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特開2023-106494流体送達を監視するための一体化されたセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106494
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】流体送達を監視するための一体化されたセンサ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
A61M5/168 530
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081276
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2020543332の分割
【原出願日】2019-02-12
(31)【優先権主張番号】15/896,375
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ、ティモシー アダム
(72)【発明者】
【氏名】サンドマン、クリスチャン
(57)【要約】
【課題】流体流れ用途において使用するためのセンサが提供される。
【解決手段】センサは、流体流れを第1の導管から受けるように構成される入口チャンバと、流体流れを第2の導管に提供するように構成される出口チャンバと、入口チャンバを出口チャンバから分離する膜であって、入口チャンバから出口チャンバへの流体流れを可能とするための流体通路を含む、膜とを含む。センサは、さらには、膜の変形によって変化するように構成される電気特性を有する、膜上に配設された回路構成要素と、回路構成要素の電気特性の変化に基づく電気信号を提供するための、基板上に形成され、回路構成要素と結合された導体とを含む。膜は、基板上に形成されたエピタキシャル層を含む。上記のセンサを製作及び使用するための方法も提示される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流れ用途において使用するためのセンサ組立体を作製するための方法であって、
エピタキシャル層を基板の第1の側上に成長させるステップであって、前記エピタキシャル層を形成するステップは、ドーパント原子を選択的に埋め込んで、前記エピタキシャル層内のひずみに反応する電気構成要素を形成するステップを含む、成長させるステップと、
膜を前記エピタキシャル層上に形成するステップであって、前記膜は、前記膜の反対の両側の間の圧力差が前記エピタキシャル層内の前記ひずみを誘導するように選択される厚さを有する、形成するステップと、
前記膜を通る流体通路を形成するステップと、
前記膜の第1の側に入口継手を前記基板の前記第1の側に取り付けて入口チャンバを形成するステップと、
前記膜の第2の側に出口継手を前記基板の第2の側に取り付けて出口チャンバを形成するステップと、
電気コネクタを前記電気構成要素にボンディングするステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記電気構成要素は、1つ以上のピエゾ抵抗構成要素として形成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電気構成要素は、前記入口チャンバ内の前記膜の前記第1の側に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
温度検知構成要素を前記基板上に形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記温度検知構成要素は、前記エピタキシャル層に形成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基板の前記第1の側に第2の電気コネクタを形成することをさらに含み、前記第2の電気コネクタは前記温度検知構成要素に接続されている、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記膜は、前記基板の前記第2の側からのディープ・シリコン・エッチングによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
メタライゼーション層を前記基板の選択された区域に付着させて、導電率センサを形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記メタライゼーション層は、前記出口チャンバ内の前記基板の前記第2の側に1つまたは複数の電極として形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
さらに、前記基板の選択された領域にメタライゼーション層を堆積して、静電容量センサを形成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記メタライゼーション層は、前記出口チャンバ内の前記基板の側壁に1つ以上の電極として形成され、前記側壁は基板の前記第1の側および前記第2の側の間に配置される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記メタライゼーション層上にパッシベーション層を堆積させることをさらに含み、前記パッシベーション層は、前記メタライゼーション層を前記出口チャンバ内の流体から分離する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
メタライゼーション層及びパッシベーション層を前記膜の上方に付着させて、前記電気構成要素への電気接触部を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
パッシベーション層を前記基板上に付着させ、前記基板内の前記パッシベーション層をエッチングするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記入口チャンバの外側で前記基板の前記第1の側に第2の膜を形成することをさらに含み、前記第2の膜は前記出口チャンバから雰囲気圧力を分離する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
流体圧力を前記第2の膜内のひずみから測定するための、前記第2の膜上の第2の電気構成要素を形成するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記基板の前記第1の側に第2の電気コネクタを形成することをさらに含み、前記第2の電気コネクタは前記第2の電気構成要素に接続されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記基板の前記第1の側にパッシベーション層を形成して、前記電気構成要素を前記入口チャンバ内の流体から分離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
入口継手および前記出口継手は、接着部分を介して前記基板の前記第1の側および前記第2の側に取り付けられる、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記センサ組立体をハウジングに一体化する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、流体流れ測定及び制御のための装置及び方法に関する。より詳しくは、本開示は、流体送達用途において、微小電気機械移動システム(MEMS:microelectromechanical moving systems)を使用して流体流れパラメータを測定するための装置及び方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
流体送達の多くの手法は、流体流れ制御に対して関連性をもつ、複数個の流体流れパラメータの測定を伴う。これらのパラメータのうちのいくつかは、特に、医学的用途(例えば、血管内薬物送達、皮下薬物送達、及び同類のもの)の事例において関連性がある。複数個のパラメータを測定することに加えて、取り扱いの容易さのためにコンパクトなフォーム・ファクタを提供すること、並びに、デバイスへの移動及びアクセス(例えば、医学的用途における医療提供者、患者、その他)を楽にすることが望ましい。典型的には、複数個の流体パラメータを測定するデバイスは、コンパクトでなく、また、アクセスの容易さが望ましい用途(例えば、医療施設内の救急室、及び同類のもの)においてそれらのデバイスの使用を妨げる可動部品を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の実施例において、流体流れ用途において使用するためのセンサが提示される。センサは、流体流れを第1の導管から受けるように構成される入口チャンバと、流体流れを第2の導管に提供するように構成される出口チャンバと、入口チャンバを出口チャンバから分離する膜であって、入口チャンバから出口チャンバへの流体流れを可能とするための流体通路を含む、膜とを含む。センサは、さらには、膜上に配設された回路構成要素であって、膜の変形によって変化するように構成される電気特性を有する、回路構成要素と、基板上に形成され、回路構成要素と結合された導体であって、回路構成要素の電気特性の変化に基づく電気信号を提供するように構成される、導体とを含む。膜は、基板上に形成されたエピタキシャル層を含む。
【0004】
いくつかの実施例において、センサを作製するための方法が提示される。方法は、エピタキシャル層を基板の上方に成長させるステップであって、エピタキシャル層を形成するステップは、ドーパント原子を選択的に埋め込んで、エピタキシャル層内のひずみに反応する電気構成要素を形成するステップを含む、成長させるステップと、膜をエピタキシャル層上に形成するステップであって、膜は、膜の反対の両側の間の圧力差がエピタキシャル層内のひずみを誘導するように選択される厚さを有する、形成するステップとを含む。方法は、さらには、膜を通る流体通路を形成するステップと、入口継手を基板に取り付けて、入口チャンバを膜の第1の側に形成するステップと、出口継手を基板に取り付けて、出口チャンバを膜の第2の側に形成するステップと、電気コネクタを電気構成要素にボンディングするステップとを含む。
【0005】
さらなる実施例において、流体流れを制御するための方法が提示される。方法は、センサを通る流体流れを提供するステップであって、センサは、入口チャンバを出口チャンバから分離する膜を含み、膜は、流体通路を含み、膜は、基板上に形成されたエピタキシャル層を含む、提供するステップと、電力を、膜上のピエゾ抵抗構成要素に提供するステップであって、ピエゾ抵抗構成要素は、入口チャンバを出口チャンバから分離する膜の変形を測定するように構成される、提供するステップとを含む。方法は、さらには、膜の変形を、膜上のピエゾ抵抗構成要素の電気特性の変化に基づいて検出するステップと、センサを通る流体流れの流量を、膜の変形に基づいて取得するステップと、コントローラによって、流体流れパラメータを、流量に基づいて修正するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】いくつかの実施例による、流体流れを監視するためのセンサを含む流体流れシステムを例解する図である。
図2】いくつかの実施例による、流体流れを監視するためのセンサを例解する図である。
図3A】いくつかの実施例による、流体流れを監視するための、図2のセンサを製作するための方法のステップを例解する図である。
図3B】いくつかの実施例による、流体流れを監視するための、図2のセンサを製作するための方法のステップを例解する図である。
図3C】いくつかの実施例による、流体流れを監視するための、図2のセンサを製作するための方法のステップを例解する図である。
図3D】いくつかの実施例による、流体流れを監視するための、図2のセンサを製作するための方法のステップを例解する図である。
図3E】いくつかの実施例による、流体流れを監視するための、図2のセンサを製作するための方法のステップを例解する図である。
図3F】いくつかの実施例による、流体流れを監視するための、図2のセンサを製作するための方法のステップを例解する図である。
図3G】いくつかの実施例による、流体流れを監視するための、図2のセンサを製作するための方法のステップを例解する図である。
図4】いくつかの実施例による、流体流れを監視するためのセンサを製作するための方法におけるフローチャートを例解する図である。
図5】いくつかの実施例による、センサによって流体流れを監視するための方法におけるフローチャートを例解する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図において、同じ又は同様の参照番号を有する要素は、別段に明示的に説述されない限り、同じ又は同様の、機能性又は構成を有する。
【0008】
本開示は、IV流体送達の間に5つのパラメータを監視するためのモノリシックに一体化されたセンサである。いくつかの実施例は、中でも、流体流量、流体圧力(周囲雰囲気に相対的なゲージ圧力)、流体導電率、温度、及び、空気泡の存在などの検知モダリティを含む。本開示に従う実施例は、単一のデバイスへの1つ又は複数の上記の検知モダリティの一体化、及び、デバイスを製作するための方法を含む。
【0009】
本開示に従う実施例の利点のうちのいくつかは、小さいフォーム・ファクタ、モノリシック・パッケージへの異なる検知モダリティの組合せを含む。さらには、本明細書において開示される実施例は、デバイスを生み出すための低コストで高生産量の製造方法を提供する。
【0010】
本明細書において開示される実施例は、血管内薬物送達における流体センサへの用途を含み得る。より一般的には、本開示に従う実施例は、医学的用途に対する皮下流体送達における流体システムに対する、又は、配合、体液の除去、及び他の治療的用途に対する、流体を器官、腫瘍、及び同類のものに直接的に送達し得る、埋め込まれたシステムにおける用途を含み得る。
【0011】
図1は、いくつかの実施例による、流体流れを監視するためのセンサ100を含む流体流れシステム10を例解する。流体流れシステム10は、流体150を有する容器143を支持するフレーム140を含み得る。いくつかの実施例において、流体流れシステム10は、試料流体を患者160から抽出するための流体抽出システムを含み得る。さらに、いくつかの実施例において、流体流れシステム10は、例えば、薬剤調合及び又は貯蔵目的のために、流体150を、第1の入れ物又は容器から、第2の入れ物又は容器に移送し得る。
【0012】
いくつかの実施例において、流体流れシステム10は、静脈内送達システムであり、流体150は、血管を通して患者160に投与される静注用流体を含み得る。よって、流体150は、血液、血漿、又は薬剤を含み得る。いくつかの実施例において、流体150は、溶解し得る、気体泡151の形態でのものであり得る、若しくは、液体表面の上の方の気相を形成し得る、気体を含み、又は、これらの形態の任意の組合せを含む。気体泡151内の気体は、流体150内に溶解することが可能な、空気、窒素、酸素、又は任意の他の気体であり得る。流体150は、静脈内送達に適した任意の液体であり得る。よく使用される静注用液体は、患者160に静脈内に注射されることが望まれる、晶質(例えば、食塩水、乳酸リンゲル液、グルコース、デキストロース)、膠質(例えば、ヒドロキシエチルデンプン、ゼラチン)、液体薬剤、緩衝溶液、及び、血液製剤(例えば、濃厚赤血球、血漿、凝固因子)又は代用血液(例えば、人工血液)を含む。流体ライン130は、流体150を容器143から患者160に搬送する。いくつかの実施例において、流体150は、重力によって作り出される圧力差異により流体ライン130を通って移動する。よって、いくつかの実施例において、容器143は、フレーム140上に、患者に相対的により高い高さで配設される。いくつかの実施例において、ポンプ145が、圧力差異を作り出して、液体150を、流体ライン130を通して移動させる。
【0013】
流体流れシステム10のいくつかの実施例は、容器143内の流体150の温度を調整するためのサーモスタット147を含む。流体流れシステムは、流体ライン130と流体的に結合されたセンサ100を含む。センサ100は、流体流れの複数個の測定を提供するように構成される。いくつかの実施例において、センサ100は、流体流れの、流体圧力、流体流量、泡濃度、流体温度、及び流体導電率を測定するように構成される。いくつかの実施例において、センサ100は、流体送達システム10内の流体と、雰囲気圧力Pとの間の圧力差異を測定するように構成される。
【0014】
いくつかの実施例において、流体流れシステム10の動作は、例えばナース・ステーションに配置されるリモート・コントローラ170によりワイヤレスで制御され得る。ワイヤレス通信は、コントローラ側のアンテナ175、及び、フレーム140上のアンテナ155により遂行され得る。コントローラ170は、プロセッサ171と、メモリ172とを含む。メモリ172は、プロセッサ171により実行されるとき、コントローラ170に、本開示に従う方法に含まれるステップのうちのいくつかを少なくとも部分的に遂行させる、コマンド及び命令を含み得る。さらにまた、センサ100は、アンテナ155と、及び、コントローラ170とワイヤレスで通信して、命令をコントローラ170から受信し、データをコントローラ170に提供し得る。
【0015】
コントローラ170、アンテナ155、及びセンサ100は、Bluetooth、Wi-Fi、又は任意の他の無線周波数プロトコルを介して通信し得る。よって、コントローラ170は、センサ100からの読取り値を処理し、薬剤移送又は注入に対して関連性がある、流体流量、及び、流体の他の特質を決定するように構成され得る。流体ライン130内の弁190は、センサ100が、あらかじめ決定されたしきい値より低い泡含有量を検出するとき、流体150が患者160の中へ流れることを可能とするように動作させられ得る。いくつかの実施例において、弁190は、上記で説明されたように警告が発せられるとき、コントローラ170により閉じられ得る。
【0016】
さらにまた、コントローラ170は、センサ100における泡計数がしきい値より高くなると、警告を集中型システムに提供し得る。いくつかの実施例において、コントローラ170は、さらには、コマンドをサーモスタット147に提供して、流体150の温度を、センサ100により提供される泡計数又は温度測定値に基づいて調節し得る。
【0017】
図2は、いくつかの実施例による、流体流れを監視するためのセンサ100を例解する。いくつかの実施例において、センサ100は、シリコンMEMS製作技術を使用して、複数個の検知能力を、実質的に低減されたフォーム・ファクタを有するパッケージ内に組み込み得る。例えば、及び制限なしに、いくつかの実施例は、示されるように、最大で5つの、又はより多い検知モダリティを含み得る。
【0018】
センサ100は、流体流れ250を第1の導管253から受けるように構成される入口チャンバ251を含む。出口チャンバ252は、流体流れ250を第2の導管255に提供するように構成される。膜202aは、入口チャンバ251を出口チャンバ252から分離する。膜201aは、入口チャンバ251から出口チャンバ252への流体流れ250を可能とするための流体通路221を含み得る。いくつかの実施例において、膜202aは、基板201の上方に成長させたエピタキシャル層であり得、基板201は、その後、その基板の「背面側」(図の下部部分)でエッチングされる。よって、いくつかの実施例において、流体通路221は、オリフィスを膜202a内へとエッチングすることにより形成され得る。
【0019】
いくつかの実施例において、センサ100は、膜202a上に配設された回路構成要素210aを含む。回路構成要素210aは、膜202aの変形によって電気特性を変化させるように構成され得る。いくつかの実施例は、電力を提供し、電気信号をセンサ100内の異なる回路構成要素から受信するための、基板201上に形成された複数個の導体217をさらに含む。いくつかの実施例において、導体217は、回路構成要素210aに対する電気信号を、回路構成要素210aの電気特性の変化に基づいて、電気信号を使用して流体流れ250の流量を取得するように構成される回路に提供する。いくつかの実施例において、膜202aは、基板上に形成されたエピタキシャル層である。いくつかの実施例において、センサ100内の検知モダリティは、流体通路221をまたぐ入口チャンバ251と出口チャンバ252との間の圧力降下を流量に関係付けるトリチェリの法則に基づく流量測定を含み得る。
【0020】
いくつかの実施例において、回路構成要素210aは、ピエゾ抵抗素子であり、電気特性は、電気抵抗である。回路構成要素210aは、入口チャンバ251と出口チャンバ252との間の圧力差に関係付けられる、膜202aの変形を検出するために、近位の、及び、流体通路221の周りの区域内に形成される。回路構成要素210aを監視することは、かくして、流体通路221を通る流量を(例えば、トリチェリの法則を使用することにより)算出するために使用され得る、膜202aをまたぐ圧力降下の直接的な尺度を与える。
【0021】
ピエゾ抵抗圧力センサは、材料内に存在するひずみへの材料の導電率の依存である、ピエゾ抵抗の原理を基に作動する。よって、膜202aは、選択的にドープされるピエゾ抵抗器領域(例えば、回路構成要素210a)を伴って形成される。膜202aをまたぐ圧力差は、その膜が、付与される応力のもとで曲がる(又は「たわむ」)ことを引き起こす。例えば、膜202aをまたぐ圧力差は、流体通路221を通る流体流れの圧力降下により引き起こされる。膜202aのひずみ又は変形により生成される内部応力は、圧力差に対して補償する。膜202a内のひずみは、ピエゾ抵抗素子210aの抵抗の変化を生み出す。抵抗の変化は、例えば、1つ又は複数の導体217を通してアクセス可能な、ホイートストン・ブリッジ回路アーキテクチャによって、電子的に検出され得る。
【0022】
いくつかの実施例は、第2の膜202b上に配設された第2の回路構成要素210bを含む。第2の膜202bは、出口チャンバ252を雰囲気圧力Pから分離する。制限なしに、いくつかの実施例は、入口チャンバ251を雰囲気圧力Pから分離する第2の膜202bを含み得る。よって、膜202bの一方の側は、流体150と接触しており、他方の側は、雰囲気圧力Pにさらされる。かくして、膜202bは、流体150(入口チャンバ251又は出口チャンバ252のいずれかの中の)と雰囲気圧力Pとの間の圧力差異を補償するように変形させられる(例えば、「ひずまされる」)。例えば、膜202bは、雰囲気圧力Pが出口チャンバ252内の流体圧力より大きいとき、出口チャンバ252へと「内に陥没」し得る。逆に、膜202bは、雰囲気圧力Pが出口チャンバ252内の流体圧力より低いとき、チャンバ252から「外に隆起」し得る。膜202a及び第2の膜202bは、本明細書において以降、一括して「膜202」と呼称される。いくつかの実施例において、第2の回路構成要素210bは、第2の膜202bの変形によって電気特性を変化させるように構成され得る。例えば、第2の回路構成要素210bは、ピエゾ抵抗素子を含み得、そのピエゾ抵抗素子は、その素子が第2の膜202bの変形にしたがって変形させられる際、その素子の抵抗率を変化させるように構成される。本明細書において以降、回路構成要素210a及び第2の回路構成要素210bは、一括して「回路構成要素210」と呼称される。よって、上記で説明された流量測定と同様の原理が、雰囲気圧力Pに相対的な、入口チャンバ251又は出口チャンバ252のうちの1つの中の流体圧力を監視するために使用される。
【0023】
いくつかの実施例において、基板201は、半導体材料(例えば、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、及び、上記の任意の組合せ又は合金、及び同類のもの)を含み、膜202は、半導体材料の上方に成長させたエピタキシャル層を含む。
【0024】
いくつかの実施例は、基板201上に付着させた電極203a及び203b(本明細書において以降、一括して「電極203」と呼称される)をさらに含む。電極203は、流体150と接触して、流体導電率などの、流体150の電気特性を測定するように構成され得る。流体導電率は、規定される幾何学的配置で(例えば、図2が例解するように、あらかじめ決定された距離に沿って水平に)流体150にさらされる、電極203の間のインピーダンスを測定することにより監視される。導体217は、電流、例えば直流(DC:direct-current)を電極203に提供し得る。よって、DCインピーダンス及び幾何学的因子が、流体導電率をもたらす。
【0025】
いくつかの実施例は、基板上に付着させられ、パッシベーション層207a及び207bそれぞれ(本明細書において以降、一括して「パッシベーション層207」と呼称される)により流体150から分離された、電極205a及び205b(本明細書において以降、一括して「電極205」と呼称される)をさらに含む。電極205は、流体150の誘電特性を指し示し得る、流体150の静電容量を測定するように構成され得る。いくつかの実施例において、電極205は、流体150の電気誘電率εの値を通して、流体内の泡含有量を測定するように構成される。電極205の間の静電容量は、流体150の誘電特性により決定され得る。例えば、静電容量は、水のより高い誘電率のために、同じ幾何学的配置による空気間隙と比較して、水又は何らかの高誘電率流体が電極205の間の空所を満たすとき、より高くなり得る。いくつかの実施例において、センサ100は、空気泡の存在及びサイズが検出され得るように、時間の関数として、電極205の間の静電容量を監視する。
【0026】
いくつかの実施例において、センサ100は、流体温度を測定するための温度センサ215を含む。シリコン集積回路(例えば、MEMS)を含む実施例において、温度センサ215は、バンドギャップ・センサを含み得、測定は、P-N接合温度の関数としての、順方向バイアス・ダイオードの電圧の変動に基づく。温度センサ215をまたぐ電圧が、導体217を通して提供され得る。いくつかの実施例において、流体とP-N接合との間の熱平衡を依然として可能としながらダイオードを流体から電気的に絶縁するために、薄いパッシベーティング層が、P-N接合の上方に形成される。温度補償及び線形化回路網が、同じようにして、オン・チップで含まれ得る。
【0027】
構成要素の代替的な配置構成が、等しく良好に作動し得、図面において示される個別の配置構成は、1つの有力な解決策にすぎない。1つの態様において、単一のシリコンMEMSチップ内の5つの検知能力のモノリシックな組込みは、コンパクトで使用するのが容易な用途に対して、きわめて望ましい。
【0028】
センサ100は、様々なシステム、構成要素の中に、又は、患者のIVアクセス・ポートにラインで接続されるスタンドアローン・モジュールとして組み込まれ得る。例えば、センサは、マイクロ・ポンピング・デバイス内へと組み込まれ得、制御される流量の能動的フィードバックを提供し、圧力若しくは流体導電率がレンジから外れていることが判明した場合、又は、空気がライン内で検出された場合に、警告生成を可能にすることができる。代わりに、この低コスト・センサは、例えば、患者へのすべての静注用流体送達を監視することを可能とするために、スマート・カテーテル内に一体化され得る。
【0029】
図3A~Gは、いくつかの実施例による、流体送達を監視するための一体化されたセンサ100を製作するための方法のステップを例解する。図3A~Gは、製作ステップのうちのいくつかにおいては、デバイスの断面によって、標準的なシリコンMEMSプロセスを使用してセンサ100を作製するための方法の概略的概観を例解する。デバイスは、単一のシリコン・ダイに組み入れられ、次いで、流体及び電気接続を提供するために、ハウジング内に一体化される。純粋に例解的な理由のために、及び、一般性の損失なしに、図3A~Gにおける基板の上部端部は、「正面」端部と呼称され、図3A~Gにおける基板の下部端部は、「背面」端部と呼称される。
【0030】
図3Aは、いくつかの実施例による、ステップ300Aを例解する。ステップ300Aにおいて、ベア・シリコン・ウェハ301は、正面表面上に成長させたエピタキシャル層311を有する。ドーパント原子が、ピエゾ抵抗器素子210を形成するために、このエピタキシャル層内へと選択的に埋め込まれる。基板材料がケイ素などの半導体を含むとき、ドーパント原子は、リン(P)若しくはヒ素(As)などの電子供与体原子、又は、ホウ素(B)若しくはアルミニウム(Al)などの電子受容性原子、又は、供与体及び受容体原子の任意の組合せを含み得る。シリコン膜の、膜をまたぐ圧力差異に起因する曲がりは、結晶格子内のひずみにより誘導される、これらの埋め込まれた領域の抵抗の変化により検出される。
【0031】
図3Bは、いくつかの実施例による、ステップ300Bを例解する。ステップ300Bにおいて、温度センサ回路網215が、シリコン・ウェハ301の正面側に発達させられる。
【0032】
図3Cは、いくつかの実施例による、ステップ300Cを例解する。ステップ300Cにおいて、膜202a及び202bが、シリコン・ウェハ301の背面側からのディープ・シリコン・エッチングにより形成される。
【0033】
図3Dは、いくつかの実施例による、流体通路221がピエゾ抵抗構成要素210aの近位に膜202aを通してエッチングされる、ステップ300Dを例解する。ステップ300Dにおいて、流体通路221は、シリコン・ウェハ301の正面端部から背面端部への流体流れ250を可能にする。流体通路221が膜221内に形成されると、基板301は、上記で詳細に説明された基板201の形状へと形成される。
【0034】
図3Eは、いくつかの実施例による、ステップ300Eを例解する。ステップ300Eにおいて、背面側メタライゼーションが、導電率センサに対する電極203、及び、静電容量センサに対する電極205を形成するために遂行される。いくつかの実施例において、これは、1つのステップにおいて(電極203及び電極205の両方が同じ材料積層体である場合)、又は、複数個のステップにおいて成し遂げられ得る。電極203及び電極205は、同じ材料であることを必要とせず、なぜならば、電極203は流体150にさらされ、一方で、電極205はそうでないからである。電極205は、膜202aの側壁上に付着させられる。これは、リフト・オフ手順によって成し遂げられ得、又は代わりに、金属が、均一に付着させられ、次いで、表面領域からエッチングされ得る。
【0035】
図3Fは、いくつかの実施例による、ステップ300Fを例解する。ステップ300Fにおいて、パッシベーション層307が、電極205を流体150から絶縁するために、基板201の背面側に付着させられ、電極203を流体150にさらすために、窓を開けるように選択的にエッチングされる。いくつかの実施例において、ステップ300Fにおいて、正面側絶縁及びメタライゼーションが、圧力センサ及び流量センサに対するピエゾ抵抗器210、並びに温度センサ215への選択的接触部を作り出すために遂行される。
【0036】
いくつかの実施例において、ステップ300Fは、基板301の正面側を追加的なパッシベーション層321によってパッシベーションして、電気構成要素を流体経路から絶縁するステップを含む。パッシベーション層307又は321に対するパッシベーション材料は、パリレンなどのコンフォーマル・ポリマ、又は、二酸化ケイ素などの無機ガラス層を含み得る。
【0037】
図3Gは、いくつかの実施例による、ステップ300Gを例解する。いくつかの実施例において、ステップ300Gにおいて、継手221が、接着部分350によってセンサ・ダイに取り付けられる。いくつかの実施例において、ステップ300Gは、MEMSプロセスを完了するための、個々の電極に対するワイヤ・ボンディング、及び、ハウジング内への最終的なパッケージングを含む。
【0038】
図4は、いくつかの実施例による、流体送達を監視するための一体化されたセンサ(例えば、センサ100)を製作するための方法400におけるフローチャートを例解する。よって、いくつかの実施例において、方法400は、MEMS構成を使用して半導体基板(例えば、基板201)上にセンサを形成するステップを含む。方法400における一体化されたセンサは、流量、圧力、塩分、泡含有量、及び同類のものなどの流体特性を測定するように構成される複数個の構成要素を含み得る。
【0039】
方法400のステップは、時間的に重なって、又は、ほとんど同時に遂行され得る。さらに、本開示に従ういくつかの実施例は、任意の順序で遂行される、方法400において例解されるステップのうちの少なくとも1つを含み得るが、それらのステップのすべてを含むとは限らないことがある。
【0040】
ステップ402は、エピタキシャル層を半導体基板の正面側の上方に成長させるステップを含む。いくつかの実施例において、ステップ402は、ドーパント原子を選択的に埋め込んで、エピタキシャル層内のひずみに反応する電気構成要素を形成するステップを含む。いくつかの実施例において、ステップ402は、選択的に埋め込まれたドーパント原子によって、圧力及び流量測定に対するピエゾ抵抗素子を形成するステップを含む。ピエゾ抵抗素子は、エピタキシャル層内で誘導されるひずみによって変化する抵抗率を有し得る。
【0041】
ステップ404は、温度検知回路網をエピタキシャル層上に形成するステップを含む。
【0042】
ステップ406は、膜を半導体基板内に形成するステップを含む。いくつかの実施例において、ステップ406は、半導体基板の背面側を、正面側に形成されるエピタキシャル層までエッチングするステップを含み得る。よって、いくつかの実施例において、ステップ404は、膜の反対の両側(例えば、正面端部及び背面端部)の間の圧力差がエピタキシャル層内のひずみを誘導するように、膜の厚さを選択するステップを含む。
【0043】
ステップ408は、ピエゾ抵抗素子のうちの少なくとも1つを含む膜区域の部分を通る流体通路を形成するステップを含む。いくつかの実施例において、ステップ408は、膜の部分をエッチングして、流体通路を形成するステップを含む。
【0044】
ステップ410は、背面側メタライゼーションを半導体基板の選択された区域に付着させるステップであって、選択された区域は、導電率センサ及び泡センサを含む、付着させるステップを含む。
【0045】
ステップ412は、パッシベーション層を半導体基板の背面側に付着させて、静電容量電極の対を流体から絶縁するステップを含む。
【0046】
ステップ414は、選択された区域内のパッシベーション層をエッチングして、導電率センサに対する電極を流体にさらすステップを含む。
【0047】
ステップ416は、メタライゼーション層及びパッシベーション層を半導体基板の正面側に付着させて、圧力及び流量センサ内のピエゾ抵抗素子に対する選択的回路接触部を形成するステップを含む。
【0048】
ステップ418は、パッシベーション層を半導体基板の正面側に付着させて、電気構成要素を流体から絶縁するステップを含む。
【0049】
ステップ420は、入口及び出口継手をセンサ・ダイに取り付けて、膜により分離される入口チャンバ及び出口チャンバ(例えば、入口チャンバ251及び出口チャンバ252)を形成するステップを含む。
【0050】
ステップ422は、ワイヤ・ボンディングを、最終的なパッケージングのために個々の電極に付与するステップを含む。
【0051】
図5は、いくつかの実施例による、一体化されたセンサによって流体流れを監視するための方法500におけるフローチャートを例解する。方法500に従う方法は、少なくとも1つの測定構成要素を有する、本明細書において開示される一体化されたセンサ(例えば、一体化されたセンサ100)を使用するステップを含み得る。さらに、いくつかの実施例によれば、本開示に従う方法は、本明細書において開示されるIV送達システム(例えば、流体流れシステム10)を含み得る。IV送達システムは、本明細書において開示されるような、フレームと、流体容器と、ポンプと、サーモスタットと、流体ラインと、アンテナと、センサと、弁とを含み得る(例えば、フレーム140、流体容器143、ポンプ145、流体ライン130、アンテナ155、センサ100、及び弁190。図1を参照のこと)。
【0052】
方法500に従う方法は、メモリと、プロセッサとを含むコントローラ(例えば、コントローラ170、プロセッサ171、及びメモリ172。図1を参照のこと)により遂行される、方法500における少なくとも1つのステップを含み得る。メモリは、プロセッサにより実行されるとき、コントローラに、方法500における少なくとも1つのステップを遂行させるコマンドを記憶する。さらに、いくつかの実施例によれば、方法500に従う方法は、図5に例解されるステップのうちの少なくとも1つを含み得るが、それらのステップのすべてを含むとは限らないことがある。なおまた、いくつかの実施例において、本明細書において開示される方法は、図5において例解されるシーケンスとは異なるシーケンスで遂行される、方法500におけるステップを含み得る。例えば、いくつかの実施例においては、方法500におけるステップのうちの少なくとも2つ以上が、時間的に重なって、さらには同時に、又は準同時に遂行され得る。
【0053】
ステップ502は、センサを通る流体流れを提供するステップであって、センサは、入口チャンバを出口チャンバから分離する膜(例えば、膜202a、入口チャンバ251、出口チャンバ252)を含む、提供するステップを含む。
【0054】
ステップ504は、電力を、センサ内のピエゾ抵抗構成要素に提供するステップであって、ピエゾ抵抗構成要素は、入口チャンバを出口チャンバから分離する膜の変形を測定するように構成される、提供するステップを含む。
【0055】
ステップ506は、膜の変形を、センサ内のピエゾ抵抗構成要素の電気特性の変化に基づいて検出するステップを含む。
【0056】
ステップ508は、センサを通る流体流れの流量を、膜の変形に基づいて取得するステップを含む。
【0057】
ステップ510は、流体流れ内の流体の、導電率、温度、又は泡含有量のうちの1つを取得するステップを含む。ステップ510は、流体体積に相対的な知られている幾何学的配置を伴う、2つの電極(例えば、電極203)の間のインピーダンスのDC測定を遂行するステップを含み得る。インピーダンスを測定するために、ステップ510は、電極をまたぐ固定された電圧を付与し、結果的に生じる電流を測定するステップを含み得る。いくつかの実施例において、ステップ510は、電極を通る固定された電流を付与し、結果的に生じる電圧を測定するステップを含み得る。ステップ510は、導電率測定のための上記の方法から1つを、流体の実際の導電率に基づいて選択するステップを含み得る。いくつかの実施例において、ステップ510は、上記の2つの技法を、流体流れ内の流体の導電率を測定するために実現するステップを含み得る。測定されたインピーダンス、及び、幾何学的補正因子に基づいて、流体流れ内の流体の導電率が導出され得る。ステップ510は、流体流れ内の流体の温度を、P-N接合を有するダイオードを含む温度センサ(例えば、温度センサ215)によって測定するステップを含み得る。よって、ステップ510は、ダイオードを通る固定された電流を付与し、接合をまたぐ電圧を測定するステップを含み得る。ダイオードをまたぐ順方向電圧(一定の電流密度の場合)は、広い動作レンジにわたり温度に対して線形である。
【0058】
いくつかの実施例において、ステップ510は、電極(例えば、電極205)の対の間の静電容量を測定するステップをさらに含み得る。よって、ステップ510は、電極の対の間の静電容量を、時間の関数として監視し、空気泡の存在及びサイズを、時間の関数としての静電容量値に基づいて検出するステップを含み得る。
【0059】
ステップ512は、流体の、流量、導電率、温度、又は泡含有量のうちの少なくとも1つをコントローラに提供するステップを含む。
【0060】
ステップ514は、コントローラによって、流体流れパラメータを、流量、導電率、温度、又は泡含有量のうちの少なくとも1つに基づいて修正するステップを含む。
【0061】
前述の説明は、当業者が、本明細書において説明される様々な構成を実践することを可能にするために提供される。主題技術は、特に、様々な図及び構成を参照して説明されたが、これらの図及び構成は、単に例解目的のためのものであり、主題技術の範囲を制限するととられるべきではないということが理解されるべきである。
【0062】
主題技術を実現する、多くの他の手立てが存在し得る。本明細書において説明される様々な機能及び要素は、主題技術の範囲から逸脱することなく、示されるものとは異なるように区分化され得る。これらの構成に対する様々な修正が、当業者にはたやすく明らかになり、本明細書において規定される包括的原理は、他の構成に適用され得る。かくして、多くの変更及び修正が、主題技術に対し、当業者により、主題技術の範囲から逸脱することなく為され得る。
【0063】
本明細書において使用される際、項目の任意のものを区切るための用語「及び」又は「又は」を伴う、一連の項目の後に付く語句「のうちの少なくとも1つ」は、列挙の各々の構成物(例えば、各々の項目)よりむしろ、全体として列挙を修飾する。語句「のうちの少なくとも1つ」は、列挙される各々の項目のうちの少なくとも1つの選択を要さず、むしろ、その語句は、項目のうちの任意の1つのうちの少なくとも1つ、及び/又は、項目の任意の組合せのうちの少なくとも1つ、及び/又は、項目の各々のうちの少なくとも1つを含む意味合いを可能とする。実例として、語句「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」は、各々、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ;A、B、及びCの任意の組合せ;並びに/又は、A、B、及びCの各々のうちの少なくとも1つを指す。
【0064】
さらにまた、用語「含む」、「有する」、又は同類のものが、説明又は特許請求の範囲において使用される限りにおいて、そのような用語は、用語「備える」と同様の様式で、「備える」が、請求項において移行語として用いられるときに解釈されるように、包含的であることを意図される。単語「例示的」は、本明細書において、「実例、用例、又は例解としての役目をすること」を意味するように使用される。「例示的」として本明細書において説明されるいかなる実施例も、必ずしも、他の実施例よりも好ましい、又は有利であると解されることになるとは限らない。
【0065】
単数形での要素に対する言及は、具体的に説述されない限り、「唯一無二」ではなくむしろ「1つ又は複数」を意味することを意図される。用語「いくつか」は、1つ又は複数を指す。当業者に知られている、又は、後に知られるようになる、本開示の全体を通して説明される様々な構成の要素に対する、すべての構造的及び機能的均等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題技術により包含されることを意図される。なおまた、本明細書において開示されるものは、そのような開示が上記の説明において明確に詳述されるかどうかに関わらず、公衆に供されることを意図されない。
【0066】
主題技術の所定の態様及び実施例が説明されたが、これらの態様及び実施例は、単に実例として提示されたものであり、主題技術の範囲を制限することを意図されない。その上、本明細書において説明される新規の方法及びシステムは、その主題技術の趣旨から逸脱することなく、種々の他の形式で実施され得る。付随する特許請求の範囲、及び、それらの均等物は、主題技術の範囲及び趣旨の中に該当し得る形式又は修正を網羅することを意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4
図5