(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106709
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230726BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007600
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 直恵
(72)【発明者】
【氏名】千葉 鉄也
(72)【発明者】
【氏名】西川 享宏
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 洋
(72)【発明者】
【氏名】安倍 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 一隼
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のクラウドサービスの中からシステム要件を満たすクラウドサービスと利用者の潜在需要を満たすクラウドサービスを導入対象の候補として抽出する方法及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理システム100は、複数のクラウドサービスのうち、いずれかのクラウドサービスを利用する予定のシステムの機能仕様及び非機能仕様を含むシステム要件に関する情報と、システムを管理する利用者の潜在需要に関する情報と、を入力する入力部200と、入力部に入力されたシステム要件に関する情報を基にシステム要件に基づくクラウドサービスの候補を示す第1候補情報を生成し、入力部に入力された利用者の潜在需要に関する情報を基に利用者の潜在需要に基づくクラウドサービスの候補を示す第2候補情報を生成する演算部400と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクラウドサービスのうちいずれかのクラウドサービスを利用する予定のシステムの機能仕様及び非機能仕様を含むシステム要件に関する情報及び前記システムを管理する利用者の潜在需要に関する情報を入力する入力部と、
前記入力部に入力された前記システム要件に関する情報を基に前記システム要件に基づくクラウドサービスの候補を示す第1候補情報を生成し、前記入力部に入力された前記利用者の潜在需要に関する情報を基に前記利用者の潜在需要に基づくクラウドサービスの候補を示す第2候補情報を生成する演算部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記入力部は、
前記利用者の潜在需要を管理するための複数の潜在需要項目の各々について前記利用者の潜在需要を示す潜在需要情報を入力する潜在需要入力部を含み、
前記演算部は、
前記潜在需要入力部により前記潜在需要情報が入力された前記各潜在需要項目の内容を評価し、前記各潜在需要項目にそれぞれ評価値を設定する潜在需要評価処理部を含み、
前記潜在需要評価処理部は、
前記複数のクラウドサービスの各々で管理する複数の要素の各々に対して前記各潜在需要項目及び前記各クラウドサービスに設定された複数の評価基準値と前記各潜在需要項目について設定された前記評価値とを基に前記各要素における前記各クラウドサービスの得点を潜在需要項目毎に算出し、算出された前記潜在需要項目毎の得点を前記各要素についてクラウドサービス毎に合計し、前記各要素における前記各クラウドサービスの合計得点と前記各クラウドサービスとの関係を示す潜在需要評価結果要素別情報を前記第2候補情報に属する情報として生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記潜在需要評価処理部は、
前記各要素における前記各クラウドサービスの合計得点を基に前記各要素における前記各クラウドサービスに対して前記合計得点の高い順に推奨度の順位付けを行い、前記各要素における前記推奨度と前記各クラウドサービスとの関係を示す潜在需要推奨クラウドサービス情報を前記第2候補情報に属する情報として生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記複数の潜在需要項目は、
前記システムの新規・単純リフト・刷新の中のいずれか一つを選択する第1項目と、前記クラウドサービスと新技術に対する、前記利用者の積極性・興味に関する第2項目と、前記利用者の体制であって、クラウド有識者の有無を示す第3項目と、前記クラウドサービスの利用実績を示す第4項目を少なくとも含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記複数のクラウドサービスの各々を管理するための複数のクラウドサービスカラムと前記システムを評価するための複数のシステム評価レコードとが前記各要素に対応づけて記憶され、前記各クラウドサービスカラムに対応した前記各システム評価レコードに、前記各クラウドサービの仕様を示す仕様情報が記憶されたシステム要件記憶部を更に備え、
前記入力部は、
前記複数のシステム評価レコードのうち前記システムの評価の対象となるシステム評価レコードに評価対象情報を入力する評価対象情報入力部を含み、
前記演算部は、
前記評価対象情報入力部により前記評価対象情報が入力された前記システム評価レコードに前記仕様情報が記憶されたクラウドサービスを前記システム要件記憶部から2以上抽出するシステム要件評価処理部を含み、
前記システム要件評価処理部は、
抽出した前記2以上のクラウドサービスの各々に対応した前記各システム評価レコードに記憶された前記仕様情報と前記各システム評価レコードに対する前記システムの要求値を示す要求情報とを前記各要素について比較し、当該比較の結果を基に前記各システム評価レコードについて前記仕様情報と前記要求情報との一致の有無を前記各要素について数値化して前記各クラウドサービスカラムに記録し、当該記録された前記各クラウドサービスカラムの合計を合計得点として前記各クラウドサービスの合計得点を前記各要素について算出し、算出された前記各要素における前記各クラウドサービスの合計得点と前記各クラウドサービスとの関係を示すシステム要件評価結果合計得点情報を前記第1候補情報に属する情報として生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記システム要件評価処理部は、
前記各要素における前記各クラウドサービスの合計得点を基に前記各要素における前記各クラウドサービスに対して前記合計得点の高い順に推奨度の順位付けを行い、前記各要素における前記推奨度と前記各クラウドサービスとの関係を示すシステム要件推奨クラウドサービス情報を前記第1候補情報に属する情報として生成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記システム要件評価処理部の生成による前記システム要件推奨クラウドサービス情報と前記潜在需要評価処理部の生成による前記潜在需要推奨クラウドサービス情報を画面上に表示する表示部を更に備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記システム要件評価処理部の生成による前記システム要件推奨クラウドサービス情報と前記潜在需要評価処理部の生成による前記潜在需要推奨クラウドサービス情報を前記利用者の情報端末に送信する出力部を更に備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータを用いた情報処理方法であって、
前記コンピュータが、複数のクラウドサービスのうちいずれかのクラウドサービスを利用する予定のシステムの機能仕様及び非機能仕様を含むシステム要件に関する情報及び前記システムを管理する利用者の潜在需要に関する情報を入力する入力ステップと、
前記コンピュータが、前記入力ステップで入力された前記システム要件に関する情報を基に前記システム要件に基づくクラウドサービスの候補を示す第1候補情報を生成し、前記入力ステップで入力された前記利用者の潜在需要に関する情報を基に前記利用者の潜在需要に基づくクラウドサービスの候補を示す第2候補情報を生成する演算ステップと、を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
前記入力ステップは、
前記利用者の潜在需要を管理するための複数の潜在需要項目の各々について前記利用者の潜在需要を示す潜在需要情報を入力する潜在需要入力ステップを含み、
前記演算ステップは、
前記潜在需要入力ステップにより前記潜在需要情報が入力された前記各潜在需要項目の内容を評価し、前記各潜在需要項目にそれぞれ評価値を設定する潜在需要評価処理ステップを含み、
前記潜在需要評価処理ステップでは、
前記複数のクラウドサービスの各々で管理する複数の要素の各々に対して前記各潜在需要項目及び前記各クラウドサービスに設定された複数の評価基準値と前記各潜在需要項目について設定された前記評価値とを基に前記各要素における前記各クラウドサービスの得点を潜在需要項目毎に算出し、算出された前記潜在需要項目毎の得点を前記各要素についてクラウドサービス毎に合計し、前記各要素における前記各クラウドサービスの合計得点と前記各クラウドサービスとの関係を示す潜在需要評価結果要素別情報を前記第2候補情報に属する情報として生成することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法であって、
前記潜在需要評価処理ステップでは、
前記各要素における前記各クラウドサービスの合計得点を基に前記各要素における前記各クラウドサービスに対して前記合計得点の高い順に推奨度の順位付けを行い、前記各要素における前記推奨度と前記各クラウドサービスとの関係を示す潜在需要推奨クラウドサービス情報を前記第2候補情報に属する情報として生成することを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
請求項10に記載の情報処理方法であって、
前記複数の潜在需要項目は、
前記システムの新規・単純リフト・刷新の中のいずれか一つを選択する第1項目と、前記クラウドサービスと新技術に対する、前記利用者の積極性・興味に関する第2項目と、前記利用者の体制であって、クラウド有識者の有無を示す第3項目と、前記クラウドサービスの利用実績を示す第4項目を少なくとも含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
請求項11に記載の情報処理方法であって、
前記コンピュータは、
前記複数のクラウドサービスの各々を管理するための複数のクラウドサービスカラムと前記システムを評価するための複数のシステム評価レコードとが前記各要素に対応づけて記憶され、前記各クラウドサービスカラムに対応した前記各システム評価レコードに、前記各クラウドサービの仕様を示す仕様情報が記憶されたシステム要件記憶部を更に備え、
前記入力ステップは、
前記複数のシステム評価レコードのうち前記システムの評価の対象となるシステム評価レコードに評価対象情報を入力する評価対象情報入力ステップを含み、
前記演算ステップは、
前記評価対象情報入力ステップにより前記評価対象情報が入力された前記システム評価レコードに前記仕様情報が記憶されたクラウドサービスを前記システム要件記憶部から2以上抽出するシステム要件評価処理ステップを含み、
前記システム要件評価処理ステップでは、
抽出した前記2以上のクラウドサービスの各々に対応した前記各システム評価レコードに記憶された前記仕様情報と前記各システム評価レコードに対する前記システムの要求値を示す要求情報とを前記各要素について比較し、当該比較の結果を基に前記各システム評価レコードについて前記仕様情報と前記要求情報との一致の有無を前記各要素について数値化して前記各クラウドサービスカラムに記録し、当該記録された前記各クラウドサービスカラムの合計を合計得点として前記各クラウドサービスの合計得点を前記各要素について算出し、算出された前記各要素における前記各クラウドサービスの合計得点と前記各クラウドサービスとの関係を示すシステム要件評価結果合計得点情報を前記第1候補情報に属する情報として生成することを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理方法であって、
前記システム要件評価処理ステップでは、
前記各要素における前記各クラウドサービスの合計得点を基に前記各要素における前記各クラウドサービスに対して前記合計得点の高い順に推奨度の順位付け行い、前記各要素における前記推奨度と前記各クラウドサービスとの関係を示すシステム要件推奨クラウドサービス情報を前記第1候補情報に属する情報として生成することを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理方法であって、
前記システム要件評価処理ステップでの生成による前記システム要件推奨クラウドサービス情報と前記潜在需要評価処理ステップでの生成による前記潜在需要推奨クラウドサービス情報を画面上に表示する表示ステップを更に備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク経由でのサービスの選択を支援する情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が、通信ネットワーク経由でのサービス、例えば、パブリッククラウドサービス(以下、「クラウドサービス」と記す)を選択する際は、選択基準となる機能仕様や非機能仕様等を含む要求仕様を明確にした上で、Web上などで公開された各クラウドサービスの仕様と要求仕様との対応状況を調査して、利用するクラウドサービスを特定することが一般的である。この際、利用者は、各クラウドサービスの仕様と要求仕様を読み解き、利用者のクラウドサービスに携わる経験・ノウハウを基に独自にクラウドサービスを手作業で調査・比較し、比較結果からクラウドサービスを選択する。
【0003】
要求仕様を明確にする手段として、事前に仕様項目をチェックリスト化することで、クラウドサービスの選択を支援する先行技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
利用者がクラウドサービスを選択する際に、先行技術の方法を採用することもできるが、一般的な機能仕様や非機能仕様を含む要求仕様と各クラウドサービスの仕様とを比較する方法では、利用者にとって必ずしも最適なクラウドサービスを選択できないことがある。
【0006】
すなわち、機能仕様や非機能仕様を含む要求仕様と各クラウドサービスの仕様には、利用者の好みを含む潜在需要が反映されていないので、要求仕様と各クラウドサービスの仕様とを比較する方法では、要求仕様を満たすクラウドサービスを選択することはできるが、利用者の潜在需要を満たすクラウドサービスを選択することはできない。
【0007】
すなわち、機能仕様や非機能仕様を含む要求仕様を基に抽出されたクラウドサービスの他に、利用者の好みを含む潜在的需要を基に抽出されたクラウドサービスをクラウドサービスの候補として利用者に提供する必要がある。
【0008】
本発明の目的は、複数のクラウドサービスの中からシステム要件を満たすクラウドサービスと利用者の潜在需要を満たすクラウドサービスを導入対象の候補として抽出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、複数のクラウドサービスのうちいずれかのクラウドサービスを利用する予定のシステムの機能仕様及び非機能仕様を含むシステム要件に関する情報及び前記システムを管理する利用者の潜在需要に関する情報を入力する入力部と、前記入力部に入力された前記システム要件に関する情報を基に前記システム要件に基づくクラウドサービスの候補を示す第1候補情報を生成し、前記入力部に入力された前記利用者の潜在需要に関する情報を基に前記利用者の潜在需要に基づくクラウドサービスの候補を示す第2候補情報を生成する演算部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数のクラウドサービスの中からシステム要件を満たすクラウドサービスと利用者の潜在需要を満たすクラウドサービスを導入対象の候補として抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係る情報処理装置の構成例を示す構成図である。
【
図2】本発明の実施例に係るユーザ端末の利用者情報入力画面の表示例を示す構成図である。
【
図3】本発明の実施例に係るユーザ端末の業務要件入力画面の表示例を示す構成図である。
【
図4】本発明の実施例に係るユーザ端末の潜在需要入力画面の表示例を示す構成図である。
【
図5】本発明の実施例に係るユーザ端末のクラウドサービス候補出力画面の表示例を示す構成図である。
【
図6】本発明の実施例に係るユーザ端末の詳細情報出力画面の表示例を示す構成図である。
【
図7A】本発明の実施例に係る業務分野テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図7B】本発明の実施例に係る業務モデルテーブルの構成例を示す構成図である。
【
図7C】本発明の実施例に係る構成要素テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図7D】本発明の実施例に係る詳細情報テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図8】本発明の実施例に係る要件テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図9】本発明の実施例に係るシステム要件対応状況テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図10A】本発明の実施例に係るシステム要件評価結果テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図10B】本発明の実施例に係るシステム要件評価結果合計得点テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図11A】本発明の実施例に係る資格保有者情報テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図11B】本発明の実施例に係る資格保有者情報テーブルの他の構成例を示す構成図である。
【
図12】本発明の実施例に係る潜在需要評価テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図13】本発明の実施例に係る潜在需要評価基準テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図14】本発明の実施例に係る潜在需要評価結果テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図15A】本発明の実施例に係るコンピューティングテーブルの構成例を示す構成図である。
【
図15B】本発明の実施例に係るデータベーステーブルの構成例を示す構成図である。
【
図16】本発明の実施例に係る案件実績情報テーブルの構成例を示す構成図である。
【
図17】本発明の実施例に係る情報処理装置による処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【
図18】本発明の実施例に係る入力部の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図19】
図19は、本発明の実施例に係る業務モデル抽出処理部の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図20】本発明の実施例に係る評価前提算出処理部の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図21】本発明の実施例に係るシステム要件評価処理部の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図22】本発明の実施例に係る潜在需要評価処理部の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図23】本発明の実施例に係る出力部の処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
本実施例は、クラウドサービスを調達又は利用する予定の利用者が、複数のクラウドサービスの中から2以上または単一のクラウドサービスを選択するのを支援するために、機能仕様・非機能仕様を含むシステム要件を満たすクラウドサービスと、利用者の潜在需要を満たすクラウドサービスを導入対象のクラウドサービスの候補として抽出するものである。なお、以降では、ユーザ端末を操作する者を「ユーザ」として記載しており、「ユーザ」は、例えば、利用者の情報端末から、通信ネットワークを介して、利用者の潜在需要に関する情報を取り込み、取り込んだ情報をユーザ端末から入力する。
【実施例0014】
図1は、本発明の実施例に係る情報処理装置の構成例を示す構成図である。
図1において、情報処理装置100は、ユーザが操作するユーザ端末110と情報の送受信を行うコンピュータ(計算機)であって、入力部200、出力部300、演算部400、及び記憶部500を備える。
【0015】
ユーザ端末110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、入力装置、出力装置(表示装置)、及び通信装置を備える計算機(図示せず)で構成される。
【0016】
入力部200は、ユーザ端末110から、ユーザの操作に基づく情報を入力し、入力した情報を、業務モデル抽出処理部410、評価前提算出処理部430、潜在需要評価処理部440へ送信する入力装置(入力インターフェース部)である。例えば、入力部200は、複数のクラウドサービスのうちいずれかのクラウドサービスを利用する予定のシステムの機能仕様及び非機能仕様を含むシステム要件に関する情報及びシステムを管理する利用者の潜在需要に関する情報を入力する。なお、利用者の潜在需要とは、利用者の好みを含む利用者の潜在的な需要を意味する。利用者の潜在需要に関する情報には、利用者の好みを推定して得られた情報や、利用者がクラウドサービスを利用した履歴や利用者が過去に選択したクラウドサービスの特徴を基に得られた情報等が採用される。また、入力部200で入力する情報のうち、システム要件に関する情報や利用者の潜在需要に関する情報は、世の中のニーズや市場の動向等により、その内容が年に1度程度更新される。
【0017】
出力部300は、システム要件評価処理部420、潜在需要評価処理部440から送信された情報を受信し、受信した情報をユーザ端末100へ送信する出力装置(出力インターフェース部)である。
【0018】
演算部400は、入力部200に入力されたシステム要件に関する情報を基にシステム要件に基づくクラウドサービスの候補を示す第1候補情報を生成し、入力部200に入力された利用者の潜在需要に関する情報を基に利用者の潜在需要に基づくクラウドサービスの候補を示す第2候補情報を生成する。演算部400は、例えば、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)で構成され、業務モデル抽出処理部410、システム要件評価処理部420、評価前提算出処理部430、潜在需要評価処理部440を備える。この際、CPUが、記憶部500に格納されたプログラム、例えば、演算プログラム、業務モデル抽出処理プログラム、システム要件評価処理プログラム、評価前提算出処理プログラム、潜在需要評価処理プログラムをそれぞれ記憶部500からRAM上に読み出して展開し、展開された各プログラムを実行することで、演算部400、業務モデル抽出処理部410、システム要件評価処理部420、評価前提算出処理部430、及び潜在需要評価処理部440の機能が実現される。
【0019】
業務モデル抽出処理部410は、入力部200から取得した情報のうちシステム概要、システム要件と類似する業務モデルを業務モデル格納DB510の業務分野テーブルから抽出し、抽出した業務モデルの情報をシステム要件評価処理部420に送信する。
【0020】
システム要件評価処理部420は、入力部200から取得した情報のうちシステム要件に基づいて適切なクラウドサービスを評価する処理を実行する。例えば、システム要件評価処理部420は、クラウドサービスの要件毎の対応状況と業務モデル抽出処理部410から送信された詳細要件とを比較し、比較結果を評価する。この際、システム要件評価処理部420は、合計評価点数が大きい順にクラウドサービスに対して、推奨度の順位付けを行い、推奨度の順位付けの結果を出力部300に送信する。
【0021】
評価前提算出処理部430は、入力部200から取得した情報のうちシステム要件のmust条件入力値を基に評価前提を算出し、算出結果をシステム要件評価処理部420に送信する。
【0022】
潜在需要評価処理部440は、利用者の潜在需要に基づいてクラウドサービスを評価する処理を実行する。例えば、潜在需要評価処理部440は、入力部220から取得した情報のうち利用者の潜在需要に関する情報を基にクラウドサービスに対する順位付けを行い、順位付けの結果を出力部300に送信する。
【0023】
記憶部500は、業務モデル格納DB(Database)510、クラウドサービス情報格納DB520、資格保有者情報格納DB530、案件実績格納DB540を備える。
【0024】
業務モデル格納DB510は、業務モデル抽出処理部410が検索するデータベースである。業務モデル格納DB510には、業務分野の情報や過去の実績に基づいた業務モデルの情報が格納される。業務モデル格納DB510に格納された情報は、年に1度程度更新され、直近1年間にパブリッククラウドを利用した案件の実績情報が業務モデルに反映される。
【0025】
クラウドサービス情報格納DB520は、可用性、信頼性等の情報に対してクラウドサービス毎に対応状況の情報を格納したデータベースである。クラウドサービス情報格納DB520に格納されている情報は、陳腐化を防ぐため四半期に1度程度の頻度で各サービスのWebサイトがクローリングされる際に最新の情報として更新される。
【0026】
資格保有者情報格納DB530は、資格保有者数の情報を格納するデータベースである。資格保有者情報格納DB530に格納された情報は、社内のシステム等から抽出された情報であって、年に1度程度更新される。
【0027】
案件実績格納DB540は、過去の案件実績の情報を格納するデータベースである。案件実績格納DB540に格納された情報は、年に1度程度更新される。
【0028】
図2は、本発明の実施例に係るユーザ端末の利用者情報入力画面の表示例を示す構成図である。
図2において、ユーザ端末110の表示装置の利用者情報入力画面111は、利用者情報を入力する画面であって、登録ボタン112、利用者情報113を備える。利用者情報113は、クラウドサービスを利用する予定の利用者に関する情報であって、分野114、利用者名115、案件・プロジェクト名116、新規顧客/既存顧客117の項目から構成される。各項目には、ユーザの操作による情報がプルダウンにより入力される。例えば、分野114には、利用者が属する分野として、例えば、「金融」の情報が入力される。利用者名115には、利用者の名称として、例えば、「A銀行」の情報が入力される。案件・プロジェクト名116には、利用者がクラウドサービスを利用する予定の案件又はプロジェクト名として、例えば、「X提供システム」の情報が入力される。新規顧客/既存顧客117には、利用者が既存の顧客の場合、「既存顧客」の情報が入力される。利用者情報113の各項目に入力された情報は、利用者情報入力値として入力部200に入力され、登録ボタン112がオン操作された場合には、ユーザ端末110の記憶装置に保存される。
【0029】
図3は、本発明の実施例に係るユーザ端末の業務要件入力画面の表示例を示す構成図である。
図3において、ユーザ端末110の表示装置の業務要件入力画面121は、クラウドサービスを利用予定のシステム、例えば、A銀行のX提供システムの業務要件を入力する画面であって、登録ボタン122、システム概要123、システム要件130を備える。システム概要123は、システムの業務の概要を管理するためのシステム概要項目として、分野124、分野詳細125、システム種別126、構成127から構成される。システム要件130は、クラウドサービスを利用予定のシステム、例えば、A銀行のX提供システムのシステム要件を管理するためのシステム要件項目として、規模131、稼働時間132、稼働率133、セキュリティランク134、データ保管135、資格保持者136、must要件137から構成される。データ保管135は、データ保管に関する項目として、国内保管(業務データ)138、国内保管(派生データ)139、消去証明140、データセンタ所在地の明示141から構成される。資格保持者136は、資格保持者の要否を特定する項目として、ランク142、人数(以上)143から構成される。must要件137は、クラウド選択にあたって必ず考慮したいシステム評価レコードであって、項目144、対象145から構成される。各項目には、ユーザの操作による情報がプルダウンにより入力される。
【0030】
システム概要123の各システム概要項目には、システムの業務の概要を示すシステム概要情報が入力される。例えば、システム概要123の分野124には、クラウドサービスを利用予定のシステムが属する分野を特定する情報として、例えば、「金融」の情報が入力される。分野詳細125には、「金融」の詳細として、例えば、「銀行」の情報が入力される。システム種別126には、システムの種別を特定する情報として、例えば、「情報系」の情報が入力される。構成127には、システムの構成を特定する情報として、例えば、「Webapp」の情報が入力される。この際、入力部200は、システムの業務の概要を管理するための複数のシステム概要項目の各々についてシステムの業務の概要を示すシステム概要情報を入力するシステム概要情報入力部として構成される。
【0031】
システム要件130の各システム要件項目には、システムの要求を示すシステム要求情報が入力される。例えば、システム要件130の規模131には、システムの規模を示す情報が格納され、稼働時間132には、システムの稼働時間を示す情報として、例えば、「9-17」の情報が入力され、稼働率133には、システムの稼働率を示す情報として、例えば、「99.9」の情報が入力される。セキュリティランク134には、システムで採用すべきセキュリティのランク(レベル)を示す情報として、例えば、「SR1」の情報が入力される。データ保管135の各項目には、システムで必要な場合には、「要」の情報が入力され、システムで不要な場合には、「不要」の情報が入力される。資格保持者136のランク142には、システムで必要とされる資格保持者が、「プロ」である場合、「プロ」の情報が入力され、人数(以上)143には、システムで必要とされる「プロ」の人数が、「10人以上」である場合、「10」の情報が入力される。
【0032】
must条件137の項目144の複数のシステム評価レコードには、「可用性・信頼性」、「セキュリティ」、「認証」、「業務特性」、「過去実績」の情報が表示される。must条件137の対象145には、項目144のうち、システムで必要とされる項目(システムの評価の対象となる項目)に対して、「レ」の評価対象情報が入力される。入力画面121の各項目に入力された情報は、入力部200に入力され、登録ボタン122がオン操作された場合には、ユーザ端末110の記憶装置に保存される。この際、入力部200は、システムのシステム要件を管理するための複数のシステム要件項目の各々についてシステムの要求を示すシステム要求情報を入力するシステム要求情報入力部として構成される。また、入力部200は、複数のシステム評価レコードのうちシステムの評価の対象となるシステム評価レコードに評価対象情報を入力する評価対象情報入力部として構成される。
【0033】
図4は、本発明の実施例に係るユーザ端末の潜在需要入力画面の表示例を示す構成図である。
図4において、ユーザ端末110の表示装置の潜在需要入力画面161は、利用者の潜在需要に関する情報を入力する画面であって、登録ボタン162、利用者の潜在需要163を備える。利用者の潜在需要163は、利用者の潜在需要を管理するための潜在需要項目として、新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)164、積極性・興味165、ベンダロックの許容166、現行システムの利用OS(Operating System)167、調達方式168、体制169、クラウド実績170から構成される。積極性・興味165は、クラウド171、新技術172から構成される。体制169は、運用体制173、クラウド有識者有無174から構成される。クラウド実績170は、実績175、利用サービス176から構成される。各項目には、ユーザの操作により、利用者の潜在需要に繋がる潜在需要情報が、プルダウンにより入力される。
【0034】
新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)164には、クラウドサービスを利用予定のシステム(X提供システム)が、新規か、移行(単純リフト)か、或いは移行(刷新)かの中から選択されたもの、例えば、システムが、新規の場合、「新規」の潜在需要情報が入力される。また、システムが、単純にそのままクラウド上にリフトできるものである場合には、「移行(単純リフト)」の潜在需要情報が入力され、システムが、クラウド上に移行して全体の仕組みを刷新するものである場合には、「移行(刷新)」の潜在需要情報が入力される。
【0035】
積極性・興味165には、クラウド・新技術に対する利用者の積極性・興味の有無を示す情報として、例えば、利用者が、クラウド・新技術に積極性・興味がある場合、「あり」の潜在需要情報が入力される。ベンダロックの許容166には、ベンダロックイン(特定ベンダーの独自技術に大きく依存した製品、サービス、システム等を採用した際に、他ベンダーの提供する同種の製品、サービス、システム等への乗り換えが困難になる現象)が許容される利用者かどうかを示す情報として、例えば、ベンダロックインを許容できる利用者である場合には、「可能」の潜在需要情報が入力される。
【0036】
現行システムの利用OS167には、現行システムが利用しているOSの情報が潜在需要情報として入力される。調達方式168には、調達形態或いは調達方式の一例であって、入札価格だけでなく、技術提案(工事の質や内容等)も評価対象にする入札形式に関する潜在需要情報として、例えば、総合評価方式で入札する場合には、「総合評価方式(一括)」の情報が入力される。
【0037】
体制169の運用体制173には、利用者が属する組織の体制を示す潜在需要情報が入力される。クラウド有識者有無174には、利用者が属する組織の中に、クラウド有識者が存在するか否かを示す情報として、例えば、クラウド有識者が存在する場合、「あり」の情報が潜在需要情報として入力される。クラウド実績170の実績175には、利用者のクラウド利用実績の有無を示す情報として、例えば、利用者がクラウドを利用した実績がある場合、「あり」の情報が潜在需要情報として入力される。利用サービス176には、利用者が利用したクラウドサービスの情報として、例えば、「SA」の情報(クラウドサービスAを意味する略称)が入力される。入力画面161の各項目に入力された潜在需要情報は、入力部200に入力され、登録ボタン162がオン操作された場合には、ユーザ端末110の記憶装置に保存される。この際、入力部200は、利用者の潜在需要を管理するための複数の潜在需要項目の各々について利用者の潜在需要を示す潜在需要情報を入力する潜在需要入力部として構成される。
【0038】
図5は、本発明の実施例に係るユーザ端末のクラウドサービス候補出力画面の表示例を示す構成図である。
図5において、ユーザ端末110の表示装置のクラウドサービス候補出力画面178は、情報処理装置100で抽出されたクラウドサービスの候補を出力する画面であって、システム要件に基づく推奨クラウドサービス179、潜在需要に基づく推奨クラウドサービス180を備える。システム要件に基づく推奨クラウドサービス179は、推奨度181、コンピューティング182、データベース183から構成される。潜在需要に基づく推奨クラウドサービス180は、推奨度184、コンピューティング185、データベース186から構成される。
【0039】
システム要件に基づく推奨クラウドサービス179の推奨度181には、システム要件に基づく推奨クラウドサービスの推奨度を一意に識別する識別子の情報が、推奨度の高い順に数値で表示される。推奨度の最も高い、コンピューティング182には、例えば、「SA」の情報が表示され、推奨度の最も高い、データベース183には、例えば、「SC」の情報(クラウドサービスCを意味する略称)が表示される。
【0040】
潜在需要に基づく推奨クラウドサービス180の推奨度184には、潜在需要に基づく推奨クラウドサービスの推奨度を一意に識別する識別子の情報が、推奨度の高い順に数値で表示される。推奨度の最も高い、コンピューティング185には、例えば、「SB」の情報(クラウドサービスBを意味する略称)が表示され、推奨度の最も高い、データベース186には、例えば、「SE」の情報(クラウドサービスEを意味する略称)が表示される。この際、ユーザ端末110の表示装置は、システム要件に基づく推奨クラウドサービス179の情報(システム要件推奨クラウドサービス情報)と潜在需要に基づく推奨クラウドサービス180の情報(潜在需要評価結果要素別情報)を表示する表示部として構成される。
【0041】
図6は、本発明の実施例に係るユーザ端末の詳細情報出力画面の表示例を示す構成図である。
図6において、ユーザ端末110の表示装置の詳細情報出力画面187は、情報処理装置100で推奨されたクラウドサービスの詳細を表示する画面であって、選択したクラウドサービス188、詳細要件の対応状況189、類似の業務モデル190を備える。詳細要件の対応状況189は、項目191、小項目192、SA(クラウドサービスA)193から構成される。類似の業務モデル190は、構成194、Webapp195から構成される。
【0042】
選択したクラウドサービス188の表示ボックス188aには、例えば、「A銀行Xシステム」で推奨されたクラウドサービスとして、「SA」の情報が表示される。詳細要件の対応状況189の項目191には、推奨されたクラウドサービスにおける詳細要件の項目として、「可用性・信頼性」、「セキュリティ」、「業務特有」の情報が表示される。小項目192には、項目191の「可用性・信頼性」に対応して、「サービス時間」、「稼働率」、「DR(Disaster Recovery)」等が表示され、項目191の「セキュリティ」に対応して、「多要素認証」、「国内DC」、「ISMS認証」、「ISO/IEC27017」、「ISO/IEC27018」、「NIST SP800-171」等が表示され、項目191の「業務特有」に対応して、「FISC安全対策基準」、「PCI DSS」等が表示される。
【0043】
詳細要件の対応状況189のSA193には、小項目192の「サービス時間」に対応して、SAのサービス時間として、例えば、「24h365d以上」が表示され、小項目192の「稼働率」に対応して、SAの稼働率として、例えば、「99.9」が表示され、小項目192の「DR」に対応して、SAに「DR」がある場合、「有」が表示される。また、詳細要件の対応状況189のSA193には、小項目192の内容が存在する場合、小項目192の「多要素認証」、「国内DC」、「ISMS認証」、「ISO/IEC27017」、「ISO/IEC27018」、「NIST SP800-171」、「FISC安全対策基準」、「PCI DSS」に対応して、「有」が表示される。なお、小項目192の内容が存在しない場合には、「無」が表示される。
【0044】
類似の業務モデル190の構成194には、推奨クラウドサービスの選定で利用した類似の業務モデルの詳細を示す構成情報として、例えば、「参考費用」、「入力したシステムとの差分」が表示され、Webapp195には、「参考費用」と「入力したシステムとの差分」に関する情報が表示される。
【0045】
図7Aは、本発明の実施例に係る業務分野テーブルの構成例を示す構成図である。
図7Aにおいて、業務分野テーブル511は、システムの業務分野を管理するテーブルであって、システム概要項目として、業務分野511a、分野511b、分野詳細511c、システム種別511d、構成511eを備え、業務モデル格納DB510に格納される。業務分野テーブル511の各システム概要項目には、システムの過去の実績を反映させた業務分野の情報が業務情報として格納される。
【0046】
業務分野511aには、クラウドサービスを利用予定のシステム(X提供システム)の業務分野を一意に識別する識別情報として、例えば、「業務分野1」の情報が格納される。分野511bには、業務モデルの一般的な業務分野を示す情報として、例えば、「金融」が格納される。分野詳細511cには、業務モデルの詳細な情報として、例えば、分野511bの「金融」に対応して、「銀行」が格納される。システム種別511dには、業務分野に応じた情報システムの種別を表す情報として、例えば、「情報系」が格納される。構成511eには、例えば、情報システムが、Webサーバ、AP(Application)サーバ、DBサーバを有するWeb三層構造で構成されている場合、「Webapp」の情報が格納される。なお、業務分野テーブル511の業務分野511aにおける「業務分野1」の内容は、例えば、「A銀行Xシステム」に最も合致した業務分野の内容である。この際、業務分野テーブル511は、複数の業務分野の各々と複数のシステム概要項目とが対応づけて記憶され、各業務分野に対応した複数のシステム概要項目の各々に、各システム概要項目固有の業務情報が記憶された業務分野記憶部として構成される。
【0047】
図7Bは、本発明の実施例に係る業務モデルテーブルの構成例を示す構成図である。
図7Bにおいて、業務モデルテーブル512は、過去にパブリッククラウドを利用したシステムであって、業務分野テーブル511の業務分野511aにおける「業務分野1」に合致したシステムの実績を業務モデルとして反映させた情報を管理するテーブルである。この業務モデルテーブル512は、システム要件項目として、モデル512a、規模512b、稼働時間512c、稼働率512d、セキュリティランク512e、データセンタ所在地の明確化512fを備え、業務モデル格納DB510に格納される。業務モデルテーブル512の各システム要件項目には、各システム要求項目固有のモデル仕様情報が記憶される。
【0048】
モデル512aには、過去にパブリッククラウドを利用したシステムの実績が反映された業務モデルを一意に識別する識別情報として、例えば、「モデル1」が格納される。規模512bには、システムを利用した人数に関する情報として、例えば、システムを利用したユーザが100人である場合、「100ユーザ」が格納される。稼働時間512cには、システムの稼働時間として、例えば、「9-17」が格納される。稼働率512dには、システムの稼働率として、例えば、「99.9以上」が格納される。セキュリティランク512eには、例えば、取り扱うデータを種類と提供先によって分類し、分類されたデータのセキュリティを、3段階にランク付けした場合、3段階のいずれかのランクを示す情報として、「SR1」が格納される。データセンタ所在地の明確化512fには、データセンタ所在地を明確化する必要があるか否かを示す情報として、例えば、不要の場合には、「不要」が格納される。なお、業務モデルテーブル512は、業務分野テーブル511の業務分野511aに記録された業務分野の数だけ存在する。この際、業務モデルテーブル512は、各業務分野に属する複数の業務モデルの各々と複数のシステム要件項目とが対応づけて記憶され、各業務モデルに対応した複数のシステム要件項目の各々に、各システム要求項目固有のモデル仕様情報が記憶された業務モデル記憶部として構成される。
【0049】
図7Cは、本発明の実施例に係る構成要素テーブルの構成例を示す構成図である。
図7Cにおいて、構成要素テーブル513は、業務モデルテーブル512のモデル512aにおける「モデル1」を構成する要素を管理するテーブルであって、要素513a、構成513bから構成され、業務モデル格納DB510に格納される。要素513aには、「モデル1」を構成する要素を識別する識別情報として、例えば、「要素1」、「要素2」が格納される。構成513bには、「要素1」に対応して、「コンピューティング」が格納され、「要素2」に対応して、「データベース」が格納される。なお、構成要素テーブル513は、各業務モデルテーブル512のモデル512aに記録されたモデルの数だけ存在する。
【0050】
図7Dは、本発明の実施例に係る詳細情報テーブルの構成例を示す構成図である。
図7Dにおいて、詳細情報テーブル514は、業務モデルテーブル512のモデル512aにおける「モデル1」の構成と費用を管理するテーブルであって、モデル名514a、構成514b、費用514cから構成され、業務モデル格納DB510に格納される。
【0051】
モデル名514aには、過去にパブリッククラウドを利用したシステムの実績が反映された業務モデルを一意に識別する識別情報として、例えば、「モデル1」が格納される。構成514bには、「モデル1」の元となった案件の構成に関する情報として、例えば、「SA」が格納される。費用514cには、「モデル1」の元となった案件で実際に発生した費用に関する情報として、例えば、「XXX/月」が格納される。なお、詳細情報テーブル514は、各業務モデルテーブル512のモデル512aに記録されたモデルの数だけ存在する。
【0052】
図8は、本発明の実施例に係る要件テーブルの構成例を示す構成図である。
図8において、案件テーブル515は、業務モデル1の元となった案件の要件情報を管理するテーブルであって、業務モデル1の構成要素テーブル513で列挙された要素毎(要素1、要素2)に存在するテーブルである。この際、案件テーブル515は、例えば、「A銀行のX提供システム」に最も合致した業務モデルとして抽出された業務モデル1の構成要素を管理する構成要素テーブル513のうち「要素1」に対応した「コンピューティング」の例を示すテーブルである。案件テーブル515は、カラムとして項目515a、小項目515b、要求値515cを備え、業務モデル格納DB510に格納される。
【0053】
項目515aのシステム評価レコード515d、515e、515fには、それぞれ「可用性・信頼性」「セキュリティ」「業務特有」の情報が格納される。小項目515bには、項目515aの「可用性・信頼性」に対応して、「サービス時間」「稼働率」「DR」等が格納される。また、小項目515bには、項目515aの「セキュリティ」に対応して、「多要素認証」「ISMS認証」「ISO/IEC27017」「ISO/IEC27018」「NIST SP800-171」等が格納さる。また、小項目515bには、項目515aの「業務特有」に対応して、「ISMAP」「FISC安全対策基準」「PCI DSS」等が格納される。
【0054】
要求値515cには、小項目515bの「サービス時間」に対応して、「コンピューティング」のサービス時間として、例えば、「9-17以上」が格納され、小項目515bの「稼働率」に対応して、「コンピューティング」の稼働率として、例えば、「99.9以上」が格納され、小項目515bの「DR」に対応して、「コンピューティング」に「DR」がある場合、「有」が格納される。また、要求値515cには、セキュリティ515e及び業務特有515fに対応した小項目515bの内容の有無を示す情報として、小項目515bの「多要素認証」「ISMS認証」「ISO/IEC27017」「ISO/IEC27018」「NIST SP800-171」「ISMAP」「FISC安全対策基準」「PCI DSS」に対応して、「有」又は「無」が格納される。
【0055】
図9は、本発明の実施例に係るシステム要件対応状況テーブルの構成例を示す構成図である。
図9において、システム要件対応状況テーブル521は、複数の要素のうちコンピューティングに関するシステム要件の対応状況を評価したパブリッククラウド情報を管理するテーブルであって、カラムとして項目521a、小項目521b、VA521cを備え、クラウドサービス情報格納DB520に格納される。VA521cは、クラウドベンダの名称(クラウドベンダAを意味する略称)が格納されるクラウドベンダカラムであり、クラウドサービス、例えば、SA(クラウドサービスAを意味する略称)等が格納される複数のクラウドサービスカラムから構成される。各項目は、要件テーブル515と同様に、クラウドサービスを評価する際に必要な具体的な要件を表している。このシステム要件対応状況テーブル521には、クラウドサービス毎に各項目の対応状況の情報が格納される。
【0056】
項目521aのシステム要件レコード521d、521e、521fには、それぞれ「可用性・信頼性」「セキュリティ」「業務特有」の情報が格納される。小項目521bには、項目521aの「可用性・信頼性」に対応して、「サービス時間」「稼働率」「DR」等が格納される。また、小項目521bには、項目521aの「セキュリティ」に対応して、「多要素認証」「ISMS認証」「ISO/IEC27017」「ISO/IEC27018」「NIST SP800-171」等が格納さる。また、小項目521bには、項目521aの「業務特有」に対応して、「ISMAP」「FISC安全対策基準」「PCI DSS」等が格納される。
【0057】
クラウドベンダのVA521cのSA(クラウドサービス)には、小項目521bの「サービス時間」に対応して、「システム要件」のサービス時間として、例えば、「24h365d以上」が、クラウドサービスの仕様情報として格納され、小項目521bの「稼働率」に対応して、「システム要件」の稼働率として、例えば、「99.9以上」が、クラウドサービスの仕様情報として格納され、小項目521bの「DR」に対応して、「システム要件」に「DR」がある場合、「有」が、クラウドサービスの仕様情報として格納される。また、VA521cには、「セキュリティ」及び「業務特有」に対応した小項目521bの内容の有無を示す情報として、小項目521bの「多要素認証」「ISMS認証」「ISO/IEC27017」「ISO/IEC27018」「NIST SP800-171」「ISMAP」「FISC安全対策基準」「PCI DSS」に対応して、「有」又は「無」が、クラウドサービスの仕様情報として格納される。なお、システム要件対応状況テーブルとしては、複数の要素のうちデータベースに関するものもシステム要件対応状況テーブル521と同様に構成することができる。この際、システム要件対応状況テーブル521は、複数のクラウドサービスの各々を管理するための複数のクラウドサービスカラムとシステムを評価するための複数のシステム評価レコードとが各要素に対応づけて記憶され、各クラウドサービスカラムに対応した各システム評価レコードに、各クラウドサービの仕様を示す仕様情報が記憶されたシステム要件記憶部として構成される。
【0058】
図10Aは、本発明の実施例に係るシステム要件評価結果テーブルの構成例を示す構成図である。
図10Aにおいて、システム要件評価結果テーブル522は、複数の要素のうちコンピューティングに関して、要件テーブル515とシステム要件対応状況テーブル521との比較結果を記録するテーブルであって、カラムとして、項目522a、小項目522b、VA(クラウドベンダ)522cを備え、クラウドサービス情報格納DB520に格納される。VA522cは、クラウドサービス、例えば、SA等が格納される複数のクラウドサービスカラムから構成される。項目522a、小項目522bは、要件テーブル515及びシステム要件対応状況テーブル521と同じである。VA522cは、システム要件対応状況テーブル521とは異なり、VA522cには、各項目の評価値を示す情報として「1」又は「0」が格納される。この際、VA522cの各項目には、要件テーブル515とシステム要件対応状況テーブル521との比較結果が一致した場合、「1」の情報が格納され、両者の比較結果が不一致の場合には、「0」の情報が格納される。VA522cには、各項目に関して、パブリッククラウドサービス毎の評価値の情報が格納される。これらの情報は、例えば、「A銀行のX提供システム」の推奨クラウドサービス選定に利用される。なお、システム要件対応状況テーブルとしては、複数の要素のうちデータベースに関するものもシステム要件評価結果テーブル522と同様に構成することができる。
【0059】
図10Bは、本発明の実施例に係るシステム要件評価結果合計得点テーブルの構成例を示す構成図である。
図10Bにおいて、システム要件評価結果合計得点テーブル523は、サービス毎の評価値を合計して管理するテーブルであって、システム要件評価結果合計得点情報を格納する項目として、サービス名523a、システム要件合計得点523bを備え、クラウドサービス情報格納DB520に格納される。
【0060】
サービス名523aには、クラウドサービスを識別する情報、例えば、「SA」が格納される。システム要件合計得点523bには、クラウドサービス毎の評価値の合計得点であって、システム要件評価結果テーブル522に記録された評価値の合計得点を示す情報、例えば、「20」が格納される。この場合は、「A銀行のX提供システム」のコンピューティング要素の推奨クラウドサービスとして、システム要件の合計得点が最も高い、「SA」が選定された例である。なお、システム要件評価結果合計得点テーブルとしては、複数の要素のうちデータベースに関するものもシステム要件評価結果合計得点テーブル523と同様に構成することができる。
【0061】
図11Aは、本発明の実施例に係る資格保有者情報テーブルの構成例を示す構成図である。
図11Aにおいて、資格保有者情報テーブル531は、社内で各クラウドベンダの資格を保有する人員数の情報を資格レベル毎に記録して管理するテーブルであって、クラウドベンダ531a、プラクティショナー(初級)531b、アソシエイト(中級)531c、プロフェッショナル(上級)531d、その他(専門系)531eを備え、資格保有者情報格納DB530に格納される。
【0062】
クラウドベンダ531aには、クラウドベンダを識別する識別情報、例えば、「VA」が格納される。プラクティショナー(初級)531b、アソシエイト(中級)531c、プロフェッショナル(上級)531d、その他(専門系)531eには、それぞれ各クラウドベンダの資格を保有する人員数の情報が資格レベル毎に格納される。
【0063】
図11Bは、本発明の実施例に係る資格保有者情報テーブルの他の構成例を示す構成図である。
図11Bにおいて、資格保有者情報テーブル532は、各クラウドベンダの資格を保有する人員数の情報を社内の部門毎に記録して管理するテーブルであって、部門532a、プラクティショナー(初級)532b、アソシエイト(中級)532c、プロフェッショナル(上級)532d、その他(専門系)532eを備え、資格保有者情報格納DB530に格納される。
【0064】
部門532aには、各クラウドベンダの資格を保有する人が所属する部門を識別する識別情報が格納される。プラクティショナー(初級)532b、アソシエイト(中級)532c、プロフェッショナル(上級)532d、その他(専門系)532eには、それぞれ各クラウドベンダの資格を保有する人員数の情報が資格レベル毎に格納される。
【0065】
図12は、本発明の実施例に係る潜在需要評価テーブルの構成例を示す構成図である。
図12において、潜在需要評価テーブル524は、クラウドサービス情報格納DB520に格納されるテーブルであって、潜在需要入力画面161の入力値として選択されたか否かを管理するテーブルである。この潜在需要評価テーブル524は、カラムとして、項目524a、選択肢524b、評価524cを備える。
【0066】
項目524aの潜在需要評価レコード(潜在需要項目に相当するレコード)524d、524e、524f、524gには、それぞれ「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」「積極性・興味」「クラウド有識者」「利用実績」の情報が格納される。潜在需要評価レコード524eは、クラウドレコード524h、新技術レコード524iから構成される。潜在需要評価レコード524fは、クラウドベンダレコード524jを備え、潜在需要評価レコード524gは、クラウドベンダレコード524kを備える。
【0067】
選択肢524bの潜在需要評価レコード524dには、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」に対応して、「新規」「移行(単純リフト)」「移行(刷新)」の情報が格納され、これらの項目に対応した評価524cには、各項目が、潜在需要入力画面161の入力値として選択された場合には、「1」の情報が格納され、潜在需要入力画面161の入力値として選択されない場合には、「0」の情報が格納される。例えば、「A銀行のX提供システム」が、新規のシステムである場合、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」のうち、「新規」には、「1」の情報が格納され、「移行(単純リフト)」と「移行(刷新)」には、「0」の情報が格納される。
【0068】
また、選択肢524bの潜在需要評価レコード524e~524gには、クラウドレコード524h、新技術レコード524i、クラウドベンダレコード524j、クラウドベンダレコード524kにそれぞれ対応して、「あり」、「なし」の情報が格納される。これらのレコードに対応した評価524cには、各レコードが、潜在需要入力画面161の入力値として選択された場合には、「1」の情報が評価値として格納され、潜在需要入力画面161の入力値として選択されない場合には、「0」の情報が評価値として格納される。
【0069】
図13は、本発明の実施例に係る潜在需要評価基準テーブルの構成例を示す構成図である。
図13において、潜在需要評価基準テーブル525は、クラウドサービス情報格納DB520に格納されるテーブルであって、潜在需要入力画面161の選択肢の評価基準値を各要素及び各サービス別に登録して管理するテーブルである。この潜在需要評価基準テーブル525は、カラムとして、項目525a、選択肢525b、得点525cを備え、得点525cは、コンピューティング525d、データベース525eから構成される。
【0070】
項目525aの潜在需要評価レコード(潜在需要項目に相当するレコード)525f、525g、525h、525hiには、それぞれ「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」「積極性・興味」「クラウド有識者」「利用実績」の情報が格納される。潜在需要評価レコード525gは、クラウドレコード525j、新技術レコード525kから構成される。潜在需要評価レコード525hは、クラウドベンダレコード525mを備え、潜在需要評価レコード525iは、クラウドベンダレコード525nを備える。
【0071】
選択肢525bの潜在需要評価レコード525fには、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」に対応して、「新規」「移行(単純リフト)」「移行(刷新)」の情報が格納される。これらのレコードに対応した得点525cのうち、コンピューティング525dのクラウドサービスであるSA525p、SB525qには、評価基準値が記録され、データベース525eのクラウドサービスであるSC525rには、評価基準値が記録される。
【0072】
また、選択肢525bのクラウドレコード525j、新技術レコード525k、クラウドベンダレコード525m、525nにそれぞれ対応して、クラウド、新技術、クラウドベンダの有無を示す情報として、「あり」「なし」の情報が格納される。これらのレコードに対応した得点525cのうち、コンピューティング525dのクラウドサービスであるSA525p、SB525qには、評価基準値が記録され、データベース525eのクラウドサービスであるSC525rには、評価基準値が記録される。
【0073】
各レコードに記録された評価基準値は、以降の評価に当たっての基準値となる。例えば、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」のレコードに関して、コンピューティング525dに属するクラウドの各サービス同士を比較すると、「新規」の場合には、両者のサービスは、共に、評価基準値が「2」で同率である。しかし、「移行(単純リフト)」の場合には、クラウドサービス「SA」は、評価基準値が「3」であるのに対して、クラウドサービス「SB」は、評価基準値が「1」であり、クラウドサービス「SA」の方が、推奨されるクラウドサービスであることになる。一方、「移行(刷新)」の場合には、クラウドサービス「SA」は、評価基準値が「1」であるのに対して、クラウドサービス「SB」は、評価基準値が「3」であり、クラウドサービス「SB」の方が、推奨されるクラウドサービスであることになる。なお、評価基準値は、市場の動向により変化するので、随時市場の動向に合わせて更新される。
【0074】
図14は、本発明の実施例に係る潜在需要評価結果テーブルの構成例を示す構成図である。
図14において、潜在需要評価結果テーブル526は、クラウドサービス情報格納DB520に格納されるテーブルであって、潜在需要入力画面161で入力された入力値に基づいて各サービスを評価した値を記録するテーブルである。潜在需要評価結果テーブル526は、カラムとして、項目526a、選択肢526b、得点526cを備え、得点526cは、コンピューティング526d、データベース526eから構成される。
【0075】
項目526aの潜在需要評価レコード(潜在需要項目に相当するレコード)526f、526g、526h、526iには、それぞれ「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」「積極性・興味」「クラウド有識者」「利用実績」の情報が格納される。潜在需要評価レコード526gは、クラウドレコード526j、新技術レコード526kから構成される。潜在需要評価レコード526hは、クラウドベンダレコード526mを備え、潜在需要評価レコード526iは、クラウドベンダレコード526nを備える。
【0076】
選択肢526bの潜在需要評価レコード526fには、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」に対応して、「新規」「移行(単純リフト)」「移行(刷新)」の情報が格納される。これらのレコードに対応した得点526cのうち、コンピューティング526dのクラウドサービスであるSA526p、SB526qには、潜在需要評価基準テーブル525(
図13)のサービスカラム毎に潜在需要評価テーブル524(
図12)のサービスカラム毎の値をかけた値が記録され、データベース526eのクラウドサービスであるSC526rには、潜在需要評価基準テーブル525(
図13)のサービスカラム毎に潜在需要評価テーブル524のサービスカラム毎の値をかけた値が記録される。
【0077】
例えば、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」のうち「新規」の場合には、潜在需要評価テーブル524の評価524cは、「1」であり、潜在需要評価基準テーブル525(
図13)のSA525p、SB525qの得点は、それぞれ「2」であり、両者を掛けると、それぞれ「2」となる。この値=「2」が、コンピューティング526dのクラウドサービスのSA526p、SB526qにおける得点になる。また、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」のうち「移行(単純リフト)」の場合には、潜在需要評価テーブル524(
図12)の評価524cは、「0」であり、潜在需要評価基準テーブル525(
図13)のクラウドサービスであるSA525p、SB525qの得点は、それぞれ「3」と「1」であり、両者を掛けると、それぞれ「0」となる。この値=「0」が、コンピューティング526dのクラウドサービスであるSA526p、SB526qにおける得点になる。
【0078】
同様に、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」のうち「移行(刷新)」の場合には、潜在需要評価テーブル524(
図12)の評価524cは、「0」であり、潜在需要評価基準テーブル525(
図13)のクラウドサービスであるSA525p、SB525qの得点は、それぞれ「1」と「3」であり、両者を掛けると、それぞれ「0」となる。この値=「0」が、コンピューティング526dのクラウドサービスであるSA526p、SB526qにおける得点になる。
【0079】
また、選択肢526bのクラウドレコード526j、新技術レコード526k、クラウドベンダレコード526m、526nにそれぞれ対応して、クラウド、新技術、クラウドベンダの有無を示す情報として、「あり」「なし」の情報が格納される。これらのレコードに対応した得点526cのうち、コンピューティング526dのクラウドサービスであるSA526p、SB526qには、潜在需要評価基準テーブル525のサービスカラム毎に潜在需要評価テーブル524のサービスカラム毎の値をかけた値が記録され、データベース526eのクラウドサービスであるSC526rには、潜在需要評価基準テーブル525のサービスカラム毎に潜在需要評価テーブル524のサービスカラム毎の値をかけた値が記録される。
【0080】
図15Aは、本発明の実施例に係るコンピューティングテーブルの構成例を示す構成図である。
図15Aにおいて、評価結果要素別テーブルに属するコンピューティングテーブル527は、利用者の潜在需要に基づく評価結果を要素別に管理するテーブルであって、潜在需要評価結果テーブル526のうちコンピューティングに関する情報を要素・サービス毎に纏めて記録したテーブルである。このコンピューティングテーブル527は、潜在需要評価結果要素別情報を格納する項目として、クラウド527a、サービス527b、潜在需要に基づく合計点数527cを備える。
【0081】
クラウド527aには、クラウドベンダを識別する識別情報が格納される。サービス527bには、クラウドベンダが提供するサービス(クラウドサービス)を識別する識別情報が格納される。潜在需要に基づく合計点数527cには、潜在需要評価結果テーブル526のうちコンピューティング526dの得点を合計した値がクラウド毎に格納される。
【0082】
図15Bは、本発明の実施例に係るデータベーステーブルの構成例を示す構成図である。
図15Bにおいて、評価結果要素別テーブルに属するデータベーステーブル528は、利用者の潜在需要に基づく評価結果を要素別に管理するテーブルであって、潜在需要評価結果テーブル526のうちデータベースに関する情報を要素・サービス毎に纏めて記録したテーブルである。このデータベーステーブル528は、潜在需要評価結果要素別情報を格納する項目として、クラウド528a、サービス528b、潜在需要に基づく合計点数528cを備える。
【0083】
クラウド528aには、クラウドベンダを識別する識別情報が格納される。サービス528bには、クラウドベンダが提供するサービス(クラウドサービス)を識別する識別情報が格納される。潜在需要に基づく合計点数528cには、潜在需要評価結果テーブル526のうちデータベース526eの得点を合計した値がクラウド毎に格納される。
【0084】
図16は、本発明の実施例に係る案件実績情報テーブルの構成例を示す構成図である。
図16において、案件実績情報テーブル541は、案件実績格納DB540に格納されるテーブルであって、社内のシステムから定期的にアップデートされた案件の実績を記録して管理するテーブルである。この案件実績情報テーブル541は、分野541a、顧客名541b、案件名541c、クラウドベンダ541d、詳細情報541eを備える。
【0085】
分野541aには、業務モデルの一般的な業務分野を示す情報として、例えば、「金融」が格納される。顧客名541bには、クラウドサービスを利用する顧客の名称を示す情報が格納される。案件名541cには、クラウドサービスを利用するシステムの案件の名称を示す情報が格納される。クラウドベンダ541dには、クラウドサービスを提供するクラウドベンダを識別する識別情報が格納される。詳細情報541eには、案件やクラウドベンダの詳細を示す情報が格納される。
【0086】
図17は、本発明の実施例に係る情報処理装置による処理の概略を説明するためのフローチャートである。
図17において、情報処理装置100において、入力部200は、ユーザ端末110からの情報を入力し、入力した情報を業務モデル抽出処理部410と評価前提算出処理部430及び潜在需要評価処理部440に転送する(S11)。次に、業務モデル抽出処理部410は、入力部200から転送された情報を基に、システム概要や明文化された要件に基づいた類似の業務モデルを選定する(S12)。次に、評価前提算出処理部430は、入力部200から転送された情報を基に、サービス評価の前提を算出する(S13)。システム要件評価処理部420は、入力部200から転送された情報を基に、システム概要や明文化された要件に基づいたサービス(クラウドサービス)を抽出するための処理を実行する(S14)。潜在需要評価処理部440は、ユーザ端末110からの情報を基に、利用者の潜在的な需要・特性に基づいたサービス(クラウドサービス)を抽出するための処理を実行する(S15)。出力部300は、ステップS14、S15で、抽出されたサービス(クラウドサービス)を表示するための処理を実行し、処理結果をユーザ端末110の表示装置の画面に表示させる(S16)。この後、情報処理装置100は、このルーチンでの処理を終了する。
【0087】
図18は、本発明の実施例に係る入力部の処理を説明するためのフローチャートである。
図18において、入力部200は、ユーザ端末110の表示装置に利用者情報入力画面111を表示する(S21)。入力部200は、ユーザの操作により、ユーザ端末110の利用者情報入力画面111から、4項目(「分野」「利用者名」「案件・プロジェクト名」「新規顧客/既存顧客」)の情報が全て入力されることを確認する(S22)。なお、入力部200は、未入力の項目がある場合には、次の処理に移行することなく、ユーザ端末110の表示装置に入力を促すエラー画面をポップアップ表示する。
【0088】
入力部200は、ユーザ端末110の利用者情報入力画面111から、4項目の情報が全て入力されたことを条件に、入力された4項目の情報(利用者情報)を潜在需要評価処理部440に送信すると共に、ユーザ端末110の表示装置に利用者情報入力完了画面を表示する(S23)。
【0089】
次に、入力部200は、ユーザ端末110の表示装置に、システム概要123とシステム要件130を含む業務要件入力画面121を表示する(S24)。この後、入力部200は、ユーザの操作により、ユーザ端末110の業務要件入力画面121から、システム概要123に属する4項目(「分野」「分野詳細」「システム種別」「構成」)の情報が全て入力されると共に、システム要件130に属する1項目以上の情報が入力されるのを確認する(S25)。なお、入力部200は、未入力の項目がある場合には、次の処理に移行することなく、ユーザ端末110の表示装置に入力を促すエラー画面をポップアップ表示する。
【0090】
次に、入力部200は、ユーザ端末110の業務要件入力画面121から、システム概要123に属する4項目の情報が全て入力されると共に、システム要件130に属する1項目以上の情報が入力されたことを条件に、ユーザ端末110の表示装置に、システム概要、システム要件入力完了画面を表示する(S26)。
【0091】
次に、入力部200は、ユーザ端末110の業務要件入力画面121から入力された情報を業務モデル抽出処理部410に転送し(S27)、その後、ユーザ端末110の表示装置に、利用者の潜在需要入力画面161を表示する(S28)。この際、業務モデル抽出処理部410は、入力部200から転送された情報を基に処理を実行する。
【0092】
次に、入力部200は、ユーザの操作により、ユーザ端末110の潜在需要入力画面161から、利用者の潜在需要163に属する10項目(「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」「積極性・興味の「クラウド」」「積極性・興味の「新技術」」「ベンダロックの許容」「現行システムの利用OS」「調達方式」「体制の「運用体制」」「体制の「クラウド有識者有無」」「クラウド実績の「実績」」「クラウド実績の「利用サービス」」)が全て入力されることを確認する(S29)。なお、入力部200は、未入力の項目がある場合には、次の処理に移行することなく、ユーザ端末110の表示装置に入力を促すエラー画面をポップアップ表示する。
【0093】
次に、入力部200は、ユーザ端末110の潜在需要入力画面161から、利用者の潜在需要163に属する10項目の情報が全て入力されたことを条件に、ユーザ端末110の表示装置に、利用者の潜在需要入力完了画面を表示し(S30)、入力された情報を潜在需要評価部440に転送する(S31)。この際、潜在需要評価部440は、入力部200から転送された情報を基に処理を実行する。その後、入力部200は、このルーチンでの処理を終了する。
【0094】
図19は、本発明の実施例に係る業務モデル抽出処理部の処理を説明するためのフローチャートである。
図19において、業務モデル抽出処理部410は、業務モデル格納DB510から、業務要件入力画面121で入力された入力値のうちシステム概要入力値(システム概要123に属する4項目の情報「分野」「分野詳細」「システム種別」「構成」)を基に業務分野テーブル511を参照し(S41)、システム概要入力値に全て一致する業務分野が業務分野テーブル511の中にあるか否かを判定する(S42)。
【0095】
業務モデル抽出処理部410は、ステップS42で否定の判定結果を得た場合(NO)、すなわち、システム概要入力値に全て一致する業務分野が業務分野テーブル511の中に存在しない場合には、業務分野テーブル511の中から、システム概要入力値と「分野」「分野詳細」が一致し、システム概要入力値と「システム種別」「構成」のうちいずれかが一致する業務分野を抽出し(S43)、不一致となった項目、差分の内容を出力部300に送信する(S44)。すなわち、業務分野テーブル511の中にシステム概要入力値と完全に一致する業務分野がない場合には、分野、分野詳細が一致し、システム種別、構成の内いずれかが一致する業務分野を抽出する。
【0096】
一方、業務モデル抽出処理部410は、ステップS42で肯定の判定結果を得た場合(YES)、すなわち、システム概要入力値に全て一致する業務分野が業務分野テーブル511の中に存在する場合には、業務分野テーブル511から、システム概要入力値に全て一致する業務分野を抽出し、抽出した業務分野に属する業務モデルを記録する業務モデルテーブル512を業務モデル格納DB510から抽出する(S45)。例えば、業務要件入力画面121で入力されたシステム概要入力値が、業務分野テーブル511の中の「業務分野1」と全て一致した場合、「業務分野1」の業務モデルテーブル512が抽出される。また、業務モデル抽出処理部410は、ステップS45では、ステップS43で抽出した業務分野の業務モデルテーブル(ステップS43で抽出した業務分野に属する業務モデルを記録する業務モデルテーブル)を業務モデル格納DB510から抽出する。
【0097】
次に、業務モデル抽出処理部410は、業務要件入力画面121で入力されたシステム要件入力値(システム要件130の項目)を基に、例えば、業務モデルテーブル512を参照し(S46)、業務モデルテーブル512の中にシステム要件入力値に一致する業務モデルがあるか否かを判定する(S47)。なお、業務モデル抽出処理部410は、業務要件入力画面121で入力されたシステム要件入力値(システム要件130の項目)を基に、ステップS43又はステップS45で抽出された業務モデルテーブルを参照し、ステップS43又はステップS45で抽出された業務モデルテーブルの中にシステム要件入力値に一致する業務モデルがあるか否かを判定する。
【0098】
業務モデル抽出処理部410は、ステップS47で否定の判定結果を得た場合(NO)、例えば、業務モデルテーブル512の中にシステム要件入力値に一致する業務モデルが存在しない場合には、業務モデルテーブル512の中から、システム要件入力値に最も一致率の高い業務モデルを抽出する(S48)。なお、業務モデル抽出処理部410は、ステップS47では、ステップS43又はステップS45で抽出された業務モデルテーブルの中にシステム要件入力値に一致する業務モデルが存在しない場合には、ステップS43又はステップS45で抽出された業務モデルテーブルの中から、システム要件入力値に最も一致率の高い業務モデルを抽出する。その後、業務モデル抽出処理部410は、不一致となった項目、差分の内容を出力部300に送信する(S49)。すなわち、業務モデルテーブル512、或いはステップS43又はステップS45で抽出された業務モデルテーブルの中に、システム要件入力値に完全に一致する業務モデルがない場合には、最も一致率の高い業務モデルを抽出し、不一致となった項目、差分の内容を出力部300に送信する。
【0099】
一方、業務モデル抽出処理部410は、ステップS47で肯定の判定結果を得た場合(YES)、すなわち、業務モデルテーブル512の中にシステム要件入力値に完全に一致する業務モデルが存在する場合には、業務モデルテーブル512の中からシステム要件入力値に完全に一致する業務モデルとして、例えば、「業務モデル1」を抽出し、抽出した業務モデル1の構成要素テーブル513及び詳細情報テーブル514を業務モデル格納DB510から抽出し、抽出した各テーブルの情報をシステム要件評価処理部420に送信する(S50)。また、業務モデル抽出処理部410は、ステップS50では、ステップS48で抽出した業務モデルの構成要素テーブル及び詳細情報テーブルを業務モデル格納DB510から抽出し、抽出した各テーブルの情報をシステム要件評価処理部420に送信し、その後、このルーチンでの処理を終了する。
【0100】
本実施例において、業務モデル抽出処理部410は、入力部(システム概要情報入力部)200によりシステム概要情報が入力された各システム概要項目のうち少なくとも一部のシステム概要項目に属するシステム業務情報が一致する業務分野を業務分野テーブル(業務分野記憶部)511から抽出する業務分野抽出部として構成される。また、業務モデル抽出処理部410は、入力部(システム概要情報入力部)200によりシステム要求情報が入力された各システム要件項目のうち少なくとも一部のシステム要件項目に属するシステム要求情報が一致する業務モデルを業務モデルテーブル(業務モデル記憶部)512から抽出すると共に、各要素と業務モデルとの関係を特定する業務モデル詳細情報514を生成する。
【0101】
図20は、本発明の実施例に係る評価前提算出処理部の処理を説明するためのフローチャートである。
図20において、評価前提算出処理部430は、業務要件入力画面121で表示されたシステム要件130の複数の項目のうち、ユーザの操作により情報が入力された項目(システム要件入力値の項目)をmust項目として、must項目の情報をシステム要件評価処理部420に送信し(S61)、その後、このルーチンでの処理を終了する。
【0102】
図21は、本発明の実施例に係るシステム要件評価処理部の処理を説明するためのフローチャートである。この処理は、システム概要・システム要件に基づきパブリッククラウドを評価する例である。
図21において、システム要件評価処理部420は、クラウドサービス情報格納DB520のシステム要件対応状況テーブル521から、評価前提算出処理部430より送信されたmust項目(「可用性・信頼性」「セキュリティ」「業務特有」)を満たすクラウドサービスを2以上全て抽出し(S71)、must項目の中に資格保持者数の項目(資格保持者136の人数(以上)143)が有るか否かを判定する(S72)。
【0103】
システム要件評価処理部420は、ステップS72で否定の判定結果を得た場合(NO)、すなわち、must項目の中に資格保持者数の入力が無い場合には、ステップS74の処理に移行し、ステップS72で肯定の判定結果を得た場合(YES)、すなわち、must項目の中に資格保持者数の入力が有る場合には、全社用の資格保有者情報テーブル531を参照し、資格保有者情報テーブル531の中から、must項目に記録された資格保有者数(例えば、プロフェッショナル以上10名)を満たすクラウドベンダを2以上抽出する(S73)。
【0104】
この際、システム要件評価処理部420は、業務モデル抽出処理部410から送信されたテーブル(
図19のステップS50で送信されたテーブル)として、例えば、「業務分野1」の業務モデルテーブル512に属する「業務モデル1」の構成要素テーブル513と「業務モデル1」の詳細情報テーブル514を受信した場合、構成要素テーブル513の「要素1」に対応した「コンピューティング」の情報と、詳細情報テーブル514の「モデル1」に対応したレコードの情報を基に、要件テーブル515とシステム要件対応状況テーブル521を参照する。システム要件評価処理部420は、要求値として、システム要件対応状況テーブル521の各レコードと要件テーブル515の各レコードとを比較し、システム要件対応状況テーブル521のレコードの情報が、要件テーブル515のレコードの情報を満たす場合、この比較結果を「1」として、システム要件評価結果テーブル522のカラムに記録する。なお、システム要件対応状況テーブル521のレコードの情報が、要件テーブル515のレコードの情報を満たさない場合には、この比較結果を「0」として、システム要件評価結果テーブル522のカラムに記録する。
【0105】
次に、システム要件評価処理部420は、システム要件評価結果テーブル522の各カラムに比較結果が記録されたことを条件に、システム要件評価結果テーブル522から、ステップS71で抽出したクラウドサービスとステップS73で抽出したクラウドベンダに属するクラウドサービスの要素別(「コンピューティング」「データベース」)の評価値を抽出して合計する(S74)。例えば、コンピューティングに関して、システム要件評価結果テーブル522における可用性・信頼性522dに属する各項目(「サービス時間」「稼働率」「DR」)の評価値(「1」「1」「1」)、セキュリティ522eに属する各項目(「多要素認証」「ISMS 認証」「ISO/IEC 27017」「ISO/IEC 27018」「NIST SP800-171」)の評価値(「1」「1」「1」「1」「1」)、業務特有522fに属する各項目(「ISMAP」「FISC安全対策基準」「PCI DSS」)の評価値(「1」「0」「0」)を抽出して合計する。
【0106】
次に、システム要件評価処理部420は、ステップS74で抽出された各クラウドサービスの合計(要素別の評価値の合計)を、システム要件合計得点(合計評価点数)としてそれぞれシステム要件評価結果合計得点テーブル523のシステム要件合計得点523bにクラウドサービス毎に記録すると共に、各クラウドサービスのシステム要件合計得点の情報を出力部300に送信する(S75)。
【0107】
次に、システム要件評価処理部420は、ステップS74で算出した、各クラウドサービスの要素別の評価値の合計である合計評価点数の大きい順に、各クラウドサービスを順位付けし(S76)、順位付けした結果(各クラウドサービスの順位と合計評価点数)を、出力部300に送信し(S77)、その後、このルーチンでの処理を終了する。
【0108】
本実施例において、システム要件評価処理部420は、入力部(評価対象情報入力部)200により評価対象情報が入力されたシステム評価レコードに仕様情報が記憶されたクラウドサービスをシステム要件記憶部(システム要件対応状況テーブル521)から2以上抽出する。この際、システム要件評価処理部420は、要件テーブル515とシステム要件対応状況テーブル521を参照し、抽出した2以上のクラウドサービスの各々に対応した各システム評価レコードに記憶された仕様情報(システム要件対応状況テーブル521の情報)と各システム評価レコードに対するシステムの要求値を示す要求情報(要件テーブル515の情報)とを要素毎に比較し、当該比較の結果を基に各システム評価レコードについて仕様情報と要求情報との一致の有無を要素毎に数値化してシステム要件評価結果テーブル522のクラウドサービスカラムに記録する。この後、システム要件評価処理部420は、システム要件評価結果テーブル522を参照し、記録された各クラウドサービスカラムの合計を合計得点として各クラウドサービスの合計得点を要素毎に算出し、算出された各要素における各クラウドサービスの合計得点と各クラウドサービスとの関係を示す情報(システム要件評価結果合計得点テーブル523の情報)であるシステム要件評価結果合計得点情報を第1候補情報に属する情報として生成する。
【0109】
また、システム要件評価処理部420は、各要素における各クラウドサービスの合計得点を基に各要素における各クラウドサービスに対して、合計得点の高い順に推奨度の順位付けを行い、各要素における推奨度と各クラウドサービスとの関係を示す情報(
図5のシステム要件に基づく推奨クラウドサービス179の情報)であるシステム要件推奨クラウドサービス情報を第1候補情報に属する情報として生成する。
【0110】
図22は、本発明の実施例に係る潜在需要評価処理部の処理を説明するためのフローチャートである。この処理は、利用者の潜在需要に基づきパブリッククラウドを評価する例である。
図22において、潜在需要評価処理部440は、潜在需要入力画面161の利用者の潜在需要163として選択された項目(潜在需要入力値)を基に、潜在需要評価テーブル524を参照し、潜在需要評価テーブル524のうち、潜在需要入力画面161の利用者の潜在需要163として選択された項目(潜在需要入力値)に相当する選択肢524bの評価524cのカラム(選択肢の評価カラム)の値を「1」とし、利用者の潜在需要163として選択されていない項目に相当する選択肢524bの評価524cのカラムの値を「0」とする(S81)。
【0111】
次に、潜在需要評価処理部440は、利用者情報入力画面111で利用者情報113として入力された利用者情報入力値に属する利用者名(「A銀行」)を、案件実績格納DB540の案件実績情報テーブル541から検索し、検索結果を基に案件実績情報テーブル541から、利用者(顧客)が利用しているクラウドベンダを利用実績のあるクラウドベンダとして抽出する(S82)。
【0112】
次に、潜在需要評価処理部440は、潜在需要評価テーブル524(
図12)のうち、ステップS82で抽出された、利用実績のあるクラウドベンダに対応した潜在需要評価テーブル524の評価カラム(評価524cのカラム)を「1」とし、ステップS82で抽出されないクラウドベンダに対応した潜在需要評価テーブル524の評価カラム(評価524cのカラム)を「0」とする(S83)。
【0113】
次に、潜在需要評価処理部440は、各潜在需要評価テーブル524(
図12)の評価カラム(評価524cのカラム)の評価値(「1」又は「0」)を、潜在需要評価基準テーブル525(
図13)の得点カラム(得点525cのカラム)の値(評価基準値)に乗じたものを、得点(評価点数)として、潜在需要評価結果テーブル526(
図14)の得点526のカラムに各要素のクラウドサービス毎に記録する(S84)。
【0114】
例えば、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」のうち「新規」の場合には、潜在需要評価テーブル524の評価524cは、「1」であり、潜在需要評価基準テーブル525のSA525p、SB525qの得点は、それぞれ「2」であり、両者を掛けると、それぞれ「2」となる。この値=「2」が、コンピューティング526dのクラウドサービスのSA526p、SB526qにおける得点になる。
【0115】
また、「新規/移行(単純リフト)/移行(刷新)」のうち「移行(単純リフト)」の場合には、潜在需要評価テーブル524の評価524cは、「0」であり、潜在需要評価基準テーブル525のクラウドサービスであるSA525p、SB525qの得点は、それぞれ「3」と「1」であり、両者を掛けると、それぞれ「0」となる。この値=「0」が、コンピューティング526dのクラウドサービスであるSA526p、SB526qにおける得点になる。なお、潜在需要評価処理部440は、ステップS84における処理をコンピューティング及びデータベースに関して、各クラウドベンダ及び各クラウドサービスについて実行する。
【0116】
次に、潜在需要評価処理部440は、ステップS84の処理結果として、クラウドベンダ(クラウド)・クラウドサービス(サービス)毎の評価点数(得点)の値を要素別に合計し、合計した値を、潜在需要に基づく合計点数(合計評価点数)として、評価結果要素別テーブルに属するコンピューティングテーブル527及びデータベーステーブル528に記録する(S85)。
【0117】
次に、潜在需要評価処理部440は、コンピューティングテーブル527とデータベーステーブル528を参照し、要素別にクラウドサービスを、合計評価点数の大きい順に順位付けし(S86)、各要素(「コンピューティング」「データベース」)について順位付けした結果(各クラウドサービスの順位と合計評価点数)を、出力部300に送信し(S87)、その後、このルーチンでの処理を終了する。
【0118】
本実施例において、潜在需要評価処理部440は、入力部(潜在需要入力部)200により潜在需要情報が入力された各潜在需要項目の内容を評価し、各潜在需要項目にそれぞれ評価値(「1」又は「0」)を設定する。この際、潜在需要評価処理部440は、複数のクラウドサービスの各々で管理する複数の要素の各々に対して、潜在需要項目毎及びクラウドサービス毎に設定された複数の評価基準値(潜在需要評価基準テーブル525の得点)と各潜在需要項目について設定された評価値とを乗じた値を、各要素における各クラウドサービスの得点として潜在需要項目毎に算出し、算出された潜在需要項目毎の得点を各要素についてクラウドサービス毎に合計し、各要素における前記各クラウドサービスの合計得点と各クラウドサービスとの関係を示す情報(
図15)である潜在需要評価結果要素別情報を第2候補情報に属する情報として生成する。
【0119】
また、潜在需要評価処理部440は、各要素における各クラウドサービスの合計得点を基に各要素における各クラウドサービスに対して、合計得点の高い順に推奨度の順位付け行い、各要素における推奨度と各クラウドサービスとの関係を示す情報(
図5)である潜在需要評価結果要素別情報を第2候補情報に属する情報として生成する。
【0120】
図23は、本発明の実施例に係る出力部の処理を説明するためのフローチャートである。出力部300は、ユーザ端末110の表示装置のクラウドサービス候補出力画面178(
図5)に、システム要件評価処理部420及び潜在需要評価処理部440で抽出・順位付けされたクラウドサービスの情報として、例えば、システム要件に基づく推奨クラウドサービス179及び潜在需要に基づく推奨クラウドサービス180を表示する。この際、出力部300は、ユーザ端末110と通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、利用者の情報端末(コンピュータ装置)に、システム要件に基づく推奨クラウドサービス179の情報をシステム要件推奨クラウドサービス情報として送信し、潜在需要に基づく推奨クラウドサービス180の情報を潜在需要推奨クラウドサービス情報として送信することができる。利用者は、情報端末の表示画面に表示された情報(システム要件推奨クラウドサービス情報及び潜在需要推奨クラウドサービス情報)の中から、導入対象のクラウドサービスを、推奨度を考慮して任意に選択することができる。
【0121】
次に、出力部300は、ユーザ端末110から、詳細情報表示の要求があるか否かを判定し(S92)、ステップS92で否定の判定結果が得られた場合(NO)、その後、このルーチンでの処理を終了し、ステップS92で肯定の判定結果が得られた場合(YES)、ユーザ端末110の表示装置の出力画面187に類似の業務モデル190の情報を表示し(S93)、その後、ユーザ端末110の表示装置の出力画面187に、各クラウドサービスの詳細要件の対応状況189を表示し(S94)、その後、このルーチンでの処理を終了する。
【0122】
本実施例によれば、複数のクラウドサービスの中からシステム要件を満たすクラウドサービスと利用者の潜在需要を満たすクラウドサービスを導入対象の候補として抽出することができる。また、本実施例によれば、利用者の潜在需要を満たすクラウドサービスを抽出する際に、システムが新規か、単純リフトか、或いは刷新かを考慮すると共に、利用者の特性(積極性・興味、体制)、クラウド実績の有無を考慮することができる。さらに、本実施例によれば、コンピューティングとデータベースについて抽出されたシステム要件に基づく推奨クラウドサービスと潜在需要に基づく推奨クラウドサービスをそれぞれ導入対象の候補として、推奨度の高い順に並べて表示するようにしたので、利用者は、表示された候補の中から導入対象のクラウドサービスを、推奨度を考慮して任意に選択することができる。
【0123】
また、本実施例によれば、クラウドサービスの選定時に、システムエンジニアの業務理解不足や利用者の潜在需要を考慮した情報の入力漏れを防ぐことができる。また、システム要件を満たすクラウドサービスと利用者の潜在需要を満たすクラウドサービスを導入対象の候補として表示した際に、得点の差が大きく、両者の間に大きな乖離がある場合には、利用者の潜在需要に関する情報を見直す機会になる。
【0124】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。例えば、潜在需要評価テーブル524と潜在需要評価基準テーブル525及び潜在需要評価結果テーブル526の項目として、「ベンダロックの許容」「現行システムの利用OS」「調達方式」を用い、これらの項目を利用者の潜在需要に関する情報とすることもできる。また、システム要件評価結果テーブル522の情報と評価結果要素別テーブル527の情報を出力画面に表示することもできる。また、利用者の潜在需要に関する情報としては、過去に入力された利用者の潜在的需要の履歴や実際に選択されたクラウドサービスの特徴等を入力とし、利用者の好みを出力とした機械学習モデル、例えば、ニューラルネットワークを用いて利用者の好みを推定し、推定により得られた利用者の好みを含む利用者の潜在的需要に関する情報を採用することができる。
【0125】
また、前述した各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0126】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)の記録媒体に格納することができる。
100 情報処理装置、110 ユーザ端末、200 入力部、300 出力部、400 演算部、410 業務モデル抽出処理部、420 システム要件評価処理部、430 評価前提算出処理部、440 潜在需要評価処理部、500 記憶部、510 業務モデル格納DB、520 クラウドサービス情報格納DB、530 資格保有者情報格納DB、540 案件実績格納DB