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特開2023-106762情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106762
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230726BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20230726BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007687
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】503443186
【氏名又は名称】株式会社エコミック
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 琢磨
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】年末調整に係る申告書の従業員作業負担を軽減することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】サーバ1におけるCPU11の従業員情報処理部114では、入力画面生成部114aと、入力画面送信部114b(第1送信手段)と、従業員情報受信部114c(第1受信手段)と、項目追加判断部114d(第1判断手段)と、項目追加入力画面生成部114eと、項目追加入力画面送信部114f(第2送信手段)と、追加従業員情報受信部114g(第2受信手段)と、モーダルウィンドウ生成部114hと、モーダルウィンドウ送信部114i(第3送信手段)と、誘導従業員情報受信部114j(第3受信手段)と、画像情報抽出部114kと、画像情報判断部114l(第2判断手段)と、が機能する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業に属する従業員が操作する従業員端末との通信が可能であると共に、年末調整の申告書に係る申告内容の電子データを前記従業員ごとに作成する情報処理装置であって、
複数設けられた入力項目のうち一部に、前記企業が保持する前記従業員の人事情報を予め入力した入力画面が、通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第1送信手段と、
残りの前記入力項目に対し前記従業員が入力した従業員情報、或いは、前記人事情報を変更するために前記従業員が入力し直した従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第1受信手段と、
受信した前記従業員情報を基に前記従業員に対して新たな入力が必要であるか否かを判断する第1判断手段と、
前記新たな入力が必要であると判断した場合に、前記入力画面に対し追加入力項目を追加した状態の項目追加入力画面が、前記通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第2送信手段と、
追加された前記追加入力項目に対し前記従業員が入力した追加従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第2受信手段と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記従業員の入力を誘導することにより前記従業員の入力を補助する一又は複数パターンのモーダルウィンドウが、前記通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第3送信手段と、
前記モーダルウィンドウに設けられた誘導入力項目に対し前記従業員が入力した誘導従業員情報が、前記通信部を介して受信されるようにする第3受信手段と、
を更に備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第3送信手段は、更に、
前記モーダルウィンドウが前記複数パターンある場合に、受信した前記誘導従業員情報に基づいて前記モーダルウィンドウの送信順番を変化させるようにする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記従業員情報には、前記従業員が撮像した証明書に係る画像も含まれる、
請求項1乃至3何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像が前記申告内容の作成において必要な情報であるか否かを前記画像に含まれる情報に基づいて判断する第2判断手段を更に備える、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記従業員及び前記企業に対しこれら以外が保持する銀行口座の入出金情報も前記入力項目の一部として予め入力する第1入力手段を更に備える、
請求項1乃至5何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
企業に属する従業員が操作する従業員端末との通信が可能であると共に、年末調整の申告書に係る申告内容の電子データを前記従業員ごとに作成する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
複数設けられた入力項目のうち一部に、前記企業が保持する前記従業員の人事情報を予め入力した入力画面が、通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第1送信ステップと、
残りの前記入力項目に対し前記従業員が入力した従業員情報、或いは、前記人事情報を変更するために前記従業員が入力し直した従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第1受信ステップと、
受信した前記従業員情報を基に前記従業員に対して新たな入力が必要であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記新たな入力が必要であると判断した場合に、前記入力画面に対し追加入力項目を追加した状態の項目追加入力画面が、前記通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第2送信ステップと、
追加された前記追加入力項目に対し前記従業員が入力した追加従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第2受信ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項8】
企業に属する従業員が操作する従業員端末との通信が可能であると共に、年末調整の申告書に係る申告内容の電子データを前記従業員ごとに作成する情報処理装置を制御するコンピュータに、
複数設けられた入力項目のうち一部に、前記企業が保持する前記従業員の人事情報を予め入力した入力画面が、通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第1送信ステップと、
残りの前記入力項目に対し前記従業員が入力した従業員情報、或いは、前記人事情報を変更するために前記従業員が入力し直した従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第1受信ステップと、
受信した前記従業員情報を基に前記従業員に対して新たな入力が必要であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記新たな入力が必要であると判断した場合に、前記入力画面に対し追加入力項目を追加した状態の項目追加入力画面が、前記通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第2送信ステップと、
追加された前記追加入力項目に対し前記従業員が入力した追加従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第2受信ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
年末調整の時期になると、企業では人事部の担当者が年末調整に係る紙の申告書を従業員に配布する。従業員は、配布された申告書の記入項目に対し該当する事項を指定された期日までに記入して申告書を完成させる。人事部の担当者は、従業員が記入し終えた申告書を回収し、記入項目の記入漏れ等をチェックする。このチェックは、申告書を提出した従業員全員に対し夫々行われることから、人事部の担当者の作業負担は大きいものとなる。そこで、人事部の担当者の作業負担を軽減することを目的として、例えば、下記特許文献1に開示されたシステムが知られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-115763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1のシステムにあっては、担当者の作業負担を軽減するために、会計事務所の協力が必要になる。従って、会計事務所の協力が得られなければ企業側では採用することが難しいシステムである。
ところで、従業員による申告書の記入作業について目を向けてみると、例えば、「申告書の記入項目の意味が分かり難い。」や「記入するものなのか記入しなくていいものなのかが分からない。」等の不満が出ている。従って、従業員に対しては、記入作業に係る負担を軽減することが必要である。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、年末調整に係る申告書の従業員作業負担を軽減することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
企業に属する従業員が操作する従業員端末との通信が可能であると共に、年末調整の申告書に係る申告内容の電子データを前記従業員ごとに作成する情報処理装置であって、
複数設けられた入力項目のうち一部に、前記企業が保持する前記従業員の人事情報を予め入力した入力画面が、通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第1送信手段と、
残りの前記入力項目に対し前記従業員が入力した従業員情報、或いは、前記人事情報を変更するために前記従業員が入力し直した従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第1受信手段と、
受信した前記従業員情報を基に前記従業員に対して新たな入力が必要であるか否かを判断する第1判断手段と、
前記新たな入力が必要であると判断した場合に、前記入力画面に対し追加入力項目を追加した状態の項目追加入力画面が、前記通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第2送信手段と、
追加された前記追加入力項目に対し前記従業員が入力した追加従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第2受信手段と、
を備える。
【0007】
また、本発明の一態様の情報処理方法は、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する方法とする。
【0008】
また、本発明の一態様のプログラムは、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応するプログラムとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、年末調整に係る申告書の従業員作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより提供される本サービスの概要を、従業員の入力作業の例で示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムに関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
図3図2の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図2の情報処理システムのうち、サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図4の従業員情報処理部及び申告内容処理部の一例を示す機能ブロック図である。
図6】従業員端末に表示された入力画面の一例を示す図である。
図7図6に続く入力画面の図である。
図8】モーダルウィンドウによるヘルパー機能の一例を示す図である。
図9図8に続くヘルパー機能の一例を示す図である。
図10図7に続く入力画面の図である。
図11】項目追加入力画面とモーダルウィンドウによるヘルパー機能の一例を示す図である。
図12図11に続くヘルパー機能の一例を示す図である。
図13】証明書に関する従業員の入力作業の例を示す図である。
図14】年末調整に係る申告書の申請内容の電子データ作成から納品までの流れを概略説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<本サービスの概要について>
本発明の一実施形態に係る情報処理システム100(図2参照)の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100により提供される本サービスの概要を、従業員の入力作業の例で示す図である。
【0012】
年末調整とは、源泉徴収された税額の年間の合計額と、年税額とを一致させる精算の手続である。年末調整の対象となっているのは、原則として、勤務先である企業に「扶養控除等申告書」を提出している人である(年末調整の対象とならない人もいる)。上述の精算の手続をするためには、「扶養控除等申告書」のほか、「基礎控除申告書」、「配偶者控除等申告書」、「所得金額調整控除申告書」、「保険料控除申告書」、「住宅借入金等特別控除申告書」等の各種申告書を勤務先(企業)の、例えば、人事部の担当者(年末調整担当者)に提出する必要がある。
年末調整の各種申告書は、意味を理解しなければ記入することも無視することもできない項目が並んでおり、申告書の記入に慣れていない従業員は、先ず項目の理解をする必要がある。その理解にあたっては、申告書の裏面に細かい文字で説明文が記載されているが、説明文を読んで該当する項目に記入をするまでの、従業員が行う一連の作業負担は大きいものになる。
なお、申告書は、紙面のレイアウト上の関係から、紙面横方向に記入を進めたり、また、紙面縦方向に記入を進めたりする。そのため、記入が煩雑となっている。
以上を踏まえ、本サービスは、年末調整に係る申告書の、従業員が作業する負担を軽減することを目的とする。
【0013】
図1において、本サービスでは、従業員による入力がし易くなるように入力項目6(符号6は、後述する入力項目6a~6hを総称する場合に用いる)を並べ、また、従業員に対し入力を促せるような入力画面5を生成して、その入力画面5が従業員端末に表示されるようにする。
即ち、本サービスは、次のようなサービスとは異なる。その異なるサービスとは、申告書と全く同じ状態(法律で定められた申告書の書式)で入力画面を生成してそれを表示させ、そして、その表示状態のままで従業員に入力させるようにしたものである。
本サービスでは、従業員が申告書の書類(紙)に対して記入するものではなく、従業員端末3(図2参照)により入力(選択を含む)することができるようにする。従って、筆記具による記入に比べて従業員の作業負担は小さくなる。
【0014】
(従業員による配偶者の住所の入力例)
以下、従業員が配偶者の住所を入力する例を挙げることで、従業員の作業負担が小さいことを説明する。
図1(a)には、配偶者の住所に関する入力項目6aと、生年月日に関する入力項目6bとが設けられた入力画面5が示される。入力項目6a及び入力項目6bは、ここでは共にプルダウンメニューによる入力が採用される(一例である)。住所に関する入力項目6aには、「あなたと配偶者は同居していますか?」の問いが付されており、例えば、「あなたと同居」が予め入力される。この「あなたと同居」が予め入力されることについては、企業が保持する従業員の人事情報を組み合わせることで実現される。なお、空欄の状態からプルダウンメニューで「あなたと同居」を選択してもよい。
【0015】
生年月日に関する入力項目6bには、図示の通り、「1949年(昭和24年)」、「1」、「2」が予め入力される。配偶者の生年月日に関する情報は、企業が保持する従業員の人事情報を組み合わせることで実現される。配偶者の生年月日に誤りがなければ従業員は特に入力をする必要はない(誤りがある場合は、プルダウンメニューで容易に修正できる)。なお、入力項目6bを空欄にした状態からプルダウンメニューで生年月日の数字を選択してもよい。
【0016】
以上の説明から分かるように、図1(a)に示す状態において、入力作業は非常に容易である。
【0017】
仮に、配偶者の住所に関する入力項目6aの入力が「あなたと別居」である場合は、図1(b)に示す通りになる。
即ち、「あなたと別居」である場合、配偶者の住所に関する入力項目6aと、生年月日に関する入力項目6bとの間に、住所に関する入力項目が新たに設けられる(追加される)。具体的には、国に関する入力項目6cと、都道府県・市区町村名に関する入力項目6dと、町名・番地・建物名に関する入力項目6eとが、入力項目6a及び入力項目6bの間に新たに設けられる(「あなたと別居」の入力により、新たな入力項目の追加が必要であるか否かが判断され、その上で追加されることになる)。
新たな入力項目の追加から分かるように、本サービスでは、当初、国に関する入力項目6cと、都道府県・市区町村名に関する入力項目6dと、町名・番地・建物名に関する入力項目6eとが非表示になっている。つまり、常に必要最低限の項目のみが表示されることを意味する。
【0018】
国に関する入力項目6cをプルダウンメニューで、例えば、「国外」とした場合には、図1(c)に示す通り、「国外」の内容に合わせた入力項目6fが新たに設けられる。即ち、「現在まで引き続いて1年以上国外に住んでいますか?」を問う内容の入力項目6fが新たに設けられる。
ここでは、入力項目6fに「いいえ」が予め入力されており、従業員は確認するだけでよい。
仮に、1年以上国外に住んでいる場合は、入力項目6fをプルダウンメニューで「はい」にすればよい。
図1(d)に示す通り、入力項目6fを「はい」にすると、入力項目6fの下には、「非居住者に該当しますので、親族関係書類および送金関係書類の画像をアップロードしてください。」の表示と、親族関係書類に関する画像をアップロードするための入力項目6g(アップロード領域)、及び、送金関係書類に関する画像をアップロードするための入力項目6h(アップロード領域)とが新たに設けられる。
なお、図1(d)に示す「?」のボタンを、例えば、マウスでクリックすれば、画面には、「親族関係書類」や「送金関係書類」についての説明文が別途表示されるようになる(この表示についての詳細は省略する)。
【0019】
国に関する入力項目6cを「国外」とした場合は、上述の通りである。
これに対し、プルダウンメニューで「国内」とした場合には、上述の入力項目6fは表示されず、その結果、「現在まで引き続いて1年以上国外に住んでいますか?」を問われることはない。従って、従業員は、別居する配偶者の、都道府県・市区町村名に関する入力項目6dと、町名・番地・建物名に関する入力項目6eとを入力することになる。
なお、入力項目6d及び入力項目6eの入力後は、生年月日に関する入力項目6bを確認すればよい。
【0020】
以上の説明から分かるように、図1(b)~(d)に示す状態においても、従業員の入力作業は非常に容易である。
【0021】
本サービスでは、常に必要最低限の項目のみが表示されることから、空欄になっている箇所(入力項目)と、変更したい箇所(入力項目)だけを従業員は入力すればよい。従って、本サービスにより、年末調整に係る申告書の従業員作業負担を軽減することができる。
本サービスでは、従業員による上述の入力が従業員情報となり、この従業員情報を後述するサーバ1(図2参照)が取得することから、この後に、年末調整に係る申告書の申告内容の電子データをサーバ1において作成することができる。
本サービスでは、上述の年末調整担当者からのダウンロード要求(納品の要求。後述する)があれば、提出対象となる従業員全員の申告書の電子データを、例えば、一括して企業端末2(図2参照)にダウンロードすることができる。従って、提出対象となる従業員全員から申告書の書類(紙)を一々回収する場合と比べて、年末調整担当者も作業負担を軽減することができる。
【0022】
<情報処理システム100に関するシステム構成について>
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100に関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
情報処理システム100は、サーバ1(情報処理装置)と、企業端末2と、従業員端末3と、外部装置4とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
従業員端末3は、ここでは1つのみ図示されるが、年末調整に係る申告書の提出に該当する対象者の人数に合わせて多数存在する(一例である)。また、企業端末2も、例えば、上述の年末調整担当者の人数に合わせて存在する。なお、外部装置4に関しては、必要に応じて設けられるものとする。
【0024】
<サーバ1のハードウェア構成について>
図3は、図2の情報処理システム100のうち、サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、表示部16(又は出力部)と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備える。
【0026】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0027】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続される。このバス14には、入出力インターフェース15が接続される。
入出力インターフェース15には、表示部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続される。
【0028】
表示部16は、ディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。入力部17は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、所定のネットワークNを介してユーザー端末2や制御端末3との間で行う通信を制御する。
【0029】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。
ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0030】
以上のようなサーバ1と、後述する企業端末2及び従業員端末3とに関し、これらの各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。
【0031】
<企業端末2のハードウェア構成について>
図2に戻り、企業端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理端末である。企業端末2のハードウェア構成は、ここでは特に図示しないが、上述のサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様である。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、表示部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブとを備える。
【0032】
<従業員端末3のハードウェア構成について>
図2において、従業員端末3は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット、スマートフォン等の情報処理端末である。従業員端末3のハードウェア構成は、ここでは特に図示しないが、上述のサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様である。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、表示部と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブとを備える。従業員端末3は、ここでは撮像部も備える。撮像部は、所謂カメラであって、後述する証明書を撮像するために備えられる。
【0033】
<外部装置4について>
図2において、外部装置4は、例えば、後述する入力項目60m(「あなたの2021(令和3)年中の所得の見積額」に関する項目)に対し、従業員が入力しなくとも、数値(金額)が自動的に入るようにするための一構成として備えられる。本実施形態では、従業員及び企業に対しこれら以外が保持する外部情報を取得するために備えられ、例えば、銀行口座の入出金情報(入出金データ)から上述の「所得の見積額」に相当する外部情報を取得できるような機能を有する。詳細には、入出金情報のデータ(例えば、CSV(Comma Separated Value))を連携させる。例えば、振込元が「コクミンコウセイネンキン」となっているところ1箇所にチェックをつければ、他の月の分も全て自動でチェックがついて金額が集計される。そして、この集計金額をサーバ1へ送信する。このような機能を外部装置4は有する(なお、金額の集計は、サーバ1側で行ってもよい)。
この他、振込元が「コクミンコウセイネンキン」となっているところに限らず、例えば、キーワードで振込元が「ネンキン」、「キュウヨ」、「ショウヨ」等になっているところであってもよい。これらの中から従業員が判断してチェックしてもよい。チェックに関しては、例えば、ラジオボタンを採用してもよい。従業員の判断によるチェックを基に「所得の見積額」に相当する数値(金額)を算出するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、上述の入力項目60mに「所得の見積額」に相当する数値(金額)が予め入力されていないものとする(後述する)。
【0034】
<サーバ1の機能的構成について>
図4は、図2の情報処理システム100のうち、サーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0035】
サーバ1は、図3を参照しながら上述したように、CPU11と、記憶部18と、通信部19等とを備える。サーバ1には、通信部19を介して企業端末2、従業員端末3及び外部装置4が夫々接続される。
【0036】
CPU11は、企業情報入力処理部111と、人事情報入力処理部112と、外部情報入力処理部113と、従業員情報処理部114と、申告内容処理部115と、納品情報処理部116とを備えて構成される。
【0037】
別な言い方をすれば、サーバ1(情報処理装置)のCPU11においては、動作する際に、企業情報入力処理部111と、人事情報入力処理部112と、外部情報入力処理部113と、従業員情報処理部114と、申告内容処理部115と、納品情報処理部116とが機能する。
【0038】
記憶部18は、企業情報記憶部181と、人事情報記憶部182と、外部情報記憶部183と、従業員情報記憶部184と、申告内容記憶部185と、納品情報記憶部186とを有する。
【0039】
CPU11の企業情報入力処理部111は、先ず本サービスの提供対象となる企業に関する情報(企業情報)を、例えば、企業端末2を介して取得する処理を実行する。次に、企業情報入力処理部111は、後述する入力画面50に複数設けられた入力項目60のうち一部に、取得した企業情報を予め入力する処理を実行する。
企業情報入力処理部111は、取得した企業情報を企業情報記憶部181に記憶する処理も実行する。
上述の企業情報としては、顧客IDを連結キーにして、例えば、「事業所コード」、「事業所名称(カナ)」、「事業所名称(漢字)」、「事業所所在地郵便番号」、「事業所所在地住所」等が挙げられる。これらは必須の情報として取得される。
【0040】
人事情報入力処理部112は、先ず、企業に保持された(例えば、企業端末2に保持された)従業員の人事情報を取得する処理を実行する。次に、人事情報入力処理部112は、後述する入力画面50に複数設けられた入力項目60のうち一部に、取得した人事情報を予め入力する処理を実行する。
人事情報入力処理部112は、取得した人事情報を人事情報記憶部182に記憶する処理も実行する。
なお、ここでは、従業員の人事情報が上述の通り企業端末2に保持されることとするが、例えば、企業(従業員の勤務先)が運用する人事管理システム等に保持されていてもよい。
上述の人事情報としては、例えば、「個人コード」、「部門コード」、「姓(漢字)」、「名(漢字)」、「生年月日」、「住所」、「配偶者区分」、「源泉控除配偶者区分」、「障碍者(本人)」、「特別障害者(本人)」、「寡婦(本人)」、「ひとり親(本人)」、「勤労学生(本人)」等が挙げられる。これらは必須の情報として取得される。なお、任意の人事情報としては、例えば、「個人メールアドレス」等である。
他の人事情報としては、例えば、控除対象扶養者に関する情報が挙げられる。具体的には、「(控除対象扶養者の)姓(漢字)」、「名(漢字)」、「生年月日」、「続柄」、「配偶者区分」、「同居区分」、「障害区分」等が挙げられる。
なお、ここでの人事情報は、「個人コード」が連結キーになる。人事情報に対し、例えば、事業所コードが紐付けられる。人事情報には、「従業員の給与」が含まれてもよい(この場合、外部装置4から上述の銀行口座の入出金情報を取得しなくてもよくなる)。
【0041】
外部情報入力処理部113は、外部装置4から所定の情報を取得する処理を実行する。外部情報入力処理部113は、例えば、上述の銀行口座の入出金情報である外部情報を取得する場合に機能する。
外部情報入力処理部113は、取得した外部情報を外部情報記憶部183に記憶する処理も実行する。
なお、外部情報入力処理部113は、特許請求の範囲に記載された「第1入力手段」としての機能を有する。
【0042】
従業員情報処理部114は、後述する入力画面50に複数設けられた入力項目60のうち、上述の一部を除いた残りに対して入力された従業員情報を取得する処理を実行する。
従業員情報処理部114は、取得した従業員情報(後述する画像から抽出した情報を含む)を従業員情報記憶部184に記憶する処理も実行する。
なお、従業員情報処理部114の詳細については、図5を参照しながら後述するが、各種機能を有する。
【0043】
申告内容処理部115は、従業員情報処理部114において取得した従業員情報に基づき申告書の申告内容を作成したり、登録したりする等の処理を実行する。
申告内容処理部115は、作成した申告内容を申告内容記憶部185に記憶する処理も実行する。
なお、申告内容処理部115の詳細については、図5を参照しながら後述するが、各種機能を有する。
【0044】
納品情報処理部116は、例えば、上述の年末調整担当者からのダウンロード要求(納品要求)があると、提出対象となる従業員全員の申告書の電子データを、例えば、一括して企業端末2(図2参照)にダウンロードして納品する処理を実行する。
納品情報処理部116は、納品に係る情報を納品情報記憶部186に記憶する処理も実行する。
【0045】
記憶部18の企業情報記憶部181は、企業情報入力処理部111において取得した企業情報を記憶しておく記憶領域である。
また、人事情報記憶部182は、人事情報入力処理部112において取得した人事情報を記憶しておく記憶領域である。
また、外部情報記憶部183は、外部情報入力処理部113において取得した外部情報を記憶しておく記憶領域である。
また、従業員情報記憶部184は、従業員情報処理部114において取得した従業員情報(詳細については後述する)を記憶しておく記憶領域である。
また、申告内容記憶部185は、申告内容処理部115において作成された申告内容を記憶しておく記憶領域である。
また、納品情報記憶部186は、提出対象となる従業員全員の申告書の電子データを記憶しておく記憶領域である。
【0046】
<従業員情報処理部114の機能例について>
図5(a)は、図4の従業員情報処理部114の一例を示す機能ブロック図である。
【0047】
従業員情報処理部114では、入力画面生成部114aと、入力画面送信部114b(第1送信手段)と、従業員情報受信部114c(第1受信手段)と、項目追加判断部114d(第1判断手段)と、項目追加入力画面生成部114eと、項目追加入力画面送信部114f(第2送信手段)と、追加従業員情報受信部114g(第2受信手段)と、モーダルウィンドウ生成部114hと、モーダルウィンドウ送信部114i(第3送信手段)と、誘導従業員情報受信部114j(第3受信手段)と、画像情報抽出部114kと、画像情報判断部114l(第2判断手段)と、が機能する。
【0048】
入力画面生成部114aは、従業員端末3(図2参照)で表示される入力画面を生成する処理を実行する。入力画面としては、例えば、図6図7及び図10に示すような入力項目60等が複数設けられた入力画面50である。
入力項目60の一部には、企業情報や人事情報が予め入力される。
【0049】
入力画面送信部114bは、入力画面生成部114aにおいて生成された入力画面50が通信部19を介して従業員端末3に送信されるように処理を実行する。
【0050】
従業員情報受信部114cは、入力画面50に対し従業員が入力した従業員情報、或いは、上述の人事情報を変更するために従業員が入力し直した従業員情報が通信部19を介して受信されるように処理を実行する。
【0051】
項目追加判断部114dは、受信した従業員情報を基に従業員に対して新たな入力が必要であるか否かを判断する処理を実行する。具体的には、例えば、予め所定の入力項目に対する選択肢と、当該選択肢に対応する他の入力項目とを対応付けたテーブルを保持しておき、従業員情報を受信したら上述のテーブルを参照して新たな入力が必要であるか否かを判断する。
例えば、図1の入力項目6aでは「あなたと別居」の入力が選択されたため、上述のテーブルを参照して、配偶者の住所に関する入力項目6aと、生年月日に関する入力項目6bとの間に、新たに住所に関する入力項目(6c~6e)が必要であると判断する。
【0052】
項目追加入力画面生成部114eは、項目追加判断部114dにおいて新たな入力が必要であると判断した場合に、入力画面に対し追加入力項目(例えば、後述する入力項目61)を追加した状態の項目追加入力画面(例えば、後述する入力画面51)を生成(又は追加入力項目を表示)する処理を実行する。
【0053】
項目追加入力画面送信部114fは、項目追加入力画面生成部114eにおいて生成された項目追加入力画面(例えば、後述する入力画面51)が通信部19を介して従業員端末3に送信されるように処理を実行する。
【0054】
追加従業員情報受信部114gは、追加された追加入力項目に対し従業員が入力した追加従業員情報(従業員情報)が通信部を介して従業員端末3から受信されるように処理を実行する。
【0055】
モーダルウィンドウ生成部114hは、従業員の入力を誘導して入力の補助をする一又は複数パターンのモーダルウィンドウ(例えば、図8及び図9に示すモーダルウィンドウ70)を生成する処理を実行する。
なお、モーダルウィンドウによる機能を、ここではヘルパー機能と呼ぶことにする。
【0056】
モーダルウィンドウ送信部114iは、モーダルウィンドウ生成部114hにおいて生成されたモーダルウィンドウ70が通信部19を介して従業員端末3に送信されるように処理を実行する。
モーダルウィンドウ70には、誘導入力項目(例えば、図8(a)の入力項目61)が複数設けられる。
なお、モーダルウィンドウが複数パターンある場合に、受信した従業員情報(後述する誘導従業員情報)に基づいてモーダルウィンドウの送信順番を変化させるような処理もモーダルウィンドウ送信部114iは実行するものとする。
【0057】
誘導従業員情報受信部114jは、モーダルウィンドウ70に対し従業員が入力した誘導従業員情報(従業員情報)が通信部19を介して受信されるように処理を実行する。
【0058】
画像情報抽出部114kは、受信した従業員情報に従業員が撮像した証明書に係る画像が含まれていた場合に、その画像から情報を抽出する処理を実行する。
【0059】
画像情報判断部114lは、従業員情報として受信した画像が申告内容の作成(申告内容処理部115)において必要な情報であるか否かを、画像に含まれる情報に基づいて判断する処理を実行する。
画像情報判断部114lは、申告内容の作成として取得した従業員情報に含まれる画像の情報から、例えば、「保険料控除申告書」では必要のない証明書が含まれていた場合に、従業員端末3に対し警告を出せるような処理も実行する(一例であるが、従業員端末3の画面に警告を表示したり、音声で警告したりすることができるような処理を実行する)。
【0060】
<申告内容処理部115の機能例について>
図5(b)は、図4の申告内容処理部115の一例を示す機能ブロック図である。
【0061】
申告内容処理部115では、申告内容作成部115aと、申告内容登録部115bと、申告内容完成通知部115cと、要求受信部115dと、申告内容送信部115eとが機能する。
【0062】
申告内容作成部115aは、従業員情報処理部114において取得した従業員情報に基づき申告書の申告内容を作成する処理を実行する。
【0063】
申告内容登録部115bは、申告内容作成部115aにおいて作成された申告内容(年末調整に係る申告書の申告内容)を申告内容記憶部185に記憶する(登録する)処理を実行する。
【0064】
申告内容完成通知部115cは、申告内容の作成を完了した旨が従業員に対し通知されるような処理を実行する。
また、申告内容完成通知部115cは、例えば、所定期間を経過した時に、申告内容の作成を完了した旨が上述の年末調整担当者に対し通知されるような処理も実行する。
なお、通知に関しては、電子メールやソーシャルネットワークサービス(SNS)を利用してもよい(通知方法は特に限定されない)。
【0065】
要求受信部115dは、申告内容完成通知部115cにより申告内容の作成を完了した旨が従業員に対し通知され、この後に従業員が申告内容の確認をしたいとの要求がある場合に、この確認要求が受信されるように処理を実行する。
【0066】
申告内容送信部115eは、上述の確認要求に基づき、完成した申告内容の情報が通信部19を介して従業員端末3に送信されるように処理を実行する。
なお、送信される申告内容の情報は、従業員が入力した従業員情報等の確認が画面上でできるような状態のものや、法律で定められた書式となる申告書の状態のものが該当する。例えば、後者に関しては、PDFでプリントアウトできることが好ましい。
【0067】
<扶養控除等申告書等の作成に必要となる入力の例について>
図6は、従業員端末3(図2参照)に表示された入力画面50の一例を示す図である。
また、図7は、図6に続く入力画面50の図である。
【0068】
図6に示すように、扶養控除等申告書等の作成に必要となる入力の例として、従業員端末3には、「扶養控除のための本人および家族の情報」を取得する入力画面50が表示される。入力画面50には、複数の入力項目60(符号60は、後述する入力項目60a~を総称する場合に用いる)が設けられる。
【0069】
(「甲欄、乙欄の確認」の項目について)
先ず、入力画面50における「甲欄、乙欄の確認」の項目について説明する。
「甲欄、乙欄の確認」の項目では、「現在、あなたの所得税額を算出するための区分は「甲欄」となっていますが、正しいですか?」の問いが表示される。この問いに対しては、入力項目60aが設けられる。この入力項目60aには、「はい、甲欄で正しいです」が予め入力されている。入力項目60aは、ここではプルダウンメニューとなっており、「乙欄」に変更することも可能である。
なお、入力項目60aの下には、FAQ(符号省略)の欄が設けられ、必要に応じて従業員はこれを見ることができる。
【0070】
(「あなたの基本情報」の項目について)
次に、入力画面50における「あなたの基本情報」の項目について説明する。
「あなたの基本情報」の項目では、「氏名」を入力するための入力項目60bと、「フリガナ」を入力するための入力項目60cと、「生年月日」を入力するための入力項目60dと、「性別」を入力するための入力項目60eとが設けられる。
また、「今後、2022(令和4)年12月31日までの間に、結婚等で氏名が変更になる予定がありますか?」の問いが表示される。この問いに対しては、入力項目60fが設けられる。
「氏名」に関する入力項目60bには、人事情報に基づいて、例えば、「aaa」、「bbb」が予め入力されている。また、「フリガナ」に関する入力項目60cには、人事情報に基づいて、例えば、「ccc」、「ddd」が予め入力されている。また、「生年月日」に関する入力項目60dには、人事情報に基づいて、例えば、「1982(昭和57)」、「7」、「24」が予め入力されている。
入力項目60b及び入力項目60cは、従業員の入力によって変更(修正)が可能である。また、入力項目60dは、ここではプルダウンメニューとなっており、生年月日の数値を選んで変更することも可能である。
「性別」に関する入力項目60eは、ラジオボタンとなっており、人事情報に基づいて、例えば、「男」が予め入力されている(「女」に変更することも可能である)。また、氏名変更の問いに関する入力項目60fは、ここではプルダウンメニューとなっており、予め「いいえ」が入力されている(「はい」に変更することも可能である)。
【0071】
図6の入力画面50では、従業員は内容を確認するだけであり、特段入力する必要はない。図6の状態から画面をスクロールすると、図7に示すような入力画面50が従業員端末3に表示される。図7の入力画面50には、「あなたの住所または居所」の項目、「あなたは世帯主ですか?」の項目、「あなたの2021(令和3)年中の所得の見積額」の項目、「あなたの障害者区分」の項目が表示される。
【0072】
(「あなたの住所または居所」の項目について)
先ず、図7の入力画面50における「あなたの住所または居所」の項目について説明する。
「あなたの住所または居所」の項目では、「郵便番号」を入力するための入力項目60gと、「都道府県・市区町村名」を入力するための入力項目60hと、「町名・番地・建物名」を入力するための入力項目60iとが設けられる。
また、「今後、2022(令和4)年12月31日までの間に、住所または居所が変更になる予定がありますか?」の問いが表示される。この問いに対しては、入力項目60jが設けられる。
また、「現住所と住民票上の住所は異なりますか?」の問いが表示され、この問いに対しては、入力項目60kが設けられる。
「郵便番号」に関する入力項目60gには、人事情報に基づいて、例えば、「xxx-xxxx」が予め入力されている。また、「都道府県・市区町村名」に関する入力項目60hには、人事情報に基づいて、例えば、「◎◎市◎◎区」が予め入力されている。また、「町名・番地・建物名」に関する入力項目60iには、人事情報に基づいて、例えば、「◎◎1丁目」が予め入力されている。入力項目60g~入力項目60iは、従業員の入力によって変更(修正)が可能である。
住所または居所の問いに関する入力項目60jは、予め「いいえ」が入力されている(ここではプルダウンメニューとなっており、「はい」に変更することも可能である。なお、「はい」に変更した場合は、新たな入力項目が追加されるものとする)。
また、現住所が住民票上の住所と異なるかの問いに関する入力項目60kは、予め「いいえ」が入力されている(ここではプルダウンメニューとなっており、「はい」に変更することも可能である。なお、「はい」に変更した場合は、新たな入力項目が追加されるものとする)。
【0073】
(「あなたは世帯主ですか?」の項目について)
次に、図7の入力画面50における「あなたは世帯主ですか?」の項目について説明する。
「あなたは世帯主ですか?」の項目では、入力項目60lが設けられる。入力項目60lには、人事情報に基づいて、予め「はい」が入力されている(ここではプルダウンメニューとなっており、「いいえ」に変更することも可能である。なお、予め「はい」が入力されるのでなく、初期値「空欄」としておいて、従業員が「はい」又は「いいえ」をプルダウンメニューで選択するようにしてもよい)。
【0074】
(「あなたの2021(令和3)年中の所得の見積額」の項目について)
次に、図7の入力画面50における「あなたの2021(令和3)年中の所得の見積額」の項目に関して説明する。
「~所得の見積額」の項目では、従業員の2021(令和3)年中の所得の見積額を入力するための入力項目60mが設けられる。また、見積額計算の表示部(符号60nを付すことにする)も設けられる。
なお、図7では、見積額が入力された状態及び見積額計算がなされた状態で表示される。このような状態に至るまでについては、図8及び図9に示すモーダルウィンドウ70を参照しながら後述する。
【0075】
(「あなたの障害者区分」の項目について)
次に、図7の入力画面50における「あなたの障害者区分」の項目について説明する。
「あなたの障害者区分」の項目では、障害者区分を入力するための入力項目60pが設けられる。入力項目60pには、予め「該当なし」が入力されている(ここではプルダウンメニューとなっている。該当なしからの変更については後述する)。このような「あなたの障害者区分」の項目についても、図10乃至図12を参照しながら後述する。
【0076】
(所得の見積額を入力するためのヘルパー機能について)
図8は、モーダルウィンドウ70によるヘルパー機能の一例を示す図である。
また、図9は、図8に続くヘルパー機能の一例を示す図である。
【0077】
モーダルウィンドウ70は、従業員の入力を誘導し補助することを目的として入力画面50(図7参照)の上に画面表示される。図8及び図9に示すモーダルウィンドウ70は、従業員自身が所得の見積額(2021(令和3)年中の所得の見積額)を入力項目60m(図7参照)に対し入力する際に、その入力を誘導すると共に入力を補助する。
【0078】
図8(a)において、モーダルウィンドウ70には、見積額や収入等についての説明欄が設けられる(符号省略)。また、モーダルウィンドウ70には、「年間収入の見積額」を従業員に入力させるために誘導入力項目61aも設けられる。従業員は、上述の説明欄の説明があることにより、自身の年間収入の見積額を誘導入力項目61aに入力することができる。
なお、従業員が誘導入力項目61aに入力した数値は、誘導従業員情報(従業員情報)としてサーバ1(図2参照)に送信される。
従業員が誘導入力項目61aに入力した後、リンクボタン62a(総称する場合、符号60を付すことにする)を、例えば、マウスでクリックすると、図8(b)に示すようなモーダルウィンドウ70が入力画面50(図7参照)の上に画面表示される。
【0079】
図8(b)において、モーダルウィンドウ70には、「給与所得」の見積額の算出結果を表示する欄が設けられる。この欄は、表示部(符号61bを付すことにする)として設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、「給与所得」以外の所得について確認するためのリンクボタン62b~62eも設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、FAQに関する欄も設けられる。
リンクボタン62b~62eは、「公的年金やその他の収入がありましたか?」の問いや、「受け取る予定がありますか?」の問いに対して、従業員が答えられるようにするために設けられる。
リンクボタン62bは、上述の問いに対し「公的年金を受け取っている」場合にクリックされる。また、リンクボタン62cは、上述の問いに対し「給与所得の他に収入はない」場合にクリックされる。また、リンクボタン62dは、上述の問いに対し「公的年金以外の収入がある」場合にクリックされる。ここでは、リンクボタン62bがクリックされる例で説明する。なお、リンクボタン62eは、「ひとつ前に戻る」場合にクリックされる。
【0080】
図8(c)において、モーダルウィンドウ70には、公的年金等の収入についての説明欄が設けられる(符号省略)。また、モーダルウィンドウ70には、「年間公的年金等収入の見積額」を従業員に入力させるための誘導入力項目61cも設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、「次へ」の場合にクリックされるリンクボタン62fや、「ひとつ前に戻る」場合にクリックされるリンクボタン62gも設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、FAQに関する欄も設けられる。
従業員は、上述の説明欄の説明があることにより、「年間公的年金等収入の見積額」を誘導入力項目61cに入力することができる。
なお、従業員が誘導入力項目61cに入力した数値は、誘導従業員情報(従業員情報)としてサーバ1(図2参照)に送信される。
従業員が誘導入力項目61cに入力した後、リンクボタン62fをクリックすると図9(a)に示すようなモーダルウィンドウ70が入力画面50(図7参照)の上に画面表示される。
【0081】
図9(a)において、モーダルウィンドウ70には、従業員の生年月日に関する誘導入力項目61dが設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、「次へ」の場合にクリックされるリンクボタン62hや、「ひとつ前に戻る」場合にクリックされるリンクボタン62iも設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、FAQに関する欄も設けられる。
「生年月日」に関する誘導入力項目61dには、人事情報に基づいて、例えば、「1982(昭和57)」、「7」、「24」が予め入力されている(図6の入力項目60dと同じ数値で入力される)。この誘導入力項目61dは、従業員の入力によって変更(修正)が可能である。また、誘導入力項目61dは、ここではプルダウンメニューとなっており、生年月日の数値を選んで変更することが可能である。
従業員がリンクボタン62hをクリックすると、図9(b)に示すようなモーダルウィンドウ70が入力画面50(図7参照)の上に画面表示される。
【0082】
図9(b)において、モーダルウィンドウ70には、「年間公的年金等の所得」の見積額の算出結果を表示する欄が設けられる。この欄は、表示部(符号61eを付すことにする)として設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、「その他の所得」について確認するためのリンクボタン62j~62mも設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、FAQに関する欄も設けられる。
リンクボタン62j~62mは、「公的年金以外の年金等の「雑所得に該当する収入」がありましたか?」の問いや、「受け取る予定がありますか?」の問いに対して従業員が答えられるようにするために設けられる。
リンクボタン62jは、上述の問いに対し「はい」の場合にクリックされる。また、リンクボタン62kは、上述の問いに対し「他に収入はない」場合にクリックされる。また、リンクボタン62lは、上述の問いに対し「他の種類の所得に該当する収入がある」場合にクリックされる。ここでは、リンクボタン62kがクリックされる例で説明する。なお、リンクボタン62mは、「ひとつ前に戻る」場合にクリックされる。
【0083】
図9(c)において、モーダルウィンドウ70には、所得の見積額の算出結果を表示すると共に、従業員に対し「登録」を促す欄が設けられる。この欄は、表示部(符号61fを付すことにする。図7の表示部60nと同じ数値で表示される)として設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、リンクボタン62n及びリンクボタン62pも設けられる。また、モーダルウィンドウ70には、FAQに関する欄も設けられる。
リンクボタン62nは、算出された見積額を「登録」する場合にクリックされる。なお、リンクボタン62pは、「ひとつ前に戻る」場合にクリックされる。
【0084】
リンクボタン62nがクリックされ、算出された見積額が「登録」されると、図10に示すように表示部60nを表示した状態で入力項目60mの入力が完了する。
【0085】
図10は、図7に続く入力画面50の図である。
図10には、「あなたの障害者区分」の項目、「あなたが勤労学生かどうかについて」の項目、及び「配偶者について」の項目がある。
「あなたが勤労学生かどうかについて」の項目には、「勤労学生区分」を入力するための入力項目60qが設けられる。また、「配偶者について」の項目には、「結婚していますか?」を問う入力項目60rと、「配偶者の2021(令和3)年中の所得の見積額」を入力するための入力項目60sとが設けられる。
入力項目60rには、従業員情報に基づき、予め「はい」が入力されている(プルダウンメニューで「いいえ」に変更することが可能)。
なお、入力項目60sに対する入力にあたっては、上述のようなモーダルウィンドウ(図示省略)による入力の誘導及び補助が採用される。
【0086】
図10に示す「あなたの障害者区分」の項目について)
「あなたの障害者区分」の項目では、障害者区分を入力するための入力項目60pが設けられる。この入力項目60pには、従業員情報に基づき、予め「該当なし」が入力されている。この「該当なし」の入力に対しては、従業員がプルダウンメニューで「特別障害者」に変更することも可能である。
ここで従業員が「特別障害者」に変更した例を説明する。従業員がプルダウンメニューで「特別障害者」に変更したとすると、変更に係る従業員情報を基にして、図10の入力画面50から図11に示す項目追加入力画面51に変更される。
【0087】
図11は、項目追加入力画面51とモーダルウィンドウ71によるヘルパー機能の一例を示す図である。
項目追加入力画面51は、入力画面50(図10参照)に対し追加入力項目61a(総称する場合は符号61を付す)が追加された状態の画面になる。「特別障害者」への変更により追加された追加入力項目61aは、障害の内容についての入力を従業員にさせるために設けられる。障害の内容についての入力には、モーダルウィンドウ71が用いられる。
モーダルウィンドウ71には、障害の内容を選択するための「<」、「>」のボタンや、リンクボタン64a及びリンクボタン64b(総称する場合は符号64を用いる)が設けられる。また、モーダルウィンドウ71には、FAQに関する欄も設けられる。
リンクボタン64aは、「次へ」進む場合にクリックされる。また、リンクボタン64bは、「該当しないまたは障害なし」の場合にクリックされる。ここでは、リンクボタン64aがクリックされるものとする。リンクボタン64aがクリックされると、図12(a)に示すモーダルウィンドウ71が表示される。
【0088】
図12は、図11に続くヘルパー機能の一例を示す図である。
【0089】
図12(a)において、モーダルウィンドウ71には、障害の程度を選択するための「<」、「>」のボタンや、リンクボタン64c及びリンクボタン64dが設けられる。また、モーダルウィンドウ71には、FAQに関する欄も設けられる。
リンクボタン64cは、「次へ」進む場合にクリックされる。また、リンクボタン64dは、「ひとつ前に戻る」場合にクリックされる。ここでは、リンクボタン64cがクリックされるものとする。リンクボタン64cがクリックされると、図12(b)に示すモーダルウィンドウ71が表示される。
【0090】
図12(b)において、モーダルウィンドウ71には、障害者手帳(障がい者手帳)の交付日を入力するための入力項目63a(総称する場合は符号63を用いる)が設けられる。また、モーダルウィンドウ71には、交付申請中の場合にチェックするためのチェックボックス(符号省略)も設けられる。また、モーダルウィンドウ71には、リンクボタン64e及びリンクボタン64fや、FAQに関する欄も設けられる。
図12(b)においては、従業員がプルダウンメニューを用いて入力項目63aに「2005(平成17)」、「7」、「6」を入力した状態が示される。
リンクボタン64eは、「次へ」進む場合にクリックされる。また、リンクボタン64fは、「ひとつ前に戻る」場合にクリックされる。ここでは、リンクボタン64eがクリックされるものとする。リンクボタン64eがクリックされると、図12(c)に示すモーダルウィンドウ71が表示される。
【0091】
図12(c)において、モーダルウィンドウ71には、入力済みの内容を表示して「登録」を促す欄が設けられる。また、モーダルウィンドウ71には、リンクボタン64g及びリンクボタン64hや、FAQに関する欄も設けられる。
リンクボタン64gは、「登録」する場合にクリックされる。また、リンクボタン64hは、「ひとつ前に戻る」場合にクリックされる。ここでは、リンクボタン64gがクリックされて登録が完了するものとする。
【0092】
以上、図6乃至図12を参照しながら説明してきたように、扶養控除等申告書等の作成に必要な従業員の入力作業は非常に容易である。従って、本サービスにより、従業員作業負担を軽減することができる。
【0093】
<証明書に関する従業員の入力作業の例について>
図13は、証明書に関する従業員の入力作業の例を示す図である。
【0094】
例えば、保険料控除申告書を作成しようとする場合、通常、証明書80に記載された内容を申告書に反映させる必要がある。この反映作業は煩雑であることから、本サービスでは、証明書80を画像でアップロードしたり、XMLデータでアップロードしたりすることができるようにしており、従業員Uの作業負担軽減を図っている。以下、画像でアップロードする例を挙げて説明する。この例では、3ステップ(3STEP)で作業が完了するようにしている。
具体的には、先ず、図13(a)のSTEP 01に示すように、従業員Uは、生命保険等の証明書80を、例えば、スマートフォン3a(従業員端末)の撮像部で撮像し、これを撮像証明書81とする作業を行う。
次に、図13(b)のSTEP 02では、撮像証明書81(画像としての従業員情報)をサーバ1に向けて送信する作業を従業員Uは行う。
そして最後に、図13(c)のSTEP 03では、撮像証明書81が送信されたか否かスマートフォン3aで確認する作業を従業員Uは行う。
以上のような3ステップ(3STEP)で従業員Uによる作業が完了する。
撮像証明書81が送信され、サーバ1がこれを受信すると、撮像証明書81から情報が抽出されて、保険料控除申告書の申告内容が作成される。
なお、ここでは保険料控除申告書を作成しようとする場合について説明したが、生命保険等の証明書80に限らず、住宅ローンの残高証明書、前職の源泉徴収票等で他の申告書を作成する場合も上述同様の3ステップ(3STEP)で従業員Uによる作業が完了するものとする。
【0095】
<申告書の電子データ作成から納品までの流れについて>
図14は、年末調整に係る申告書の申告内容の電子データ作成から納品までの流れを概略説明するフローチャートである。
【0096】
サーバ1の処理動作として、ステップSS1では、情報入力処理を行う。この情報入力処理は、サーバ1が受信した企業情報、人事情報、外部情報のうち、必要な情報を予め入力画面50に入力することである。
ステップSS2では、従業員情報取得処理を行う。この従業員情報取得処理は、入力画面50やモーダルウィンドウ70等の画面が通信部19を介して従業員端末3に送信されるようにすることである、また、従業員情報取得処理は、従業員端末3から送信された従業員情報等が通信部を介して受信されるようにすることである。また、従業員情報取得処理は、受信した従業員情報等を記憶することである。
【0097】
ステップSS3では、申告内容作成処理を行う。この申告内容作成処理は、受信した従業員情報等に基づいて、年末調整の申告書に係る申告内容を作成することである。
ステップSS4では、申告内容登録処理を行う。この申告内容登録処理は、ステップSS3で作成した申告内容を登録することである(申告内容記憶部185に登録情報として記憶する)。
ステップSS5では、申告内容完成通知処理を行う。この申告内容完成通知処理は、従業員に対し申告内容の作成が完了した旨を通知することである。
【0098】
ステップSS6では、確認要求対応処理を行う。この確認要求対応処理は、作成が完了した申告内容の確認を従業員が要求した場合に対応することである。
ステップSS7では、企業への完成通知処理を行う。この完成通知処理は、企業の年末調整担当者に対し、例えば、所定期間を経過した時に、申告内容の作成が完了した旨を通知することである。
ステップSS8では、企業からの納品要求(ダウンロード要求)があるか否かを判断する処理を行う。企業からの納品要求がある(ステップSS8でYES)場合には、ステップSS9の処理へ移行する。これに対し企業からの納品要求がない(ステップSS8でNO)場合には、ステップSS8の処理を繰り返す。
ステップSS9では、企業からの納品要求に応じて納品処理を行う。この納品処理は、提出対象となる従業員全員の申告書の電子データを、例えば、一括して企業端末2にダウンロードすることである。
【0099】
<効果について>
以上、図2乃至図14を参照しながら説明してきた通り、本サービスでは、常に必要最低限の項目のみが表示されることから、空欄になっている箇所(入力項目)と、変更したい箇所(入力項目)だけを従業員は入力すればよい。また、従業員は、モーダルウィンドウ70の誘導に従って入力すればよい。
従って、本サービスにより、年末調整に係る申告書の従業員作業負担を軽減することができる。
【0100】
本サービスでは、従業員による上述の入力が従業員情報となり、この従業員情報をサーバ1が取得することから、この後に、年末調整に係る申告書の申告内容の電子データをサーバ1において作成することができる。
従って、本サービスにより、従業員は、従来行っていた紙の申告書に一々書き込むことをしなくても作成することができる。
【0101】
本サービスでは、年末調整担当者からのダウンロード要求(納品要求)があれば、提出対象となる従業員全員の申告書の電子データを、例えば、一括して企業端末2にダウンロードすることができる。
従って、本サービスでは、提出対象となる従業員全員から申告書の書類(紙)を一々回収する場合と比べて、年末調整担当者も作業負担を軽減することができる。
【0102】
<まとめ>
以上、本発明の情報処理システム100の実施形態について説明したが、本発明は上述した本実施形態に限定されない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されない。
【0103】
詳細な説明は省略するが、図10の入力項目60sに対する入力の誘導及び補助に関し、サーバ1では、受信した従業員情報や、同じく受信した「配偶者」に関する誘導従業員情報(従業員情報)に基づき、複数パターンあるモーダルウィンドウ(図示省略)の送信順序を変えて誘導及び補助に変化を付けているものとする。
また、詳細な説明は省略するが、変形例としては、過去の(例えば昨年の)年末調整における申告書に係る申告内容に基づいて予め入力項目に入力することも可能である。この場合、比較的直近の情報を用いることから、従業員の作業負担を軽減することができる。
また、詳細な説明は省略するが、変形例としては、予め入力項目に入力することに関し、上述の人事情報や外部情報等、及び、上述の過去の申告内容(過去の年末調整における申告書に係る申告内容)のうち、何れかを選択することができる機能を設けてもよい。
また、詳細な説明は省略するが、変形例としては、予め入力した入力項目を強調表示(例えば、他と表示色を変更したり、色の濃淡を変更したりするなど、従業員が確認だけでよい項目をわかり易くする)してもよい。
本実施形態において、企業の従業員を例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、公務員であってもよい。年末調整が必要な者が対象となる。
【0104】
本実施形態において、図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。換言すると、図4及び図5に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システム100に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4及び図5の例に限定されない。
【0105】
また、機能ブロックの存在場所も、図4及び図5に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを複数のサーバに分散させてもよい。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0106】
また、例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよい。
【0107】
コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0108】
また、例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために、装置本体とは別に配布される図示しないリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものであってもよい。
【0109】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含む。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味する。
【0110】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザーにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図3のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。
装置本体に予め組み込まれた状態でユーザーに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図3のROM12や、図3の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0111】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、図2のサーバ1)は、
企業に属する従業員が操作する従業員端末(例えば、図2の従業員端末3)との通信が可能であると共に、年末調整の申告書に係る申告内容の電子データを前記従業員ごとに作成する情報処理装置であって、
複数設けられた入力項目(例えば、図1の入力項目6)のうち一部に、前記企業が保持する前記従業員の人事情報を予め入力した入力画面(例えば、図1の入力画面5)が、通信部(例えば、図3の通信部19)を介して前記従業員端末に送信されるようにする第1送信手段(例えば、図5の入力画面送信部114b)と、
残りの前記入力項目に対し前記従業員が入力した従業員情報、或いは、前記人事情報を変更するために前記従業員が入力し直した従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第1受信手段(例えば、図5の従業員情報受信部114c)と、
受信した前記従業員情報を基に前記従業員に対して新たな入力が必要であるか否かを判断する第1判断手段(例えば、図5の項目追加判断部114d)と、
前記新たな入力が必要であると判断した場合に、前記入力画面に対し追加入力項目を追加した状態の項目追加入力画面が、前記通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第2送信手段(例えば、図5の項目追加入力画面送信部114f)と、
追加された前記追加入力項目(例えば、図1の入力項目6c~6e)に対し前記従業員が入力した追加従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第2受信手段(例えば、図5の追加従業員情報受信部114g)と、
を備える。
【0112】
本発明によれば、従業員の人事情報を予め入力した入力画面が従業員端末に送信されることから、予め入力した分だけ従業員による入力を減らすことができる。また、本発明によれば、受信した従業員情報に基づき新たな入力が必要であると判断した場合に入力項目が追加されることから、その結果、従業員による入力を減らすことができる。
従って、年末調整に係る申告書の従業員作業負担を軽減することができる。
【0113】
また、本発明が適用される情報処理装置は、
前記従業員の入力を誘導することにより前記従業員の入力を補助する一又は複数パターンのモーダルウィンドウ(例えば、図8のモーダルウィンドウ70)が、前記通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第3送信手段(例えば、図5のモーダルウィンドウ送信部114i)と、
前記モーダルウィンドウに設けられた誘導入力項目(例えば、図8の誘導入力項目61a)に対し前記従業員が入力した誘導従業員情報が、前記通信部を介して受信されるようにする第3受信手段(例えば、図5の誘導従業員情報受信部114j)と、
を更に備える。
【0114】
本発明によれば、従業員による入力の誘導及び補助をするモーダルウィンドウが従業員端末に送信されることから、そのモーダルウィンドウにより従業員作業負担を軽減することができる。
【0115】
また、本発明が適用される情報処理装置は、
前記第3送信手段は、更に、
前記モーダルウィンドウが前記複数パターンある場合に、受信した前記誘導従業員情報に基づいて前記モーダルウィンドウの送信順番を変化させるようにする。
【0116】
本発明によれば、受信した誘導従業員情報(従業員情報)に基づいてモーダルウィンドウの送信順番を変化させることから、必要な項目に対して入力させることができる。
従って、従業員による入力を減らすことができる。
【0117】
また、本発明が適用される情報処理装置は、
前記従業員情報には、前記従業員が撮像した証明書に係る画像(例えば、図13の撮像証明書81)も含まれる。
【0118】
本発明によれば、従業員が撮像した証明書に係る画像も従業員情報に含むことから、従業員は証明書を撮像するだけでよく、結果、従業員による入力を減らすことができる。
従って、年末調整に係る申告書の従業員作業負担を軽減することができる。
【0119】
また、本発明が適用される情報処理装置は、
前記画像が前記申告内容の作成において必要な情報であるか否かを前記画像に含まれる情報に基づいて判断する第2判断手段(例えば、図5の画像情報判断部114l)を更に備える。
【0120】
本発明によれば、従業員が撮像した画像が申告書の申告内容の作成において必要な情報であるか否かを画像に含まれる情報に基づいて判断することができる。適切な判断があることで工程削減に寄与することができる。
【0121】
また、本発明が適用される情報処理装置は、
前記従業員及び前記企業に対しこれら以外が保持する銀行口座の入出金情報も前記入力項目の一部として予め入力する第1入力手段(例えば、図4の外部情報入力処理部113)を更に備える。
【0122】
本発明によれば、銀行口座の入出金情報が予め入力画面に入力されることから、入出金情報の分だけ更に従業員による入力を減らすことができる。
【0123】
本発明が適用される情報処理方法は、
企業に属する従業員が操作する従業員端末との通信が可能であると共に、年末調整の申告書に係る申告内容の電子データを前記従業員ごとに作成する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
複数設けられた入力項目のうち一部に、前記企業が保持する前記従業員の人事情報を予め入力した入力画面が、通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第1送信ステップと、
残りの前記入力項目に対し前記従業員が入力した従業員情報、或いは、前記人事情報を変更するために前記従業員が入力し直した従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第1受信ステップと、
受信した前記従業員情報を基に前記従業員に対して新たな入力が必要であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記新たな入力が必要であると判断した場合に、前記入力画面に対し追加入力項目を追加した状態の項目追加入力画面が、前記通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第2送信ステップと、
追加された前記追加入力項目に対し前記従業員が入力した追加従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第2受信ステップと、
を含む。
【0124】
本発明によれば、年末調整に係る申告書の従業員作業負担を軽減することが可能な情報処理方法を提供することができる。
【0125】
本発明が適用されるプログラムは、
企業に属する従業員が操作する従業員端末との通信が可能であると共に、年末調整の申告書に係る申告内容の電子データを前記従業員ごとに作成する情報処理装置を制御するコンピュータに、
複数設けられた入力項目のうち一部に、前記企業が保持する前記従業員の人事情報を予め入力した入力画面が、通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第1送信ステップと、
残りの前記入力項目に対し前記従業員が入力した従業員情報、或いは、前記人事情報を変更するために前記従業員が入力し直した従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第1受信ステップと、
受信した前記従業員情報を基に前記従業員に対して新たな入力が必要であるか否かを判断する第1判断ステップと、
前記新たな入力が必要であると判断した場合に、前記入力画面に対し追加入力項目を追加した状態の項目追加入力画面が、前記通信部を介して前記従業員端末に送信されるようにする第2送信ステップと、
追加された前記追加入力項目に対し前記従業員が入力した追加従業員情報が、前記通信部を介して前記従業員端末から受信されるようにする第2受信ステップと、
を含む制御処理を実行させる。
【0126】
本発明によれば、年末調整に係る申告書の従業員作業負担を軽減することが可能なプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0127】
1・・・サーバ1(情報処理装置)、2・・・企業端末、3・・・従業員端末、4・・・外部装置、5・・・入力画面、6・・・入力項目、100・・・情報処理システム、N・・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14