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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106839
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/4805 20060101AFI20230726BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20230726BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
B65D5/4805 110
B65D5/42 F
B65D5/66 311D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007809
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000118497
【氏名又は名称】伊藤ハム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000106715
【氏名又は名称】ザ・パック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】家田 宜威
(72)【発明者】
【氏名】橋本 覚
(72)【発明者】
【氏名】大谷 健二
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB13
3E060AB18
3E060BA14
3E060BC04
3E060CC02
3E060CC17
3E060CC22
3E060DA25
(57)【要約】
【課題】 中仕切りが一体化され且つ物品収容部に固定されている組み上げが容易な包装箱を提供する。
【解決手段】 シートを折り曲げて形成される包装箱100は、第1収容部1と、第2収容部2と、連結部3と、を備え、第1周壁12は、下縁が第1底壁11に折り目を介して連続し、一方の第1側壁16の一方の側縁と他方の第1側壁16の一方の側縁との間に位置する第1仕切壁17と、一対の第1連結片19と、を有し、第2周壁22は、下縁が第2底壁21に折り目を介して連続し、一方の第2側壁26の一方の側縁と他方の第2側壁26の一方の側縁との間に位置し、上縁が第1仕切壁17の上縁に折り目を介して連続する第2仕切壁27と、一対の第2連結片29と、を有し、連結部3は、第1収容部1の第1底壁11又は第1仕切壁17と、第2収容部2の第2底壁21又は第2仕切壁27とを連結する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを折り曲げて形成される包装箱であって、
第1底壁と、前記第1底壁の周縁から上方に延び、前記第1底壁とともに物品の収容部である第1収容空間を区画する第1周壁と、を有する第1収容部と、
第2底壁と、前記第2底壁の周縁から上方に延び、前記第2底壁とともに物品の収容部である第2収容空間を区画する第2周壁と、を有する第2収容部と、
連結部と、を備え、
前記第1周壁は、
下縁が前記第1底壁に折り目を介して連続し、互いに対峙する一対の第1側壁と、
下縁が前記第1底壁に折り目を介して連続し、一方の前記第1側壁の一方の側縁と他方の前記第1側壁の一方の側縁との間に位置する第1仕切壁と、
一方の前記第1側壁の前記第1仕切壁側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁と前記第1仕切壁の一方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁とを含む一方の第1連結片と、他方の前記第1側壁の前記第1仕切壁側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁と、前記第1仕切壁の他方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁とを含む他方の第1連結片とを有し、各第1連結片は前記側壁側側縁と前記仕切壁側側縁とを重ね合わせて折り畳んだときに形成される折り線上に位置する折り目を有する一対の第1連結片と、
前記第1仕切壁と対峙する前壁と、を有し、
前記第2周壁は、
下縁が前記第2底壁に折り目を介して連続し、互いに対峙する一対の第2側壁と、
下縁が前記第2底壁に折り目を介して連続し、一方の前記第2側壁の一方の側縁と他方の前記第2側壁の一方の側縁との間に位置し、上縁が前記第1仕切壁の上縁に折り目を介して連続する第2仕切壁と、
一方の前記第2側壁の前記第2仕切壁側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁と前記第2仕切壁の一方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁とを含む一方の第2連結片と、他方の前記第2側壁の前記第2仕切壁側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁と、前記第2仕切壁の他方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁とを含む他方の第2連結片とを有し、各第2連結片は前記側壁側側縁と前記仕切壁側側縁とを重ね合わせて折り畳んだときに形成される折り線上に位置する折り目を有し、前記一対の第1連結片に折り目を介して連続する一対の第2連結片と、
前記第2仕切壁と対峙する後壁と、を有し、
前記連結部は、前記第1収容部の前記第1底壁又は前記第1仕切壁と、前記第2収容部の前記第2底壁又は前記第2仕切壁とを連結する、包装箱。
【請求項2】
前記連結部は、前記第1収容部及び前記第2収容部のうち一方に形成されたスリットと、他方に形成され、前記スリットに外面から内面に向かう方向に挿通される突出舌片とを有する、請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
展開状態において、前記一対の第1連結片と前記一対の第2連結片との間の前記折り目は前記第1仕切壁と前記第2仕切壁との間の前記折り目を通る直線上に位置し、且つ前記第1仕切壁の上縁と前記第2仕切壁との間の前記折り目の両端部から、前記一対の第1連結片と前記一対の第2連結片とのそれぞれの境界の中間部まで延びる一対の長孔を有する、請求項1又は2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記後壁の上縁に折り目を介して連結され、前記第1収容空間及び前記第2収容空間を開閉自在に覆う蓋体、を更に備える請求項1乃至3の何れか1項に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から一体的に設けられている中仕切りを備える包装箱が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この包装箱は、互いに対向するように配されている側板の下端にそれぞれ底板を連設し、さらにこれらの底板の先端側であって互いに突合わされる部位に折曲げ線を介して中仕切りが連設されている。そして中仕切りを包装箱内においてその幅方向のほぼ中央部に重合わせるようにして立設し、中仕切りの先端部に設けられている係止片を両側の補助板の先端側の切込み内に受入れて係止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-300523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の包装箱は、内フラップを転用した補助板によって、中仕切りの揺動を規制する必要があり、ギフト用化粧箱等、内フラップを有しない包装箱への適用が困難であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る包装箱は、シートを折り曲げて形成される包装箱であって、第1底壁と、前記第1底壁の周縁から上方に延び、前記第1底壁とともに物品の収容部である第1収容空間を区画する第1周壁と、を有する第1収容部と、第2底壁と、前記第2底壁の周縁から上方に延び、前記第2底壁とともに物品の収容部である第2収容空間を区画する第2周壁と、を有する第2収容部と、連結部と、を備え、前記第1周壁は、下縁が前記第1底壁に折り目を介して連続し、互いに対峙する一対の第1側壁と、下縁が前記第1底壁に折り目を介して連続し、一方の前記第1側壁の一方の側縁と他方の前記第1側壁の一方の側縁との間に位置する第1仕切壁と、一方の前記第1側壁の前記第1仕切壁側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁と前記第1仕切壁の一方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁とを含む一方の第1連結片と、他方の前記第1側壁の前記第1仕切壁側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁と、前記第1仕切壁の他方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁とを含む他方の第1連結片とを有し、各第1連結片は前記側壁側側縁と前記仕切壁側側縁とを重ね合わせて折り畳んだときに形成される折り線上に位置する折り目を有する一対の第1連結片と、前記第1仕切壁と対峙する前壁と、を有し、前記第2周壁は、下縁が前記第2底壁に折り目を介して連続し、互いに対峙する一対の第2側壁と、下縁が前記第2底壁に折り目を介して連続し、一方の前記第2側壁の一方の側縁と他方の前記第2側壁の一方の側縁との間に位置し、上縁が前記第1仕切壁の上縁に折り目を介して連続する第2仕切壁と、一方の前記第2側壁の前記第2仕切壁側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁と前記第2仕切壁の一方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁とを含む一方の第2連結片と、他方の前記第2側壁の前記第2仕切壁側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁と、前記第2仕切壁の他方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁とを含む他方の第2連結片とを有し、各第2連結片は前記側壁側側縁と前記仕切壁側側縁とを重ね合わせて折り畳んだときに形成される折り線上に位置する折り目を有し、前記一対の第1連結片に折り目を介して連続する一対の第2連結片と、前記第2仕切壁と対峙する後壁と、を有し、前記連結部は、前記第1収容部の前記第1底壁又は前記第1仕切壁と、前記第2収容部の前記第2底壁又は前記第2仕切壁とを連結する。
【0007】
この構成によれば、第1連結片及び第2連結片を折り畳んで第1仕切壁と第2仕切壁との間に挟み込み、連結部を用いて第1収容部と第2収容部とを連結することにより、中仕切りが一体化され且つ物品収容部に固定されている組み上げが容易な包装箱を容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、中仕切りが一体化され且つ物品収容部に固定されている組み上げが容易な包装箱を容易に形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る包装箱の構成例を示す斜視図である。
図2図1の包装箱の展開体の構成例を示す表面図である。
図3図1の包装箱を折畳状態から使用状態に形成する途中過程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、実施の形態に係る包装箱100の構成例を示す斜視図である。図1に示すように、包装箱100は、一枚のブランクシートを折り曲げて形成される箱であり、中仕切りによって内部空間が仕切られた物品収容部を備える蓋付きの箱である。包装箱100は、例えば厚紙製であり、第1収容部1及び第2収容部2を含む物品収容部と、連結部3と、蓋体5とを備える。
【0012】
第1収容部1は、第1底壁11と、第1周壁12とを含む。第1底壁11は、四角形の板状体であり、前後方向に延びる一対の側縁と、一対の側縁の一方の端部を接続する前縁と、一対の側縁の他方の端部を接続する後縁とを有する。以下では、包装箱100の蓋を閉じた状態において、第1底壁11の前縁が位置する側を単に前といい、後縁が位置する側を単に後ということがある。また、第1底壁11の前縁が手前に位置するように配置した包装箱100に向かって左方及び右方をそれぞれ単に左及び右ということがある。更に、第1底壁11から第1収容部1の開口部に向かう側を上といい、その反対側を下ということがある。
【0013】
第1周壁12は、第1底壁11の周縁から上方に延びる筒状体であり、上端が第1収容部1の開口部を成す。そして、第1周壁12は、第1底壁11とともに物品の収容部である第1収容空間15を区画する。第1周壁12は、一対の第1側壁16と、第1仕切壁17と、前壁18と、一対の第1連結片19(図2参照)とを含む。なお、前壁18及び後述する後壁28の「前」及び「後」の語は、説明の便宜上のものであり、前壁18を手前側に、後壁28を奥側に位置させた使用に限られるものではない。
【0014】
一対の第1側壁16は、それぞれ四角形の板状体である。一対の第1側壁16は、下縁が第1底壁11の一対の側縁に折り目を介して連続し、互いに対峙する。第1仕切壁17は、下縁が第1底壁11に折り目を介して連続する四角形の板状体である。第1仕切壁17は、一方の第1側壁16の一方の側縁と他方の第1側壁16の一方の側縁との間に位置する。前壁18は、下端が第1底壁11の前縁に折り目を介して連続する四角形の板状体であり、第1仕切壁17と対峙する。折り目とは、例えば、シートに形成された筋状の凹凸であるがこれに限られるものではなく、非貫通切れ込み又はシートに印刷された折り曲げ箇所を指示する指示線であってもよい。
【0015】
第2収容部2は、第2底壁21と、第2周壁22とを含む。第2収容部2は、第1収容部1と同一の高さ寸法に形成されている。第2底壁21は、第1底壁11よりも前後方向の寸法が大きく形成され、左右方向の寸法が略同一に形成されている。
【0016】
第2周壁22は、第2底壁21の周縁から上方に延びる筒状体であり、上端が第2収容部2の開口部を成す。そして、第2周壁22は、第2底壁21とともに物品の収容部である第2収容空間25を区画する。第2周壁22は、一対の第2側壁26と、第2仕切壁27と、後壁28と、一対の第2連結片29(図2参照)とを含む。一対の第2側壁26は、それぞれ四角形の板状体である。一対の第2側壁26は、下縁が前記第2底壁21の側縁に折り目を介して連続し、互いに対峙する。また、一対の第2側壁26は、一対の第1側壁16と前後方向に並び、それぞれ一対の第1側壁16と同一平面上に位置する。第2仕切壁27は、下縁が第2底壁21の前縁に折り目を介して連続する四角形の板状体である。第2仕切壁27は、一方の第2側壁26の一方の側縁と他方の第2側壁26の一方の側縁との間に位置する。第2仕切壁27の左右方向の寸法は、第1仕切壁17の左右方向の寸法と同一である。第2仕切壁27の外側面は、第1仕切壁17の外側面と対向する。そして、第2仕切壁27は、上縁が第1仕切壁17の上縁に折り目を介して連続する。後壁28は、下端が第2底壁21の後縁に折り目を介して連続する四角形の板状体であり、第2仕切壁27と対峙する。
【0017】
そして、包装箱100は、第1収容部1又は第2収容部2の開口部に連なる表示部41を備える。表示部41には、収容される商品の情報等が記載され、第1収容部1又は第2収容部2の開口部に連なって配置されることにより、輸送時の振動等によって、表示部41の姿勢が乱れることを防止することができる。また、蓋を開けたときに、表示部41が視認されやすいようになっている。本実施の形態において、表示部41は、第2収容部2の一対の第2側壁26のうち、一方の第2側壁26の上縁から、内側に延びる四角形の板状体である。
【0018】
このように、第1収容部1及び第2収容部2は、第1仕切壁17及び第2仕切壁27の上縁で連続し、第1仕切壁17及び第2仕切壁27の上縁の境界に位置する折り目72を回動軸として揺動可能となっている。
【0019】
また、連結部3は、第1収容部1の第1底壁11又は第1仕切壁17と、第2収容部2の第2底壁21又は第2仕切壁27とを連結し、これにより、第1仕切壁17及び第2仕切壁27の上縁の境界に位置する折り目72を回動軸とした揺動を規制する。
【0020】
より具体的には、連結部3は、スリット31と、突出舌片32とを含む。スリット31は、第1収容部1及び第2収容部2のうち一方に形成された切れ目である。本実施の形態において、スリット31は、第1収容部1の第1底壁11の後縁に形成され、両端部は、中央部よりも内側に位置する孤状に延びている。突出舌片32は、第1収容部1及び第2収容部2のうち他方に形成され、スリット31に外面から内面に向かう方向に挿通される部分である。本実施の形態において、突出舌片32は、第2底壁21が延在する平面上において、第2収容部2の第2底壁21の前縁から前方に突出し、第1収容部1の第1底壁11に形成されているスリット31に第1収容部1の外面から内面に向かう方向に挿通される。突出舌片32は、首部35と、首部35よりも幅広であって、スリット31の幅と略同一である頭部36とを含む。頭部36の基端側の端縁は、突出舌片32が延びる方向と直交する方向に延びる。突出舌片32をスリット31に奥まで挿し込み、頭部36の基端側の端縁がスリット31の両端を乗り越えると、その後、突出舌片32が第1収容部1の内面から外面に向かう方向に移動しようとしても頭部36の基端側の端縁が第1収容部1の内側面に引っ掛かる。これにより、突出舌片32の第1収容部1の内面から外面に向かう方向の移動を規制する。
【0021】
このようにして、第1収容部1及び第2収容部2は、第1仕切壁17及び第2仕切壁27の上縁に加えて、更にもう一箇所でも連結される。これによって、第1仕切壁17及び第2仕切壁27の上縁の折り目72を回動軸とした揺動が規制され、第1収容部1及び第2収容部2は、包装箱100全体として、平面視四角形の有底の物品収容部を成す。また、突出舌片32をスリット31に挿通することにより、第1収容部1と第2収容部2とを容易に連結することができる。なお、連結部3は、上記の構成に限られるものではない。上記の構成に代えて、例えば接着等の手段により、第1収容部1と第2収容部2とを連結してもよい。このように、包装箱100は、全体として、平面視四角形の有底の収容部を成し、内部空間には仕切りが設けられ、収容部が2つに区分されている。
【0022】
蓋体5は、第1収容空間15及び第2収容空間25を開閉自在に覆う。蓋体5は、上壁51と、蓋体周壁52とを含む。
【0023】
上壁51は、四角形の板状体であり、第1収容部1及び第2収容部2の開口部全体と略同一に形成されている。すなわち、上壁51は、前後方向に延びる一対の側縁と、一対の側縁の一方の端部を接続する前縁と、一対の側縁の他方の端部を接続する後縁とを有する。上壁51の後縁は、後壁28の上縁に折り目を介して連結され、この上壁51及び後壁28の境界に位置する折り目を回動軸として揺動可能となっている。これによって、第1収容空間15及び第2収容空間25を覆う蓋体5の前方を持ち上げて、蓋体5を揺動させることにより、包装箱100の蓋を開けることができる。
【0024】
蓋体周壁52は、上縁が上壁51の周縁のうち、一対の側縁及び前縁に連続し、下方に延びる枠体である。蓋体周壁52は、一対の蓋体側壁56と、蓋体前壁58とを含む。一対の蓋体側壁56は、それぞれ上端が上壁51の側縁に連続する板状体である。各蓋体側壁56の後壁28側の端部の下端は丸く切り欠かれており、これによって、蓋体5の揺動時における蓋体側壁56が第2側壁26への引っ掛かりを抑制している。また、一対の蓋体側壁56は、蓋体5を第1収容部1及び第2収容部2に被せた状態においては、一対の第1側壁16及び一対の第2側壁26の外側に位置する。一対の蓋体側壁56の高さ寸法は、一対の第1側壁16及び一対の第2側壁26の高さ寸法と略同一であり、蓋体5を第1収容部1及び第2収容部2に被せた状態においては、一対の第1側壁16及び一対の第2側壁26は、一対の蓋体側壁56によってすっぽりと覆われた状態となる。これにより、蓋を閉じた状態の包装箱100の外観をすっきりとさせることができる。
【0025】
図2は、包装箱100の展開体101の構成例を示す表面図である。展開体101は、以下の通り、一枚のシート状に形成されている。なお、図2に表れる面は、主として包装箱100の内側面となる面である。また、図2において、細線で表した線は、表面又は裏面に形成される折り目である。
【0026】
第1収容部1に関し、第1底壁11の左方及び右方に一対の第1側壁16が一直線に延びる折り目を介して連続し、第1底壁11の前方に前壁18が一直線に延びる折り目を介して連続し、第1底壁11の後方に第1仕切壁17が一直線に延びる折り目を介して連続する。前壁18の左右の側縁には、一直線に延びる折り目を介して舌状の一対の第1連結舌片18aが連続する。各第1連結舌片18aの外側面が対応する第1側壁16の内側面に接着等の手段により固定されることにより、一対の第1側壁16及び前壁18は、上下方向に延びる状態を維持する。
【0027】
また、第2収容部2に関し、第2底壁21の左方及び右方に一対の第2側壁26が一直線に延びる折り目を介して連続し、第2底壁21の前方に第2仕切壁27が一直線に延びる折り目を介して連続し、第2底壁21の後方に後壁28が一直線に延びる折り目を介して連続する。後壁28の左右の側縁には、一直線に延びる折り目を介して舌状の一対の第2連結舌片28aが連続する。各第2連結舌片28aの外側面が対応する第2側壁26の内側面に接着等の手段により固定されることにより、一対の第2側壁26及び後壁28は、上下方向に延びる状態を維持する。
【0028】
そして、連結部3に関し、突出舌片32は、第2仕切壁27の板状体の一部を用いて形成されている。すなわち、突出舌片32の基端を除く周縁に沿って延びる貫通切れ込みが第2仕切壁27に形成されている。
【0029】
更に、蓋体5に関し、上壁51の左方及び右方に一対の蓋体側壁56が一直線に延びる折り目を介して連続し、上壁51の前縁に蓋体前壁58が一直線に延びる折り目を介して連続する。蓋体前壁58の左右の側縁には、一直線に延びる折り目を介して舌状の一対の蓋体連結舌片58aが連続する。各蓋体連結舌片58aの外側面が対応する蓋体側壁56の内側面に接着等の手段により固定されることにより、一対の蓋体側壁56及び蓋体前壁58は、上下方向に延びる状態を維持する。
【0030】
なお、一対の第1側壁16には、前方下端から後方斜め上方に延びる折畳用折り目16aが形成されている。折畳用折り目16aを内側に折ることにより、一対の第1側壁16及び前壁18は内側に倒伏する。また、一対の第2側壁26には、後方下端から前方斜め上方に延びる折畳用折り目26aが形成されている。折畳用折り目26aを内側に折ることにより、一対の第2側壁26及び後壁28は内側に倒伏する。更に、一対の蓋体側壁56には、前方上端から後方斜め下方に延びる折畳用折り目56aが形成されている。折畳用折り目56aを内側に折ることにより、一対の蓋体側壁56及び蓋体前壁58は内側に倒伏する。これによって、折畳状態の包装箱100の高さ寸法を抑制し、嵩を少なくすることができる。
【0031】
そして、上述の通り、第1収容部1の第1周壁12は、一対の第1連結片19を含む。一方の第1連結片19は、一方の第1側壁16の第1仕切壁17側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁19bと第1仕切壁17の一方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁19cとを含む。他方の第1連結片19は、他方の第1側壁16の第1仕切壁17側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁19bと、第1仕切壁17の他方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁19cとを含む。そして、各第1連結片19は、側壁側側縁19bと仕切壁側側縁19cとを重ね合わせて折り畳んだときに形成される折り線上に位置する折り目19aを有する。
【0032】
また、上述の通り、第2収容部2の第2周壁22は、一対の第2連結片29を含む。一方の第2連結片29は、一方の第2側壁26の第2仕切壁27側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁29bと第2仕切壁27の一方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁29cとを含む。他方の第2連結片29は、他方の第2側壁26の第2仕切壁27側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁29bと、第2仕切壁27の他方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁29cとを含む。そして、各第2連結片29は、側壁側側縁29bと仕切壁側側縁29cとを重ね合わせて折り畳んだときに形成される折り線上に位置する折り目29aを有する。また、一対の第2連結片29は、一対の第1連結片19に一直線に延びる折り目71を介して連続する。一対の第1連結片19と一対の第2連結片29との間の折り目71は、第1仕切壁17と第2仕切壁27との間の折り目72を通る直線上に位置する。このように、第1収容部1及び第2収容部2は、第1仕切壁17及び第2仕切壁27に加え、一対の第1連結片19及び一対の第2連結片29においても連続している。そして、一対の第1側壁16、一対の第1連結片19、一対の第2連結片29及び一対の第2側壁26が、この順に並んで連続する。
【0033】
なお、展開体101の一対の第1連結片19及び一対の第2連結片29の外側の縁部には、内側に向かって凹む指掛61が形成されている。
【0034】
また、包装箱100は、第1収容部1及び第2収容部2の境界に沿って延びる一対の長孔4を含む。一対の長孔4は、第1仕切壁17と第2仕切壁27との間の折り目72の両端部から、一対の第1連結片19と一対の第2連結片29とのそれぞれの境界の中間部まで延びる。
【0035】
包装箱100は、展開体101の突出舌片32以外の各舌片を対応する各側壁に固定し、各折畳用折り目で折った折畳状態で出荷される。そして、包装箱100に物品を収容するため、使用状態の包装箱100を形成するとき(組み上げるとき)は、まず、使用者は、平面視において、折畳状態の包装箱100の第1仕切壁17と第2仕切壁27との間の折り目を山折りする。また、使用者は、第1仕切壁17と第1底壁11との間の折り目を谷折りする。更に、使用者は、第2仕切壁27と第2底壁21との間の折り目を谷折りする。これによって、第1仕切壁17及び第2仕切壁27が上方に盛り上がる方向にクセ付けられ、突出舌片32が第2仕切壁27から外れる。
【0036】
次に、使用者は、一対の指掛61に指を掛け、一対の第1連結片19と第1仕切壁17との間の折り目、及び一対の第2連結片29と第2仕切壁27との間の折り目を回動軸として一対の第1連結片19及び一対の第2連結片29を引き起こす。これにより、一対の第1連結片19及び一対の第2連結片29に牽引され、一対の第1側壁16及び一対の第2側壁26が起き上がり、更に前壁18及び後壁28が起き上がる。
【0037】
次に、使用者は、一対の第1連結片19及び一対の第2連結片29を外側に回動させる。これにより、図3に示すように、一対の第1連結片19の折り目19a及び第1仕切壁17と第1底壁11との間の折り目が谷折りされ、更に一対の第2連結片29の折り目29a及び第2仕切壁27と第2底壁21との間の折り目が谷折りされる。更に、使用者は、一対の第1連結片19の折り目19aを介して一方側と他方側の第1連結片19の内側面が接し、対の第2連結片29の折り目29aを介して一方側と他方側の第2連結片29の内側面が接するように折り畳む。
【0038】
次に、使用者は、折り畳んだ一対の第1連結片19及び一対の第2連結片29を第1仕切壁17及び第2仕切壁27の外側面と接するまで回動させる。更に、使用者は、第1仕切壁17及び第2仕切壁27の上縁の境界に位置する折り目72を回動軸として揺動させ、第1仕切壁17と第2仕切壁27の外側面を対峙させる。これにより、一対の第1連結片19と一対の第2連結片29とは折り目71、73で折り畳まれ、第1仕切壁17及び第2仕切壁27の間に挟み込まれる。
【0039】
そして、使用者は、突出舌片32をスリット31に挿し込む。これによって、第1仕切壁17及び第2仕切壁27の揺動が規制され、組み上げられた状態が維持される。
【0040】
なお、使用状態において、第1連結片19及び第2連結片29は、合わせて4つ折りされ、第1仕切壁17と第2仕切壁27との間に挟み込まれ、第1仕切壁17及び第2仕切壁27の両端の厚みが増す。しかし、展開体101に長孔4が形成されているので、使用状態において、第1仕切壁17の上縁の両端と、第2仕切壁27の上縁の両端とは分離しており、また、一対の第1連結片19と一対の第2連結片29の上端も部分的に分離している。その結果、第1仕切壁17及び第2仕切壁27がそれぞれ第1収容空間15及び第2収容空間25に向かって歪み、厚みの増加分を許容する。これによって、第1仕切壁17と第2仕切壁27との間の折り目72や一対の第1連結片19と一対の第2連結片29との間の折り目71が裂けることを防止することができる。
【0041】
そして、使用者は、第1収容部1及び第2収容部2に物品を収容したあと、蓋体5を回動させ、蓋体5によって第1収容部1及び第2収容部2を覆う。このように、蓋体5は、収容部1、2と一体となっているので、包装箱100の取り扱いが容易となる。
【0042】
以上に説明したように、包装箱100は、シートを折り曲げて形成される包装箱100であって、第1底壁11と、第1底壁11の周縁から上方に延び、第1底壁11とともに物品の収容部である第1収容空間15を区画する第1周壁12と、を有する第1収容部1と、第2底壁21と、第2底壁21の周縁から上方に延び、第2底壁21とともに物品の収容部である第2収容空間25を区画する第2周壁22と、を有する第2収容部2と、連結部3と、を備え、第1周壁12は、下縁が第1底壁11に折り目を介して連続し、互いに対峙する一対の第1側壁16と、下縁が第1底壁11に折り目を介して連続し、一方の第1側壁16の一方の側縁と他方の第1側壁16の一方の側縁との間に位置する第1仕切壁17と、一方の第1側壁16の第1仕切壁17側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁19bと第1仕切壁17の一方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁19cとを含む一方の第1連結片19と、他方の第1側壁16の第1仕切壁17側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁19bと、第1仕切壁17の他方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁19cとを含む他方の第1連結片19とを有し、各第1連結片19は側壁側側縁19bと仕切壁側側縁19cとを重ね合わせて折り畳んだときに形成される折り線上に位置する折り目19aを有する一対の第1連結片19と、第1仕切壁17と対峙する前壁18と、を有し、第2周壁22は、下縁が第2底壁21に折り目を介して連続し、互いに対峙する一対の第2側壁26と、下縁が第2底壁21に折り目を介して連続し、一方の第2側壁26の一方の側縁と他方の第2側壁26の一方の側縁との間に位置し、上縁が第1仕切壁17の上縁に折り目72を介して連続する第2仕切壁27と、一方の第2側壁26の第2仕切壁27側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁29bと第2仕切壁27の一方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁29cとを含む一方の第2連結片29と、他方の第2側壁26の第2仕切壁27側の側縁に折り目を介して連続する側壁側側縁29bと、第2仕切壁27の他方の側縁に折り目を介して連続する仕切壁側側縁29cとを含む他方の第2連結片29とを有し、各第2連結片29は側壁側側縁29bと仕切壁側側縁29cとを重ね合わせて折り畳んだときに形成される折り線上に位置する折り目29aを有し、一対の第1連結片19に折り目71を介して連続する一対の第2連結片29と、第2仕切壁27と対峙する後壁28と、を有し、連結部3は、第1収容部1の第1底壁11又は第1仕切壁17と、第2収容部2の第2底壁21又は第2仕切壁27とを連結する。これによって、第1連結片19及び第2連結片29を折り畳んで第1仕切壁17と第2仕切壁27との間に挟み込み、連結部3を用いて第1収容部1と第2収容部2とを連結することにより、中仕切りが一体化され且つ物品収容部に固定されている組み上げが容易な包装箱100を容易に形成することができる。
【0043】
連結部3は、第1収容部1及び第2収容部2のうち一方に形成されたスリット31と、他方に形成され、スリット31に外面から内面に向かう方向に挿通される突出舌片32とを有してもよい。これによって、第1収容部1の第1底壁11又は第1仕切壁17と、第2収容部2の第2底壁21又は第2仕切壁27との連結を容易に行うことができる。
【0044】
展開状態において、一対の第1連結片19と一対の第2連結片29との間の折り目は第1仕切壁17の上縁と第2仕切壁27との間の折り目を通る直線上に位置し、且つ第1仕切壁17と第2仕切壁27との間の折り目の両端部から、一対の第1連結片19と一対の第2連結片29とのそれぞれの境界の中間部まで延びる一対の長孔4を有してもよい。これによって、第1仕切壁17と第2仕切壁27との間の折り目や一対の第1連結片19と一対の第2連結片29との間の折り目が裂けることを防止することができる。
【0045】
後壁28の上縁に折り目を介して連結され、第1収容空間15及び第2収容空間25を開閉自在に覆う蓋体5、を更に備えてもよい。これによって、蓋を一体化することができ、取り扱いが容易となる。
【0046】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【符号の説明】
【0047】
1 第1収容部
2 第2収容部
3 連結部
4 長孔
5 蓋体
11 第1底壁
12 第1周壁
15 第1収容空間
16 第1側壁
17 第1仕切壁
18 前壁
18a 第1連結舌片
19 第1連結片
19a 折り目
21 第2底壁
22 第2周壁
25 第2収容空間
26 第2側壁
27 第2仕切壁
28 後壁
28a 第2連結舌片
29 第2連結片
29a 折り目
31 スリット
32 突出舌片
100 包装箱
図1
図2
図3