(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106735
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】ビジネスモデル設計支援装置及びビジネスモデル設計支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/067 20230101AFI20230726BHJP
【FI】
G06Q10/06 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007641
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石黒 正雄
(72)【発明者】
【氏名】柴田 吉隆
(72)【発明者】
【氏名】井口 匠
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA01
(57)【要約】
【課題】ユーザのビジネスモデルの設計を容易とする。
【解決手段】ビジネスモデルの設計を支援する装置は、ステークホルダ間の貨幣の流れの情報を含む管理情報を格納する。装置は、管理情報に基づいて、収入ストリームチャート画面を生成及び提示する。収入ストリームチャート画面は、第1方向に配列された複数のレイヤを含む。各レイヤは、第2方向に配列された1以上のステークホルダセクションを含む。各ステークホルダセクションは、1以上のブロックを含む。各ブロックは、ステークホルダの特定の勘定項目を示す。収入ストリームチャート画面は、隣接レイヤのステークホルダセクション間の貨幣の流れを示し、ステークホルダセクションを繋ぐ、貨幣フローブロックを含む。装置は、貨幣フローブロックの交差の状態に基づいて、複数のレイヤそれぞれのステークホルダセクションの配列を決定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステークホルダ間の取引の情報を表示する、ビジネスモデル設計支援装置であって、
1以上の演算装置と、
1以上の記憶装置と、を含み、
前記1以上の記憶装置は管理情報を保持し、前記管理情報はステークホルダ間の貨幣の流れの情報を含み、
前記1以上の演算装置は、前記管理情報に基づいて、収入ストリームチャート画面を生成及び提示し、
前記収入ストリームチャート画面は、第1方向に配列された複数のレイヤを含み、
前記複数のレイヤの各レイヤは、前記第1方向と交差する第2方向に配列された1以上のステークホルダセクションを含み、
前記1以上のステークホルダセクションの各ステークホルダセクションは、1以上のブロックを含み、
前記1以上のブロックの各ブロックは、ステークホルダの特定の勘定項目を示し、
前記収入ストリームチャート画面は、隣接レイヤのステークホルダセクション間の貨幣の流れを示し、前記ステークホルダセクションを繋ぐ、貨幣フローブロックを含み、
前記1以上の演算装置は、前記貨幣フローブロックの交差の状態に基づいて、前記複数のレイヤそれぞれのステークホルダセクションの配列を決定する、ビジネスモデル設計支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のビジネスモデル設計支援装置であって、
前記貨幣フローブロックは、支出元ステークホルダセクションの支出ブロックと支出先ステークホルダセクションの収入ブロックとを繋ぎ、
前記1以上の演算装置は、前記貨幣フローブロックの交差の状態に基づいて、各ステークホルダセクションにおけるブロックの配列を決定する、ビジネスモデル設計支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載のビジネスモデル設計支援装置であって、
前記1以上の演算装置は、前記交差する貨幣フローブロックの数に基づいて、前記複数のレイヤそれぞれのステークホルダセクションの配列を決定する、ビジネスモデル設計支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載のビジネスモデル設計支援装置であって、
前記貨幣フローブロックは、金額に応じた幅を有し、
前記1以上の演算装置は、前記交差する貨幣フローブロックの少なくとも一方の幅に基づいて、前記複数のレイヤそれぞれのステークホルダセクションの配列を決定する、ビジネスモデル設計支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載のビジネスモデル設計支援装置であって、
注目ステークホルダセクションが定義されており、
前記1以上の演算装置は、
前記注目ステークホルダセクションが含まれるレイヤから遠い程小さい重みを、前記貨幣フローブロックに与え、
前記重み及び前記貨幣フローブロックの交差の状態に基づいて、前記複数のレイヤそれぞれのステークホルダセクションの配列を決定する、ビジネスモデル設計支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載のビジネスモデル設計支援装置であって、
前記1以上の演算装置は、予め指定されている注目ステークホルダセクションを、レイヤの端に配置する、ビジネスモデル設計支援装置。
【請求項7】
請求項1に記載のビジネスモデル設計支援装置であって、
前記1以上の演算装置は、
第1レイヤ、第2レイヤ及び第3レイヤの順で、前記第1レイヤ、前記第2レイヤ及び前記第3レイヤを配置し、
前記第1レイヤから前記第3レイヤへの貨幣の流れを示すためにダミーステークホルダセクションを前記第2レイヤに配置し、
前記第1レイヤの支払い元ステークホルダセクションと前記ダミーステークホルダセクションとをつなぐ貨幣フローブロックを配置し、
前記ダミーステークホルダセクションと前記第3レイヤの支払い先ステークホルダセクションとをつなぐ貨幣フローブロックを配置する、ビジネスモデル設計支援装置。
【請求項8】
請求項1に記載のビジネスモデル設計支援装置であって、
前記1以上の演算装置は、同一のステークホルダを示す複数のステークホルダセクションを異なるレイヤに配置する、ビジネスモデル設計支援装置。
【請求項9】
請求項1に記載のビジネスモデル設計支援装置であって、
前記1以上の演算装置は、
第1の収入ストリームチャート画面と第2の収入ストリームチャート画面とを比較し、
前記第1の収入ストリームチャート画面の交差する貨幣フローブロックに基づいて配置スコアを算出し、
前記第2の収入ストリームチャート画面の交差する貨幣フローブロックに基づいて配置スコアを算出し、
前記第1の収入ストリームチャート画面の配置スコアの値及び前記第2の収入ストリームチャート画面の配置スコアの値に基づいて、一方の収入ストリームチャート画面のステークホルダセクションの配置を、他方の収入ストリームチャート画面のステークホルダセクションの配置に応じて変更する、ビジネスモデル設計支援装置。
【請求項10】
装置によって実行される、ビジネスモデル設計支援方法であって、
前記装置は管理情報を保持し、前記管理情報はステークホルダ間の貨幣の流れの情報を含み、
前記装置は、前記管理情報に基づいて、収入ストリームチャート画面を生成及び提示し、
前記収入ストリームチャート画面は、第1方向に配列された複数のレイヤを含み、
前記複数のレイヤの各レイヤは、前記第1方向と交差する第2方向に配列された1以上のステークホルダセクションを含み、
前記1以上のステークホルダセクションの各ステークホルダセクションは、1以上のブロックを含み、
前記1以上のブロックの各ブロックは、ステークホルダの特定の勘定項目を示し、
前記収入ストリームチャート画面は、隣接レイヤのステークホルダセクション間の貨幣の流れを示し、ステークホルダセクションを繋ぐ、貨幣フローブロックを含み、
前記装置は、前記貨幣フローブロックの交差の状態に基づいて、前記複数のレイヤそれぞれのステークホルダセクションの配列を決定する、ビジネスモデル設計支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビジネスモデルの設計支援に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークショップにおいて使用される、ビジネスモデルの設計を支援するためのデジタルツールが知られている。このようなビジネスモデル設計支援ツールは、複数のユーザが、ステークホルダのWin-Winとなる関係性を議論するためのフレームワーク画面や、各ステークホルダのビジネス構想を可視化して戦略性を議論するためのフレームワーク画面等、複数種類の画面を行き来し、多角的な議論を行うことを可能とする。
【0003】
例えば国際公開第2016/151795号に開示の開発支援装置は、利害関係者及び利害関係者の間の取引対象を、取引についての異なる視点を有する複数の画面上において表示するための情報が記憶される表示データ関連情報を格納している記憶部と、表示データ関連情報に基づいて、取引対象及び利害関係者の少なくとも一部を複数の画面に表示し、ユーザが表示データ関連情報を更新するのを受け付け、更新後の表示データ関連情報に基づいて、取引対象及び利害関係者の少なくとも一部を複数の画面に表示する制御部と、を備えることを特徴とする(例えば要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ステークホルダ間の貨幣の流れをユーザに提示することで、ユーザは、各ステークホルダがより高い収益を上げるための議論を行うことができる。一般、複数のステークホルダペアにおいて貨幣の流れが存在するため、ステークホルダ間の貨幣の流れを示す画面レイアウトは複雑になりやすい。
【0006】
ユーザが貨幣の流れを示す画面を見ながら各ステークホルダが高い収益を上げるためのビジネスモデルを設計しやすくするためには、画面において表示するコンポーネントの重なりを減らし、貨幣流量や支出又は収入項目等の情報を画面上で視覚的に確認しやすくすることが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ステークホルダ間の取引の情報を表示する、ビジネスモデル設計支援装置であって、1以上の演算装置と、1以上の記憶装置と、を含み、前記1以上の記憶装置は管理情報を保持し、前記管理情報はステークホルダ間の貨幣の流れの情報を含み、前記1以上の演算装置は、前記管理情報に基づいて、収入ストリームチャート画面を生成及び提示し、前記収入ストリームチャート画面は、第1方向に配列された複数のレイヤを含み、前記複数のレイヤの各レイヤは、前記第1方向と交差する第2方向に配列された1以上のステークホルダセクションを含み、前記1以上のステークホルダセクションの各ステークホルダセクションは、1以上のブロックを含み、前記1以上のブロックの各ブロックは、ステークホルダの特定の勘定項目を示し、前記収入ストリームチャート画面は、隣接レイヤのステークホルダセクション間の貨幣の流れを示し、ステークホルダセクションを繋ぐ、貨幣フローブロックを含み、前記1以上の演算装置は、前記貨幣フローブロックの交差の状態に基づいて、前記複数のレイヤそれぞれのステークホルダセクションの配列を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ユーザがビジネスモデルを設計しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書の一実施形態のビジネスモデル設計支援システム(計算機システム)の利用状況例を示す。
【
図2】ビジネスモデル設計支援装置のハードウェア構成例を示す。
【
図3】クライアント端末のハードウェア構成例を示す。
【
図4】本明細書の一実施形態に係るビジネスモデル設計支援装置の機能構成例を示す。
【
図5】ビジネスモデル設計支援装置により生成され、クライアント端末の表示装置において表示される、収入ストリームチャート画面の例を示す。
【
図10】収入ストリームチャート画面の生成処理例のフローチャートを示す。
【
図11】
図10のフローチャートにおけるステップS104及びS105の詳細を示すフローチャートである。
【
図12A】第1の収入ストリームフロー画面の異なるレイアウトを示す。
【
図12B】第1の収入ストリームフロー画面の異なるレイアウトを示す。
【
図12C】第1の収入ストリームフロー画面の異なるレイアウトを示す。
【
図12D】第1の収入ストリームフロー画面の異なるレイアウトを示す。
【
図13A】第2の収入ストリームフロー画面の異なるレイアウトを示す。
【
図13B】第2の収入ストリームフロー画面の異なるレイアウトを示す。
【
図14】ダミーステークホルダセクションを含む収入ストリームフロー画面の例を示す。
【
図15】コピーステークホルダセクションを含む収入ストリームフロー画面の例を示す。
【
図16】ビジネスマップ画面及び当該ビジネスマップ画面上で入力された情報に基づき生成された収入ストリームチャート画面の例を示す。
【
図17A】比較すべき二つの収入ストリームチャート画面の一方を示す。
【
図17B】比較すべき二つの収入ストリームチャート画面の他方を示す。
【
図17C】
図17Bの収入ストリームチャート画面を修正した収入ストリームチャート画面を示す。
【
図18】二つの収入ストリームチャート画面の比較ため、一方の収入ストリームチャート画面のレイアウトを調整する処理の例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0011】
本システムは、物理的な計算機システム(一つ以上の物理的な計算機)でもよいし、クラウド基盤のような計算リソース群(複数の計算リソース)上に構築されたシステムでもよい。計算機システムあるいは計算リソース群は、1以上のインタフェース装置(例えば通信装置及び入出力装置を含む)、1以上の記憶装置(例えば、メモリ(主記憶)及び補助記憶装置を含む)、及び、1以上の演算装置を含んでよい。
【0012】
プログラムが演算装置によって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/又はインタフェース装置等を用いながら行われるため、機能は1以上の演算装置の少なくとも一部とされてもよい。機能を主語として説明された処理は、1以上の演算装置を含むシステムが行う処理としてもよい。
【0013】
プログラムは、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布計算機または計算機が読み取り可能な記憶媒体(例えば計算機読み取り可能な非一過性記憶媒体)であってもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0014】
図1は、本明細書の一実施形態のビジネスモデル設計支援システム(計算機システム)の利用状況例を示す。ビジネスモデル設計支援システムは、1又は複数のステークホルダが、より高い収益を上げるビジネスの仕組みを議論及び検討するための情報を提示する。ビジネスモデル設計支援システムは、サーバ101及び複数のクライアント端末102を含む。サーバ101及びクライアント端末102は、ネットワーク104を介して、互いに通信する。
図1の構成例において、ビジネスモデル設計支援装置101は、1台のサーバで構成されており、ネットワーク104を介してクライアント端末102と接続されている。なお、サーバ101とクライアント端末102との間の通信ネットワークの構成は任意である。
【0015】
サーバ101は、クライアント端末102に対して、ビジネスモデルを設計するためのサービスを提供する、ビジネスモデル設計支援装置である。ビジネスモデル設計支援装置101は、1又は複数の計算機で構成することができる他、クラウド上の計算機リソースにより構成することができる。このように、ビジネスモデル設計支援装置101は、1以上の演算装置及び1以上の記憶装置を含むことができる。
【0016】
クライアント端末102には、それぞれ、入出力装置103が有線又は無線によって接続されている。入出力装置103は、例えば、薄型のディスプレイとタッチパネルが組み合わせされた、据え置き型又は携帯型の入出力装置である。入出力装置103は、ユーザに対して、GUI(Graphical User Interface)画面を提示する。ユーザは、クライアント端末102及びその入出力装置103を使用して、ビジネスモデル設計支援装置101が提供するGUI画面を視認及び操作して、必要な情報を取得することができる。
【0017】
ユーザは、ビジネスモデル設計支援装置101が提供する画面を使用して、ワークショップやグループワークなど、ビジネスモデル設計のためのミーティングを行うことができる。ワークショップは、例えば、議論の進行を促すファシリテータと、他の参加者により行われ得る。このように、ユーザは、ビジネスモデル設計支援装置101が提供する画面を参照及び操作しつつ、新たなビジネスモデルを設計することができる。なお、単独のユーザが、入出力装置103の提供するサービスを使用してもよい。
【0018】
図2は、ビジネスモデル設計支援装置101のハードウェア構成例を示す。ビジネスモデル設計支援装置101は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される主記憶装置202、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される補助記憶装置203を含む。
【0019】
ビジネスモデル設計支援装置101は、さらに、補助記憶装置203等に格納されているプログラム208を主記憶装置202に読み出すなどして実行し、装置自体の統括制御を行うとともに、各種判定、演算及び制御処理を行うCPUなどの演算装置201を含む。
【0020】
ビジネスモデル設計支援装置101は、ネットワークに接続しデータをやり取りするための通信インタフェース206を含む。これらビジネスモデル設計支援装置101の構成要素は、内部バス207によって、相互に通信することができる。ビジネスモデル設計支援装置101は、さらに、ユーザからの入力動作を受け付けるキーボードやマウス、タッチパネルなどの入力装置、ユーザに対して処理結果を表示するディスプレイなどの出力装置を含んでもよい。
【0021】
補助記憶装置203内には、本実施形態のビジネスモデル設計支援装置101として必要な機能を実装するためのプログラム208の他、各種処理に必要なデータを格納した情報データベース(DB)204が格納されている。情報データベース204には、後述するビジネスモデルデータが格納されている。
【0022】
ビジネスモデル設計支援装置101は、物理的な計算機システム(一つ以上の物理的な計算機)でもよいし、クラウド基盤のような計算リソース群(複数の計算リソース)上に構築されたシステムでもよい。計算機システムあるいは計算リソース群は、1以上のインタフェース装置、1以上の記憶装置(例えば、主記憶装置及び補助記憶装置を含む)、及び、1以上の演算装置を含む。
【0023】
プログラムが演算装置によって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/またはインタフェース装置等を用いながら行われるため、機能は演算装置の少なくとも一部とされてもよい。機能を主語として説明された処理は、演算装置あるいはそのプロセッサを有するシステムが行う処理としてもよい。
【0024】
プログラムは、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布計算機または計算機が読み取り可能な記憶媒体(例えば計算機読み取り可能な非一過性記憶媒体)であってもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0025】
図3は、クライアント端末102のハードウェア構成例を示す。クライアント端末102は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される主記憶装置222、SSDやハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される補助記憶装置223を含む。クライアント端末102は、さらに、補助記憶装置223等に格納されているプログラム228を主記憶装置222に読み出すなどして実行し、システム自体の統括制御を行うとともに、各種判定、演算及び制御処理を行うCPUなどの演算装置221を含む。
【0026】
プログラム228は、クライアント端末102がビジネスモデル設計支援装置101により提供される情報をユーザに提示し、さらに、ユーザ操作をビジネスモデル設計支援装置101に送信することを可能とするプログラムを含む。
【0027】
クライアント端末102は、ネットワークに接続しデータをやり取りするための通信インタフェース226、ユーザからの入力動作を受け付けるキーボード、マウス、タッチパネル、マイクなどの入力装置224、及びユーザに対して処理結果を表示するディスプレイや音声を出力するスピーカ等の出力装置225を含む。
図1に示すように、外部の入出力装置103が、通信インタフェース226を介して、クライアント端末102に接続されていてもよい。
【0028】
これらクライアント端末102の構成要素は、内部バス227によって、相互に通信することができる。補助記憶装置223内には、必要な機能を実装するためのプログラム228の他、必要な情報(データ)が格納される。クライアント端末102は、例えば、一般的なデスクトップ型、ノート型又はタブレッド型コンピュータであってよい。
【0029】
次に、ビジネスモデル設計支援装置101の機能を説明する。
図4は、本明細書の一実施形態に係るビジネスモデル設計支援装置101の機能構成例を示す。以下に説明する機能は、例えばビジネスモデル設計支援装置101の演算装置201が、プログラム208を実行することにより実装される。
【0030】
ビジネスモデル設計支援装置101は、画面操作取得部301、ビジネスモデル情報取得部302、ビジネスモデル情報更新部303、ビジネスモデル情報格納部304、表示画面生成部305、表示画面更新通知部306を含む。ビジネスモデル情報310は管理情報であって、情報データベース204に格納されている。
【0031】
ビジネスモデル情報310は、ステークホルダ情報311、支出項目情報312、ステークホルダ配置情報313、及び支出項目配置情報314を含む。ステークホルダ情報311及び支出項目情報312は、後述する収入ストリームチャートを生成するために参照される情報である。ステークホルダ配置情報313及び支出項目配置情報314は、収入ストリームチャートの構成情報である。
【0032】
画面操作取得部301は、クライアント端末102からユーザによる画面に対する操作の情報を取得する。
図1の構成例において、ユーザは、入出力装置103においてユーザ操作を入力する。ビジネスモデル情報取得部302は、ユーザ操作に応じて画面を更新するためにビジネスモデル情報310を情報データベース204から取得する。ビジネスモデル情報更新部303は、取得されたユーザ操作の情報に基づいて、ビジネスモデル情報310を更新する。
【0033】
ビジネスモデル情報格納部304は、更新されたビジネスモデル情報310を情報データべース204に格納する。表示画面生成部305は、更新されたビジネスモデル情報310に従って、更新された表示画面のデータを生成する。表示画面更新通知部306は、生成された表示画面のデータをクライアント端末102に送信する。クライアント端末102は、入出力装置103において、更新された画面を表示する。
【0034】
図5は、ビジネスモデル設計支援装置101により生成され、クライアント端末102の表示装置、
図1の構成例において入出力装置103において表示される、収入ストリームチャート画面の例を示す。収入ストリームチャート画面500は、ステークホルダ間の取引の情報を提示する。より具体的には、特定のステークホルダそれぞれの勘定項目の少なくとも一部及びステークホルダ間の貨幣の流れを示す。
【0035】
ユーザは、収入ストリームチャート画面500上でステークホルダ間の貨幣の流量などをかえながら、各ステークホルダの収益を議論できる。本明細書の一実施形態は、表示するコンポーネント(貨幣流量など)の重なりを少なくして、貨幣流量や利益額などの情報を画面上で視覚的に確認しやすくする。
【0036】
図5の構成例において、収入ストリームチャート画面500は、四つのステークホルダの情報を示す。それらは、「サービス利用者」、「サービス提供企業」、「提携店舗」、及び「プラットフォーム(PF)提供企業」である。収入ストリームチャート画面500は、これらステークホルダの支出、収入及び貨幣の流れを示している。サービス提供企業は着目ステークホルダであり、星印が付されている。本明細書の一実施形態において、収入ストリームチャート画面は、着目ステークホルダに関連するステークホルダの情報を示す。
【0037】
本明細書の一実施形態において、収入ストリームチャート画面は、複数のレイヤを示す。
図5に示す構成例において、収入ストリームチャート画面500は、三つのレイヤ501、502、503を含む。レイヤ501、502、503は、収入ストリームチャート画面500の上下方向(第1方向)において配列されている。レイヤ501、502、503は、上からこの順で配列されている。
【0038】
各レイヤは、1又は複数のステークホルダセクションを含む。ステークホルダセクションは、対応するステークホルダの支出及び/又は収入の情報を示す。各ステークホルダセクションは、各情報項目を表すブロックで構成される。各ブロックの幅が、その金額を表す。ブロックの幅が大きい程、金額が大きいことを示す。
【0039】
図5に示す構成例において、最も上のレイヤ501は、サービス利用者のステークホルダセクション511で構成されている。ステークホルダセクション511は、サービス利用者の支出項目のみを示す。ステークホルダセクション511は、商品購入代金支出ブロック521で構成されている。商品購入代金支出ブロック521は、ホームベース型の五角形で表され、中央の先端が下を向いている。
【0040】
中間のレイヤ502は、サービス提供企業のステークホルダセクション512で構成されている。ステークホルダセクション512は、サービス提供企業の収入、支出及び利益の情報を示す。ステークホルダセクション512は、一つの収入ブロック551、複数の支出ブロック522A~522E及び一つの利益ブロック541で構成されている。
【0041】
収入ブロック551は、矩形で表されている。収入ブロック551の幅は、その金額を示す。ステークホルダセクション512は、商品代金支出ブロック522A、PF利用料支出ブロック522B、アプリ提供支出ブロック522C、店舗募集支出ブロック522D、及一般費支出ブロック522Eを含む。
【0042】
商品代金支出ブロック522A、PF利用料支出ブロック522Bは、ホームベース型の五角形で表され、中央の先端が下を向いている。他の支出ブロック522C、522D、522Eは矩形で表されている。支出ブロック522A~522Eそれぞれの幅は、その金額を示す。利益ブロック541は、矩形で表されている。利益ブロック541の幅は、その金額を示す。
【0043】
収入ブロック551は、支出ブロック522A~522E及び利益ブロック541の上に配置されている。収入ブロック551の下側で、支出ブロック522A~522E及び利益ブロック541は、左右方向に一例に配列されている。
図5の例において、金額の大きい支出ブロックから順に、左側から配置され、利益ブロック541が右端に配置されている。収入ブロック551の幅は、支出ブロック522A~522E及び利益ブロック541の幅の総和と一致している。
【0044】
最も下のレイヤ503は、二つのステークホルダセクション513、514で構成されている。ステークホルダセクション513、514は、この順で左側から、横方向に一列に配列されている。横方向は、上下方向に交差する第2方向の例である。ステークホルダセクション513は提携店舗の収入、支出及び利益の情報を示し、ステークホルダセクション514は、PF提供企業の収入、支出及び利益の情報を示す。幅の大きい順に、ステークホルダセクションは配列されてよい。この例において、ステークホルダセクション513の幅(収入額)は、ステークホルダセクション514の幅より大きい。
【0045】
ステークホルダセクション513は、一つの収入ブロック552、複数の支出ブロック524及び一つの利益ブロック542で構成されている。収入ブロック552は、矩形で表されている。収入ブロック552の幅は、その金額を示す。ステークホルダセクション513は、商品仕入れ代金支出ブロック524A、搬送費支出ブロック524B、及び一般費支出ブロック524Cを含む。各支出ブロックは矩形で表されている。各支出ブロックの幅は、その金額を示す。利益ブロック542は、矩形で表されている。利益ブロック542の幅は、その金額を示す。
【0046】
収入ブロック552は、支出ブロック524A~524C及び利益ブロック542の上に配置されている。収入ブロック552の下側で、支出ブロック524A~524C及び利益ブロック542は、左右方向に一例に配列されている。
図5の例において、金額の大きい支出ブロックから順に、左側から配置され、利益ブロック542が右端に配置されている。収入ブロック552の幅は、支出ブロック524A~524C及び利益ブロック542の幅の総和と一致している。
【0047】
ステークホルダセクション514は、一つの収入ブロック553、複数の支出ブロック525A、525B及び一つの利益ブロック543で構成されている。収入ブロック553は、矩形で表されている。収入ブロック553の幅は、その金額を示す。ステークホルダセクション513は、PF開発・運用支出ブロック525A及び一般費支出ブロック525Bを含む。各支出ブロックは矩形で表されている。支出ブロックの幅は、その金額を示す。利益ブロック543は、矩形で表されている。利益ブロック543の幅は、その金額を示す。
【0048】
収入ブロック553は、支出ブロック525A、525B及び利益ブロック543の上に配置されている。収入ブロック553の下側で、支出ブロック525A、525B及び利益ブロック543は、左右方向に一例に配列されている。
図5の例において、金額の大きい支出ブロックから順に、左側から配置され、利益ブロック543が右端に配置されている。収入ブロック553の幅は、支出ブロック525A、525B及び利益ブロック543の幅の総和と一致している。
【0049】
図5に例示するように、本明細書の一実施形態において、一つのレイヤ内の複数のステークホルダセクションは、横方向に一列に配列される。本明細書の一実施形態において、各ステークホルダセクションは、1又は複数のブロックからなる塊であって、異なるステークホルダセクションの領域は区分されており、一つのステークホルダのブロックの間に他のステークホルダセクションのブロックが挟まれることはない。各ブロックの形状は、
図5に示す例に限定されず、設計により適切に設定され得る。
【0050】
収入ストリームチャート画面500は、さらに、レイヤ間の貨幣の流れを表す、貨幣フローブロックを示す。これにより、ユーザは、ステークホルダ間の貨幣の流れを容易に認識することができる。
図5において、三つの貨幣フローブロック561、562、及び563が示されている。貨幣フローブロックは、隣接レイヤの支出元ステークホルダセクションと支出先ステークホルダセクションとを繋ぐ。
【0051】
貨幣フローブロック561は、レイヤ501とレイヤ502との間のインタレイヤ571に含まれる。貨幣フローブロック562及び563は、レイヤ502とレイヤ503との間のインタレイヤ572に含まれる。
【0052】
貨幣フローブロックは、上側レイヤ内の支出元の支出項目と下側レイヤ内の支出先の収入項目とを繋ぐ帯状のブロックである。貨幣フローブロックの幅は、その金額を示す。
図5の例において、支出元ブロック、支出先ブロック及びそれらを繋ぐ貨幣ブロックの幅は共通である。
【0053】
例えば、貨幣フローブロック561は、支出元の商品購入代金支出ブロック521と支出先の収入ブロック551とを繋ぐ。貨幣フローブロック562は、支出元の商品代金支出ブロック522Aと支出先の収入ブロック552とを繋ぐ。貨幣フローブロック563は、支出元のPF利用料支出ブロック522Bと支出先の収入ブロック553とを繋ぐ。貨幣フローブロックで支出先ブロックと繋がれる支出元ブロックは、五角形で表され、上側レイヤから下側レイヤへの貨幣の流れを表している。
【0054】
ユーザは、収入ストリームチャート画面500において、ステークホルダ間の貨幣の流量などを変更しながら、各ステークホルダの収益を議論する。整形ボタン591が押下されると、変更された情報に応じて、収入ストリームチャート画面500のコンポーネントの配置が更新される。本明細書の一実施形態において、ビジネスモデル設計支援装置101は、貨幣フローブロックの重なりが小さくなるように、コンポーネントを配置する。これにより、ユーザは、貨幣流量や利益額などの情報を収入ストリームチャート画面上で視覚的に確認しやすくなる。
【0055】
ビジネスモデル設計支援装置101は、ビジネスモデル情報310に含まれるステークホルダの勘定項目の情報から収入ストリームチャート画面を生成し、さらに、収入ストリームチャート画面の構成情報をビジネスモデル情報310に含める。以下において、ビジネスモデル情報310に含まれる情報の詳細を説明する。
【0056】
図5を参照して一例が説明された収入ストリームチャート画面は、ステークホルダ情報311及び支出項目情報312から生成され得る。ステークホルダ配置情報313及び支出項目配置情報314は、収入ストリームチャート画面のコンポーネントの位置を示す、構成情報である。
【0057】
図6は、ステークホルダ情報311の構成例を示す。ステークホルダ情報311は、ステークホルダ情報311は、ステークホルダについての情報を含む。
図6の構成例において、ステークホルダID欄351及びステークホルダ名欄352を含む。ステークホルダID欄351は、ステークホルダを識別するIDを示す。ステークホルダ名欄352は、ステークホルダの名称を示す。
【0058】
図7は、支出項目情報312の構成例を示す。支出項目情報312は、ステークホルダそれぞれの支出項目の情報を示す。
図7の構成例において、支出項目情報312は、ステークホルダID欄361、支出項目ID欄362、支出項目名欄363、支出額欄364、及び支出先ステークホルダID欄365を含む。
【0059】
ステークホルダID欄361は、ステークホルダを識別するIDを示す。ステークホルダID欄361が示すIDは、ステークホルダ情報311が示すステークホルダIDと一致する。支出項目ID欄362は、各ステークホルダIDの支出項目それぞれのIDを示す。ステークホルダIDと支出項目IDの組み合わせが、全ステークホルダの全支出項目を識別する。
【0060】
支出項目名欄363は、支出項目も名称を示す。支出額欄364は、各ステークホルダの支出項目それぞれの金額を示す。支出先ステークホルダID欄365は、支出先のステークホルダIDを示す。支出先ステークホルダID欄365の全てIDは、ステークホルダ情報311に含まれる。支出先が、ステークホルダ情報311が示すステークホルダIDに含まれない業者である場合、支出先ステークホルダID欄365は「-」を示す。
【0061】
図8は、ステークホルダ配置情報313の構成例を示す。ステークホルダ配置情報313は、収入ストリームチャート画面におけるステークホルダセクションの配置位置を示す。
図8の構成例において、ステークホルダ配置情報313は、ステークホルダID欄371、レイヤ番号欄372、及び配置番号欄373を含む。
【0062】
ステークホルダID欄361は、収入ストリームチャート画面で示されるステークホルダを識別するIDを示す。ステークホルダID欄361は、ステークホルダ情報311に含まれるステークホルダIDの一部又は全てを示す。レイヤ番号欄372は、ステークホルダIDが示すステークホルダのセクションが配置されるレイヤの番号を示す。
【0063】
図8の例において、ステークホルダID「1」が、注目ステークホルダのIDである。注目ステークホルダのセクションが含まれるレイヤに対して、番号「0」が割り当てられている。注目ステークホルダのレイヤから上層に向かって番号は減少する。例えば番号「-1」は、注目ステークホルダのレイヤの一つ上のレイヤを示す。反対に、注目ステークホルダのレイヤから下層に向かって番号は増加する。例えば番号「1」は、注目ステークホルダのレイヤの一つ下のレイヤを示す。
【0064】
図9は、支出項目配置情報314の構成例を示す。支出項目配置情報314は、収入ストリームチャート画面における支出ブロックの配置位置を示す。
図9の構成例において、支出項目配置情報314は、ステークホルダID欄381、支出項目ID欄382、及び配置番号欄383を含む。
【0065】
ステークホルダID欄381が示すステークホルダIDは、ステークホルダ配置情報313が示すステークホルダIDと一致する。支出項目ID欄382は、ステークホルダID欄381が示す各ステークホルダの支出項目IDを示す。支出項目ID欄382が示す各ステークホルダIDの支出項目IDは、支出項目情報312が示す当該ステークホルダIDの支出項目IDと一致する。
【0066】
配置番号欄373は、支出項目ID欄382が示す支出項目のブロック(支出ブロック)の、ステークホルダセクション内の位置を示す。本例において、配置番号は、例えば、ステークホルダセクションの左端からの順番を示す。配置番号「1」は、ステークホルダセクションの左端を示し、より大きな番号は、より右側の位置を表す。
【0067】
次に、収入ストリームチャート画面を生成(更新を含む)するためのビジネスモデル設計支援装置101の処理を説明する。
図10は、収入ストリームチャート画面の生成処理例のフローチャートを示す。まず、画面操作取得部301は、ユーザによる注目ステークホルダの指定を、クライアント端末102から受信する(S101)。
【0068】
ビジネスモデル情報取得部302は、ビジネスモデル情報310から、収入ストリームチャート画面を生成するための情報を取得する。具体的には、ビジネスモデル情報取得部302は、ステークホルダ情報311及び支出項目情報312から、注目ステークホルダ及びそれに直接又は間接的に関連付けられるステークホルダの情報を取得する。
【0069】
直接に関連付けられるステークホルダは、注目ステークホルダとの間で貨幣の流れが存在するステークホルダである。つまり、注目ステークホルダの支出先ステークホルダと、注目ステークホルダが支出先となっているステークホルダである。支出項目情報312の支出先ステークホルダID欄365を参照することで、注目ステークホルダに直接関連付けられるステークホルダが特定できる。
【0070】
間接的に関連付けられるステークホルダは、注目ステークホルダと直接に関連づけられているステークホルダとの間で貨幣の流れが存在するステークホルダである(注目ステークホルダを除く)。つまり、注目ステークホルダと直接に関連づけられているステークホルダの支出先であるステークホルダと、注目ステークホルダと直接に関連づけられているステークホルダが支出先であるステークホルダである。これらも、支出項目情報312の支出先ステークホルダID欄365を参照することで、特定できる。
【0071】
なお、注目ステークホルダに関連付けられる一部のステークホルダの情報のみが取得されてもよい。例えば、注目ステークホルダと直接の支出の関係を有するステークホルダ(直接関連づけられたステークホルダ)の情報のみが読み出されてもよい。
【0072】
次に、ビジネスモデル情報更新部303は、注目ステークホルダのレイヤ番号及び配置番号を決定する(S102)。ステークホルダのレイヤ番号及び配置番号は、そのステークホルダセクションのレイヤ番号及び配置番号である。
【0073】
注目ステークホルダのレイヤ番号及び配置番号は、予め指定されている。本例において、注目ステークホルダのレイヤ番号は「0」であり、配置番号は「1」である。つまり、注目ステークホルダのステークホルダセクションは、「0」番のレイヤの左端に配置される。
【0074】
注目ステークホルダのセクション位置を基準に、収入ストリームチャート画面の他のステークホルダセクションの位置が決定される。これにより、ユーザは、注目ステークホルダについての情報をより容易に確認できる。また、注目ステークホルダのセクションを、レイヤの端(左端又は右端)に配置することで、収入ストリームチャート画面がより見やすくなる。注目ステークホルダのセクション位置は、この例と異なっていてもよい。
【0075】
次に、ビジネスモデル情報更新部303は、他ステークホルダのレイヤ番号を決定する(S103)。他のステークホルダは、本例において、注目ステークホルダと直接又は間接的に関連付けられるステークホルダである。
【0076】
まず、ビジネスモデル情報更新部303は、注目ステークホルダと支出収入の関係を有する、直線関連付けられたステークホルダのレイヤ番号を決定する。注目ステークホルダの支出先ステークホルダは、注目ステークホルダのレイヤの直下のレイヤに配置される。従って、そのレイヤ番号は「1」である。注目ステークホルダを支出先として有するステークホルダは、注目ステークホルダのレイヤの直上のレイヤに配置される。従って、そのレイヤ番号は「-1」である。
【0077】
さらに、ビジネスモデル情報更新部303は、注目ステークホルダと間接的に関連付けられたステークホルダのレイヤ番号を決定する。これらは、注目ステークホルダと直接関連付けられたステークホルダと、支出収入の関係を有する。したがって、注目ステークホルダと直線関連付けられたステークホルダのレイヤを基準として、上述のように注目ステークホルダと間接的に関連付けられたステークホルダのレイヤ番号を決定できる。
【0078】
次に、ビジネスモデル情報更新部303は、他のステークホルダのレイヤ内の配置番号を決定する(S104)。さらに、ビジネスモデル情報更新部303は、ステークホルダそれぞれの各支出項目の配置番号を決定する(S105)。支出項目の配置番号は、その支出ブロックの配置番号である。これらステップS104、S105の詳細は、
図11を参照して後述する。
【0079】
ビジネスモデル情報格納部304は、決定された情報をステークホルダ配置情報313及び支出項目配置情報314に格納する。表示画面生成部305は、更新されたビジネスモデル情報310を参照して、注目ステークホルダ及びそれに関連付けられたステークホルダの情報を示す収入ストリームフロー画面の構成情報を生成する。上述にように、各レイヤのブロックそれぞれの配置位置は、ステークホルダ配置情報313及び支出項目配置情報314から決定される。
【0080】
ブロックの外形形状は予め決定されており、その幅はブロックが対応する項目の金額により決定される。表示画面生成部305は、収入及び支出ブロックに加えて、貨幣フローブロックを生成する。貨幣フローブロックが繋ぐ支出ブロック及び収入ブロックは、支出項目情報312を参照して決定できる。表示画面更新通知部306は、表示画面生成部305により生成された収入ストリームチャート画面の構成情報を、クライアント端末102に送信する。
【0081】
上記処理例は、新規の収入ストリームチャート画面を生成する。他の例において、
図5を参照して説明したように、ユーザは、表示されている収入ストリームチャート画面を操作し、更新することができる。ユーザが整形ボタン591を押下すると、更新された構成情報を、クライアント端末102がビジネスモデル設計支援装置101に送信する。構成情報は、ブロックの追加、削除、又は金額の変更を含み得る。
【0082】
画面操作取得部301は、更新情報を受信する。ビジネスモデル情報取得部302は、ステークホルダ情報311及び支出項目情報312から、現在の収入ストリームチャート画面のステークホルダの情報を取得する。
【0083】
ビジネスモデル情報更新部303は、ビジネスモデル情報取得部302から、現在の収入ストリームチャートのステークホルダの更新前ステークホルダ情報及び支出項目情報、並びに、クライアント端末102から送信された更新情報を取得する。ビジネスモデル情報更新部303は、ステークホルダ情報及び支出項目情報を、受信した更新情報に応じて更新する。ビジネスモデル情報更新部303は、更新したステークホルダ情報及び支出項目情報を参照して、上述のように、ブロックそれぞれの配置位置を決定する。
【0084】
ビジネスモデル情報格納部304は、更新されたステークホルダ情報及び支出項目情報、並びに、生成された配置情報をビジネスモデル情報310に格納する。表示画面生成部305は、上述のように、収入ストリームチャート図面を生成し、表示画面更新通知部306は、その収入ストリームチャート図面の構成情報をクライアント端末102に返す。
【0085】
以下において、ビジネスモデル情報更新部303による、収入ストリームチャート図面のブロックの配置位置の決定方法を説明する。
図11は、
図10のフローチャートにおけるステップS104及びS105の詳細を示すフローチャートである。
【0086】
ビジネスモデル情報更新部303は、下記の配置スコア(SCORE)が最小になる配置レイアウトを選択する(S111)。
SCORE=Σ{W(Lk)×max(Ai,Aj)}
【0087】
シグマ(サンメンション)は、交差する全ての貨幣フローブロックのペアについて実行される。Aiは交差する貨幣ブロックの一方の貨幣フローブロックiの流量(金額)を表し、Ajは他方の貨幣フローブロックjの流量(金額)を表す。
【0088】
Lkは交差する貨幣フローブロックi及びjが存在するインタレイヤkを表し、W(Lk)はその重み係数を表す。インタレイヤは、ステークホルダセクションの隣接レイヤ間の領域である。
図5を参照して説明したように、貨幣フローブロックは、隣接レイヤの支出元と支出先を繋ぐため、隣接レイヤの間に配置される。
【0089】
最小値の配置スコアを有するレイアウトが一つのみである場合(S112:「=1」)、そのレイアウトが表示する収入ストリームフロー画面のレイアウトと決定される。複数のレイアウトが最小値の配置スコアを有する場合(112:「>1」)、ビジネスモデル情報更新部303はその中から一つのレイアウトを選択する。
【0090】
まず、ビジネスモデル情報更新部303は、選択済みのレイアウトから、注目ステークホルダにより近いレイヤのより左側のステークホルダのより左側の支出項目の支出額(支出先ステークホルダあり)が、より大きいレイアウトを選択する(S113)。ここで、注目ステークホルダは、レイヤの左端に配置されるものとする。ステップS113については、
図12C及び12Dを参照して後述する。
【0091】
ステップS113において選択されたレイアウトが一つのみである場合(S114:「=1」)、そのレイアウトが表示する収入ストリームフロー画面のレイアウトと決定される。複数のレイアウトが選択された場合(114:「>1」)、ビジネスモデル情報更新部303はそれら中から一つのレイアウトを任意に選択する(S115)。
【0092】
図12A~12Dは、同一ステークホルダ群の収入ストリームフロー画面の異なるレイアウトを示す。図示されているステークホルダは、企業Aから企業Hである。企業Dが、注目ステークホルダである。企業Dの直接関連ステークホルダは、企業A、企業B、企業C、企業G及び企業Hである。企業Dの間接関連ステークホルダは、企業E及び企業Fである。企業Eは、企業Aの直接関連ステークホルダであり、企業Fは企業Bの直接関連ステークホルダである。
【0093】
これらレイアウトは、それぞれ、
図11を参照して説明した配置スコアを有している。
図12C及び12Dに示すレイアウトが最も小さい配置スコア=10を有しており、これらの一方が表示される画面として選択される。本例においては、
図12Dが示すレイアウトが選択される。
【0094】
図12A~12Dそれぞれの収入ストリームフロー画面の構成を説明する。
図12Aのレイアウトは、三つのレイヤ701、702、703を含む。レイヤ702は、レイヤ701及び702に挟まれている。注目ステークホルダである企業Dのステークホルダセクションは、レイヤ702に含まれている。
【0095】
レイヤ701とレイヤ702との間のインタレイヤ704に対して、重みW=1.0が割り当てられている。レイヤ702とレイヤ703との間のインタレイヤ705に対して、重みW=1.0が割り当てられている。インタレイヤ704、705は、共に、注目ステークホルダである企業Dのレイヤ702と接しており、レイヤ702からの距離は同一である。そのため、同一の重み係数が与えられている。なお、異なる重み係数が与えられてもよい。
【0096】
上側レイヤ701は、企業A、企業B及び企業Cのステークホルダセクションで構成されており、この順で左側から配列されている。中央のレイヤ702は、注目ステークホルダの企業D、企業E及び企業Fのステークホルダセクションで構成されており、この順で配列されている。下側レイヤ703は、企業G及び企業Hのステークホルダセクションで構成されており、この順で配列されている。
【0097】
上側レイヤ701において、企業Aのステークホルダセクションは、支出Aの支出ブロック706と支出Bの支出ブロック707で構成されている。支出ブロック706、707内のカッコ内の数字は、金額を示す。この点は、他の支出ブロック708~712について同様である。支出ブロック706~712は、それぞれ、一つのステークホルダから他のステークホルダへの支出を表し、貨幣フローブロックによって当該他のステークホルダの収入ブロックに接続される。これらは、ホームベース型の五角形で表されている。
【0098】
企業Bのステークホルダセクションは、支出Cの支出ブロック708と支出Dの支出ブロック709で構成されている。企業Cのステークホルダセクションは、支出Eの支出ブロック710で構成されている。
【0099】
中央のレイヤ702において、企業Dのステークホルダセクションは、収入ブロック715、支出F、支出G、一般費それぞれの支出ブロック711、712、713、及び利益ブロック714で構成されている。支出ブロック711~713及び利益ブロック714は、収入ブロック715の下側で、横方向の一例に配列されている。
【0100】
企業Eのステークホルダセクションは、収入ブロック716、一般費の支出ブロック717、及び利益ブロック718で構成されている。支出ブロック717及び利益ブロック718は、収入ブロック716の下側で、横方向の一例に配列されている。企業Fのステークホルダセクションは、収入ブロック719、一般費の支出ブロック720、及び利益ブロック721で構成されている。支出ブロック720及び利益ブロック721は、収入ブロック719の下側で、横方向の一例に配列されている。
【0101】
下側のレイヤ703において、企業Gのステークホルダセクションは、収入ブロック722、一般費の支出ブロック723、及び利益ブロック724で構成されている。支出ブロック723及び利益ブロック724は、収入ブロック722の下側で、横方向の一例に配列されている。企業Gのステークホルダセクションは、収入ブロック722、一般費の支出ブロック723、及び利益ブロック724で構成されている。支出ブロック723及び利益ブロック724は、収入ブロック722の下側で、横方向の一例に配列されている。
【0102】
インタレイヤ704は、貨幣フローブロック731~735で構成されている。貨幣フローブロック731は、企業Aから企業Dの支出Aを表し、その流量は支出Aの金額(10)と一致する。貨幣フローブロック732は、企業Aから企業Eの支出Bを表し、その流量は支出Bの金額(30)と一致する。貨幣フローブロック733は、企業Bから企業Dの支出Cを表し、その流量は支出Cの金額(5)と一致する。
【0103】
貨幣フローブロック734は、企業Bから企業Fの支出Dを表し、その流量は支出Dの金額(10)と一致する。貨幣フローブロック735は、企業Eから企業Dの支出Eを表し、その流量は支出Eの金額(5)と一致する。貨幣フローブロックそれぞれの幅(横方向のサイズ)は、その流量に比例する。
【0104】
収入ブロック715が表す企業Dの収入は、支出A、支出C及び支出Eの総計と一致している。収入ブロック716が表す企業Eの収入は、支出Bと一致している。収入ブロック719が表す企業Fの収入は、支出Dと一致している。
【0105】
インタレイヤ705は、貨幣フローブロック736及び737で構成されている。貨幣フローブロック736は、企業Dから企業Gの支出Fを表し、その流量は支出Fの金額(7.5)と一致する。貨幣フローブロック737は、企業Dから企業Hの支出Gを表し、その流量は支出Fの金額(5)と一致する。
【0106】
図12Aに示すレイアウトにおいて、インタレイヤ704のいくつかの貨幣フローブロックが交差している。具体的には、貨幣フローブロック732と貨幣フローブロック733が交差し、貨幣フローブロック732と貨幣フローブロック735が交差し、そして、貨幣フローブロック734と貨幣フローブロック735が交差している。
【0107】
配置スコアは以下のように計算される。交差する全てのペアは、インタレイヤ704に含まれている。そのため、全てのペアの重み係数は1である。貨幣フローブロック732と貨幣フローブロック733の内、幅の最大値は貨幣フローブロック732の30である。貨幣フローブロック732と貨幣フローブロック735の内、幅の最大値は貨幣フローブロック732の30である。貨幣フローブロック734と貨幣フローブロック735の内、幅の最大値は貨幣フローブロック734の10である。したがって、配置スコア(SCORE)=30+30+10=70となる。
【0108】
図12Bは、収入ストリームフロー画面の他の例を示す。表示されるブロックは、
図12Aの収入ストリームフロー画面と同様であり、ブロックの配置が
図12Aの収入ストリームフロー画面と異なる。ブロック、レイヤ及びインタレイヤに付されている符号は、
図12Aと同様である。以下において、
図12Aの収入ストリームフロー画面との相違を主に説明する。
【0109】
図12Bの収入ストリームフロー画面において、企業Cのステークホルダセクションが、レイヤ701の左端に配置されている。つまり、レイヤ701において、企業C、企業A及び企業Bのステークホルダセクションが、この順で、左から配列されている。他のステークホルダセクションの配置位置は、
図12Aの例と同様である。また、各ステークホルダセクション内のブロックの配置位置は、
図12Aの例と同様である。
【0110】
図12Bに示すレイアウトにおいて、インタレイヤ704の一つの貨幣フローブロックペアの貨幣フローブロックのみが交差している。具体的には、貨幣フローブロック732と貨幣フローブロック734が交差している。配置スコアは以下のように計算される。交差するペアは、インタレイヤ704に含まれている。そのため、ペアの重み係数は1である。貨幣フローブロック732と貨幣フローブロック734の内、幅の最大値は貨幣フローブロック732の30である。したがって、配置スコア(SCORE)=30となる。
【0111】
図12Cは、収入ストリームフロー画面の他の例を示す。表示されるブロックは、
図12Aの収入ストリームフロー画面と同様であり、ブロックの配置が
図12Aの収入ストリームフロー画面と異なる。ブロック、レイヤ及びインタレイヤに付されている符号は、
図12Aと同様である。以下において、
図12Aの収入ストリームフロー画面との相違を主に説明する。
【0112】
レイヤ701、702及び703それぞれにおいて、ステークホルダセクションの配列順序が、
図12Aの例と異なっている。具体的には、レイヤ701において、企業C、企業B及び企業Aのステークホルダセクションが、この順で配列されている。レイヤ702において、企業D、企業F及び企業Eのステークホルダセクションが、この順で配列されている。レイヤ703において、企業H及び企業Gのステークホルダセクションが、この順で配列されている。
【0113】
また、企業Dのステークホルダセクションにおける支出ブロックの配列順序が、
図12Aの例と異なっている。具体的には、支出Fと支出Gの支出ブロック711、712の順序が逆になっている。
【0114】
図12Cに示すレイアウトにおいて、インタレイヤ704の一つの貨幣フローブロックペアの貨幣フローブロックのみが交差している。具体的には、貨幣フローブロック731と貨幣フローブロック735が交差している。配置スコアは以下のように計算される。交差するペアは、インタレイヤ704に含まれている。そのため、ペアの重み係数は1である。貨幣フローブロック731と貨幣フローブロック735の内、幅の最大値は貨幣フローブロック731及び735の10である。したがって、配置スコア(SCORE)=10となる。
【0115】
図12Dは、収入ストリームフロー画面の他の例を示す。表示されるブロックは、
図12Cの収入ストリームフロー画面と同様であり、ブロックの配置が
図12Cの収入ストリームフロー画面と異なる。ブロック、レイヤ及びインタレイヤに付されている符号は、
図12Cと同様である。以下において、
図12Cの収入ストリームフロー画面との相違を主に説明する。
【0116】
図12Cのレイアウトと比較して、レイヤ703のステークホルダセクションの順序が逆になっている。他の構成は、
図12Cのレイアウトと同様である。したがって、配置スコアも
図12Cのレイアウトと同様であって、配置スコア(SCORE)=10となる。
【0117】
図12Aから12Dに示すレイアウトにおいて、
図12C又は12Dに示すレイアウトが、最小値の配置スコア(SCORE)=10を有する。したがって、これらレイアウトから一つのレイアウトが、
図11に示すフローチャートのステップS113又はS115に従って、表示する収入ストリームフロー画面のレイアウトとして選択される。本例では、ステップS113に従って、
図12Dのレイアウトが選択される。
【0118】
具体的に説明する。上述のように、ステップS113は、注目ステークホルダにより近いレイヤのより左側のステークホルダのより左側の支出項目の支出額(支出先あり)がより大きいレイアウトを選択する。
【0119】
ビジネスモデル情報更新部303は、まず、注目ステークホルダのレイヤにおいて、支出先ステークホルダが存在する支出ブロックの内の左端の支出ブロックの支出額を比較する。これらが異なる場合、支出額が大きいレイアウトが選択される。
図12C及び12Dのレイアウトを比較する。
【0120】
図12Cのレイアウトにおいて、支出Gの支出ブロック712がレイヤ702の左端に配置されている。
図12Dのレイアウトにおいて、支出Fの支出ブロック711がレイヤ702の左端に配置されている。支出Fの支出額は、支出Gの支出額より大きい。したがって、
図12Dのレイアウトが選択される。
【0121】
ビジネスモデル情報更新部303は、注目ステークホルダのレイヤにおいて、左側から支出先ステークホルダを有する支出ブロックを選択して、金額を比較する。一つのレイアウトの金額がより高い場合、そのレイアウトが選択される。
【0122】
注目ステークホルダのレイヤのブロック配置で一つのレイアウトが選択できない場合、他のレイヤのブロック配置が参照される。注目ステークホルダのレイヤに近いレイヤから順次選択される。上及び下において隣接するレイヤの一方が優先されてもよく、それらの優先度が同一でもよい。このようにして、ユーザに提示する収入ストリームフロー画面のレイアウトを選択することができる。
【0123】
次に、
図13A及び13Bを参照して、収入ストリームフロー画面の他のレイアウトの例を説明する。以下に説明する例は、重み係数が異なるインタレイヤの交差貨幣フローブロックを含む。
【0124】
図13A及び13Bは、同一ステークホルダ群の収入ストリームフロー画面の異なるレイアウトを示す。図示されているステークホルダは、企業Aから企業Gである。企業Fが、注目ステークホルダである。企業Fの直接関連ステークホルダは、企業C及び企業Dである。企業Fの間接関連ステークホルダは、企業A、企業B、企業E及び企業Gである。企業Aは、企業C及び企業Dの直接関連ステークホルダであり、企業Bは企業D及び企業Eの直接関連ステークホルダである。企業Eは、企業B及び企業Gの直接関連ステークホルダであり、企業Gは、企業C及び企業Eの直接関連ステークホルダである。
【0125】
これらレイアウトは、それぞれ、
図11を参照して説明した配置スコアを有している。
図13Aに示すレイアウトが配置スコア=10を有しており、
図13Bに示すレイアウトが配置スコア=7.5を有している。したがって、
図13Bに示すレイアウトの収入ストリームフロー画面が選択される。
【0126】
図13A及び13Bの収入ストリームフロー画面の構成を説明する。
図13Aのレイアウトは、三つのレイヤ751、752、753を含む。レイヤ752は、レイヤ751及び752に挟まれている。注目ステークホルダである企業Fのステークホルダセクションは、レイヤ753に含まれており、その左端に配置されている。
【0127】
レイヤ751とレイヤ752との間のインタレイヤ754に対して、重みW=0.5が割り当てられている。レイヤ752とレイヤ753との間のインタレイヤ755に対して、重みW=1.0が割り当てられている。インタレイヤ755は、注目ステークホルダである企業Fのレイヤ753と接している。レイヤ753からインタレイヤ754の距離は、レイヤ753からインタレイヤ755の距離より大きい。そのため、注目ステークホルダにより近いインタレイヤ755に対して、より遠いインタレイヤ754より大きい重み係数が与えられている。
【0128】
上側レイヤ751は、企業A及び企業Bのステークホルダセクションで構成されており、この順で左側から配列されている。中央のレイヤ752は、企業C、企業D、及び企業Eのステークホルダセクションで構成されており、この順で配列されている。下側レイヤ703は、注目ステークホルダの企業G及び企業Gのステークホルダセクションで構成されており、この順で配列されている。
【0129】
上側レイヤ751において、企業Aのステークホルダセクションは、支出Aの支出ブロック756と支出Bの支出ブロック757で構成されている。支出ブロック756、757内のカッコ内の数字は、金額を示す。この点は、他の支出ブロック758~761、764、768について同様である。
【0130】
これら支出ブロックは、それぞれ、一つのステークホルダから他のステークホルダへの支出を表し、貨幣フローブロックによって当該他のステークホルダの収入ブロックに接続される。これらは、ホームベース型の五角形で表されている。企業Bのステークホルダセクションは、支出Cの支出ブロック758と支出Dの支出ブロック759で構成されている。
【0131】
中央のレイヤ752において、企業Cのステークホルダセクションは、収入ブロック763、支出Eの支出ブロック760、支出Fの支出ブロック761及び一般費の支出ブロック762で構成されている。支出ブロック760~762は、収入ブロック763の下側で、横方向の一例に配列されている。
【0132】
図13Aは、図示されている他のステークホルダからの収入のみを示し、図示されていないステークホルダの支出に起因する収入は図示されていない。企業Cの収入ブロック763は、企業Aからの支出A(支出ブロック756)に対応し、それらの額(幅)は一致する。また、企業Cの支出Eと支出Fの合計が、企業Cの収入と一致する。
【0133】
企業Dのステークホルダセクションは、収入ブロック767、支出G、一般費それぞれの支出ブロック764、765、及び利益ブロック766で構成されている。支出ブロック764、765及び利益ブロック766は、収入ブロック767の下側で、横方向の一例に配列されている。収入ブロック767の幅(額)は、支出ブロック764、765、及び利益ブロック766の幅(額)の総和と一致している。
【0134】
企業Eのステークホルダセクションは、収入ブロック771、支出H、一般費それぞれの支出ブロック768、769、及び利益ブロック770で構成されている。支出ブロック768、769、及び利益ブロック770は、収入ブロック771の下側で、横方向の一例に配列されている。収入ブロック771の幅(額)は、支出ブロック768、769、及び利益ブロック770の幅(額)の総和と一致している。
【0135】
下側のレイヤ703において、注目ステークホルダである企業Fのステークホルダセクションは、収入ブロック774、一般費の支出ブロック772、及び利益ブロック773で構成されている。支出ブロック772及び利益ブロック773は、収入ブロック774の下側で、横方向の一例に配列されている。収入ブロック774の幅(額)は、支出ブロック772及び利益ブロック773の幅(額)の総和と一致している。
【0136】
企業Gのステークホルダセクションは、収入ブロック777、一般費の支出ブロック775及び利益ブロック776で構成されている。支出ブロック775及び利益ブロック776は、収入ブロック777の下側で、横方向の一例に配列されている。収入ブロック777の幅(額)は、支出ブロック775及び利益ブロック776の幅(額)の総和と一致している。
【0137】
インタレイヤ754は、貨幣フローブロック781~784で構成されている。貨幣フローブロックそれぞれの幅(横方向のサイズ)は、その流量に比例する。貨幣フローブロック781は、企業Aから企業Cの支出Aを表し、その流量は支出Aの金額(15)と一致する。貨幣フローブロック782は、企業Aから企業Dの支出Bを表し、その流量は支出Bの金額(5)と一致する。貨幣フローブロック783は、企業Bから企業Dの支出Cを表し、その流量は支出Cの金額(15)と一致する。貨幣フローブロック784は、企業Bから企業Eの支出Dを表し、その流量は支出Dの金額(15)と一致する。
【0138】
収入ブロック763が表す企業Cの収入は、企業Aの支出Aと一致している。収入ブロック767が表す企業Dの収入は、企業Aの支出Bと企業Bの支出Cの合計と一致している。収入ブロック771が表す企業Eの収入は、企業Bの支出Dと一致している。
【0139】
インタレイヤ705は、貨幣フローブロック785~788で構成されている。貨幣フローブロック785は、企業Eから企業Dの支出Eを表し、その流量は支出Eの金額(5)と一致する。貨幣フローブロック786は、企業Cから企業Gの支出Fを表し、その流量は支出Fの金額(10)と一致する。
【0140】
貨幣フローブロック787は、企業Dから企業Fの支出Gを表し、その流量は支出Gの金額(5)と一致する。貨幣フローブロック788は、企業Eから企業Gの支出Hを表し、その流量は支出Hの金額(10)と一致する。
【0141】
図13Aに示すレイアウトにおいて、インタレイヤ755の貨幣フローブロック786と貨幣フローブロック787が交差している。配置スコアは以下のように計算される。交差するペアは、インタレイヤ755に含まれている。そのため、当該ペアの重み係数は1.0である。貨幣フローブロック786と貨幣フローブロック787の内、幅の最大値は貨幣フローブロック786の10である。したがって、配置スコア(SCORE)=10となる。
【0142】
図13Bは、収入ストリームフロー画面の他の例を示す。表示されるブロックは、
図13Aの収入ストリームフロー画面と同様であり、ブロックの配置が
図13Aの収入ストリームフロー画面と異なる。ブロック、レイヤ及びインタレイヤに付されている符号は、
図13Aと同様である。以下において、
図13Aの収入ストリームフロー画面との相違を主に説明する。
【0143】
図13Bの収入ストリームフロー画面において、記号Aのステークホルダセクションにおいて、支出Aの支出ブロック756と支出Bの支出ブロック757の位置が入れ替わっている。レイヤ752において、企業Cのステークホルダセクションと企業Dのステークホルダセクション位置が入れ替わっている。つまり、企業D、企業C及び企業Eの順で、ステークホルダセクションが配列されている。他のコンポーネントの配置は、
図13Aと同様である。
【0144】
図13Bに示すレイアウトにおいて、インタレイヤ754の一つの貨幣フローブロックペアの貨幣フローブロックのみが交差している。具体的には、貨幣フローブロック781と貨幣フローブロック783が交差している。配置スコアは以下のように計算される。交差するペアは、インタレイヤ754に含まれている。そのため、ペアの重み係数は0.5である。貨幣フローブロック781と貨幣フローブロック783の内、幅の最大値は貨幣フローブロック781の15である。したがって、配置スコア(SCORE)=7.5となる。
【0145】
図11から
図13Bを参照して説明した収入ストリームフロー画面レイアウト選択方法は、交差する貨幣フローブロックの交差面積に基づき、レイアウトを決定する。具体的には、交差貨幣フローブロックの数と、貨幣フローブロックのより広い幅の積和に基づく。また、注目ステークホルダからの距離の増加と共に減少する重み係数が、貨幣フローブロックに対して割り当てられる。これら条件により、より見やすいレイアウトを選択することができる。
【0146】
他の例の選択方法は、貨幣フローブロックの幅を参照することなく、交差貨幣フローブロックの数に基づき決定してもよい。または、交差する貨幣フローブロックの一方のみではなく双方の幅、例えば、双方の幅の和が参照されてもよい。貨幣フローブロックに対する重みは定義されていなくてもよい。
【0147】
次に、ダミーステークホルダセクションを含む収入ストリームフロー画面を説明する。本明細書の一実施形態において、ビジネスモデル情報更新部303は、レイヤを跨ぐ貨幣の流れのために、当該レイヤにダミーステークホルダセクションを配置する。これにより、より見やすい収入ストリームフロー画面を生成することができる。
【0148】
図14は、ダミーステークホルダセクションを含む収入ストリームフロー画面の例を示す。収入ストリームフロー画面が示すステークホルダは、企業Aから企業Dである。企業Cが、注目ステークホルダである。
【0149】
企業Cの直接関連ステークホルダは、企業A及び企業Bである。企業Cの間接関連ステークホルダは、企業Dである。企業Aは、企業B及び企業Cの直接関連ステークホルダであり、企業Bは企業A、企業C、及び企業Dの直接関連ステークホルダである。企業Dは、企業Bの直接関連ステークホルダである。
【0150】
図14のレイアウトは、三つのレイヤ801、802、803を含む。レイヤ802は、レイヤ801及び802に挟まれている。注目ステークホルダである企業Cのステークホルダセクションは、レイヤ803に含まれており、その左端に配置されている。
【0151】
レイヤ801とレイヤ802との間のインタレイヤ804に対して、重みW=0.5が割り当てられている。レイヤ802とレイヤ803との間のインタレイヤ805に対して、重みW=1.0が割り当てられている。レイヤ803からインタレイヤ804の距離は、レイヤ803からインタレイヤ805の距離より大きい。そのため、注目ステークホルダにより近いインタレイヤ805に対して、より遠いインタレイヤ804より大きい重み係数が与えられている。
【0152】
上側レイヤ801は、企業Aのステークホルダセクションで構成されている。中央のレイヤ802は、企業Cのダミーステークホルダセクション840及び企業Bのステークホルダセクション815で構成されており、この順で配列されている。下側レイヤ803は、注目ステークホルダの企業C及び企業Dのステークホルダセクションで構成されており、この順で配列されている。
【0153】
インタレイヤ804は、貨幣フローブロック831及び832で構成されている。貨幣フローブロックそれぞれの幅は、その流量に比例する。貨幣フローブロック831は、企業Aから企業Cの支出Aを表し、その流量は支出Aの金額(10)と一致し、又、その幅は、企業Cのダミーステークホルダセクション840の幅と一致する。貨幣フローブロック832は、企業Aから企業Bの支出Bを表し、その流量は支出Bの金額(15)と一致する。
【0154】
インタレイヤ805は、貨幣フローブロック833、834及び835で構成されている。貨幣フローブロック833は、企業Aから企業Cの支出であり、貨幣フローブロック831の支出と同一である。したがって、貨幣フローブロック833の流量は支出Aの金額(10)と一致している。貨幣フローブロック834は、企業Bから企業Cの支出Cを表し、その流量は支出Cの金額(5)と一致する。貨幣フローブロック835は、企業Bから企業Dの支出Dを表し、その流量は支出Cの金額(5)と一致する。
【0155】
上述のように、企業Bは企業Aからの支出を受け、企業Cは、企業A及び企業Bそれぞれからの支出を受けている。そのため、企業Aから企業Cへの貨幣の流れは、レイヤ802を跨ぐ。
【0156】
ダミーステークホルダセクション840は、レイヤ802に配置され、貨幣フローブロック831によって企業Aの支出ブロック811と繋がれる。さらに、ダミーステークホルダセクション840は、レイヤ803に配置された企業Cのステークホルダセクション816と繋がれる。配置スコアの計算方法は、
図13A及び13Bを参照して説明した通りである。
【0157】
次に、コピーステークホルダセクションを含む収入ストリームフロー画面を説明する。本明細書の一実施形態において、ビジネスモデル情報更新部303は、支出のループを表すため、特定のステークホルダのために、通常のステークホルダセクションに加えて、コピーステークホルダセクションを配置する。これにより、より見やすい収入ストリームフロー画面を生成することができる。
【0158】
図15は、コピーステークホルダセクションを含む収入ストリームフロー画面の例を示す。本例において、企業A、企業B、企業Cそして企業Aの順で支出が連結された、支出のループが存在する。企業Aのために、通常のステークホルダセクション865が配置されると共に、企業Cからの支出を受けるためのコピーステークホルダセクション890が配置されている。
【0159】
図15の収入ストリームフロー画面が示すステークホルダは、企業Aから企業Dである。企業Cが、注目ステークホルダである。企業Cの直接関連ステークホルダは、企業A及び企業Bである。企業Cの間接関連ステークホルダは、企業Dである。企業Aは、企業B及び企業Cの直接関連ステークホルダであり、企業Bは企業A、企業C、及び企業Dの直接関連ステークホルダである。企業Dは、企業Bの直接関連ステークホルダである。
【0160】
図15のレイアウトは、三つのレイヤ851、852、853、854を含み、この順で上から配列されている。注目ステークホルダである企業Cのステークホルダセクションは、レイヤ853に含まれており、その左端に配置されている。
【0161】
レイヤ851は、企業Aの通常(コピー元)ステークホルダセクション865で構成されている。レイヤ852は、企業Bのステークホルダセクションで構成されている。レイヤ853は、左側から企業Cのステークホルダセクション866及び企業Dのステークホルダセクション867で構成され、これらはこの順で左から配列されている。レイヤ854は、企業Aのコピーステークホルダセクション890で構成されている。
【0162】
レイヤ851とレイヤ852との間のインタレイヤ855に対して、重みW=0.5が割り当てられている。レイヤ852とレイヤ853との間のインタレイヤ856に対して、重みW=1.0が割り当てられている。レイヤ853とレイヤ854との間のインタレイヤ857に対して、重みW=1.0が割り当てられている。
【0163】
レイヤ853からインタレイヤ855の距離は、レイヤ853からインタレイヤ856又は857の距離より大きい。レイヤ853からインタレイヤ856、857の距離は同一である。そのため、注目ステークホルダにより近いインタレイヤ856、857に対して、より遠いインタレイヤ855より大きい重み係数が与えられている。
【0164】
インタレイヤ855は、貨幣フローブロック881で構成されている。貨幣フローブロックそれぞれの幅は、その流量に比例する。貨幣フローブロック881は、企業Aから企業Bの支出Aを表し、その流量は支出Aの金額(20)と一致する。
【0165】
インタレイヤ856は、貨幣フローブロック882及び883で構成されている。貨幣フローブロック882は、企業Bから企業Cの支出を表し、その流量は支出Cの金額(10)と一致する。貨幣フローブロック883は、企業Bから企業Dの支出Dを表し、その流量は支出Dの金額(7.5)と一致する。
【0166】
インタレイヤ85は、貨幣フローブロック884で構成されている。貨幣フローブロック884は、企業Cから企業Aの支出Eを表し、その流量は支出Eの金額(5)と一致する。貨幣フローブロック884は、企業Cからの支出Eのブロック861と、企業Aのコピーステークホルダセクション890とを繋ぐ。このように、企業Aの二つのステークホルダブロックを配置することで、異なるレイヤに属するステークホルダと企業Aとの間の貨幣の流れを、見やすいレイアウトで提示することができる。
【0167】
次に、ビジネスマップ画面から収入ストリームチャート画面を生成する処理を説明する。本明細書の一実施形態において、ビジネスモデル設計支援装置101は、ビジネスマップ画面をユーザに提示する。ユーザによりビジネスマップ上で入力された情報に応じて、ビジネスモデル設計支援装置101は、ステークホルダ情報311及び支出項目情報312を生成する。
【0168】
図16は、ビジネスマップ画面901及び当該ビジネスマップ画面上で入力された情報に基づき生成された収入ストリームチャート画面902の例を示す。ビジネスマップ画面を提示することで、ユーザは、より容易に、収入ストリームチャート画面を生成するため情報を入力することができる。
【0169】
ビジネスマップ画面901において、ステークホルダは、建物形、人間形等のアイコンで表される。貨幣支出は、“¥”を“○”で囲んだアイコンで表される。貨幣の流れは、ある利害関係者を起点とし他の利害関係者を終点とする有向線分で表される。議論の参加者は、例えばビジネスマップ画面901を指で触れることによって、各種のアイコン及び有向線分を描画する。ビジネスマップ画面901は、利害関係者間の関係を一覧するのに適している。
【0170】
例えば、表示画面生成部305は、ビジネスマップ画面901を生成する。ビジネスモデル情報取得部302は、画面操作取得部301を介して、ユーザ入力の情報を取得し、ビジネスモデル情報310のステークホルダ情報311及び支出項目情報312に格納する。ユーザ指示に応じて、ビジネスモデル設計支援装置101は、上述のように、収入ストリームチャート画面902を生成する。
【0171】
なお、ビジネスモデル設計支援装置101は、収入ストリームチャート画面902上でのユーザ更新を受け付け、その更新を反映するように、ビジネスマップ画面901を更新してもよい。
【0172】
次に、二つの収入ストリームチャート画面の比較において、一方の収入ストリームチャート画面を、他方の収入ストリームチャート画面に合わせて調整する処理を説明する。これにより、ユーザは異なる二つの収入ストリームチャートを比較しやすくなる。
【0173】
図17A及び
図17Bは、比較すべき二つの収入ストリームチャート画面951、952Aを、それぞれ示す。ユーザによるこれらの比較を容易とするため、ビジネスモデル設計支援装置101は、一方の収入ストリームチャート画面に合わせて、他方の収入ストリームチャート画面のレイアウトを変更する。たとえば、収入ストリームチャート画面951、952Aの「比較」ボタンが押下されると、一方画面のレイアウトが変更される。
【0174】
本明細書の一実施形態において、ビジネスモデル設計支援装置101は、配置スコアが小さい収入ストリームチャート画面に合わせて、配置スコアが大きい収入ストリームチャート画面を変更する。
図17Aが示す収入ストリームチャート画面951の配置スコアは10である。一方、
図17Bが示す収入ストリームチャート画面952Aの配置スコアは15である。
【0175】
そのため、ビジネスモデル設計支援装置101は、
図17Bが示す収入ストリームチャート画面952Aを、収入ストリームチャート画面951と一致率が増加するように変更して、
図17Cに示す収入ストリームチャート画面952Bを生成する。
【0176】
より具体的に説明する。
図17Aの収入ストリームチャート画面951は、企業Aから企業Eの情報を示し、企業Cが注目企業である。収入ストリームチャート画面951はレイヤ961及び962を含み、この順で上から配列されている。それらの間のインタレイヤ963に対して、重み係数W=1.0が割り当てられている。企業Aの支出B(支出ブロック965)からの貨幣フローブロックと、企業Bの支出C(支出ブロック966)からの貨幣フローブロックとが交差している。支出Bの金額は10であり、支出Cの金額は5である。そのため、配置スコア(SCORE)は10である。
【0177】
図17Bの収入ストリームチャート画面952Aは、企業Aから企業Eの情報を示し、企業Cが注目企業である。収入ストリームチャート画面952Aはレイヤ971A、972及び973を含み、この順で上から配列されている。レイヤ971A、972の間のインタレイヤ974Aに対して、重み係数W=1.0が割り当てられている。また、レイヤ972、973の間のインタレイヤ975に対して、重み係数W=1.0が割り当てられている。
【0178】
インタレイヤ974Aにおいて、企業Aの支出A(支出ブロック976)からの貨幣フローブロックと、企業Bの支出D(支出ブロック979)からの貨幣フローブロックとが交差している。支出Aの金額は5であり、支出Dの金額は15である。そのため、配置スコア(SCORE)は15である。
【0179】
したがって、ビジネスモデル設計支援装置101は、
図17Aの収入ストリームチャート画面951を基準の収入ストリームチャート画面として選択する。
図17Aの収入ストリームチャート画面951において、レイヤ961は、企業A及び企業Bのステークホルダセクションで構成され、この順でステークホルダセクションは左から配列されている。また、レイヤ962は、企業C、企業D及び企業Eのステークホルダセクションで構成され、この順でステークホルダセクションは左から配列されている。
【0180】
図17Bの収入ストリームチャート画面952Aにおいて、レイヤ971Aは、企業B及び企業Aのステークホルダセクションで構成され、この順でステークホルダセクションは左から配列されている。また、レイヤ972は、企業C及び企業Dのステークホルダセクションで構成され、この順でステークホルダセクションは左から配列されている。
【0181】
ビジネスモデル設計支援装置101は、二つの画面の各レイヤのステークホルダセクション順序の一致数が大きくなるように、収入ストリームチャート画面952Aのステークホルダセクションの順序を調整する。
【0182】
図17Cに示すように、収入ストリームチャート画面952Aのレイヤ971Aのステークホルダセクションの順序が変更される。
図17Cに示す収入ストリームチャート画面952Bは、レイヤ971Bのステークホルダセクションの順序及びインタレイヤ974Bの貨幣フローブロックの順序が、
図17Bに示す収入ストリームチャート画面952Aと異なっている。
【0183】
収入ストリームチャート画面952Bにおいて、レイヤ971Bは、左から配列された、企業Aのステークホルダセクション及び企業Bのステークホルダセクションで構成されている。この順序は、
図17Aに示す収入ストリームチャート画面951のレイヤ961と同様である。このため、ステークホルダセクションの順序一致度がより高い。一方、インタレイヤ974Bにおいて、支出B(ブロック977)からの貨幣フローブロックと、支出C(ブロック978)からの貨幣フローブロックが交差している。そのため、配置スコア(SCORE)は20であり、修正前の収入ストリームチャート画面952のスコアより高い。
【0184】
本明細書の一実施形態において、ビジネスモデル設計支援装置101は、ステークホルダセクションの配置が異なる収入ストリームチャート画面レイアウトの再配置スコア(SCORE´)を算出し、それらに基づいて調整後のレイアウトを選択する。再配置スコアは、基準の収入ストリームチャート画面との、レイヤのステークホルダセクションの順序の一致度を表す。
【0185】
図18は、二つの収入ストリームチャート画面の比較ため、一方の収入ストリームチャート画面のレイアウトを調整する処理の例のフローチャートである。ビジネスモデル情報更新部303は、一方の比較対象Aの収入ストリームチャート画面のレイアウトを、配置スコア(SCORE)に基づき決定する(S151)。次に、ビジネスモデル情報更新部303は、他方の比較対象Bの収入ストリームチャート画面のレイアウトを、配置スコア(SCORE)に基づき決定する(S152)。
【0186】
次に、ビジネスモデル情報更新部303は、比較対象Aの配置スコアSCORE(SA)と、比較対象Bの配置スコアSCORE(SB)とを比較する(S153)。配置スコアが小さい比較対象に「α」を割り当て、配置スコアが大きい比較対象に「β」を割り当てる(S154、S155)。
【0187】
次に、ビジネスモデル情報更新部303は、比較対象βに対して、以下の再配置スコア(SCORE´)が最大になる配置の並びを選択しなおす。
SCORE´=Σ{W(L)×ML(α、β)}
【0188】
ここで、W(L)は、レイヤLの重み係数を表す。本明細書の一実施例において、注目ステークホルダに近いレイヤ程高い重み係数が与えられる。なお、重み係数は省略されててもよい。ML(α、β)は、レイヤLにおける比較対象αと比較対象βとステークホルダの順序の一致数を表す。同一のステークホルダセクションの左端からの位置(順番)が一致すると、1だけカウントされる。
【0189】
図17Aから17Cの例を説明する。
図17Aの収入ストリームチャート画面951と
図17Bの収入ストリームチャート画面952Aとを比較する。レイヤ961とレイヤ971Aとの間において、企業Aの順番及び企業Bの順番は異なる。レイヤ961とレイヤ972との間において、企業Cの順番及び企業Dの順番は一致する。レイヤ972の重み係数は1.0である。そのため、収入ストリームチャート画面952Aの再配置スコア(SCORE´)の値は2.0である。
【0190】
図17Aの収入ストリームチャート画面951と
図17Cの収入ストリームチャート画面952Bとを比較する。レイヤ961とレイヤ971Bとの間において、企業Aの順番及び企業Bの順番は共に一致する。レイヤ971Bの重み係数は0.5である。レイヤ961とレイヤ972との間において、企業Cの順番及び企業Dの順番は一致する。レイヤ972の重み係数は1.0である。そのため、収入ストリームチャート画面952Bの再配置スコア(SCORE´)の値は3.0である。
【0191】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0192】
また、上記の各構成・機能・処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。
【0193】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0194】
101 ビジネスモデル設計支援装置
102 クライアント端末
103 入出力装置
201 演算装置
202 主記憶装置
203 補助記憶装置
206 通信インタフェース
301 画面操作取得部
302 ビジネスモデル情報取得部
303 ビジネスモデル情報更新部
304 ビジネスモデル情報格納部
305 表示画面生成部
306 表示画面更新通知部
311 ステークホルダ情報
312 支出項目情報
313 ステークホルダ配置情報
314 支出項目配置情報
501、502、503 レイヤ
561、562、563 貨幣フローブロック
511、512、513、514 ステークホルダセクション
571、572 インタレイヤ