(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010654
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】電子霧化装置及びそのアトマイザー
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230113BHJP
A61M 11/00 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
A24F40/40
A61M11/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108993
(22)【出願日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】202121545354.6
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】潘志文
(72)【発明者】
【氏名】姚高仁
(72)【発明者】
【氏名】華春明
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザエクスペリエンスを向上できる電子霧化装置及びそのアトマイザーを開示する。
【解決手段】アトマイザーは、連通する第1排気経路61及び霧化室7を含むとともに、導流部材を更に含む。導流部材は、第1排気経路における霧化室に近接する端部に設けられる。導流部材は、第1排気経路内に流れ落ちた凝縮液と接触するために用いられる。当該導流部材は、下方への引張力により凝縮液の表面張力を破壊して、霧化室内に導流する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連通する第1排気経路(61)及び霧化室(7)を含むアトマイザーであって、
更に、導流部材を含み、
前記導流部材は、前記第1排気経路(61)において前記霧化室(7)に近接する端部に設けられ、前記導流部材は、前記第1排気経路(61)内に流れ落ちた凝縮液と接触し、下方への引張力により凝縮液の表面張力を破壊して、前記霧化室(7)内に導流するために用いられることを特徴とするアトマイザー。
【請求項2】
前記導流部材は、少なくとも1つの鉛直に設置される導流チップ(53)を含むことを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項3】
前記導流チップ(53)は、前記第1排気経路(61)における前記霧化室(7)に近接する端部の少なくとも一方の側に当接することを特徴とする請求項2に記載のアトマイザー。
【請求項4】
前記導流チップ(53)は、前記第1排気経路(61)における前記霧化室(7)に近接する端部の周方向に当接するよう設置されるとともに、前記第1排気経路(61)の中心軸線方向に一定の距離だけ延伸していることを特徴とする請求項3に記載のアトマイザー。
【請求項5】
前記導流チップ(53)は、前記第1排気経路(61)における前記霧化室(7)に近接する端部の両側にまたがっており、且つ前記第1排気経路(61)における前記霧化室(7)に近接する端部の両側に当接していることを特徴とする請求項3に記載のアトマイザー。
【請求項6】
前記導流チップ(53)は前記第1排気経路(61)の中心軸線上に位置することを特徴とする請求項5に記載のアトマイザー。
【請求項7】
前記導流部材は複数の導流チップ(53)を含み、前記導流チップ(53)は間隔を置いて設置されることを特徴とする請求項2に記載のアトマイザー。
【請求項8】
前記導流部材は導流ロッド(55)を含むことを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項9】
前記導流ロッド(55)は、前記第1排気経路(61)における前記霧化室(7)に近接する端部の中空部分に設けられることを特徴とする請求項8に記載のアトマイザー。
【請求項10】
前記導流ロッド(55)は前記第1排気経路(61)の中心軸線上に位置することを特徴とする請求項9に記載のアトマイザー。
【請求項11】
前記導流ロッド(55)における前記第1排気経路(61)に近接する端部面は、前記第1排気経路(61)における前記霧化室(7)に近接する端部面と面一であるか、それよりも高くなっていることを特徴とする請求項8に記載のアトマイザー。
【請求項12】
前記導流部材における前記第1排気経路(61)に近接する端部は鋭端部であることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項13】
前記導流部材の外側壁には複数の導流溝が設けられていることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項14】
前記アトマイザーは霧化シート(5)を更に含み、
前記霧化シート(5)には、前記第1排気経路(61)と連通し、対応する排気口(51)が開設されており、前記排気口(51)は前記霧化室(7)と連通しており、前記導流部材は前記排気口(51)内に設けられることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のアトマイザー。
【請求項15】
電源装置を含む電子霧化装置であって、
更に、請求項1~14のいずれか1項に記載のアトマイザーを含むことを特徴とする電子霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子霧化装置の技術分野に関し、特に、電子霧化装置及びそのアトマイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の電子霧化装置は、加熱時に完全には霧化しない液状のエアロゾル生成基質の場合に、吸入する過程で、吸入数の増加に伴い気流経路の側壁に凝結した液滴又は液面が発生する。そして、凝縮液が増加し続けると液柱が形成され、その後の吸入に伴ってマウスピースの端まで容易に引き出される。このことは、消費者に好ましくない使用体験をもたらすとともに、形成される液面がエアロゾルの送出を妨げてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠点に対し、電子霧化装置及びそのアトマイザーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。
【0005】
即ち、連通する第1排気経路及び霧化室を含むとともに、導流部材を更に含むアトマイザーを構成する。
【0006】
前記導流部材は、前記第1排気経路における前記霧化室に近接する端部に設けられる。前記導流部材は、前記第1排気経路内に流れ落ちた凝縮液と接触し、下方への引張力により凝縮液の表面張力を破壊して、前記霧化室内に導流するために用いられる。
【0007】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流部材は、少なくとも1つの鉛直に設置される導流チップを含む。
【0008】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流チップは、前記第1排気経路における前記霧化室に近接する端部の少なくとも一方の側に当接する。
【0009】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流チップは、前記第1排気経路における前記霧化室に近接する端部の周方向に当接するよう設置されるとともに、前記第1排気経路の中心軸線方向に一定の距離だけ延伸している。
【0010】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流チップは、前記第1排気経路における前記霧化室に近接する端部の両側にまたがっており、且つ前記第1排気経路における前記霧化室に近接する端部の両側に当接している。
【0011】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流チップは前記第1排気経路の中心軸線上に位置する。
【0012】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流部材は複数の導流チップを含み、前記導流チップは間隔を置いて設置される。
【0013】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流部材は導流ロッドを含む。
【0014】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流ロッドは、前記第1排気経路における前記霧化室に近接する端部の中空部分に設けられる。
【0015】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流ロッドは前記第1排気経路の中心軸線上に位置する。
【0016】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流ロッドにおける前記第1排気経路に近接する端部面は、前記第1排気経路における前記霧化室に近接する端部面と面一であるか、それよりも高くなっている。
【0017】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流部材における前記第1排気経路に近接する端部は鋭端部である。
【0018】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記導流部材の外側壁には複数の導流溝が設けられている。
【0019】
好ましくは、本発明で記載するアトマイザーにおいて、前記アトマイザーは霧化シートを更に含む。
【0020】
前記霧化シートには、前記第1排気経路と連通し、対応する排気口が開設されている。前記排気口は前記霧化室と連通しており、前記導流部材は前記排気口内に設けられる。
【0021】
本発明は、更に、電源装置を含むとともに、上記いずれかで述べたアトマイザーを更に含む電子霧化装置を開示する。
【発明の効果】
【0022】
本発明を実施することで、以下の有益な効果が得られる。
【0023】
本発明で設計するアトマイザーは導流部材を含む。当該導流部材は、第1排気経路における霧化室に近接する端部に設けられ、第1排気経路内に流れ落ちた凝縮液と接触するために用いられる。当該導流部材は、下方への引張力により凝縮液の表面張力を破壊して、霧化室内に導流する。これにより、凝縮液の発生を防止するか減少させるとともに、流れ落ちた凝縮液を二次霧化することも可能となるため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0024】
以下に、図面と実施例を組み合わせて本発明について更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明のアトマイザーの全体構造の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明のアトマイザーの分解図である。
【
図3】
図3は、本発明における第1の導流チップの概略構造図である。
【
図4】
図4は、本発明における第1の導流チップの断面構造の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明における第2の導流チップの概略構造図である。
【
図6】
図6は、本発明における第2の導流チップの断面構造の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明における導流ロッドの概略構造図である。
【
図8】
図8は、本発明における導流ロッドの断面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の技術的特徴、目的及び効果がより明瞭に理解されるよう、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。
【0027】
以下の記載において、理解すべき点として、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「縦」、「横」、「鉛直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」、「先頭」、「末尾」等で示される向き又は位置関係は、図示に基づく向き又は位置関係であって、特定の向きによる構成及び操作は本技術方案の記載の便宜上のものにすぎず、指摘する装置又は部材が特定の向きを有さねばならないことを示すものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0028】
図1~
図2に示すように、本発明は、ベース2、ベース2に設けられる霧化モジュール4、ベース2を貫通して霧化モジュール4に電気的に接続される電極モジュール3、霧化モジュール4と連携する霧化シート5、霧化シート5とベース2の外周に覆設されるハウジング6、ハウジング6の下側部と底部に覆設される底蓋1、及び気流経路を含むアトマイザーを開示する。霧化モジュール4は、多孔質マトリックス41と、多孔質マトリックス41に設けられる発熱体を含み、霧化シート5が多孔質マトリックス41を支持する。例えば、当該多孔質マトリックス41は多孔質セラミックス体である。当該発熱体は、薄膜印刷、厚膜印刷又はスクリーン印刷等の方式で多孔質マトリックス41に形成される発熱フィルム又は発熱線等であるが、これに限らない。気流経路は、吸気経路、霧化室7及び排気経路を含む。当該排気経路は、ハウジング6に開設される第1排気経路61と、霧化シート5に開設される第2排気経路52を含む。当該アトマイザーは、液状のエアロゾル生成基質を加熱により霧化し、エアロゾルを形成するとともに、気流経路に沿ってユーザの口内に吸入させるために用いられる。
【0029】
当該アトマイザーは導流部材を更に含む。当該導流部材は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部に設けられる。当該導流部材は、第1排気経路61内に流れ落ちた凝縮液と接触するために用いられる。導流部材は、下方への引張力により凝縮液の連続性(即ち、表面張力)を破壊して、霧化室7内に導流する。これにより、吸入時に凝縮液が二次霧化されるため、アトマイザー内部に残留する凝縮液が減少する。
【0030】
霧化シート5には、更に、第1排気経路61の底部と連通し、対応する排気口51が開設されている。当該排気口51は霧化室7と連通しており、導流部材は当該排気口51内に設けられる。いくつかの実施例において、当該排気口51は、第2排気経路52を通じて霧化室7と連通している。
【0031】
いくつかの実施例において、凝縮液を更に二次霧化するために、当該排気口51は多孔質マトリックス41とも連通している。導流部材は、凝縮液を多孔質マトリックス41内に導流し、吸収させることで、吸入時に凝縮液を二次霧化させる。
【0032】
図3及び
図4に示すように、第1実施例において、当該導流部材は少なくとも1つの鉛直に設置される導流チップ53を含む。導流チップ53は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の少なくとも一方の側に当接する。
【0033】
いくつかの実施例において、導流チップ53は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の周方向に当接するよう設置されるとともに、第1排気経路61の中心軸線方向に一定の距離だけ延伸している。好ましくは、導流部材は、対向して設置される少なくとも2つの導流チップ53を含む。
【0034】
いくつかの実施例において、導流チップ53は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の両側にまたがっており、且つ第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の両側に当接している。即ち、導流チップ53の横断面は第1排気経路61の横断面と交差している。好ましくは、導流チップ53は第1排気経路61の中心軸線上に位置する。
【0035】
上記実施例をベースとして、当該導流部材は複数の導流チップ53を含んでもよい。複数の導流チップ53は間隔を置いて設置され、且つ、好ましくは均一な間隔で設置される。ここで、説明すべき点として、上記実施例は任意に組み合わせて使用してもよい。例えば、導流チップ53が、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の周方向に当接するよう設置されるとともに、第1排気経路61の中心軸線方向に一定の距離だけ延伸するとの実施例を、導流チップ53が、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の両側にまたがっており、且つ第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の両側に当接するとの実施例と組み合わせて使用し、2種類の導流チップを交互に間隔を置いて設置してもよい。
【0036】
図7及び
図8に示すように、第2実施例において、当該導流部材は導流ロッド55を含む。当該導流ロッド55は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の中空部分に設けられる。
【0037】
第1排気経路61内に流れ落ちた凝縮液の表面張力を速やかに破壊し得るよう、当該導流ロッド55における第1排気経路61に近接する端部面は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部面と面一であるか、それよりも高くなっている。好ましくは、導流ロッド55は第1排気経路61の中心軸線上に位置する。
【0038】
その他のいくつかの実施例において、当該導流部材は、導流ロッド55と、導流ロッド55の周方向に沿って外側へ鉛直に延伸する少なくとも1つの導流チップ53を含んでもよい。当該導流ロッド55は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の中空部分に設けられ、導流チップ53は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部に当接する。また、導流チップ53同士は対向して設置される。
【0039】
上記実施例をベースとして、凝縮液の表面張力をより破壊しやすいよう、導流部材における第1排気経路61に近接する端部は、例えば傾斜面等の鋭端部となっている。
【0040】
また、凝縮液の表面張力が破壊されたあと、より良好に霧化室7内に導流し得るよう、当該導流部材の外側壁には複数の導流溝が更に設けられている。
【0041】
本発明は、更に、電源装置と、上記実施例のいずれかで述べたアトマイザーを含む電子霧化装置を開示する。
【0042】
図1~
図2に示すように、当該アトマイザーは、ベース2、ベース2に設けられる霧化モジュール4、ベース2を貫通して霧化モジュール4に電気的に接続される電極モジュール3、霧化モジュール4と連携する霧化シート5、霧化シート5とベース2の外周に覆設されるハウジング6、ハウジング6の下側部と底部に覆設される底蓋1、及び気流経路を含む。霧化モジュール4は、多孔質マトリックス41と、多孔質マトリックス41に設けられる発熱体を含み、霧化シート5が多孔質マトリックス41を支持する。例えば、当該多孔質マトリックス41は多孔質セラミックス体である。当該発熱体は、薄膜印刷、厚膜印刷又はスクリーン印刷等の方式で多孔質マトリックス41に形成される発熱フィルム又は発熱線等であるが、これに限らない。気流経路は、吸気経路、霧化室7及び排気経路を含む。当該排気経路は、ハウジング6に開設される第1排気経路61と、霧化シート5に開設される第2排気経路52を含む。当該アトマイザーは、液状のエアロゾル生成基質を加熱により霧化し、エアロゾルを形成するとともに、気流経路に沿ってユーザの口内に吸入させるために用いられる。
【0043】
当該アトマイザーは導流部材を更に含む。当該導流部材は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部に設けられる。当該導流部材は、第1排気経路61内に流れ落ちた凝縮液と接触するために用いられる。導流部材は、下方への引張力により凝縮液の連続性(即ち、表面張力)を破壊して、霧化室7内に導流する。これにより、吸入時に凝縮液が二次霧化されるため、アトマイザー内部に残留する凝縮液が減少する。
【0044】
霧化シート5には、更に、第1排気経路61の底部と連通し、対応する排気口51が開設されている。当該排気口51は霧化室7と連通しており、導流部材は当該排気口51内に設けられる。いくつかの実施例において、当該排気口51は、第2排気経路52を通じて霧化室7と連通している。
【0045】
いくつかの実施例において、凝縮液を更に二次霧化するために、当該排気口51は多孔質マトリックス41とも連通している。導流部材は、凝縮液を多孔質マトリックス41内に導流し、吸収させることで、吸入時に凝縮液を二次霧化させる。
【0046】
図3及び
図4に示すように、第1実施例において、当該導流部材は少なくとも1つの鉛直に設置される導流チップ53を含む。導流チップ53は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の少なくとも一方の側に当接する。
【0047】
いくつかの実施例において、導流チップ53は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の周方向に当接するよう設置されるとともに、第1排気経路61の中心軸線方向に一定の距離だけ延伸している。好ましくは、導流部材は、対向して設置される少なくとも2つの導流チップ53を含む。
【0048】
いくつかの実施例において、導流チップ53は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の両側にまたがっており、且つ第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の両側に当接している。即ち、導流チップ53の横断面は第1排気経路61の横断面と交差している。好ましくは、導流チップ53は第1排気経路61の中心軸線上に位置する。
【0049】
上記実施例をベースとして、当該導流部材は複数の導流チップ53を含んでもよい。複数の導流チップ53は間隔を置いて設置され、且つ、好ましくは均一な間隔で設置される。ここで、説明すべき点として、上記実施例は任意に組み合わせて使用してもよい。例えば、導流チップ53が、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の周方向に当接するよう設置されるとともに、第1排気経路61の中心軸線方向に一定の距離だけ延伸するとの実施例を、導流チップ53が、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の両側にまたがっており、且つ第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の両側に当接するとの実施例と組み合わせて使用し、2種類の導流チップを交互に間隔を置いて設置してもよい。
【0050】
図7及び
図8に示すように、第2実施例において、当該導流部材は導流ロッド55を含む。当該導流ロッド55は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の中空部分に設けられる。
【0051】
第1排気経路61内に流れ落ちた凝縮液の表面張力を速やかに破壊し得るよう、当該導流ロッド55における第1排気経路61に近接する端部面は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部面と面一であるか、それよりも高くなっている。好ましくは、導流ロッド55は第1排気経路61の中心軸線上に位置する。
【0052】
その他のいくつかの実施例において、当該導流部材は、導流ロッド55と、導流ロッド55の周方向に沿って外側へ鉛直に延伸する少なくとも1つの導流チップ53を含んでもよい。当該導流ロッド55は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部の中空部分に設けられ、導流チップ53は、第1排気経路61における霧化室7に近接する端部に当接する。また、導流チップ53同士は対向して設置される。
【0053】
上記実施例をベースとして、凝縮液の表面張力をより破壊しやすいよう、導流部材における第1排気経路61に近接する端部は、例えば傾斜面等の鋭端部となっている。
【0054】
また、凝縮液の表面張力が破壊されたあと、より良好に霧化室7内に導流し得るよう、当該導流部材の外側壁には複数の導流溝が更に設けられている。
【0055】
本発明を実施することで、以下の有益な効果が得られる。
【0056】
本発明で設計されるアトマイザーは導流部材を含む。当該導流部材は、第1排気経路における霧化室に近接する端部に設けられ、第1排気経路内に流れ落ちた凝縮液と接触するために用いられる。当該導流部材は、下方への引張力により凝縮液の表面張力を破壊して、霧化室内に導流する。これにより、凝縮液の発生を防止するか減少させるとともに、流れ落ちた凝縮液を二次霧化することも可能となるため、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0057】
理解可能なように、以上の実施例は本発明の好ましい実施形態を示したにすぎず、記載は比較的具体的且つ詳細であるが、これにより本発明の権利範囲が制限されると解釈すべきではない。指摘すべき点として、当業者であれば、本発明の構想を逸脱しないことを前提に、上記の技術的特性を自由に組み合わせることも、若干の変形及び改良を行うことも可能であり、これらはいずれも本発明の保護の範囲に属する。従って、本特許請求の範囲に基づき行われる等価の変形及び補足は、いずれも本発明の請求項がカバーする範囲に属する。