(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106652
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20230726BHJP
G06F 30/18 20200101ALI20230726BHJP
【FI】
G06F17/50 680Z
G06F17/50 610A
G06F17/50 650C
G06F17/50 634C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020148545
(22)【出願日】2020-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】520294930
【氏名又は名称】株式会社PlantStream
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小林 健一
(72)【発明者】
【氏名】シー チンチェット
(72)【発明者】
【氏名】下池 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】大北 尚永
【テーマコード(参考)】
5B046
5B146
【Fターム(参考)】
5B046AA02
5B046BA05
5B046BA06
5B046CA06
5B046DA08
5B046FA16
5B046HA05
5B046KA05
5B146AA02
5B146AA03
5B146BA01
5B146DG00
5B146DG02
5B146DL08
5B146FA02
(57)【要約】
【課題】化学プラントのような大規模な設備の設計において、マクロの設計とミクロの設計との切替を容易にする技術を提供する。
【解決手段】プラント設計システム1のサーバ20は、その機能として、一定領域の全体を表示して各設備の配置を編集するオーバーオールモード(第1の動作モード)と、各設備内においてプラントを構成するオブジェクトの配置を編集するユニットモード(第2の動作モード)との切替を受け付ける動作モード切替モジュール2033と、各設備の配置を編集する操作を受け付けるオーバーオールモード制御モジュール2034と、各設備内においてオブジェクトの配置を編集する操作を受け付けるユニットモード制御モジュール2035と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、プラント設計を行うためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1の動作モードまたは第2の動作モードの切替をする操作をユーザから受け付けるステップと、
前記第1の動作モードにおいて、プラント設計を行う一定領域にて設備単位での配置をする操作を受け付けるステップと、
前記第2の動作モードにおいて、前記設備を構成する1または複数の機器単位でオブジェクトの配置をする操作を受け付けるステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記第1の動作モードにおいて、前記設備単位でオブジェクトの配置をする操作を受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記プログラムは、さらに、ルーティング対象物のルートを決定するものであって、
プラント設計を行うユーザの指示により、前記設備または前記機器の間における前記ルーティング対象物のルートを決定するステップを実行させる、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ルーティング対象物のルートを決定するステップにおいて、前記設備を構成しない他の前記機器を前記ルートの接続点として設定可能であり、前記接続点を考慮した前記ルーティング対象物のルートを決定する、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ルーティング対象物のルートが決定された後において、前記ルーティング対象物の前記設備または前記機器の間の接続関係及び位置を前記メモリに記憶するように構成し、前記第1の動作モードまたは前記第2の動作モードの切替があっても、前記ルーティング対象物の接続関係及び位置を維持する、請求項3または請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1の動作モードまたは前記第2の動作モードのいずれであるかに基づき、前記設備単位もしくは前記機器単位のオブジェクト、または前記ルーティング対象物の表示を行うステップを実行させる、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1の動作モードまたは前記第2の動作モードのいずれであるかに基づき、前記機器単位のオブジェクトまたは前記ルーティング対象物のすべてまたは一部の表示量を変更する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードにおいて、前記ルーティング対象物のルートの決定がされた後の操作を受け付け、
前記ルーティング対象物の接続関係及び位置に変更があった場合、前記メモリに記憶されている前記ルーティング対象物の接続関係及び位置を変更する、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記設備が配置された領域は、複数の下位領域に分割可能であり、
前記第2の動作モードは、前記下位領域の構成に対応して1または複数の階層構造を有し、
下位の階層の前記第2の動作モードにおいて、前記ルーティング対象物のルートの決定がされた後の操作を受け付け、
前記ルーティング対象物の接続関係及び位置に変更があった場合、前記メモリに記憶されている前記ルーティング対象物の接続関係及び位置を変更し、
上位の前記階層の前記第2の動作モードに切替を行ったとき、変更された前記ルーティング対象物の接続関係及び位置に基づく前記ルーティング対象物の表示を行う、請求項4から請求項8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記ルーティング対象物のルートを決定するステップにおいて、前記一定領域として表示されていない範囲の前記ルーティング対象物のルートを決定する、請求項3から請求項9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記ルーティング対象物のルートを決定するステップにおいて、前記ルーティング対象物として、配管またはケーブルのルートを決定する、請求項3から請求項10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1の動作モードまたは前記第2の動作モードの切替を行うと、前記一定領域の表示範囲の変更を行う、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第1の動作モードのとき、前記一定領域に通す道路の配置をする操作を受け付ける、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記設備の機能に基づく前記道路の大きさを編集する操作を受け付ける、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記第1の動作モードのとき、すでに配置されている前記設備との関係で、前記設備を配置できない領域を表示する、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項16】
すでに配置されている前記設備と、配置しようとする前記設備との間に設けるべき離隔距離に基づき、前記設備を配置できない領域を表示する、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
すでに配置されている前記設備と、前記一定領域に設定されている風向きとに基づき、前記設備を配置できない領域を表示する、請求項15または請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記第2の動作モードのとき、前記機器単位のオブジェクトとして、前記プラントに配置される機器、前記機器の近傍に配置される付設配管、前記機器に付随して設けられる付設機器のいずれか1つまたは複数を備えるオブジェクトの配置をする操作を受け付ける、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
制御部と、記憶部とを備え、プラント設計を行うための情報処理装置であって、
前記制御部は、
第1の動作モードまたは第2の動作モードの切替をする操作をユーザから受け付けるステップと、
前記第1の動作モードにおいて、プラント設計を行う一定領域にて設備単位での配置をする操作を受け付けるステップと、
前記第2の動作モードにおいて、前記設備を構成する1または複数の機器単位でオブジェクトの配置をする操作を受け付けるステップと、を行う、情報処理装置。
【請求項20】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、プラント設計を行うための方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
第1の動作モードまたは第2の動作モードの切替をする操作をユーザから受け付けるステップと、
前記第1の動作モードにおいて、プラント設計を行う一定領域にて設備単位での配置をする操作を受け付けるステップと、
前記第2の動作モードにおいて、前記設備を構成する1または複数の機器単位でオブジェクトの配置をする操作を受け付けるステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学プラントのような大規模な設備を建設するためには、広大な敷地に各種設備を適切に配置するための各種設計が行われる。このようなプラントの設計は、プラントに求められる機能要件や、設備のメンテナンス性、化学プラントを建設する候補地の地理的条件に基づく様々な検討が必要であり、膨大な作業が必要になる。このような作業を支援するため、CADのような設計ツールが使用され、各種設備の配置、機器の配置、配管のルーティング等の各種設計が行われている。
【0003】
特許文献1には、プラント設備等の設計を支援する設計支援装置の技術が開示されている。この技術は、3次元形状データにおける部品データを簡略データで置換して表示することにより、大規模プラントの大量の複雑な3Dモデル形状表現をするための表示負荷を軽減しているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、化学プラントのような大規模な設備の設計では、化学プラント全体の中で各種設備をどのように配置するか検討し、各種設備の細部について検討して各種機器を配置し、配管のルーティングが行われる、というような手順で設計が行われる。すなわち、化学プラント全体のマクロの設計から、各種機器のようなミクロの設計を行う、というような手順で設計が行われる。ただし、設計検討の際に、ミクロの設計からマクロの設計に戻って設計内容を変更し、再度ミクロの設計を行う、というような手戻りはどうしても必要になる。しかしながら、化学プラントのような大規模な設備の設計では、マクロの設計とミクロの設計とでは配置する構成要素が異なることから、既存のCADのような設計ツールでこのような手戻りに対応することは困難であり、利用しづらいものであった。また、配管のルーティング後に手戻りが発生した場合、再度の配管ルーティングが必要になっていた。
【0006】
そこで、本開示では、化学プラントのような大規模な設備の設計において、マクロの設計とミクロの設計との切替を容易にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、プラント設計を行うためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、第1の動作モードまたは第2の動作モードの切替をする操作をユーザから受け付けるステップと、第1の動作モードにおいて、プラント設計を行う一定領域にて設備単位での配置をする操作を受け付けるステップと、第2の動作モードにおいて、設備を構成する1または複数の機器単位でオブジェクトの配置をする操作を受け付けるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、化学プラントのような大規模な設備の設計において、マクロの設計とミクロの設計との切替を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】プラント設計システムによる設備の配置図の例を示す平面図である。
【
図2】プラント設計システム1の全体の構成を示す図である。
【
図3】実施の形態1のプラント設計システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1のプラント設計システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図5】サーバ20が記憶する設備データベース2021、機器データベース2022、設計空間データベース2023のデータ構造を示す図である。
【
図6】実施の形態1のプラント設計システム1による動作モードの切替処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態1のプラント設計システム1による配管ルート決定処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1のプラント設計システム1による動作モードの切替処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】端末装置10による初期状態の空間表示の画面例を示す図である。
【
図10】端末装置10によるオーバーオールモードの画面例を示す図である。
【
図11】端末装置10による道路編集の画面例を示す図である。
【
図12】端末装置10によるユニットモードの画面例を示す図である。
【
図13】端末装置10による配管ルート表示の画面例を示す図である。
【
図14】実施の形態2のプラント設計システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図15】端末装置10による設備配置の画面例を示す図である。
【
図16】端末装置10による設備配置の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<概要>
以下、プラント設計の概要及び本開示に係るプラント設計システムについて説明する。このプラント設計システムは、LNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)プラントや石油化学プラントのように、化学反応による様々な生産工程を経由して化学製品を製造するための大規模な設備群を設計するためのシステムである。プラントに配置される設備とは、LNGプラントを例に説明すると、液化処理の対象である原料ガス中に含まれる酸性ガス(H2S、CO2、有機硫黄等)を除去する酸性ガス除去設備や、除去された酸性ガスから単体硫黄を回収する硫黄回収設備、原料ガス中に含まれる水分を除去する水分除去設備、原料ガスの冷却や液化に用いられる冷媒(混合冷媒、プロパン冷媒等)の圧縮設備等が含まれる。ここで、プラントの設備とは、そのプラントの目的に応じて敷設された装置群や機器群のことをいう。
【0012】
このような大規模なプラントを設計するためには、例えば、以下のような工程が含まれる。まず、プラント内の設備、ポンプや熱交換器等の各種機器、各種配管を通すための架構(配管ラック)の配置、主要な配管のルートを決定し、プラントのレイアウトを設計してプロットプランと呼ばれる配置図を作成する。次に、プラント全体の機能要件に基づき、プラントにて使用される原料の受け入れから製品出荷までのプロセスユニット(一連の製造工程)を詳細に策定し、プロセスごとに物質/熱収支計算を行い、プロセスフローダイアグラム(PFD)と呼ばれるプロセスフローを作成する。さらに、PFDに基づき、シミュレーションを繰り返してプロセス計算を修正し、プラント内の各機器を通す配管またはケーブルのようなルーティング対象物のルートが決定(ルーティング)され、詳細な計装図であるP&ID(Piping and Instrument Diagram)の作成が行われる。本開示に係るプラント設計システムは、このような各工程において、プラントのレイアウト設計を行い、プロセスフロー作成、ルーティング、P&ID等を支援するための3DCADシステムである。
【0013】
図1は、本開示に係るプラント設計システムによる設備の配置図の例を示す平面図である。
図1の配置図に示すように、プラントには、プラントを敷設する敷地内において、プラントにおける各種プロセスやユーティリティを設置するための設備を、ユニットと呼ばれる単位で配置したユニット100(
図1に実線で示す)と、ユニット100を機能や担当者、機器別に分割したサブユニット200(
図1に一点鎖線で示す)と、ユニット100とサブユニット200との接続関係を示すゲート設定300(
図1に破線で示す)とが配置されている。ゲート設定300は、バッテリーリミットとも呼ばれる工事施工範囲の境界のことであり、配管の接続関係を示すものである。なお、サブユニット200は、ユニット100内の設備を機能や担当者ごとに分割したものでもよく、ユニット100内の機器ごとに分割したものでもよい。また、サブユニット200は、さらに複数に分割されて配置され、複数の階層構造を有してもよい。
【0014】
上記のように、プラント設計の各工程において、シミュレーションを繰り返してプロセス計算を修正し、プロットプランの修正が行われるため、その都度手戻りが発生し、配管等のルーティングの結果を見直して再度ルーティングを行う必要がある。そのとき、
図1に示すようなゲート設定300にも影響する場合があり、上流工程に戻ってプロットプランを修正することもある。プラント設計では、このような手戻りの作業がどうしても発生するため、このような各工程の設計を支援するための3DCADシステムでも、上流工程への手戻りに対応できることが望ましい。
【0015】
そのため、本開示に係るプラント設計システムでは、プラントの敷地である一定領域の全体を表示して設備(ユニット)の配置をするオーバーオールモード(第1の動作モード)と、設備を構成する機器や上記のようなサブユニット(下位領域)の配置をするユニットモード(第2の動作モード)とを備え、適宜切替が可能に構成されている。例えば、本開示に係る3DCADシステムでは、オーバーオールモードの場合は設備を表すオブジェクトの配置を行い、ユニットモードの場合は機器やサブユニットを表すオブジェクトの配置を行う。また、配管の接続関係を示すゲート設定により、動作モードの切替が行われても配管の接続関係が維持される。これにより、ユニットモードで設計作業をしている工程であっても、オーバーオールモードへの切替を行って上流工程の設計作業をすることを容易にしている。なお、上記のようなルーティング対象物のルートを決定する処理の対象は、プラント内において流体を輸送するための配管、及び各種機器に電力を供給または制御信号を送信するためのケーブル以外でもよいが、以下の実施形態では、配管のルーティングについて説明する。
【0016】
<第1の実施の形態>
以下、プラント設計システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0017】
<1 プラント設計システム1の全体構成>
図2は、プラント設計システム1の全体の構成を示す図である。
図2に示すように、プラント設計システム1は、複数の端末装置(
図2では、端末装置10Aおよび端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0018】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用してプラント設計システム1の機能であるプラント設計を行う者をいう。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCなどにより実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0019】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図2に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0020】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0021】
サーバ20は、プラント設計を行うための3DCADシステムにより、プラントのレイアウト設計、プロセスフロー作成、ルーティング、またはP&ID等を支援するサービスを提供するプログラムを実行させ、そのための各ユーザの情報、設備の情報、サブユニット(設備を機能や担当者、機器ごとに分割したもの)の情報、機器の情報、及び、設計を行った仮想空間(設計途中のものも含む)の情報を管理する装置である。サーバ20は、ユーザに対して、プラント設計をするための3次元仮想空間を構築し、その仮想空間を提示し、ユーザから仮想空間内に配置する設備、サブユニット、機器の種類及び配置位置、配管ルーティングを行う指示等の入力を受け付ける。具体的には、例えばプラント設計をするための仮想空間内の視点(仮想カメラ)を設定し、ユーザの指示により配置された設備、サブユニット、機器、配管(ルーティング対象物)について、仮想カメラの設定に基づきレンダリングを行い、端末装置10へ表示させる。サーバ20は、設備、サブユニット、または機器の種類及び配置位置に基づいて設備、サブユニット、または機器のオブジェクトを仮想空間に配置し、ユーザの指示に基づいて配管(ルーティング対象物)のルートを決定して仮想空間上でルーティングを行い、ユーザの端末に表示させる。
【0022】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0023】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0024】
<1.1 端末装置10の構成>
図3は、実施の形態1のプラント設計システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、カメラ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、
図3では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図3に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0025】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0026】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0027】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0028】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、ディスプレイ132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0029】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0030】
ディスプレイ132は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0031】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0032】
カメラ150は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ150は、例えば、カメラ150から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0033】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0034】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用してプラント設計システム1の機能であるプラント設計を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの名称、ユーザが所属している企業等の組織情報等が含まれる。
【0035】
制御部170は、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部170は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、データ処理部173と、通知制御部174としての機能を発揮する。
【0036】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0037】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0038】
データ処理部173は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0039】
通知制御部174は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部174は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ150に発生させる処理等を行う。
【0040】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図4は、実施の形態1のプラント設計システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0041】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0042】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、設備データベース2021と、機器データベース2022、設計空間データベース2023等を記憶する。
【0043】
設備データベース2021は、プラント設計システム1においてプラント設計をするために提示される仮想空間に配置される設備の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0044】
機器データベース2022は、プラント設計システム1においてプラント設計をするために提示される仮想空間に配置される、機器等の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0045】
設計空間データベース2023は、ユーザが設計を行った仮想空間の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0046】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、動作モード切替モジュール2033、オーバーオールモード制御モジュール2034、ユニットモード制御モジュール2035、及び配管ルーティングモジュール2036に示す機能を発揮する。
【0047】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0048】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0049】
動作モード切替モジュール2033は、プラント設計システム1を使用してプラント設計を行う際に、プラントの敷地である一定領域の全体を表示可能として設備(ユニット)単位で配置をするオーバーオールモード(第1の動作モード)と、設備を構成する1または複数の機器単位で配置をするユニットモード(第2の動作モード)との切替をユーザから受け付ける処理を制御する。例えば、オーバーオールモードでは、設備を表すオブジェクトの配置を行い、ユニットモードでは、機器やサブユニットを表すオブジェクトの配置を行う。ユーザは、端末装置10を使用してプラント設計を開始する際、または設計中に、端末装置10のディスプレイ132に表示されている画面上で所定の操作(例えば、画面上の所定のボタン押下)をすることにより、動作モードの切替を指示する。これにより、動作モード切替モジュール2033は切替の指示を受け付け、動作モードの切替を行う。
【0050】
動作モード切替モジュール2033は、オーバーオールモードに切り替える場合、プラント設計を行う一定領域の全体を表示、すなわち一定領域についてマクロ的な視点で表示し、機器やサブユニットを表すオブジェクトの細部の表示量を変更、例えば表示を省略することとしてもよい。
【0051】
例えば、動作モード切替モジュール2033は、オーバーオールモードへの切り替えに応答して、プラント設計を行う一定領域の全体を俯瞰できるよう、オーバーオールモードにおける仮想空間内の視点(仮想カメラ)を設定しつつ、オブジェクトの細部についてはレンダリングしないこととしてもよい。または、オーバーオールモードにおいては、3次元仮想空間を構築せず、プラント設計を行う一定領域の全体を示す画像を表示可能とし、当該一定領域において、各設備(ユニット)の配置をユーザが編集可能としてもよい。
【0052】
また、動作モード切替モジュール2033は、ユニットモードに切り替える場合、設備を拡大して表示、すなわち設備についてミクロ的な視点で表示し、機器やサブユニットを表すオブジェクトの細部について表示する。
【0053】
なお、ユニットモードの各設備において、当該設備内の一定領域をサブユニットと定義してサーバ20において管理することとしてもよく、サブユニット内の一定領域をさらに下位の階層のサブユニットとして管理することとしてもよい。動作モード切替モジュール2033は、ユニットモードにおいて、サブユニットと定義される部分をさらに複数に分割した階層構造の上位階層と下位階層との間で切り替えることも可能である。
【0054】
動作モード切替モジュール2033は、後述する配管ルーティングモジュール2036による配管のルーティングが行われた後でも、動作モードの切替を行うことができる。このとき、配管の接続関係を示すゲート設定が設計空間データベース2023に格納され、動作モード切替モジュール2033がこのゲート設定の情報を参照して画面表示を行うことにより、動作モードが切り替わっても配管ルーティングの接続関係を維持するように構成されている。
【0055】
また、配管のルーティングが行われた後でも、後述するオーバーオールモード制御モジュール2034またはユニットモード制御モジュール2035による設備、サブユニット、または機器の配置やその変更が可能である。
【0056】
このようにオブジェクトの配置または変更に伴って配管の接続位置が変更される(例えば、機器の配置位置が変更されることにより配管の位置がずれる)場合、サーバ20において、ゲート設定の情報が更新される。
【0057】
これにより、配管の位置関係がずれても配管の接続関係は維持され、動作モードの切替があっても配管の接続関係は維持するようになっている。
【0058】
オーバーオールモード制御モジュール2034は、プラント設計システム1によりプラント設計を行う一定領域の全体を表示可能であり、当該一定領域にて設備単位での配置をする操作をユーザから受け付ける処理を制御する。
【0059】
オーバーオールモード制御モジュール2034が受け付ける設備の種類は、LNGプラントの例では、上記の酸性ガス除去設備や、硫黄回収設備、水分除去設備、圧縮設備の他、可燃性余剰ガスを焼却するためのフレア(スタック)、原料や生成物を保管するためのタンク、作業員の居住区が含まれる。オーバーオールモード制御モジュール2034では、例えば、3DCADシステムにおいて、設備を表すオブジェクトの配置を行うことで、設備単位の配置を行う。なお、設備単位の配置は、3DCADシステムにおける設備を表すオブジェクトの配置に限られず、例えば、
図1に示すような配置図において、ユニット100を機能や担当者、機器別に線図により分割して設備を配置してもよく、平面上で特定のエリアを(ドラッグ操作等により)選択して設備を配置してもよい。
【0060】
ユーザは、端末装置10を使用してプラント設計を行う際、動作モード切替モジュール2033によりオーバーオールモードへの切替が行われた後、端末装置10のディスプレイ132に表示されている仮想空間上で設備の種類及び配置位置を指定し、または配置されている設備のサイズ変更や種類の変更、位置の変更を編集する操作をする。当該操作に応答して、オーバーオールモード制御モジュール2034は設備の配置を編集する操作を受け付け、仮想空間における設備の配置や変更を行う。
【0061】
オーバーオールモード制御モジュール2034は、後述する配管ルーティングモジュール2036による配管のルーティングが行われた後でも、設備の配置を編集する操作を受け付ける。そのとき、当該設備に接続されている配管の接続位置が変更される場合、具体的には、設備の配置位置等の変更により配管の位置がずれることがある。サーバ20は、この場合、ゲート設定(配管の接続関係)の情報を更新する。なお、オーバーオールモード制御モジュール2034では、ルーティング後の配管について、設備の視認性や配管の視認性を確保するため、一部またはすべての配管の表示を省略してもよい。
【0062】
また、オーバーオールモード制御モジュール2034は、プラントの敷地である一定領域に通す道路の配置を編集する処理を制御する。例えば、プラントには、配置された設備の工事を行うための工事車両を通すため、または設備で使用される原料や各種資材、作業者等を運搬するための道路が必要になる。
【0063】
そのため、オーバーオールモード制御モジュール2034では、車両が通るための道路を配置することが可能になっている。オーバーオールモード制御モジュール2034で配置可能な道路は、例えば、主要幹線道路、一般通行車両用の道路、工事用車両用の道路である。オーバーオールモード制御モジュール2034は、隣接する設備の種類(機能)や、設備間の離隔距離に応じて道路の種類を選択可能に表示(配置すべき道路をレコメンド)してもよく、自動で道路の種類を選択して配置してもよく、道路の幅(大きさ)や長さを編集可能に構成してもよい。
【0064】
ユニットモード制御モジュール2035は、プラント設計システム1により設計されるプラントの設備内において、設備を構成する1または複数の機器単位での配置をする操作をユーザから受け付ける処理を制御する。
【0065】
ユニットモード制御モジュール2035が受け付ける機器単位での配置の対象は、例えば、設備の領域(ユニットという)を機能や担当者等に対応して分割した領域(サブユニット)や、設備に配置される機器が含まれる。設備に配置される機器とは、具体的にはポンプ、熱交換器、フィルタ、弁が含まれる。ユニットモード制御モジュール2035では、例えば、3DCADシステムにおいて、機器またはサブユニットを表すオブジェクトの配置を行うことで、機器単位の配置を行う。
【0066】
ユーザは、端末装置10を使用してプラント設計を行う際、動作モード切替モジュール2033によりユニットモードへの切替が行われた後、端末装置10のディスプレイ132に表示されている仮想空間上でサブユニットまたは機器を表すオブジェクトの種類及び配置位置を指定し、または配置されているオブジェクトのサイズ変更や種類の変更、位置の変更を編集する操作をする。当該操作に応答して、ユニットモード制御モジュール2035は、サブユニットまたは機器を表すオブジェクトの配置を編集する操作を受け付けて、仮想空間にオブジェクトを配置し、オブジェクトの位置、種類等を変更する。
【0067】
ユニットモード制御モジュール2035は、後述する配管ルーティングモジュール2036による配管のルーティングが行われた後でも、機器またはサブユニットの配置をする操作を受け付ける。そのとき、オブジェクトに接続されている配管の接続位置が変更される場合、具体的には、機器またはサブユニットの配置位置等の変更により配管の位置がずれる場合、ゲート設定(配管の接続関係)の情報を更新する。
【0068】
なお、ゲート設定の情報更新の際、オーバーオールモードによるゲート設定とどちらを優先させるかをユーザに選択させてもよく、あらかじめどちらを優先させるかを設定可能に構成してもよい。また、後述する、サブユニットの階層構造における上位階層と下位階層との間のゲート設定でも同様である。
【0069】
ユニットモード制御モジュール2035で編集する操作を受け付ける機器は、上記のような機器単体であってもよく、機器にあらかじめ付設配管や付設機器が配置されているブロックパターンと呼ばれる機器群であってもよい。
【0070】
付設配管とは、例えば、機器の近傍にあらかじめ配置されている配管である。付設機器とは、例えば、機器の近傍にあらかじめ配置されている弁や、流量計のような計装類の機器である。また、ユニットモード制御モジュール2035では、機器の種類、機器数、機器の配置(縦横)、付設配管の長さ、角度、流体の吸入口または吐出口の位置等を編集可能に構成してもよく、ユーザから入力されたパラメータにより編集可能にしてもよい。
【0071】
また、ユニットモード制御モジュール2035は、動作モード切替モジュール2033によりサブユニットをさらに複数に分割した階層構造の上位階層と下位階層との間で切替が行われた場合、当該階層のサブユニットで配置可能なサブユニットまたは機器を選択可能に構成してもよい。
【0072】
配管ルーティングモジュール2036は、プラント設計システム1を使用して設計を行うプラントに配置する、設備または機器の間におけるルーティング対象物である、配管のルートを決定する(ルーティング)指示操作をユーザから受け付ける処理を制御する。
【0073】
プラントに配置する配管とは、例えば、プラント内において原料ガスを輸送するための配管や、原料ガスから除去成分を吸収させるための吸収液を輸送するための配管、排出ガスを輸送するための配管等であり、液体や気体の流体を流すために配置される。
【0074】
ユーザは、例えば端末装置10のディスプレイ132に表示されている画面上で、仮想空間に配置されている設備や機器の所定の箇所(例えば、設備、機器またはサブユニットのゲート設定、機器の付設配管の端点)を、配管のルーティングを行うための一部分(接続点)として指定する。配管のルーティングの際、当該一部分を接続するように、設備や機器間のルーティングが行われる。サーバ20は、当該指定を受け付け、また、配管ルーティングの指示をする操作(例えば、画面上の所定のボタン押下)をユーザから受け付ける。当該配管ルーティングの指示に応答して、配管ルーティングモジュール2036は、配管ルーティングを行う。
【0075】
また、配管ルーティングモジュール2036では、仮想空間に配置されている設備を構成しない他の機器、例えば設備の範囲外の機器における所定の箇所を、配管のルーティングを行うための一部分(接続点)として設定することを可能としてもよく、当該接続点を考慮したルーティング対象物のルートを決定してもよい。
【0076】
なお、配管ルーティングモジュール2036は、ユーザが仮想空間上で行う詳細な入力情報に基づく配管ルーティング(いわゆるマニュアル)を行ってもよく、ユーザが始終点を指定することによる自動ルーティングを行ってもよい。このとき、所定の条件により配管ルーティングの方向が定められ、既存の設備や機器、配管を避けるようなアルゴリズムにより自動ルーティングが行われる。また、配管ルーティングモジュール2036は、ユーザから入力されたパラメータやあらかじめ設定されたパラメータにより指定された配管径や材質等のルーティングを行う構成にしてもよく、流す流体に最適な配管径や材質の配管をユーザに対しレコメンドする構成にしてもよい。さらに、配管ルーティングモジュール2036は、動作モードによっては端末装置10のディスプレイ132に表示されていない範囲についても、配管ルーティングを行ってもよい。
【0077】
<2 データ構造>
図5は、サーバ20が記憶する設備データベース2021、機器データベース2022、設計空間データベース2023のデータ構造を示す図である。
【0078】
図5に示すように、設備データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「設備ID」と、項目「設備種類」と、項目「BIMモデルデータ」等を含む。
【0079】
項目「設備ID」は、プラント設計システム1にてオーバーオールモードの際に選択可能な設備の種類それぞれを識別する情報である。
【0080】
項目「設備種類」は、設備の種類を示す名称であり、例えば、酸性ガス除去設備、硫黄回収設備、水分除去設備、圧縮設備のような種類を示す名称の情報が格納されている。なお、設備の種類を示す名称は、所定の規格等により指定された記号でもよく、メーカにより指定された型番等でもよい。
【0081】
項目「BIMモデルデータ」は、プラント設計システム1にて仮想空間に配置する設備のオブジェクトを示す、モデルデータのデータ名(ファイル名)を示す情報であり、3DCADシステムで使用されるモデルデータである。サーバ20が提供する3DCADシステムでは、3次元仮想空間を構築し、3次元仮想空間上に設備、サブユニット、機器、またはルーティング対象物の形状を表現するモデリングを行う。また、仮想空間内の視点(仮想カメラ)を設定し、これらの設備、サブユニット、機器、またはルーティング対象物について、仮想カメラの設定に基づきレンダリングを行う。当該項目「BIMモデルデータ」に格納されるモデルデータは、実際の設備について、所定の仮想カメラによる視点でレンダリングするためのモデルデータである。
【0082】
なお、設備データベース2021には、図示は省略するが、プラント設計システム1にて配置可能な設備において編集可能な項目の情報が格納されてもよい。
【0083】
機器データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「機器ID」と、項目「機器種類」と、項目「BIMモデルデータ」等を含む。
【0084】
項目「機器ID」は、プラント設計システム1にてユニットモードの際に選択可能な機器の種類それぞれを識別する情報である。
【0085】
項目「機器種類」は、機器の種類を示す名称であり、例えば、プラントに配置される機器の名称、具体的にはポンプ、熱交換器、フィルタ、弁のような機器を示す名称の情報が格納されている。なお、機器の種類を示す名称は、所定の規格等により指定された記号でもよく、メーカにより指定された型番等でもよい。
【0086】
項目「BIMモデルデータ」は、プラント設計システム1にて仮想空間に配置する機器のオブジェクトを示す、モデルデータのデータ名(ファイル名)を示す情報であり、3DCADシステムで使用されるモデルデータである。当該項目「BIMモデルデータ」に格納されるモデルデータは、実際のサブユニットまたは機器について、所定の仮想カメラによる視点でレンダリングするためのモデルデータである。
【0087】
なお、機器データベース2022には、図示は省略するが、プラント設計システム1にて配置可能な機器において編集可能な項目(パラメータ)の情報が格納されてもよい。
【0088】
設計空間データベース2023のレコードのそれぞれは、項目「空間ID」と、項目「ユーザID」と、項目「空間内配管情報」等を含む。
【0089】
項目「空間ID」は、プラント設計システム1にてユーザが設計した仮想空間の情報それぞれを識別する情報である。
【0090】
項目「ユーザID」は、プラント設計システム1を使用するユーザそれぞれを識別する情報である。
【0091】
項目「空間内配管情報」は、プラント設計システム1にてユーザが仮想空間に配置した設備、機器またはサブユニットを表すオブジェクト、ルーティングを行った配管に関する情報であり、具体的には、項目「相対座標」と、項目「配置物」と、項目「詳細情報(パラメータ)」等を含む。
【0092】
項目「相対座標」は、仮想空間に配置した設備、機器またはサブユニットを表すオブジェクトの、仮想空間における相対位置を示す情報であり、例えば、仮想空間内における3次元座標の座標データが格納されている。相対座標は、例えば、オブジェクトの基準となる位置(例えば中心となる位置や、6方向いずれかの端点)の、仮想空間をXYZ座標で表現した場合の相対座標であるが、この方式に限られない。
【0093】
項目「配置物」は、仮想空間に配置したオブジェクトを示す情報であり、設備データベース2021の項目「設備ID」、または機器データベース2022の項目「機器ID」に対応している。
【0094】
項目「詳細情報(パラメータ)」は、仮想空間に配置したオブジェクトを編集した際の編集情報を示す情報であり、例えば、ユニットモードの場合における機器の編集パラメータが格納されている。
【0095】
なお、設計空間データベース2023には、図示は省略するが、配管ルーティングモジュール2036によりルーティングされた配管の情報や、ゲート設定の情報が格納されてもよい。
【0096】
サーバ20のオーバーオールモード制御モジュール2034、またはユニットモード制御モジュール2035は、各ユーザからオブジェクトの配置情報を受け付け、仮想空間に配置する処理を行うことに伴って、設計空間データベース2023にレコードを追加し、更新する。配管ルーティングモジュール2036は、配管ルーティングの処理を行うことに伴って、設計空間データベース2023にレコードを追加し、更新する。
【0097】
<3 動作>
以下、
図6ないし
図8を参照しながら、第1の実施の形態におけるプラント設計システム1による動作モードの切替処理及び配管ルート決定処理について説明する。
【0098】
図6は、実施の形態1のプラント設計システム1による動作モードの切替処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0099】
ステップS121において、サーバ20の制御部203は、プラント設計を行う仮想空間に配置するオブジェクトの種類及び配置位置の入力を受け付けるため、初期状態の空間を表示させる指示を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0100】
ステップS111において、端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信された初期状態の空間を表示させる指示情報を受け付ける。通知制御部174は、初期状態の空間をディスプレイ132に表示させる。初期状態の空間の情報は、サーバ20の制御部203が端末装置10へ送信してもよく、端末装置10があらかじめ記憶してもよい。
【0101】
ステップS112において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、設備の配置を編集するオーバーオールモードと、設備内においてオブジェクトの配置を編集するユニットモードとの切替指示の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた切替指示の情報、及びユーザ情報をサーバ20へ送信する。その後、送受信部172は、サーバ20から送信されたユーザが指定した動作モードへ切替表示させる指示情報を受け付ける。通知制御部174は、ユーザが指定した動作モードの空間をディスプレイ132に表示させる。なお、ここではオーバーオールモードが指定されたものとして、後続処理の説明を行う。
【0102】
ステップS122において、サーバ20の動作モード切替モジュール2033は、端末装置10から送信された切替指示の情報を、通信部201を介して受け付ける。動作モード切替モジュール2033は、受け付けた切替指示の情報に基づき、指定された動作モードへ切替表示させる指示情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0103】
ステップS113において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、ディスプレイ132に表示されている、プラントの敷地である一定領域の全体を示す仮想空間内に、設備の種類及び配置位置の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた設備の種類及び配置位置の入力情報をサーバ20へ送信する。その後、送受信部172は、サーバ20から送信された設備を仮想空間に表示させる指示情報を受け付ける。通知制御部174は、ユーザが指定した設備が仮想空間に配置された状態をディスプレイ132に表示させる。
【0104】
ステップS123において、サーバ20のオーバーオールモード制御モジュール2034は、端末装置10から送信された、設備の種類及び配置位置の入力情報を、通信部201を介して受け付ける。オーバーオールモード制御モジュール2034は、受け付けた設備の種類及び配置位置の情報に基づき、設備を仮想空間に表示させる指示情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。また、オーバーオールモード制御モジュール2034は、受け付けた設備の種類及び配置位置の情報を設計空間データベース2023へ格納する。
【0105】
ステップS114において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、オーバーオールモードとユニットモードとの切替指示の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた切替指示の情報、及びユーザ情報をサーバ20へ送信する。その後、送受信部172は、サーバ20から送信されたユーザが指定した動作モードへ切替表示させる指示情報を受け付ける。通知制御部174は、ユーザが指定した動作モードの空間をディスプレイ132に表示させる。なお、ここではユニットモードが指定されたものとして、後続処理の説明を行う。
【0106】
ステップS124において、サーバ20の動作モード切替モジュール2033は、端末装置10から送信された切替指示の情報を、通信部201を介して受け付ける。動作モード切替モジュール2033は、受け付けた切替指示の情報に基づき、指定された動作モードへ切替表示させる指示情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0107】
ステップS115において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、ディスプレイ132に表示されている、プラントの設備内において、プラントを構成する機器やサブユニットを表すオブジェクトの種類、配置位置、及び当該オブジェクトを編集するパラメータの入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けたオブジェクトの種類、配置位置、及び当該オブジェクトを編集するパラメータの入力情報をサーバ20へ送信する。その後、送受信部172は、サーバ20から送信されたオブジェクトを仮想空間に表示させる指示情報を受け付ける。通知制御部174は、ユーザが指定したオブジェクトが仮想空間に配置された状態をディスプレイ132に表示させる。
【0108】
ステップS125において、サーバ20のユニットモード制御モジュール2035は、端末装置10から送信された、オブジェクトの種類、配置位置、及び当該オブジェクトを編集するパラメータの入力情報を、通信部201を介して受け付ける。ユニットモード制御モジュール2035は、受け付けたオブジェクトの種類、配置位置、及び当該オブジェクトを編集するパラメータの情報に基づき、オブジェクトを仮想空間に表示させる指示情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。また、ユニットモード制御モジュール2035は、受け付けたオブジェクトの種類、配置位置、及び当該オブジェクトを編集するパラメータの情報を設計空間データベース2023へ格納する。
【0109】
以上のように、プラント設計システム1のユーザは、オーバーオールモードとユニットモードとの切替指示を入力する。切替指示に基づき、プラントの敷地である一定領域の全体を表示して設備の配置を編集するオーバーオールモード(第1の動作モード)、または設備内においてプラントを構成する機器やサブユニットを表すオブジェクトの配置を編集するユニットモード(第2の動作モード)へ切替表示が行われる。これにより、ユーザは、化学プラントのような大規模な設備の設計において、マクロの設計とミクロの設計との切替を容易にすることが可能である。
【0110】
図7は、実施の形態1のプラント設計システム1による配管ルート決定処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートにおける配管ルート決定処理は、
図6に示すフローチャートにおける動作モードの切替処理のステップS115及びステップS125の後続処理として、ステップS211及びステップS221以降の処理が追加されたものであるため、重複する処理については繰り返して説明しない。なお、
図7に示すフローチャートでは、ステップS111~S114及びステップS121~S124の図示を省略する。
【0111】
ステップS211において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、ディスプレイ132に表示されている、仮想空間に配置されている設備や機器の所定の箇所(例えば、設備、機器またはサブユニットのゲート設定、機器の付設配管の端点)を配管ルーティングの始終点として指定する入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた配管ルーティングの始終点の入力情報をサーバ20へ送信する。その後、送受信部172は、サーバ20から送信された配管ルーティングの始終点を強調表示させる指示情報を受け付ける。通知制御部174は、ユーザが指定した配管ルーティングの始終点が強調表示された状態をディスプレイ132に表示させる。
【0112】
ステップS221において、サーバ20の配管ルーティングモジュール2036は、端末装置10から送信された配管ルーティングの始終点の入力情報を、通信部201を介して受け付ける。配管ルーティングモジュール2036は、受け付けた配管ルーティングの始終点の情報に基づき、指定された配管ルーティングの始終点を強調表示させる指示情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0113】
ステップS212において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、ディスプレイ132に表示されている仮想空間に配管ルーティングを行う指示の入力と、配管ルーティングのためのパラメータ(配管径、材質等)の入力情報を受け付ける。送受信部172は、受け付けた配管ルーティングの指示情報をサーバ20へ送信する。
【0114】
ステップS222において、サーバ20の配管ルーティングモジュール2036は、端末装置10から送信された配管ルーティングを行う指示情報と、配管ルーティングのためのパラメータの入力情報とを、通信部201を介して受け付ける。なお、配管ルーティングモジュール2036は、配管ルーティングのためのパラメータ情報をあらかじめ設定されて記憶部202に記憶された情報から取得してもよい。
【0115】
ステップS223において、サーバ20の配管ルーティングモジュール2036は、ステップS221で受け付けた配管ルーティングの始終点と、ステップS222で取得した配管ルーティングのためのパラメータ情報とに基づき、配管のルートを決定する。このとき、所定のアルゴリズムにより自動ルーティングが行われてもよい。
【0116】
ステップS224において、サーバ20の配管ルーティングモジュール2036は、決定した配管ルート情報と、当該配管ルートを表示させる指示情報とを、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0117】
ステップS214において、送受信部172は、サーバ20から送信された配管ルート情報と、当該配管ルートを表示させる指示情報とを受け付ける。通知制御部174は、配管がルーティングされた状態をディスプレイ132に表示させる。
【0118】
ステップS225において、サーバ20の配管ルーティングモジュール2036は、決定した配管ルート情報を、設計空間データベース2023へ格納する。
【0119】
以上のように、プラント設計システム1のユーザは、配管ルーティングの始終点を指定する入力を行い、配管ルーティングを指示する。ユーザが入力した、またはあらかじめ設定された配管ルーティングのためのパラメータに基づき、配管の始終点を通す配管のルートが決定され、端末装置10のディスプレイ132に表示される。これにより、ユーザは、自己が指定した条件に基づく配管のルート設計を行うことが可能であり、条件を変更することで適切な配管のルート設計を行うことが可能である。
【0120】
図8は、実施の形態1のプラント設計システム1による動作モードの切替処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図8に示すフローチャートにおける動作モードの切替処理は、
図7に示すフローチャートにおける配管ルート決定処理のステップS214及びステップS224の後続処理として、ステップS311及びステップS321以降の処理が追加されたものであるため、重複する処理については繰り返して説明しない。なお、
図8に示すフローチャートでは、ステップS211~S213及びステップS221~S223の図示を省略する。
【0121】
ステップS311において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザから、オーバーオールモードとユニットモードとの切替指示の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた切替指示の情報、及びユーザ情報をサーバ20へ送信する。
【0122】
ステップS321において、サーバ20の動作モード切替モジュール2033は、端末装置10から送信された切替指示の情報を、通信部201を介して受け付ける。動作モード切替モジュール2033は、設計空間データベース2023に記憶されている配管ルーティング情報及び設備、機器またはサブユニットのゲート設定を取得する。
【0123】
ステップS322において、サーバ20の動作モード切替モジュール2033は、ステップS321で受け付けた切替指示の情報に基づき、指定された動作モードへ切替表示させる指示情報を、端末装置10へ通信部201を介して送信する。このとき、ステップS321で取得した配管ルーティング情報及び設備、機器またはサブユニットのゲート設定を送信し、当該配管を表示させる指示情報を送信する。
【0124】
ステップS312において、端末装置10の送受信部172は、サーバ20から送信されたユーザが指定した動作モードへ切替表示させる指示情報を受け付ける。通知制御部174は、ユーザが指定した動作モードの空間をディスプレイ132に表示させる。このとき、ステップS322で送信された配管ルーティング情報及び設備、機器またはサブユニットのゲート設定に基づき、当該配管をディスプレイ132に表示させる。
【0125】
以上のように、プラント設計システム1のユーザは、オーバーオールモードとユニットモードとの切替指示を入力する。切替指示に基づき、オーバーオールモードまたはユニットモードへの切替表示が行われる。このとき、配管ルーティング情報、及び設備、機器またはサブユニットのゲート設定に基づき、配管の表示が行われ、設備、機器またはサブユニットの配置が変更されて配管の接続位置が変更される場合であっても、ゲート設定の情報が更新され、配管の接続関係は維持される。これにより、ユーザは、化学プラントのような大規模な設備の設計において、マクロの設計とミクロの設計との切替を容易にし、設計の手戻りや再検討に対応することが可能である。
【0126】
<4 画面例>
以下、
図9ないし
図13を参照しながら、プラント設計システム1による動作モードの切替処理及び配管ルート決定処理の画面例について説明する。
【0127】
図9は、端末装置10の初期状態の空間表示の画面例を示す図である。
図9の画面例は、ユーザの端末装置10に、オブジェクトの種類及び配置位置の入力を受け付けるための初期状態の仮想空間が表示された状態の画面例を示す。
図6のステップS111に相当する。
【0128】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、初期状態の仮想空間1031aが、格子状の入力画面として表示されている。この格子状の仮想空間1031aの任意の箇所に、1または複数の設備、機器またはサブユニットを表すオブジェクトを入力することが可能になっている。また、ディスプレイ132の上部にはメニュー表示欄が設けられ、オーバーオールモードとユニットモードとの切替指示を行うためのモード切替ボタン1031bが配置されている。このモード切替ボタン1031bを押下すると、選択可能な動作モードの一覧がプルダウン形式で表示され、動作モードが選択できるように構成されている。
【0129】
図9に示す仮想空間1031aの任意の箇所をクリック等して選択し、ドラッグして位置を動かすと、仮想空間1031aの表示範囲や向きが移動するようになっている。例えば、上下左右方向に動かすとその動きに従って表示範囲が移動し、回転するように動かすと表示範囲が回転する。このとき、
図9に示す仮想空間1031aは平面状であるが、回転させることで、
図12等に示すように立体的に表示させることも可能になっている。また、表示範囲を回転させた場合に表示方向の方角(東西南北)が分かるように、方角表示欄1031cが設けられており、仮想空間1031aの回転に従って動くように構成されている。
【0130】
図10は、端末装置10によるオーバーオールモードの画面例を示す図である。
図10の画面例は、ユーザの操作により、
図9に示す仮想空間1031aに設備が配置された状態の画面例を示す。
図6のステップS113に相当する。
【0131】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、
図9に示す仮想空間1031aと同様の格子状の仮想空間に、設備1032aが配置されて表示されている。また、ディスプレイ132の右側には、設備データベース2021に格納されている設備の種類を選択可能な設備選択欄1032bが設けられている。設備1032aは、設備データベース2021に格納されている設備であり、例えば、酸性ガス除去設備、硫黄回収設備、水分除去設備、圧縮設備のような設備である。
【0132】
ユーザは、仮想空間の任意の箇所を、設備を配置する位置として選択(例えば画面上でクリック)する操作を行う。すると、設備選択欄1032bが表示されるので、表示されている内容から設備の種類を選択(例えば画面上でクリック)すると、
図10に示すように、選択された設備1032aが表示される。また、設備1032aを選択すると、編集可能なパラメータの入力欄が右側に表示され、入力することで設備1032aを編集(例えば、大きさや角度を変更)できるように構成されている。
【0133】
図11は、端末装置10による道路編集の画面例を示す図である。
図11の画面例は、ユーザの操作により、
図10に示す仮想空間に設備が配置され、オーバーオールモードで道路の配置を編集する状態の画面例を示す。
図6のステップS113に相当する。
【0134】
図11に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、
図10に示す仮想空間と同様に設備1033aが配置された状態で、設備1033aの間を通す道路1033bが配置されて表示されている。また、ディスプレイ132の右側には、道路1033bを編集可能なパラメータ入力欄1033cが設けられている。
【0135】
道路1033bは、ユーザの入力指示により配置されてもよく、自動で配置されてもよい。パラメータ入力欄1033cは、道路1033bの種類、例えば、主要幹線道路、一般通行車両用の道路、工事用車両用の道路を選択可能に構成され、他に道路幅、長さ、車線数、設備との離隔距離等を編集可能に構成されている。
【0136】
図12は、端末装置10によるユニットモードの画面例を示す図である。
図12の画面例は、ユーザの操作により、
図9に示す仮想空間1031aにオブジェクトが配置された状態の画面例を示す。
図6のステップS115に相当する。
【0137】
図12に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、
図9に示す仮想空間1031aと同様の格子状の仮想空間に、オブジェクトの一例であるブロックパターン1034aが配置されて表示されている。また、ディスプレイ132の右側には、機器データベース2022に格納されているオブジェクト(ブロックパターン)の種類を選択可能なオブジェクト選択欄1034bが設けられている。ブロックパターン1034aは、機器データベース2022に格納されているブロックパターンであり、例えば、ポンプ、熱交換器、フィルタ、弁のような機器に、付設配管や付設機器が設けられたものである。
【0138】
ユーザは、仮想空間の任意の箇所を、オブジェクトを配置する位置として選択(例えば画面上でクリック)する操作を行う。すると、オブジェクト選択欄1034bが表示されるので、表示されている内容からオブジェクトの種類を選択(例えば画面上でクリック)すると、
図12に示すように、選択されたブロックパターン1034aが表示される。また、ブロックパターン1034aを選択すると、編集可能なパラメータの入力欄が右側に表示され、入力することでブロックパターン1034aを編集(例えば、機器数や機器の配置を変更)できるように構成されている。なお、ブロックパターン1034aの付設配管には、流体の吸入口及び吐出口(サクション配管及びディスチャージ配管ともいう)が設けられているが、吸入口と吐出口とを異なる態様(例えば、異なる色、異なる画像)で表示してもよい。
【0139】
図13は、端末装置10の配管ルート表示の画面例を示す図である。
図13の画面例は、ユーザの操作により、ユーザの端末装置10に表示されている空間内に、選択された開始位置と終了位置との間を通す配管ルートが決定されて表示された状態の画面例を示す。
図7のステップS214に相当する。
【0140】
図13に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、
図12に示すブロックパターン1034aと同様のブロックパターンの付設配管の端点1035aと、他のブロックパターンの付設配管の端点1035bとの間に、ルーティングが行われた配管ルート1035cが表示されている。
【0141】
ユーザは、
図13に示す端点1035aを開始位置(接続位置)として選択し、端点1035bを終了位置(接続位置)として選択する(開始位置、終了位置は逆でもよい)。この状態で配管ルーティングを行う操作を行うと、配管ルート1035cが決定されて表示される。このとき、所定の条件により配管ルーティングの方向が定められ、既存の設備や機器、配管を避けるようなアルゴリズムにより自動ルーティングが行われ、配管ルート1035cが決定される。なお、ユーザが端点1035aを開始位置として選択し、端点1035bを終了位置として選択すると、端点1035aと端点1035bとを異なる態様(例えば、異なる色、異なる画像)で表示してもよい。
【0142】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、オーバーオールモードとユニットモードとの切替指示が入力されると、プラントの敷地である一定領域の全体を表示して設備単位で配置をするオーバーオールモード(第1の動作モード)、または設備を構成する1または複数の機器単位でオブジェクトの配置を編集するユニットモード(第2の動作モード)の切替表示を行う。オーバーオールモードに切り替える場合、プラント設計を行う一定領域の全体を表示、すなわち一定領域についてマクロの表示を行う。ユニットモードに切り替える場合、設備を拡大して表示、すなわち設備についてミクロの表示を行う。これにより、ユーザは、化学プラントのような大規模な設備の設計において、マクロの設計とミクロの設計との切替を容易にすることが可能である。
【0143】
また、ユーザの指示により、またはあらかじめ設定された配管ルーティングのためのパラメータに基づき、配管の始終点を通す配管のルーティングが行われる。これにより、化学プラントのような設備に必須の配管のルート設計を容易に行うことが可能になる。
【0144】
さらに、ユーザの指示により、配管ルーティング後の仮想空間について、オーバーオールモードまたはユニットモードへの切替表示が行われる。このとき、配管ルーティング情報、及び設備、機器またはサブユニットを表すオブジェクトのゲート設定に基づき、配管の表示が行われ、オブジェクトの配置が変更されて配管の接続位置が変更される場合であっても、ゲート設定の情報が更新され、配管の接続関係は維持される。これにより、ユーザは、化学プラントのような大規模な設備の設計において、マクロの設計とミクロの設計との切替を容易にし、設計の手戻りや再検討に対応することが可能である。
【0145】
<第2の実施の形態>
以下、プラント設計システム1の他の実施の形態について説明する。
【0146】
<1 プラント設計システム1の全体構成>
図14は、実施の形態2のプラント設計システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。第2の実施の形態におけるプラント設計システム1の全体の構成、端末装置10の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。
サーバ20の構成については、
図14に示すように、新たに配置不可エリア提示モジュール2037の機能を備える以外、第1の実施の形態と同様である。
以下、第2の実施の形態における配置不可エリア提示モジュール2037の機能について説明する。
【0147】
配置不可エリア提示モジュール2037は、プラント設計システム1により設計されるプラントの敷地である一定領域に、設備の配置をする際、すでに配置されている設備との関係で、これから配置しようとする設備の配置ができない領域を表示する処理を制御する。設備には、他の設備との間に設けるべき離隔距離が設定されている。この離隔距離は、設備の機能に対応して、安全性や、人が通行するためのアクセス性、道路を敷設するための機能性に応じて設定されている。
【0148】
そのため、配置不可エリア提示モジュール2037は、ユーザが設備の配置をする際、すでに配置されている設備に設定されている離隔距離を判定し、これから配置しようとする設備の配置ができない領域を、他の領域と異なる態様(例えば、異なる色彩や警告表示)で表示する。
【0149】
また、プラントの敷地である一定領域には、当該地域の風向きの関係で、ある設備の風向きの下流側には配置できない設備が設定されている。例えば、プラントの敷地である地域には、偏西風のような恒常風が吹く地域もあり、その場合、風向きを考慮した施設の配置が必要になり、例として、可燃性余剰ガスを焼却するためのフレア(スタック)や、原料や生成物を保管するためのタンクは下流側に配置し、作業員の居住区は上流側に配置する、等である。
【0150】
そのため、配置不可エリア提示モジュール2037は、ユーザが設備の配置をする際、風向きとすでに配置されている設備との関係を判定し、これから配置しようとする設備の配置ができない領域を、他の領域と異なる態様(例えば、異なる色彩や警告表示)で表示する。
【0151】
ある設備と他の設備との間に設けるべき離隔距離、及び風向きによりある設備との関係で配置できない他の設備の情報は、例えば設備データベース2021に格納され、配置不可エリア提示モジュール2037は、設備データベース2021を参照して設備の配置ができない領域を判定する。
【0152】
<2 データ構造>
第2の実施の形態におけるデータ構造は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。
【0153】
<3 動作>
第2の実施の形態における動作は、第1の実施の形態と同様であるので、繰り返して説明しない。
【0154】
<4 画面例>
以下、
図15及び
図16を参照しながら、第2の実施の形態における設備配置処理の画面例について説明する。
【0155】
図15は、端末装置10による設備配置の画面例を示す図である。
図15の画面例は、ユーザの操作により、
図9に示す仮想空間1031aに設備を配置しようとしている状態の画面例を示す。
図6のステップS113に相当する。
【0156】
図15に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、
図9に示す仮想空間1031aと同様の格子状の仮想空間に、ユーザが設備1036aを配置しようとしている状態が表示されている。このとき、既に配置されている設備1036bが表示されており、設備1036bとの関係で、設備1036aを配置できないエリア1036cが、例えば仮想空間とは異なる色彩で表示されている。
【0157】
ユーザが設備1036aをドラッグして配置しようとすると、配置不可エリア提示モジュール2037は、設備データベース2021を参照し、設備1036bとの間に設けるべき離隔距離を判定し、設備1036aを配置できない範囲であるエリア1036cを決定し、ディスプレイ132に表示させる。なお、ユーザが設備1036aを実際にエリア1036c内に配置すると、さらに異なる表示(例えば、ポップアップ画面で警告)を行ってもよい。
【0158】
図16は、端末装置10による設備配置の画面例を示す図である。
図16の画面例は、ユーザの操作により、
図9に示す仮想空間1031aに設備を配置しようとしている状態の画面例を示す。
図6のステップS113に相当する。
【0159】
図16に示すように、端末装置10のディスプレイ132には、
図9に示す仮想空間1031aと同様の格子状の仮想空間に、ユーザが設備1037aを配置しようとしている状態が表示されている。このとき、既に配置されている設備1037bが表示されており、設備1037bとの関係で、設備1037aを配置できないエリア1037cが、例えば仮想空間とは異なる色彩で表示されている。
【0160】
ユーザが設備1037aをドラッグして配置しようとすると、配置不可エリア提示モジュール2037は、設備データベース2021を参照し、当該仮想空間に設定されている風向きと設備1037bとの関係で、設備1037aを配置できない範囲であるエリア1037cを決定し、ディスプレイ132に表示させる。なお、当該仮想空間には、風向きを設定可能であり、ディスプレイ132に当該風向きを示す表示(例えば、風見鶏のような画像)を表示させてもよい。
【0161】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、設備を配置しようとすると、すでに配置されている設備との関係や風向きとの関係で、これから配置しようとする設備を配置できない領域が表示される。これにより、設備をより適切に配置することが可能になる。
【0162】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0163】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0164】
(付記1)プロセッサ(29)と、メモリ(25)とを備えるコンピュータに実行させ、プラント設計を行うためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサ(29)に、第1の動作モードまたは第2の動作モードの切替をする操作をユーザから受け付けるステップ(S122,S124)と、第1の動作モードにおいて、プラント設計を行う一定領域にて設備(100)単位で配置をする操作を受け付けるステップ(S123)と、第2の動作モードにおいて、設備を構成する1または複数の機器(200)単位でオブジェクトの配置をする操作を受け付けるステップ(S125)と、を実行させる、プログラム。
【0165】
(付記2)第1の動作モードにおいて、設備単位でオブジェクトの配置をする操作を受け付ける、(付記1)に記載のプログラム。
【0166】
(付記3)プログラムは、さらに、ルーティング対象物のルートを決定するものであって、プラント設計を行うユーザの指示により、設備または機器の間におけるルーティング対象物のルートを決定するステップ(S222~S223)を実行させる、(付記1)または(付記2)に記載のプログラム。
【0167】
(付記4)ルーティング対象物のルートを決定するステップにおいて、設備を構成しない他の機器をルートの接続点として設定可能であり、接続点を考慮したルーティング対象物のルートを決定する、(付記3)に記載のプログラム。
【0168】
(付記5)ルーティング対象物のルートが決定された後において、ルーティング対象物の設備または機器の間の接続関係(300)及び位置をメモリ(25)に記憶するように構成し、第1の動作モードまたは第2の動作モードの切替があっても、ルーティング対象物の接続関係及び位置を維持する、(付記3)または(付記4)に記載のプログラム。
【0169】
(付記6)第1の動作モードまたは第2の動作モードのいずれであるかに基づき、設備単位もしくは機器単位のオブジェクト、またはルーティング対象物の表示を行うステップ(S122,S124,S224)を実行させる、(付記3)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
【0170】
(付記7)第1の動作モードまたは第2の動作モードのいずれであるかに基づき、機器単位のオブジェクトまたはルーティング対象物のすべてまたは一部の表示量を変更する、(付記6)に記載のプログラム。
【0171】
(付記8)第1の動作モード及び第2の動作モードにおいて、ルーティング対象物のルートの決定がされた後の操作を受け付け、ルーティング対象物の接続関係及び位置に変更があった場合、メモリに記憶されているルーティング対象物の接続関係及び位置を変更する、(付記4)から(付記7)のいずれかに記載のプログラム。
【0172】
(付記9)設備が配置された領域は、複数の下位領域に分割可能であり、第2の動作モードは、下位領域の構成に対応して1または複数の階層構造を有し、下位の階層の第2の動作モードにおいて、ルーティング対象物のルートの決定がされた後の操作を受け付け、ルーティング対象物の接続関係及び位置に変更があった場合、メモリに記憶されているルーティング対象物の接続関係及び位置を変更し、上位の階層の第2の動作モードに切替を行ったとき、変更されたルーティング対象物の接続関係及び位置に基づくルーティング対象物の表示を行う、(付記4)から(付記8)のいずれかに記載のプログラム。
【0173】
(付記10)ルーティング対象物のルートを決定するステップにおいて、一定領域として表示されていない範囲のルーティング対象物のルートを決定する、(付記3)から(付記9)のいずれかに記載のプログラム。
【0174】
(付記11)ルーティング対象物のルートを決定するステップにおいて、ルーティング対象物として、配管またはケーブルのルートを決定する、(付記3)から(付記10)のいずれかに記載のプログラム。
【0175】
(付記12)第1の動作モードまたは第2の動作モードの切替を行うと、一定領域の表示範囲の変更を行う、(付記1)から(付記11)のいずれかに記載のプログラム。
【0176】
(付記13)第1の動作モードのとき、一定領域に通す道路の配置をする操作を受け付ける、(付記1)から(付記12)のいずれかに記載のプログラム。
【0177】
(付記14)設備の機能に基づく道路の大きさを編集する操作を受け付ける、(付記13)に記載のプログラム。
【0178】
(付記15)第1の動作モードのとき、すでに配置されている設備との関係で、設備を配置できない領域を表示する、(付記1)から(付記14)のいずれかに記載のプログラム。
【0179】
(付記16)すでに配置されている設備と、配置しようとする設備との間に設けるべき離隔距離に基づき、設備を配置できない領域を表示する、(付記15)に記載のプログラム。
【0180】
(付記17)すでに配置されている設備と、一定領域に設定されている風向きとに基づき、設備を配置できない領域を表示する、(付記15)または(付記16)に記載のプログラム。
【0181】
(付記18)第2の動作モードのとき、機器単位のオブジェクトとして、プラントに配置される機器、機器の近傍に配置される付設配管、機器に付随して設けられる付設機器のいずれか1つまたは複数を備えるオブジェクトの配置をする操作を受け付ける、(付記1)から(付記17)のいずれかに記載のプログラム。
【0182】
(付記19)制御部(203)と、記憶部(202)とを備え、プラント設計を行うための情報処理装置であって、制御部は、第1の動作モードまたは第2の動作モードの切替をする操作をユーザから受け付けるステップ(2033)と、第1の動作モードにおいて、プラント設計を行う一定領域にて設備単位での配置をする操作を受け付けるステップ(2034)と、第2の動作モードにおいて、設備を構成する1または複数の機器単位でオブジェクトの配置をする操作を受け付けるステップ(2035)と、を行う、情報処理装置。
【0183】
(付記20)プロセッサ(29)と、メモリ(25)とを備えるコンピュータにより実行され、プラント設計を行うための方法であって、方法は、プロセッサ(29)が、第1の動作モードまたは第2の動作モードの切替をする操作をユーザから受け付けるステップ(S122,S124)と、第1の動作モードにおいて、プラント設計を行う一定領域にて設備(100)単位での配置をする操作を受け付けるステップ(S123)と、第2の動作モードにおいて、設備を構成する1または複数の機器(200)単位でオブジェクトの配置をする操作を受け付けるステップ(S125)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0184】
10 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、130 操作受付部、161 ユーザ情報、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、2021 設備データベース、2022 機器データベース、2023 設計空間データベース、203 制御部、301 通信部、302 記憶部、303 制御部