレーションエネルギーを心臓26内の組織に送達するように構成された電極40であるという文脈で説明されているが、当業者は、本開示の技術が、患者28の身体の器官又は他の部分の様々な性質をマッピング及び/又は決定するために使用される電極に適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0063】
プロセッサ46は、典型的にはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として構成されたリアルタイムノイズ低減回路50と、それに続くアナログ-デジタル(A/D)信号変換集積回路52とを含んでもよい。プロセッサは、1つ又は2つ以上のアルゴリズムを実行するようにプログラムすることができ、医療専門家34がIREアブレーション処置を実行することを可能にするために、回路50及び回路52並びにモジュールの特徴を使用する。
【0064】
制御コンソール24はまた、制御コンソール24が電極40及び接着性皮膚パッチ44から信号を転送し、且つ/又はそれらに信号を転送することを可能にする入出力(I/O)通信インタフェース54を含む。
図1に示される構成では、制御コンソール24は、IREアブレーションモジュール56とスイッチングモジュール58とを更に含む。
【0065】
IREアブレーションモジュール56は、数十キロワットの範囲のピーク電力を有するIREパルスを生成するように構成される。いくつかの例では、電極40は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成される。医療用システム20は、IREパルスを電極40に送達することによってIREアブレーションを実行する。好ましくは、医療用システム20は、スパイン上の電極40間に二相性パルスを送達する。追加的又は代替的に、医療用システム20は、電極40のうちの少なくとも1つと皮膚パッチとの間に単相性パルスを送達する。
【0066】
システム20は、チューブ状シャフト30内のチャネル(不図示)を介して遠位端36に灌注流体(例えば、生理食塩水)を供給してもよい。制御コンソール24は、灌注流体の圧力及び温度などの灌注パラメータを監視及び制御するための灌注モジュール60を含む。
【0067】
電極40及び/又は接着性皮膚パッチ44から受信した信号に基づいて、プロセッサ46は、患者の体内における遠位端36の位置を示す電気解剖学的マップ62を生成することができる。処置中、プロセッサ46は、ディスプレイ64上でマップ62を医療専門家34に提示し、電気解剖学的マップを表すデータをメモリ66に記憶することができる。メモリ66は、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、医療専門家34は、1つ又は2つ以上の入力デバイス68を使用して、マップ62を操作することができる。代替的な実施形態では、ディスプレイ64は、マップ62を提示することに加えて、医療専門家34からの入力を受け入れるように構成され得るタッチスクリーンを含んでもよい。
【0069】
図2Aは、チューブ状シャフト30の遠位端36においてチューブ状シャフトルーメン80から前進させられることなどによって拘束されていないときの拡張形態のバスケットアセンブリ38を有する医療用プローブ22の斜視図を示す概略描画図である。
図2Bは、チューブ状シャフト30内で折り畳まれた形態のバスケットアセンブリを示す。拡張形態(
図2A)では、スパイン214は、半径方向外向きに曲がり、折り畳まれた形態(
図2B)では、スパインは、チューブ状シャフト30の長手方向軸86に概ね沿って配置される。
【0070】
図2Aに示されるように、バスケットアセンブリ38は、チューブ状シャフト84の端部に形成され、両端で接続された複数の可撓性スパイン214を含む。医療処置中、医療専門家34は、チューブ状シャフト84をチューブ状シャフト30から延在させてバスケットアセンブリ38をチューブ状シャフトから出して拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ38を展開することができる。スパイン214は、楕円形(例えば、円形)又は(平坦に見えることがある)矩形の断面を有してもよく、本明細書でより詳細に説明されるように、支柱を形成する可撓性弾性材料(例えば、ニチノールとしても知られるニッケル-チタンなどの形状記憶合金)を含んでもよい。
【0071】
本明細書に記載の実施形態では、電極40は、アブレーションエネルギー(RF及び/又はIRE)を心臓26内の組織に送達するように構成され得る。電極40を使用してアブレーションエネルギーを送達することに加えて、電極を使用して、バスケットアセンブリ38の位置を判定すること、及び/又は心臓26内の組織上のそれぞれの位置での局所表面電位などの生理学的特性を測定することができる。電極40は、電極40の大部分がバスケットアセンブリ39から外向きに向くように付勢することができ、電極40は、バスケットカテーテル38に向かって内向きよりもバスケットアセンブリ38から離れて外向きに(すなわち、心臓26の組織に向かって)大量の電気エネルギーを送達する。
【0072】
電極40を形成するのに理想的に適した材料の例には、金、白金、及びパラジウム(及びそれらのそれぞれの合金)を含む。これらの材料はまた、非常に高い熱伝導率を有し、これにより、組織上で生成された(すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる)最小限の熱が、電極を通って電極の裏側(すなわち、スパインの内側にある電極の部分)に、次に心臓26内の血液プールに伝導されることが可能になる。
【0073】
バスケットアセンブリ38は、遠位端94を有し、シャフト84の遠位端36からバスケットアセンブリ38の遠位端94に向かって長手方向に延在するステム96を含む。上述したように、制御コンソール24は、灌注流体を遠位端36に送達する灌注モジュール60を含む。ステム96は、複数のスプレーポート98を含み、各所与のスプレーポート98は、所与の電極40又は心臓26内の組織のいずれかに灌注流体の送達を向けるように角度を付けることができる。
【0074】
電極40は灌注流体を送達するスプレーポートを含まないので、これまで述べた構成は、組織から(すなわち、アブレーション処置中に)スパイン214の内側の電極40の部分に熱を伝達することを可能にし、電極40は、スプレーポート98を介して、スパイン214の内側の電極40の部分に灌注流体を向けることによって冷却され得る。
【0075】
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態による、スパイン214がチューブ状シャフト84とともに組み立てられ得る方法の一例を提供するための、バスケットアセンブリ38のチューブ状シャフト84及びスパイン214の分解図を示す概略描画図である。
図3Aに示されるように、スパイン214は、スパインアセンブリ210を形成することができる。スパイン214は、平面材料の単一シートから形成されて、略星形を形成することができる。換言すれば、スパイン214は、スパイン214が中央交差部211に向かって収束するように、平面材料の単一シートから形成することができる。交差部211は、(
図3Aに示されるように)材料の固体片であり得、又は(
図3Bに示されるように)1つ又は2つ以上の開口部を含み得る。
【0076】
スパイン214は、
図3Bに示されるように、スパイン214の近位端216がチューブ状シャフト84の遠位端85内に挿入され得るように、折り畳まれるか、又は別様に曲げられ得る。
図3A及び
図3Bには示されていないが、スパインがチューブ状シャフト84内に挿入されてバスケットアセンブリ38を形成する前に、電極40をスパイン214に取り付けることができることが理解されよう。先に述べたように、スパイン214は、バスケットアセンブリ38がチューブ状シャフト30から展開されるときに、バスケットアセンブリ38が(
図2Bに示されるように)その折り畳まれた形態から(
図2Aに示されるように)その拡張形態に移行することを可能にすることができる可撓性弾性材料(例えば、ニチノールとしても知られるニッケル-チタンなどの形状記憶合金)を含み得る。本開示を通して明らかになるように、スパイン214は、電極40からスパイン214へのアーク放電を防止するように、電極40から電気的に絶縁され得る。
【0077】
本開示の利益を享受する当業者によって理解されるように、平面材料の単一シートから形成され、中央交差部で収束するスパイン214を有する、
図2A~
図3Bに示されるバスケットアセンブリ38は、単に例示目的のために提供され、本開示の技術は、バスケットアセンブリ38の他の構成に適用可能であり得る。例えば、本開示の技術は、単一のスパイン214又は複数のスパイン214から形成され、各スパイン214が両端に取り付けられたバスケットアセンブリ38に適用可能であり得る。他の例では、バスケットアセンブリ38は、バスケットアセンブリ38の遠位端94において複数のスパイン214を互いに接続する中央ハブを含み得る。更に他の例では、バスケットアセンブリ38は、螺旋を形成するように構成された単一のスパイン214、螺旋を形成するように構成された複数のスパイン214、1つ又は2つ以上の三脚を形成するように構成された複数のスパイン214、又はバスケットアセンブリ38の任意の他の形状を含み得る。したがって、
図2A~
図3Bは、バスケットアセンブリ38の特定の構成を示すが、本開示の技術は、そのように限定されると解釈されるべきではない。同様に、スパインアセンブリ210は、円柱中空ストック材料をレーザ切断することによって形成され得、それによって、レーザは、切断中に円柱ストックの長手方向軸を中心に回転する(及びそれに対して平行移動する)ように取り付けられる。
【0078】
図4A及び
図4Bは、電極40の斜視図を示す概略描画図であり、
図4Cは、本発明の一実施形態による、電極40及び所与の医療用プローブ22の支柱430の斜視図を示す概略描画図である。電極40は、電極40の第1の端部から第2の端部まで電極40を通って延在するルーメン70を含む。電極40は、電極40から外向きに向く外面74と、電極40に向かって内向きに向く内面76とを有することができ、ルーメン70は、電極40を通って形成される。ルーメン70は、
図4Cに示されるように、支柱430がルーメン70を通過することができるように、支柱430を受容するようなサイズ及び構成にすることができる。いくつかの例では、ルーメン70は、電極40の略長手方向に電極40を通過することができる。他の例では、ルーメン70は、電極40の略横方向に電極40を通過することができる。更に、ルーメン70は、特定の構成に応じて、電極40の底面により近く、上面により近く、又は電極40の中間により近く、電極40内に位置付けることができる。
【0079】
医療用プローブ22の支柱430を受容するようなサイズにされるルーメン70を含むことによって、本開示の技術は、電極40がスパイン214に固定され、自由になることを防止することを確実にすることができる。したがって、電極40が取り除かれたとしても、電極40は、ルーメン70を通過する支柱430の性質によってスパイン214に取り付けられたままである。
【0080】
ルーメン70は、電極40に凹部又は窪みを形成するレリーフ72を更に含み得る。レリーフ72は、電極40が制御コンソール24と電気的に通信することができるように、電極40のワイヤが電極40を通過するための空間を提供するようなサイズにすることができる。
【0081】
図5A及び
図5Bは、本発明の一実施形態による、所与の医療用プローブの電極40及び支柱430の斜視詳細図を示す概略描画図であり、
図5Cは、
図5Bの線A-Aに沿った電極40及び支柱430の断面図を示す概略描画図である。
【0082】
支柱430は、電極40が支柱430、最終的にはスパイン214の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することができる機械的リテーナを含み得る。いくつかの例では、スパイン214は、電極40が支柱430の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように、スパイン214と電極のルーメン70との間に締まり嵌めを形成するようなサイズにすることができる。他の実施例では、支柱は、電極40が支柱430の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することができる特徴を含み得る。例えば、
図5A~
図5Cに示されるように、機械的リテーナは、支柱430から外向きに延在する1つ又は2つ以上の突出部532を含み得る。突出部532は、1つの突出部532の外縁から対向する突出部532の外縁まで取られたときの支柱430の幅が支柱430の残りの部分の幅よりも大きく、且つルーメン70の幅よりも大きいように、支柱430から外向きに延在することができる。したがって、
図5A~
図5Cに示されるように、支柱430がルーメン内に挿入され、突出部532が電極40の近くに位置付けられると、電極40は突出部532を越えて摺動することができないので、電極40は、支柱430の長さに沿って近位又は遠位に摺動することが防止される。
【0083】
図4C及び
図5A~
図5Cに示されるように、支柱430は、第1の支柱431A及び第2の支柱431Bを形成する2つの半体を含み得る。第1の支柱及び第2の支柱431A、431Bは、互いから離間され得る。支柱430は可撓性弾性材料から作製されるので、支柱430は、第1の支柱及び第2の支柱431A、431Bが互いに向かって押されて、支柱430の幅を低減させることができるように構成され得る。このようにして、支柱430は、突出部532とともに、ルーメン70を通過するように構成され得る。例示すると、第1の支柱及び第2の支柱431A、431Bを互いに向かって押して支柱430の幅を低減させることによって、突出部532は、1つの突出部532の外縁から対向する突出部532の外縁まで取られたときの支柱430の幅がルーメン70の幅よりも小さくなり得るように、互いに近づけられ得る。第1の支柱及び第2の支柱431A、431Bが解放され、もはや互いに向かって押されないときに、第1の支柱及び第2の支柱431A、431Bは、それらの通常位置に戻ることができ、1つの突出部532の外縁から対向する突出部532の外縁までの支柱430の幅は、ここでも、ルーメン70の幅より大きくなり得る。理解されるように、電極40は、第1の支柱及び第2の支柱431A、431Bが解放されるときに、電極40が支柱430の長さに沿って遠位及び半径方向に摺動することを防止されるように、突出部532間に位置付けることができる。
【0084】
突出部532はまた、電極40が支柱430の上、及び突出部532の傾斜部分の上を移動させられると、第1の支柱及び第2の支柱431A、431Bが互いに向かって移動するように、角度を付けることができる。第1の支柱及び第2の支柱431A、431Bは、電極40が突出部532の上にくると、弾性的に離れて移動することができる。電極は、最終的に、近位突出部532と遠位突出部532との間に位置付けられ、定位置に固定される。
【0085】
図6A及び
図6Bは、本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブ22の電極40及び支柱630の斜視詳細図を示す概略描画図である。
図4C~
図5Cに示される支柱430とは異なり、支柱630は、第1の支柱431A又は第2の支柱431Bを含まない。むしろ、支柱630は、単一の支柱630と、1つ又は2つ以上の偏向可能な突出部632とを含む。
【0086】
偏向可能な突出部632は、偏向可能な突出部632が電極40に接触するときに、支柱630に向かって偏向されるように構成され得る。例えば、電極40及び支柱630の断面図を示す
図6Cに示されるように、偏向可能な突出部632は、偏向可能な突出部632が、電極40が偏向可能な突出部632の上を第1の方向に摺動することを可能にするが、電極40が偏向可能な突出部632の上を第2の方向に摺動することを防止するように配置され得る。例示すると、
図6A~
図6Cに示されるように、偏向可能な突出部632は、電極40が支柱630に沿って摺動し、偏向可能な突出部632の傾斜した縁部に接触し、次いで偏向可能な突出部632が支柱630に向かって曲がるときに偏向可能な突出部632の上を摺動することができるように構成され得る。偏向可能な突出部632間に位置付けられると、偏向可能な突出部632は、電極40が偏向可能な突出部632の上を摺動して戻ることを防止するように構成されているので、電極40は、支柱630の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することができる。
【0087】
図6A~
図6Cは、偏向可能な突出部の特定の構成を示すが、当業者は、偏向可能な突出部の他の構成が本開示の範囲内に入ることを理解するであろう。例えば、偏向可能な突出部632は、電極40が支柱630上に摺動されるときに、偏向可能な突出部632が支柱630の外縁と同一平面に押されることを可能にするように、支柱630の切取部分を含んでもよい。別の例として、偏向可能な突出部は、電極40が支柱630上に押されるときに電極40に接触することによって偏向された後に、偏向可能な突出部632を定位置に戻すためのばね付勢構成要素を含んでもよい。
【0088】
図7A及び
図7Bは、本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブ22の電極40及び支柱730の斜視詳細図を示す概略描画図であり、
図7Cは、
図7Aの線C-Cに沿った電極40及び支柱730の断面図を示す概略描画図である。支柱430及び支柱630とは異なり、支柱730の機械的リテーナは、支柱730にばね付勢を形成する屈曲部734を含み得る。当業者によって理解されるように、屈曲部734は、支柱730に、電極40の内面76との(例えば、ルーメン70の上面及び底面において)摩擦嵌合を形成させることができる。換言すれば、屈曲部734は、支柱730を電極40の内面76に接触させるか、さもなければスパイン214の一部を電極40の内面76に接触させ、支柱730(又はスパイン214)と電極40の内面76との間の摩擦干渉によって定位置に保持することができる。電極40の内面76との摩擦嵌合を形成することによって、支柱730は、支柱730と電極40との間の摩擦嵌合位置に存在する摩擦の結果として、電極40が支柱730の長さに沿って遠位又は近位に摺動するのを防止するのを助けることができる。屈曲部734は、電極40の第1の端部の近傍から電極40の第2の端部の近傍まで延在するようなサイズにすることができる。更に、電極40はまた、屈曲部734を受け入れる凹部(不図示)を有することができ、それにより屈曲部734を支柱730上に適切に配置することができる。
【0089】
支柱730は、電極40が支柱730の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するのを助けるために、支柱430と同様の突出部532を更に含み得る。更に、
図7A~
図7Cに示されているが、2つの部分(すなわち第1の支柱431A及び第2の支柱431B)及び支柱430と同様の突出部532を有する支柱を有するので、当業者は、支柱730が、支柱630と同様の単一の支柱及び偏向可能な突出部632を含み得ることを理解するであろう。
【0090】
図8A及び
図8Bは、本発明の別の実施形態による、所与の医療用プローブの電極40及び支柱830の斜視詳細図を示す概略描画図であり、
図8Cは、
図8Aの線D-Dに沿った電極及び支柱の断面図を示す概略描画図である。支柱730と同様に、支柱830は、電極40が支柱830の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するのを助けるために、支柱830にばね付勢を形成する屈曲部834を含み得る。しかしながら、支柱730とは異なり、支柱830の屈曲部834は、電極40の第1の端部を越えてから電極の第2の端部を越えて延在することができる。屈曲部834は、支柱830又はスパイン214を、電極40の電極76の内面及び電極40の外縁に接触させることができる。このようにして、支柱830は、突出部532又は偏向可能な突出部632を含むことなく、電極40が支柱830の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することができる。しかしながら、当業者は、支柱830が突出部532又は偏向可能な突出部632を含むこともできることを理解するであろう。更に、
図8A~
図8Cに示されているが、2つの部分(すなわち第1の支柱431A及び第2の支柱431B)を有する支柱430と同様の支柱を有するので、当業者は、支柱830が支柱630と同様の単一の支柱を含み得ることを理解するであろう。
【0091】
理解されるように、支柱430(又は支柱630、730、若しくは830)は、本明細書に記載される機械的リテーナの特徴のうちのいくつかの組み合わせを含み得る。例えば、
図9A~
図9Dに示されるように、医療用プローブ22は、第1の支柱931A、第2の支柱931B、及び第3の支柱931Cを有する支柱930を含み得る。第1の支柱及び第2の支柱931A、931Bは、
図4C~
図5Cに関連して本明細書に図示及び説明される第1の支柱及び第2の支柱431A、431Bと実質的に同様に構成され得、第3の支柱931Cは、屈曲部734又は屈曲部834と実質的に同様であり得る屈曲部934を含み得る。図示されるように、屈曲部934を含む第3の支柱931Cは、第1の支柱931Aと第2の支柱931Bとの間に位置付けることができる。当業者によって理解されるように、第1の支柱、第2の支柱、及び第3の支柱931A~931Cを含むことによって、電極40が、スパイン214の長さに沿って遠位又は近位に摺動することをより良好に防止することができる。
【0092】
図10A~
図10Fは、本発明の様々な実施形態による、所与の医療デバイス22の様々な電極1040A~Fを示す概略描画図である。電極1040A~Fは、医療デバイス22とともに使用することができる電極40の様々な構成を示すために提供されるが、限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、電極40の様々構成が、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の技術を用いて使用することができることを理解するであろう。
【0093】
図10A及び
図10Bは、レリーフ1072を有するルーメン1070を有する電極1040Aを示す。ルーメン1070及びレリーフ1072は、本明細書に記載されるルーメン70及びレリーフ72と実質的に同様であり得る。電極40とは異なり、電極1040Aは、実質的に輪郭付けされた形状を含み得る。例えば、
図10A及び
図10Bに示されるように、電極1040Aは、凸側及び凹側を含み得る。いくつかの例では、電極1040Aは、電極1040Aがスパイン214に取り付けられ、バスケットアセンブリ38と組み立てられるときに、バスケットアセンブリ38から外向きに向くように凸側を位置付けるように構成され得る。
【0094】
図10C及び
図10Dは、ルーメン1070を有する電極1040Bを示す。ルーメン1070は、本明細書に記載されるルーメン70と実質的に同様であり得る。しかしながら、電極40及び電極1070Aとは異なり、電極1072Bは、ルーメン1070とは別個であり、電極1070Bの第1の側から第2の側まで延在することができる、第2のルーメン1073を含み得る。第2のルーメン1073は、レリーフ72と同様に、医療用プローブ22のワイヤを受容するように構成され得る。電極1040Aと同様に、電極1040Bは、実質的に輪郭付けされた形状を有し得る。例えば、
図10C及び
図10Dに示されるように、電極1040Bは、凸側及び凹側を含み得る。いくつかの例では、電極1040Bは、電極1040Bがスパイン214に取り付けられ、バスケットアセンブリ38と組み立てられるときに、バスケットアセンブリ38から外向きに向くように凸側を位置付けるように構成され得る。
【0095】
図10E及び
図10Fは、電極1040Bと同様に、ルーメン1070及び第2のルーメン1073を有する別の例示的な電極1040Cを示す。
図10E及び
図10Fに示されるように、電極1040Cは、電極1040Cの上側が電極1040Cの下側よりも実質的に多くの材料を含むように成形することができる。このようにして、電極1040Cの大部分が、電極1040Cがスパイン214に取り付けられ、バスケットアセンブリ38と組み立てられるときに、バスケットアセンブリ38の外側に向かって位置付けることができる。
【0096】
図11A及び
図11Bは、本発明の実施形態による、所与の医療デバイス22の様々な絶縁ジャケット1180A、1180Bを示す概略描画図である。当業者によって理解されるように、絶縁ジャケット1180A、1180Bは、例示目的のために提供され、他の絶縁カバーが企図される。例えば、絶縁コーティングをスパイン214、電極40、又はその両方に適用することができる。
図11Aは正面図であり、
図11Bは絶縁ジャケット1180A、1180Bの斜視図である。絶縁ジャケット1180A、1180Bは、ポリアミド-ポリエーテル(Pebax)コポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ウレタン、ポリイミド、パリレン、シリコーンなどの生体適合性電気絶縁材料から作製することができる。いくつかの例では、絶縁材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)コポリマー(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリ-L-ラクチド、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、及びポリ無水物を含むがこれらに限定されない生体適合性ポリマーを含み得、特定のポリマーの比は、炎症反応の程度を制御するように選択される。絶縁ジャケット1180A、1180Bはまた、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛などの1つ又は2つ以上の添加剤又は充填剤を含んでもよい。絶縁ジャケット1180A、1180Bは、絶縁ジャケット1180A、1180Bを通過する支柱及び/又はワイヤを電極40から絶縁して、電極40から絶縁ジャケット1180A、1180Bを通過する支柱及び/又はワイヤへのアーク放電を防止するのを助けることができる。
【0097】
図11A及び
図11Bに示されるように、絶縁ジャケット1180A、1180Bは、実質的に台形である断面形状を含み得る。絶縁ジャケットは、単一ルーメン又は複数ルーメン構成から成ってもよい。複数ルーメンジャケットは、合金フレーム及びワイヤが単一のルーメンを共有し、第2のルーメンが灌注に使用され得るように構成されてもよい。合金フレーム及びワイヤはまた、説明されるように、別個のルーメンを占有してもよい。これらの設計では、絶縁ジャケットは、連続的(各合金フレーム支柱の近位端から遠位端まで延在する個々のスリーブ)、分割的(電極間隙間の架橋)、又は両方の組み合わせであってもよい。更に、絶縁ジャケット1180A、1180Bは、第1のルーメン1182A、1182B及び第2のルーメン1184A、1184Bを含み得る。第1のルーメン1182A、1182Bは、支柱を受容するように構成され得、第2のルーメン1184A、1184Bは、ワイヤを受容するように構成され得、逆もまた同様である。他の例では、第1のルーメン1182A、1182B及び第2のルーメン1184A、1184Bは各々、1つ又は2つ以上の電極40に接続され得る1つ又は2つ以上のワイヤを受容するように構成され得る。更に、
図10Bに示されるように、絶縁ジャケット1180A、1180Bは、ワイヤを電極40に電気的に接続することができる開口部1186A、1186Bを含み得る。
図10Bでは、絶縁ジャケット1180A、1180Bの底部に近接するように示されているが、開口部1186A、1186Bは、絶縁ジャケット1180A、1180Bの上部又は側部に近接して位置付けることができる。更に、絶縁ジャケット1180A、1180Bは、複数の開口部1186A、1186Bを含み得、各開口部は、用途に応じて、絶縁ジャケットの同じ側(すなわち、上、下、左、右)、又は絶縁ジャケットの異なる側に配置される。
【0098】
図12A及び
図12Bは、本発明の実施形態による、所与の医療デバイス22のスパイン214の側面図を示す概略描画図である。理解されるように、
図12A及び
図12Bに示されるスパイン214は、単一のスパイン214であり、本明細書に記載のバスケットアセンブリ38の複数のスパイン214を表すことができる。換言すれば、バスケットアセンブリ38を形成する複数のスパイン214は各々、複数のスパイン214がともに所望の形状を形成するように、拡張形態にあるときに同じ又は類似の形状を形成するように構成され得る。例示すると、
図12Aに示されるようなスパイン214は、拡張形態にあるときに略円形形状を形成するように構成され得る。したがって、バスケットアセンブリ38を形成するように他のスパイン214と組み合わされたときに、複数のスパイン214は、バスケットアセンブリ38が拡張形態にあるときに略球形形状を形成するように構成され得る。別の例として、
図12Bに示されるスパイン214は、拡張形態にあるときに略楕円形形状を形成するように構成され得る。したがって、バスケットアセンブリ38を形成するように他のスパイン214と組み合わされたときに、複数のスパイン214は、バスケットアセンブリ38が拡張形態にあるときに略扁球形状を形成するように構成され得る。形状のすべての変形例が本明細書に示され、又は説明されるわけではないが、当業者は、スパイン214が、特定の用途に好適であるような他の様々な形状を形成するように更に構成され得ることを理解するであろう。
【0099】
拡張形態にあるときに様々な形状を形成するように構成されたスパイン214を含むことによって、バスケットアセンブリ38は、スパイン214に取り付けられた様々な電極40を様々な位置に位置付けるように構成され得、各位置は、可撓性チューブ状シャフト30の遠位端に近いか、又は遠い。例えば、スパイン214の中間付近で
図12Aに示されるスパイン214に取り付けられた電極40は、バスケットアセンブリ38が拡張形態にあるときに、
図12Bに示されるスパイン214よりも可撓性チューブ状シャフト30の遠位端から遠くになる。
【0100】
図13A及び
図13Bは、本発明の一実施形態による、所与の電極40に接続することができる所与のワイヤ1300、1350の断面図を示す概略描画図である。
図13Aは、中実コアワイヤ1300を示す。
図13Bは、ストランドワイヤ1350を示す。各ワイヤ1300、1350は、チューブ状シャフト84の少なくとも一部を通って延在することができる。中実コアワイヤ1300は、導電性コア材料1302と、導電性コア材料1302を取り囲む導電性カバー材料1304とを含み得る。同様に、ストランドワイヤ1350は各々、導電性コア材料1352と、導電性コア材料1352を取り囲む導電性カバー材料1354とを含むストランドを含み得る。各ワイヤ1300、1350は、導体を取り囲む絶縁ジャケット1306を含み得る。ワイヤ1300、1350は、IREパルスを送達するのに十分な隣接するワイヤの電圧差に耐えるように構成され得る。好ましくは、ワイヤ1300、1350は、隣接するワイヤ間で少なくとも900V、より好ましくは少なくとも1,800Vに耐えることができる。隣接するワイヤの導体間の絶縁破壊の可能性を低減するために、導電性カバー材料1304、1354は、コア材料1302、1352と比較してより低い導電率を有し得る。
【0101】
絶縁ジャケット1306は、ワイヤ1300の電極40へのはんだ付け中に(例えば、300℃の温度で)電気絶縁ジャケット1306が溶融又は劣化(例えば、炭化及び崩壊)し、したがってワイヤ1300の絶縁ジャケット1306を機械的に剥がす必要がないように、150~200℃の温度定格を有するように構成され得る。他の例では、絶縁ジャケット1306は、医療用プローブ22の製造中及び/又は使用中に電気絶縁材料1302が溶融又は劣化(例えば、炭化及び崩壊)するのを防止するように、200℃を超える温度定格を有し得る。絶縁ジャケット1306は、ワイヤ1300が電極40に電気的に接続される前に、ワイヤ1300から機械的に剥がされ得る。
【0102】
図14は、本発明の一実施形態による、バスケットアセンブリ38を製造する方法1400を示すフローチャートである。方法1400は、拡張可能バスケットアセンブリ38のスパイン214を電極40(又は電極1040A~1040C)と位置合わせすること1402を含み得る。例えば、スパイン214を電極40と位置合わせすること1402は、スパイン214の遠位端又は近位端を電極40のルーメン70と位置合わせすることを含み得る。本開示の利益を享受する当業者によって理解されるように、スパイン214は、本明細書に図示及び説明されるような支柱430、630、730、830、930のうちのいずれかを含み得る。方法1400は、スパイン214を電極40のルーメン70内に挿入すること1404と、機械的リテーナ(すなわち、突出部532、偏向可能な突出部632、屈曲部734、及び/又は屈曲部834)が電極40と係合するまでスパインを電極40のルーメン70内に押し込むこと1406とを更に含み得る。
【0103】
当業者によって理解されるように、方法1400は、本明細書で説明される本開示の技術の様々な特徴のいずれかを含み得、特定の構成に応じて変更することができる。例えば、方法1400は、(本明細書に記載されるように)支柱730が電極40の内面76の第1の部分及び第2の部分との摩擦嵌合を形成するように、電極40の第1の端部の近傍から電極40の第2の端部の近傍まで延在するように屈曲部734を位置付けることを更に含み得る。別の例として、方法1400は、屈曲部834を、電極40の第1の端部を越えた第1の距離から電極40の第2の端部を越えた第2の距離まで延在するように位置付けて、支柱830に電極40の内面76及び電極の外縁(例えば、外面74)との摩擦嵌合を形成することを更に含み得る。更に別の例として、方法1400は、スパインを第2の電極40(又は電極1040A、1040C)と位置合わせすること1402と、スパイン214を第2の電極40内に挿入すること1404と、機械的リテーナ(すなわち、突出部532、偏向可能な突出部632、屈曲部734、及び/又は屈曲部834)が電極40と係合するまでスパイン214を第2の電極40のルーメン70内に押し込むこととを含み得る。このようにして、方法1400は、複数の電極40を有するバスケットアセンブリ38を形成するように、2つ以上の電極40をスパイン214に取り付けることを含み得る。
【0104】
本明細書に記載の本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
条項1:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を有し、長手方向軸に沿って延在するチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリとを備え、拡張可能バスケットアセンブリが、複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極がそれを通るルーメンを有する、複数の電極と、長手方向軸に沿って延在し、拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張形態に移行するときに長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインとを備え、複数のスパインのうちの各スパインが、近位端と、遠位端と、複数の電極のうちの電極のルーメンを通過する支柱とを備え、支柱が、支柱上に配置された機械的リテーナを備え、機械的リテーナが、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止する、医療用プローブ。
【0105】
条項2:支柱の機械的リテーナが、支柱から外向きに延在し、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するリップを形成する1つ又は2つ以上の突出部を備える、条項1に記載の医療用プローブ。
【0106】
条項3:支柱が、1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部を各々備える、第1の支柱と、第2の支柱とを備え、第1の支柱及び第2の支柱が、それぞれの突出部が電極のルーメンを通って摺動することを可能にするために互いに向かって圧縮可能であるように構成されている、条項2に記載の医療用プローブ。
【0107】
条項4:第1の支柱及び第2の支柱が各々、1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部の対を備え、突出部の各対が、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを突出部の各対が防止するように、電極の第1の側に位置付けられた第1の突出部と、電極の第2の側に位置付けられた第2の突出部とを備える、条項3に記載の医療用プローブ。
【0108】
条項5:支柱の機械的リテーナが、支柱にばね付勢を形成する屈曲部を備え、ばね付勢が、支柱に電極との摩擦嵌合を形成させ、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止させる、条項1~4のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0109】
条項6:屈曲部が、電極の第1の端部の近傍から電極の第2の端部の近傍まで延在し、支柱に電極の内面の第1の部分及び第2の部分に摩擦嵌合を形成させる、条項5に記載の医療用プローブ。
【0110】
条項7:屈曲部が、電極の第1の端部を越えた第1の距離から電極の第2の端部を越えた第2の距離まで延在し、支柱に電極の内面及び電極の外縁に摩擦嵌合を形成させる、条項5に記載の医療用プローブ。
【0111】
条項8:支柱が、それぞれの突出部を各々備える第1の支柱と第2の支柱とを備え、第1の支柱及び第2の支柱が、それぞれの突出部が電極のルーメンを通って摺動することを可能にするために互いに向かって圧縮可能であるように構成され、第1の支柱及び第2の支柱が屈曲部を備える、条項5~7のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0112】
条項9:支柱が、第1の支柱と、第2の支柱と、第1の支柱と第2の支柱との間に位置付けられた第3の支柱とを備え、第1の支柱及び第2の支柱が各々、それぞれの突出部を備え、第1の支柱及び第2の支柱が、それぞれの突出部が電極のルーメンを通って摺動することを可能にするために互いに向かって圧縮可能であるように構成され、第3の支柱が屈曲部を備える、条項5~7に記載の医療用プローブ。
【0113】
条項10:複数のスパインのうちのスパインが、第1の電極と第2の電極とを備え、支柱が、第1の電極と係合するように構成された第1の機械的リテーナと、第2の電極と係合するように構成された第2の機械的リテーナとを備え、第1の機械的リテーナ及び第2の機械的リテーナが、第1の機械的リテーナ及び第2の機械的リテーナがそれぞれ第1の電極及び第2の電極と係合したときに、第1の電極及び第2の電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように構成されている、条項1に記載の医療用プローブ。
【0114】
条項11:支柱の機械的リテーナが締まり嵌めを備える、条項1~10のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0115】
条項12:ワイヤを更に備え、ルーメンが、医療用プローブのワイヤを受容するように構成されているレリーフを備える、条項1~11のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0116】
条項13:ワイヤが支柱から絶縁されている、条項12に記載の医療用プローブ。
【0117】
条項14:ワイヤが電極に電気的に接続されている、条項12又は13に記載の医療用プローブ。
【0118】
条項15:ワイヤの少なくとも一部が、第1の導電率を備える導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を備える導電性カバー材料とを備え、導電性カバー材料が導電性コア材料を取り囲み、絶縁ジャケットが導電性カバー材料を取り囲む、条項12~14のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0119】
条項16:ワイヤの少なくとも一部が、複数のストランドと、複数のストランドを取り囲む絶縁ジャケットとを備え、複数のストランドの各ストランドが、それぞれ、第1の導電率を備える導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を備える導電性カバー材料とを備え、導電性カバー材料が導電性コア材料を取り囲む、条項12~14のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0120】
条項17:支柱が、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンから成る群から選択される材料を備える、条項1~16のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0121】
条項18:支柱がポリマーを備える、条項1~16のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0122】
条項19:電極がリング型電極を備える、条項1~18のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0123】
条項20:電極がバルジング型電極を備える、条項1~18のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0124】
条項21:電極が矩形電極を備える、条項1~18のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0125】
条項22:複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され、電気パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、条項1~21のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0126】
条項23:複数のスパインが、拡張形態にあるときに、略球状形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~22のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0127】
条項24:複数のスパインが、拡張形態にあるときに、略扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~22のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0128】
条項25:灌注流体を複数の電極に送達するように構成されているスプレーポートを更に備える、条項1~24のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0129】
条項26:複数のスパインのうちのそれぞれのスパインと複数の電極のうちのそれぞれの電極との間に各々配置された複数の電気絶縁ジャケットを更に備え、それによって、複数のスパインから複数の電極を電気的に絶縁する、条項1~25のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0130】
条項27:複数の電気絶縁ジャケットのうちの電気絶縁ジャケットの各々が、第1のルーメンと第2のルーメンとを備え、第1のルーメンが第1のワイヤを受容するように構成され、第2のルーメンがそれぞれのスパインを受容するように構成されている、条項26に記載の医療用プローブ。
【0131】
条項28:各電気絶縁ジャケットの断面形状が、実質的に台形形状を備える、条項26又は27に記載の医療用プローブ。
【0132】
条項29:医療用プローブを作製する方法であって、拡張可能バスケットアセンブリのスパインを拡張可能バスケットアセンブリの電極と位置合わせすることであって、スパインが、近位端と、遠位端と、機械的リテーナを有する支柱とを備える、位置合わせすることと、スパインを電極のルーメン内に挿入することと、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように、機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むこととを含む、方法。
【0133】
条項30:支柱の機械的リテーナが、支柱から外向きに延在してリップを形成する1つ又は2つ以上の突出部を備え、機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことが、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するようにリップが位置付けられるまで、スパインを電極のルーメン内に押し込むことを含む、条項29に記載の方法。
【0134】
条項31:支柱が、1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部を各々備える第1の支柱と第2の支柱とを備え、機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことが、スパインを電極のルーメン内に押し込んで、第1の支柱及び第2の支柱を互いに向かって圧縮させ、それぞれの突出部が電極のルーメンを通って摺動することを可能にすることを含む、条項30に記載の方法。
【0135】
条項32:第1の支柱及び第2の支柱が各々、1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部の対を備え、突出部の各対が、第1の突出部と、第2の突出部とを備え、機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことが、スパインを電極のルーメン内に押し込んで、第1の突出部を電極の第1の側に位置付けて、第2の突出部を電極の第2の側に位置付けて、突出部の対が、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することを含む、条項31に記載の方法。
【0136】
条項33:支柱の機械的リテーナが、支柱にばね付勢を形成する屈曲部を備え、ばね付勢が、支柱に電極との摩擦嵌合を形成させ、電極がスパインの長さに沿って摺動することを防止し、機械的リテーナが電極と係合するまでスパインを電極のルーメン内に押し込むことが、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように屈曲部が位置付けられるまで、スパインを電極のルーメン内に押し込むことを含む、条項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【0137】
条項34:電極の第1の端部の近傍から電極の第2の端部の近傍まで延在し、支柱が電極の内面の第1の部分及び第2の部分に摩擦嵌合を形成するように屈曲部を位置付けることを更に含む、条項33に記載の方法。
【0138】
条項35:電極の第1の端部を越えた第1の距離から電極の第2の端部を越えた第2の距離まで延在し、支柱に電極の内面及び電極の外縁に摩擦嵌合を形成するように屈曲部を位置付けることを更に含む、条項33に記載の方法。
【0139】
条項36:スパインが第1の電極と第2の電極とを備え、機械的リテーナが第1の機械的リテーナと第2の機械的リテーナとを備え、拡張可能バスケットアセンブリのスパインを第1の電極及び第2の電極と位置合わせすることと、スパインを第1の電極のルーメン及び第2の電極のルーメン内に挿入することと、第1の機械的リテーナが第1の電極と係合して、第1の電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するまでスパインを第1の電極のルーメン内に押し込むことと、第2の機械的リテーナが第2の電極と係合して、第2の電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するまでスパインを第2の電極のルーメン内に押し込むこととを更に含む、条項29に記載の方法。
【0140】
条項37:締まり嵌めによって機械的リテーナを電極に固定することを更に含む、第29~36項のいずれか一項に記載の方法。
【0141】
条項38:ルーメンが、医療用プローブのワイヤを受容するように構成されているレリーフを備える、条項29~37のいずれか一項に記載の方法。
【0142】
条項39:ワイヤが支柱から絶縁されている、条項38に記載の方法。
【0143】
条項40:ワイヤを電極に電気的に接続することを更に含む、条項38及び39のいずれか一項に記載の方法。
【0144】
条項41:ワイヤの少なくとも一部が、第1の導電率を備える導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を含む導電性カバー材料とを備え、導電性カバー材料が導電性コア材料を取り囲み、絶縁ジャケットが導電性カバー材料を取り囲む、条項38~40のいずれか一項に記載の方法。
【0145】
条項42:ワイヤの少なくとも一部が、複数のストランドと、複数のストランドを取り囲む絶縁ジャケットとを備え、複数のストランドの各ストランドはそれぞれ、第1の導電率を備える導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を備える導電性カバー材料とを備え、導電性カバー材料が導電性コア材料を取り囲む、第38~41項のいずれか一項に記載の方法。
【0146】
条項43:支柱が、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンから成る群から選択される材料を備える、条項29~42のいずれか一項に記載の方法。
【0147】
条項44:支柱がポリマーを備える、条項1~16のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0148】
条項45:電極がリング型電極を備える、条項29~44のいずれか一項に記載の方法。
【0149】
条項46:電極がバルジング型電極を備える、条項29~44のいずれか一項に記載の方法。
【0150】
条項47:電極が矩形電極を備える、条項29~44のいずれか一項に記載の方法。
【0151】
条項48:不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように電極を構成することを更に含み、パルスが少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、第29~47項のいずれか一項に記載の方法。
【0152】
条項49:略球形形状のバスケットアセンブリを形成するように複数のスパインを構成することを更に含む、第29~48項のいずれか一項に記載の方法。
【0153】
条項50:略扁球形状のバスケットアセンブリ形成するように複数のスパインを構成することを更に含む、第29~49項のいずれか一項に記載の方法。
【0154】
条項51:灌注流体を電極に送達するようにスプレーポートを構成することを更に含む、第29~50項のいずれか一項に記載の方法。
【0155】
条項52:複数のスパインのうちの各スパインを電気絶縁ジャケットの第1のルーメンを通して位置付けることと、ワイヤを電気絶縁ジャケットの第2のルーメンを通して位置付けることと、電極を電気絶縁ジャケットの上に位置付けることと、第2のルーメンと電極との間に通路を提供する電気絶縁ジャケット内の開口部を通してワイヤを電極に電気的に接続することとを更に含む、第29~50項のいずれか一項に記載の方法。
【0156】
条項53:電気絶縁ジャケットの断面形状が実質的に台形形状を備える、条項52に記載の方法。
【0157】
これまで述べた実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示し述べたものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、本明細書でこれまで述べた様々な特徴の組み合わせ及びその部分的組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、従来技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。
【0158】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を有し、長手方向軸に沿って延在するチューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリとを備え、前記拡張可能バスケットアセンブリが、
複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極がそれを通るルーメンを有する、複数の電極と、
前記長手方向軸に沿って延在し、前記拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張形態に移行するときに前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインとを備え、前記複数のスパインのうちの各スパインが、
近位端、
遠位端、及び
前記複数の電極のうちの電極の前記ルーメンを通過する支柱を備え、前記支柱が、前記支柱上に配置された機械的リテーナを備え、前記機械的リテーナが、前記電極が前記スパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止する、医療用プローブ。
(2) 前記支柱の前記機械的リテーナが、前記支柱から外向きに延在し、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するリップを形成する1つ又は2つ以上の突出部を備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記支柱が、前記1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部を各々備える、第1の支柱と、第2の支柱とを備え、前記第1の支柱及び前記第2の支柱が、前記それぞれの突出部が前記電極の前記ルーメンを通って摺動することを可能にするために互いに向かって圧縮可能であるように構成されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(4) 前記第1の支柱及び前記第2の支柱が各々、前記1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部の対を備え、前記突出部の各対が、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを前記突出部の各対が防止するように、前記電極の第1の側に位置付けられた第1の突出部と、前記電極の第2の側に位置付けられた第2の突出部とを備える、実施態様3に記載の医療用プローブ。
(5) 前記支柱の前記機械的リテーナが、前記支柱にばね付勢を形成する屈曲部を備え、前記ばね付勢が、前記支柱に前記電極との摩擦嵌合を形成させ、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止させる、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0159】
(6) 前記屈曲部が、前記電極の第1の端部の近傍から前記電極の第2の端部の近傍まで延在し、前記支柱に前記電極の内面の第1の部分及び第2の部分に前記摩擦嵌合を形成させる、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(7) 前記屈曲部が、前記電極の第1の端部を越えた第1の距離から前記電極の第2の端部を越えた第2の距離まで延在し、前記支柱に前記電極の内面及び前記電極の外縁に前記摩擦嵌合を形成させる、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(8) 前記支柱が、それぞれの突出部を各々備える第1の支柱と第2の支柱とを備え、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が、前記それぞれの突出部が前記電極の前記ルーメンを通って摺動することを可能にするために互いに向かって圧縮可能であるように構成され、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が前記屈曲部を備える、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(9) 前記支柱が、第1の支柱と、第2の支柱と、前記第1の支柱と前記第2の支柱との間に位置付けられた第3の支柱とを備え、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が各々、それぞれの突出部を備え、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱が、前記それぞれの突出部が前記電極の前記ルーメンを通って摺動することを可能にするために互いに向かって圧縮可能であるように構成され、
前記第3の支柱が前記屈曲部を備える、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(10) 前記複数のスパインのうちの前記スパインが、第1の電極と第2の電極とを備え、
前記支柱が、前記第1の電極と係合するように構成された第1の機械的リテーナと、前記第2の電極と係合するように構成された第2の機械的リテーナとを備え、前記第1の機械的リテーナ及び前記第2の機械的リテーナが、前記第1の機械的リテーナ及び前記第2の機械的リテーナがそれぞれ前記第1の電極及び前記第2の電極と係合したときに、前記第1の電極及び前記第2の電極が前記スパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0160】
(11) 前記支柱の前記機械的リテーナが締まり嵌めを備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(12) 前記支柱が、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタンから成る群から選択される材料を備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(13) 前記支柱がポリマーを備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(14) 前記複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され、前記電気パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(15) 灌注流体を前記複数の電極に送達するように構成されているスプレーポートを更に備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0161】
(16) 前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインと前記複数の電極のうちのそれぞれの電極との間に各々配置された複数の電気絶縁ジャケットを更に備え、それによって、前記複数のスパインから前記複数の電極を電気的に絶縁する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(17) 医療用プローブを作製する方法であって、
拡張可能バスケットアセンブリのスパインを前記拡張可能バスケットアセンブリの電極と位置合わせすることであって、前記スパインが、近位端と、遠位端と、機械的リテーナを有する支柱とを備える、位置合わせすることと、
前記スパインを前記電極のルーメン内に挿入することと、
前記電極が前記スパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように、前記機械的リテーナが前記電極と係合するまで前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むこととを含む、方法。
(18) 前記支柱の前記機械的リテーナが、前記支柱から外向きに延在してリップを形成する1つ又は2つ以上の突出部を備え、
前記機械的リテーナが前記電極と係合するまで前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むことが、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように前記リップが位置付けられるまで、前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むことを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記支柱が、前記1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部を各々備える第1の支柱と第2の支柱とを備え、
前記機械的リテーナが前記電極と係合するまで前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むことが、前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込んで、前記第1の支柱及び前記第2の支柱を互いに向かって圧縮させ、前記それぞれの突出部が前記電極の前記ルーメンを通って摺動することを可能にすることを含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記第1の支柱及び前記第2の支柱が各々、前記1つ又は2つ以上の突出部のうちのそれぞれの突出部の対を備え、前記突出部の各対が、第1の突出部と、第2の突出部とを備え、
前記機械的リテーナが前記電極と係合するまで前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込むことが、前記スパインを前記電極の前記ルーメン内に押し込んで、前記第1の突出部を前記電極の第1の側に位置付けて、前記第2の突出部を前記電極の第2の側に位置付けて、前記突出部の対が、前記電極が前記スパインの前記長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することを含む、実施態様19に記載の方法。
【外国語明細書】