(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106349
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】機械的リテーナを有するバスケットカテーテルの電極アセンブリ及びその方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023006459
(22)【出願日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/301,146
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/066,117
(32)【優先日】2022-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・マーク・オカルスキ
(72)【発明者】
【氏名】ケシャバ・ダッタ
(72)【発明者】
【氏名】アブバカール・バー
(72)【発明者】
【氏名】タン・グエン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK17
4C160KK36
4C160KK37
4C160KK63
4C160KK64
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】開示された技術は、管状シャフトの遠位端に結合された拡張可能なバスケットアセンブリを有する管状シャフトを含む、医療用プローブを含む。バスケットアセンブリは、縦軸に沿って延在し、バスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに縦軸から半径方向外向きに湾曲するように構成された少なくとも1つのスパインを有することができる。バスケットアセンブリは、各々スパインに取り付けられた電極アセンブリを含むことができる。各電極アセンブリは、電極と、電極をスパインから電気的に絶縁する第1及び第2の電気絶縁部分とを含む。電極、第1の電気絶縁部分、及び第2の電気絶縁部分は、複数の電極アセンブリがスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止されるように、スパイン上に相互係止される。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を有する、管状シャフトであって、縦軸に沿って延在する、管状シャフトと、
前記管状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能なバスケットアセンブリであって、
前記縦軸に沿って延在し、前記拡張可能なバスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに前記縦軸から半径方向外向きに湾曲するように構成された少なくとも1つのスパインと、
複数の電極アセンブリであって、前記複数の電極アセンブリのうちの各電極アセンブリが、前記少なくとも1つのスパインに取り付けられ、
電極と、
前記電極を前記少なくとも1つのスパインから電気的に絶縁する第1の電気絶縁部分と、
前記電極を前記少なくとも1つのスパインから電気的に絶縁する第2の電気絶縁部分であって、前記複数の電極アセンブリが前記少なくとも1つのスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止されるように、前記電極、前記第1の電気絶縁部分、及び前記第2の電気絶縁部分が、前記少なくとも1つのスパイン上に相互係止されている、第2の電気絶縁部分と、を備える、複数の電極アセンブリと、を備える、拡張可能なバスケットアセンブリと、を備える、医療用プローブ。
【請求項2】
前記少なくとも1つのスパインが、リテーナリングを備え、前記リテーナリング上に、前記複数の電極アセンブリのうちのそれぞれの電極アセンブリが相互係止されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記電極が、前記第2の電気絶縁部分と相互係止するように構成された突出部を備える、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
前記突出部が、前記リテーナリングを通して延在し、それによって、前記電極アセンブリが前記少なくとも1つのスパインの前記長さに沿って摺動することを防止する、請求項3に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記突出部が、スエージ継手を更に備える、請求項4に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
前記第1の電気絶縁部分が、第1のワッシャを備え、
前記第2の電気絶縁部分が、第2のワッシャを備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記第1のワッシャ及び前記第2のワッシャが、前記電極が前記少なくとも1つのスパインに接触することを防止するように、かつ前記電極を前記少なくとも1つのスパインから電気的に絶縁するように構成されている、請求項6に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
前記第2のワッシャが、前記少なくとも1つのスパインのリテーナリング内に内向きに延在して、前記電極が前記少なくとも1つのスパインに接触することを防止するように構成されたリップを備える、請求項7に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記第1の電気絶縁部分が、第1の筐体部分を備え、
前記第2の電気絶縁部分が、第2の筐体部分を備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記第1の筐体部分及び前記第2の筐体部分が、相互係止して、前記電極を前記少なくとも1つのスパインに固定するように構成されている、請求項9に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記第2の筐体部分が、雄型コネクタを備え、
前記第1の筐体部分が、前記雄型コネクタを受容し、前記第1の筐体部分が前記第2の筐体部分と相互係止することを促進するように構成された雌型コネクタを備える、請求項10に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
前記第1の筐体部分が、前記電極を受容するように構成された周縁を備える、請求項9に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
前記電極が、前記電極を前記第1の筐体部分の前記周縁内に保持するように構成された基礎部分を更に備える、請求項12に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
前記基礎部分が、前記周縁の内周長よりも大きい外周長を含む、請求項13に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
医療用プローブを構築する方法であって、
電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分を整合させることと、
前記第1の絶縁部分と前記第2の絶縁部分との間にバスケットカテーテルのスパインを配置することと、
前記第1の絶縁部分及び前記第2の絶縁部分が、前記スパインから前記電極を電気的に絶縁するように、かつ前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分が、前記スパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止されるように、前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分をともに相互係止して、前記電極を前記スパインに固定することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分をともに相互係止することは、前記スパインのリテーナリングの開口を通して前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分のうちの少なくとも1つの一部を相互係止することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分を前記リテーナリングと整合させることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分をともに相互係止することは、前記電極の突出部を前記第2の絶縁部分と相互係止することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の絶縁部分が、第1の絶縁筐体部分を備え、
前記第2の絶縁部分が、第2の絶縁筐体部分を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分をともに相互係止することは、前記第1の絶縁筐体部分及び前記第2の絶縁筐体部分を相互係止し、それによって、前記電極を前記スパインに固定することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その内容全体が、本明細書に完全に記載された場合のように参照により本明細書に組み込まれる、2022年1月20日に出願された先願の米国仮特許出願第63/301,146号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療用デバイス、特に、電極を伴うカテーテルに関し、更に、排他的ではないが、心臓組織の不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を誘導するための使用に好適なカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝達するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することがある。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する傾向がある。RFアブレーションは、組織の炭化、燃焼、蒸気破裂、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得る、熱細胞傷害のリスクの高まりなどの特定の欠点を有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションに関連する熱リスクを概して低減するRFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操縦し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、概して、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0005】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション方法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆的エレクトロポレーション(IRE)を使用する。IREは、高電圧の短いパルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生成する。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達が、特許文献で以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に開示されており、その各々は、完全に記載された場合のように参照により本明細書にそれらの全体で組み込まれ、優先米国特許出願第63/301,146号の付録に添付されている。
【0006】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実施することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が位置付けられたいくつかのスパインを含む。電極は、概して、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接によって、又は接着剤を使用して定位置に固定される。しかしながら、スパイン及び電極の小さいサイズに起因して、電極をスパインにはんだ付け、溶接、又は接着することは、困難な作業であり、製造時間及びコスト、並びに不適切な結合又は不整合に起因して電極が故障する可能性を増加させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、必要とされるものは、はんだ付け、溶接、又は接着剤の使用を必要とすることなく、電極をバスケットアセンブリのスパインに取り付けるシステム及び方法である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によると、管状シャフトの遠位端に結合された拡張可能なバスケットアセンブリを含む、医療用プローブが提供される。拡張可能なバスケットアセンブリは、少なくとも1つのスパインと、複数の電極アセンブリとを含むことができる。電極アセンブリは各々、電極をスパインから電気的に絶縁することができる第1の絶縁部分及び第2の絶縁部分を含むことができる。電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分は、スパイン上に相互係止されて、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止し得る。このようにして、本開示の技術は、はんだ、溶接、又は接着剤を必要とすることなく、電極をスパインに固定するために使用することができる。
【0009】
開示された技術は、近位端及び遠位端を有する管状シャフトを含む、医療用プローブを含む。管状シャフトは、縦軸に沿って延在することができる。医療用プローブは、管状シャフトの遠位端に結合された拡張可能なバスケットアセンブリを更に含むことができる。
【0010】
拡張可能なバスケットアセンブリは、縦軸に沿って延在し、拡張可能なバスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに縦軸から半径方向外向きに湾曲するように構成された少なくとも1つのスパインを含むことができる。拡張可能なバスケットアセンブリは、複数の電極アセンブリを含むことができる。複数の電極アセンブリのうちの各電極アセンブリを、少なくとも1つのスパインに取り付けることができる。各電極アセンブリは、電極と、電極をそれぞれのスパインから電気的に絶縁する第1の電気絶縁部分と、電極をスパインから電気的に絶縁する第2の電気絶縁部分とを含むことができる。電極、第1の電気絶縁部分、及び第2の電気絶縁部分は、複数の電極アセンブリがスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止されるように、スパイン上に相互係止され得る。
【0011】
スパインは、複数の電極アセンブリのうちのそれぞれの電極アセンブリが相互係止される、リテーナリングを含むことができる。電極は、第2の電気絶縁部分と相互係止するように構成されている突出部を含むことができる。突出部は、リテーナリングを通して延在し、それによって、電極アセンブリがスパインの長さに沿って摺動することを防止することができる。突出部は、スエージ継手を含むことができる。
【0012】
第1の電気絶縁部分は、第1のワッシャを含むことができ、第2の電気絶縁部分は、第2のワッシャを含むことができる。第1のワッシャ及び第2のワッシャは、電極がスパインに接触することを防止するように、かつ電極をスパインから電気的に絶縁するように構成され得る。第2のワッシャは、リテーナリング内に内向きに延在して、電極がスパインに接触することを防止するように構成されているリップを含むことができる。
【0013】
第1の電気絶縁部分は、第1の筐体部分であり得、第2の電気絶縁部分は、第2の筐体部分であり得る。第1の筐体部分及び第2の筐体部分は、相互係止して、電極をスパインに固定するように構成され得る。第2の筐体部分は、雄型コネクタを含むことができ、第1の筐体部分は、雄型コネクタを受容し、第1の筐体部分が第2の筐体部分と相互係止することを促進するように構成された雌型コネクタを含むことができる。代替的に、第1の筐体部分は、雄型コネクタを含むことができ、第2の筐体部分は、雄型コネクタを受容し、第1の筐体部分が第2の筐体部分と相互係止することを促進するように構成された雌型コネクタを含むことができる。
【0014】
第1の筐体部分は、電極を受容するように構成されている周縁を含むことができる。電極は、第1の筐体部分の周縁内に電極を保持するように構成されている基礎部分を更に含むことができる。基礎部分は、周縁の内周長よりも大きい外周長を含むことができる。
【0015】
電極は、医療用プローブのワイヤに電気的に接続することができる。ワイヤの少なくとも一部は、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を含む導電性カバー材料とを含むことができる。導電性カバー材料は、導電性コア材料を取り囲むことができ、絶縁ジャケットは、導電性カバー材料を取り囲むことができる。ワイヤの少なくとも一部は、複数のストランドと、複数のストランドを取り囲む絶縁ジャケットとを含むことができる。複数のストランドのうちの各ストランドは、それぞれ、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を含む導電性カバー材料とを含むことができる。導電性カバー材料は、導電性コア材料を取り囲むことができる。
【0016】
医療用プローブの少なくとも1つのスパインは、ニチノール、コバルトクロム、又は他の好適な材料を含むことができる。
【0017】
複数の電極は、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成することができ、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する。
【0018】
少なくとも1つのスパインは、拡張形態であるときにほぼ球形のバスケットアセンブリ又はほぼ偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0019】
医療用プローブは、灌注流体を複数の電極に送達するように構成され得る灌注開口部を更に含むことができる。
【0020】
医療用プローブは、少なくとも1つのスパインと複数の電極のうちのそれぞれの電極との間に各々配置され、それによって、複数のスパインから複数の電極を電気的に絶縁する、電気絶縁ジャケットを更に含むことができる。複数の電気絶縁ジャケットのうちの電気絶縁ジャケットの各々は、第1の管腔及び第2の管腔を含むことができる。第1の管腔は、第1のワイヤを受容するように構成され得、第2の管腔は、それぞれのスパインを受容するように構成され得る。更に、各電気絶縁ジャケットの断面形状は、ほぼ台形を含むことができる。
【0021】
開示された技術は、医療用プローブを構築する方法を含むことができる。本方法は、電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分を整合させることを含むことができる。本方法は、第1の絶縁部分と第2の絶縁部分との間にバスケットカテーテルのスパインを配置することと、電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止して、電極をスパインに固定することとを含むことができる。電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分は、第1の絶縁部分及び第2の絶縁部分が、スパインから電極を電気的に絶縁するように、かつ電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分が、それぞれのスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止されるように、スパインに固定され得る。
【0022】
電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、スパインのリテーナリングの開口を通して電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分のうちの少なくとも1つの一部を相互係止することを含むことができる。本方法は、電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をリテーナリングと整合させることを含むことができる。
【0023】
電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、電極の突出部を第2の絶縁部分と相互係止することを含むことができる。本方法は、突出部上にスエージ継手を形成して、電極を第2の絶縁部分と相互係止させることを含むことができる。電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、リテーナリングを通して突出部を延在させ、それによって、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することを含むことができる。
【0024】
第1の絶縁部分は、第1の絶縁ワッシャを含むことができ、第2の絶縁部分は、第2の絶縁ワッシャを含むことができる。本方法は、電極がスパインから電気的に絶縁されるように、第1の絶縁ワッシャ及び第2の絶縁ワッシャを位置付けることを含むことができる。
【0025】
電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、第2の絶縁ワッシャのリップをリテーナリング内に内向きに延在させ、それによって、電極がスパインに接触することを防止することを含むことができる。
【0026】
第1の絶縁部分は、第1の絶縁筐体部分を含むことができ、第2の絶縁部分は、第2の絶縁筐体部分を含むことができる。電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、第1の絶縁筐体部分及び第2の絶縁筐体部分を相互係止し、それによって、電極をスパインに固定することを含むことができる。
【0027】
第2の絶縁筐体部分は、雄型コネクタを含むことができ、第1の絶縁筐体部分は、雄型コネクタを受容し、第1の絶縁筐体部分が第2の絶縁筐体部分と相互係止することを促進するように構成されている雌型コネクタを含むことができる。
【0028】
第1の絶縁筐体部分は、電極を受容するように構成されている周縁を含むことができる。電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、周縁内に電極の基礎部分を保持することを含むことができる。基礎部分は、周縁の内周長よりも大きい外周長を含むことができる。
【0029】
本方法は、電極を医療用プローブのワイヤに電気的に接続することを含むことができる。ワイヤの少なくとも一部は、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を含む導電性カバー材料とを含むことができる。導電性カバー材料は、導電性コア材料を取り囲むことができ、絶縁ジャケットは、導電性カバー材料を取り囲むことができる。ワイヤの少なくとも一部は、複数のストランドと、複数のストランドを取り囲む絶縁ジャケットとを含むことができる。複数のストランドのうちの各ストランドは、それぞれ、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率よりも低い第2の導電率を含む導電性カバー材料とを含むことができる。導電性カバー材料は、導電性コア材料を取り囲むことができる。
【0030】
医療用プローブの複数のスパインのうちの各スパインは、ニチノール、コバルトクロム、又は他の好適な材料を含むことができる。
【0031】
複数の電極は、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成することができ、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する。
【0032】
複数のスパインは、拡張形態であるときにほぼ球形のバスケットアセンブリ又はほぼ偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0033】
医療用プローブは、灌注流体を複数の電極に送達するように構成され得る灌注開口部を更に含むことができる。
【0034】
医療用プローブは、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインと複数の電極のうちのそれぞれの電極との間に各々配置され、それによって、複数のスパインから複数の電極を電気的に絶縁する、複数の電気絶縁ジャケットを更に含むことができる。複数の電気絶縁ジャケットのうちの電気絶縁ジャケットの各々は、第1の管腔及び第2の管腔を含むことができる。第1の管腔は、第1のワイヤを受容するように構成され得、第2の管腔は、それぞれのスパインを受容するように構成され得る。更に、各電気絶縁ジャケットの断面形状は、ほぼ台形を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施形態による、その遠位端が電極を伴うバスケットアセンブリを備える、医療用プローブを備える医療用システムの概略絵図である。
【
図2A】本発明の実施形態による、拡張形態の医療用プローブの斜視図を示す概略絵図である。
【
図2B】開示された技術による、圧潰形態の医療用プローブの側面図を示す概略絵図である。
【
図3A】本発明の実施形態による、スパインが管状シャフトとともに組み立てられ得る様子を図示するためにバスケットアセンブリの管状シャフト及びスパインの分解図を示す概略絵図である。
【
図3B】本発明の実施形態による、スパインが管状シャフトとともに組み立てられ得る様子を図示するためにバスケットアセンブリの管状シャフト及びスパインの分解図を示す概略絵図である。
【
図4A】本発明の実施形態による、スパインに取り付けられた電極の斜視図を示す概略絵図である。
【
図4B】本発明の実施形態による、スパインに取り付けられた電極の斜視図を示す概略絵図である。
【
図5】本発明の実施形態による、電極アセンブリ及びスパインの側面分解図を示す概略絵図である。
【
図6】本発明の実施形態による、電極アセンブリ及びスパインの斜視分解図を示す概略絵図である。
【
図7A】本発明の別の実施形態による、スパインの上面図を示す概略絵図である。
【
図7B】本発明の別の実施形態による、電極の側面図を示す概略絵図である。
【
図7C】本発明の別の実施形態による、ワッシャの斜視図を示す概略絵図である。
【
図7D】本発明の別の実施形態による、別のワッシャの斜視図を示す概略絵図である。
【
図8A】本発明の別の実施形態による、電極アセンブリの斜視図を示す概略絵図である。
【
図8B】本発明の別の実施形態による、電極アセンブリの斜視図を示す概略絵図である。
【
図9】本発明の別の実施形態による、電極アセンブリの分解図を示す概略絵図である。
【
図10A】本発明の別の実施形態による、電極アセンブリの筐体部分の斜視図を示す概略絵図である。
【
図10B】本発明の別の実施形態による、電極アセンブリの筐体部分の斜視図を示す概略絵図である。
【
図10C】本発明の別の実施形態による、電極アセンブリの別の筐体部分の斜視図を示す概略絵図である。
【
図10D】本発明の別の実施形態による、電極アセンブリの別の筐体部分の斜視図を示す概略絵図である。
【
図11A】本発明の実施形態による、所与の医療用デバイスの様々な絶縁ジャケットを示す概略絵図である。
【
図11B】本発明の実施形態による、所与の医療用デバイスの様々な絶縁ジャケットを示す概略絵図である。
【
図12A】本発明の実施形態による、所与の医療デバイスのスパインの側面図を示す概略絵図である。
【
図12B】本発明の実施形態による、所与の医療デバイスのスパインの側面図を示す概略絵図である。
【
図13A】本発明の実施形態による、医療用プローブの所与のワイヤの断面図を示す概略絵図である。
【
図13B】本発明の実施形態による、医療用プローブの所与のワイヤの断面図を示す概略絵図である。
【
図14】本発明の実施形態による、バスケットアセンブリを組み立てる方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。この説明は、当業者が本発明を製造及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0037】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、記載された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。加えて、本明細書で使用される場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、本システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図していないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を表す。同様に、「近位」という用語が、オペレータ又は医師により近い位置を示す一方で、「遠位」は、オペレータ又は医師からより遠く離れた位置を示す。
【0038】
本明細書で論じられるように、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳動物、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、様々な任意の適用可能な種類であり得ることを理解されたい。一例として、動物は、ヒトと同様の特定の特性を有するように特異的に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サル、又は同等物)であり得る。対象は、例えば、任意の適用可能なヒト患者であり得ることを理解されたい。
【0039】
本明細書で論じられるように、「オペレータ」は、対象への薬剤抵抗性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達に関連する、医師、外科医、技術者、科学者、又は任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0040】
本明細書で論じられるように、「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関するため、本開示の全体を通してパルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス電界アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と称される、不可逆的エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則な心臓信号の生成を低減又は防止するように構成された構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する際のアブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない、特定の状態に対する心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示の全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0041】
本明細書で論じられるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けられた2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、高電流密度及び高電束密度を含む1つの電極が、治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を含む第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。
【0042】
本明細書で論じられるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称される)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称される)を有する電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを有する電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への印加を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、接地又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。加えて、又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に記載されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分中に本質的に一定の電圧振幅を有する正方形を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0043】
本明細書で論じられるように、「管状」及び「管」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱であるか、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さの全体を通して均一な断面の構造に限定されるものではない。例えば、管状構造は、概して、ほぼ直円柱構造として図示される。しかしながら、管状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲外面を有してもよい。
【0044】
本明細書で使用される場合の「温度定格」という用語は、構成要素の溶融又は熱劣化(例えば、炭化及び崩壊)などの熱損傷を引き起こすことなく、構成要素がその寿命の間に耐えることができる最大連続温度として定義される。
【0045】
本開示は、スパインに添着された電極を含むエンドエフェクタを利用するシステム、方法又は使用、及びデバイスに関する。本開示の例示的なシステム、方法、及びデバイスは、心不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションに特に適し得る。アブレーションエネルギーは、典型的には、アブレーションされる組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができる、カテーテルの先端部分によって心臓組織に提供される。いくつかの例示的カテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からアブレーションエネルギーを投与するように構成されている。そのような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション手技は、蛍光透視法を使用して可視化され得る。
【0046】
機能不全の心臓を矯正するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技法の適用を使用する、心臓組織のアブレーションは、周知の手技である。典型的には、熱的技法を使用してアブレーションを成功させるために、心筋の様々な位置で心臓の電極電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定は、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。典型的には、熱的技法を使用したアブレーション手技について、実際のアブレーションの前、間、及び後に、電極電位及び温度が測定される。
【0047】
RFアプローチは、組織の炭化、燃焼、蒸気破裂、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得るリスクを有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションに関連するいくらかの熱リスクを低減することができるRFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操縦し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0048】
本開示で論じられるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用され得る非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスが心筋の細胞構造を破壊するために印加される。二相性パルスは、非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が印加されて、治療領域において熱を生成し、治療領域内の全ての細胞を無差別に加熱する。したがって、IREは、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで知られている起こり得る合併症の低減に有益であろう、隣接する熱感受性構造又は組織を温存する能力を有する。加えて、又は代替的に、単相性パルスを利用することができる。
【0049】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的(一時的)又は不可逆的(永久的)生成を引き起こすために、生物学的細胞にわたってパルス電界を印加することによって誘導され得る。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位を下回ったままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加された電界が除去されたときに細孔が閉じることができ、細胞が自己修復及び生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、ホメオスタシスの喪失に起因して、典型的にはアポトーシスによって死滅する。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞は、約500V/cmの閾値電位を有するが、骨については3000V/cmである。閾値電位のこれらの違いは、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0050】
本開示の解決策は、好ましくは、心筋組織にエレクトロポレーションを誘導するために有効なパルス電界を印加することによって、心筋組織の近傍に位置付けられたカテーテル電極から電気信号を印加するためのシステム及び方法を含む。本システム及び方法は、不可逆的エレクトロポレーションを誘導することによって標的組織をアブレーションするために有効であり得る。いくつかの実施例では、本システム及び方法は、診断手順の一部として可逆的エレクトロポレーションを誘導するために有効であり得る。可逆的エレクトロポレーションは、電極で印加された電気が、細胞が修復することを可能にする、標的組織の電界閾値を下回るときに起こる。可逆的エレクトロポレーションは、細胞を死滅させないが、医師が、標的位置の近傍で電気活性化信号に対する可逆的エレクトロポレーションの効果を見ることを可能にする。可逆的エレクトロポレーションのための例示的なシステム及び方法は、完全に記載された場合のように参照によりその全体で本明細書に組み込まれ、優先米国特許出願第63/301,146号の付録に添付されている、米国特許公開第2021/0162210号に開示されている。
【0051】
可逆的及び/又は不可逆的エレクトロポレーションを誘導するためのパルス電界並びにその有効性は、システムの物理的パラメータ及び電気信号の二相性パルスパラメータによる影響を受け得る。物理的パラメータは、電極接触面積、電極間隔、電極幾何形状など含むことができ、本明細書に提示される例は、概して、可逆的及び/又は不可逆的エレクトロポレーションを効果的に誘導するように適合された物理的パラメータを含む。電気信号の二相性パルスパラメータは、電圧振幅、パルス持続時間、パルス相間遅延、パルス間遅延、合計印加時間、送達エネルギーなどを含むことができる。いくつかの実施例では、電気信号のパラメータを調整して、同じ物理的パラメータを与えられた可逆的エレクトロポレーション及び不可逆的エレクトロポレーションの両方を誘導することができる。IREを含むアブレーションの様々なシステム及び方法の例は、米国特許公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に提示されており、その各々の全体は、完全に記載された場合のように参照により本明細書に組み込まれ、優先米国特許出願第63/301,146号の付録に添付されている。
【0052】
IRE(不可逆的エレクトロポレーション)手技でパルス電界アブレーション(PFA)を送達するために、電極は、十分に広い表面積を有するアブレーションされている組織に接触するべきである。以下に記載されるように、医療用プローブは、近位端及び遠位端を有する可撓性挿入管と、可撓性挿入管の遠位端におけるバスケットアセンブリとを含む。バスケットアセンブリは、少なくとも1つのスパインと、複数の電極アセンブリとを含む。各電極アセンブリは、スパインと相互係止して、スパインがスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように構成され得る。
【0053】
図1は、本発明の実施形態による、医療用プローブ22と、制御コンソール24とを含む、医療用システム20の概略絵図である。医療用システム20は、例えば、Biosense Webster Inc.(31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されたCARTO(登録商標)システムに基づき得る。以下に記載される実施形態では、医療用プローブ22は、患者28の心臓26においてアブレーション手技を実施するためなど、診断的処置又は治療的処置のために使用することができる。代替的に、医療用プローブ22は、必要な変更を加えて、心臓又は他の身体器官において他の治療目的及び/又は診断目的で使用され得る。
【0054】
医療用プローブ22は、可撓性挿入管30と、挿入管の近位端に結合されたハンドル32とを含む。医療手技中に、医療専門家34は、医療用プローブの遠位端36が心臓26の腔などの体腔に進入するように、患者28の血管系を通してプローブ22を挿入することができる。遠位端36が心臓26の腔に進入すると、医療専門家34は、遠位端36に添着されたバスケットアセンブリ38を展開することができる。バスケットアセンブリ38は、以下の
図2A及び
図2Bを参照する説明に記載されるように、複数のスパインに添着された複数の電極40を含むことができる。不可逆的エレクトロポレーション(IRE)アブレーションなどの医療手技を実施し始めるために、医療専門家34は、電極40が1つ又は複数の所望の位置で心臓組織に係合するように、ハンドル32を操作して遠位端36を位置付けることができる。電極40が心臓組織に係合するように遠位端36を位置付けると、医療専門家34は、電気パルスがIREアブレーションを実施するために電極40によって送達されるように、医療用プローブ22を作動させることができる。
【0055】
図1に示される構成では、制御コンソール24は、ケーブル42によって、典型的には患者28に添着される接着性皮膚パッチ44を含む体表面電極に接続される。制御コンソール24は、追跡モジュール48と併せて、心臓26の内側の遠位端36の位置座標を決定する、プロセッサ46を含む。位置座標は、生成された磁場の存在下にあるときにカテーテルの遠位部分から提供される電磁位置センサ出力信号に基づいて決定することができる。位置座標は、加えて、又は代替的に、接着性皮膚パッチ44とバスケットアセンブリ38に添着されている電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づき得る。医療手技中に位置センサとして使用されることに加えて、電極40は、心臓内の組織をアブレーションすることなどの他の作業を実施し得る。
【0056】
上記に記載されるように、追跡モジュール48と併せて、プロセッサ46は、接着性皮膚パッチ44と電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26の内側の遠位端36の位置座標を決定し得る。そのような決定は、典型的には、インピーダンス又は電流を遠位端の既知の位置に関連付ける較正プロセスが実施された後のものである。本明細書に提示される実施形態は、好ましくは、IREアブレーションエネルギーを心臓26内の組織に送達するように構成されている電極40を記載するが、任意の他の種類のアブレーションエネルギーを任意の体腔内の組織に送達するように電極40を構成することは、本発明の趣旨及び範囲内であるとみなされる。更に、IREアブレーションエネルギーを心臓26内の組織に送達するように構成されている電極40であることに関連して記載されているが、当業者は、開示された技術が、患者28の身体の器官又は他の部分の様々な特性をマッピング及び/又は決定するために使用される電極に適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0057】
プロセッサ46は、典型的には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)として構成されたリアルタイムノイズ低減回路50と、それに続くアナログ-デジタル(analog-to-digital、A/D)信号変換集積回路52とを含み得る。プロセッサは、1つ又は2つ以上のアルゴリズムを実施するようにプログラムすることができ、医療専門家34がIREアブレーション手技を実施することを可能にするために、回路50及び回路52並びにモジュールの特徴を使用する。
【0058】
制御コンソール24はまた、制御コンソール24が電極40及び接着性皮膚パッチ44から信号を転送し、並びに/又はそれらに信号を転送することを可能にする、入力/出力(input/output、I/O)通信インターフェース54も含む。
図1に示される構成では、制御コンソール24は、加えて、IREアブレーションモジュール56と、スイッチングモジュール58とを含む。
【0059】
IREアブレーションモジュール56は、数十キロワットの範囲内のピーク電力を有するIREパルスを生成するように構成される。いくつかの実施例では、電極40は、少なくとも900ボルト(V)、場合によっては、1100V以上のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成される。医療用システム20は、IREパルスを電極40に送達することによってIREアブレーションを実施する。好ましくは、医療用システム20は、スパイン上の電極40間に二相性パルスを送達する。加えて、又は代替的に、医療用システム20は、電極40のうちの少なくとも1つと皮膚パッチとの間に単相性パルスを送達する。
【0060】
灌注が所望される場合、システム20は、挿入管30内のチャネル(図示せず)を介して遠位端36及び電極40に灌注流体(例えば、生理食塩水)を供給する。制御コンソール24は、灌注流体の圧力及び温度などの灌注パラメータを監視及び制御するための灌注モジュール60を含む。
【0061】
電極40及び/又は接着性皮膚パッチ44から受信した信号に基づいて、プロセッサ46は、患者の体内における遠位端36の位置を示す電気解剖学的マップ62を生成することができる。手技中、プロセッサ46は、ディスプレイ64上でマップ62を医療専門家34に提示し、電気解剖学的マップを表すデータをメモリ66に記憶することができる。メモリ66は、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなどの任意の好適な揮発性及び/又は不揮発性メモリを含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、医療専門家34は、1つ又は2つ以上の入力デバイス68を使用して、マップ62を操作することができる。代替実施形態では、ディスプレイ64は、マップ62を提示することに加えて、医療専門家34からの入力を受け入れるように構成され得るタッチスクリーンを含み得る。
【0063】
図2Aは、挿入管3の遠位端36において挿入管の管腔80から外に前進させられることなどによって拘束されていないときの拡張形態のバスケットアセンブリ38を有する医療用プローブ22の斜視図を示す概略絵図である。
図2Bは、挿入管30内の圧潰形態のバスケットアセンブリを示す。拡張形態(
図2A)では、スパイン214は、半径方向外向きに湾曲し、圧潰形態(
図2B)では、スパインは、概して挿入管30の縦軸86に沿って配設されている。
【0064】
図2Aに示されるように、バスケットアセンブリ38は、管状シャフト84の端部に形成され、それらの両方の端部において接続される、複数の可撓性スパイン214を含む。医療手技中、医療専門家34は、管状シャフト84を挿入管30から延在させて、バスケットアセンブリ38を挿入管から退出させ、拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ38を展開することができる。スパイン214は、楕円形(例えば、円形)又は長方形(平坦に見える場合がある)の断面を有し、可撓性で弾性の材料(例えば、ニッケルチタン(ニチノールとしても知られている)、コバルトクロム、又は任意の他の好適な材料などの形状記憶合金)を含み得る。
【0065】
本明細書に記載される実施形態では、電極40は、アブレーションエネルギー(RF及び/又はIRE)を心臓26内の組織に送達するように構成され得る。加えて、又は代替的に、電極はまた、バスケットアセンブリ38の位置を決定するために、及び/又は心臓26内の組織上のそれぞれの位置で局所表面電位などの生理学的特性を測定するために使用することもできる。電極40は、電極40が、バスケットアセンブリ38に向かって内向きよりもバスケットアセンブリ38から外向きに(すなわち、心臓26組織に向かって)大量の電気エネルギーを送達するように、電極40のより多くの部分がバスケットアセンブリ39から外向きに面するように付勢され得る。
【0066】
電極40を形成するために理想的に適した材料の例としては、金、白金、及びパラジウム(並びにそれらのそれぞれの合金)が挙げられる。これらの材料はまた、高い熱伝導率を有し、これにより、組織上で生成された(すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる)最小限の熱が、電極を通して電極の裏側(すなわち、スパインの内側にある電極の部分)に伝導され、次いで、心臓26内の血液プールに伝導されることが可能になる。
【0067】
バスケットアセンブリ38は、遠位端94を有し、管状シャフト84の遠位端36からバスケットアセンブリ38の遠位端94に向かって縦方向に延在するステム96を含む。上記に記載されるように、制御コンソール24は、灌注流体を遠位端36に送達する灌注モジュール60を含む。ステム96は、複数の灌注開口部98を含み、各所与の灌注開口部98は、所与の電極40又は心臓26内の組織のいずれかに灌注流体を噴霧又は別様に分散させるように角度を付けることができる。
【0068】
電極40は、灌注流体を送達する灌注開口部を含まないため、上記に記載される構成は、熱が組織から(すなわち、アブレーション手技中に)スパイン214の内側にある電極の部分に伝達されることを可能にし、灌注開口部98を介してスパイン214の内側にある電極40の部分に灌注流体を向けることによって、電極40を冷却することができる。
【0069】
図3A及び
図3Bは、本発明の実施形態による、スパイン214が管状シャフト84とともに組み立てられ得る様子の一実施例を提供するためにバスケットアセンブリの管状シャフト84及びスパイン214の分解図を示す概略絵図である。
図3Aに示されるように、スパイン214は、平面材料の単一シートから形成されて、ほぼ星形を形成することができる。換言すると、スパイン214は、スパイン214が中心交差部211に向かって収束するように、平面材料の単一シートから形成され得る。交差部211は、(
図3Aに示されるように)中実材料片であり得るか、又は(
図3Bに示されるように)1つ若しくは2つ以上の開口を含むことができる。
【0070】
スパイン214は、
図3Bに示されるように、スパイン214の近位端216を管状シャフト84の遠位端85に挿入することができるように、折り畳まれるか、又は別様に屈曲され得る。
図3A及び
図3Bには示されていないが、スパインが管状シャフト84に挿入されてバスケットアセンブリ38を形成する前に、電極40をスパイン214に取り付けることができることが理解されるであろう。前述のように、スパイン214は、バスケットアセンブリ38が挿入管30から展開されるときに、バスケットアセンブリ38が(
図2Bに示されるような)その圧潰形態から(
図2Aに示されるような)その拡張形態に移行することを可能にし得る、可撓性で弾性の材料(例えば、ニチノールとしても知られているニッケルチタンなどの形状記憶合金)を含むことができる。本開示の全体を通して明白となるように、スパイン214は、電極40から電気的に絶縁されて、電極40からスパイン214へのアーク放電を防止することができる。
【0071】
本開示の利益を享受する当業者によって理解されるように、平面材料の単一シートから形成され、中心交差部で収束するスパイン214を有する、
図2A~
図3Bに示されるバスケットアセンブリ38は、単に例証目的のために提供され、開示された技術は、バスケットアセンブリ38の他の構成に適用可能であり得る。例えば、開示された技術は、単一のスパイン214又は各スパイン214が両端に取り付けられた複数のスパイン214から形成されたバスケットアセンブリ38に適用可能であり得る。他の実施例では、バスケットアセンブリ38は、バスケットアセンブリ38の遠位端94において複数のスパイン214をともに接続する中心ハブを含むことができる。更に他の実施例では、バスケットアセンブリ38は、螺旋を形成するように構成された単一のスパイン214、螺旋を形成するように構成された複数のスパイン214、1つの三脚若しくは複数の三脚を形成するように構成された複数のスパイン214、又はバスケットアセンブリ38の任意の他の形状を含むことができる。同様に、スパインアセンブリ210は、円筒形の中空ストック材料をレーザー切断することによって形成することができ、それによって、レーザーは、円筒形ストックを通して切断しながら、円筒形ストックの縦軸を中心とした回転(及びそれに対する並進)のために搭載される。したがって、
図2A~
図3Bは、バスケットアセンブリ38の具体的な構成を図示するが、開示された技術は、そのように限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0072】
ここで
図4A~
図10Dを参照して、電極アセンブリ300、800の様々な実施例が記載される。本開示の全体を通して明白となるように、電極アセンブリ300、800は、電極340、840をスパイン214に取り付け、電極340、840がスパイン214の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように構成され得る。一般的に言えば、電極アセンブリ300、800は、電極340、840と、第1の電気絶縁部分(すなわち、本明細書に記載される第1のワッシャ350又は第1の絶縁筐体部分870)と、第2の電気絶縁部分(すなわち、本明細書に記載される第2のワッシャ350又は第2の絶縁筐体部分880)とを含むことができる。第1の絶縁部分及び第2の絶縁部分は、電極340、840をスパイン214から電気的に絶縁することができる。理解されるように、電極アセンブリ300、800は、第1及び第2の電気絶縁部分を有するものとして記載されるが、当業者は、本明細書に記載される絶縁部分に加えて、又はその代わりに、絶縁コーティングを使用することができることを理解するであろう。
【0073】
電極アセンブリ300、800は、好ましくは、電極340がカテーテルのバスケットの周辺から外向きに面する導電性表面領域を提示し、絶縁表面がバスケットの周辺から内向きに面するように、スパインの平面に対して非対称である。更に、当業者によって理解されるように、電極340、840は、本明細書に以前に記載された電極40と同じであるか、又はその代わりであり得る。すなわち、電極アセンブリ300、800は、電極340、840をスパイン214に取り付けて、電極340、840が本明細書に記載される電極40と同じ又は類似機能を実施する(例えば、IREアブレーションエネルギーを心臓組織に送達する)ことを促進するために使用され得る本開示の実施例である。当業者は、本明細書に記載される電極アセンブリ300、800が例証目的のために提供され、類似特徴を有する他の電極アセンブリが本開示の範囲内に入るものとして合理的に解釈され得ることを理解するであろう。したがって、本開示は、
図4A~
図10Dに示され、本明細書に記載される特定の電極アセンブリ300、800に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0074】
図4A及び
図4Bは、本発明の実施形態による、スパイン214に取り付けられた電極アセンブリ300の斜視図を示す概略絵図である。電極アセンブリ300は、電極340と、第1のワッシャ350と、第2のワッシャ360とを含むことができる。電極340は、電極40に関連して記載される導電性材料(例えば、金、白金、及びパラジウム(並びにそれらのそれぞれの合金))を含むことができる。第1のワッシャ350及び第2のワッシャ360は、ポリエーテルイミド(Ultem)、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketon、PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(polytetraflouroethylene、PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(flourinated ethylene propylene、FEP)などの生体適合性の電気絶縁材料から作製され得る。更に、第1のワッシャ350及び第2のワッシャ360は、PTFE(絶縁用)、窒化ホウ素(絶縁用)、ダイヤモンド(熱伝導率用)などの充填材料を含むことができる。このようにして、第1のワッシャ350及び第2のワッシャ360は、電極340をスパイン214から電気的に絶縁して、電極340とスパイン214との間のアーク放電を防止又は低減するように構成され得る。
【0075】
電極340、第1のワッシャ350、及び第2のワッシャ360は、互いに相互係止して電極アセンブリ300を形成するように構成され得る。更に、本明細書により詳細に記載されるように、電極340、第1のワッシャ350、及び第2のワッシャ360は、スパイン214と相互係止して、電極アセンブリ300がスパイン214の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように構成され得る。電極アセンブリ300がスパイン214の長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することに役立つために、スパイン214は、電極アセンブリ300の一部が通過することができる開口332を備える、スパイン214内に形成されたリングであり得るリテーナリング330を含むことができる。リテーナリング330は、
図6及び
図7Aでより良く観察され得、それに関連して記載される。
【0076】
図5が、本発明の実施形態による、電極アセンブリ300及びスパイン214の正面分解図を示す概略絵図である一方で、
図6は、電極アセンブリ300及びスパイン214の斜視分解図を示す概略絵図である。
図5及び
図6に図示されるように、電極340及び第1のワッシャ350が、スパイン214の第1の側面上に位置付けられ得る一方で、第2のワッシャ360は、スパイン214の第2の側面上に位置付けられ得る。したがって、電極340、第1のワッシャ350、及び第2のワッシャ360が、ともに押動されてスパイン214に取り付けられるとき、スパイン214は、電極アセンブリ300の部分の間に位置付けられ得る。更に、
図6に図示されるように、電極340の少なくとも一部は、リテーナリング330の開口332を通過して、電極アセンブリ300をスパイン214に固定することに役立つように構成され得る。換言すると、電極340の少なくとも一部がリテーナリング330を通過することができるため、電極アセンブリ300は、電極アセンブリ300がスパイン214と係合解除されること、又はそれに沿って摺動することを防止されるように、リテーナリング330を通してともに固定され得る。
【0077】
電極アセンブリ300は、電極アセンブリ300がいったんともに固定されると分離することを防止し得る機械的干渉を含むことによって、定位置に固定され得る。例えば、電極340及び少なくとも第2のワッシャ360は、ともに押圧されると、ともに締まり嵌めを形成して、電極340が第2のワッシャ360から係合解除されることを防止するように構成され得る。例えば、電極340の突出部342の外径は、ともに押圧されると電極340と第2のワッシャ360との間に締まり嵌めを形成するために、第2のワッシャ360を通した開口362の内径よりもわずかに大きくあり得る。
【0078】
別の実施例として、電極340は、電極340が第2のワッシャ360と係合されると、電極アセンブリ300を定位置に固定するようにサイズ決定され得るスエージ継手344を含むことができる。スエージ継手344は、スエージ継手を形成するように適合された工具を使用して、電極340が第2のワッシャ360とともに押動されると形成され得る。代替的に、又は加えて、スエージ継手344は、電極340及び第2のワッシャ360をともに押圧する前に形成され得る。例えば、スエージ継手344、第2のワッシャ360、又は両方は、スエージ継手344が第2のワッシャ360の開口362を通して押動されると偏向し得る弾性材料を含むことができる。次いで、スエージ継手344は、電極アセンブリ300が定位置に固定されるように、第2のワッシャ360の開口362を通して押動された後にその元の構成に戻る(又はほぼ戻る)ことができる。換言すると、スエージ継手344及び第2のワッシャ360の開口362は両方とも、電極340の一部が第1の方向に第2のワッシャ360の開口362を通過することを可能にするが、電極340が第2の方向に開口362を通過し、組立後に第2のワッシャ360と係合解除されることを防止するように構成され得る。当業者によって理解されるように、電極アセンブリ300は、電極340の少なくとも一部を受容して電極アセンブリ300を定位置に固定するように構成された開口362を有する、第2のワッシャ360を有するものとして図示されるが、開示された技術は、そのように限定されない。非限定的実施例として、電極アセンブリ300の構成は、交換され得、電極340は、第2のワッシャ360の突出部を受容して電極アセンブリ300を定位置に固定するように構成された開口(又は複数の開口)を備えてもよい。
【0079】
図7Aは、スパイン214の上面図を示す概略絵図である。
図7Aに図示されるように、スパイン214は、スパイン214に形成された単純なリング又は円であり得るリテーナリング330を含むことができる。リテーナリング330は、電極アセンブリ300の少なくとも一部が通過するか、又は位置付けられ得る、開口332を含むことができる。一実施例として、
図7Bに図示されるように、電極340は、電極アセンブリ300がスパイン214に取り付けられたときにリテーナリング330の開口332を通して延在するように構成され得る突出部342を含むことができる。このようにして、電極340が第2のワッシャ360と係合されたとき、電極アセンブリ300は、スパイン214に沿って摺動すること、又は別様にそれと係合解除されることを防止され得る。
図7Bに示されるように、電極340の突出部342は、電極340から外向きに延在し、以前に記載されたようなスエージ継手344を含むことができる。突出部342は、リテーナリング330の開口332、並びに第1のワッシャ350の開口352及び第2のワッシャ360の開口362内に嵌合するようにサイズ決定され得る。電極340は、スエージ継手344に近接して電極340の裏側を通過するワイヤに接続され得る。ワイヤは、例えば、突出部342を通過し、電極340の内面に接続することによって、電極に溶接、圧着、はんだ付け、又は別様に接続され得る。
【0080】
図7Dに示されるように、第2のワッシャ360は、リテーナリング330の開口332を通して延在するように構成され得るリップ364を更に含むことができる。リップ364はまた、電極340がスパイン214から電気的に絶縁されるように、第1のワッシャ350の開口352を通して延在するようにサイズ決定され得る。
【0081】
電極アセンブリ300及びその構成要素は、ほぼ円筒形を有するものとして
図4A~
図7Dに図示されているが、当業者は、他の形状を有する電極アセンブリ300が企図されることを理解するであろう。例えば、電極アセンブリ300は、本開示の範囲から逸脱することなく、ほぼ長方形、三角形、多角形、卵形、又は任意の他の好適な形状を含むことができる。更に、リテーナリング330、電極340の突出部342、第1のワッシャ350の開口352、及び第2のワッシャ360の開口362は各々、示されるようなほぼ円形以外の形状(すなわち、ほぼ長方形、三角形、多角形、卵形、又は任意の他の好適な形状)を含むことができる。したがって、電極アセンブリ300は、特定の形状及び構成を有するものとして記載されるように示されているが、当業者は、電極アセンブリ300が、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の用途に応じて種々の他の形状及び構成を含むことができることを理解するであろう。
【0082】
ここで
図8A~
図10Dを参照すると、別の例示的な電極アセンブリ800が示され、本明細書に記載される。電極アセンブリ800は、本明細書に記載される電極アセンブリ300と同様の機能を実施するように構成され得る。すなわち、電極アセンブリ800は、電極840をスパイン214に固定するように構成され得、電極840は、本明細書に記載されるいくつかの特徴の中でも、IREアブレーションエネルギーを心臓組織に送達するように構成され得る。電極アセンブリ800は、電極840と、第1の絶縁筐体部分870と、第2の絶縁筐体部分880とを含むことができる。電極840は、電極40及び電極340に関連して記載される導電性材料(例えば、金、白金、及びパラジウム(並びにそれらのそれぞれの合金))を含むことができる。第1の絶縁筐体部分870及び第2の絶縁筐体部分880は、電極840をスパイン214から電気的に絶縁することができる材料を含むことができる。例えば、第1の絶縁筐体部分870及び第2の絶縁筐体部分880は、Ultem、PEEK、液晶ポリマー(Vectra/Zenite)、ポリカーボネートなどの生体適合性の電気絶縁材料から作製され得る。第1の絶縁筐体部分870及び第2の絶縁筐体部分880は、約2~30%の濃度を有するガラス繊維などの充填材料を含むことができる。このようにして、第1の絶縁筐体部分870及び第2の絶縁筐体部分880は、電極840をスパイン214から電気的に絶縁して、電極840とスパイン214との間のアーク放電を防止するように構成され得る。
【0083】
電極アセンブリ800は、スパイン214の少なくとも一部が通過することができる、チャネル890を含むことができる。例えば、チャネル890は、電極アセンブリ800がスパイン214の周囲に締め付けることによってスパイン214に固定され得るように、スパイン214を少なくとも部分的に受容するようにサイズ決定され得る。例えば、
図9に示されていないが、スパイン214は、電極アセンブリ800が組み立てられるためにともに押動されるとき、電極アセンブリ800がスパイン214の周囲に固定され得るように、電極840と第2の絶縁筐体部分880との間に配置され得る。電極アセンブリ800をスパインに更に固定するために、チャネル890の断面形状は、スパイン214の断面形状よりもわずかに小さくあり得る。このようにして、電極アセンブリ800がスパイン214の周囲にともに締め付けられたとき、電極アセンブリ800は、スパイン214と摩擦嵌合を形成して、電極アセンブリ800がスパイン214の長さに沿って近位及び遠位に摺動することを防止することに役立つ。
【0084】
図9は、本発明の別の実施形態による、電極アセンブリ800の分解図を示す概略絵図である。図示されるように、電極840は、電極840から外向きに延在し得る基礎部分842を含むことができる。第1の絶縁筐体部分870は、第1の絶縁筐体部分870の上部分の付近で内向きに延在し得る周縁872を更に含むことができる。電極アセンブリ800内に電極840を固定することに役立つために、基礎部分842は、周縁872の内周長よりも大きい外周長を有するようにサイズ決定され得る。したがって、第1及び第2の絶縁筐体部分870、880と第1の絶縁筐体部分870との間に配置された電極840が第2の絶縁筐体部分880に固定されるとき、基礎部分842及び周縁872が、電極840が第1の絶縁筐体部分870から脱落することを防止するため、電極840を定位置に固定することができる。
【0085】
図10A及び
図10Bは、電極アセンブリ800の第1の絶縁筐体部分870の斜視図を示す概略絵図である。図示されるように、第1の絶縁筐体部分870は、概して、2つの側壁879の間に位置付けられた第1の絶縁筐体部分870の切り抜き部分であり得るチャネル開口部874を含むことができる。チャネル開口部874は、スパイン214の少なくとも一部を受容するようにサイズ決定され得る。チャネル開口部874は、応力集中を低減することに役立ち、第1の絶縁筐体部分870がスパイン214に損傷を引き起こす可能性を低減することに役立つために丸みを帯びている縁を含むことができる。
【0086】
第1の絶縁筐体部分870は、(
図10C及び
図10Dに関連して示され、記載されるように)第2の絶縁筐体部分880の対応する雄型コネクタ888を受容するようにサイズ決定されている雌型コネクタ878を更に含むことができる。雌型コネクタ878は、電極アセンブリ800がスパイン214に固定されたときに、雌型コネクタ878がスパイン214の側面の付近に位置付けられ得るように、第1の絶縁筐体部分870の側壁879内又は上に位置付けられ得る。雌型コネクタ878は、雄型コネクタ888が雌型コネクタ878内に押し込まれることを可能にするが、組み立てられると雄型コネクタ888が雌型コネクタ878から取り外されることを防止するように構成され得る狭い部分876を含むことができる。例えば、狭い部分876は、雄型コネクタ888の直径よりも小さい狭い部分876の対向縁間の距離を含む点まで傾斜し得る。したがって、狭い部分876は、雄型コネクタ888が狭い部分876を通して第1の方向に摺動することを可能にするが、雄型コネクタ888が狭い部分876を通して第2の方向に摺動することを防止することができる。第1の絶縁筐体部分870、第2の絶縁筐体部分880、又は両方は、雄型コネクタ888が雌型コネクタ878内に押し込まれたときに、狭い部分876、雄型コネクタ888、又は両方が偏向することを可能にするために、弾性材料から作製され得る。
【0087】
図10C及び
図10Dは、電極アセンブリ800の第2の絶縁筐体部分880の斜視図を示す概略絵図である。以前に記載されたように、第2の絶縁筐体部分880は、第2の絶縁筐体部分880から突出し、第1の絶縁筐体部分870の雌型コネクタ878と相互係止するように構成され得る雄型コネクタ888を含むことができる。第2の絶縁筐体部分880は、第1の絶縁筐体部分870のチャネル部分874と同様に、スパイン214を受容するようにサイズ決定され得るチャネル部分884を更に含むことができる。チャネル部分884は、組み立てられたときにスパイン214が第1の絶縁筐体部分870と第2の絶縁筐体部分880との間に位置付けられ得るように、チャネル部分874と整合するように構成され得る。
【0088】
チャネル部分884は、応力集中を低減し、第2の絶縁筐体部分880がスパイン214を損傷する可能性を低減することに役立つために、チャネル部分884の外縁に近接して位置付けられ得る、丸みを帯びたリップ886を含むことができる。丸みを帯びたリップ886は、拡張形態と圧潰形態との間で移行されたときに、丸みを帯びたリップ886が、スパイン214が屈曲することを可能にし得るように、丸みを帯びた縁を含み、ほぼ凹形状であり得る。
【0089】
第2の絶縁筐体部分880は、電極アセンブリ800のワイヤを受容するように構成され得るワイヤ開口882を含むことができる。例えば、ワイヤは、スパイン214に沿って配置され、次いで、ワイヤ開口882を通過し、電極840に電気的に接続され得る。ワイヤは、電極840に溶接、はんだ付け、圧着、又は別様に接続され得る。ワイヤ開口882は、応力集中を低減し、第2の絶縁筐体部分880がワイヤを損傷する可能性を低減することに役立つために、丸みを帯びた縁を含むことができる。代替的に、又は加えて、ワイヤ開口882は、電極840の整合のために使用することができる。例えば、電極840は、第1の絶縁筐体部分870及び第2の絶縁筐体部分880に含まれる開口を通して挿入されるピン様エンボスを有してもよい。
【0090】
雌型コネクタ878を有する第1の絶縁筐体部分870及び雄型コネクタ888を有する第2の絶縁筐体部分880として記載されているが、当業者は、2つを入れ替えることができることを理解するであろう。換言すると、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の絶縁筐体部分870が、雄型コネクタ888を有することができる一方で、第2の絶縁筐体部分880は、雌型コネクタ878を有することができる。更に、電極アセンブリ800は、特定の用途に好適であるような任意の数の雌型コネクタ878及び雄型コネクタ888を有することができる。
【0091】
電極アセンブリ800及びその構成要素は、特定の形状を有するものとして
図8A~
図10Dに図示されているが、当業者は、他の形状を有する電極アセンブリ300が企図されることを理解するであろう。例えば、電極アセンブリ300は、本開示の範囲から逸脱することなく、ほぼ円形、長方形、三角形、多角形、卵形、又は任意の他の好適な形状を含むことができる。
【0092】
図11A及び
図11Bは、本発明の実施形態による、所与の医療用デバイス22の様々な絶縁ジャケット1180A、1180Bを示す概略絵図である。
図11Aが、絶縁ジャケット1180A、1180Bの正面図である一方で、
図11Bは、斜視図である。絶縁ジャケット1180A、1180Bは、ポリアミド-ポリエーテル(Pebax)コポリマー、ポリエチレンテレフタレート(polyethelyene terephthalate、PET)、ウレタン、ポリイミド、パリレン、シリコーンなどの生体適合性の電気絶縁材料から作製され得る。絶縁ジャケット1180A、1180Bは、PTFE、窒化ホウ素などの充填材料を更に含むことができる。絶縁ジャケット1180A、1180Bは、絶縁ジャケット1180A、1180Bを通過する支柱及び/又はワイヤを電極40から絶縁して、電極40、340、及び/又は840から絶縁ジャケット1180A、1180Bを通過するストラット及び/又はワイヤへのアーク放電を防止することに役立つことができる。
【0093】
図11A及び
図11Bに図示されるように、絶縁ジャケット1180A、1180Bは、ほぼ台形である断面形状を含むことができる。絶縁ジャケットは、単一管腔又は多重管腔構成から成り得る。多重管腔ジャケットは、合金フレーム及びワイヤが単一の管腔を共有する一方で、第2の管腔が灌注に使用され得るように構成され得る。合金フレーム及びワイヤはまた、記載されるように、別個の管腔を占有し得る。これらの設計については、絶縁ジャケットは、連続的である(各合金フレーム支柱の近位端から遠位端まで延在する個々のスリーブ)か、セグメント化される(電極間隙の間に架橋する)か、又は両方の組み合わせであり得る。更に、絶縁ジャケット1180A、1180Bは、第1の管腔1182A、1182B及び第2の管腔1184A、1184Bを含むことができる。第1の管腔1182A、1182Bが、支柱を受容するように構成され得る一方で、第2の管腔1184A、1184Bは、ワイヤを受容するように構成され得る、又はその逆も同様である。他の実施例では、第1の管腔1182A、1182B及び第2の管腔1184A、1184Bは各々、1つ又は2つ以上の電極40に接続され得る1つ又は2つ以上のワイヤを受容するように構成され得る。更に、
図10Bに図示されるように、絶縁ジャケット1180A、1180Bは、それを通してワイヤを電極40に電気的に接続することができる、開口1186A、1186Bを含むことができる。絶縁ジャケット1180A、1180Bの底部に近接するものとして
図10Bに図示されているが、開口1186A、1186Bは、絶縁ジャケット1180A、1180Bの上部又は側面に近接して位置付けられ得る。更に、絶縁ジャケット1180A、1180Bは、複数の開口1186A、1186Bを含むことができ、各開口は、用途に応じて、絶縁ジャケットの同じ側(すなわち、上部、底部、左、右)、又は異なる側に配置される。
【0094】
図12A及び
図12Bは、本発明の実施形態による、所与の医療デバイス22のスパイン214の側面図を示す概略絵図である。理解されるように、
図12A及び
図12Bに図示されるスパイン214は、単一のスパイン214であり、本明細書に記載されるバスケットアセンブリ38の複数のスパイン214を表し得る。換言すると、バスケットアセンブリ38を形成する複数のスパイン214は各々、複数のスパイン214がともに所望の形状を形成するように、拡張形態であるときに同じ又は類似形状を形成するように構成され得る。例証すると、
図12Aに示されるスパイン214は、拡張形態であるときにほぼ円形を形成するように構成され得る。したがって、バスケットアセンブリ38を形成するために他のスパイン214と組み合わされたとき、複数のスパイン214は、バスケットアセンブリ38が拡張形態であるときにほぼ球形を形成するように構成され得る。別の実施例として、
図12Bに示されるスパイン214は、拡張形態であるときにほぼ楕円形を形成するように構成され得る。したがって、バスケットアセンブリ38を形成するために他のスパイン214と組み合わされたとき、複数のスパイン214は、バスケットアセンブリ38が拡張形態であるときにほぼ偏楕円体形状を形成するように構成され得る。形状の全ての変形例が本明細書に示されているか、又は記載されているわけではないが、当業者は、スパイン214が、特定の用途に好適であるような他の様々な形状を形成するように更に構成され得ることを理解するであろう。更に、医療デバイス22は、
図12A又は
図12Bに図示されるスパイン214と同様に成形された周辺を伴う外形を有する形状を形成し得る、代替形状の1つ又は2つ以上のスパインを含むことができる。
【0095】
拡張形態であるときに様々な形状を形成するように構成されたスパイン214を含むことによって、バスケットアセンブリ38は、スパイン214に取り付けられた様々な電極40を様々な位置に配置するように構成され得、各位置は、可撓性挿入管30の遠位端により近いか、又はそこからより遠い。例えば、スパイン214の中央付近で
図12Aに図示されるスパイン214に取り付けられた電極40は、バスケットアセンブリ38が拡張形態であるときに、
図12Bに図示されるスパイン214よりも可撓性挿入管30の遠位端から遠くにあろう。
【0096】
図13A及び
図13Bは、本発明の実施形態による、所与の電極40、340、840に接続され得る所与のワイヤ1300、1350の断面図を示す概略絵図である。
図13Aは、中実コアワイヤ1300を図示する。
図13Bは、ストランドワイヤ1350を示す。各ワイヤ1300、1350は、管状シャフト84の少なくとも一部を通して延在することができる。中実コアワイヤ1300は、導電性コア材料1302と、導電性コア材料1302を取り囲む導電性カバー材料1304とを含むことができる。同様に、ストランドワイヤ1350は、各々、導電性コア材料1352と、導電性コア材料1352を取り囲む導電性カバー材料1354とを含む、ストランドを含むことができる。各ワイヤ1300、1350は、導体を取り囲む絶縁ジャケット1306を含むことができる。ワイヤ1300、1350は、IREパルスを送達するために十分な隣接するワイヤの電圧差に耐えるように構成され得る。好ましくは、ワイヤ1300、1350は、隣接するワイヤ間で少なくとも900V、より好ましくは少なくとも1,800Vに耐えることができる。隣接するワイヤの導体間の誘電破壊の可能性を低減するために、導電性カバー材料1304、1354は、コア材料1302、1352と比較してより低い導電率を有することができる。
【0097】
絶縁ジャケット1306は、(例えば、摂氏300度の温度における)電極40へのワイヤ1300のはんだ付け中に電気絶縁ジャケット1306が溶融又は劣化(例えば、炭化及び崩壊)し、したがって、ワイヤ1300の絶縁ジャケット1306を機械的に剥離する必要がないように、摂氏150~200度の温度定格を有するように構成され得る。他の実施例では、絶縁ジャケット1306は、医療用プローブ22の製造中及び/又は使用中に電気絶縁材料1302が溶融又は劣化(例えば、炭化及び崩壊)することを防止するために、摂氏200度を超える温度定格を有することができる。ワイヤ1300が電極40に電気的に接続される前に、絶縁ジャケット1306をワイヤ1300から機械的に剥離することができる。
【0098】
図14は、本発明の実施形態による、バスケットアセンブリ38を製造する方法1400を図示するフローチャートである。方法1400は、拡張可能なバスケットアセンブリ38のスパイン214を第1の絶縁部分及び第2の絶縁部分と整合させること1402を含むことができる。例えば、本明細書に記載されるように、方法1400は、スパイン214を電極340、第1の洗浄器350、及び第2の洗浄器360と整合させること1402を含むことができる。別の実施例として、本明細書に記載されるように、方法1400は、スパイン214を電極840、第1の絶縁筐体部分870、及び第2の絶縁筐体部分880と整合させること1402を含むことができる。
【0099】
方法1400は、スパイン214を第1の絶縁部分と第2の絶縁部分との間に配置すること1404を更に含むことができる。例えば、本明細書に記載されるように、スパイン214は、第1のワッシャ350と第2のワッシャ360との間に位置付けられ得る。別の実施例として、本明細書に記載されるように、スパイン214は、電極840がスパイン214と第1の絶縁筐体部分870との間に配置された状態で、第1の絶縁筐体部分870と第2の絶縁筐体部分880との間に配置され得る。
【0100】
方法1400は、電極がスパイン214に固定されるまで、電極340、840、第1の絶縁部分(すなわち、第1のワッシャ350又は第1の絶縁筐体部分870)、及び第2の絶縁部分(すなわち、第2のワッシャ360又は第2の絶縁筐体部分880)をともに相互係止すること1406を更に含むことができる。例えば、方法1400は、スエージ継手344が第2のワッシャ360と係合することによって電極アセンブリ300が定位置に固定されるまで、電極340、第1のワッシャ350、及び第2のワッシャ360をともに相互係止することを含むことができる。別の実施例として、方法1400は、雄型コネクタ888が雌型コネクタ878と係合し、電極アセンブリ800がスパイン214に固定されるまで、第1の絶縁筐体部分870を第2の絶縁筐体部分880とともに押動させることを含むことができる。
【0101】
当業者によって理解されるように、方法1400は、本明細書に記載される開示された技術の様々な特徴のうちのいずれかを含むことができ、特定の構成に応じて変更され得る。したがって、方法1400は、本明細書に明示的に記載される特定のステップ及びステップの順序に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0102】
本明細書に記載される開示された技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
条項1:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を有する、管状シャフトであって、縦軸に沿って延在する、管状シャフトと、管状シャフトの遠位端に結合された拡張可能なバスケットアセンブリであって、縦軸に沿って延在し、拡張可能なバスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに縦軸から半径方向外向きに湾曲するように構成された少なくとも1つのスパインと、複数の電極アセンブリであって、複数の電極アセンブリのうちの各電極アセンブリが、少なくとも1つのスパインに取り付けられ、電極と、電極を少なくとも1つのスパインから電気的に絶縁する第1の電気絶縁部分と、電極を少なくとも1つのスパインから電気的に絶縁する第2の電気絶縁部分であって、複数の電極アセンブリが少なくとも1つのスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止されるように、電極、第1の電気絶縁部分、及び第2の電気絶縁部分が、少なくとも1つのスパイン上に相互係止されている、第2の電気絶縁部分と、を備える、複数の電極アセンブリと、を備える、拡張可能なバスケットアセンブリと、を備える、医療用プローブ。
条項2:少なくとも1つのスパインが、リテーナリングを備え、リテーナリング上に、複数の電極アセンブリのうちのそれぞれの電極アセンブリが相互係止されている、条項1に記載の医療用プローブ。
条項3:電極が、第2の電気絶縁部分と相互係止するように構成された突出部を備える、条項1又は2に記載の医療用プローブ。
条項4:突出部が、リテーナリングを通して延在し、それによって、電極アセンブリが少なくとも1つのスパインの長さに沿って摺動することを防止する、条項3に記載の医療用プローブ。
条項5:突出部が、スエージ継手を更に備える、条項4に記載の医療用プローブ。
条項6:第1の電気絶縁部分が、第1のワッシャを備え、第2の電気絶縁部分が、第2のワッシャを備える、条項1~4のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
条項7:第1のワッシャ及び第2のワッシャが、電極が少なくとも1つのスパインに接触することを防止するように、かつ電極を少なくとも1つのスパインから電気的に絶縁するように構成されている、条項6に記載の医療用プローブ。
条項8:第2のワッシャが、リテーナリング内に内向きに延在して、電極が少なくとも1つのスパインに接触することを防止するように構成されたリップを備える、条項7に記載の医療用プローブ。
条項9:第1の電気絶縁部分が、第1の筐体部分を備え、第2の電気絶縁部分が、第2の筐体部分を備える、条項1に記載の医療用プローブ。
条項10:第1の筐体部分及び第2の筐体部分が、相互係止して、電極を少なくとも1つのスパインに固定するように構成されている、条項9に記載の医療用プローブ。
条項11:第2の筐体部分が、雄型コネクタを備え、第1の筐体部分が、雄型コネクタを受容し、第1の筐体部分が第2の筐体部分と相互係止することを促進するように構成された雌型コネクタを備える、条項10に記載の医療用プローブ。
条項12:第1の筐体部分が、電極を受容するように構成された周縁を備える、条項9~11のいずれかに記載の医療用プローブ。
条項13:電極が、電極を第1の筐体部分の周縁内に保持するように構成された基礎部分を更に備える、条項12に記載の医療用プローブ。
条項14:基礎部分が、周縁の内周長よりも大きい外周長を含む、条項13に記載の医療用プローブ。
条項15:電極が、医療用プローブのワイヤに電気的に接続されている、条項1~14のいずれかに記載の医療用プローブ。
条項16:ワイヤの少なくとも一部が、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率未満の第2の導電率を含む導電性カバー材料であって、導電性コア材料を取り囲む導電性カバー材料と、導電性カバー材料を取り囲む絶縁ジャケットとを備える、条項15に記載の医療用プローブ。
条項17:ワイヤの少なくとも一部が、複数のストランドと、複数のストランドを取り囲む絶縁ジャケットとを備え、複数のストランドのうちの各ストランドが、それぞれ、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率未満の第2の導電率を含む導電性カバー材料であって、導電性コア材料を取り囲む導電性カバー材料とを備える、条項15又は16に記載の医療用プローブ。
条項18:少なくとも1つのスパインが、ニチノールを含む、条項1~17のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
条項19:少なくとも1つのスパインが、コバルトクロムを含む、条項1~18のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
条項20:複数の電極が、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項1~19のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
条項21:少なくとも1つのスパインが、ほぼ球形のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~20のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
条項22:少なくとも1つのスパインが、ほぼ偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~20のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
条項23:少なくとも1つのスパインが、電気絶縁ジャケットを更に備え、電気絶縁ジャケットが、第1の管腔及び第2の管腔を備え、第1の管腔が、第1のワイヤを受容するように構成され、第2の管腔が、第2のワイヤを受容するように構成されている、条項1~22のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
条項24:電気絶縁スリーブの断面形状が、ほぼ台形を含む、条項23のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
条項25:灌注流体を複数の電極に送達するように構成された灌注開口部を更に備える、条項1~24のいずれか1つに記載の医療用プローブ。
条項26:医療用プローブを構築する方法であって、電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分を整合させることと、第1の絶縁部分と第2の絶縁部分との間にバスケットカテーテルのスパインを配置することと、第1の絶縁部分及び第2の絶縁部分が、スパインから電極を電気的に絶縁するように、かつ電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分が、スパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止されるように、電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止して、電極をスパインに固定することと、を含む、方法。
条項27:電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、スパインのリテーナリングの開口を通して電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分のうちの少なくとも1つの一部を相互係止することを含む、条項26に記載の方法。
条項28:電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をリテーナリングと整合させることを更に含む、条項27に記載の方法。
条項29:電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、電極の突出部を第2の絶縁部分と相互係止することを含む、条項28に記載の方法。
条項30:突出部上にスエージ継手を形成して、電極を第2の絶縁部分と相互係止させることを更に含む、条項29に記載の方法。
条項31:電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、リテーナリングを通して突出部を延在させ、それによって、電極がスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止することを含む、条項29に記載の方法。
条項32:第1の電気絶縁部分が、第1の絶縁ワッシャを備え、第2の電気絶縁部分が、第2の絶縁ワッシャを備える、条項26~31のいずれか1つに記載の方法。
条項33:
電極がスパインから電気的に絶縁されるように、第1の絶縁ワッシャ及び第2の絶縁ワッシャを位置付けることを更に含む、条項32に記載の方法。
条項34:電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、第2の絶縁ワッシャのリップをリテーナリング内に内向きに延在させ、それによって、電極がスパインに接触することを防止することを含む、条項32に記載の方法。
条項35:第1の電気絶縁部分が、第1の絶縁筐体部分を備え、第2の電気絶縁部分が、第2の絶縁筐体部分を備える、条項26に記載の方法。
条項36:電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、第1の絶縁筐体部分及び第2の絶縁筐体部分を相互係止し、それによって、電極をスパインに固定することを含む、条項35に記載の方法。
条項37:第2の絶縁筐体部分が、雄型コネクタを備え、第1の絶縁筐体部分が、雄型コネクタを受容し、第1の絶縁筐体部分が第2の絶縁筐体部分と相互係止することを促進するように構成された雌型コネクタを備える、条項36に記載の方法。
条項38:第1の絶縁筐体部分が、電極を受容するように構成された周縁を備える、条項35~37のいずれか1つに記載の方法。
条項39:電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分をともに相互係止することは、電極の基礎部分を周縁内に保持することを含む、条項38に記載の方法。
条項40:基礎部分が、周縁の内周長よりも大きい外周長を含む、条項39に記載の方法。
条項41:電極を医療用プローブのワイヤに電気的に接続することを更に含む、条項26~40のいずれか1つに記載の方法。
条項42:ワイヤの少なくとも一部が、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率未満の第2の導電率を含む導電性カバー材料であって、導電性コア材料を取り囲む導電性カバー材料と、導電性カバー材料を取り囲む絶縁ジャケットとを備える、条項41に記載の方法。
条項43:ワイヤの少なくとも一部が、複数のストランドと、複数のストランドを取り囲む絶縁ジャケットとを備え、複数のストランドのうちの各ストランドが、それぞれ、第1の導電率を含む導電性コア材料と、第1の導電率未満の第2の導電率を含む導電性カバー材料であって、導電性コア材料を取り囲む導電性カバー材料とを備える、条項41又は42に記載の方法。
条項44:スパインが、ニチノールを含む、条項26~43のいずれか1つに記載の方法。
条項45:スパインが、コバルトクロムを含む、条項26~43のいずれか1つに記載の方法。
条項46:電極が、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され、パルスが、少なくとも900ボルト(V)の電圧を有する、条項26~45のいずれか1つに記載の方法。
条項47:スパインが、ほぼ球形のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項26~46のいずれか1つに記載の方法。
条項48:スパインが、ほぼ偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項26~46のいずれか1つに記載の方法。
条項49:スパインが、電気絶縁ジャケットを更に備え、電気絶縁ジャケットが、第1の管腔及び第2の管腔を備え、第1の管腔が、第1のワイヤを受容するように構成され、第2の管腔が、第2のワイヤを受容するように構成されている、条項26~48のいずれか1つに記載の方法。
条項50:電気絶縁ジャケットが、ほぼ台形を含む、条項49のいずれか1つに記載の方法。
条項51:灌注流体を電極に送達するように灌注開口部を構成することを更に含む、条項26~50のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
上記に記載される実施形態は、一例として引用され、本発明は、上記に具体的に示され、記載されているものによって限定されない。むしろ、本発明の範囲は、上記に記載される様々な特徴の組み合わせ及び副次的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むと当業者に想起されるであろう、従来技術で開示されていないそれらの変形例及び修正を含む。
【0104】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を有する、管状シャフトであって、縦軸に沿って延在する、管状シャフトと、
前記管状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能なバスケットアセンブリであって、
前記縦軸に沿って延在し、前記拡張可能なバスケットアセンブリが圧潰形態から拡張形態に移行されるときに前記縦軸から半径方向外向きに湾曲するように構成された少なくとも1つのスパインと、
複数の電極アセンブリであって、前記複数の電極アセンブリのうちの各電極アセンブリが、前記少なくとも1つのスパインに取り付けられ、
電極と、
前記電極を前記少なくとも1つのスパインから電気的に絶縁する第1の電気絶縁部分と、
前記電極を前記少なくとも1つのスパインから電気的に絶縁する第2の電気絶縁部分であって、前記複数の電極アセンブリが前記少なくとも1つのスパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止されるように、前記電極、前記第1の電気絶縁部分、及び前記第2の電気絶縁部分が、前記少なくとも1つのスパイン上に相互係止されている、第2の電気絶縁部分と、を備える、複数の電極アセンブリと、を備える、拡張可能なバスケットアセンブリと、を備える、医療用プローブ。
(2) 前記少なくとも1つのスパインが、リテーナリングを備え、前記リテーナリング上に、前記複数の電極アセンブリのうちのそれぞれの電極アセンブリが相互係止されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記電極が、前記第2の電気絶縁部分と相互係止するように構成された突出部を備える、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(4) 前記突出部が、前記リテーナリングを通して延在し、それによって、前記電極アセンブリが前記少なくとも1つのスパインの前記長さに沿って摺動することを防止する、実施態様3に記載の医療用プローブ。
(5) 前記突出部が、スエージ継手を更に備える、実施態様4に記載の医療用プローブ。
【0105】
(6) 前記第1の電気絶縁部分が、第1のワッシャを備え、
前記第2の電気絶縁部分が、第2のワッシャを備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(7) 前記第1のワッシャ及び前記第2のワッシャが、前記電極が前記少なくとも1つのスパインに接触することを防止するように、かつ前記電極を前記少なくとも1つのスパインから電気的に絶縁するように構成されている、実施態様6に記載の医療用プローブ。
(8) 前記第2のワッシャが、前記少なくとも1つのスパインのリテーナリング内に内向きに延在して、前記電極が前記少なくとも1つのスパインに接触することを防止するように構成されたリップを備える、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(9) 前記第1の電気絶縁部分が、第1の筐体部分を備え、
前記第2の電気絶縁部分が、第2の筐体部分を備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(10) 前記第1の筐体部分及び前記第2の筐体部分が、相互係止して、前記電極を前記少なくとも1つのスパインに固定するように構成されている、実施態様9に記載の医療用プローブ。
【0106】
(11) 前記第2の筐体部分が、雄型コネクタを備え、
前記第1の筐体部分が、前記雄型コネクタを受容し、前記第1の筐体部分が前記第2の筐体部分と相互係止することを促進するように構成された雌型コネクタを備える、実施態様10に記載の医療用プローブ。
(12) 前記第1の筐体部分が、前記電極を受容するように構成された周縁を備える、実施態様9に記載の医療用プローブ。
(13) 前記電極が、前記電極を前記第1の筐体部分の前記周縁内に保持するように構成された基礎部分を更に備える、実施態様12に記載の医療用プローブ。
(14) 前記基礎部分が、前記周縁の内周長よりも大きい外周長を含む、実施態様13に記載の医療用プローブ。
(15) 医療用プローブを構築する方法であって、
電極、第1の絶縁部分、及び第2の絶縁部分を整合させることと、
前記第1の絶縁部分と前記第2の絶縁部分との間にバスケットカテーテルのスパインを配置することと、
前記第1の絶縁部分及び前記第2の絶縁部分が、前記スパインから前記電極を電気的に絶縁するように、かつ前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分が、前記スパインの長さに沿って近位又は遠位に摺動することを防止されるように、前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分をともに相互係止して、前記電極を前記スパインに固定することと、を含む、方法。
【0107】
(16) 前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分をともに相互係止することは、前記スパインのリテーナリングの開口を通して前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分のうちの少なくとも1つの一部を相互係止することを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分を前記リテーナリングと整合させることを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分をともに相互係止することは、前記電極の突出部を前記第2の絶縁部分と相互係止することを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記第1の絶縁部分が、第1の絶縁筐体部分を備え、
前記第2の絶縁部分が、第2の絶縁筐体部分を備える、実施態様15に記載の方法。
(20) 前記電極、前記第1の絶縁部分、及び前記第2の絶縁部分をともに相互係止することは、前記第1の絶縁筐体部分及び前記第2の絶縁筐体部分を相互係止し、それによって、前記電極を前記スパインに固定することを含む、実施態様19に記載の方法。
【外国語明細書】