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  • 特開-シートスライド装置 図1
  • 特開-シートスライド装置 図2
  • 特開-シートスライド装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106816
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】シートスライド装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/07 20060101AFI20230726BHJP
【FI】
B60N2/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007773
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸 知良
(72)【発明者】
【氏名】榊原 敦
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BA02
3B087BB02
(57)【要約】
【課題】シートスライド装置の部品数を低減させる。
【解決手段】シートスライド装置10は、連結ブラケット3と、ギヤボックス7と、を備える。連結ブラケット3は、ブラケット本体31と、ブラケット本体31の一部を切り起こした切り起こし部32と、ブラケット本体31に設けられた切欠き部33と、を備える。ギヤボックス7は、切欠き部33の縁部に係合する鉤状の係合部73を備える。係合部73を切欠き部33の縁部に係合させると共に、切り起こし部32をギヤボックス7に押し付けることで、ギヤボックス7は、連結ブラケット3に固定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定されるロアレールと、シートに固定されるとともに前記ロアレールに対し摺動自在に設けられるアッパーレールと、前記アッパーレールの長手方向に沿って回転可能に支持されるスクリュネジと、を備える左右一対のレール組立体と、
左右一対の前記アッパーレールを連結する連結ブラケットと、
前記スクリュネジを回転させる駆動源となるモータと、
前記モータに組み付けられており、前記モータの回転力を前記スクリュネジに伝達するギヤボックスと、
を備え、
前記連結ブラケットは、ブラケット本体と、前記ブラケット本体の一部を切り起こした切り起こし部と、前記ブラケット本体に設けられた切欠き部と、を備え、
前記ギヤボックスは、前記切欠き部の縁部に係合する鉤状の係合部を備え、
前記係合部を前記切欠き部の縁部に係合させると共に、前記切り起こし部を前記ギヤボックスに押し付けることで、前記ギヤボックスは、前記連結ブラケットに固定される、
シートスライド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートスライド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータを駆動源として車両用のシートを前後にスライドさせるシートスライド装置が知られている。このようなシートスライド装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1のシートスライド装置は、車体に固定されるロアレール部材と、シートに固定されるとともに前記ロアレール部材に対し摺動自在に設けられるアッパーレール部材と、前記アッパーレール部材の長手方向に沿って回動可能に支持されるスクリュネジと、前記スクリュネジを回動させる駆動源となるモータと、前記モータの回転力を前記スクリュネジに伝達するギヤボックスと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-135082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のシートスライド装置では、ギヤボックスは、一対のアッパーレールを連結する連結ブラケットに、ボルトによって固定されている。そのため、シートスライド装置の部品数が多くなっていた。
【0006】
本発明の目的は、シートスライド装置の部品数を低減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下に掲げる態様の発明を提供する。
(項目1)
車体に固定されるロアレールと、シートに固定されるとともに前記ロアレールに対し摺動自在に設けられるアッパーレールと、前記アッパーレールの長手方向に沿って回転可能に支持されるスクリュネジと、を備える左右一対のレール組立体と、
左右一対の前記アッパーレールを連結する連結ブラケットと、
前記スクリュネジを回転させる駆動源となるモータと、
前記モータに組み付けられており、前記モータの回転力を前記スクリュネジに伝達するギヤボックスと、
を備え、
前記連結ブラケットは、ブラケット本体と、前記ブラケット本体の一部を切り起こした切り起こし部と、前記ブラケット本体に設けられた切欠き部と、を備え、
前記ギヤボックスは、前記切欠き部の縁部に係合する鉤状の係合部を備え、
前記係合部を前記切欠き部の縁部に係合させると共に、前記切り起こし部を前記ギヤボックスに押し付けることで、前記ギヤボックスは、前記連結ブラケットに固定される、
シートスライド装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシートスライド装置では、切り起こし部をギヤボックスに押し付けることで、ギヤボックスを連結ブラケットに固定できる。その結果、ボルトなどの固定部材が必要なくなるため、部品数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】シートおよびシートスライド装置の概略側面図である。
図2】ギヤブラケットを連結ブラケットに固定する前の、連結ブラケット、モータおよびギヤブラケットの概略断面図である。
図3】ギヤブラケットを連結ブラケットに固定した後の、連結ブラケット、モータおよびギヤブラケットの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しつつ、本発明のシートスライド装置10について説明する。
【0011】
<1.シートスライド装置の概要>
図1および図2に示すように、シートスライド装置10は、ロアレール1と、アッパーレール2と、連結ブラケット3と、ナット部材4と、スクリュネジ5と、モータ6と、ギヤボックス7と、を備える。ロアレール1、アッパーレール2、ナット部材4およびスクリュネジ5は、レール組立体を構成している。レール組立体は、一つのシートSに対し、左右一対設けられている。
【0012】
ロアレール1は、フットFを介して車両のフロアに固定されている。アッパーレール2は、シートSに固定される共に、ロアレール1に対して摺動自在であるように、ロアレール1に組み付けられている。連結ブラケット3は、左右一対のアッパーレール2を連結している。ナット部材4は、ボルトによってロアレール1に固定されている。スクリュネジ5は、アッパーレール2の長手方向に沿って延びており、ナット部材4に螺合していると共に、支持部材(不図示)を介して、アッパーレール2に支持されている。モータ6は、スクリュネジ5を回転駆動するための駆動源である。ギヤボックス7は、スクリュネジ5と結合されており、モータ6の駆動力をスクリュネジ5に伝達する。
【0013】
モータ6を駆動すると、ギヤボックス7によってスクリュネジ5にモータ6の駆動力が伝達され、スクリュネジ5がナット部材4に対して回転する。スクリュネジ5が回転することにより、アッパーレール2およびアッパーレール2が固定されたシートSが前後方向に移動する。
【0014】
<2.ギヤボックスの固定構造>
図2および図3を参照して、ギヤボックスを連結ブラケットに固定する方法について説明する。
【0015】
連結ブラケット3は、左右一対のアッパーレール2に架設されている。連結ブラケット3は、ブラケット本体31と、切り起こし部32と、切欠き部33と、を備える。切り起こし部32は、ブラケット本体31の一部を切り起こした部分である。切欠き部33は、ブラケット本体31の一部を切り取った部分である。一実施形態では、切欠き部33は、切り起こし部32を形成した後に出来る空間の一部である。
【0016】
ギヤボックス7は、ギヤハウジング71と、ギヤハウジング71内に配置された複数のギヤ72と、ギヤハウジング71の上部に設けられた鉤状の係合部73と、を備える。一実施形態では、係合部73は、ギヤハウジング71と一体形成されている。
【0017】
係合部73は、第一部分731と、第二部分732と、を備える。第一部分731は、ギヤハウジング71から上方に延びている。第二部分732は、第一部分731の上部に設けられており、第一部分731と所定の角度(0°および180°を除く。好ましくは90°。)を成している。一実施形態では、第二部分732は、第一部分731と一体形成されており、第一部分731の上部を折り曲げることによって形成されている。第二部分732が第一部分731に対して所定角度を成して構成されていることにより、係合部73は鉤状となり、連結ブラケット3の切欠き部33の縁部に引っ掛けることができるようになっている。
【0018】
図2に示すように、係合部73は、第二部分732を切欠き部33の縁部上に引っ掛けるようにすることで、ブラケット本体31に係合される。図3に示すように、係合部73を係合させた後、切り起こし部32を、係合部73に押し付けることにより、ギヤボックス7を連結ブラケット3に固定できる。
【0019】
<3.特徴>
本発明のシートスライド装置10では、ボルトなどの固定部材を使用することなく、ギヤボックス7を連結ブラケット3に固定できるため、部品数を減らすことができる。
【0020】
<4.変形例>
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明は、例えば、以下に示す変形例のように変更可能である。以下で説明する変形例は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わせ可能である。
【0021】
(1)切り起こし部32は、係合部73以外のギヤボックス7の一部に押し付けられていてもよい。
【0022】
(2)切り起こし部32は一つに限らず、複数設けるようにし、複数の切り起こし部32をギヤボックス7に押し付けるようにしてもよい
【符号の説明】
【0023】
10 シートスライド装置
1 ロアレール
2 アッパーレール
3 連結ブラケット
31 ブラケット本体
32 切り起こし部
33 切欠き部
5 スクリュネジ
6 モータ
7 ギヤボックス
73 係合部
図1
図2
図3