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特開2023-106768情報表示ラベル、ラベル形成用シート及び配送伝票
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106768
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】情報表示ラベル、ラベル形成用シート及び配送伝票
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/02 20060101AFI20230726BHJP
   B42D 11/00 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
G09F3/02 M
B42D11/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007694
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】390027203
【氏名又は名称】株式会社中川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】一色 譲
(57)【要約】      (修正有)
【課題】粘着剤層を保護する剥離シートの面内がシート分断線で囲われた非剥離領域とその周囲の剥離領域とに区画されてなる情報表示ラベルにおいて、剥離シートをスムーズな操作で確実に剥離することができるようにする。
【解決手段】ラベル基材2の下面側の粘着剤層6が剥離シート7で覆われてなり、剥離シート7の面内がシート分断線8により囲われた非剥離領域71とその周囲の剥離領域72とに区画された情報表示ラベル1において、前記剥離領域72内に、剥離シート7の周縁部には交わらずに剥離領域72の幅が分割される向きに伸長したシート分断線9を設けることで、剥離シート7を剥離する際に加わる外力をシート分断線9の両側の部分に分散させて剥離性を向上させる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル基材の下面面側に粘着剤層が設けられ、この粘着剤層が剥離シートで覆われてなる情報表示ラベルであって、前記剥離シートの面内に当該剥離シートを分断するシート分断線により囲われた非剥離領域とその周囲の剥離領域とが設けられ、前記剥離シートをラベル基材から剥離したときに前記非剥離領域の周囲で粘着剤層が露出するように構成された情報表示ラベルにおいて、
前記剥離シートの剥離領域内に、剥離シートの周縁部には交わらずに当該剥離領域の幅が分割される向きに伸長したシート分断線が設けられた構成を有することを特徴とする情報表示ラベル。
【請求項2】
剥離シートの面内にシート分断線で囲われた平面視略方形状の非剥離領域が設けられ、その周囲の剥離領域に設けられたシート分断線は前記非剥離領域の周囲三辺に沿った平面視略コ字形に配置された構成を有することを特徴とする請求項1に記載の情報表示ラベル。
【請求項3】
剥離シートの面内にシート分断線で囲われた平面視略方形状の非剥離領域が設けられ、その周囲の剥離領域に設けられたシート分断線は前記非剥離領域の四隅角部の少なくとも一の角部から剥離シートの周縁部の近傍に至るように配置された構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示ラベル。
【請求項4】
ラベル基材は、下面側に粘着剤層が設けられた中間シートと、この中間シートの表面側に剥離可能に疑似接着して重ねられた表側シートからなることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の情報表示ラベル。
【請求項5】
中間シートの面内であって、これに重なる剥離シートの非剥離領域を囲うシート分断線の形成位置と対応した位置に、当該中間シートを分断するシート分断線が設けられた構成を有することを特徴とする請求項4に記載の情報表示ラベル。
【請求項6】
一枚の剥離シート内に、請求項1から5の何れかに記載の情報表示ラベルが複数並べてレイアウトされているとともに、隣接する前記情報表示ラベル間に沿ってシート分断線が形成されて、前記各情報表示ラベル同士を分離し得るように構成されたラベル形成用シート。
【請求項7】
請求項6のラベル形成用シートの各情報表示ラベルの上面に、届け先や依頼主の情報、伝票番号、バーコードや二次元コードなどの荷物の配送処理に必要な情報の印刷領域が設けられてなる配送伝票。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェトプリンターやレーザープリンターなどを用いて上面側に各種情報を印刷し、下面側に設けられた粘着剤層を露出させて物品に貼り付けることで物品に関する情報を明示する、例えば荷物配送用の伝票や帳票、商品に貼り付けるラベルやレッテルその他の表示標として用いる情報表示ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
宅配荷物用の配送伝票として、上面側に貼付票と受領票がレイアウトされ、下面側に粘着剤層が設けられたラベル基材と、前記粘着剤層を覆う剥離シートからなり、この剥離シートの前記粘着剤層に重なる面側の一部の領域に情報を印刷しておき、剥離シートを剥がしたラベル基材を宅配荷物に貼り付けて配送処理に供し、荷物の届け先に荷物を引き渡して配送作業者がラベル基材から受領票を分離すると、前記剥離シートの一部の領域がラベル基材の上面側に露出してこの部分に印刷された情報を見ることができるように構成されたものが知られている。
【0003】
図13から図16は、このような配送伝票の一例の構成を示している。
図示した配送伝票100は、接着剤を硬化させて薄い層状に成形された透明又は半透明な接着剤層101の上面側にラベル基材102、下面側に粘着剤層103を介して剥離シート104を一体に重ねて形成してある。
【0004】
ラベル基材102は、図13(A)及び図14に示されるように、剥離剤層(図示せず)を介して接着剤層101に擬似接着しており、その上面中央に設けられた、ラベル基材102の上面から接着剤層101との境界面に至る深さのシート分断線105で左右片半面ずつに区画され、区画された一方の半面に貼付票102a、他方の半面に受領票102bをレイアウトしてある。
【0005】
剥離シート104は、図13(B)及び図14に示されるように、前記ラベル基材102の受領票102bと向き合う片半面内に、剥離シート104の下面から粘着剤層103との境界面に至る深さのシート分断線106で前記受領票102の輪郭よりも一回り小さいサイズで矩形状に囲った部分が設けられ、この囲われた部分の前記粘着剤層103に重なる面側に、予め印刷された荷物の届け先に通知する情報を表示した情報表示部107が形成してある。
剥離シート104は、シート分断線106で囲われた部分が粘着剤層103に直に粘着した非剥離領域104a、その外側の部分が粘着剤層103に接合した剥離領域104bとなっており、配送伝票100を荷物に貼り付けるために剥離シート104を剥がすと、シート分断線106で囲われた非剥領域104aを残してその周囲の剥離領域104bが剥離し、非剥領域104aの周囲で粘着剤層103が露出するようになっている。
【0006】
このように構成された配送伝票100は、貼付票102aと受領票102bに荷物の届け先や配送の依頼主の名称や住所、伝票番号などの荷物配送に必要な情報をプリンターで印刷した上で剥離シート104を剥がして下面の粘着剤層103を露出させ、これを配達する荷物108の外装に貼り付けて配送処理に供する。
そして、配送作業者が荷物を届け先に配達して荷物を引き渡したならば前記受領票102bをラベル基材102から引き剥がして持ち帰るが、図15に示されるように、受領票102bを引き剥がすと前記剥離シート104の非剥離領域104bの上面が透明な接着剤層101を介してラベル基材102の上面側に露出し、同領域内に印刷された情報表示部107を荷物の受取主が見ることができるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011-121362公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記配送伝票100の剥離シート104は、剥離領域104b内にシート分断線106で囲われた非剥離領域104aが位置し、前記図13(B)に示されるように、非剥領域104aの周囲三辺では剥離領域104bが帯状に細く連なった細幅部104b1となっている。
【0009】
そのため、図16に示されるように、配送伝票100を荷物108に貼り付ける際の剥離シート104をラベル基材101から剥がす操作で、剥離シート104の縁部を摘まんで引っ張ったときに、前記剥離領域104bの細幅部104b1に捻じれる方向の力が加わると、細幅部104b1が千切れしまうことがあった。
細幅部104b1が千切れると、剥離領域104bが部分的に粘着剤層103上に残って一度の剥離操作で剥離シート104の剥離領域104bの全体を剥がせなくなり、粘着剤層103上に残った剥離シート104の除去にも手間を要し、荷物の発送処理が渋滞することがあった。
【0010】
この場合、粘着剤層103の剥離強度を弱くすれば、前記細幅部104b1が極細であっても途中で千切れることなく、剥離シート104を滑らかに剥離することが可能であるが、剥離強度が弱いと配送中に配送伝票100が荷物108から剥がれ落ちる状況が発生しやすくなる。荷物108から配送伝票100が剥がれ落ちたのでは配送処理に支障を来し、剥がれ落ちた配送伝票100が紛失した場合、伝票に印刷された届け先と送り主の個人情報が漏洩する危険がある。
現状使用されている配送伝票の剥離強度のままで、前記細幅部104b1を有する剥離シート104を一度の剥離操作でスムーズに剥離させることのできる手段が必要とされる。
【0011】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑み、ラベル基材下面の粘着剤層を保護する剥離シートの面内がシート分断線で囲われた非剥離領域とその周囲の剥離領域とに区画されてなる情報表示ラベルにおいて、剥離シートをラベル基材から剥離する際に、非剥離領域の周辺の細幅な剥離領域を含めて、剥離シートをスムーズな操作で確実に剥離することができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため本発明の情報表示ラベルは、ラベル基材の下面側に粘着剤層が設けられ、この粘着剤層が剥離シートで覆われてなる情報表示ラベルであって、前記剥離シートの面内に当該剥離シートを分断するシート分断線により囲われた非剥離領域とその周囲の剥離領域とが設けられ、前記剥離シートをラベル基材から剥離したときに前記非剥離領域の周囲で粘着剤層が露出するように構成された情報表示ラベルにおいて、
前記剥離シートの剥離領域内に、剥離シートの周縁部には交わらずに当該剥離領域の幅が分割される向きに伸長したシート分断線が設けられた構成を有することを特徴とする。
【0013】
前記構成の情報表示ラベルは、ラベル基材の上面に所定の情報を印刷し、ラベル基材をその下面側の剥離シートを剥離して粘着剤層を露出させ、物品の表面に貼り付けることで、その物品に関する情報を明示する手段として用いられる。
本発明の情報表示ラベルは、前記従来技術のものと同様に、剥離シートの面内がシート分断線により囲われた非剥離領域とその周囲の剥離領域とに区画され、非剥離領域の周辺で剥離領域の幅が細くなっている。従来技術のものでは、剥離シートを剥離する際に剥離領域の細幅の部分が捻じれる向きに力が加わったときに、細幅の部分が千切れてしまうことがあった。
これに対して本発明の情報表示ラベルでは、剥離シートの剥離領域の細幅の部分に、剥離シートの周縁部には交わらず、且つ当該剥離領域の幅が分割される向きに伸長したシート分断線が設けてある。剥離シートを粘着剤層から引き剥がすためにその端部を引っ張ってラベル基材から捲り上げると、前記剥離領域の細幅の部分ではそのシート分断線の両側の部分が当該シート分断線に沿って分離しながら、それぞれ前記引っ張られた方向に沿って別々に剥離する。つまり、剥離領域の細幅の部分はシート分断線の両側が一体となって同時に剥離するのではなく、シート分断線に沿って分離しつつ互いに独立した動作で剥離する。
そのため、剥離シートを剥離する際に前記剥離領域の細幅の部分が捻じれる向きに力が加わったとしても、この力の大きさと向きはシート分断線の両側の互いに独立した動作で剥離する部分に分散されて、両部分は剥離タイミングをずらしてそれぞれ剥離し、前記捻じれる向きに加わる力の集中が緩和され、前記剥離領域の細幅の部分を途中で千切れさせることなく剥離させることができる。前記剥離領域の細幅の部分に設けられたシート分断線は剥離シートの周縁部には交わってはいないため、剥離シートを剥離する一度の操作で剥離シートの剥離領域の全体をスムーズに剥がすことが可能である。剥離シートの剥離強度を弱めることなく、剥離シートの剥離性を向上させることができる。
【0014】
前記情報表示ラベルは、剥離シートの面内にシート分断線で囲われた平面視略方形状の非剥離領域を設け、その周囲の剥離領域に設けるシート分断線を前記非剥離領域の周囲三辺に沿った平面視略コ字形に配置した構成のものとすることができる。
また、剥離シートの面内にシート分断線で囲われた平面視略方形状の非剥離領域を設け、その周囲の剥離領域に設けるシート分断線を前記非剥離領域の四隅角部の少なくとも一の角部から剥離シートの周縁部の近傍に至るように配置した構成のものとしてもよい。
なお、前記「平面視略方形状」は、平面視で四隅角部のうちの少なくとも一つの角部が湾曲した方形状や全ての角部が湾曲した方形状、全ての角部が直角な方形状を含む。楕円形に近い形状も略方形状に含まれる。また、「平面視略コ字形」は、平面視で隣接する二つの角部の一方又は両方が湾曲したコ字形や両方の角部が直角なコ字形を含む。
非剥離領域の周囲の剥離領域に設けるシート分断線は、二本以上であってもよい。
【0015】
前記構成の情報表示ラベルは、そのラベル基材が、下面側に粘着剤層が設けられた中間シートと、この中間シートの上面側に剥離可能に疑似接着して重ねた表側シートとにより形成されていてもよい。
【0016】
前記ラベル基材を中間シートに表側シートが重なった二層構成としたものでは、前記中間シートの面内であって粘着剤層を挟んで中間シートに重なる剥離シートの非剥離領域を囲うシート分断線の形成位置と対応した位置に、当該中間シートを分断するシート分断線が設けられた構成としてもよい。
【0017】
かかる構成の情報表示ラベルは、例えば荷物の配送伝票に適用することができる。
例えば、情報表示ラベルの上面に届け先や依頼主の情報、伝票番号、バーコードや二次元コードなどの荷物の配送処理に必要な情報の印刷領域、情報表示ラベルの下面であって剥離シートの非剥離領域内に荷物明細に関する情報の印刷領域をそれぞれ設け、両印刷領域にインクジェットプリンターなどを用いて情報を印刷し、配送伝票を構成する。情報の印刷は、両面印刷に対応したインクジェットプリンターやレーザープリンターなど用いて行ってもよい。
この配送伝票を、その剥離シートをラベル基材から剥離し、非剥離領域を残して粘着剤層を露出させて荷物に貼り付け、配送伝票が貼り付けられた荷物を配送処理に供する。荷物に貼られた配送伝票は、荷物の表面にラベル基材の中間シートが粘着剤層を介して一体に貼り付き、この中間シートの上面に配送情報が印字された表側シートが疑似接着層を介して貼り付いている。配送する荷物の明細情報は、前記剥離シートの下面の非剥離領域内に印刷されているので、予め荷物を梱包した箱の中に荷物の明細票を入れておく必要はない。
届け先に荷物が配達されたならば、荷物の受取主は表側シートを中間シートから剥離して中間シートを露出させる。そして、露出させた中間シートの前記シート分断線で囲われた部分を捲り上げれば、当該部分の中間シートの下面に粘着剤層を介して一体に粘着した剥離シートの非剥離領域が捲れ上がり、この部分が中間シートに設けられたシート分断線に沿って切除され、前記剥離シートの下面の非剥離領域内に印刷された荷物の明細情報を見ることで、荷物を梱包した箱を開けずに、届けられた荷物の明細を確認することができる。
【0018】
また、本発明のラベル形成用シートは、例えばA4サイズの一枚の剥離シート内に、前記構成の情報表示ラベルが複数並べてレイアウトされているとともに、隣接する情報表示ラベル間に沿ってシート分断線が形成され、各情報表示ラベル同士を分離し得るように構成されていることを特徴とする。
【0019】
前述のとおり、情報表示ラベルを配送伝票に適用する場合、前記ラベル形成用シートの各情報表示ラベルの上面に、届け先や依頼主の情報、伝票番号、バーコードや二次元コードなどの荷物の配送処理に必要な情報の印刷領域を設け、これを、インクジェットプリンターやレーザープリンターなどを用いて各情報表示ラベルの前記印刷領域に情報をそれぞれ印刷することで、ラベル形成用シート上に複数の配送伝票を形成することができる。
【0020】
前記構成の情報表示ラベルにおいて、ラベル基材の中間シートと表側シートの間に設ける疑似接着層は、例えば表側シートの下面側にニス層、中間シートの上面側に接着剤層を形成する加工、又はその逆に、表側シートの下面側に接着剤層、中間シートの上面側にニス層を形成する加工をそれぞれ施して形成することができる。或いは、疑似接着層は、感圧接着剤や感熱接着剤、再湿接着剤などの剥離可能な接着剤を用い、フレキソ法、グラビア法などの公知の印刷又はコーティング法によって適宜な厚みに塗布し、接着剤が乾燥していない状態で貼り合わせるウェット方式や熱圧着方式、感圧方式によって貼り合わせて形成してもよい。
【0021】
また、前記構成において、シート分断線は、シートを分断するために入れられた切れ目であるスリットやミシン目などにより形成することができる。綺麗に分断することができ且つ操作がしやすいことからスリットであることが好ましい。スリットは、その全体に切れ目を連続させたものの他、スリット線上にアンカット部を適宜断続的に配置した構成のものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の情報表示ラベルを配送伝票に適用した実施形態の上面図である。
図2図1の配送伝票のラベル基材を構成する中間シートの上面図である。
図3図1の配送伝票の下面図である。
図4図1中のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図1の配送伝票の剥離シートを剥がす操作を説明するための図である。
図6図1の配送伝票を荷物に貼り付けた状態を示した図である。
図7図6の配送伝票の表側シートを剥がす操作を説明するための図である。
図8図6の配送伝票の表側シートを剥がした状態を示した図である。
図9図8の配送伝票の中間シート内のシート分断線で囲われた部分を捲り上げる操作を説明するための図である。
図10】本発明の情報表示ラベルを配送伝票に適用した他の実施形態の下面図である。
図11】本発明の情報印刷用シートの一実施形態の上面図である。
図12図11の情報印刷用シートの下面図である。
図13】従来の配送伝票の上面図(A)と下面図(B)である。
図14図13(A)中のA-A線に沿った断面図である。
図15図13の配送伝票の受領票を剥がした状態を示した図である。
図16図13の配送伝票の剥離シートを剥離する際に剥離シートが部分的に千切れた状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の情報表示ラベルを宅配荷物用の配送伝票に適用した実施形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
図1から図4は本発明を適用した配送伝票を示している。
本形態の配送伝票1は、ラベル基材2の下面側に粘着剤層6が設けられ、この粘着剤層6が剥離シート7で覆われてなるとともに、剥離シート7の面内に当該剥離シート7を分断するシート分断線8により囲われた非剥離領域71とその周囲の剥離領域72とが設けられ、剥離シート7をラベル基材2から剥離したときに非剥離領域71を残して剥離領域72が除去されて、非剥離領域71の周囲で粘着剤層6が露出するように構成されている。
【0025】
詳しくは、ラベル基材2は、表側シート3と中間シート4が重なった二層構成であり、中間シート4の上面に疑似接着層5を介して表側シート3が接合し、この中間シート4の下面に粘着剤層6を設けてある。
【0026】
図1に示されるように、表側シート3の上面には、届け先や依頼主の情報、伝票番号などの荷物の配送処理に必要な情報の印刷領域31を設けてある。また、図2に示されるように、中間シート4はその面内であって粘着剤層6を挟んで中間シート4に重なる剥離シート7の非剥離領域71を囲うシート分断線8の形成位置と対応した位置に、当該中間シート4を分断するシート分断線8が設けてある。
後述のように、中間シート4のシート分断線8は、剥離シート7のシート分断線8と同時に形成される。
【0027】
また、互いに重なった表側シート3と中間シート4の一の隅角部は切欠部32,41としてあり、剥離シート7をラベル基材2から剥離する際に、前記切欠部32,41の部分で剥離シート7の縁部を容易に摘まめるようになっている。また、表側シート3の黒色で三角形に縁どられた他の隅角部33は疑似接着層5の接着剤が設けられていない剥がし口、つまり表側シート3の裏面はニス加工がなされているが、これに重なる中間シート4の表面の部分には接着剤加工がなされていない部分となっており、この隅角部33を摘まんで表側シート3を引っ張ることで、中間シート4の上面から表側シート3を容易に剥離させることができるようになっている。
【0028】
剥離シート7は、図3に示されるように、その面内の中央に当該剥離シート7を分断するシート分断線8が平面視略横長矩形状に設けられて、シート分断線8内の非剥離領域71と、その周囲の剥離領域72とに区画してあるとともに、この剥離領域72内に前記非剥離領域71の周囲三辺に沿って当該剥離シート7を分断するシート分断線9を設けてある。
より詳しくは、シート分断線9は、図3で示された横長矩形状の剥離シート7において、剥離シート7の周縁部には交わらずに剥離領域72の面内で、剥離シート7の左辺と前記非剥離領域71の左辺間の幅と同シートの上下両辺と同領域の上下両辺間の幅がそれぞれ分割される向きに伸長して、非剥離領域71の外側でその左辺及び上下両辺に沿った平面視略コ字形状を呈する配置に形成してある。シート分断線8とシート分断線9のコーナー部は緩やかに湾曲する形状としてある。
なお、後述するように、剥離シート7の下面の非剥離領域71は、配送する荷物の明細情報を印刷する領域となっている。
【0029】
このような構成の配送伝票1は、例えば、中間シート4の上面に表側シート3が疑似接着したラベル基材2と剥離シート7を、粘着剤層6を挟んで一体に重ね合わせ、剥離シート7の下面から、前記シート分断線8を前記中間シート4の上面と疑似接着層5の境界に至る深さ、前記シート分断線9を剥離シート7と粘着剤層6の境界に至る深さでそれぞれ設けることにより形成することができる。
【0030】
本形態の配送伝票1は、以下のように、梱包後の荷物の外装に貼り付けて配送に供する態様に好適である。
【0031】
先ず、配送伝票1の上面である表側シート3の情報の印刷領域31に、届け先や依頼主の情報、伝票番号、バーコードや二次元コードなどの荷物の配送処理に必要な情報を、また、下面の剥離シート7の非剥離領域71内に荷物の明細に関する情報を、両面印刷に対応したインクジェットプリンターを用いてそれぞれ印刷する。
【0032】
荷物配送に必要な情報が印刷された配送伝票1は、配送する荷物の外装に貼り付けるため、図5に示されるように、剥離シート7の縁部を摘まんでラベル基材2から捲り上げて剥離する。
この際、前記のとおり、剥離シート7はその面内がシート分断線8で囲われた非剥領域71とその周囲の剥離領域72とに区画され、非剥離領域71の周辺の剥離領域72は細幅となっているが、この細幅の部分に剥離領域72の幅が分割される向きに伸長したシート分断線9が設けてあるため、剥離シート7の端部を引っ張ってラベル基材2から捲り上げると、剥離領域72の細幅の部分ではそのシート分断線8の両側の部分が当該シート分断線8に沿って分離しながら、それぞれ前記引っ張られた方向に沿って互いに独立した動作で剥離する。そのため、剥離シート7を剥離する際に剥離領域72の細幅の部分が捻じれる向きに力が加わっても、この力の大きさと向きが前記シート分断線8の両側の互いに独立した動作で剥離する部分に分散されて、前記捻じれる向きに加わる力の集中が緩和され、剥離領域72の細幅の部分を途中で千切れさせることなく、剥離シート7の剥離領域72の全体を一度の剥離操作でスムーズに剥がすことが可能である。
【0033】
前記剥離シート7を剥離する操作により、非剥離領域71の周りの剥離領域72がラベル基材2から剥離されて非剥離領域71の周囲で粘着剤層6が露出した配送伝票1は、図6に示されるように、荷物10の外装に貼り付けられ、配送する荷物10は前記表側シート3の情報の印刷領域31に印刷された配送情報に基づいて配送処理に供される。なお、前記荷物10の発送手続きにおいて、荷物10の明細情報は前記剥離シート7の下面の非剥離領域71内に印刷されているので、予め荷物を梱包した箱の中に荷物の明細票を入れておく必要はない。
【0034】
届け先に荷物10が配達されたならば、荷物10の受取主は、図7に示されるように、表側シート3を中間シート4から剥離する。すると、図8に示されるように、中間シート4が露出する。
そして、露出させた中間シート4のシート分断線8で囲われた部分を捲り上げれば、図9に示されるように、当該部分の中間シート4の下面に粘着剤層6を介して一体に粘着した剥離シート7の非剥離領域71が捲れ上がり、この部分がシート分断線8に沿って切除され、前記非剥離領域71内に印刷された荷物の明細情報を見ることが可能となる。荷物10の明細を確認するため、梱包した箱を開ける必要はない。
【0035】
図10は本発明を適用した配送伝票の他の実施形態を示しており、この配送伝票1は、前記形態と同様に、剥離シート7の面内にシート分断線8で囲われた非剥離領域71を設け、その周囲を剥離領域72とするとともに、剥離領域72内に剥離シート7の周縁部には交わらずに剥離領域72の幅が分割される向きに伸長したシート分断線9が設けてあるが、このシート分断線9を、非剥離領域71の四隅角部の一の角部から剥離シート7の周縁部の近傍に至るように配置したものである。
剥離領域72内にシート分断線9をこのようにレイアウトしても、前記形態と同様に、剥離シート7を剥離する際に剥離領域72の細幅の部分を途中で千切れさせることなく、剥離シート7を剥離する一度の操作で、非剥離領域71の周囲の剥離領域72の全体をスムーズに剥がすことが可能である。
【0036】
図11及び図12は本発明の情報表示ラベル構成するラベル形成用シートSの一実施形態を示している。
これは、前記図1から図4に示された形態の配送伝票1を、A4サイズの剥離シート7上に上下に二つ並べて配置するとともに、両伝票間に沿ってシート分断線11を設けて、上下の配送伝票1,1同士を分離し得るように形成したものである。
【0037】
本発明の情報表示ラベルは、荷物の配送伝票の他に様々なラベルや、それ以外の用途の帳票に利用可能である。
図示した情報表示ラベルとラベル形成用シートは本発明の実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれに限定されず、利用する帳票やラベルの形態などに応じて適宜な形態で構成することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 配送伝票(情報表示ラベル)、2 ラベル基材、3 表側シート、31 情報印刷領域、4 中間シート、5 疑似接着層、6 粘着剤層、7 剥離シート、71 非剥離領域、72 剥離領域、8,9,11 シート分断線、10 荷物 S ラベル形成用シート
図1
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