IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社スペースコネクトの特許一覧 ▶ Net LED株式会社の特許一覧

特開2023-106747シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法
<>
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図1
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図2
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図3
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図4
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図5
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図6
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図7A
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図7B
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図8A
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図8B
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図8C
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図9
  • 特開-シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106747
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20230726BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007663
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】521103831
【氏名又は名称】株式会社スペースコネクト
(71)【出願人】
【識別番号】511012662
【氏名又は名称】NetCONNECT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(72)【発明者】
【氏名】福西 佐允
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 隆也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB68
(57)【要約】
【課題】事前予約と飛び込み予約が混在し得るシェアスペースにおいて飛び込み予約の利用者が効率的にシェアスペースを利用することを可能とするシェアスペース入室管理システムを提供する。
【解決手段】システム1は、相互に無線通信可能なロック装置2及びクラウドサーバ4を含む。クラウドサーバ4は、携帯端末5によって撮像されたQRコード10に対応するシェアスペースSの予約状況を取得し、シェアスペースSについて現時刻から所定時刻まで予約がない場合、現時刻に利用可能であることを携帯端末5に表示させ、現時刻での現予約がある場合、利用開始可能時刻を携帯端末5に表示させ、シェアスペースSの現時刻又は利用開始可能時刻から指定終了時刻までの飛び込み予約の決定を携帯端末5から受け付け、現時刻からの飛び込み予約の決定に応じて解錠信号をロック装置2に送信する。ロック装置2は、解錠信号に応じてシェアスペースSのドアDを解錠する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェアスペースのドアに設置されて該ドアを施解錠するロック装置と、前記ドア外部に配置されて前記シェアスペースに対応付けられた撮像可能コードと、前記ロック装置と無線通信可能なクラウドサーバとを備えるシェアスペース入室管理システムであって、
前記ロック装置は、
前記ドアを施錠及び解錠するための施錠位置及び解錠位置に移行可能なロック機構と、
前記クラウドサーバから受信される解錠信号に応じて前記ロック機構を前記解錠位置に移行させるロック制御部と
を備え、
前記クラウドサーバは、
前記シェアスペースの予約状況を示す予約状況情報を管理する予約管理部と、
携帯端末によって撮像及び送信された前記撮像可能コードに対応する対象シェアスペースの前記予約状況情報を取得する予約状況取得部と、
前記対象シェアスペースについて現時刻から所定時刻まで予約がないことを前記予約状況情報が示す場合に、前記対象シェアスペースが前記所定時刻まで利用可能であることを前記携帯端末に表示させ、前記対象シェアスペースについて現時刻での現予約があることを前記予約状況情報が示す場合に、前記対象シェアスペースが利用可能となる利用開始可能時刻を前記携帯端末に表示させる予約状況提示部と、
前記対象シェアスペースの現時刻又は前記利用開始可能時刻から指定終了時刻までの予約の決定を前記携帯端末から受け付ける飛び込み予約部と、
現時点からの前記予約の決定に応じて前記解錠信号を前記ロック装置に送信する施解錠指令部と
を備える、シェアスペース入室管理システム。
【請求項2】
前記予約状況提示部は、前記対象シェアスペースの現時刻での現予約があることを前記予約状況情報が示す場合に、現時刻における他の利用可能又は予約可能な代替シェアスペースを前記携帯端末に提示するように構成された、請求項1に記載のシェアスペース入室管理システム。
【請求項3】
前記予約状況提示部は、前記対象シェアスペースが含まれる施設の内部にある他のシェアスペースを、前記対象シェアスペースが含まれる施設の外部にある他のシェアスペースよりも優先して前記代替シェアスペースとして提示するように構成された、請求項2に記載のシェアスペース入室管理システム。
【請求項4】
前記予約状況提示部は、前記代替シェアスペースが地図上にマッピングされたマップ情報とともに前記代替シェアスペースを提示するように構成された、請求項2に記載のシェアスペース入室管理システム。
【請求項5】
前記施解錠指令部は、前記予約の決定後で前記指定終了時刻前に前記撮像可能コードを撮像及び送信した携帯端末の識別情報が前記予約の決定時の前記携帯端末の識別情報と一致する場合に前記解錠信号を前記ロック装置に送信するように構成された、請求項1から4のいずれか一項に記載のシェアスペース入室管理システム。
【請求項6】
前記シェアスペースの内部に配置され、前記クラウドサーバと無線通信可能なシェアスペース端末をさらに備え、
前記シェアスペース端末は、
コンソール画面と、
前記クラウドサーバから受信されるコンソール指令に含まれる画像コードを前記コンソール画面に表示するコンソール制御部と
を備え、
前記クラウドサーバは、
前記画像コードを含む前記コンソール指令を生成する表示指令部と、
前記携帯端末によって撮像及び送信された前記画像コードに応じて、前記ロック装置の操作に必要なロック操作情報を前記シェアスペース端末に送信するロック操作許可部と
を備え、
前記表示指令部は、前記ロック操作情報を前記コンソール画面に表示させるように構成された、請求項1から5のいずれか一項に記載のシェアスペース入室管理システム。
【請求項7】
前記コンソール制御部は、前記ロック装置の施錠状態又は解錠状態を示すオブジェクトを前記コンソール画面上に表示させるように構成された、請求項6に記載のシェアスペース入室管理システム。
【請求項8】
前記ロック操作許可部は、前記ロック操作情報を前記指定終了時刻後に無効化するように構成された、請求項6又は7に記載のシェアスペース入室管理システム。
【請求項9】
前記ロック装置はナンバーキーを有し、前記ロック制御部はナンバーキーからの入力番号を前記クラウドサーバに送信するように構成され、
前記ロック操作情報は暗証番号であり、前記施解錠指令部は、前記入力番号と前記暗証番号との照合が成功した場合に前記解錠信号を生成するように構成され、
前記暗証番号が前記携帯端末と前記クラウドサーバとの間で変更可能となるように構成された、請求項6から8のいずれか一項に記載のシェアスペース入室管理システム。
【請求項10】
シェアスペースのドアに設置されて該ドアを施解錠するロック装置及び該ロック装置と無線通信可能なクラウドサーバによって実行されるシェアスペース入室管理方法であって、
(A)対象シェアスペースSに対応付けられた撮像可能コードが携帯端末に撮像されたことに応じて、前記クラウドサーバが、前記対象シェアスペースの予約状況情報を取得するステップと、
(B)前記クラウドサーバが、前記対象シェアスペースについて現時刻から所定時刻まで予約がないことを前記予約状況情報が示す場合に前記対象シェアスペースが前記所定時刻まで利用可能であることを前記携帯端末に表示させ、前記対象シェアスペースについて現時刻での現予約があることを前記予約状況情報が示す場合に前記対象シェアスペースが利用可能となる利用開始可能時刻を前記携帯端末に表示させるステップと、
(C)前記クラウドサーバが、前記対象シェアスペースの現時刻又は前記利用開始可能時刻から指定終了時刻までの予約の決定を前記携帯端末から受け付けるステップと、
(D)前記クラウドサーバが、現時刻からの前記予約の決定に応じて、解錠信号を前記ロック装置に送信するステップと、
(E)前記ロック装置が、前記解錠信号に応じて、該ロック装置のロック機構を解錠位置に移行させて前記ドアを解錠するステップと
を備えるシェアスペース入室管理方法。
【請求項11】
前記ステップ(B)において、前記クラウドサーバは、前記対象シェアスペースの現時刻での現予約があることを前記予約状況情報が示す場合に、現時刻におけるの他の利用可能又は予約可能な代替シェアスペースを前記携帯端末に提示する、請求項10に記載のシェアスペース入室管理方法。
【請求項12】
前記ステップ(B)において、前記クラウドサーバは、前記対象シェアスペースが含まれる施設の内部にある他のシェアスペースを、前記対象シェアスペースが含まれる施設の外部にある他のシェアスペースよりも優先して前記代替シェアスペースとして提示する、請求項11に記載のシェアスペース入室管理方法。
【請求項13】
前記ステップ(B)において、前記クラウドサーバは、前記代替シェアスペースが地図上にマッピングされたマップ情報とともに前記代替シェアスペースを提示する、請求項11に記載のシェアスペース入室管理方法。
【請求項14】
(F)前記予約の決定後で前記指定終了時刻前に前記撮像可能コードを撮像及び送信した携帯端末の識別情報が前記予約の決定時の前記携帯端末の識別情報と一致する場合、前記クラウドサーバが前記解錠信号を前記ロック装置に送信するステップをさらに備える請求項10から13のいずれか一項に記載のシェアスペース入室管理方法。
【請求項15】
(G)前記クラウドサーバが、画像コードを含む前記コンソール指令を生成するステップと、
(H)前記シェアスペースの内部に配置され、前記クラウドサーバと無線通信可能なシェアスペース端末が、前記クラウドサーバから受信されるコンソール指令に含まれる前記画像コードを前記シェアスペース端末のコンソール画面に表示するステップと、
(I)前記クラウドサーバが、前記携帯端末によって撮像及び送信された前記画像コードに応じて、前記ロック装置の操作に必要なロック操作情報を前記シェアスペース端末に送信するステップと、
(J)前記シェアスペース端末が、前記ロック操作情報を前記コンソール画面に表示させるステップと
をさらに備える請求項10から14のいずれか一項に記載のシェアスペース入室管理方法。
【請求項16】
前記ステップ(J)において、前記シェアスペース端末は、前記ロック装置の施錠状態又は解錠状態を示すオブジェクトを前記コンソール画面上に表示させる、請求項15に記載のシェアスペース入室管理方法。
【請求項17】
(K)前記クラウドサーバが、前記ロック操作情報を前記指定終了時刻後に無効化するステップをさらに備える請求項15又は16に記載のシェアスペース入室管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ブースの利用を予約者に提供するサービスのための装置及び管理システムを開示する。この装置は、貸出しブースの複数の利用対象者のためにブースを予約する作業者によって操作される画面上に、各対象者に紐付けられた位置に応じたブースの候補を提示する提示手段と、作業者による各対象者に対するブースの予約を受け付ける受付手段とを有する。また、管理システムにおいて、認証ユニットが、ブースの扉に取り付けられ、扉の施解錠に必要となる情報の取得又は受渡しに使用される。認証の処理は予約管理サーバで実行され、認証が成功した場合に、認証ユニットは認証結果を受信し、ブースの扉を解錠する。特許文献2は、ホテルの部屋などに使用される電子錠システムを開示する。この電子錠システムでは、携帯端末が電子錠付近の2次元コードを読み取り、サーバが2次元コード及びユーザIDと予約情報とを照合し、照合が成功した場合に鍵情報を携帯端末に付与し、携帯端末がその鍵情報を用いて電子錠を解錠する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-079403号公報
【特許文献2】特開2021-116573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2の構成では、利用対象となるブース又は部屋が事前に予約されることが前提となっている。したがって、上記構成は、事前予約のない現地での当日予約、すなわち、いわゆる飛び込み予約に対応していない。一方、近年では、よりフレキシブルな働き方に対応して事前予約だけでなく飛び込み予約に対応したシェアブースなどのシェアスペースが普及している。ここで、飛び込み予約の利用者側の視点として、現時点でそのシェアスペースが利用可能でなくても、多少の待ち時間であれば、例えば、先に他の用事を済ませてから利用するなどしてそのシェアスペースを利用したい場合がある。また、シェアスペース提供側の視点としても、現時点でそのシェアスペースが利用可能でなくても、利用者には多少待ってもらった後にそのシェアスペースを利用してほしいものである。したがって、いずれの視点においても、事前予約及び飛び込み予約が混在し得る状況において、飛び込み予約の利用者が効率的にシェアスペースを利用できることが望ましい。
【0005】
そこで、本発明は、事前予約及び飛び込み予約が混在し得るシェアスペースについて、飛び込み予約の利用者が効率的にシェアスペースを利用することを可能とするシェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によるシェアスペース入室管理システムは、シェアスペースのドアに設置されてドアを施解錠するロック装置と、ドア外部に配置されてシェアスペースに対応付けられた撮像可能コードと、ロック装置と無線通信可能なクラウドサーバとを備える。ロック装置は、ドアを施錠及び解錠するための施錠位置及び解錠位置に移行可能なロック機構と、クラウドサーバから受信される解錠信号に応じてロック機構を解錠位置に移行させるロック制御部とを備える。クラウドサーバは、シェアスペースの予約状況を示す予約状況情報を管理する予約管理部と、携帯端末によって撮像及び送信された撮像可能コードに対応する対象シェアスペースの予約状況情報を取得する予約状況取得部と、対象シェアスペースについて現時刻から所定時刻まで予約がないことを予約状況情報が示す場合に、対象シェアスペースが所定時刻まで利用可能であることを携帯端末に表示させ、対象シェアスペースについて現時刻での現予約があることを予約状況情報が示す場合に、対象シェアスペースが利用可能となる利用開始可能時刻を携帯端末に表示させる予約状況提示部と、対象シェアスペースの現時刻又は利用開始可能時刻から指定終了時刻までの予約の決定を携帯端末から受け付ける飛び込み予約部と、現時刻からの予約の決定に応じて解錠信号をロック装置に送信する施解錠指令部とを備える。
【0007】
本発明の第2の態様によるシェアスペース入室管理方法は、シェアスペースのドアに設置されてドアを施解錠するロック装置及び当該ロック装置と無線通信可能なクラウドサーバによって実行される。方法は、対象シェアスペースSに対応付けられた撮像可能コードが携帯端末に撮像されたことに応じて、クラウドサーバが、対象シェアスペースの予約状況情報を取得するステップと、クラウドサーバが、対象シェアスペースについて現時刻から所定時刻まで予約がないことを予約状況情報が示す場合に対象シェアスペースが所定時刻まで利用可能であることを携帯端末に表示させ、対象シェアスペースについて現時刻での現予約があることを予約状況情報が示す場合に対象シェアスペースが利用可能となる利用開始可能時刻を携帯端末に表示させるステップと、クラウドサーバが、対象シェアスペースの現時刻又は利用開始可能時刻から指定終了時刻までの予約の決定を携帯端末から受け付けるステップと、クラウドサーバが、現時刻からの予約の決定に応じて、解錠信号をロック装置に送信するステップと、ロック装置が、解錠信号に応じて、ロック装置のロック機構を解錠位置に移行させてドアを解錠するステップとを備える。
【0008】
上記第1及び第2の態様によると、シェアスペースに対応付けされた撮像可能コードを撮像した携帯端末において、対象シェアスペースが現時刻又は提示された利用開始可能時刻から利用可能であることが表示される。そして、この表示に基づいて利用者が携帯端末から対象シェアスペースの現時刻又は利用開始可能時刻からの飛び込み予約の決定を行うことができ、現時刻からの飛び込み予約に応じてドアのロック装置が解錠される。これにより、事前予約と飛び込み予約が混在し得るシェアスペースについて、飛び込み予約の利用者が効率的にシェアスペースを利用することを可能とするシェアスペース入室管理システム及びシェアスペース入室管理方法が実現される。
【0009】
上記第1及び第2の態様において、予約状況提示部は、対象シェアスペースの現時刻での現予約があることを予約状況情報が示す場合に、現時刻における他の利用可能又は予約可能な代替シェアスペースを携帯端末に提示する。これにより、利用者に、シェアスペース利用の意思を継続させることができ、シェアスペースの利用効率が向上し得る。
【0010】
上記第1及び第2の態様において、予約状況提示部は、対象シェアスペースが含まれる施設の内部にある他のシェアスペースを、対象シェアスペースが含まれる施設の外部にある他のシェアスペースよりも優先して代替シェアスペースとして提示してもよい。これにより、利用者は、最も近くの代替シェアスペースを待つことなく利用することができ、その利便性が高まる。
【0011】
上記第1及び第2の態様において、予約状況提示部は、代替シェアスペースが地図上にマッピングされたマップ情報とともに代替シェアスペースを提示する。これにより、利用者をスムーズに代替シェアスペースに誘導することができ、シェアスペースの効率的な利用が促進される。
【0012】
上記第1及び第2の態様において、施解錠指令部は、予約決定後で指定終了時刻前に撮像可能コードを撮像及び送信した携帯端末の識別情報が、予約決定に起因する携帯端末の識別情報と一致する場合に、解錠信号をロック装置に送信する。これにより、利用者は、利用時間中であれば毎回同じ操作でシェアスペースに再入室することができ、その利用容易性が高まる。
【0013】
上記第1及び第2の態様において、シェアスペースの内部に配置され、クラウドサーバと無線通信可能なシェアスペース端末がさらに設けられる。シェアスペース端末は、コンソール画面と、クラウドサーバから受信されるコンソール指令に含まれる画像コードをコンソール画面に表示するコンソール制御部とを備える。クラウドサーバは、画像コードを含むコンソール指令を生成する表示指令部と、携帯端末によって撮像及び送信された画像コードに応じて、ロック装置の操作に必要なロック操作情報をシェアスペース端末に送信するロック操作許可部とを備え、表示指令部は、ロック操作情報をコンソール画面に表示させる。これにより、オートロックに依存しないシステム構成が可能となり、利用者は自在にロック操作を行うことができる。したがって、利用者は、シェアスペースを一時的に退室した後も解錠状態を維持できるので、短時間又は短距離の一時退室、複数名利用時の単独での一時退室など後の再入室時に解錠操作を行う必要がなく、シェアスペースの利便性が高まる。
【0014】
上記第1及び第2の態様において、コンソール制御部は、ロック装置の施錠状態又は解錠状態を示すオブジェクトをコンソール画面上に表示させる。これにより、利用者は、ドアの施解錠状態を容易に視認することができ、ドアの施解錠の確認などの無駄な操作を回避することができる。
【0015】
上記第1及び第2の態様において、ロック操作許可部は、ロック操作情報を指定終了時刻後に無効化する。これにより、シェアスペースのセキュリティが向上する。
【0016】
上記第1及び第2の態様において、ロック装置はナンバーキーを有し、ロック制御部はナンバーキーからの入力番号をクラウドサーバに送信するように構成され、ロック操作情報は暗証番号であり、施解錠指令部は、入力番号と暗証番号との照合が成功した場合に解錠信号を生成するように構成され、暗証番号が携帯端末とクラウドサーバとの間で変更可能である。これにより、比較的一般的なナンバー式の電子ロック装置でシステムが構成され、シェアスペースの導入容易性が高まるとともに、利用者は自身が覚えやすい暗証番号を用いることができ、その利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態によるシェアスペース入室管理システムの概略図である。
図2】実施形態によるシェアスペース入室管理システムのブロック図である。
図3】実施形態によるシェアスペース入室管理方法のフロー図である。
図4】実施形態によるシェアスペース端末の正面図である。
図5】実施形態によるシェアスペース端末の一配線例を示す回路図である。
図6】実施形態によるシェアスペース端末の他の配線例を示す回路図である。
図7A】実施形態によるシェアスペース端末の背面図及び側面図である。
図7B】実施形態によるシェアスペース端末の側面部分断面図である。
図8A】実施形態によるシェアスペース端末のコンソール画面の一例を示す図である。
図8B】実施形態によるシェアスペース端末のコンソール画面の一例を示す図である。
図8C】実施形態によるシェアスペース端末のコンソール画面の一例を示す図である。
図9】実施形態における携帯端末の表示画面の一例を示す図である。
図10】実施形態によるシェアスペース入室管理方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
図1に、本発明の実施形態によるシェアスペース入室管理システム1(以下、「システム1」という)の概略図を示す。システム1は、シェアブースなどの時間貸しのシェアスペースSに適用される。本実施形態では、シェアスペースSはシェアブースであるものとして説明する。システム1は、各シェアスペースSのドアDに設置されたロック装置2、各シェアスペースSの内側に配置されたシェアスペース端末3、クラウドサーバ4(クラウドサービス)を含む。ロック装置2の付近には、各シェアスペースSに対応付けられた撮像可能コード10が配置されている。本実施形態では、撮像可能コード10はQRコード(登録商標)であるので、撮像可能コード10を「QRコード10」ともいう。
【0019】
ロック装置2及びシェアスペース端末3は、無線LANルータWL及びインターネットなどの通信ネットワークNを介してクラウドサーバ4と無線通信可能に接続される。ロック装置2は、いわゆるスマートロック(電子錠)であり、クラウドサーバ4からの指令を受けてドアDを施解錠する。また、シェアスペースSの利用者の携帯端末5が、無線LANルータWL及び通信ネットワークN又は通信ネットワークNのみを介してクラウドサーバ4と無線通信可能に接続される。さらに、システム1は、シェアスペースSの遠隔に位置し得る管理者端末8と通信ネットワークNを介して協働することができる。また、システム1は、通信ネットワークNを介して、googleカレンダー(登録商標)などの適宜のスケジュール管理アプリAと連携することができる。
【0020】
図2に、システム1のブロック図を示す。各シェアスペースSに対する機能上の構成は実質的に同じであるので、1つのシェアスペースSに対する構成を代表して説明する。上述したように、システム1は、シェアスペースSのドアDに設置されたロック装置2、シェアスペースSの外部のQRコード10、シェアスペースSの内部のシェアスペース端末3、及びクラウドサーバ4を含む。そして、システム1は、利用者の携帯端末5、管理者の管理者端末6などと協働する。また、シェアスペースSには、照明機器15及び換気扇16が設置される。
【0021】
概略として、本実施形態では、利用者はシェアスペースSのドアD付近に配置されたQRコード10を携帯端末5によって撮像すると、クラウドサーバ4は携帯端末5にそのシェアスペースSの利用状況を提示する。その利用状況に応じて利用者が利用時間を指定して決済を行い、特に現時刻からの飛び込み予約の決済を行うと、クラウドサーバ4がロック装置2を解錠し、利用者はシェアスペースSに入室できる。また、利用者は、入室後も、クラウドサーバ4からシェアスペース端末3を介して与えられたロック操作情報を用いてロック装置2を施解錠することができる。
【0022】
ロック装置2は、ナンバーキー20、無線通信部21、ロック機構22及びロック制御部23を備える。ナンバーキー20は、少なくとも0~9の数字キーを含む、いわゆるテンキー型の入力部である。無線通信部21は、無線LANルータWLを介してクラウドサーバ4(通信部41)と通信する。ロック機構22は、例えば、一般的なサムターン式の電子錠である。すなわち、ロック機構22は、サムターン、そのサムターンと連動するデッドボルト、及びロック制御部23からの駆動信号に応じてサムターンを回転させる(すなわち、デッドボルトを進退させる)機構を有する(各不図示)。ロック制御部23は、利用者によるナンバーキー20からの入力番号を無線通信部21からクラウドサーバ4に送信する。ロック制御部23は、クラウドサーバ4からの施錠信号及び解錠信号に応じて、デッドボルトを進出位置及び格納位置にそれぞれ移行させ、すなわち、ロック機構22をそれぞれ施錠位置及び解錠位置に移行させる。通常、クラウドサーバ4において、受信された入力番号と予め設定された暗証番号とが一致すると施解錠状態を反転するように施錠信号又は解錠信号が生成される。なお、本実施形態ではロック装置2においてオートロックは使用されず、シェアスペースSの内部からは手動操作(ドアノブの操作によるサムターンの回転)によってロック装置2の施錠及び解錠が可能なものとする。
【0023】
QRコード10は、ドアD又はドアD付近に配置され、一般的な携帯端末によって撮像可能なものであれば任意の形態をとり得る。例えば、QRコード10は、それが印刷又は造形された媒体(例えば、紙シート、プラスチックプレート、金属プレートなど、以下同じ)としてドアDに張り付けられてもよいし、ドアDに直接印刷(例えば、塗布、以下同じ)されてもよい。また、QRコード10は、それが印刷又は造形された媒体としてロック装置2の筐体に張り付けられてもよいし、ロック装置2の筐体に直接印刷されてもよい。あるいは、QRコード10は、それが印刷又は造形された媒体として、ドアDの戸当りが属する壁面に張り付けられてもよいし、その壁面に直接印刷されてもよい。あるいは、QRコード10は、それが印刷又は造形された媒体としてドアD付近の天井又は床面に張り付けられてもよいし、その天井又は床面に直接印刷されてもよい。あるいは、QRコード10は、上記の各箇所に投影された光学像であってもよい。なお、本実施形態では撮像可能コード10としてQRコードを用いるが、撮像可能コードは、DataMatrix(登録商標)、VeriCode(登録商標)などの他の2次元コードであってもよいし、バーコードなどの1次元コードであってもよい。
【0024】
図3に、シェアスペース端末3の筐体30の斜視図を示す。筐体30は、水平方向に長手方向を有し、長手方向に垂直な断面が略垂直三角形の三角柱状を有する。筐体30は、底面30a、底面30aに垂直な背面30b、及び底面30aと背面30bを結ぶ前面30cを有する。底面30a、背面30b及び前面30cのそれぞれの接続部分は、丸みを帯びた縁で連続する。筐体30の水平方向端部である両側面30d及び30eは、略垂直三角形をなす。筐体30の長手方向長さは、概ね30cm~40cm、好ましくは35.8cm±1cmである。筐体30の高さ(鉛直方向長さ)は、概ね15cm~20cm、好ましくは17.1cm±1cmである。筐体30の奥行き(厚み)は、概ね8cm~10cm、好ましくは9.3cm±0.5cmである。ただし、筐体30の外寸は、上記に限定されない。なお、シェアスペース端末3は、壁掛けタイプ、載置タイプなどであり得るので、背面30bに壁取付け用構造物が設けられてもよいし、底面30aに脚(四隅の突起、四隅の滑り止めゴムなど)が設けられてもよい。
【0025】
図4に、シェアスペース端末3の正面図(前面30c)を示す。シェアスペース端末3は、コンソール画面31、物理スイッチ部32及びセンサ部33を有する。なお、本実施形態では、前面30cにおいて、左から、コンソール画面31、物理スイッチ部32及びセンサ部33が配置されているが、これらの配列又は配置は図示するものに限定されない。
【0026】
コンソール画面31は、液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイなどであり、状況に応じて必要な情報表示を行うとともに利用者のタッチ操作を受け付ける。コンソール画面31は、シェアスペースSの予約情報に関して、現時刻表示31a、予約終了時刻表示31b、延長利用案内表示31c及び残り時間表示31d(以下、これらをそれぞれオブジェクト31a~31dともいう)として表示する。また、コンソール画面31は、シェアスペースSの環境情報に関して、騒音レベル表示31e、CO濃度表示31f(又は不図示の湿度表示31h)及び温度表示31gを表示する(以下、これらをオブジェクト31e~31hともいう)。また、コンソール画面31は、照明機器15及び換気扇16の動作情報に関して、照明ソフトスイッチ31i及び換気ソフトスイッチ31jをアイコン表示する(以下、これらをオブジェクト31i及び31jともいう)。また、コンソール画面31は、ロック装置2の操作に関してロック表示31kを表示する(以下、オブジェクト31kともいう)。さらに、コンソール画面31は、画像コード表示31zを表示する(以下、「オブジェクト31z」ともいう)。
【0027】
延長利用案内表示31cには、当該シェアスペース端末3が配置されるシェアスペースSの延長利用について最大利用可能な時刻が表示される。この最大利用可能な時刻は、当日中の時刻であるものとする。シェアスペースSの延長利用が可能でない場合には、延長利用案内表示31cには「不可」が表示される。
【0028】
残り時間表示31dの値は予約終了時刻表示31bの値から現時刻表示31aの値を減算した値であり、この残り時間が60分以下となった場合に表示され、残り時間(単位:分)がカウントダウン表示される。また、残り時間表示31dは、図示するように、所定の円グラフとともに表示される。このグラフの円周は、60分に対応する。グラフの現在値を示す移動端(太線円周の下端)は、反時計回りに移動して最上位置(0時の位置)を終点とする。なお、現在値を示す移動端は、時計回りに移動して最上位置(12時の位置)を終点としてもよい。また、残り時間が1分以下となった場合には、円周を60秒に対応させ、残り時間(単位:秒)がカウントダウン表示されるようにしてもよい。
【0029】
照明ソフトスイッチ31iは、照明機器15が点灯状態にある場合と消灯状態にある場合とで白黒反転して表示される。例えば、照明機器15が点灯状態にある場合には黒基調の表示が適用され、照明機器15が消灯状態にある場合には白基調の表示が適用される。同様に、換気ソフトスイッチ31jは、換気扇16が作動状態にある場合と停止状態にある場合とで白黒反転して表示される。例えば、換気扇16が作動状態にある場合には黒基調の表示が適用され、換気扇16が停止状態にある場合には白基調の表示が適用される。
【0030】
ロック表示31kには、ロック装置2の施錠状態/解錠状態(図4では解錠状態)が表示される。また、後述するように、クラウドサーバ4から与えられるナンバーキー20用の初期暗証番号も表示され得る。施錠状態/解錠状態の表示により、利用者は、ドアDの施解錠状態を容易に視認することができ、ドアDの施解錠の確認などの無駄な操作を回避することができる。
【0031】
また、コンソール画面31には、リピート予約案内表示31rも含まれ得る(図8A図8D参照)。リピート予約案内表示31rには、当該シェアスペースSについて、例えば、当日後の所定期間内での日程で現予約と同じ時間帯又はそれを含む時間帯において予約の空がある場合に「リピート予約」などが表示され得る。ここで、当日後の所定期間とは、翌日から1週間であってもよいし、1カ月であってもよいし、カレンダー設定可能な最長期間(実質的に無期限)であってもよい。なお、所定期間内の日程で上記のような予約の空がない場合には、リピート予約案内表示31rは表示されなくてもよい。
【0032】
画像コード表示31zに表示される画像コードは、好ましくは、QRコード(登録商標)DataMatrix(登録商標)、VeriCode(登録商標)などの2次元コードであり、本実施形態ではQRコードが採用される(以下、「QRコード31z」ともいう)。ただし、画像コードがバーコードなどの1次元コードであっても本実施形態は実施可能である。また、図示するように、オブジェクト31zは、携帯端末5による画像コードの読み取りを誘導する表示を含んでいてもよい。他のオブジェクトについては後述する。
【0033】
物理スイッチ部32は、照明物理スイッチ32a及び換気物理スイッチ32bを含む。照明物理スイッチ32aは利用者の押下操作に応じて照明操作信号を出力し、換気物理スイッチ32bは利用者の押下操作に応じて換気操作信号を出力する。これらの操作信号は、クラウドサーバ4に送信される。なお、照明物理スイッチ32aには、照明機器15の現動作状態(点灯又は消灯)を示すLEDなどの表示ランプ32cが設けられ、換気物理スイッチ32bには、換気扇16の現動作状態(作動又は停止)を示すLEDなどの表示ランプ32dが設けられる。表示ランプ32cの点灯/消灯は、照明機器15の点灯/消灯に対応してもよいし、照明機器15の消灯/点灯に対応してもよい。表示ランプ32dの点灯/消灯は、換気扇16の作動/停止に対応してもよいし、換気扇16の停止/作動に対応してもよい。
【0034】
なお、定義として、照明ソフトスイッチ31i、照明物理スイッチ32a、換気ソフトスイッチ31j及び換気物理スイッチ32bを総称してスイッチボタンというものとする。また、照明ソフトスイッチ31iに対するタッチ操作、照明物理スイッチ32aの押下操作、換気ソフトスイッチ31jに対するタッチ操作及び換気物理スイッチ32bの押下操作を総称してスイッチ操作といい、スイッチ操作によって出力される信号を総称してスイッチ操作信号というものとする。
【0035】
センサ部33は、環境センサ33a(厳密には、図示されるのは環境センサ33aのための空気取込み孔)及び人感センサ33bを含む。環境センサ33aは、空気取込み孔から取得された空気における環境レベルを検知及び出力する。環境センサ33a及び人感センサ33bの詳細については後述する。
【0036】
図2に戻り、シェアスペース端末3の各部を説明する。シェアスペース端末3は、コンソール画面31、物理スイッチ部32、センサ部33、無線通信部34、スイッチ回路35、制御部36、メモリ37及びスピーカ38を有する。コンソール画面31、物理スイッチ部32、センサ部33、無線通信部34、スイッチ回路35、制御部36、メモリ37及びスピーカ38及びは、必要な信号又、データ又は電力のやり取りが可能な態様でバスなどを介して適宜相互接続されている。
【0037】
センサ部33の環境センサ33aは、騒音センサ331、温湿度センサ332、COセンサ333及び空気品質(IAQ(Indoor Air Quality))センサ334を含む。環境センサ33aによって、シェアスペースS内の各種環境レベルが特定される。なお、環境センサとして、大気圧を検知する気圧センサが採用されてもよい。検知環境レベルを示す検知信号は、無線通信部34(無線通信部343)から無線LANルータWLを介してクラウドサーバ4に送信される。
【0038】
騒音センサ331は、音圧を検知し、音圧から変換された騒音レベル(デシベル)(以下、「検知騒音レベル」という)を出力する。騒音センサ331は、人の声の周波数域などの所定の周波数域(例えば、約100~2000Hz)における音圧を検知するように構成されてもよい。検知騒音レベルを示す検知信号は、無線通信部343から無線LANルータWLを介してクラウドサーバ4に送信される。
【0039】
温湿度センサ332は、温度及び湿度を検知し、温度値及び湿度値(以下、「検知温度」、「検知湿度」又は「検知温湿度」という)を出力する。なお、温湿度センサ332は、温度のみを検知して温度値を出力する温度センサであってもよいし、湿度のみを検知して湿度値を出力する湿度センサであってもよい。検知温度及び検知湿度を示す検知信号は、無線通信部343から無線LANルータWLを介してクラウドサーバ4に送信される。
【0040】
COセンサ333は、NDIR(Non Dispersive InfraRed)方式によって二酸化炭素(CO)を検知してCO濃度(以下、「検知CO濃度」という)を出力する。CO濃度の増加は、人の呼吸に起因し得るので、人の密集状態の指標となり得る。検知CO濃度を示す検知信号は、無線通信部343から無線LANルータWLを介してクラウドサーバ4に送信される。
【0041】
IAQセンサ334は、汚染物質を検知してその濃度(以下、「検知汚染レベル」という)を出力する。検知される汚染物質は、一酸化炭素(CO)、二酸化窒素(NO)又は揮発性有機化合物(VOC)である。汚染物質の発生源は、特にタバコの煙、あるいは、ホルムアルデヒド、アスベスト、粉塵、排気ガス、カーペット、塗料、接着剤、家具、建材などからのVOC、ペットのふけ、カビ、バクテリア、殺虫剤、除草剤などである。検知汚染レベルを示す検知信号は、無線通信部343から無線LANルータWLを介してクラウドサーバ4に送信される。
【0042】
センサ部33の人感センサ33bは、赤外線人感センサであり、シェアスペースS(又はその所定検知エリア)における人体の在/不在を検出する。人感センサ33bは、人体の存在を検知すると在信号を出力し、それ以外の場合(すなわち、人体が不在の場合)には不在信号を出力する。なお、在信号/不在信号は、それぞれハイレベル信号/ローレベル信号であってもよいし、ローレベル信号/ハイレベル信号であってもよいし、信号出力有り/無し、信号出力無し/有りであってもよいし、UART信号であってもよい。本開示において、在信号/不在信号をまとめて人感検知信号というものとする。人感検知信号は、無線通信部343から無線LANルータWLを介してクラウドサーバ4に送信される。
【0043】
無線通信部34は、無線通信部341~343を含む。無線通信部341、342及び343は、それぞれコンソール画面31、物理スイッチ部32及びセンサ部33に対応する。無線通信部341~343は、統合されて1つの無線通信部を構成してもよいし、3個の別個の無線通信部であってもよい(本実施形態では、後者が採用される)。無線通信部341~343の各々は、制御部36などの通信制御の下で又は自律的に無線LANルータWLと無線通信する。無線通信部341~343の各々は、本実施形態ではWi-Fi(登録商標)通信を行うためのWi-Fiユニットであり、例えば、2.4GHz(802.11b/g/n)で動作するWi-Fiデバイスである。
【0044】
無線通信部341によって、コンソール画面31上の操作に起因する操作信号(画面操作信号)が、クラウドサーバ4に送信される。この操作信号は、照明ソフトスイッチ31i及び換気ソフトスイッチ31jからのスイッチ操作信号を含む。また、無線通信部341によって、コンソール指令及び音声出力指令が、クラウドサーバ4から受信される。無線通信部342によって、照明物理スイッチ32a又は換気物理スイッチ32bからのスイッチ操作信号(物理スイッチ操作信号)が、クラウドサーバ4に送信される。また、無線通信部342によって、後述のスイッチ指令(点灯指令、消灯指令、作動指令及び停止指令)が、クラウドサーバ4から受信される。無線通信部343によって、センサ部33からの検知信号(センサ検知信号)が、クラウドサーバ4に送信される。
【0045】
このように、コンソール画面31、物理スイッチ部32及びセンサ部33に対して別個のWi-Fiユニットが設けられることにより、無線通信状態に関する診断が可能となる。例えば、クラウドサーバ4において、画面操作信号、物理スイッチ操作信号及びセンサ検知信号のうちの一部が受信されない場合には、無線LANルータWL及び通信ネットワークNは正常であるが、不受信の信号に対応する無線通信部又はそれが属する部分に故障があるものと推定される。また、クラウドサーバ4において、画面操作信号、物理スイッチ操作信号及びセンサ検知信号の全てが受信されない場合には、無線LANルータWLの故障又は通信ネットワークNにおける通信障害が推定される。
【0046】
スイッチ回路35は、交流電源AC(例えば、商用電源)と照明機器15及び換気扇16との間に接続される。スイッチ回路35は、制御部36(スイッチ制御部362)の制御下で、交流電源ACと照明機器15との間の給電配線を接続/遮断し、交流電源ACと換気扇16との間の給電配線を接続/遮断する。
【0047】
図5に、スイッチ回路35に関する一配線例の回路図を示す。スイッチ回路35は、リレースイッチからなり、交流電源AC側の端子351~354、照明機器15に接続される端子355、及び換気扇16に接続される端子356を有する。なお、端子351、352及び353は相互に接続されている。端子352と端子355との間の経路はスイッチSW5によって開閉され、端子351と端子356との間の経路はスイッチSW6によって開閉される。
【0048】
交流電源ACの非接地側の配線L1は、プラグ受け91(いわゆるコンセント)の非接地(ホット)側端子に接続される。交流電源ACの接地側の配線L2は、照明機器15の一方の接続端子、換気扇16の一方の接続端子、及びプラグ受け91の接地(コールド)側端子に接続される。照明機器15の他方の接続端子は配線L5を介して端子355に接続され、換気扇16の他方の接続端子は配線L6を介して端子356に接続される。端子351は配線L3を介して差込みプラグ92の非接地側端子に接続され、端子354は配線L4を介して差込みプラグ92の接地側端子に接続される。以下、差込みプラグ92がプラグ受け91に正しく接続されているものとして説明を行う。
【0049】
スイッチSW5の開閉及びスイッチSW6の開閉は、制御部36(スイッチ制御部362)によって個別に制御される。スイッチSW5がオン(閉成)されている場合、照明機器15は交流電源ACから給電配線(L1、L3、L5及びL2)を介して給電されて点灯する。一方、スイッチSW5がオフ(開放)されている場合、照明機器15は交流電源ACから遮断されて消灯する。同様に、スイッチSW6がオン(閉成)されている場合、換気扇16は交流電源ACから給電配線(L1、L3、L6及びL2)を介して給電されて作動する。一方、スイッチSW6がオフ(開放)されている場合、換気扇16は交流電源ACから遮断されて停止する。
【0050】
図6に、スイッチ回路35に関する他の配線例の回路図を示す。図5の回路と同様の構成には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。スイッチ回路35には、単相コンダクタ94が接続される。非接地側の配線L1及び接地側の配線L2は、単相ブレーカ93を介して交流電源ACに接続される。配線L1は、スイッチ回路35の端子351及び単相コンダクタの端子941に接続される。配線L2は、換気扇16の一方の端子、スイッチ回路35の端子354、並びに単相コンダクタ94の入力端子942及び制御端子944に接続される。換気扇16の他方の端子は、配線L6を介して端子356に接続される。端子355は配線L5を介して単相コンダクタ94の制御端子943に接続される。単相コンダクタ94の出力端子945及び946は、配線L51及び52を介して照明機器15に接続される。以下、単相ブレーカ93が投入(通電)状態にあるものとして説明を行う。
【0051】
スイッチSW5の開閉及びスイッチSW6の開閉は、制御部36(スイッチ制御部362)によって個別に制御される。スイッチSW5がオンされている場合、単相コンダクタ94において、制御端子943及び944が交流電源ACから給電され、入力端子941と出力端子945との間及び入力端子942と出力端子946との間が接続される。これにより、照明機器15は、交流電源ACから給電配線(L1、L51、L2及びL52)を介して給電されて点灯する。一方、スイッチSW5がオフされている場合、単相コンダクタ94の制御端子943が給電されず、入力端子941及び942と出力端子945及び946との間がオフされ、照明機器15は交流電源ACから遮断されて消灯する。また、図4の場合と同様に、スイッチSW6がオンされている場合、換気扇16は交流電源ACから給電配線(L1、L6及びL2)を介して給電されて作動する。一方、スイッチSW6がオフされている場合、換気扇16は交流電源ACから遮断されて停止する。
【0052】
このように、図6の構成では、照明機器15への負荷電流がスイッチ回路35を通過しないため、スイッチ回路35又はシェアスペース端末3の電流容量を増加させなくても比較的大規模な照明機器群の点灯/消灯が可能となる。また、コンダクタ94の適宜の選択、拡張により、コンセントの配線、小型~大型空調機などのオン/オフ制御も可能となる。なお、図2のブロック図は図5の回路構成に対応するが、当業者であれば、図5の回路構成の代わりに図6の回路構成を図2のブロック図に適用できるはずである。
【0053】
図7Aに、シェアスペース端末3の背面図(背面30b)及び側面図(側面30d)を示す(図5の配線に対応する)。図7Bに、シェアスペース端末3の背面30bが壁面Wに取付けられた場合の側面部分断面図を示す。背面30bには、配線のための凹部30g及び壁取付けのための孔30hが設けられる。凹部30gは、テーパー状を有し、上方側から下方側(底面30a側)にかけて奥行(水平方向の凹部深さ)が増加する。したがって、底面30aは、切欠き部を有する。図7Bに示すように、壁面Wには照明機器15及び換気扇16の壁スイッチ用の壁穴Whがあり、凹部30gが壁穴Whに対応するようにシェアスペース端末3が壁面Wに取付けられる。このようにしてシェアスペース端末3が壁面Wに取り付けられた場合に、凹部30gの下方は底面30a内で開放され、凹部30gの上方は壁面Wと背面30bによって閉塞される。
【0054】
凹部30gには、接続端子台35a及び35bが配置される。接続端子台35aはAC電源側の端子351及び端子354(不図示)を有し、接続端子台35bは負荷側の端子355及び端子356(不図示)を有する。したがって、図5に示す配線の場合には、接続端子台35aに配線L3及びL4が挿入接続され、接続端子台35bに配線L5及び配線L6が接続される。図7Bに示すように、配線L3及びL4は接続端子台35aから底面30aの切欠き部を通って壁面Wの外部下方に延在し、配線L5及びL6は接続端子台35bから壁穴Whを通って壁面Wの内部に延在する。なお、配線L3及びL4も壁面Wの内部に配線されてもよい。図6に示す配線の場合には、接続端子台35aに配線L1及びL2が挿入接続され、接続端子台35bに配線L5及び配線L6が接続される。図6の場合の配線L1及びL2は、壁面Wの内側に配線され得る。なお、図5に示す配線において、複数系統の照明機器15が存在する場合、それぞれの系統の配線L5が接続端子台35bの端子355(不図示)にまとめて接続される。図6に示す配線において、複数の照明機器15が存在する場合、それぞれの系統の配線L51及びL52が単相コンダクタ94の出力端子945及び946に接続されるので、スイッチ回路35の接続端子台35bの端子355(不図示)に接続される配線は配線L5のみである。
【0055】
凹部30gには、シェアスペース端末3の動作電源供給のための電源コネクタ39(差込み口)も設けられる。電源コネクタ39には、AC/DCアダプタのDC電源ジャック(不図示)が挿入される。これにより、シェアスペース端末3にDC電圧が供給され、筐体30内部の適宜の定電圧回路(不図示)を介して各部に動作電源が供給される。なお、本実施形態では、シェアスペース端末3はDC電源で動作するように構成されるが、シェアスペース端末3の内部にAC/DCコンバータが配置される場合には、電源コネクタ39にはAC電圧(例えば、壁コンセントからの商用電源)が供給される。この場合、電源コネクタ39は省略されてACケーブルがシェアスペース端末3に直接接続され得る。このACケーブルと配線L3及びL4は、物理的又は電気的に束ねられて1本のACケーブルとして配線されてもよい。あるいは、筐体30内部にバッテリが設けられ、シェアスペース端末3の動作電源がそのバッテリから供給されてもよい。この場合、電源コネクタ39は不要である。
【0056】
図2に戻り、シェアスペース端末3の各部をさらに説明する。制御部36は、コンソール制御部361、スイッチ制御部362及び音声出力制御部363を含む。制御部36は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータなどのCPU及びその周辺回路を含む。本実施形態では1つの制御部36が図示されているが、制御部36はコンソール画面31、物理スイッチ部32及びセンサ部33に対応するブロックに分割されてもよい。制御部36は、上記の各部の機能以外にも一般的な各種機能(時計機能、計時機能、通信制御機能、演算処理機能など)を適宜実行し得る。メモリ37は、プログラムなどを記憶するROM、及びデータ、プログラムなどを一時的に記憶するRAMを含む。なお、図3においては、メモリ37は制御部36に含まれているが、メモリ37は制御部36の外部にあってもよい。
【0057】
コンソール制御部361は、クラウドサーバ4から無線LANルータWL及び無線通信部341を介して取得されるコンソール指令に基づく画面をコンソール画面31に表示させる。コンソール指令によって、オブジェクト31a~31zのうちのいずれを表示するかの選択、表示される各オブジェクトの表示内容(数値、白黒反転など)、選択されたオブジェクトの配置などが指定される。
【0058】
スイッチ制御部362は、クラウドサーバ4から無線LANルータWL及び無線通信部342を介して取得されるスイッチ指令に基づいて、スイッチ回路35の各スイッチの開閉を制御する。スイッチ指令は、スイッチSW5をオンして照明機器15を点灯させるための点灯指令、スイッチSW5をオフして照明機器15を消灯させるための消灯指令、スイッチSW6をオンして換気扇16を作動させるための作動指令、及びスイッチSW6をオフして換気扇16を停止させる停止指令を含む。
【0059】
音声出力制御部363は、クラウドサーバ4から無線LANルータWL及び無線通信部341~343のいずれか(例えば、無線通信部341、以下同じ)を介して取得される音声出力指令に基づいて、スピーカ38からの音声出力を制御する。音声出力指令は、詳細を後述するように、案内メッセージのための案内用音声出力指令及び警告メッセージのための警告用音声出力指令を含む。
【0060】
無線LANルータWLは、例えば、シェアスペースSが設置された施設内に設置される。無線LANルータWLは、シェアスペース端末3(無線通信部341~343)及び携帯端末5(通信部51)と無線接続可能に構成され、インターネットなどの通信ネットワークNを介してクラウドサーバ4(通信部41)と通信可能に構成される。無線LANルータWLとシェアスペース端末3及び携帯端末5とは、Wi-Fi通信(2.4GHz)によって接続される。すなわち、無線LANルータWLは、無線通信部341~343とWi-Fi通信可能なWi-Fiルータである。無線LANルータWLとクラウドサーバ4とは3G、4G、LTEなどによって接続され、必要に応じて無線LANルータWLと通信ネットワークNとの間にモデムが接続されてもよい。
【0061】
クラウドサーバ4は、通信部41、ロック処理部42、コンソール処理部43及びデータベース44を有する。通信部41は、通信ネットワークNと有線又は無線で通信することができる。すなわち、クラウドサーバ4は、通信部41によって通信ネットワークNを介して管理者端末6及びスケジュール管理アプリAと通信し、通信ネットワークN及び無線LANルータWLを介してシェアスペース端末3及び携帯端末5と通信することができる。データベース44は、シェアスペース端末3、携帯端末5などから送信される信号に含まれるデータを蓄積する。
【0062】
ロック処理部42は、予約情報管理部420、予約状況取得部421、予約状況提示部422、飛び込み予約部423、施解錠指令部424及びロック操作許可部425を含む。ロック処理部42は、主にロック装置2に関する処理を実行するとともに、クラウドサーバ4内の各部の統括制御、通信部41の通信制御など、一般的なクラウドサーバの処理機能も実行し得る。言い換えると、ロック処理部42は、各部420~425の機能以外の一般的な各種機能(時計機能、計時機能、通信制御機能、演算処理機能など)を適宜実行し得る。
【0063】
予約情報管理部420は、シェアスペースSの予約状況を示す予約状況情報を管理する。前提として、シェアスペースSについては、事前予約利用も飛び込み予約利用も可能である。事前予約利用についても、現地に赴く前に、システム1の提供によるウェブサイトにおいて、PC、携帯端末5などから予約することも、現地に到着後に、現時刻よりも後の時間帯を携帯端末5から予約することも可能である。予約情報管理部420は、上記双方の事前予約に基づいて、各シェアスペースSに対する予約状況の情報を管理する。なお、予約情報管理部420は、後述のコンソール処理部43の予約時間管理部430とデータ又は処理を共有してもよい。したがって、本開示において、予約情報管理部420及び予約時間管理部430をまとめて「予約管理部」ともいう。
【0064】
予約状況取得部421は、携帯端末5によって撮像され、携帯端末5から受信されたQRコード10に応じて、対象となるシェアスペースSを特定する。そして、予約状況取得部421は、予約情報管理部420から、その対象シェアスペースSに対する予約状況情報を取得する。
【0065】
予約状況提示部422は、シェアスペースSについて現時刻から所定時刻まで予約がないことを予約状況情報が示す場合に、シェアスペースSが所定時刻まで利用可能であることを携帯端末5に表示させる。この所定時刻とは、その後の他の利用者の予約開始時刻、シェアスペースSの営業終了時刻などである。また、予約状況提示部422は、シェアスペースSについて現時刻での現予約があることを予約状況情報が示す場合に、シェアスペースSが利用可能となる利用開始可能時刻又はそれを含む利用可能時間帯(すなわち、少なくとも利用開始可能時刻)を携帯端末5に表示させる。この利用開始可能時刻とは、例えば、現利用者又は現予約者の予約終了時刻であり、利用可能時間帯とは、その予約終了時刻から次の利用者の予約開始時刻又は営業終了時刻までの時間である。
【0066】
また、予約状況提示部422は、利用しようとする対象シェアスペースSについて現時刻での現予約があることを予約状況情報が示す場合に、現時刻における他の利用可能又は予約可能な代替シェアスペースSaを示す代替スペース情報を携帯端末5に表示させる。これにより、利用者に、シェアスペース利用の意思を継続させることができ、シェアスペースSの利用効率が向上し得る。
【0067】
予約状況提示部422は、まず、当該シェアスペースSが含まれる施設の内部にある他のシェアスペースSを代替シェアスペースSaの候補として選択する。例えば、同一施設内に複数のシェアスペースSが設置されている場合に、その複数のシェアスペースSが代替シェアスペースSaの最初の候補となり得る。例えば、1つのコーヒーショップ内、1つの駅構内、1つの商業施設内などに複数の(シェアスペースSとしての)シェアブースが設置されている場合が想定される。すなわち、当該シェアスペースSが現時刻において利用不可であるが同じ施設内の他のシェアスペースSが利用可能である場合、予約状況提示部422はその利用可能なシェアスペースSを代替シェアスペースSaとして利用者(携帯端末5)に対して提示する。これにより、利用者は、最も近くの代替シェアスペースSaを待つことなく利用することができ、その利便性が高まる。また、利用者が付近のシェアスペースSの各々に対して逐一QRコード10を撮像して利用状況を確認する手間が回避される。
【0068】
同じ施設内の他のシェアスペースSも利用不可の場合に、予約状況提示部422は他のシェアスペースSも利用不可であることを利用者(携帯端末5)に対して提示してもよい。この場合、予約状況提示部422は、当該シェアスペースS及び他のシェアスペースSの中で最短で利用可能となる(すなわち、現予約の予約終了時刻が最も早い)ものを代替シェアスペースSaとして利用者(携帯端末5)に対して提示してもよい。これにより、利用者は、どの程度の待ち時間だけその施設に留まれば(いずれかの)シェアスペースSを利用できるのかを把握することができ、待ち時間によっては他の用事(食事、買い物など)を先に済ませるなど、柔軟に行動することができる。
【0069】
さらに、同じ施設内に他のシェアスペースSが設置されていない場合又は同じ施設内の他のシェアスペースSが現時刻において利用可能でない場合、予約状況提示部422は、その施設の外部の他のシェアスペースSを代替シェアスペースSaとして利用者(携帯端末5)に対して提示する。この場合、予約状況提示部422は、施設外部の利用可能又は予約可能な他のシェアスペースSを地図上にマッピングし、そのマップ情報を利用者(携帯端末5)に提示することができる。これにより、利用者は、直感的かつ迅速に代替シェアスペースSaを利用決定及び位置特定し、効率的に行動することができる。
【0070】
飛び込み予約部423は、携帯端末5からシェアスペースSの現時刻から指定終了時刻までの予約(即時利用の飛び込み予約)又は利用開始可能時刻から指定終了時刻までの予約(待機後利用の飛び込み予約)の決定を受け付ける。この時に指定される利用時間は、予約状況提示部422によって携帯端末5上で提示された上記予約状況情報に基づいて利用者が予約指定する利用時間帯である。また、上記のマップ情報として示されたマップ上の(シェアスペースSを示す)ピンの選択によってもシェアスペースSの予約決定のための手順が開始され得る。そして、利用者による利用時間の指定に応じて携帯端末5に決済画面が表示され、利用者がこの決済画面上で決済を行うことによって即時利用の飛び込み予約又は待機後利用の飛び込み予約が決定及び確定される。
【0071】
施解錠指令部424は、飛び込み予約部423によって受け付けられた即時利用の飛び込み予約の決定に応じて解錠信号をロック装置2(無線通信部21)に送信する。なお、待機後利用の飛び込み予約の場合には、施解錠指令部424は、予約開始時刻以降に通常の事前予約の場合と同様の処理によって解錠信号をロック装置2に送信するものとする。例えば、QRコード10を撮像及び送信した携帯端末5の識別情報と予約情報との照合に基づいて、解錠信号が送信され得る。また、施解錠指令部424は、ナンバーキー20から入力及び送信された入力番号と、クラウドサーバ4側で設定されている暗証番号とが一致した場合に、施錠信号又は解錠信号(施錠状態/解錠状態を反転する信号)をロック装置2に送信する。ロック装置2では、この施錠信号又は解錠信号に応じて、ロック制御部23がロック機構22を駆動して施錠動作又は解錠動作を行う。
【0072】
また、利用者が利用時間中(予約決定後で指定終了時刻前)にシェアスペースSを一時退室する際、QRコード10の再読取りによってロック装置2が施解錠されてもよい。すなわち、利用者はシェアスペースSを退室した際に携帯端末5によってQRコード10を再撮像し、施解錠指令部424はその再撮像時の携帯端末5の識別情報と予約決定に起因する(例えば、予約決定時又はQRコード31z撮像時の)携帯端末5の識別情報とを照合する。そして、この照合が成功した場合に、施解錠指令部424は、施錠信号をロック装置2に送信する(すなわち、ドアDを施錠する)。また、利用者がシェアスペースSを再入室する際に携帯端末5によってQRコード10を再撮像し、施解錠指令部424はその再撮像時の携帯端末5の識別情報と予約決定に起因する(例えば、予約決定時又はQRコード31z撮像時の)携帯端末5の識別情報とを照合する。そして、この照合が成功した場合に、施解錠指令部424は、解錠信号をロック装置2に送信する(すなわち、ドアDを解錠する)。
【0073】
ロック操作許可部425は、携帯端末5によって撮像及び送信された(シェアスペース端末3のコンソール画面31に表示された)QRコード31zに応じて、ロック装置2の操作に必要なロック操作情報をシェアスペース端末3に送信する。具体的には、ロック操作許可部425は、携帯端末5によって撮像及び送信されたコンソール画面31上のQRコード31zに対してランダムな初期暗証番号(例えば、4桁の数字)を生成し、その初期暗証番号をシェアスペース端末3に送信する。シェアスペース端末3では、コンソール制御部361が、その初期暗証番号をコンソール画面31のロック表示31kに表示させる。また、ロック操作許可部425は、利用者(携帯端末5)から暗証番号変更(初期暗証番号から任意の新たな暗証番号への変更)の要求を受け付ける。これにより、利用者は、自身が覚えやすい暗証番号を用いることができ、その利便性が高まる。利用者が携帯端末5の所定の画面から暗証番号を変更した場合には、施解錠指令部424において、初期暗証番号が新たな暗証番号に書き換えられる。なお、ロック操作許可部425は、ロック操作情報を予約終了時刻後に無効化する。言い換えると、ロック操作情報は、当該利用時間内のみ有効である。これにより、シェアスペースSのセキュリティが向上する。
【0074】
コンソール処理部43は、予約時間管理部430、表示指令部431、リピート予約部432、照明指令部433、換気指令部434、警告処理部435、音声案内処理部436及びデータ処理部437を含む。コンソール処理部43は、主にシェアスペース端末3に関する処理を実行するとともに、クラウドサーバ4内の各部の統括制御、通信部41の通信制御など、一般的なクラウドサーバの処理機能も実行し得る。言い換えると、コンソール処理部43は、各部430~437の機能以外の一般的な各種機能(時計機能、計時機能、通信制御機能、演算処理機能など)を適宜実行し得る。
【0075】
予約時間管理部430は、利用者の携帯端末又はパーソナルコンピュータ(PC)にシェアスペースSの予約ウェブサイトを提供し、予約ウェブサイトに対するユーザ入力から予約情報を決定する。したがって、予約時間管理部430は、シェアスペースSについての現在及び将来の予約情報を保持している。予約時間管理部430は、外部のスケジュール管理アプリAと連携して、本開示に示すような時間管理を行うことができる。ただし、このようなスケジュール管理アプリケーションは、コンソール処理部43に含まれてもよい。また、上述したように、予約時間管理部430は、上述の予約情報管理部420とデータ又は処理を共有し得る。予約時間管理部430は、予約情報から、予約利用時間の予約開始時刻ts及び予約終了時刻teを取得し、予約終了時刻teに付随する時刻t1~t3、ta及びtbを生成する。
【0076】
時刻t1は、予約終了時刻te前に予約終了時刻teの到来を予告するための終了予告時刻である。これは、利用者に業務の締めを促し、その円滑な退室準備を促すことを目的とする。時刻t1に、例えば、シェアスペース端末3のスピーカ38から退室準備を促すメッセージが音声出力され得る。時刻t1から予約終了時刻teまでの差分時間T1-eは、5~15分程度であり、好ましくは、10分程度である。
【0077】
時刻t2は、予約終了時刻te前に利用者の退室(又は退出、以下同じ)を促すための退室誘導時刻である。これは、利用者の円滑な退室準備を促すことを目的とする。時刻t2に、例えば、シェアスペース端末3のスピーカ38から退室準備を促すメッセージが音声案内されるとともに、スイッチ回路35による照明機器15の点滅などが実行され得る。時刻t2から予約終了時刻teまでの差分時間T2-eは、1~10分程度であり、好ましくは、5分程度である。
【0078】
時刻t3は、予約終了時刻te以前に予約時刻の到来を案内する終了案内時刻である。これは、利用者の即座の退室を促すことを目的とする。時刻t3に、例えば、シェアスペース端末3のスピーカ38から即座の退室を促すメッセージが音声出力され得る。時刻t3から予約終了時刻teまでの差分時間T3-eは、0分~1分程度であり、好ましくは、1分程度である。
【0079】
時刻taは、予約終了時刻teの前に延長利用の予約を促すための延長案内時刻である。時刻taに、例えば、シェアスペース端末3のスピーカ38から延長利用を促すメッセージが音声出力されるとともに、コンソール画面31に延長利用案内表示31cの表示が開始され得る。ただし、予約終了時刻te以降にそのシェアスペースSの予約が入っている場合には、時刻taは生成されず、又は生成されたとしても使用されない。時刻taから予約終了時刻teまでの差分時間Ta-eは、15分程度であればよく、終了予告時刻t1よりも前であることが望ましい。
【0080】
時刻tbは、予約終了時刻teの前にリピート利用の予約を促すためのリピート利用案内時刻である。時刻tbに、例えば、シェアスペース端末3のスピーカ38からリピート予約を促すメッセージが音声出力されるとともに、コンソール画面31にリピート予約案内表示31rの表示が開始され得る。時刻tbは、予約開始時刻tsから予約終了時刻teの間で任意の時刻であり得る。また、延長利用案内時刻taとリピート予約案内時刻tbとの前後関係は特に限定されないが、時刻taと時刻tbとは同時刻であってもよい。あるいは、利用中のシェアスペースSを気に入った利用者がいつでもリピート予約を行えるように、時刻tbは、予約終了時刻teよりも予約開始時刻tsに近い時刻(例えば、時刻tsと同時)であってもよい。
【0081】
表示指令部431は、予約時間管理部430によって生成された各時刻及びそれに付随する情報、コンソール画面31又は物理スイッチ部32からのスイッチ操作信号、並びにセンサ部33からの検知信号に基づいてコンソール指令を生成する。このコンソール指令によってコンソール画面31のオブジェクト31a~31jが形成される。また、コンソール画面31からQRコード31zを撮像した携帯端末5に対して携帯端末用コンソール指令を生成する。なお、QRコード31zに表示される画像コードは、予約時間(予約開始時刻ts~予約終了時刻te)に固有の画像コードである。言い換えると、異なる予約時間に対しては異なる画像コードが適用及び表示される。したがって、所与の画像コードは、該当する予約時間中にのみ有効なものである。また、表示指令部431は、リピート予約案内表示31rに対するタッチ操作に応じてリピート予約可否情報を含むリピート予約用画面を携帯端末5に表示させるための携帯端末用コンソール指令を生成する。
【0082】
また、表示指令部431は、シェアスペースSの利用時間外には、コンソール画面31を待機設定(例えば、ブラックアウト)させるためのコンソール指令を生成する。利用時間外であっても、シェアスペース端末3の人感センサ33bから人体在信号が送信された場合又はコンソール画面31へのタッチ検知を示す操作信号が送信された場合には、表示指令部431は所定の待機画面を表示するためのコンソール指令を生成する。コンソール指令は通信部41からシェアスペース端末3(無線通信部341)に送信され、携帯端末用コンソール指令は通信部41から携帯端末5(通信部51)に送信される。
【0083】
図8A図8Cに、コンソール指令を受けたシェアスペース端末3のコンソール画面31の例を示す。図8A図8Cは、コンソール画面31の標準的な表示態様(基本画面)として、基本画面3101~3103をそれぞれ示す。基本画面3101及び3102には、現時刻表示31a、予約終了時刻表示31b、延長利用案内表示31c、残り時間表示31d、騒音レベル表示31e、CO濃度表示31f、温度表示31g、照明ソフトスイッチ31i、換気ソフトスイッチ31j、ロック表示31k及びQRコード31zが表示される(QRコード31zは図8A図8Cでは不図示であるが表示され得る(図4参照))。基本画面3101のロック表示31kは解錠状態を示し、基本画面3102のロック表示31kは施錠状態及び暗証番号「3241」を示す。なお、暗証番号は、施錠状態/解錠状態に関わらず表示され得る。基本画面3103には、基本画面3101における予約終了時刻表示31bの代わりにリピート予約案内表示31rが含まれたオブジェクト群が表示される。
【0084】
図9に、携帯端末用コンソール指令を受けた携帯端末5の表示画面54(基本画面)の例を示す。図9に示す基本画面5403は、図8Cの基本画面3103に対応する。すなわち、基本画面5403には、現時刻表示54a、延長利用案内表示54c、残り時間表示54d、騒音レベル表示54e、CO濃度表示54f、温度表示54g、照明ソフトスイッチ54i、換気ソフトスイッチ54j及びリピート予約案内表示54rのオブジェクトがコンソール画面31から乗り移り表示される。基本画面5403において、ロック表示31kに対応するオブジェクト(特に、暗証番号)は、セキュリティを考慮して表示されなくてもよい。
【0085】
携帯端末5の表示画面54は、タッチパネルであり、利用者のタッチ操作を受け付ける。表示指令部431は、表示画面54上のオブジェクトに対するタッチ操作に応じて、コンソール画面31及び表示画面54のオブジェクト群に含まれる対応するオブジェクトを反転表示させるためのコンソール指令及び携帯端末用コンソール指令を生成する。表示画面54における各オブジェクトへの操作は、コンソール画面31における対応のオブジェクトへの操作に同期する。
【0086】
リピート予約部432は、予約時間管理部430における予約情報に基づいてシェアスペースSについてのリピート予約可否情報を生成する。このリピート予約可否情報は、各シェアスペースSについて、現予約の予約時間帯に対応する将来の、すなわち、翌日以降、翌週以降などの候補時間帯(以下、「リピート候補時間帯」ともいう)のリピート予約の可否を示す。リピート予約部432は、リピート予約可否情報に基づいて、コンソール画面31にリピート予約案内表示31rを表示させるためのコンソール指令をシェアスペース端末3に送信する。コンソール画面31について上述したように、リピート予約案内表示31rは、例えば、当日後の所定期間内での日程においてリピート候補時間帯に予約の空がある場合に「リピート予約可能」などの表示を含み得る。
【0087】
さらに、翌週の同じ曜日の同じ時間帯のリピート予約が可能である場合には、リピート予約部432は、リピート予約案内表示31rにその旨を含めるようにしてもよい。これにより、例えば定例会議などの状況で、定例的又は定期的なリピート予約の直感的な決断を促すことができる。翌週の同じ曜日の同じ時間帯のリピート予約が不可である場合には、リピート予約部432は、リピート予約案内表示31rをコンソール画面31に表示させなくてもよい。また、翌週の同じ曜日の同じ時間帯のリピート予約が不可である場合には、リピート予約部432は、同じ曜日の同じ時間帯のリピート予約が可能な日のうち最も近い日(本例の場合、リピート予約可能な最短の火曜日)をリピート予約案内表示31rに表示するようにしてもよい。あるいは、リピート予約部432は、リピート予約が可能な最も近い日である最短リピート可能日の表示をリピート予約案内表示31rに含めてもよい。これにより、最も早いリピート予約の直感的な決断を利用者に促すことができる。所定期間内の日程でリピート候補時間帯にシェアスペースSに予約の空がない場合には、リピート予約部432は、リピート予約案内表示31rをコンソール画面31に表示させなくてもよい。
【0088】
また、リピート予約部432は、携帯端末5上でのリピート予約案内表示54rへのタッチ操作に応じて、リピート予約案内画面を表示させるための携帯端末用コンソール指令を携帯端末5に生成する。利用者は、このリピート予約案内画面において、リピート予約日を選択及び決定し、それに応じて表示される決済画面から決済を行うことができる。この決済によってリピート予約が確定する。
【0089】
また、表示画面54において、延長利用案内表示54cへのタッチに応じて、予約時間管理部430を参照した表示指令部431は、延長利用予約及び決済を行うための延長予約用画面(不図示)を表示画面54に表示させるための携帯端末用コンソール指令を生成する。利用者は、表示画面54に表示された延長予約用画面上で利用延長の手続を行うことができる。
【0090】
なお、利用者は、リピート予約又は延長利用以外の操作(照明ソフトスイッチ又は換気ソフトスイッチの操作など)も表示画面54上で可能であるので、コンソール画面31に非接触で各オブジェクトを操作できることになる。したがって、コンソール画面31を介した不特定多数の利用者間の間接的な接触(他の利用時間の利用者との間接的な接触も含む)を回避することができ、感染症防止の観点など衛生上好ましい。さらに、コンソール画面31がタッチ操作機能なしのディスプレイで構成可能となるので、シェアスペース端末3乃至はシステム1のコスト低減が可能となる。
【0091】
照明指令部433は、予約時間管理部430によって生成された各時刻、又はシェアスペース端末3(照明ソフトスイッチ31i又は照明物理スイッチ32a)から送信されたスイッチ操作信号に基づいて、点灯指令及び消灯指令を生成する。生成された点灯指令又は消灯指令は、通信部41からシェアスペース端末3(無線通信部342)に送信される。
【0092】
具体的には、予約開始時刻tsに、照明指令部433は、点灯指令を生成する。退室誘導時刻t2に、照明指令部433は、照明機器15の点消灯状態を反転するように、一時的に短時間の消灯指令又は点灯指令を生成する。具体的には、照明機器15が点灯状態にある場合には一時的な消灯指令が生成され、照明機器15が消灯状態にある場合(プロジェクタ使用時など)には一時的な点灯指令が生成される。この点滅又は瞬きにより、利用者は、予約終了時刻teの切迫を視覚的かつ直感的に認識することができる。これらの点滅又は瞬きは単発で行われてもよいし、連続的に複数回にわたって(すなわち、点灯と消灯の間の複数回の往復)行われてもよい。予約終了時刻teに、照明指令部433は、消灯指令を生成する。すなわち、本実施形態では、照明機器15は、予約開始時刻tsに点灯され、予約終了時刻teに消灯される。
【0093】
また、予約時間内の期間において、照明指令部433は、照明機器15が点灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて消灯指令を生成し、照明機器15が消灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて点灯指令を生成する(すなわち、点灯と消灯を反転させる)。なお、予約時間内の期間とは、予約開始時刻tsから予約終了時刻teまでの間の期間をいうものとする。
【0094】
一方、予約時間外の期間には、照明指令部433は、スイッチ操作信号に応じて、仮点灯期間だけ一時的に点灯指令を生成する。なお、予約時間外とは、予約開始時刻ts前の期間又は予約終了時刻te後の期間のことをいうものとする。この仮点灯期間は、例えば、10秒以上1分以下であり、好ましくは20秒~40秒程度であり、さらに好ましくは30秒程度である。この仮点灯期間は、シェアスペースSの管理者(スタッフ)による見回り、利用者による忘れ物回収などのために一時的に照明を与えるものである。ここで、表示指令部431は、コンソール画面31に仮点灯期間の残り時間を(例えば、残り時間表示31dによって)カウントダウン表示させてもよい。これにより、スタッフ又は一時的利用者は、現点灯が仮点灯であることを認識し得る。また、スタッフ又は一時的利用者は、消灯までの猶予時間を知ることができるので、その猶予時間内で落ち着いて行動することができる。
【0095】
また、照明指令部433は、利用時間外の期間において、コンソール画面31の特定の操作に応じて生成された特定操作信号に応じて、所定の強制点灯期間だけ点灯指令を生成するように構成され得る。上記の特定操作は、例えば、コンソール画面31の所定箇所のタッチ操作である。この所定箇所のタッチ操作は、1箇所の空白箇所に対するタッチ操作として定義されてもよいし、複数の空白箇所、複数のオブジェクト又は空白箇所及びオブジェクトの組合せに対する同時のタッチ操作、短時間内での連続的タッチ操作などとして定義されてもよい。これにより、シェアスペースSにおいて、清掃員、保守員などの作業スタッフによる時間外作業(清掃、メンテナンスなど)が可能となる。なお、消灯時は、利用時間内の消灯と同様に、照明ソフトスイッチ31iへのタッチ操作により消灯指令が生成される。また、管理者は、管理者端末6において、この場合の点灯指令及び消灯指令のログから、作業スタッフの作業時間を管理することができる。
【0096】
換気指令部434は、シェアスペース端末3(換気ソフトスイッチ31j又は換気物理スイッチ32b)から送信されたスイッチ操作信号又はシェアスペース端末3(環境センサ33a)から送信された信号が示す環境レベルに基づいて、作動指令又は停止指令を生成する。あるいは、シェアスペース端末3からのスイッチ操作信号の有無又は環境レベルにかかわらず、換気指令部434は、定期換気として、定期的(例えば、30分毎)に所定期間(例えば、5分間)にわたって作動指令を生成してもよい。生成された作動指令又は停止指令は、通信部41からシェアスペース端末3(無線通信部342)に送信される。
【0097】
換気指令部434は、スイッチ操作信号に応じて、換気扇16が作動状態にある場合には停止指令を生成し、換気扇16が停止状態にある場合には作動指令を生成する(すなわち、作動と停止を反転させる)。
【0098】
また、換気指令部434は、COセンサ333からの検知COレベルがCO閾値(例えば、1000ppm)を超えた場合に作動指令を生成し、その後、COセンサ333からの検知COレベルがCO閾値を下回った場合に停止指令を生成する。なお、換気扇16の頻繁な作動と停止の反復を回避するために、換気指令部434は、検知COレベルがCO上昇閾値を超えた場合に作動指令を生成し、検知COレベルがCO低下閾値を下回った場合に停止指令を生成するようにしてもよい(CO上昇閾値>CO低下閾値)。あるいは、COセンサ333の検知間隔又は検知信号の送信間隔を比較的長く設定してもよい。
【0099】
さらに、換気指令部434は、IAQセンサ334からの検知汚染レベルが汚染閾値(例えば、VOCについて1100ppb)を超えた場合に作動指令を生成し、その後、IAQセンサ334からの検知汚染レベルが汚染閾値を下回った場合に停止指令を生成する。なお、換気扇16の頻繁な作動と停止の反復を回避するために、換気指令部434は、検知汚染レベルが汚染上昇閾値を超えた場合に作動指令を生成し、検知汚染レベルが汚染低下閾値を下回った場合に停止指令を生成するようにしてもよい(汚染上昇閾値>汚染低下閾値)。あるいは、IAQセンサ334の検知間隔又は検知信号の送信間隔を比較的長く設定してもよい。
【0100】
警告処理部435は、騒音センサ331から送信された信号が示す検知騒音レベルが騒音警告条件を満たす場合に、シェアスペース端末3のスピーカ38から警告メッセージを発するための警告用音声出力指令を生成する。警告用音声出力指令は、「もう少し静かにお願いします!」などの警告メッセージである。また、警告メッセージには、「〇〇デシベルを超えています」などの客観的指標に基づくメッセージが付加されてもよく、これにより警告の説得力が担保され得る。生成された音声出力指令は、通信部41からシェアスペース端末3(無線通信部341)に送信される。これにより、音声出力制御部363によって、スピーカ38から上記警告メッセージが音声出力される。ここで、騒音警告条件とは、連続時間(例えば、3秒)における騒音レベルの累積値が警告閾値(例えば、85dB)を超えること、騒音レベルのピーク値が所定閾値を超えることなどである。
【0101】
また、警告処理部435は、上記の警告を発した場合には、その旨を管理者の端末(例えば、管理者端末6)にメールなどで通知することができる。これにより、管理者は、利用者の携帯端末5又はシェアスペースSに配置された固定電話に電話をかけ、その利用者に迅速かつ直接に静粛要請を行うことができる。
【0102】
また、警告処理部435は、検知COレベルがCO閾値を超えた場合又は検知汚染レベルが汚染閾値を超えた場合、スピーカ38からの音声による警告を行うための音声出力指令を生成し得る。この警告メッセージは、単に各検知レベルの増加を伝達するものであってもよいし、換気扇16による換気を促すものであってもよい。
【0103】
音声案内処理部436は、予約時間管理部430によって生成された各時刻に基づいて、案内用音声出力指令を生成する。生成された音声出力指令は、通信部41からシェアスペース端末3(無線通信部341)に送信される。これにより、シェアスペース端末3の音声出力制御部363によって、スピーカ38から上記警告メッセージが音声出力される。
【0104】
具体的には、音声案内処理部436は、予約開始時刻tsに、予約開始時刻到来のメッセージ(例えば、「QRコードをスキャンしてください」)を音声出力するための音声出力指令を生成する。また、音声案内処理部436は、終了予告時刻t1に、終了予告メッセージ(例えば、「あと10分で終了です」)をスピーカ38から音声出力させるための対応の音声出力指令を生成する。また、音声案内処理部436は、退室誘導時刻t2に、予約終了時刻切迫のメッセージ(例えば、「間もなく終了時間です。速やかなご退室をお願い致します」)を音声出力するための音声出力指令を生成する。さらに、音声案内処理部436は、終了案内時刻t3には、予約終了のメッセージ(例えば、「ご利用ありがとうございました」)を音声出力するための音声出力指令を生成する。
【0105】
データ処理部437は、データベース44とともに、シェアスペース端末3から受信された信号の有無又はその信号が示す検知レベルに基づいて、管理者端末6の入出力I/F64に各種データのグラフィカル表示又は数値表示を提供する。グラフィカル表示又は数値表示は、選択項目のリアルタイムでのモニタリング結果、過去のモニタリング結果の統計などを含む。選択項目は、騒音(騒音センサ331の検知結果)、動作検知(人感センサ33bの検知結果)、温度(温湿度センサ332の検知結果)、湿度(温湿度センサ332の検知結果)、CO濃度(COセンサ333の検知結果)及び空気汚染レベル(IAQセンサ334の検知結果)の1つ以上を含む。また、これらのグラフィカル表示又は数値表示には、シェアスペース端末3からの各操作信号の受信履歴及びクラウドサーバ4からシェアスペース端末3への各指令の送信履歴が組み合わされてもよい。
【0106】
照明機器15は、一般に、LED照明器具、蛍光灯照明器具などである。本実施形態では照明機器15が点滅さされることから、本実施形態は点滅耐性の高いLED照明器具に特に適する。照明機器15は、点灯回路及び光源(双方とも不図示)を含む。点灯回路の一方の入力端は交流電源ACにスイッチ回路35を介して接続され、他方の入力端は交流電源ACに直接接続される(図5及び図6参照)。点灯回路は、一般的な照明用安定器であり、交流電源ACからの入力交流電圧を所定の出力電流に変換してその出力電流を光源に供給する。例えば、光源がLEDである場合、点灯回路は整流回路及びDC/DCコンバータを備える電子安定器である。また、光源が放電灯である場合、点灯回路は整流回路及びDC/ACコンバータを備える電子安定器又は銅鉄コイルを備える磁気式安定器である。また、点灯回路及び光源は、一体化されて電球形照明器具を形成してもよい。
【0107】
換気扇16は、一般に、室内の空気と室外の空気を交換する換気装置である。換気扇16は、駆動回路及びモータ(双方とも不図示)を含む。駆動回路の一方の入力端は交流電源ACにスイッチ回路35を介して接続され、他方の入力端は交流電源ACに直接接続される(図5及び図6参照)。駆動回路は、一般的なモータ駆動回路であり、交流電源ACからの入力交流電圧を所定のAC電流又はDC電流に変換してその出力電流をファンのモータに供給する(すなわち、ファンが回転する)。
【0108】
なお、照明機器15及び換気扇16以外にも、接続端子台35b(図7A参照)に加えて拡張接続端子台(及びそれに含まれる拡張端子)を設けることにより、他の機器(特に、既設の機器)が接続され得る。他の機器とは、AC給電型のロック装置2、シェアスペースSの外部(例えば、外壁面)に設置されるモニタ(シェアスペースS内の人の在/不在、予約情報などを表示するディスプレイ)などである。この場合も、他の機器については、クラウドサーバ4(コンソール処理部43)からの対応のスイッチ指令に応じて給電配線が接続又は遮断され得る。例えば、利用時間内に、スイッチ指令として施錠指令が生成されると、ロック装置2が給電されて施錠(又は施錠/解錠操作可能)状態となる。一方、利用時間外に、スイッチ指令として解錠信号が生成されると、ロック装置2は給電されずに解錠される。また、利用時間内に、スイッチ指令として表示オン指令が生成されると、上記モニタが給電されて表示状態となる。一方、利用時間外に、スイッチ指令として表示オフ指令が生成されると、上記モニタは給電されずにシャットダウンされる。
【0109】
携帯端末5は、例えば、スマートフォン又はタブレットなどの一般的な情報通信デバイスである。携帯端末5は、通信部51、CPU52、メモリ53、表示画面54及びカメラ55を備える。通信部51は、無線LANルータWL及びクラウドサーバ4(通信ネットワークN及び通信部41)と通信可能な一般的な通信手段である。CPU52及びメモリ53は、一般的なコンピュータを構成するプロセッサ及びメモリであり、メモリ53には必要なアプリケーションのプログラムが既にインストールされているものとし、CPU52はそのプログラムを実行可能であるものとする。表示画面54は、上述したようにタッチパネルからなる入出力インターフェースである。
【0110】
管理者端末6は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)などである。管理者端末6は、通信部61、CPU62、メモリ63及び入出力インターフェース(I/F)64を備える。通信部61は、通信ネットワークNを介して無線LANルータWL及びクラウドサーバ4と通信可能な一般的な通信手段である。CPU62及びメモリ63は、一般的なコンピュータを構成するプロセッサ及びメモリであり、メモリ63には必要なアプリケーションのプログラムが既にインストールされているものとし、CPU62はそのプログラムを実行可能であるものとする。入出力I/F64は、管理者端末6がスマートフォン又はタブレットである場合にはタッチパネルであり、管理者端末6がPCである場合には表示デバイス(モニタ)及び入力デバイス(キーボード、マウス、マイクロフォンなど)である。
【0111】
管理者は、管理者端末6からクラウドサーバ4にアクセスし、クラウドサーバ4上で各種設定を設定又は変更することができる。例えば、予約時間管理部430において、終了予告時刻t1、退室誘導時刻t2、終了案内時刻t3、延長利用案内時刻ta及びリピート予約案内時刻tbと予約終了時刻teとの差分時間が設定又は変更可能である。表示指令部431において、コンソール画面31の表示内容(オブジェクト31a~31zのいずれを表示するかの選択)が設定又は変更可能である。照明指令部433において、退室誘導時刻t2の一時的消灯指令(照明機器15の点滅)の要否が設定又は変更可能である。また、照明指令部433において、点灯指令又は消灯指令がマニュアル的に生成可能である。換気指令部434において、CO閾値及び検知レベルの補正値、並びに汚染検知警告(検知汚染レベルに基づく警告用音声出力指令の生成)の要否、汚染閾値が設定又は変更可能である。また、換気指令部434では、定期換気(換気扇16の定期的な作動)の要否、人感検知信号による自動換気(CO検知に基づく換気扇16の作動)の要否などが設定又は変更可能である。また、換気指令部434において、作動指令又は停止指令がマニュアル的に生成可能である。
【0112】
また、警告処理部435において、騒音警告(検知騒音レベルに基づく警告用音声出力指令の生成)の要否、騒音警告を発出した旨を管理者への通知の要否、騒音警告条件及び検知レベルの補正値が設定又は変更可能である。さらに、管理者が、入出力インターフェース64を介して、警告処理部435における警告メッセージの内容を設定又は変更できるようにしてもよい。あるいは、管理者が、入出力インターフェース64を介して警告メッセージを実質的にリアルタイムで、すなわち、キーボードからのテキスト入力、又はマイクロフォンからの音声入力及び音声認識処理によって設定又は変更できるようにしてもよい。また、コンソール処理部43の適宜の機能部分において、特定の検知レベルに基づく何らかの室内異常検知の際のメール通知の要否及び利用時間外入室検知の際のメール通知の要否が設定又は変更可能である。
【0113】
図10に、システム1におけるロック装置2、シェアスペース端末3、クラウドサーバ4及び携帯端末5の間で実行される処理のフローを示す。本フローは、シェアスペースSに対する利用者の入退室に関する。本例では、携帯端末5は飛び込み予約の利用者の携帯端末であるものとし、ロック装置2は施錠されているものとする。
【0114】
ステップS10において、利用者が携帯端末5(カメラ55)によってQRコード10を撮像し、撮像されたQRコード10がクラウドサーバ4に送信される。
【0115】
ステップS12において、クラウドサーバ4(予約状況取得部421)は、QRコード10に基づいて、予約情報管理部420から対象シェアスペースSの予約状況情報を取得する。
【0116】
ステップS14において、クラウドサーバ4(予約状況提示部422)は、予約状況情報に基づいて、利用可否情報を携帯端末5に送信する。利用可否情報は、対象シェアスペースSについて現時刻から所定時刻まで予約がないこと、又は対象シェアスペースSについて現時刻での現予約がある場合に当該シェアスペースSの利用開始可能時刻又はそれを含む利用可能時間帯を含む。本例では、シェアスペースSは、現時刻において利用可能であるものとする。したがって、利用者は、即時利用の飛び込み予約を行う。
【0117】
ステップS16において、利用者は、シェアスペースSを現時点から利用するために、携帯端末5上で利用時間(予約終了時刻)を指定して所定の決済画面からシェアスペースSの利用のための決済を行う。これにより、クラウドサーバ4(飛び込み予約部423)は、シェアスペースSについて指定された利用時間についての即時利用の飛び込み予約を確定する。また、ここで確定した予約に関する情報が新たな予約情報として生成され、予約情報管理部420において管理される。
【0118】
ステップS18において、クラウドサーバ4(施解錠指令部424)は解錠信号をロック装置2に送信し、これに応じて、ステップS20において、ロック装置2はドアDを解錠する。
【0119】
ステップS22において、クラウドサーバ4(表示指令部431)は、QRコード31zを含む基本画面を表示するためのコンソール指令をシェアスペース端末3に送信する。これに応じて、ステップS24において、シェアスペース端末3(コンソール制御部361)は、基本画面をコンソール画面31に表示させる。なお、現時点においてロック装置2は解錠状態であるので、コンソール画面31のロック表示31kは解錠状態を示す。この時点で、照明機器15が点灯され、シェアスペースSが使用可能な状態となる。なお、ステップS18とステップS22とは実質的に同時に行われる。
【0120】
利用者がシェアスペースSに入室した後のステップS26において、利用者(携帯端末5)は、利用者は携帯端末5(カメラ55)によってコンソール画面31のQRコード31zを撮像し、撮像されたQRコード31zがクラウドサーバ4に送信される。
【0121】
ステップS28において、クラウドサーバ4(表示指令部431)は、携帯端末用コンソール指令を携帯端末5に送信する。これにより、ステップS30において、携帯端末5は基本画面を表示画面54に表示させる。これにより、利用者は、携帯端末5において照明機器15のオン/オフ、換気扇16のオン/オフ、リピート予約、暗証番号変更などの各種操作を行うことが可能となる。
【0122】
ステップS32において、クラウドサーバ4(ロック操作許可部425)は、ロック装置2のロック操作情報として初期暗証番号をシェアスペース端末3に送信する。これに応じて、ステップS34において、シェアスペース端末3(コンソール制御部361)は、初期暗証番号をコンソール画面31のロック表示31kに表示する。なお、ステップS28とステップS32とは実質的に同時に行われる。
【0123】
ステップS36において、利用者は、携帯端末5によって初期暗証番号を新たな暗証番号に変更するための暗証番号変更要求をクラウドサーバ4に送信する。これに応じて、ステップS38において、クラウドサーバ4(施解錠指令部424)は、初期暗証番号を新たな暗証番号に変更する。なお、ステップS36及びS38は行われない場合もある。
【0124】
ステップS40において、利用者が利用時間内に退室及び施錠する際に、ナンバーキー20に現暗証番号を入力し、ロック装置2は入力番号をクラウドサーバ4に送信する。ステップS42において、クラウドサーバ4(施解錠指令部424)はナンバーキー20への入力番号と現暗証番号とが一致する場合に施錠信号をロック装置2に送信し、これに応じて、ステップS44において、ロック装置2はドアDを施錠する。
【0125】
ステップS46において、利用者が解錠及び再入室する際に、ナンバーキー20に現暗証番号を入力し、ロック装置2は入力番号をクラウドサーバ4に送信する。ステップS48において、クラウドサーバ4(施解錠指令部424)はナンバーキー20への入力番号と現暗証番号とが一致する場合に解錠信号をロック装置2に送信し、これに応じて、ステップS50において、ロック装置2はドアDを解錠する。
【0126】
ステップS46~S50(又はステップS40~S44)の代替として、以下のステップS52~S58が実行されてもよい。再入室(又は退室)の場合、ステップS52において、利用者は携帯端末5によってQRコード10を再スキャン(撮像)し、携帯端末5は撮像したQRコード10をクラウドサーバ4に送信する。ステップS54において、クラウドサーバ4(施解錠指令部424)は、ステップS16で生成された予約決定時の携帯端末5の識別情報(第1の情報)と、ステップS52で取得された携帯端末5の識別情報(第2の情報)とを照合する。ステップS54での照合の結果として、第1の情報と第2の情報が一致する場合、ステップS56において、クラウドサーバ4(施解錠指令部424)は解錠信号(退室の場合は施錠信号)をロック装置2に送信し、これに応じて、ステップS58において、ロック装置2はドアDを解錠する(退室の場合には施錠する)。なお、携帯端末5がQRコード31zを撮像及び送信した後であれば、第1の情報はQRコード31zを撮像した携帯端末5の識別情報(すなわち、ステップS26で取得される識別情報)であってもよい。いずれの場合であっても、第1の情報は、予約決定に起因する携帯端末5の識別情報といえる。
【0127】
予約終了時刻teに、ステップS60~S64が実行される。ステップS60において、クラウドサーバ4(施解錠指令部424)は、解錠信号をロック装置2に送信してロック装置(ドアD)を解錠する。ステップS62において、クラウドサーバ4(ロック操作許可部425)は、セキュリティのため、ロック操作情報(暗証番号)を無効化する。ステップS64において、クラウドサーバ4(コンソール処理部43)は、シェアスペースSの予約終了に際しての適宜の処理(消灯指令による照明機器15の消灯、コンソール指令及び携帯端末用コンソール指令(不図示)によるコンソール画面31及び表示画面54のそれぞれの表示処理など)を実行する。
【0128】
<実施形態の総括>
以上によると、本実施形態のシステム1は、シェアスペースSのドアDに設置されてドアDを施解錠するロック装置2と、ドアD外部に配置されてシェアスペースSに対応付けられたQRコード10と、ロック装置2と無線通信可能なクラウドサーバ4とを備える。ロック装置2は、ドアDを施錠及び解錠するための施錠位置及び解錠位置に移行可能なロック機構22と、クラウドサーバ4から受信される解錠信号に応じてロック機構22を解錠位置に移行させるロック制御部23とを備える。クラウドサーバ4は、シェアスペースSの予約状況を示す予約状況情報を管理する予約管理部(予約情報管理部420)と、携帯端末5によって撮像及び送信された撮像可能コード10に対応する対象シェアスペースSの予約状況情報を取得する予約状況取得部421と、対象シェアスペースSについて現時刻から所定時刻まで予約がないことを予約状況情報が示す場合に、対象シェアスペースSが所定時刻まで利用可能であることを携帯端末5に表示させ、対象シェアスペースSについて現時刻での現予約があることを予約状況情報が示す場合に、対象シェアスペースSの利用開始可能時刻を携帯端末5に表示させる予約状況提示部422と、対象シェアスペースSの現時刻又は利用開始可能時刻から指定終了時刻までの予約の決定を携帯端末5から受け付ける飛び込み予約部423と、現時刻からの予約の決定に応じて解錠信号をロック装置2に送信する施解錠指令部424とを備える。
【0129】
また、本実施形態のシェアスペース入室管理方法は、シェアスペースSのドアDに設置されてドアDを施解錠するロック装置2及びロック装置2と無線通信可能なクラウドサーバ4によって実行される。(S10)対象シェアスペースSに対応付けられた撮像可能コード10が携帯端末5に撮像されたことに応じて、(S12)クラウドサーバ4が、対象シェアスペースSの予約状況情報を取得するステップと、(S14)クラウドサーバ4が、対象シェアスペースSについて現時刻から所定時刻まで予約がないことを予約状況情報が示す場合に対象シェアスペースSが所定時刻まで利用可能であることを携帯端末5に表示させ、対象シェアスペースSについて現時刻での現予約があることを予約状況情報が示す場合に対象シェアスペースSが利用可能となる利用開始可能時刻を携帯端末5に表示させるステップと、(S16)クラウドサーバ4が、対象シェアスペースSの現時刻又は利用開始可能時刻から指定終了時刻までの予約の決定を携帯端末5から受け付けるステップと、(S18)クラウドサーバ4が、現時刻からの予約の決定に応じて、解錠信号をロック装置2に送信するステップと、(S20)ロック装置2が、解錠信号に応じて、ロック機構22を解錠位置に移行させてドアDを解錠するステップとを含む。
【0130】
上記システム1及び方法によると、シェアスペースSに対応付けられたQRコード10を撮像した携帯端末5において、対象シェアスペースSが現時刻又は提示された利用開始可能時刻から利用可能であることが表示される。そして、この表示に基づいて利用者が携帯端末5から対象シェアスペースSの現時刻又は利用開始可能時刻からの飛び込み予約の決定を行うことができ、現時刻からの飛び込み予約に応じてドアDのロック装置2が解錠される。これにより、事前予約と飛び込み予約が混在し得るシェアスペースSについて、飛び込み予約の利用者が効率的にシェアスペースを利用することを可能とするシステム1及びシェアスペース入室管理方法が実現される。
【0131】
上記システム1及び方法において、予約状況提示部422は、対象シェアスペースSの現時刻での現予約があることを予約状況情報が示す場合に、現時刻における他の利用可能又は予約可能な代替シェアスペースSaを携帯端末5に提示し得る(S14)。これにより、利用者に、シェアスペース利用の意思を継続させることができ、シェアスペースの利用効率が向上し得る。
【0132】
上記システム1及び方法において、予約状況提示部422は、対象シェアスペースSが含まれる施設の内部にある他のシェアスペースSを、対象シェアスペースSが含まれる施設の外部にある他のシェアスペースSよりも優先して代替シェアスペースSaとして提示し得る(S14)。これにより、利用者は、最も近くの代替シェアスペースSaを待つことなく利用することができ、その利便性が高まる。
【0133】
上記システム1及び方法において、予約状況提示部422は、代替シェアスペースSaが地図上にマッピングされたマップ情報とともに代替シェアスペースSaを提示し得る(S14)。これにより、利用者を、スムーズに代替シェアスペースSaに誘導することができ、シェアスペースSの効率的な利用が促進される。
【0134】
上記システム1及び方法において、予約情報管理部420は、予約決定後で指定終了時刻前にQRコード10を撮像及び送信した携帯端末5の識別情報が、予約決定に起因する携帯端末5の識別情報と一致する場合に、解錠信号をロック装置2に送信する(S52~S56)。これにより、利用者は、利用時間中であれば毎回同じ操作でシェアスペースSに再入室することができ、その利用容易性が高まる。
【0135】
上記システム1において、シェアスペースSの内部に配置され、クラウドサーバ4と無線通信可能なシェアスペース端末3がさらに設けられ、シェアスペース端末3は、コンソール画面31と、クラウドサーバ4から受信されるコンソール指令に含まれるQRコード31z(画像コード)をコンソール画面31に表示するコンソール制御部361とを備える。クラウドサーバ4は、画像コード31zを含むコンソール指令を生成する表示指令部431と、携帯端末5によって撮像及び送信された画像コード31zに応じて、ロック装置2の操作に必要なロック操作情報をシェアスペース端末3に送信するロック操作許可部425とを備え、表示指令部431は、ロック操作情報をコンソール画面31に表示させるように構成される。すなわち、上記方法は、(S22)クラウドサーバ4が、画像コード31zを含むコンソール指令を生成するステップと、(S24)シェアスペース端末3が、クラウドサーバ4から受信されるコンソール指令に含まれる画像コード31zをコンソール画面31に表示するステップと、(S32)クラウドサーバ4が、携帯端末5によって撮像及び送信された画像コード31zに応じて、ロック装置2の操作に必要なロック操作情報をシェアスペース端末3に送信するステップと、(S34)シェアスペース端末3が、ロック操作情報をコンソール画面31に表示させるステップとをさらに含む。これにより、オートロックに依存しないシステム構成が可能となり、利用者は自在にロック操作を行うことができる。したがって、利用者は、シェアスペースSを一時的に退室した後も解錠状態を維持できるので、短時間又は短距離の一時退室、複数名利用時の単独での一時退室など後の再入室時に解錠操作を行う必要がなく、シェアスペースSの利便性が高まる。
【0136】
上記システム1及び方法において、コンソール制御部361は、ロック装置2の施錠状態又は解錠状態を示すオブジェクト31kをコンソール画面31に表示させる(S24)。これにより、利用者は、ドアの施解錠状態を容易に視認することができ、ドアDの施解錠の確認などの無駄な操作を回避することができる。
【0137】
上記システム1及び方法において、ロック操作許可部425は、ロック操作情報を指定終了時刻後に無効化する(S62)。これにより、シェアスペースSのセキュリティが向上する。
【0138】
上記システム1及び方法において、ロック装置2はナンバーキー20を有し、ロック制御部23はナンバーキー20からの入力番号をクラウドサーバ4に送信するように構成され、ロック操作情報は暗証番号であり、予約情報管理部420は入力番号と所定の暗証番号との照合が成功した場合に解錠信号を生成する。暗証番号は、携帯端末5とクラウドサーバ4との間で変更可能である。これにより、比較的一般的なナンバー式の電子ロック装置でシステム1が構成され、シェアスペースSの導入容易性が高まるとともに、利用者は自身が覚えやすい暗証番号を用いることができ、その利便性が高まる。
【0139】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0140】
(1)シェアスペースSに関する変形
上記実施形態ではシェアスペースSがシェアブース又は貸会議室などの小型のシェアスペースである場合を示したが、シェアスペース再予約促進システム1は、時間貸し可能なあらゆる空間に適用可能である。例えば、シェアスペースSは、大型貸会議室、シェアリングジム、シェアオフィス、シェアスタジオ、貸し自習室、貸し飲食スペースなどであってもよい。
【0141】
(2)通信規格に関する変形
上記実施形態では、無線通信部34(341~343)と無線LANルータWLとがWi-Fi通信を行う構成を示したが、同様の無線通信機能を実現可能なものであれば、現存する又は将来に開発される他の通信規格が採用されてもよい。例えば、本実施形態では2.4GHz帯のWi-Fi通信が採用されたが、5GHz帯のWi-Fi通信が採用されてもよい。また、無線通信部34にモバイルSIMを使用してもよく、この場合、シェアスペース端末3と通信ネットワークN(クラウドサーバ4)が直接的に無線通信接続されるので無線LANルータWLは不要となる。
【符号の説明】
【0142】
1 シェアスペース入室管理システム
2 ロック装置
20 ナンバーキー
21 無線通信部
22 ロック機構
23 ロック制御部
3 シェアスペース端末
30 筐体
31 コンソール画面
32 物理スイッチ部
33 センサ部
34 341、342、343 無線通信部
35 スイッチ回路
36 制御部
361 コンソール制御部
362 スイッチ制御部
363 音声出力制御部
37 メモリ
38 スピーカ
39 電源コネクタ
4 クラウドサーバ
41 通信部
42 ロック処理部
420 予約情報管理部(予約管理部)
421 予約状況取得部
422 予約状況提示部
423 飛び込み予約部
424 施解錠指令部
425 ロック操作許可部
43 コンソール処理部
430 予約時間管理部(予約管理部)
431 リピート予約部
432 表示指令部
433 照明指令部
434 換気指令部
435 警告処理部
436 音声案内処理部
437 データ処理部
44 データベース
5 携帯端末
6 管理者端末
10 QRコード(撮像可能コード)
15 照明機器
16 換気扇
A スケジュール管理アプリ
D ドア
S シェアスペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10