(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106505
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】消火が改良された喫煙物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20230725BHJP
A24D 1/10 20060101ALI20230725BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
A24D1/02
A24D1/10
A24D3/04
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082366
(22)【出願日】2023-05-18
(62)【分割の表示】P 2021054946の分割
【原出願日】2016-06-30
(31)【優先権主張番号】15174662.5
(32)【優先日】2015-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】カディリク アレン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】喫煙時に喫煙物品の機能を妨げたり、望ましくない影響を及ぼしたりすることなく、安全かつ衛生的な方法で消火する喫煙物品を提供する。
【解決手段】喫煙物品10は、たばこロッド11と、たばこロッドと軸方向に整列したフィルター12とを備え、チッピングラッパー16は、フィルターおよびたばこロッドの一部分を囲み、フィルターを固定する。フィルターは、たばこロッドに隣接するフィルターの上流端にある中空の管状要素13と、その下流に隣接する濾過材料15の第一のセグメントとを備え、チッピングラッパーは、中空の管状要素とたばこロッドとの界面、またはその上流4ミリメートルに配置された虚弱線17を含む。たばこロッド、濾過材料の第一のセグメントおよび中空の管状要素の内部表面はくぼみ14を画定し、くぼみは、消費者が喫煙物品の消火を選択した時に、喫煙物品の点火側の端および未燃のたばこ材料を受けるように設計される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品であって、
たばこロッドと、
前記たばこロッドと軸方向に整列したフィルターと、
前記フィルターの少なくとも一部分および前記たばこロッドの少なくとも一部分を囲んで前記たばこロッドと軸方向に整列した前記フィルターを固定するチッピングラッパーとを備え、
前記フィルターが、
前記たばこロッドに隣接する前記フィルターの上流端にある中空の管状要素と、
前記中空の管状要素の下流にありそれに隣接する濾過材料の第一のセグメントとを備え、
前記チッピングラッパーが、前記中空の管状要素と前記たばこロッドの間の界面に、またはその上流5ミリメートル以内に配置された虚弱線を含む、喫煙物品。
【請求項2】
前記中空の管状要素が、前記喫煙物品の長軸方向に直角をなす約100マイクロメートル~約700マイクロメートル厚さ(t)を有する、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記中空の管状要素の長さが約3ミリメートル~約20ミリメートルである、請求項1または請求項2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記中空の管状要素が、前記たばこロッドを囲む前記チッピングラッパーの部分の長さよりも大きいまたは等しい長さを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記虚弱線が複数の穿孔を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
風味送達機構が前記中空の管状要素の内部表面に提供され、消費者が前記喫煙物品を消火する時に、風味剤を放出するように構成された、請求項1~5のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項7】
消火によって、前記風味送達機構で風味剤を放出させる1つ以上のトリガーイベントが開始されるが、前記1つ以上のトリガーイベントが、摩擦力の適用、水分の追加、pHの変化、温度上昇、およびその任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項6に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記中空の管状要素が、複数のらせん状に巻かれた紙レイヤーから形成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記中空の管状要素が濾過材料の環状セグメントから形成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記中空の管状要素が、前記喫煙物品の長軸方向に直角をなす厚さ(t)、および前記喫煙物品の前記長軸方向に直角をなす直径(D)を有し、前記直径(D)と厚さ(t)の比が約40未満である、請求項1~9のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記フィルターがさらに、少なくとも前記中空の管状要素および濾過材料の前記第一のセグメントを囲むフィルターラッパーを備え、前記フィルターラッパーが前記チッピングラッパーと前記中空の管状要素および濾過材料の前記第一のセグメントとの間に配置されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記たばこロッドが、前記たばこロッドの下流端にある捲縮したたばこキャストリーフを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項13】
前記フィルターがさらに、濾過材料の前記第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントを備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項14】
前記中空の管状要素の前記軸方向の剛度が、前記たばこロッドの前記軸方向の剛度より大きいまたは等しい、請求項1~13のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品(例えば、紙巻たばこ)に関連する。フィルター紙巻たばこは一般的に、紙ラッパーで囲まれたたばこカットフィラーのロッドと、包まれたたばこロッドと端と端を接して整列され、チッピングペーパーによってたばこロッドに取り付けられた円筒形フィルターとを備える。従来的なフィルター紙巻たばこでは、フィルターは、多孔性のプラグラップ内に包まれた酢酸セルローストウのプラグから構成しうる。主流煙の粒子状およびガス状構成要素を除去するために濾過材料の二つ以上のセグメントを備える複数構成要素フィルターを持つフィルター紙巻たばこも知られている。
【背景技術】
【0002】
一般的に、消費者はたばこロッド(点火側の端)の燃焼領域がチッピングペーパーの端に達するまで喫煙物品を喫煙する。これは、たばこの小さな部分(チッピングペーパーがたばこロッドと重なる部分)が、まだ未燃焼のまま残っており、消火しない限り燃焼が継続することを意味する。従って、消費者は一般には、フィルターを持って、喫煙物品の点火側の端を灰皿の底部またはその他の硬質の不燃性の表面に対して押し付けることによって、喫煙物品を消火する。これにより、点火側の端の構造が崩壊し、酸素が燃焼中のたばこに達するのを防ぎ、燃焼は通常は速やかに停止する。ところが、喫煙物品の消火の過程で、消費者の指が喫煙物品の点火側の端または灰皿内に残っている燃えかすに接触または接近することがある。
【0003】
従って、喫煙物品を安全で衛生的な方法で消化するためにいくつかの解決策が提案されてきた。例えば、点火端がこの修正されたセクションに達した時に紙巻たばこが効果的に自己消火されるように、たばこロッドを取り巻く紙のその下流端でまたは周辺での燃焼特性を修正することが提案されてきた。ところが、一部の状況では消費者が、点火端がラッパーの修正されたセクションに達する前に紙巻たばこを消火したい場合があり、従って紙巻たばこを手動で消火する必要がある。その上、修正されたセクションが常に迅速かつ信頼できる方法で点火端を消火するとは限らない。加えて、こうした配置ではなおもルースな灰が灰皿内に残ることになる。
【0004】
提案された別の解決策は、消費者が喫煙物品の喫煙を終了した後で、喫煙物品上をスライドしてたばこロッドの点火端を覆って喫煙物品を消火することができる、管またはスリーブを提供することである。ところが、こうした管は喫煙時の喫煙物品の機能を妨げたり、望ましくない影響を及ぼしたりしかねない。
【0005】
従って、喫煙時に喫煙物品の機能を妨げたり、望ましくない影響を及ぼしたりすることなく、安全かつ衛生的な方法で喫煙物品を消火するための解決策を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
従って、本発明は、たばこロッドと、たばこロッドと軸方向に整列したフィルターと、フィルターの少なくとも一部分およびたばこロッドの少なくとも一部分を囲んでたばこロッドと軸方向に整列したフィルターを固定するチッピングラッパーとを備えた喫煙物品を提供し、ここでフィルターは、たばこロッドに隣接するフィルターの上流端にある中空の管状要素と、中空の管状要素の下流にありそれに隣接する濾過材料の第一のセグメントとを備える。当然ながら、中空の管状要素の内部表面、たばこロッドの下流端および濾過の第一のセグメントの上流端はまとめてフィルター内の内部くぼみの境界を画定する。
【0007】
フィルターの上流端で、たばこロッドに隣接して中空の管状要素を提供することで、例えば、フィルターを保持し、喫煙物品の点火側の端を硬質の不燃性の表面(例えば灰皿)に押し付けることによって、消費者は喫煙物品を簡単に消火できる。これにより、喫煙物品の点火側の端と未燃のたばこのすべては、中空の管状要素のくぼみ内に押し込まれる。たばこロッドを囲むチッピングペーパーの部分および残存する紙巻たばこ用紙のすべても、中空の管状要素のくぼみ内に押し込まれうる。これにより、灰または点火側の端が消費者の指に接触する可能性を最小限に抑えることができ、また喫煙物品の消火行為中に生成されるルースな物質(灰など)の量を減少させることができる。またこれにより、点火側の端への酸素供給を減少させることができ、それによって喫煙物品が消火される速さが向上される。
【0008】
本明細書で使用する「上流」および「下流」という用語は、主流煙がフィルターを通して喫煙物品の点火する末端から吸い込まれる時の主流煙の方向に対する、フィルターまたは喫煙物品のエレメント間の相対的位置を記述するために使用される。主流煙は喫煙物品の長さに対して一般的に平行に、長軸方向に流れる。喫煙物品の横断する方向は長軸方向と直角をなす。
【0009】
本明細書で使用される「内部表面」という用語は、フィルターの内側に面した中空の管状要素の側を描写するために使用される。
【0010】
本明細書で使用される「座屈強度」という用語は、喫煙物品フィルターにかかる、フィルターが崩壊または座屈する軸方向の圧縮荷重を意味する。この荷重は、消費者が喫煙物品の点火側の端を灰皿の底またはその他の硬質の不燃性の表面に押し付けることによって、もたらされ得る。
【0011】
本明細書で使用される「充填力」という用語は、たばこ材料の任意の重量または質量が占めるスペースの容積を描写するために使用される。たばこ材料の充填力が大きいほど、標準的な寸法のたばこロッドを充填するために必要とされる材料の重量が小さくなる。充填力の値は補正円筒容積(CCV)という点で表現されるが、これはオーブン揮発性が12.5パーセントである標準水分レベルにおけるたばこ材料の円筒容積(CV)である。円筒容積(CV)は、刻みたばこおよびたばこ円筒容器用の測定ヘッドに適合したDD60またはDD60AタイプのBorgwaldt密度計を使用して判定されうる。
【0012】
中空の管状要素は、喫煙物品の長軸方向と直角をなす約100マイクロメートル~約700マイクロメートルの厚さ(壁厚)(t)を有することが好ましい。中空の管状要素は、喫煙物品の長軸方向と直角をなす約150マイクロメートル~約400マイクロメートルの厚さ(t)を有することがより好ましく、約200マイクロメートル~約300マイクロメートルの厚さを有することがさらに好ましい。一部の好ましい実施形態において、中空の管状要素は、喫煙物品の長軸方向と直角をなす約250マイクロメートルの厚さ(t)を有する。
【0013】
喫煙物品の長軸方向と直角をなす前述の範囲内の厚さ(t)を有する中空の管状要素を提供することで、消費者が喫煙物品を消火する時に、例えば、点火側の端を硬質の不燃性の表面に押し付けることによって、中空の管状要素が崩壊または変形するリスクが低減される。さらに、これは、消費者が喫煙物品を消火することを選択する前に、たばこロッドのたばこが、中空の管状要素の上流端に入るのを防ぐのにも役立つ。加えて、この提供は、消費者が喫煙物品を消火する時に、濾過材料の第一のセグメントが中空の管状要素の下流端に入るのを防ぐのに役立ちうる。喫煙物品の長軸方向と直角をなす前述の範囲内の厚さ(t)を有する中空の管状要素を提供することで、中空の管状要素の内部くぼみが、喫煙物品の点火側の端および未燃のたばこのすべてを受けるのに十分に大きく、それによって灰または点火側の端が消費者の指に接触するようになる可能性を最小限に抑えられうる。
【0014】
中空の管状要素は、好ましくは約50グラム/平方メートル~約250グラム/平方メートル、より好ましくは約80グラム/平方メートル~約150グラム/平方メートルの秤量を有する材料で形成されることが好ましい。一定の好ましい実施形態において、中空の管状要素は、約100の秤量を有する材料で形成される。
【0015】
前述の範囲内の秤量を有する中空の管状要素を提供することは、中空の管状要素の座屈強度を増大させ、これはさらには、消費者が喫煙物品を消火する時に、中空の管状要素が崩壊または変形するリスクを低減させるのにも役立ちうる。
【0016】
中空の管状要素は、約3ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有することが好ましい。中空の管状要素は、約4ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有することがより好ましく、約5ミリメートル~約10ミリメートルであることがさらに好ましい。一部の好ましい実施形態において、中空の管状要素は約6ミリメートルの長さを有する。
【0017】
約4ミリメートルより長い長さを有する中空の管状要素を提供することで、中空の管状要素の内部くぼみが喫煙物品の点火側の端および未燃のたばこのすべてを受けるのに十分な大きさになるようにするのに役立ち、それによって、灰または点火側の端が消費者の指に接触するようになる可能性を最小限に抑えられる。
【0018】
中空の管状要素は、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分の長さより長いかまたは同じ長さを有することが好ましい。これにより、喫煙物品が消火された時に、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分の下にあるあらゆるルースたばこが中空の管状要素の内側に収まることができる。
【0019】
チッピングラッパーは、中空の管状要素とたばこロッドの間の界面に、またはその上流5mm以内に配置された虚弱線を含むことが好ましく、中空の管状要素とたばこロッドの間の界面に、またはその上流2mm以内であることがより好ましい。虚弱線は、消費者が喫煙物品の点火側の端を灰皿の底またはその他の硬質の不燃性の表面に押し付けて消火する時に、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分が座屈またはその他の方法で変形できるようする。この変形は、消費者が喫煙物品を消火する時に、喫煙物品の点火側の端および未燃のたばこのすべてが中空の管状要素のくぼみに入るのに役立ちうる。これは、消火時の任意の座屈が中空の管状要素のすぐ上流の喫煙物品の部分に限局される可能性を増やしうる。その結果、消費者は喫煙物品を消火するのにわずかな力を使用でき、消火時にフィルターを変形させる可能性が低くなる。
【0020】
上述の通り、虚弱線は、消費者が喫煙物品の点火側の端を灰皿の底またはその他の硬質の不燃性の表面に押し付けて消火する時に、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分が座屈またはその他の方法で変形できるように提供されている。これにより、チッピングラッパーが虚弱線に沿って分離されることができ、その場合、チッピングラッパーの一部はまた、ルースたばこおよび喫煙物品の点火側の端とともに中空の管状要素のくぼみに押し込まれうる。別の方法として、これにより、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分が虚弱線に沿って折り畳まれることができ、この場合、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分は、フィルターに付着したままとなり、たばこロッドの点火側の端および未燃のたばこのすべてを中空の管状要素内に案内するのに役立ちうるスリーブのために残る。
【0021】
上述の通り、虚弱線は、中空の管状要素とたばこロッドの間の界面に、またはその上流5ミリメートル以内に配置されることが好ましい。一部の実施形態において、虚弱線は中空の管状要素とたばこロッドの間の界面に配置される。一部の代替的な実施形態において、虚弱線は、中空の管状要素とたばこロッドの間の界面の上流約0.5ミリメートル~約5ミリメートルに配置され、中空の管状要素とたばこロッドの間の界面の上流約1ミリメートル~約2ミリメートルに配置されることがより好ましい。
【0022】
一部の実施形態において、中空の管状要素とたばこロッドの間の界面に、またはその上流5ミリメートル以内に配置された複数の虚弱線がある。例えば、約2~約5本の虚弱線がありうる。これにより、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分の変形に対してより優れた制御が可能になる。
【0023】
虚弱線は、チッピングラッパーがたばこロッドおよびフィルターを包み込む前または包み込んだ後に、チッピングラッパーに形成されうる。一部の実施形態において、虚弱線は、チッピングラッパーがたばこロッドおよびフィルターを包み込む前に、チッピングラッパーに形成される。これは製造工程を簡略化しうる。適切なタイプの虚弱線には、エンボス加工された線、デボス加工された、折り目、穿孔線またはその組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
本発明による一部の好ましい実施形態において、虚弱線は複数の穿孔を備える。
【0025】
穿孔は任意のサイズとしうる。複数の穿孔の直径は、約0.2マイクロメートル~約1.2マイクロメートルであることが好ましく、約0.3マイクロメートル~約1マイクロメートルであることがより好ましく、約0.5マイクロメートル~約0.9マイクロメートルであることがさらに好ましい。一部の好ましい実施形態において、穿孔の直径は約0.8マイクロメートルである。
【0026】
複数の穿孔は、実質的に同じサイズでもよく、または実質的に異なるサイズでもよい。穿孔は実質的に同じサイズであることが好ましい。このことは、喫煙物品が消火される時に、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分の均等な変形の促進に役立ちうる。それぞれの穿孔は、円形または楕円形など、適切な任意の形状を持ちうる。
【0027】
上述の寸法による複数の穿孔を含む虚弱線を提供することは、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分が通常の消火条件下で変形するのを虚弱線が可能にするのを確実にするのに役立つ一方で、消費者が喫煙物品の消火を選択する前に、たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分が変形することを防ぐ。
【0028】
本発明の一部の実施形態において、喫煙物品はさらに、消費者が喫煙物品を消火する時に、風味剤を放出するよう構成された風味送達機構を備える。風味送達機構は喫煙物品のフィルター部分に、またはその付近に提供されることが好ましい。これにより、喫煙物品が消火される時に、主流煙または副流煙のうち少なくとも一つが風味付けまたは香り付けされることができるようになる。例えば、管状要素の内部表面上に提供され、消費者が喫煙物品を消火する時に風味剤を放出するように構成された風味送達機構は、喫煙物品が消火された時に副流煙が風味付けまたは香り付けされるようにしてもよい。これにより、消火された喫煙物品の周りの空気に風味付けまたは香り付けすることができ、また消火の行為によって生成された望ましくない何らかの臭いに対抗したり、それを覆い隠したりすることができる。
【0029】
風味剤は、適切な任意の形態が可能であり、例えば風味剤は液体風味剤、粉末風味剤またはその組み合わせとしうる。適切な風味剤には、天然または合成の、メントール、ミント(ハッカおよびオランダハッカなど)、ユーカリ、セージ、チョコレート、甘草、柑橘類およびその他の果物風味剤、γ八量体、バニリン、エチルバニリン、口臭消臭風味剤、スパイス風味剤(シナモンなど)、サルチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油、およびたばこ風味剤を含む材料などが含まれるが、これらに限定されない。その他の適切な風味剤には、酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、これらの組み合わせまたはブレンド、およびそれに類するものから成る群から選択される風味剤化合物が含まれ得る。その他の適切な風味剤には、酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、これらの組み合わせまたはブレンド、およびそれに類するものから成る群から選択される風味剤化合物が含まれ得る。
【0030】
風味送達機構は、構造材料が風味剤を放出可能に封入した構造を持ちうる。例えば、一部の実施形態において、風味送達機構は、複数の領域を画定するマトリクス構造を備え、風味剤は、消費者が喫煙物品を消火する時に放出されるまで、領域内に閉じ込められる。
【0031】
一部の実施形態において、風味送達機構は中空の管状要素上に提供される。例えば、風味送達機構は、中空の管状要素の内部表面または外側表面に提供されてもよい。風味送達機構は、中空の管状要素の内部表面に提供され、消費者が喫煙物品を消火する時に風味剤を放出するように構成されることが好ましい。これにより、中空の管状要素のくぼみ内に挿入された材料が風味送達機構と直接接触し、風味の放出をもたらすことを可能にできる。
【0032】
風味送達機構は、中空の管状要素の内部表面に風味剤を備えうる。別の方法として、または加えて、風味送達機構は、中空の管状要素の内部表面の表面処理工程によって提供されうる。
【0033】
上述の通り、喫煙物品は、消費者が喫煙物品を消火する時に風味剤を放出するよう構成された風味送達機構を含むことが好ましい。例えば、消火は風味送達機構で風味剤を放出させる1つ以上のトリガーイベントを開始しうる。1つ以上のトリガーイベントは、摩擦力の適用、水分の追加、pHの変化、温度上昇、およびその任意の組み合わせから成る群から選択されうる。摩擦力の適用には、中空の管状要素の内部表面への摩擦力の適用、チッピングペーパーの外側表面への摩擦力の適用、または両方が含まれうる。
【0034】
一定の好ましい実施形態において、風味送達機構は、たばこロッドがある一定の地点を越えて燃焼した時に風味剤を放出するよう構成される。この実施形態において、風味送達機構は、温度上昇に応答して風味剤を放出するよう構成されうる。
【0035】
別の方法として、または加えて、風味送達機構は、喫煙物品が消費者によって喫煙物品の点火側の端を灰皿の底またはその他の硬質の不燃性の表面に押し付けることにより消火された時に、風味剤を放出するように構成される。この実施形態において、風味送達機構は、中空の管状要素の内部表面に対する摩擦力の適用に応答して風味剤を放出するよう構成されうる。
【0036】
一部の好ましい実施形態において、中空の管状要素は、紙材料から形成されることが好ましい。中空の管状要素は、複数の平行に巻かれた紙層または複数のらせん状に巻かれた紙層など、複数の重なり合った紙層から形成されることがより好ましい。複数の重なった紙レイヤーから中空の管状要素を形成することで、中空の管状要素の座屈強度の改善に役立ちうる。これは、ユーザーが喫煙物品を消火する時に、中空の管状要素が座屈またはその他の方法で変形する可能性が低いことを意味する。
【0037】
中空の管状要素は少なくとも2層の紙層であることが好ましい。中空の管状要素は11層未満の紙層であることが好ましい。これは、中空の管状要素が適切な座屈強度を確実に有しつつ、喫煙物品に使用される材料の量を最小限に抑えることに役立ちうる。
【0038】
複数のらせん状に巻かれた紙層から管セグメントを形成するための模範的方法には、円筒形のマンドレルの周りを複数の実質的に連続的な紙の細片で重なり合うように包み込むことが含まれる。細片は、マンドレル上に実質的に連続的な管を形成するように、らせん状に包まれる。形成された管は、紙層が連続的に引かれてマンドレルを包み込むように、例えばゴムベルトを使用して、マンドレルを中心に回転できてもよい。その後、形成された管は、マンドレルの下流で要求される長さに切断できる。
【0039】
本発明による実施形態において、中空の管状要素は濾過材料の環状セグメントから形成される。濾過材料は、酢酸セルロースなど、任意の濾過材料としうる。濾過材料の環状セグメントは、環状セグメントの上流端から環状セグメントの下流端に延びる中空のコアを有する。こうしたセグメントは中空アセテート管と呼ばれることもある。
【0040】
環状セグメントの濾過材料は、高い粒子効率であることが好ましい。環状セグメントの濾過材料は、フィラメント当たり約1.5デニール(dpf)~約5 dpf、より好ましくはフィラメント当たり約1.5デニール(dpf)~約3 dpfの繊維を含むことが好ましい。好ましい一つの実施形態において、環状セグメントの濾過材料は約3.3 dpfの繊維を含む。
【0041】
環状セグメントの濾過材料は、約30000総デニール(td)~約50000 td、より好ましくは35000総デニール(td)~約50000 tdの繊維を含むことが好ましい。好ましい一つの実施形態において、環状セグメントの濾過材料は約44000 tdの繊維を含む。
【0042】
中空管セグメントは1つ以上の可塑剤を含むことが好ましい。適切な可塑剤には、トリアセチン、およびトリエチレングリコールジアセテートが含まれる。可塑剤は、約5~約15重量パーセントの量で、より好ましくは約8~約12重量パーセントの量で環状セグメント内に存在することが好ましい。
【0043】
前述の粒子効率、繊維デニールおよび可塑剤を有する濾過材料の環状セグメントから形成される中空の管状要素の提供は、中空の管状要素の座屈強度を改善しうる。
【0044】
中空の管状要素は、喫煙物品の長軸方向に直角をなす厚さ(t)および喫煙物品の長軸方向に直角をなす直径(D)を有し、ここで直径(D)と厚さ(t)の比は約80未満であることが好ましい。中空の管状要素の直径(D)と厚さ(t)の比は約75未満であることが好ましく、約40未満がより好ましい。これにより、中空の管状要素の座屈強度を増大でき、これは消費者が喫煙物品を消火する時に、中空の管状要素が座屈、崩壊またはその他の方法で変形するリスクを低減しうる。所定の高さでは、中空の管状要素の座屈強度は、D:tの比を減少させることによって著しく増大させうることが観察されている。これにより、消費者による喫煙物品の消火が可能になり、その一方で圧力荷重下で中空の管状要素が曲がる可能性が著しく低減される。中空の管状要素の直径(D)と厚さ(t)の比は約10を超えることが好ましく、約20を超えることがより好ましい。これにより、中空の管状要素の内部くぼみが、喫煙物品の点火側の端および未燃のたばこのすべてを受けるのに十分な大きさを確保するのに役立ち、灰または点火側の端が消費者の指と接触するようになる可能性を最小限に抑えることができる。
【0045】
本発明による一部の実施形態において、フィルターはさらに、少なくとも中空の管状要素および濾過材料の第一のセグメントを囲むフィルターラッパーを備え、フィルターラッパーは、チッピングラッパーと、中空の管状要素および濾過材料の第一のセグメントとの間に配置されている。さらにはフィルターラッパーの提供は、中空の管状要素および濾過材料の第一のセグメントが使用時または消費者が喫煙物品を消火する選択をした時に分離するのを防ぐのに役立ちうる。これは、中空の管状要素および濾過材料の第一のセグメントがフィルターラッパーに付着している場合に、特に関連性がある。
【0046】
フィルターラッパーは、中空の管状要素の全長を囲むことが好ましい。フィルターラッパーは、濾過材料の第一のセグメントの全長を囲むことが好ましい。
【0047】
適切なフィルターラッパー材料の例は、セルロースベースの材料、紙、ボール紙、レコン、セルロースベースのフィルムおよびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0048】
たばこロッドは、たばこロッドラッパーによって囲まれたたばこ材料を含むことが好ましい。
【0049】
あらゆる適切なたばこ材料を使用しうる。例えば、たばこ材料は、たばこカットフィラーを備えうる。たばこロッドの下流端でカットフィラーは、12.5パーセントオーブン揮発性物質の基準水分値で、少なくとも約3.5立方センチメートル/グラムの充填力を有することが好ましい。たばこロッドの下流端でカットフィラーは、12.5パーセントオーブン揮発性物質の基準水分値で、少なくとも約4立方センチメートル/グラムの充填力を有することがより好ましい。加えて、または代替的に、たばこロッドの下流端で、カットフィラーは、12.5パーセントオーブン揮発性物質の基準水分値で、約8立方センチメートル/グラム未満の充填力を有する。たばこロッドの下流端でカットフィラーは、12.5パーセントオーブン揮発性物質の基準水分値で、約7立方センチメートル/グラム未満の充填力を有することがより好ましい。一部の特定の好ましい実施形態において、たばこロッドの下流端でカットフィラーは、12.5パーセントオーブン揮発性物質の基準水分値で、約3.5立方センチメートル/グラム~約8立方センチメートル/グラムの充填力を有する。これは、たばこロッドの燃焼属性に大きな影響を与えることなく、たばこカットフィラーが中空の管状要素のくぼみに入る可能性を減少させうる。
【0050】
別の方法として、または加えて、たばこ材料はたばこロッドの下流端で捲縮したたばこキャストリーフを備えうる。これは、たばこロッド燃焼属性に大きな影響を与えることなく、たばこ材料が中空の管状要素のくぼみに入らないようにすることに役立ちうる。
【0051】
たばこロッドラッパーは適切な任意の材料を備えうる。たばこロッドラッパーは紙巻たばこ用紙から形成されることが好ましい。
【0052】
本発明による一部の実施形態において、フィルターはさらに、濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントを備える。
【0053】
濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントは、濾過材料の第一のセグメントに隣接しうる。別の方法として、濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントは、さらなる構成要素またはくぼみによって濾過材料の第一のセグメントから分離されてもよい。
【0054】
濾過材料の第一のセグメントおよび濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントは、適切な任意の濾過材料または濾過材料の組み合わせを含みうる。濾過材料のタイプは、喫煙中の所望のレベルのRTD(引き出し抵抗)および変形後の所望のレベルの硬さおよび楕円率を提供するために選択されてもよい。適切な材料の例は、酢酸セルロース、セルロース、再生セルロース、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリヒドロキシブチラート、熱可塑性材料(デンプンなど)、不織布材料、長手方向に配向された繊維およびランダムに配向された繊維、紙、クレープ、PLA繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。1つ以上の材料をオープンセル構造に形成してもよい。濾過材料の第一のセグメントおよび濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントのすべてまたは一部は、活性炭またはその他の吸収材材料を含みうる。濾過材料の第一のセグメントおよび濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントは、接着剤または可塑剤またはその組み合わせを含みうる。濾過材料の第一のセグメントおよび濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントは、圧縮可能でありうる。濾過材料の第一のセグメントおよび濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントは、同じ濾過材料を含みうる。別の方法として、濾過材料の第一のセグメントおよび濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントは、異なる濾過材料を含んでもよい。好ましい実施形態において、濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントは、酢酸セルローストウのプラグを含む。
【0055】
別の方法として、または加えて、フィルターは、その下流端にある口側の端のくぼみを含む。口側の端のくぼみは、濾過材料の第一のセグメントに隣接しうる。別の方法として、存在する場合に、口側の端のくぼみは、濾過材料の第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントに隣接しうる。口側の端のくぼみは、らせん状に巻かれた紙レイヤーのセクションから形成されうる。別の方法として、または加えて、口側の端のくぼみは、環状セクションの濾過材料から形成されうる。別の方法として、または加えて、口側の端のくぼみは、チッピング材料の下流端によって形成されうる。濾過材料の第一のセグメントは酢酸セルローストウのプラグを備えることが好ましい。
【0056】
中空の管状要素の軸方向の剛度は、たばこロッドの軸方向の剛度より大きいまたは等しいことが好ましい。これにより、消火中にたばこロッドが座屈する前に中空の管状要素が座屈する可能性を低減させうる。
【0057】
ここで、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、これは例証としてのみである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による喫煙物品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、上流端および下流端を持ち、かつその下流端で軸方向に整列したフィルター12に取り付けられたたばこロッド11を含む喫煙物品10を示す。たばこロッド11は、たばこロッドラッパー32によって囲まれた1回分のカットフィラー31を含む。フィルター12は、中空の管状要素13と、中空の管状要素13に隣接する酢酸セルローストウ15の単一のセグメントを備える。中空の管状要素13は、円筒形の内部くぼみ14が中空の管状要素13の内部表面、酢酸セルローストウ15の単一のセグメントおよびたばこロッド11によって画定されるように、たばこロッド11に隣接する。フィルター12、およびたばこロッド11の一部分はチッピングラッパー16によって囲まれる。チッピングラッパー16によって囲まれたたばこロッド11の部分の長さは、中空の管状要素13の長さよりも短い。虚弱線はチッピングラッパー16内に複数の穿孔17の形態で提供されている。複数の穿孔は、たばこロッド11の下流端から1ミリメートル上流に位置する。中空の管状要素13および酢酸セルローストウ15の単一のセグメントは、どちらもフィルターラッパー18によって囲まれ、それはさらにチッピングラッパー16によって囲まれている。
【0060】
使用時、消費者は、たばこロッド11の上流端に点火し、酢酸セルローストウ15の単一のセグメントの下流端を通して吸う。消費者が喫煙物品10を消火することを選択する時に、喫煙物品10はフィルター12によって保持され、たばこロッド11の点火側の端は灰皿の底またはその他の硬質の不燃性の表面に押し付けられる。これが完了すると、チッピングラッパー16は曲がるか、または複数の穿孔線17に沿って分離される。これは、たばこロッドの点火側の端および未燃のたばこのすべてが、中空の管状要素13のくぼみ14に押し込まれるのに役立つ。これは、酸素がたばこロッド11の点火側の端に到達するのを防ぐことによって喫煙物品10を消火するのに役立つ。
【0061】
1. 喫煙物品であって、
たばこロッドと、
前記たばこロッドと軸方向に整列したフィルターと、
前記フィルターの少なくとも一部分および前記たばこロッドの少なくとも一部分を囲んで前記たばこロッドと軸方向に整列した前記フィルターを固定するチッピングラッパーとを備え、
前記フィルターが、
前記たばこロッドに隣接する前記フィルターの前記上流端にある中空の管状要素と、
前記中空の管状要素の下流にありそれに隣接する濾過材料の第一のセグメントとを備え、
前記チッピングラッパーが、前記中空の管状要素と前記たばこロッドの間の前記界面に、またはその上流5ミリメートル以内に配置された虚弱線を含む、喫煙物品。
2. 前記中空の管状要素が、前記喫煙物品の前記長軸方向に直角をなす約100マイクロメートル~約700マイクロメートル厚さ(t)を有する、1に記載の喫煙物品。
3. 前記中空の管状要素の長さが約3ミリメートル~約20ミリメートルである、1または2に記載の喫煙物品。
4. 前記中空の管状要素が、前記たばこロッドを囲む前記チッピングラッパーの前記部分の前記長さよりも大きいまたは等しい長さを有する、1~3のいずれかに記載の喫煙物品。
5. 前記虚弱線が複数の穿孔を備える、1~4のいずれかに記載の喫煙物品。
6. 風味送達機構が前記中空の管状要素の前記内部表面に提供され、消費者が前記喫煙物品を消火する時に、風味剤を放出するように構成された、1~5のいずれかに記載の喫煙物品。
7. 消火によって、前記風味送達機構で風味剤を放出させる1つ以上のトリガーイベントが開始されるが、前記1つ以上のトリガーイベントが、摩擦力の適用、水分の追加、pHの変化、温度上昇、およびその任意の組み合わせから成る群から選択される、6に記載の喫煙物品。
8. 前記中空の管状要素が、複数のらせん状に巻かれた紙レイヤーから形成される、1~7のいずれかに記載の喫煙物品。
9. 前記中空の管状要素が濾過材料の環状セグメントから形成される、1~7のいずれかに記載の喫煙物品。
10. 前記中空の管状要素が、前記喫煙物品の前記長軸方向に直角をなす厚さ(t)、および前記喫煙物品の前記長軸方向に直角をなす直径(D)を有し、前記直径(D)と厚さ(t)の比が約40未満である、1~9のいずれかに記載の喫煙物品。
11. 前記フィルターがさらに、少なくとも前記中空の管状要素および濾過材料の前記第一のセグメントを囲むフィルターラッパーを備え、前記フィルターラッパーが前記チッピングラッパーと前記中空の管状要素および濾過材料の前記第一のセグメントとの間に配置されている、1~10のいずれかに記載の喫煙物品。
12. 前記たばこロッドが、前記たばこロッドの前記下流端にある捲縮したたばこキャストリーフを含む、1~11のいずれかに記載の喫煙物品。
13. 前記フィルターがさらに、濾過材料の前記第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントを備える、1~12のいずれかに記載の喫煙物品。
14. 前記中空の管状要素の前記軸方向の剛度が、前記たばこロッドの前記軸方向の剛度より大きいまたは等しい、1~13のいずれかに記載の喫煙物品。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品であって、
たばこロッドラッパーによって囲まれたたばこ材料を含むたばこロッドであって、前記たばこ材料は少なくとも前記たばこロッドの下流端に存在する、たばこロッドと、
前記たばこロッドと軸方向に整列したフィルターと、
前記フィルターの少なくとも一部分および前記たばこロッドの少なくとも一部分を囲んで前記たばこロッドと軸方向に整列した前記フィルターを固定するチッピングラッパーと
を備え、
前記フィルターが、
前記たばこロッドの下流端に隣接する前記フィルターの上流端にある中空の管状要素と、
前記中空の管状要素の下流にありそれに隣接する濾過材料の第一のセグメントと、
前記フィルターの下流端にある口側の端のくぼみと
を備え、
前記中空の管状要素が、前記喫煙物品の長軸方向に直角をなす100マイクロメートル以上の厚さ(t)を有し、
前記中空の管状要素が、4ミリメートルより長い長さを有し、
前記中空の管状要素が、前記たばこロッドを囲むチッピングラッパーの部分の長さより長いかまたは同じ長さを有する
喫煙物品。
【請求項2】
前記中空の管状要素が、前記喫煙物品の長軸方向に直角をなす100マイクロメートル~700マイクロメートル厚さ(t)を有する、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記中空の管状要素の長さが4ミリメートル~15ミリメートルである、請求項1または請求項2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記チッピングラッパーが虚弱線を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記虚弱線が複数の穿孔を備える、請求項4に記載の喫煙物品。
【請求項6】
風味送達機構が前記中空の管状要素の内部表面に提供され、消費者が前記喫煙物品を消火する時に、風味剤を放出するように構成された、請求項1~5のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項7】
消火によって、前記風味送達機構で風味剤を放出させる1つ以上のトリガーイベントが開始されるが、前記1つ以上のトリガーイベントが、摩擦力の適用、水分の追加、pHの変化、温度上昇、およびその任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項6に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記中空の管状要素が、複数のらせん状に巻かれた紙レイヤーから形成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記中空の管状要素が濾過材料の環状セグメントから形成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記中空の管状要素が、前記喫煙物品の長軸方向に直角をなす厚さ(t)、および前記喫煙物品の前記長軸方向に直角をなす直径(D)を有し、前記直径(D)と厚さ(t)の比が40未満である、請求項1~9のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記フィルターがさらに、少なくとも前記中空の管状要素および濾過材料の前記第一のセグメントを囲むフィルターラッパーを備え、前記フィルターラッパーが前記チッピングラッパーと前記中空の管状要素および濾過材料の前記第一のセグメントとの間に配置されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記たばこロッドが、前記たばこロッドの下流端にある捲縮したたばこキャストリーフを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項13】
前記フィルターがさらに、濾過材料の前記第一のセグメントの下流にある濾過材料の1つ以上のセグメントを備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項14】
前記中空の管状要素の前記軸方向の剛度が、前記たばこロッドの前記軸方向の剛度より大きいまたは等しい、請求項1~13のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項15】
前記中空の管状要素が、50グラム/平方メートル~250グラム/平方メートルの秤量を有する材料で形成される、請求項1~14のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項16】
前記たばこ材料がたばこカットフィラーを備える、請求項1~15のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項17】
中空の管状要素が、前記喫煙物品の長軸方向に直角をなす直径(D)を有し、前記直径(D)と前記厚さ(t)の比が80未満である、請求項1~16のいずれか1項に記載の喫煙物品。