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  • 特開-車載器、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106840
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】車載器、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G04R 20/02 20130101AFI20230726BHJP
   G04G 5/00 20130101ALI20230726BHJP
【FI】
G04R20/02
G04G5/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007810
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】内山 大希
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 卓巳
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002FA16
2F002GA18
(57)【要約】
【課題】GPS時刻を日付及び時刻に変換する際の日付の誤変換を防止して車載器の内蔵時計の日付を正確に設定することができる車載器、及びプログラムを提供する。
【解決手段】車載器1は、GPS通信モジュール3と、メインCPU10とを備える。メインCPU10は、GPS週数の積算が現在何巡目であるかを示す巡目情報112を記憶したメモリ11を備え、GPS通信モジュール3から出力された日付が、メモリ11に記憶された巡目情報112に対応する日付の範囲に含まれるか否かを判定し、肯定判定の場合に、内蔵時計111の日付及び時刻を、GPS通信モジュール3から出力された日付及び時刻に補正し、否定判定の場合に、GPS通信モジュール3のメモリ32に記憶された第1変換情報321をメモリ11に記憶された巡目情報112に基づいて再設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPSアンテナが受信したGPS週数及びGPS週内秒を含むGPS時刻を日付及び時刻に変換するための変換情報を記憶した変換情報記憶部と、
前記GPSアンテナが受信した前記GPS時刻を、前記変換情報記憶部に記憶された前記変換情報に基づいて前記日付及び時刻に変換して出力する変換部と、
前記GPS週数の積算が現在何巡目であるかを示す巡目情報を記憶した巡目情報記憶部と、
前記変換部から出力された前記日付が、前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、
内蔵時計と、
前記判定部により、前記変換部から出力された前記日付が前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれると判定された場合に、前記内蔵時計の日付及び時刻を、前記変換部から出力された前記日付及び時刻に補正する補正部と、
前記判定部により、前記変換部から出力された前記日付が前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれないと判定された場合に、前記変換情報記憶部に記憶された前記変換情報を、前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報に基づいて再設定する変換情報設定部と
を備える車載器。
【請求項2】
前記変換情報は、前記巡目情報と、当該巡目情報に対応する積算週数及び前記GPS週内秒と前記日付及び時刻との関係を示す関係情報とを含み、
前記変換部は、前記GPSアンテナが受信した前記GPS週数を前記変換情報記憶部に記憶された前記巡目情報に対応する前記積算週数に変換し、当該積算週数及び前記GPSアンテナが受信した前記GPS週内秒を、前記変換情報記憶部に記憶された前記関係情報に基づいて前記日付及び時刻に変換して出力し、
前記変換情報設定部は、前記判定部により、前記変換部から出力された前記日付が前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれないと判定された場合に、前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報により前記変換情報記憶部に記憶された前記巡目情報を再設定する請求項1に記載の車載器。
【請求項3】
外部記録媒体に記憶された前記巡目情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記巡目情報により前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報を再設定する巡目情報設定部と
を備える請求項1又は2に記載の車載器。
【請求項4】
GPSアンテナが受信したGPS週数及びGPS週内秒を含むGPS時刻を日付及び時刻に変換するための変換情報を記憶した変換情報記憶部と、
前記GPSアンテナが受信した前記GPS時刻を、前記変換情報記憶部に記憶された前記変換情報に基づいて前記日付及び時刻に変換して出力する変換部と、
内蔵時計と、
前記GPS週数の積算が現在何巡目であるかを示す巡目情報を記憶した巡目情報記憶部と
を備える車載器を制御するためのプログラムであって、
前記変換部から出力された前記日付が、前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれるか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理により、前記変換部から出力された前記日付が前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれると判定された場合に、前記内蔵時計の日付及び時刻を、前記変換部から出力された前記日付及び時刻に補正する補正処理と、
前記判定処理により、前記変換部から出力された前記日付が前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれないと判定された場合に、前記変換情報記憶部に記憶された前記変換情報を、前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報に基づいて再設定する変換情報設定処理と
を前記車載器に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)から取得するGPS時刻(GPS週数及びGPS週内秒)に基づいて、CPUの内蔵時計の時刻を補正するドライブレコーダが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5781795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載器のGPS通信モジュールのメモリには、GPS週数及びGPS週内秒を日付及び時刻に変換するための変換情報が記憶されており、GPS通信モジュールは、この変換情報に基づいて日付及び時刻を算出している。ここで、GPS週数の積算は、1024週で1巡するところ、GPS週数の積算が何巡目であるかを示す巡目情報(2021年時点では3巡目)が、メモリに記憶された変換情報に含まれている。この巡目情報に狂いが生じた場合には、GPS通信モジュールは、1024週分、2048週分、又は3072週分ずれた日付を算出することになる。この場合、上記特許文献1に記載のドライブレコーダでは、内蔵時計の日付が誤って補正される。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、GPS時刻を日付及び時刻に変換する際の日付の誤変換を防止して車載器の内蔵時計の日付を正確に設定することができる車載器、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車載器は、GPSアンテナが受信したGPS週数及びGPS週内秒を含むGPS時刻を日付及び時刻に変換するための変換情報を記憶した変換情報記憶部と、前記GPSアンテナが受信した前記GPS時刻を、前記変換情報記憶部に記憶された前記変換情報に基づいて前記日付及び時刻に変換して出力する変換部と、前記GPS週数の積算が現在何巡目であるかを示す巡目情報を記憶した巡目情報記憶部と、前記変換部から出力された前記日付が、前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、内蔵時計と、前記判定部により、前記変換部から出力された前記日付が前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれると判定された場合に、前記内蔵時計の日付及び時刻を、前記変換部から出力された前記日付及び時刻に補正する補正部と、前記判定部により、前記変換部から出力された前記日付が前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれないと判定された場合に、前記変換情報記憶部に記憶された前記変換情報を、前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報に基づいて再設定する変換情報設定部とを備える。
【0007】
本発明のプログラムは、GPSアンテナが受信したGPS週数及びGPS週内秒を含むGPS時刻を日付及び時刻に変換するための変換情報を記憶した変換情報記憶部と、前記GPSアンテナが受信した前記GPS時刻を、前記変換情報記憶部に記憶された前記変換情報に基づいて前記日付及び時刻に変換して出力する変換部と、内蔵時計と、前記GPS週数の積算が現在何巡目であるかを示す巡目情報を記憶した巡目情報記憶部とを備える車載器を制御するためのプログラムであって、前記変換部から出力された前記日付が、前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理により、前記変換部から出力された前記日付が前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれると判定された場合に、前記内蔵時計の日付及び時刻を、前記変換部から出力された前記日付及び時刻に補正する補正処理と、前記判定処理により、前記変換部から出力された前記日付が前記巡目情報に対応する日付の範囲に含まれないと判定された場合に、前記変換情報記憶部に記憶された前記変換情報を、前記巡目情報記憶部に記憶された前記巡目情報に基づいて再設定する変換情報設定処理とを前記車載器に実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、GPS通信モジュール側でGPS時刻を日付及び時刻に変換するための変換情報に狂いが生じた場合でも、GPS時刻を日付及び時刻に変換する際の日付の誤変換を防止して車載器の内蔵時計の日付を正確に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る車載器の機能を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す車載器における内蔵時計の時刻の補正処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用される。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る車載器1の機能を示すブロック図である。この図に示す車載器1は、ドライブレコーダであり、特に本実施形態ではフォークリフトに搭載されるドライブレコーダである。
【0012】
車載器1は、GPSアンテナ2と、GPS通信モジュール3と、メインCPU(Central Processing Unit)10とを備える。GPSアンテナ2は、GPS衛星から発信されたGPS信号を受信する。このGPS信号は、GPS時刻を含む。このGPS時刻は、GPS週数(週番号)及びGPS週内秒を含む。GPS週内秒は、GPSの原子時計が刻む正確な時刻であり、各GPS週の始点の0から各GPS週の終点の67499まで1ずつ増え、GPS週が変わると再び0に戻る。
【0013】
GPS週数は、10ビットの情報である。GPS週数は、10ビットの情報であるが故に、210=1024週で一巡する。即ち、GPS週数は、0から1023まで1ずつ増え、次は再び0に戻る。GPS週数の1巡目は、1980年1月6日(日本時間)から1999年8月22日(日本時間)までである。また、GPS週数の2巡目は、1999年8月22日(日本時間)から2019年4月7日(日本時間)までである。さらに、GPS週数の3巡目は、2019年4月7日(日本時間)から2038年11月21日(日本時間)までである。
【0014】
UTC(Coordinated Universal Time;協定世界時)に同期して開始された時からの積算週数は、GPS週数の1巡目で0~1023、GPS週数の2巡目で1024~2047、GPS週数の3巡目で2048~3071である。2021年時点は、GPS週数の3巡目に含まれる。
【0015】
GPS通信モジュール3は、GPS時刻変換機能31と、メモリ32とを備える。メモリ32には、GPS時刻変換機能31を実行させるためのプログラムと、GPS週数及びGPS週内秒を日付及び時刻に変換するための第1及び第2変換情報321,322とが記憶されている。第1変換情報321は、GPS週数(0~1023)を、UTC開始日(1980年1月6日)から現在までの積算週数(2048~3071)に変換するための情報である。第2変換情報322は、当該積算週数及びGPS週内秒(0~67499)を、日付及び時刻に変換するための情報である。
【0016】
GPS時刻変換機能31は、GPSアンテナ2が受信したGPS週数(0~1023)をメモリ32に記憶された第1変換情報321に基づいて、現在の積算週数(2048~3071)に変換する。また、GPS時刻変換機能31は、GPS週数から変換した現在の積算週数及びGPSアンテナ2が受信したGPS週内秒(0~67499)を、メモリ32に記憶された第2変換情報322に基づいて、現在の日付(2019年4月7日~2038年11月21日)及び時刻(0時0分0秒~23時59分59秒)に変換してメインCPU10に出力する。
【0017】
ここで、第1変換情報321は、現在の積算週数(2048~3071)が、GPS週数の積算が何巡目に該当するかを示す情報である。即ち、メモリ32には、第1変換情報321として「3巡目」という情報が記憶されている。
【0018】
第2変換情報322は、積算週数及びGPS週内秒と日付及び時間との関係を示す数式やテーブル等の情報である。GPS時刻変換機能31は、現在の積算週数及びGPS週内秒を、当該数式やテーブル等に基づいて、現在の日付及び時刻に変換する。
【0019】
メインCPU10は、メモリ11と、時刻正誤判定機能12と、時刻補正機能13と、変換情報設定機能14と、通信機能15と、巡目情報設定機能16とを備える。メモリ11には、メインCPU10の各機能を実行させるためのプログラムと、内蔵時計111の時刻(RTC(Real Time Clock)時刻)と、巡目情報112とが記憶されている。巡目情報112は、第1変換情報321と同様、GPS週数の積算が何巡目に該当するかを示す情報である。2021年12月時点では、巡目情報112は、3巡目に該当する。即ち、メモリ11には、巡目情報112として「3巡目」という情報が記憶されている。
【0020】
時刻正誤判定機能12は、メモリ11に記憶された巡目情報112に対応する日付の範囲(2019年4月7日~2038年11月21日)を算出する。そして、時刻正誤判定機能12は、GPS通信モジュール3のGPS時刻変換機能31から出力された現在の日付が、巡目情報112に対応する日付の範囲(2019年4月7日~2038年11月21日)に含まれるか否かを判定し、判定結果を時刻補正機能13及び変換情報設定機能14に出力する。
【0021】
時刻補正機能13は、GPS時刻変換機能31から出力された日付が巡目情報112に対応する日付の範囲に含まれるという判定結果(肯定判定)が入力された場合に、メモリ11に記憶されている内蔵時計111の日付及び時刻を、GPS時刻変換機能31から出力された日付及び時刻に補正する。
【0022】
他方で、変換情報設定機能14は、GPS時刻変換機能31から出力された日付が巡目情報112に対応する日付の範囲に含まれないという判定結果(否定判定)が入力された場合に、GPS通信モジュール3のメモリ32に記憶された第1変換情報321を、メモリ11に記憶されている巡目情報112により再設定する。
【0023】
通信機能15は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信技術により携帯端末やPC(Personal Computer)等の外部端末4と通信する。外部端末4は、通信機能41と、メモリ42とを備える。通信機能41は、Bluetooth等の無線通信技術により車載器1やその他の機器と通信する。
【0024】
メモリ42は、巡目情報112を記憶している。外部端末4は、ユーザによる操作に従って、メモリ42に記憶された巡目情報112を車載器1に出力する。外部端末4から出力された巡目情報112は、通信機能15を介して巡目情報設定機能16に入力される。巡目情報設定機能16は、巡目情報112が入力された場合、入力された巡目情報112によりメモリ11に記憶されている巡目情報112を再設定する。
【0025】
図2は、図1に示す車載器1における内蔵時計111の時刻の補正処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示す補正処理は、車載器1が起動されると開始されてステップS1に移行する。車載器1は、フォークリフト等の車両のイグニッションがONになると自動的に起動される。
【0026】
ステップS1~S3において、車載器1のメインCPU10は、通常処理ループを実施する。この通常処理ループを抜ける条件は、車両のイグニッションのOFFであり、メインCPU10は、車両のイグニッションがOFFになるまでの間、GPSアンテナ2の受信処理を継続する(ステップS2)。
【0027】
通常処理ループを抜けた後のステップS4において、メインCPU10の時刻正誤判定機能12は、メモリ11に記憶された巡目情報112に対応する日付の範囲(2019年4月7日~2038年11月21日)を算出する。次に、ステップS5において、時刻正誤判定機能12は、GPS通信モジュール3のGPS時刻変換機能31から出力された日付が、巡目情報112に対応する日付の範囲(2019年4月7日~2038年11月21日)に含まれるか否かを判定し、判定結果を時刻補正機能13及び変換情報設定機能14に出力する。ステップS5において肯定判定がされた場合にはステップS6に移行し、ステップS5において否定判定がされた場合にはステップS7に移行する。
【0028】
ステップS6において、メインCPU10の時刻補正機能13は、メモリ11に記憶されている内蔵時計111の日付及び時刻を、GPS時刻変換機能31から出力された日付及び時刻に補正する。以上で内蔵時計111の時刻の補正処理を終了し、車載器1が停止する。
【0029】
他方で、ステップS7において、メインCPU10の変換情報設定機能14は、GPS通信モジュール3のメモリ32に記憶された第1変換情報321を、メモリ11に記憶されている巡目情報112により再設定する。以上で内蔵時計111の時刻の補正処理を終了し、車載器1が停止する。
【0030】
即ち、本実施形態の車載器1では、車両のイグニッションがONになってからOFFになるまでの間に1回、内蔵時計111の時刻の補正処理が実行される。この内蔵時計111の時刻の補正処理において、GPS通信モジュール3側で実行されるGPS週数及びGPS週内秒から日付への変換の正誤が、メインCPU10側で判定される。具体的には、メインCPU10の時刻正誤判定機能12が、GPS通信モジュール3から出力された日付の正誤を、当該日付が正確な巡目(現在は3巡目)に対応する日付の範囲に含まれるか否かにより判定する。そして、メインCPU10の変換情報設定機能14が、変換が正しければ変換された日付に従って内蔵時計111の日付を補正する。他方で、変換情報設定機能14は、変換が誤っていればGPS通信モジュール3のメモリ32に記憶された巡目に関する第1変換情報321をメインCPU10側で記憶した巡目情報112により再設定する。これによって、GPS通信モジュール3側で第1変換情報321に狂いが生じた場合でも、GPSアンテナ2が受信したGPS週数及びGPS週内秒を正確な日付に変換して車載器1の内蔵時計111の日付を正確に設定することができる。
【0031】
また、本実施形態の車載器1では、巡目情報としての第1変換情報321に狂いが生じた場合に、当該第1変換情報321をメインCPU10側で記憶した巡目情報112により再設定する。これにより、GPS通信モジュール3のGPS時刻変換機能31が、1024週分、2048週分、又は3072週分ずれた積算週数を算出することを防止できる。従って、GPS時刻変換機能31による正確な積算週数に基づいた日付の算出が可能になり、車載器1の内蔵時計111の日付を正確に補正することができる。
【0032】
また、本実施形態の車載器1では、外部端末4のメモリ42に記憶された巡目情報112をメインCPU10に入力し、入力された巡目情報112によりメモリ11に記憶された巡目情報112を再設定することができる。これにより、メインCPU10のメモリ11に記憶された巡目情報112に狂いや消失等が生じた場合でも、本実施形態の内蔵時計111の時刻の補正処理を継続することができる。
【0033】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、適宜公知や周知の技術を組み合わせてもよい。例えば、上記実施形態では、車載器1をドライブレコーダとしたが、デジタルタコグラフやカーナビゲーションシステムや運転支援システム等の他の車載器にも本発明を適用できる。
【0034】
また、上記実施形態の車載器1は、GPSアンテナ2が内蔵されているが、GPSアンテナ2は、車載器1とは別体で設けられ、有線又は無線で接続されていてもよい。また、外部端末4との無線通信により巡目情報112をメインCPU10に入力するのに代えて、巡目情報112が記録された記録媒体をメインCPU10に接続して巡目情報112をメインCPU10に入力するようにしてもよい。
【0035】
さらに、上記実施形態の車載器1では、車両のイグニッションがOFFになってから内蔵時計111の時刻の補正処理を実行したが、車両のイグニッションがONになった直後に内蔵時計111の時刻の補正処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 :車載器
2 :GPSアンテナ
11 :メモリ(巡目情報記憶部)
12 :時刻正誤判定機能(判定部)
13 :時刻補正機能(補正部)
14 :変換情報設定機能(変換情報設定部)
15 :通信機能(入力部)
16 :巡目情報設定機能(巡目情報設定部)
31 :GPS時刻変換機能(変換部)
32 :メモリ(変換情報記憶部)
42 :メモリ(外部記録媒体)
111 :内蔵時計
112 :巡目情報
321 :第1変換情報(変換情報、巡目情報)
322 :第2変換情報(変換情報、関係情報)
図1
図2