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特開2023-106358材料を硬化させ蛍光を刺激するための歯科用ハンドヘルド装置
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  • 特開-材料を硬化させ蛍光を刺激するための歯科用ハンドヘルド装置 図1
  • 特開-材料を硬化させ蛍光を刺激するための歯科用ハンドヘルド装置 図2
  • 特開-材料を硬化させ蛍光を刺激するための歯科用ハンドヘルド装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106358
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】材料を硬化させ蛍光を刺激するための歯科用ハンドヘルド装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 13/15 20060101AFI20230725BHJP
   A61C 1/08 20060101ALI20230725BHJP
   A61C 19/06 20060101ALN20230725BHJP
【FI】
A61C13/15
A61C1/08 L
A61C19/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023007486
(22)【出願日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】22152354.1
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】596032878
【氏名又は名称】イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】グレボヴァ,タチアナ
(72)【発明者】
【氏名】グロッセ-ホーンブリンク,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,ブルーノ
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052EE08
4C052NN05
4C052NN15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光硬化性物質を硬化させるための歯科用ハンドヘルド装置であって、歯列内の特定の位置をさらに可視化することができる歯科用ハンドヘルド装置を提供する。
【解決手段】本発明は、第1の波長範囲の光で歯科用修復材料103を硬化させるための硬化装置101と、第2の波長範囲の光で歯科用物質107の蛍光を励起するための蛍光励起装置105とを備える歯科用ハンドヘルド装置100に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用ハンドヘルド装置(100)であって
第1の光で歯科修復材料(103)を硬化させるための硬化装置(101)と波長範囲と
a蛍光励起装置(105)蛍光を励起するために歯質(107)を第2の波長範囲の光で照射する歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項2】
前記硬化装置(101)および前記蛍光励起装置(105)を制御するための電子コントローラ(109)とからなる請求項1に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項3】
前記電子コントローラ(109)は、前記硬化装置(101)および前記蛍光励起装置(105)を互いに独立して作動させるように構成されている、請求項2に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項4】
前記電子制御ユニット(109)は、所定の時間間隔で前記硬化装置(101)および前記蛍光励起装置(105)を作動させるように適合されている、請求項2または3に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項5】
前記歯科用ハンドヘルド装置(100)は、蛍光を捕捉するための電子カメラ(115)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項6】
前記歯科用ハンドヘルド装置(100)は、前記電子カメラ(115)から外部装置(121)にデータを送信するための電子データインターフェース(117)を備える、請求項5に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項7】
前記歯科用ハンドヘルドデバイス(100)は、光源を備え(119)前記第1の波長範囲及び前記第2の波長範囲の光を放射するように構成される請求項1~10のいずれか一項に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項8】
前記第1の波長範囲および前記第2の波長範囲を遮断するための光学フィルタ(123)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項9】
前記光学フィルタ(123)を通るビーム経路が偏向可能であるか、または前記フィルタ(123)が前記ビーム経路内に移動可能である、請求項8に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項10】
前記光学フィルタ(123)を通る前記ビーム経路の方向を変えるための可動ミラー(127)または電子制御可能なマイクロミラー(127)を備える、請求項9に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項11】
前記フィルタ(123)は、エッジフィルタまたはハイパスフィルタを含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項12】
前記歯科用ハンドヘルド装置(100)は、前記第1の波長範囲の光を放射するための第1の光源と、前記第2の波長範囲の光を放射するための第2の光源とを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項13】
前記硬化装置(101)の光及び/又は前記蛍光励起装置(105)の光の強度が調整可能である、請求項1&#12316;6のいずれか一項に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項14】
前記硬化装置(101)及び/又は前記蛍光励起装置(105)の作動が選択可能である、請求項1&#12316;6のいずれか一項に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【請求項15】
前記第1の波長範囲は380 nm~515 nmであり、前記第2の波長範囲は380 nm~415 nmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の歯科用ハンドヘルド装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の波長範囲の光で光硬化性物質を硬化させ、第2の波長範囲の光で歯科用物質の蛍光を励起するための歯科用手持ち式装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、歯科診断は、歯科状態の視覚的評価における歯科専門知識を使用して、ならびにX線写真によって行われる。 X線に加えて、現在、歯を透過照明するために長波(赤外線)放射を使用する口腔内スキャナおよび口腔内カメラがある。 この方法は、隣接する虫歯を視覚化するために使用することができる。 歯科医は、特定の徴候を視覚的に識別することができる。 しかしながら、修復材料と歯の構造とを目で区別することはしばしば困難である。 現在、この問題に対する簡単な解決策はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、光硬化性物質を硬化させるための歯科用ハンドヘルド装置であって、歯列内の特定の位置をさらに可視化することができる歯科用ハンドヘルド装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この技術的問題は、独立請求項による主題によって解決される。 技術的に有利な実施形態は、従属請求項、明細書および図面の主題である。
【0005】
第1の態様によれば、この技術的問題は、第1の波長範囲の光で歯科修復材料を硬化させるための硬化装置と、第2の波長範囲の光で歯質の蛍光を励起するための蛍光励起装置とを備える歯科用ハンドヘルド装置によって解決される。
【0006】
歯科用ハンドヘルドデバイスは、ユーザが、窩洞内の修復物およびう蝕を容易に識別し、それらを健康な歯構造から区別することを可能にする。 さらに、細菌代謝産物の励起を使用して、他の診断(プラーク、結石)を同定および確認することができる。 重合ランプのような硬化装置と蛍光装置とを組み合わせることの利点は、虫歯領域の識別が、歯科修復材料の硬化中、硬化前または硬化後にも行うことができることである。
【0007】
歯科用ハンドヘルド装置の技術的に有利な実施形態では、歯科用ハンドヘルド装置は、硬化装置および蛍光励起装置を制御するための電子制御ユニットを備える。これは、例えば、以下の技術的利点を達成する。前記硬化装置および前記蛍光励起装置は、柔軟かつ独立して制御されることができる
【0008】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、電子制御ユニットは、硬化装置および蛍光励起装置を互いに独立して作動させるように設計される。 これにより、例えば、硬化装置及び蛍光励起装置を必要に応じてオン及びオフに切り替えることができるという技術的利点が達成される。
【0009】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、電子制御ユニットは、所定の時間間隔で硬化装置および蛍光励起装置を作動させるように設計される。 これにより、例えば、硬化した充填物の検査を硬化後に自動的に行うことができるという技術的利点が達成される。
【0010】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、歯科用ハンドヘルド装置は、蛍光を記録するための電子カメラを備える。 例えば青色光を除去するために、光学フィルタがカメラの前に配置されてもよい。 カメラは、例えば、う蝕領域の蛍光画像を記憶することができるという技術的利点を達成する。
【0011】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、歯科用ハンドヘルド装置は、電子カメラから外部装置にデータを送信するための電子インターフェースを備える。 これは、例えば、う蝕領域のデジタル蛍光画像を外部で処理し評価することができるという技術的利点を提供する。
【0012】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、歯科用ハンドヘルド装置は、第1の波長範囲および第2の波長範囲の光を放射するように設計された単一の光源を備える。 これにより、例えば、歯科用ハンドヘルド装置を少ない労力で製造することができるという技術的利点が達成される。
【0013】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、歯科用ハンドヘルド装置は、第1の波長範囲または第2の波長範囲を遮断するための光学フィルタを備える。 これは、例えば、それぞれの光の波長範囲が高精度で調整され得るという技術的利点を達成する。
【0014】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、ビーム経路を光学フィルタによって偏向させることができ、またはフィルタをビーム経路内に移動させることができる。 これは、例えば、それぞれの光の周波数を制御することができるという技術的利点を達成する。
【0015】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、歯科用ハンドヘルド装置は、光学フィルタを通るビーム経路を偏向させるための可動ミラーまたは電子制御可能なマイクロミラーを備える。 これにより、例えば、ビーム経路を簡単に偏向させることができるという技術的利点が達成される。
【0016】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、フィルタはエッジフィルタまたはハイパスフィルタを含む。 これにより、例えば、不使用波長域を効果的に抑制することができるという技術的効果が得られる。
【0017】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、歯科用ハンドヘルド装置は、第1の波長範囲の光を放射するための第1の光源と、第2の波長範囲の光を放射するための第2の光源とを備える。 これにより、例えば、他の光源とは独立して特定の光源を各用途に使用することができ、エネルギーを節約することができるという技術的利点が達成される。
【0018】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では-硬化装置の光および/または蛍光励起装置の光の強度調整可能である。 この目的のために、歯科用ハンドヘルド装置は、硬化装置の光および/または蛍光励起装置の光の強度を互いに独立して調整することができるコントローラを備えることができる。 しかしながら、コントローラは、電子制御ユニットによって形成されてもよい。 制御装置又はレギュレータは、例えば、それぞれの光源の電力を制御することができる。 これは、例えば、歯科用ハンドヘルド装置を特定の照明条件に適合させることができるという技術的利点を提供する。
【0019】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、硬化装置および/または蛍光励起装置の作動を選択することができる。 この目的のために、電子スイッチを歯科用ハンドヘルド装置に配置することができ、それによって硬化装置および/または蛍光励起装置の作動を手動で選択することができる。 これにより、例えば、使用者が必要に応じて蛍光を励起したり歯科修復材料を硬化させたりすることができるという技術的利点が達成される。
【0020】
歯科用ハンドヘルド装置の別の技術的に有利な実施形態では、第1の波長範囲は380 nm~515 nmであり、第2の波長範囲は380 nm~415 nmである。 これにより、例えば、歯科修復材料を効率的に硬化させることができ、う蝕領域を容易に検出することができるという技術的利点が得られる。 第2の波長範囲は、蛍光の過剰照射を防止することができる。
【0021】
本発明の実施形態の例が図面に示され、以下でより詳細に説明される。
図面は以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】歯科用ハンドヘルド装置の概略図である。
図2】前記歯科用ハンドヘルド装置の光源のスペクトル強度を示す。
図3】前記歯科用ハンドヘルド装置の光源の別のスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、歯科用ハンドヘルド装置100の概略図を示す。 歯科用ハンドヘルド装置100は、使用中にユーザが手で持つことができる携帯用電子装置である。 歯科用ハンドヘルド装置100は、歯科用組成物を硬化させるための硬化装置101を含む。歯修復材料103第1の波長範囲内の光を有する 光は、歯科用ハンドヘルド装置100内の光源119から放射される。 光源119は、例えば、発光ダイオードやレーザダイオードで構成される。 光は、光ガイド113によって歯科修復材料103が配置された歯111に案内される。 A.歯科修復材料103は、例えば、380&#12316;515 nmの間で光誘導硬化性であるポリマーである。
【0024】
硬化装置101に加えて、歯科用ハンドヘルド装置100は、第2の波長範囲の光で歯111のう蝕歯質107の蛍光を励起するための蛍光励起装置105を備える。 蛍光励起装置105によって、例えば、青色光で細菌代謝産物の蛍光を励起することが可能である。 発生する蛍光は、口腔微生物の存在を示し、歯垢、歯石、および虫歯などの口腔状態を示す。 蛍光は、材料が光によって励起された直後の光の自然放出である。 このプロセスにおいて、放出された光子は、通常、以前に吸収された光子よりもエネルギーが低い。 歯科修復材料103の硬化は、両方の波長範囲で起こり得るが、蛍光励起は、第2の波長範囲でのみ起こる。
【0025】
硬化装置101および蛍光励起装置105は、電子制御ユニット109によって制御される。 制御装置109は、硬化装置101および蛍光励起装置105を互いに独立して作動させるか、または3秒などの所定の時間間隔でそれらを作動させるように適合される。 これにより、例えば、硬化装置101が停止してから所定の時間が経過した後に、蛍光励起装置105を作動させることができる。 これにより、歯科修復材料103がう蝕部位で硬化された後に、他のう蝕部位があるかどうかを常に確認することができる。 制御ユニット109は、例えば、マイクロプロセッサと、制御プログラムおよびデータが記憶されるデジタルメモリとを備えてもよい。
【0026】
さらに、歯科用ハンドヘルド装置100は、CCDカメラなど、歯111によって生成された蛍光のデジタル画像を取得することができる電子カメラ115を含むことができる。 電子カメラ115は、電子制御装置109によって起動されてもよい。 デジタル記録により、発生した蛍光を画像ファイルとして永久的に記録することができる。 次に、画像ファイルは、電子データインタフェース117を介して外部装置121に送信することができる。 データインターフェースは、例えば、WLANまたはブルートゥースインターフェースによって形成される。 コンピュータなどの外部装置121において、デジタル画像を分析し、医療記録にエクスポートすることができる。
【0027】
歯科用ハンドヘルド装置100は、第1の波長範囲および第2の波長範囲の両方を有する光を出力する広帯域光源119を含むことができる。 しかしながら、歯科用ハンドヘルド装置100はまた、2つの別個の狭帯域光源119を備えてもよく、その一方は、第1の波長範囲を出力し、硬化装置101に関連付けられ、その他方は、第2の波長範囲を出力し、蛍光励起装置105に関連付けられる。 これらの光源は、互いに独立してオンオフすることができる。
【0028】
しかしながら、硬化中に、410 nmの波長を有する発光ダイオードおよび465 nmの波長を有する発光ダイオードなど、異なる波長範囲を有する2つの光源119が同時にオンにされてもよいが、蛍光励起中に、410 nmの波長を有する発光ダイオードなど、単一の光源のみがオンにされる。 これにより、複数の光源119が硬化波長で点灯される。 さらに、出力を増加させるために、465 nmの波長を有する複数の発光ダイオードなど、複数の光源が、ある範囲の波長の光源119としてオンにされてもよい。
【0029】
単一の光源119のみが使用される場合、歯科用ハンドヘルドデバイス100は、第1の波長範囲および/または第2の波長範囲を遮断するための光学フィルタ123を含む。 光学フィルタ123は、例えば、バンドパスフィルタやエッジフィルタである。 使用される波長範囲に応じて、光学フィルタ123は、光の経路を方向付けるか、または光学フィルタ123を光の経路内に移動させてもよい。 このための制御は電子制御ユニット109によって行われる。
【0030】
これは、機械的に移動可能なミラー127 MEMSによって達成することができる。電子的に制御可能なマイクロミラーのアレイ(DLP-デジタル光処理)は、光学フィルタ123を通してビーム経路を再指向する。 電子的に制御可能なマイクロミラーのアレイを通して、光ビームは、可動マイクロミラーの長方形アレイによってピクセルに分割され、次いで、ピクセルごとに投影経路の中または外に反射される。
【0031】
加えて、蛍光励起装置105からの青色光は、歯科材料から緑色がかった蛍光を励起することができる。 う蝕病変を充填するために使用されるいくつかの歯科材料は、青色光および紫外光で蛍光を発するように励起され得る蛍光顔料を組み込む。 天然の歯もこのスペクトル範囲で固有の蛍光を示すので、この蛍光は、歯科修復物を太陽光および人工紫外光で自然に見せる。 蛍光は、歯垢、歯石および虫歯だけでなく、歯の修復材料も目に見えるようにする簡単な可能性を提供する。
【0032】
図2は、図1の光源119のスペクトルを示す。歯科用ハンドヘルド装置100光源119のスペクトルは、410 nmの波長において第1の最大値125-1を有し、450 nmの波長において第2の最大値125-2を有する。
【0033】
蛍光の過剰放射を排除するために、短波長光のみで励起し、長波長光(450 nm)を遮断することが有利である。 例えば、蛍光を可視化するために、第2の最大値125-2は、光学フィルタ123によって遮断される。 この場合、歯科用ハンドヘルドデバイス100は、aとbとの間の波長範囲内の第1の最大値125-1の光のみを放射する。380 nmおよび415 nm
【0034】
理想的には、蛍光励起デバイス105は、405 nm(青色)の最大励起で、可能な限り狭い帯域幅で発光する。 例えば、歯科修復材料103は、535 nm(緑色)の波長で蛍光を発し、歯垢、歯石、または虫歯を有する歯質107は、610 nm(赤色)の波長で蛍光を発する。
【0035】
しかしながら、歯科用ハンドヘルド装置100は、それぞれが異なる波長範囲の光を放射する2つの異なる光源119を有してもよい。 この場合、一方の光源のみを点灯して蛍光を励起し、他方の光源を消灯することにより、蛍光を可視化することができる。 他方の光源は、歯科修復材料103を硬化させるために使用される。
【0036】
図3は、歯科用ハンドヘルド装置100の光源の別のスペクトルを示す。 緑色波長範囲(510 nm~550 nm)または赤色波長範囲(580 nm~640 nm)における歯質107の蛍光は、380 nm~415 nmの波長範囲における第1の極大125-1の光によって励起される。 光学フィルタ123は460 nmより大きい波長範囲の発光を遮断するので、蛍光を容易に検出することができる。 例えば、光学フィルタ123はハイパスフィルタである。
【0037】
さらに、ゴーグルまたはシールドの形態のハイパスフィルタをユーザと患者との間で使用して、1つの波長をフィルタリングし、より長い波長の蛍光放射のみを通過させることができる。
【0038】
歯科用ハンドヘルド装置100は、歯科用重合ランプにおける青色光誘起蛍光診断方法の統合を可能にする。歯科用ハンドヘルド装置100したがって、様々な診断オプション(歯の修復材料および細菌代謝産物の蛍光)および治療(歯の修復材料の硬化)を単一のデバイスで組み合わせて、治療プロセスにおいて歯科医を支援する。 歯科用ハンドヘルド装置100は、歯科衛生治療の前後に残存する結石および歯垢を検出するために使用することもできる。
【0039】
歯科用ハンドヘルドデバイス100は、歯科医のワークフローおよび消毒(交差汚染の回避)を容易にする。 さらなる適用分野は、歯の洗浄または虫歯診断であり得る。 歯科用ハンドヘルド装置100は、診断(虫歯、古い充填)の可能性を容易にし、1つのユニットで治療(重合ランプ)を可能にする。 それは、同じ装置で充填物配置の全てのステップ(虫歯除去、古い充填物の除去、新しい充填物の硬化)をカバーすることを可能にする。
【0040】
歯垢、歯石または虫歯などの細菌によって生成される歯の徴候の赤色蛍光は、歯科用ハンドヘルドデバイス100を用いて効率的に視覚化することができる。 したがって、歯科用ハンドヘルド装置100は、歯科医によって既に使用されている装置において、迅速で複雑でない解決策を提供する。
【0041】
本発明の個々の実施形態に関連して説明され示される全ての特徴は、それらの有益な効果を同時に実現するために、本発明の主題において異なる組み合わせで提供されてもよい。
【0042】
すべての方法ステップは、それぞれの方法ステップを実行するのに適した手段によって実施することができる。 客観的特徴によって実行されるすべての機能は、方法の方法ステップとすることができる。
【0043】
本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって与えられ、明細書に説明された特徴または図面に示された特徴によって限定されない。
100 歯科用ハンドヘルド装置
101 硬化装置
103 歯科用修復材料
105 蛍光励起装置
107 歯構造
109 電子制御装置
111 歯
113 光ガイド
115 電子カメラ
117 電子データインタフェース
119 光源
121 外部装置
123 光フィルタ
125 最大
127 ミラー/マイクロミラー
図1
図2
図3
【外国語明細書】