(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106858
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
E04H 6/18 20060101AFI20230726BHJP
E04H 6/06 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
E04H6/18 601A
E04H6/18 606D
E04H6/18 601G
E04H6/18 601F
E04H6/18 603
E04H6/06 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007833
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】野田 整一
(72)【発明者】
【氏名】大島 猛志
(57)【要約】
【課題】安全性を確保するとともに、非常停止からの復旧を速やかに行うこと。
【解決手段】機械式駐車装置は、非常停止ボタンを備えている。機械式駐車装置は、非常停止ボタンが操作された場合に、運転状態を判定する運転状態判定部82と、非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得部81と、運転状態と復旧権限を有する人物を認証するための情報とが関連付けられた復旧権限情報と、運転状態判定部82に判定された運転状態とを用いて、認証情報を入力した人物が復旧権限を有するか否かを判定する認証部83と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧操作許可部84とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常停止ボタンを備える機械式駐車装置であって、
入庫中又は出庫中において前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報に基づいて、入庫又は出庫を行っている利用者を認証する認証手段と、
認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧操作許可手段と
を備える機械式駐車装置。
【請求項2】
前記非常停止ボタンが操作されたとき以降の所定のタイミングから所定期間が経過した場合に、前記認証手段は、前記認証情報に基づいて、前記機械式駐車装置の使用が許可されている利用者を認証する請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項3】
前記非常停止ボタンが操作された場合に、所定のタイミングで管理者又は保守員に非常停止ボタンが操作された旨の通知を行う通知手段を備える請求項1又は2に記載の機械式駐車装置。
【請求項4】
非常停止ボタンを備える機械式駐車装置であって、
入庫中でも出庫中でもなく、かつ、機械機構が停止している状態において、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得手段と、
前記認証情報に基づいて、前記機械式駐車装置の使用が許可されている利用者を認証する認証手段と、
認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧操作許可手段と
を備える機械式駐車装置。
【請求項5】
非常停止ボタンを備える機械式駐車装置であって、
前記非常停止ボタンが操作された場合に、運転状態を判定する運転状態判定手段と、
前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得手段と、
運転状態と復旧権限を有する人物を認証するための情報とが関連付けられた復旧権限情報と、前記運転状態判定手段に判定された運転状態とを用いて、前記認証情報を入力した人物が復旧権限を有するか否かを判定する認証手段と、
認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧操作許可手段と
を備える機械式駐車装置。
【請求項6】
前記運転状態は、機械機構の運転中、前記機械機構の運転停止中であって入庫中又は出庫中、前記機械機構の運転停止中であって入出庫中でもない状態の少なくともいずれか一つを含む請求項5に記載の機械式駐車装置。
【請求項7】
前記認証が成功した後に、前記非常停止ボタンが解除された場合に、復旧処理を実行する復旧手段を備える請求項1から6のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項8】
前記認証が成功した後に、前記非常停止ボタンが解除され、かつ、乗降室内の安全が確認された場合に、復旧処理を実行する復旧手段を備える請求項1から6のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項9】
前記認証が成功した後に、前記非常停止ボタンが解除され、乗降室内の安全が確認され、かつ、リセットボタンが押下された場合に、復旧処理を実行する復旧手段を備える請求項1から6のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項10】
前記非常停止ボタンを操作した人物を撮像可能な撮像手段を備え、
前記撮像手段は、前記非常停止ボタンが操作された場合に撮像を行う請求項1から9のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項11】
複数の前記非常停止ボタンを備え、
少なくとも1つの前記非常停止ボタンが乗降室内に設けられている請求項1から10のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【請求項12】
押下された前記非常停止ボタンの位置を報知する報知手段を備える請求項11に記載の機械式駐車装置。
【請求項13】
非常停止ボタンを備える機械式駐車装置の制御方法であって、
入庫中又は出庫中において前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する工程と、
前記認証情報に基づいて、入庫又は出庫を行っている利用者を認証する工程と、
認証が成功した場合に、復旧操作を許可する工程と
をコンピュータが実行する機械式駐車装置の制御方法。
【請求項14】
非常停止ボタンを備える機械式駐車装置の制御方法であって、
入庫中でも出庫中でもなく、かつ、機械機構が停止している状態において、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する工程と、
前記認証情報に基づいて、前記機械式駐車装置の使用が許可されている利用者を認証する工程と、
認証が成功した場合に、復旧操作を許可する工程と
をコンピュータが実行する機械式駐車装置の制御方法。
【請求項15】
非常停止ボタンを備える機械式駐車装置の制御方法であって、
前記非常停止ボタンが操作された場合に、運転状態を判定する工程と、
前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する工程と、
運転状態と復旧権限を有する人物を認証するための情報とが関連付けられた復旧権限情報と、前記非常停止ボタンが操作されたときの運転状態とを用いて、前記認証情報を入力した人物が復旧権限を有するか否かを判定する工程と、
復旧権限を有すると判定した場合に、復旧操作を許可する工程と
をコンピュータが実行する機械式駐車装置の制御方法。
【請求項16】
請求項13から15のいずれかに記載の機械式駐車装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械式駐車装置では、操作盤に人が操作する非常停止ボタンが設置されている。非常停止ボタンが利用者によって押下されると、機械式駐車装置は非常停止し、危険な状態を回避することができる。
【0003】
従来、非常停止ボタンが押下された場合の復旧操作は、保守員にしかできなかった。このため、非常停止ボタンが押下された場合には、機械式駐車装置の運転が長期間にわたって停止されることとなり、入出庫に支障が生ずるといった問題があった。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、入出庫時において、ユーザが誤って非常停止ボタンを押下した場合であっても、所定期間内に非常停止ボタンを復帰させた場合には、装置にトラブルの発生がなく、かつ、全パレットが定位置にあることを条件として、平常運転に復帰できるようにした機械式駐車装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている復旧手法では、入出庫を行っているユーザが非常停止ボタンを押下した後に、乗降室内部の状態を確認するために操作盤の前から移動した場合、入出庫を行っている人物以外の人物によって非常停止ボタンが復帰されるおそれがあった。この場合、装置に異常がなく、パレットが定位置にある場合には、平常運転に復帰できることとなり、乗降室内にいるユーザの安全性が確保できないおそれがある。
【0007】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、安全性を確保するとともに、非常停止からの復旧を速やかに行うことのできる機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第一態様は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置であって、入庫中又は出庫中において前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得手段と、前記認証情報に基づいて、入庫又は出庫を行っている利用者を認証する認証手段と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧許可手段とを備える機械式駐車装置である。
【0009】
本開示の第二態様は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置であって、入庫中でも出庫中でもなく、かつ、機械機構が停止している状態において、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得手段と、前記認証情報に基づいて、前記機械式駐車装置の使用が許可されている利用者を認証する認証手段と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧許可手段とを備える機械式駐車装置である。
【0010】
本開示の第三態様は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置であって、前記非常停止ボタンが操作された場合に、運転状態を判定する運転状態判定手段と、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得手段と、運転状態と復旧権限を有する人物を認証するための情報とが関連付けられた復旧権限情報と、前記運転状態判定手段に判定された運転状態とを用いて、前記認証情報を入力した人物が復旧権限を有するか否かを判定する認証手段と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧許可手段とを備える機械式駐車装置である。
【0011】
本開示の第四態様は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置の制御方法であって、入庫中又は出庫中において前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する工程と、前記認証情報に基づいて、入庫又は出庫を行っている利用者を認証する工程と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する工程とをコンピュータが実行する機械式駐車装置の制御方法である。
【0012】
本開示の第五態様は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置の制御方法であって、入庫中でも出庫中でもなく、かつ、機械機構が停止している状態において、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する工程と、前記認証情報に基づいて、前記機械式駐車装置の使用が許可されている利用者を認証する工程と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する工程とをコンピュータが実行する機械式駐車装置の制御方法である。
【0013】
本開示の第六態様は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置の制御方法であって、前記非常停止ボタンが操作された場合に、運転状態を判定する工程と、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する工程と、運転状態と復旧権限を有する人物を認証するための情報とが関連付けられた復旧権限情報と、前記非常停止ボタンが操作されたときの運転状態とを用いて、前記認証情報を入力した人物が復旧権限を有するか否かを判定する工程と、復旧権限を有すると判定した場合に、復旧操作を許可する工程とをコンピュータが実行する機械式駐車装置の制御方法である。
【0014】
本開示の第七態様は、上記記載の機械式駐車装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、安全性を確保するとともに、非常停止からの復旧を速やかに行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施形態に係る機械式駐車装置の縦断面図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る乗降室を示す概略斜視透視図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る内部入力部の一構成例を示した図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る操作盤の一構成例を示した図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る機械式駐車装置の制御系統の機能の一例を示した機能ブロック図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る機械式駐車装置が備える非常停止復旧機能の一例を示した機能ブロック図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る復旧権限情報の一例を示した図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係る入庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図9】本開示の一実施形態に係る入庫処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図10】本開示の一実施形態に係る非常停止復旧処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図11】本開示の一実施形態に係る非常停止復旧処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図12】本開示の一実施形態に係る非常停止復旧処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図13】本開示の一実施形態に係る保守員呼出画面の一例を示した図である。
【
図14】本開示の一実施形態に係る認証画面の一例を示した図である。
【
図15】本開示の一実施形態に係る非常停止ボタン解除画面の一例を示した図である。
【
図16】本開示の一実施形態に係る安全確認画面の一例を示した図である。
【
図17】本開示の一実施形態に係るリセット画面の一例を示した図である。
【
図18】本開示の他の実施形態に係る二多段式の機械式駐車装置の概略外観図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の一実施形態に係る機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムについて、図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態では、本開示の機械式駐車装置としてエレベータ式のタワー型機械式駐車装置を例示して説明するが、この例に限定されない。本開示の機械式駐車装置は、垂直循環式、平面往復式、水平循環式、二多段式等であってもよい。また、パレットを使用しないコンベア式やフォーク式の機械式駐車装置であってもよい。
【0018】
図1は、本開示の一実施形態に係る機械式駐車装置1の縦断面図である。
図1に示すように、機械式駐車装置1は、複数の車両2を収容可能なエレベータ式のタワー型立体駐車場施設であり、入出庫口3と出入口扉4とが設けられた駐車塔5を備えている。駐車塔5の地上階は、車両2を入出庫させる乗降室7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗降室7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。なお、本実施形態では、乗降室7において、入庫及び出庫の両方が行われる場合を示しているがこれに限定されない。例えば、入庫と出庫とで乗降室を異ならせ、入庫専用の乗降室と、出庫専用の乗降室とを備える構成としてもよい。また、本実施形態において、1つの乗降室が示されているが、複数の乗降室を備えていてもよい。
【0019】
駐車塔5の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状の搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔5の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる複数本のワイヤロープに四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
【0020】
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17(駐車スペース)が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
【0021】
リフト14と車両格納棚17の床面には、両者の床面の高さが一致した時に、空荷のパレット18、または車両2が積載されたパレット18を、リフト14から車両格納棚17に、または車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
【0022】
図2は、乗降室7を示す概略斜視透視図である。乗降室7の内部には、中央部にパレット18が配置されるスペースがあり、出入口扉4の正面の壁には車両2の位置をドライバー(利用者)が確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の案内を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。
【0023】
乗降室7には、内部状況を撮影する4台のカメラ35A~35Dが設置されている。本実施形態において、カメラ35A~35Dは、例えば、ビデオカメラであり、それぞれ乗降室7の異なる壁面(4面)に取り付けられている。例えば、カメラ35Aは乗降室7内に停車した車両2の正面を撮影するように配置され、カメラ35Bは車両2の後面、カメラ35Cは車両2の左側面、カメラ35Dは車両2の右側面をそれぞれ撮影する位置に配置されている。なお、カメラの設置数については上記に限定されず、少なくとも1台のカメラが設けられていればよい。
【0024】
乗降室7内には、乗降室内にいる人を検知するための内部検知センサ(内部検知手段)30(
図5参照)が設けられている。内部検知センサ30は、例えば、乗降室7の前部領域、右側部領域、左側部領域、及び後部領域のそれぞれの領域において、人を検出するためのセンサを備えていてもよい。また、内部検知センサ30は、車両の停車位置を検知するためのセンサを備えていてもよい。また、内部検知センサ30は、乗降室7の対角位置に設けられた2台の測域センサを備えていてもよい。
【0025】
なお、内部検知センサ30は、乗降室内部の無人確認を行うために使用されるセンサであり、上記例に限定されず、公知のセンサを適宜採用することが可能である。また、内部検知センサ30として、上述したカメラを代用することも可能であり、この場合には、カメラによって取得された画像データに基づいて乗降室内の無人を確認することができる。
内部検知センサ30のセンサ信号は、後述するセンサ制御部57(
図5参照)に伝達されるようになっている。
【0026】
乗降室の入出庫口3には、乗降室7から人又は車両が入退出したことを検知するための入退出検知センサ32が設けられている。入退出検知センサ32は、例えば、入出庫口3の内側に設けられた一対のセンサ32Aと、入出庫口3の外側に設けられた一対のセンサ32Bとを有している。センサ32A、32Bは、例えば、送信部から送信されたビームを受信部において受信するタイプのセンサである。このビームが車両2や人等によって遮光されるとセンサがオンになり、そのセンサ信号が後述するセンサ制御部57(
図5参照)に伝達されるようになっている。
【0027】
なお、乗降室7からの人又は車両の退出を検知する手法は、上記例に限定されない。例えば、センサ32Aに代えて、乗降室7の後部領域における人を検知するためのセンサを使用してもよい。また、
図2では、センサ32A、32Bは、出入口扉4を挟んで乗降室7の内側と外側にそれぞれ設けられているが、この例に限定されない。例えば、センサ32A、32Bがいずれも乗降室内に設けられていてもよいし、乗降室外に設けられていてもよい。
【0028】
また、乗降室7の内部には、内部入力部26が設けられている。この内部入力部26は、主に利用者(例えば、運転手)によって操作される。
図2に示すように、内部入力部26は、乗降室7の右側部と左側部とにそれぞれ設けられていてもよい。これにより、右ハンドル車、左ハンドル車を問わずに、利用者は運転席から近い方の内部入力部26を操作することができる。これにより、利便性を高めることが可能となる。なお、内部入力部26の配置は一例であり、これに限られない。例えば、乗降室7の右側部と左側部のそれぞれについて、前方部分、中央部分、後方部分の3か所、計6箇所に設けられていてもよい。
【0029】
図3は、本実施形態に係る内部入力部26の一構成例を示した図である。
図3に示すように、内部入力部26は、例えば、非常停止ボタン48が設けられている。非常停止ボタン48は、非常時に利用者等によって操作されるボタンである。また、内部入力部26には、作動ランプが設けられていてもよい。作動ランプは、非常停止ボタン48が作動状態を示すランプであり、例えば、非常停止ボタン48が押下された場合に点灯し、非常停止ボタン48がリセットされた場合に消灯する。
【0030】
また、乗降室内には、音声で利用者に情報(入出庫のためのガイダンス情報、エラー発生情報等)を通知するための報知部(報知手段:図示省略)が設けられていてもよい。報知部の一例として、スピーカ、警告灯などが挙げられる。
【0031】
乗降室7の外部において、出入口扉4の近傍には、操作盤22が設けられている。
図4は、操作盤22の一構成例を示した図である。
図4に示すように、操作盤22は、例えば、風雨からの保護と悪戯防止のために金属製の筐体43に収容されており、この筐体43には施錠可能な蓋44が設けられている。利用者が操作盤22を操作する際には、施錠を解錠して蓋44を開き、操作盤22にアクセスする。
【0032】
操作盤22は、例えば、利用者の認証情報を入力するための認証情報入力部を備えている。本実施形態では、認証情報入力部の一例として、ICカードリーダ46が設けられているが、この例に限定されない。認証情報入力部は、例えば、テンキー、指紋、虹彩、静脈の情報、顔画像等のいわゆる生体認証情報を読み取る生体情報読取部、無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)等)で認証情報を受信する無線通信部によって構成されていてもよい。
【0033】
また、操作盤22は、タッチパネル45、利用者に操作方法を音声で案内するためのスピーカ47、機械式駐車装置1の動作を非常停止させる非常停止ボタン48、マイク等を備えている。また、操作盤22には、操作盤22の前にいる人を撮像するためのカメラ(撮像手段)49が設けられている。
【0034】
本実施形態において、カメラ49は操作盤22に設けられているが、この例に限られない。例えば、カメラ49は操作盤の付近、例えば、操作盤22が設けられている場所の近傍に設けられていてもよい。一例として、機械式駐車装置1の外壁などが挙げられる。
【0035】
タッチパネル45は、表示機能と入力機能とを兼ね備えている。タッチパネル45には、例えば、入出庫の操作を行わせるための各種案内情報が表示されるとともに、入出庫の操作を利用者に行わせるための操作ボタン等が表示される。タッチパネル45の表示は後述する制御装置40によって制御され、また、タッチパネル45が利用者等によって操作されることにより入力された情報は、制御装置40に出力される。
【0036】
操作盤22の近傍には、後述するカメラ35A~35Dによって撮像されたリアルタイム画像を表示するためのモニタ28が設置されている。
更に、乗降室7の外部には、出入口扉4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。
【0037】
乗降室7の内部又は外部に、機械式駐車装置1の全体の制御を行う制御装置40が設置されている。
【0038】
図5は、本実施形態に係る機械式駐車装置1の制御系統の機能ブロック図を示した図である。制御装置40は、例えば、情報処理装置であり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ、ネットワークに接続するための通信インターフェース等を備えている。また、制御装置40は、機械式駐車装置1を制御するために必要となる各種データが格納されている総合データベース52を備えている。総合データベース52には、在車状況、パレット形状種別、車両格納棚形状種別等が格納されている。また、総合データベース52には、
図6に示すように、当該機械式駐車装置1の使用を許可されている人物の認証情報が登録されている利用者データベース、非常停止ボタン48が押下された場合に、その復旧操作を行う権限を有する人物に関する情報が登録された復旧権限情報が格納されている。また、総合データベース52には、利用者の連絡先(例えば、登録メールアドレス等)、機械式駐車装置1の管理人の情報(例えば、認証情報、連絡先等)、保守員の情報(例えば、認証情報、連絡先等)が格納されている。
【0039】
また、制御装置40は、後述する入庫処理、出庫処理の実行に伴い、必要なデータを格納するための記憶部41を備えている。例えば、記憶部41には、第1のユーザ認証処理においてユーザ認証に成功した利用者ID(第1認証情報)、後述する非常停止復旧処理において、認証対象として設定された人物の認証情報等が格納される。
【0040】
制御装置40の補助記憶装置には、機械式駐車装置1の各機構を制御するための制御プログラム等が記憶されており、CPUが補助記憶装置に格納されている各種プログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、後述する各部の機能を実現させる。また、プログラムの実行にあたり、CPUは総合データベース52に格納されている各種データを参照して用いる。
【0041】
上記制御プログラムは、制御装置40の製造時においてROM等の補助記憶装置に予め格納されていてもよいし、施工後などにおいて、制御プログラム等を配信するサーバ等からダウンロードしてインストールされてもよい。また、外部記憶装置を介してインストールされる態様としてもよい。このように、各種プログラムのインストール方法については特に限定されない。
【0042】
制御装置40は、主制御部50を備えている。主制御部50には、上述した総合データベース52、記憶部41に加えて、出入口扉制御部55、搬送機制御部56、センサ制御部57、カメラ制御部58、画像データベース59、車両計測制御部61、旋回駆動制御部62等が接続されている。また、主制御部50には、内部入力部26及び操作盤22が接続されており、双方向通信が可能な構成とされている。
【0043】
出入口扉制御部55は、主制御部50から動作指令を受けて出入口扉4を開閉操作し、出入口扉センサ67から出入口扉4の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。出入口扉センサ67は、出入口扉4の全開及び全閉を検知し、その旨を示すセンサ信号を出入口扉制御部55に出力することとしてもよい。
【0044】
搬送機制御部56は、主制御部50から動作指令を受けてリフト14の昇降およびパレット18の積み下ろし動作を実行させ、搬送機位置センサ68からリフト14の位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
【0045】
センサ制御部57は、内部検知センサ30からのセンサ信号を受信し、その情報を主制御部50に出力する。また、センサ制御部57は、入退出検知センサ32からのセンサ信号に基づいて人又は車両の入退出を判定し、判定結果を主制御部50に出力する。
【0046】
カメラ制御部58は、主制御部50から動作指令を受けて乗降室7の内部に設置されたカメラ35(35A~35D)、操作盤22に設けられたカメラ49に画像を撮像させ、その画像情報を主制御部50に出力する。この画像情報は、画像データベース59に所定の期間蓄積される。なお、画像データベース59を総合データベース52の内部に設けたり、クラウド上に設けたりしても良い。
【0047】
例えば、カメラ制御部58は、操作盤22に設けられた非常停止ボタン48が押下されたときに、カメラ49に撮像を行わせる。また、カメラ制御部58は、内部入力部26に設けられた非常停止ボタン48が押下された場合に、カメラ35に撮像を行わせる。なお、この例に限定されず、例えば、カメラ49、35は、非常停止ボタン48と連動しており、非常停止ボタン48が押下されたことをトリガとして撮像を開始するような構成とされていてもよい。画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。非常停止ボタン48が押下された際にカメラ35,49によって取得された画像データは、記憶部41又は画像データベース59に格納される。また、このような画像データは、当該機械式駐車装置1を管理する管理会社等に送信されてもよいし、モニタ28に表示されてもよい。このように、非常停止ボタン48が押下された状況を画像として保存しておくことにより、非常停止ボタン48を押下した人物や状況を画像データから特定することが可能となる。
【0048】
車両計測制御部61は、主制御部50から動作指令を受けて、車両計測器69により、リフト14に搭載された車両の車重を計測し、車重センサ73を介してその情報を主制御部50にフィードバックする。この車重情報は、リフト14の制御等に用いられる。
【0049】
旋回駆動制御部62は、主制御部50から動作指令を受けて、旋回駆動部11(ターンテーブル8)を動作させ、ターンテーブル位置センサ71によりターンテーブル8の旋回位置信号を受けて、その情報を主制御部50にフィードバックする。
【0050】
主制御部50は、各制御部55,56,57,58,61,62からのフィードバック、内部入力部26又は操作盤22からの入力情報に基づいて機械式駐車装置1を運行させる。また、主制御部50は、内部入力部26及び操作盤22と授受する各種情報に基づいて入庫処理の制御プログラムや出庫処理の制御プログラムを実行する。なお、内部検知センサ30、入退出検知センサ32からのセンサ信号については、上述したセンサ制御部57を介して主制御部50に入力されるのに代えて、直接的に主制御部50に入力されることとしてもよい。このようにすることで、センサ信号に応じたより迅速な制御を実施することが可能となる。
【0051】
図6は、主制御部50が備える非常停止復旧機能を示した機能ブロック図である。
図6に示すように、主制御部50は、認証情報取得部(認証情報取得手段)81、運転状態判定部(運転状態判定手段)82、認証部(認証手段)83、復旧操作許可部(復旧操作許可手段)84、復旧部(復旧手段)85、通知部(通知手段)86を備えている。
【0052】
認証情報取得部81は、例えば、非常停止ボタン48が押下された場合に、認証情報を取得する。認証情報は、例えば、操作盤22に設けられたICカードリーダ46から入力される利用者の認証情報(利用者ID)である。
【0053】
運転状態判定部82は、非常停止ボタン48が操作された場合に、運転状態を判定する。運転状態は、例えば、機械機構の運転中、機械機構の運転停止中であって入庫中又は出庫中、機械機構の停止中であって入出庫中でもない状態の少なくともいずれか一つを含む。本実施形態では、
図7に示されるように、機械機構の運転中、機械機構の運転停止中であって入出庫中(入庫中又は出庫中)、機械機構の運転停止中であって入出庫中でもない状態の3つの状態を判定する。
【0054】
ここで、機械機構は、出入口扉4以外の機械機構を意味する。例えば、機械機構は、乗降室7と車両格納棚17との間でパレットを搬送するために用いられる車両搬送手段、ターンテーブル8等が挙げられる。車両搬送手段の一例として、リフト14、受渡機構等が挙げられる。
【0055】
認証部83は、認証情報取得部81によって取得された認証情報に基づいて、認証情報を入力した人物が復旧権限を有するか否かを判定する。例えば、認証部83は、運転状態と復旧権限を有する人物を認証するための情報とが関連付けられた復旧権限情報と、運転状態判定部82によって判定された運転状態とを用いて、認証情報を入力した人物が復旧権限を有するか否かを判定する。
【0056】
図7は、復旧権限情報の一例を示した図である。
図7に示すように、復旧権限情報には、運転状態と復旧権限を有する人物の属性情報とが関連付けられて登録されている。復旧権限情報は、例えば、総合データベース52に格納されている。
図7に示した復旧権限情報では、機械機構の運転中は、保守員に復旧権限が与えられている。これは、機械機構の運転中に非常停止ボタン48が押下された場合、その復旧には、機械機構の安全確認が必要となる。このため、安全上の要請から復旧作業は保守員でなければ行えないからである。
【0057】
また、機械機構の運転停止中であって入出庫中(入庫中又は出庫中)の場合には、原則として、入庫又は出庫を行っている利用者に復旧権限が与えられる。また、非常停止ボタン48が押された後の所定のタイミング(後述する、タイマの起動)から所定期間(一例として、5分)経過後においては、予め登録されている利用者、管理人、保守員に復旧権限が与えられる。予め登録されている利用者には、入出庫を行っている利用者も含まれる。予め登録されている利用者とは、当該機械式駐車装置1の使用が許可されている利用者であり、総合データベース52に認証情報(利用者ID)が登録されている人物である。
【0058】
復旧操作許可部84は、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する。例えば、復旧操作許可部84は、認証が成功した場合に、操作盤22のタッチパネル45からの入力操作が可能な操作許可状態とする。
復旧部85は、認証が成功した後に、所定の復旧操作が行われた場合に、復旧処理を実行する。復旧部85は、例えば、非常停止ボタン48が解除され、乗降室内の安全が確認され、かつ、リセットボタンが押下された場合に、非常停止とされていた運転ロック状態を解除する。
【0059】
通知部86は、非常停止ボタン48が操作された場合に、予め登録されている所定のタイミングで管理人や保守員に非常停止ボタン48が操作された旨の通知を行う。通知部86は、例えば、機械機構の運転中に非常停止ボタン48が操作された場合に、保守員に対して通知を行う。また、通知部86は、機械機構の運転停止中であって、入出庫中の場合には、所定のタイミングで管理者又は保守員に通知する。また、通知部86は、機械機構の運転停止中であって入出庫中でもない場合には、所定のタイミングで管理人に通知する。なお、通知される人物や、通知タイミングは一例であり、これに限られない。例えば、通知は、常に管理人と保守員になされてもよい。また、非常停止ボタン48が押下された場合、及び非常停止ボタン48が解除された場合に、管理人と保守員に通知を行うこととしてもよい。
【0060】
〔入庫処理〕
次に、本実施形態に係る非常停止復旧処理を説明する前に、一般的な入庫の流れについて説明する。
図8~
図9は、制御装置40によって実行される入庫処理の手順の一例を示したフローチャートである。
【0061】
まず入庫を行う場合、利用者は車両2を入出庫口3の前に移動させ、降車して、操作盤22に向かう。そして、専用の鍵で施錠を解錠し筐体43の蓋44を開ける。制御装置40は、蓋44が開いたことを検知すると(
図8のSA1)、操作盤22のタッチパネル45に第1のユーザ認証画面を表示させる(SA2)。
【0062】
利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させると、ICカードに登録されている利用者ID(第1認証情報)が読み取られ、制御装置40に送信される。制御装置40は、利用者IDが入力されると(SA3)、入庫を行おうとしている人物が予め登録された利用者であるか否かを判定する第1のユーザ認証(第1認証)を行う(SA4)。具体的には、制御装置40は総合データベース52にアクセスし、入力された利用者IDが登録されているか否かを判定する。この結果、第1のユーザ認証が成功しなかった場合には(SA5:NO)、ステップSA2に戻り、第1のユーザ認証画面を表示させる(SA2)。
【0063】
一方、第1のユーザ認証が成功した場合(SA5:YES)、すなわち、利用者IDが総合データベース52に登録されている場合には、操作盤22のタッチパネル45からの入力操作が可能な操作許可状態とし、第1のユーザ認証が成功した利用者IDを記憶部41に記憶する(SA6)。続いて、制御装置40は、操作盤22のタッチパネル45に入庫起動確認画面を表示させる(SA7)。
【0064】
入庫起動確認画面において、起動ボタンが押下されると(SA8)、制御装置40は、出入口扉4及び機械機構(リフト14、受渡機構、ターンテーブル等)の運転が可能な運転許可状態とし(SA9)、車両格納棚17から空パレットを呼び出すパレット呼出処理を行う(SA10)。また、このとき、タッチパネル45に入庫待ちの状態を示す入庫待ち確認画面を表示してもよい。
【0065】
次に、空パレットが乗降室7に到着すると、制御装置40は、出入口扉4を開く開扉処理を行う(SA11)。そして、出入口扉4が完全に開くと、制御装置40は、出入口扉4及び機械機構の運転をロックする運転ロック状態とする(
図9のSA12)。
【0066】
続いて、制御装置40は利用者に対して入庫を促す入庫案内画面をタッチパネル45に表示させ(SA13)、更に、操作盤22のタッチパネル45からの入力を受け付けない操作ロック状態とする。これにより、利用者が操作盤22の前を離れている間における第三者によるタッチパネル45からの入力を阻止することが可能となる。
【0067】
入庫案内画面を確認した利用者は車両2に乗り込み、車両2を乗降室内に移動させ、乗降室内に搬送された空パレットに車両2を載置させると降車し、乗降室7から退出して、操作盤22に戻る。続いて、主制御部50は、操作盤22のタッチパネル45に第2のユーザ認証画面を表示させる(SA14)。
【0068】
これにより、利用者がICカードをICカードリーダ46に接触させ、利用者ID(第2認証情報)が入力されると(SA15)、制御装置40は、第2のユーザ認証を行う(SA16)。この第2のユーザ認証は、第1のユーザ認証(
図8のSA4)と同様である。この結果、第2のユーザ認証に失敗した場合には(SA17:NO)、ステップSA14に戻り、第2のユーザ認証画面を再び表示させる。このとき、認証に失敗した旨を通知することとしてもよい。
【0069】
一方、第2の認証処理が成功すると(SA17:YES)、制御装置40は、照合処理を行う(SA18)。すなわち、第1のユーザ認証で入力された利用者ID(第1認証情報)と第2のユーザ認証で入力された利用者ID(第2認証情報)とが同一又は所定の関係を有するか否かを判定することにより、同一人物か否かを判定する。この結果、照合処理に失敗した場合には(SA18:NO)、ステップSA14に戻る。一方、照合処理に成功した場合には(SA18:YES)、出入口扉4を閉じる閉扉処理を行う(SA19)。そして、出入口扉4が完全に閉まったことが検知されると、パレット上に載置された車両2を格納棚に格納する格納処理を開始し(SA20)、記憶部41に記憶していた利用者IDを消去して(SA21)、入庫処理を終了する。
【0070】
〔出庫処理〕
なお、出庫処理についても同様の処理手順で行われる。すなわち、出庫処理については、
図8のステップSA7における入庫起動確認画面が出庫起動確認画面となり、空パレットに代えて車両が載置されたパレットが乗降室7に搬送される点、出入口扉4が全開した後に、利用者が乗降室7に移動し、車両に乗り込んで乗降室から退出する点、
図9のステップSA20で行われる格納処理において空パレットを格納する点が異なり、他の処理については同様である。また、出庫処理についても公知の技術を採用すればよく、ここでの詳細な説明は省略する。
【0071】
〔非常停止復旧処理〕
次に、本実施形態に係る制御装置40によって実行される非常停止復旧処理について
図10~
図12を参照して説明する。
図10~
図12は、本実施形態に係る非常停止復旧処理の手順の一例を示したフローチャートである。本処理は、非常停止ボタン48が押下された場合に実行される処理である。
なお、機械機構及び出入口扉4は、非常停止ボタンが押下されたことにより、運転ロック状態とされる。また、非常停止ボタンが押下された場合には、カメラ35、49により、非常停止ボタンを押下した人物の画像が取得される。
【0072】
まず、制御装置40は、非常停止ボタン48が押下されたときに、機械機構の運転中であったか否かを判定する(SB1)。例えば、
図8のステップSA10におけるパレット呼出処理の実行中、
図9のステップSA20における格納処理の実行中などが該当する。機械機構の運転中であると判定した場合には(SB1:YES)、制御装置40は、保守員呼出画面をタッチパネル45に表示するとともに(SB2)、保守員に対して非常停止発生の旨を通知し(SB3)、本処理を終了する。
【0073】
図13に保守員呼出画面の一例を示す。保守員呼出画面では、非常停止が発生した旨と保守員による復旧作業が必要である旨を通知する。なお、保守員による復旧作業については、従来と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0074】
一方、非常停止ボタンが押下されたときに、機械機構の運転が行われていなかった場合(SB1:NO)には、制御装置40は、入庫中又は出庫中に非常停止ボタン48が押下されたか否かを判定する(SB4)。
【0075】
この結果、入庫中又は出庫中に非常停止ボタン48が押下された場合には(SB4:YES)、復旧権限情報(
図7参照)に基づいて、入出庫中の利用者を認証対象として設定する(SB5)。
【0076】
続いて、制御装置40は、タッチパネル45に認証画面を表示させる(SB6)。
図14に認証画面の一例を示す。認証画面では、非常停止ボタンが押下されたことを通知するメッセージが表示されるとともに、利用者IDの入力を促すメッセージが表示される。
【0077】
続いて、制御装置40はタイマを起動し(SB7)、所定時間が経過したか否かを判定する(SB8)。この結果、所定時間が経過していなければ(SB8:NO)、利用者IDが入力されたか否かを判定する(SB9)。この結果、利用者IDが入力された場合には(SB9:YES)、入力された利用者IDに基づいて認証を行う。すなわち、利用者IDが入出庫中の利用者ID(記憶部41に記憶されている利用者ID)と一致するか否かを判定する。この結果、認証に失敗した場合には(SB11:NO)、ステップSB8に戻る。一方、ステップSB11において、認証に成功した場合には(SB11:YES)、タイマをリセットし(SB12)、
図12のステップSB18に移行する。
【0078】
一方、ステップSB4において、入庫中又は出庫中でないと判定された場合(SB4:NO)、又は、ステップSB8において所定時間経過したと判定された場合(SB8:YES)には、
図11のステップSB13に移行する。ステップSB13では、復旧権限情報(
図7参照)に基づいて、予め登録されている利用者、管理人、保守員を認証対象として設定する(SB13)。
【0079】
例えば、入庫中又は出庫中でない場合には、誰も入出庫を行っていない状態であるから当該機械式駐車装置の使用を許可されている人物、換言すると、総合データベース52に認証情報が登録されている利用者、管理人、保守員に復旧権限が与えられる。
【0080】
また、
図10のステップSB8において、所定時間内に復旧権限を有する利用者IDが入力されなかった場合には、入庫中又は出庫中の利用者が立ち去ってしまった可能性がある。このような場合には、速やかに復旧が行えるように、入庫中又は出庫中の利用者だけでなく、当該機械式駐車装置1の使用を許可されている利用者、管理人、保守員にも復旧権限を与えることとしている。
【0081】
このようにして、認証対象が設定されると、続いて、管理人に非常停止ボタンが押下された旨を通知する(SB14)。これは、例えば、夜間などに悪戯で非常停止ボタン48が操作された場合など、機械式駐車装置1の近傍に復旧権限を有する人物がいない場合でも、管理人が速やかに復旧作業を行えるようにするためである。
【0082】
続いて、制御装置40は、タッチパネル45に認証画面を表示させる(SB15)。この認証画面は、
図10のステップSB6と同様である(
図14参照)。続いて、利用者IDが入力されるまで待機状態となる(SB16:NO)。そして、利用者IDが入力されると(SB16:YES)、入力された利用者IDに基づいて認証を行う。すなわち、入力された利用者IDが認証対象の利用者IDと一致するか否かを判定する。この結果、認証に失敗した場合には(SB17:NO)、ステップSB16に戻る。一方、ステップSB17において、認証に成功した場合には(SB17:YES)、
図12のステップSB18に移行する。
【0083】
図12のステップSB18において、制御装置40は、非常停止ボタン解除画面を表示させる(SB18)。
図15は、非常停止ボタン解除画面の一例を示した図である。ここで、非常停止ボタン48は、一度押下されるとその状態が維持される機構とされている。したがって、非常停止ボタン解除画面では、例えば、「非常停止ボタンを右に回して解除してください」といったように、非常停止ボタン48の解除方法を示すメッセージが表示される。
【0084】
利用者は、このガイダンスに従って非常停止ボタン48を解除する。このとき、乗降室内の非常停止ボタン48が押下されていた場合には、利用者は乗降室7に入り、内部入力部26の非常停止ボタン48を解除し、操作盤22の前に再び戻ることとなる。ここで、制御装置40は、解除が必要となる非常停止ボタン48の位置を非常停止ボタン解除画面に表示することとしてもよい。例えば、
図2に示すように、乗降室7内には、複数の内部入力部26が設けられているため、そのうちのどれを解除すればよいのかを示すことにより、解除の作業効率を向上させることが可能となる。
【0085】
利用者によって非常停止ボタン48が解除されると(SB19)、制御装置40は、タッチパネル45に安全確認画面を表示させる(SB20)。
図16は、安全確認画面の一例を示した図である。安全確認画面には、場内の安全確認を促すメッセージと確認ボタンが表示される。制御装置40は、場内の様子がわかるように場内の照明を点灯するとともに、カメラ35によって撮像された画像をモニタ28に表示させる。利用者は、モニタ28を確認することによって場内の安全を確認すると、安全確認ボタンを押下する。このように、照明を点灯するとともに、場内の様子をモニタ28に映し出すことにより、出入口扉4が閉まっている場合であっても、出入口扉4を開けることなく場内の確認を行うことが可能となる。
【0086】
安全確認ボタンが押下されると(SB21)、制御装置40は、タッチパネル45にリセット画面を表示させる(SB22)。
図17は、リセット画面の一例を示した図である。リセット画面には、場内の安全確認を促すメッセージと、復旧処理を指示するためのリセットボタンが表示される。利用者は、モニタ28を確認することにより場内の安全を再度確認し、リセットボタンを押下する。
【0087】
リセットボタンが押下されると(SB23)、制御装置40は、内部検知センサ30及び入退出検知センサ32のセンサ信号に基づいて乗降室内の無人を確認する(SB24)。この結果、乗降室内の無人が確認できない場合(SB24:NO)、すなわち、いずれかのセンサによって人等が検知されている場合には、ステップSB20に戻る。一方、乗降室内の無人が確認できた場合には(SB24:YES)、制御装置40は、非常停止状態から復旧させる復旧処理を実行し(SB25)、当該処理を終了する。復旧処理では、例えば、内部検知センサ30及び入退出検知センサ32のセンサ信号に基づいて無人を判定した上で、機械機構の運転ロックを解除が行われる。
【0088】
そして、例えば、入庫処理中に非常停止ボタン48が操作された場合には、入庫処理に戻る。例えば、出入口扉4が閉じている場合には、第1のユーザ認証からやり直すようなガイダンスが行われる。すなわち、操作盤22のタッチパネルには、第1のユーザ認証画面が表示され、
図8のステップSA2から処理が再開される。一方、出入口扉4が開いている場合には、第2のユーザ認証からやり直すようなガイダンスが行われる。すなわち、操作盤22のタッチパネルには、第2のユーザ認証画面が表示され、
図9のステップSA14から処理が再開される。
また、同様に、出庫処理中に非常停止ボタン48が操作された場合には、出庫処理に戻る。この場合の出庫処理も入庫処理のときと同様である。
【0089】
以上、説明してきたように、本実施形態に係る機械式駐車装置1及びその制御方法並びにプログラムによれば、以下の作用効果を奏する。
【0090】
非常停止ボタン48が押下された場合の復旧操作を利用者が行うことができるので、速やかに復旧を行うことが可能となる。更に、復旧操作を行う前に認証を行い、復旧権限を有する利用者に限って復旧操作を許可するため、安全性を高めることが可能となる。
【0091】
以上、本開示について、上記実施形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。開示の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
一例として、以下の変形例が挙げられる。
【0092】
出入口扉4として上方開きの扉を例示して説明したがこれに限られない。例えば、出入口扉4は、水平開きであってもよいし、下方開き(地面に格納されるタイプ)であってもよい。
【0093】
また、上述した実施形態では、エレベータ式のタワー型機械式駐車装置を例示したがこの例に限定されない。例えば、
図18に示すように、二多段式の機械式駐車装置の場合には、各乗降室に対応して設けられた複数のゲート(出入口扉)4a~4cの両側に無人確認を入力するための入力部M1~M4を設ける。なお、
図18では、入力部M4が操作盤100に設けられている場合を例示している。そして、上述した安全確認ボタンの押下(
図12のSB21)において、場内の安全を確認した上で利用者が入力部M1~M4を押下するような態様としてもよい。
【0094】
また、上述した各実施形態においては、制御装置40によって操作盤22が制御される場合を例示したが、この例に限られず、例えば、操作盤22に操作盤制御装置を設け、操作盤制御装置と制御装置40との情報のやり取りによって、上述の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、例えば、制御装置40が行っていた認証情報(利用者ID)の格納処理や照合処理を操作盤22に設けられている操作盤制御装置に実行させることとしてもよい。すなわち、上記入庫処理、出庫処理、非常停止復旧処理を実現させるための具体的な制御系に関する装置構成については、上述した構成に限定されず、公知の技術を参酌し、様々な構成を実現し得る。
【0095】
また、上記実施形態で説明した入庫処理、出庫処理、非常停止復旧処理の流れは一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることが可能である。
【0096】
例えば、入庫処理、出庫処理は一例であり、公知の入庫処理、出庫処理を適宜採用することが可能である。例えば、利用者による各種ボタンの押下を適宜省略又は追加したり、安全確認のためのボタン押下を適宜追加したりすることが可能である。
【0097】
以上説明した各実施形態に記載の機械式駐車装置及びその制御方法並びにプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0098】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、非常停止ボタン(48)を備える機械式駐車装置であって、入庫中又は出庫中において前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得手段(81)と、前記認証情報に基づいて、入庫又は出庫を行っている利用者を認証する認証手段(83)と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧操作許可手段(84)とを備える。
【0099】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、入庫中又は出庫中において非常停止ボタンが操作された場合には、入庫又は出庫を行っていた利用者であることが認証された上で、復旧操作が許可される。これにより、安全性を確保しながら速やかに非常停止状態から復旧させることが可能となる。
【0100】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記非常停止ボタンが操作されたとき以降の所定のタイミングから所定期間が経過した場合に、前記認証手段は、前記認証情報に基づいて、前記機械式駐車装置の使用が許可されている利用者を認証することとしてもよい。
【0101】
本開示に係る機械式駐車装置(1)によれば、入庫中又は出庫中において非常停止ボタンが操作された場合に、非常停止ボタンが操作されたとき以降の所定のタイミングから所定期間が経過した場合に、入庫又は出庫を行っていた利用者だけでなく、当該機械式駐車装置の使用が許可されている利用者であることを認証した上で、復旧操作を許可する。これにより、入出庫を行っている利用者が立ち去ってしまった後でも安全性を確保しながら速やかに非常停止状態から復旧させることが可能となる。
【0102】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、前記非常停止ボタンが操作された場合に、所定のタイミングで、管理者又は保守員に非常停止ボタンが操作された旨の通知を行う通知手段(86)を備えていてもよい。
【0103】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、管理人又保守員は、速やかに現場に赴き復旧操作を行うことが可能となる。
【0104】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置であって、入庫中でも出庫中でもなく、かつ、機械機構が停止している状態において、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得手段と、前記認証情報に基づいて、前記機械式駐車装置の使用が許可されている利用者を認証する認証手段と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧操作許可手段とを備える。
【0105】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、入庫中でも出庫中でもなく、かつ、機械機構が停止している状態では、当該機械式駐車装置の使用が許可されている利用者であることが認証された上で、復旧操作が許可される。これにより、安全性を確保しながら、速やかに非常停止状態から復旧させることが可能となる。
【0106】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置であって、前記非常停止ボタンが操作された場合に、運転状態を判定する運転状態判定手段(82)と、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する認証情報取得手段(81)と、運転状態と復旧権限を有する人物を認証するための情報とが関連付けられた復旧権限情報と、前記運転状態判定手段に判定された運転状態とを用いて、前記認証情報を入力した人物が復旧権限を有するか否かを判定する認証手段(83)と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する復旧操作許可手段(84)とを備える。
【0107】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、非常停止ボタンが押下された場合には、非常停止ボタンが押下されたときの運転状態に応じて復旧権限が付与される。そして、復旧権限を有する人物に限って復旧操作を許可する。これにより、安全性を確保しながら、速やかに非常停止から復旧させることが可能となる。
【0108】
本開示に係る機械式駐車装置(1)において、前記運転状態は、機械機構の運転中、前記機械機構の運転停止中であって入庫中又は出庫中、前記機械機構の運転停止中であって入出庫中でもない状態の少なくともいずれか一つを含んでいてもよい。
【0109】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、機械機構の運転中、機械機構の運転停止中であって入庫中又は出庫中、機械機構の運転停止中であって入出庫中でもない状態のそれぞれについて復旧権限が設定される。
【0110】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、前記認証が成功した後に、前記非常停止ボタンが解除された場合に、復旧処理を実行する復旧手段(85)を備えていてもよい。
【0111】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、認証が成功した人物によって非常停止ボタンが解除した場合に、復旧処理が実行されることとなる。
【0112】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、前記認証が成功した後に、前記非常停止ボタンが解除され、かつ、乗降室内の安全が確認された場合に、復旧処理を実行する復旧手段を備えていてもよい。
【0113】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、認証が成功した人物によって非常停止ボタンが解除され、かつ、乗降室内の安全が確認された場合に、復旧処理が実行されることとなる。
【0114】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、前記認証が成功した後に、前記非常停止ボタンが解除され、乗降室内の安全が確認され、かつ、リセットボタンが押下された場合に、復旧処理を実行する復旧手段を備えていてもよい。
【0115】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、認証が成功した人物によって非常停止ボタンが解除され、乗降室内の安全が確認され、かつ、リセットボタンが押下された場合に、復旧処理が実行されることとなる。
【0116】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、前記非常停止ボタンを操作した人物を撮像可能な撮像手段を備え、前記撮像手段は、前記非常停止ボタンが操作された場合に撮像を行うこととしてもよい。
【0117】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、非常停止ボタンが操作された人物の画像が取得されるので、非常停止ボタンを押下した人物を特定することが可能となる。
【0118】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、複数の前記非常停止ボタンを備え、少なくとも1つの前記非常停止ボタンが乗降室内に設けられていてもよい。
【0119】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、乗降室内からでも非常停止をさせることが可能となる。
【0120】
本開示に係る機械式駐車装置(1)は、押下された前記非常停止ボタンの位置を報知する報知手段を備えてもよい。
【0121】
本開示に係る機械式駐車装置によれば、押下された非常停止の位置を通知するので、非常停止ボタンの解除する際の作業効率を向上させることができる。
【0122】
本開示に係る機械式駐車装置(1)の制御方法は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置の制御方法であって、入庫中又は出庫中において前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する工程と、前記認証情報に基づいて、入庫又は出庫を行っている利用者を認証する工程と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する工程とをコンピュータが実行する。
【0123】
本開示に係る機械式駐車装置(1)の制御方法は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置の制御方法であって、入庫中でも出庫中でもなく、かつ、機械機構が停止している状態において、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する工程と、前記認証情報に基づいて、前記機械式駐車装置の使用が許可されている利用者を認証する工程と、認証が成功した場合に、復旧操作を許可する工程とをコンピュータが実行する。
【0124】
本開示に係る機械式駐車装置(1)の制御方法は、非常停止ボタンを備える機械式駐車装置の制御方法であって、前記非常停止ボタンが操作された場合に、運転状態を判定する工程と、前記非常停止ボタンが操作された場合に、認証情報を取得する工程と、運転状態と復旧権限を有する人物を認証するための情報とが関連付けられた復旧権限情報と、前記非常停止ボタンが操作されたときの運転状態とを用いて、前記認証情報を入力した人物が復旧権限を有するか否かを判定する工程と、復旧権限を有すると判定した場合に、復旧操作を許可する工程とをコンピュータが実行する。
【0125】
本開示に係る機械式駐車装置(1)のプログラムは、上記機械式駐車装置の制御方法をコンピュータが実行するための機械式駐車装置のプログラムである。
【符号の説明】
【0126】
1 :機械式駐車装置
2 :車両
3 :入出庫口
4 :出入口扉
5 :駐車塔
7 :乗降室
14 :リフト(機械機構)
17 :車両格納棚
18 :パレット
22 :操作盤
26 :内部入力部
28 :モニタ
30 :内部検知センサ
32 :入退出検知センサ
35 :カメラ(撮像手段)
35A :カメラ
35B :カメラ
35C :カメラ
35D :カメラ
40 :制御装置
41 :記憶部
45 :タッチパネル
46 :ICカードリーダ
47 :スピーカ
48 :非常停止ボタン
49 :カメラ(撮像手段)
50 :主制御部
52 :総合データベース
55 :出入口扉制御部
56 :搬送機制御部
57 :センサ制御部
58 :カメラ制御部
59 :画像データベース
61 :車両計測制御部
62 :旋回駆動制御部
67 :出入口扉センサ
68 :搬送機位置センサ
69 :車両計測器
81 :認証情報取得部(認証情報取得手段)
82 :運転状態判定部(運転状態判定手段)
83 :認証部(認証手段)
84 :復旧操作許可部(復旧操作許可手段)
85 :復旧部(復旧手段)
86 :通知部(通知手段)