(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010689
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】インピーダンス整合フィルタを有する高周波アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01P 5/02 20060101AFI20230113BHJP
H01P 1/208 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
H01P5/02 601A
H01P1/208
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022110530
(22)【出願日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】10 2021 117 730.8
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】514058751
【氏名又は名称】テザト-スペースコム・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・アルノルト
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン・ファルク
(72)【発明者】
【氏名】マリア・ヴォホナー
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン・バルツ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・グラスブレナー
【テーマコード(参考)】
5J006
【Fターム(参考)】
5J006HC01
5J006HC03
5J006LA07
5J006PB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】効率を改善することができるインピーダンス整合フィルタを有する高周波アセンブリを提供する。
【解決手段】高周波アセンブリ10は、半導体増幅器出力部22の形態の信号源20と、インピーダンス整合フィルタ30と、高周波導波路50と、を含む。インピーダンス整合フィルタ30は、入力側で半導体増幅器出力部22に、且つ、出力側で高周波導波路50に接続される。インピーダンス整合フィルタ30は、出力側のインピーダンス値と異なる入力側のインピーダンス値を有し、入力側で半導体増幅器出力部22に整合され、且つ、出力側で高周波導波路50に整合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波アセンブリ、RFアセンブリ(10)であって、
半導体増幅器出力部(22)を有する信号源(20)と、
第1のインターフェース(31)及び第2のインターフェース(39)を有するインピーダンス整合フィルタ(30)と、
高周波導波路、RF導波路(50)と
を有し、
前記第1のインターフェース(31)は、高周波信号、RF信号を前記信号源(20)から前記インピーダンス整合フィルタ(30)に伝送することができるように前記信号源(20)に通信可能に結合され、
前記第2のインターフェース(39)は、RF信号を前記インピーダンス整合フィルタ(30)から前記RF導波路(50)に伝送することができるように前記RF導波路(50)に通信可能に結合され、
前記第1のインターフェース(31)における第1のインピーダンス値は、前記半導体増幅器出力部(22)におけるインピーダンス値に対応し、
前記第2のインターフェース(39)における第2のインピーダンス値は、前記RF導波路(50)におけるインピーダンス値に対応し、
前記第1のインピーダンス値及び前記第2のインピーダンス値は、異なる値を有する、高周波アセンブリ、RFアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記半導体増幅器出力部(22)は、前記RF導波路(50)よりも低いインピーダンス値を有する、請求項1に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記インピーダンス整合フィルタ(30)は、少なくとも1つ共振器(32)及び/又は少なくとも1つの窓(34)を有する中空導波路として構成される、請求項1又は2に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記インピーダンス整合フィルタ(30)は、前記インピーダンス整合フィルタ(30)における信号伝播方向(36)に沿って並べて配置される複数の共振器(32)及び/又は複数の窓(34)を有する、請求項3に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記信号伝播方向(36)に沿って並べて配置された前記複数の共振器(32)は、前記信号伝播方向(36)に沿ってそれらの幾何学的形状に関して互いに異なる、請求項4に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記インピーダンス整合フィルタ(30)は、1つの隆起(80)を有する中空導波路として構成される、請求項1又は2に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記1つの隆起(80)は、異なる幾何学的形状を有する複数の隆起セクション(80A、80B、80C)を有する、請求項6に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項8】
ベースプレート(28)をさらに有し、
前記半導体増幅器出力部(22)は、前記ベースプレート(28)上に配置され、且つ1つ又は複数のライン(23、24)を介して前記ベースプレート(28)上の伝送経路(25)に直流的に結合され、
前記伝送経路(25)は、前記第1のインターフェース(31)に対向して位置付けられ、且つ高周波信号を前記第1のインターフェース(31)に容量的に結合するために配置された容量結合素子(26)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項9】
電源(60)をさらに有し、前記電源(60)は、前記伝送経路(25)に直流的に結合され、及び直流、DCの形態のエネルギー供給を前記伝送経路に送り、且つ前記エネルギー供給を、前記1つ又は複数のライン(23、24)を介して前記半導体増幅器出力部に提供するために具現化される、請求項8に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項10】
前記電源(60)は、前記伝送経路(25)上の高周波信号について非伝送性であるように構成されたDCフィルタ(61)を有する、請求項9に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項11】
前記インピーダンス整合フィルタの前記第1のインターフェース(31)に容量的に結合された複数の半導体増幅器出力部(22A、22B、22C、22D)を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項12】
複数のインピーダンス整合フィルタ(30)であって、そのそれぞれは、少なくとも1つの半導体増幅器出力部(22)に結合される、複数のインピーダンス整合フィルタ(30)を有し、
前記複数のインピーダンス整合フィルタ(30)は、単一のRF導波路(50)に結合される、請求項1~11のいずれか一項に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項13】
前記RF導波路(50)は、中空導波路、隆起中空導波路又は同軸導体である、請求項1~12のいずれか一項に記載のRFアセンブリ(10)。
【請求項14】
アンテナ装置(100)であって、
アンテナ(2)と、
請求項1~13のいずれか一項に記載の複数のRFアセンブリ(10)と
を有し、前記複数のRFアセンブリ(10)は、有用な信号を前記アンテナに伝送するために前記アンテナに接続される、アンテナ装置(100)。
【請求項15】
請求項14に記載のアンテナ装置(100)を有する通信衛星(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、高周波技術に関する。特に、本記載は、異なるインピーダンスを有する2つの構成要素間に配置されたインピーダンス整合フィルタを有する高周波アセンブリに関する。さらに、本記載は、1つ又は複数のそのような高周波アセンブリを有するアンテナ装置であって、高周波アセンブリは、例えば、通信装置又はデータ伝送リンク、特に衛星伝送リンク又は衛星無線伝送リンクの一部として使用され得る、アンテナ装置に関する。最後であるが、重要なことに、本記載は、そのようなアンテナ装置を有する衛星に関する。
【背景技術】
【0002】
送信局から受信局に信号及びデータを伝送するために、高周波技術分野のシステムが使用される。高周波技術は、好ましくは、データを長距離(最大数百キロメートル又は数千キロメートル)伝送する必要がある場合に使用される。
【0003】
信号は、エアインターフェース(例えば、アンテナ)に送られる前に、例えば処理、増幅、調整が必要な場合がある。高周波技術は、例えば、通信衛星で通信信号の増幅、合成、フィルタリングのために使用される。
【0004】
高周波システムは、多くの場合、個々のモジュール(LNAとも呼ばれる低雑音増幅器、フィルタ、カプラ、アイソレータ、プリアンプ、電力増幅器等)が互いに接続されて構成される。直接接続される2つのモジュール間の接続には、多くの場合、整合が必要となる。電力整合は、通常、互いに接続されたモジュールのインピーダンスが互いに整合されることによって行われる。
【0005】
(特許文献1)及び(特許文献2)は、高周波帯域で採用され、特に通信衛星に使用を見出す信号伝送ユニットを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2 775 612 A1号明細書
【特許文献2】米国特許第9,530,604 B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
対処される問題は、高周波アセンブリの効率を改善することと考えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この問題は、独立請求項の主題によって解決される。さらなる実施形態は、従属請求項及びまた以下の記載から明らかになる。
【0009】
一態様によれば、RFアセンブリとも呼ばれる高周波アセンブリが特定される。RFアセンブリは、信号源と、インピーダンス整合フィルタと、RF導波路とも呼ばれる高周波導波路とを有する。信号源は、半導体増幅器出力部を有する。インピーダンス整合フィルタは、第1のインターフェース及び第2のインターフェースを有する。第1のインターフェースは、高周波信号、RF信号を信号源からインピーダンス整合フィルタに伝送することができるように信号源に通信可能に結合される。第2のインターフェースは、RF信号をインピーダンス整合フィルタからRF導波路に伝送することができるようにRF導波路に通信可能に結合される。第1のインターフェースにおける第1のインピーダンス値は、半導体増幅器出力部におけるインピーダンス値に対応する(半導体増幅器の出力部のこの最適なインピーダンスは、一般に、複合的に評価され、すなわち大きさ及び位相からなる)。第2のインターフェースにおける第2のインピーダンス値は、RF導波路におけるインピーダンス値に対応する。第1のインピーダンス値及び第2のインピーダンス値は、異なる値を有する。
【0010】
換言すると、インピーダンス整合フィルタは、出力側における(RF導波路に対するインターフェースにおける)インピーダンス値と異なる入力側における(半導体増幅器出力部に対するインターフェースにおける)インピーダンス値を有し、所望の動作状況(最大効率、最大利得、最大直線性、最大出力)のための最適なインピーダンスが半導体増幅器出力部に呈されるように入力側で設計され、且つ出力側で高周波導波路に整合され、ここで、特に最適な効率のための電源整合について言及される。その結果、そのフィルタ機能に加えて、インピーダンス整合フィルタは、個々に接続された構成要素に対する整合も実行するために、半導体増幅器出力部と高周波導波路との間の別個の整合回路が必要ない。同様に、フィルタは、中空導波路出力部を有するため、専用の中空導波路接合部が必要ない。さらに、インピーダンス整合フィルタは、容量入力結合を有するため、DC遮断のための専用遮断コンデンサ(DC成分をRF信号から除去するため)を省くことができる。
【0011】
半導体増幅器出力部は、インピーダンス整合フィルタに供給されるRF信号を出力する半導体構成要素、例えばトランジスタである。
【0012】
インピーダンス整合フィルタは、2つの機能を有する。第1の機能は、インピーダンス整合フィルタが周波数フィルタの機能を満たし、例えば帯域フィルタとして機能することである。第2の機能は、インピーダンス整合フィルタがその第1のインターフェースで半導体増幅器出力部のインピーダンスに整合され、第2のインターフェースでRF導波路のインピーダンスに整合されることである。この整合は、好ましくは、電力整合であり、すなわち、第1のインターフェースのインピーダンス値は、増幅器出力部のインピーダンス値に対応し、第2のインターフェースのインピーダンス値は、RF導波路のインピーダンス値に対応する。
【0013】
その結果、必要なインピーダンス整合の結果としての電力損失が低減される。なぜなら、中空導波路技術を使用するインピーダンス整合フィルタは、例えば、電力増幅基体又はPCBで実現されるマイクロストリップ整合構造よりも大幅に低い損失を有するからである。さらに、RFアセンブリのこの構造は、別個の整合回路を省くことを可能にする。むしろ、整合は、インピーダンス整合フィルタで実行される。構成要素の数が低減され、これによりエネルギー需要及び熱負荷の両方が低減される。全体的に、電力効果(RFアセンブリに関する出力電力対入力電力の比としての)は、ここに記載の構造によって改善される。本明細書で考察されるインピーダンス値は、好ましくは、複合的な値であり、それぞれRFアセンブリのそれぞれの位置における大きさ及び位相に関連する。さらに、フィルタは、フィルタと増幅器との間の機械的な接続に必要な構造(例えば、ワイヤバンド、マイクロストリップライン)の補償を可能にするように設計される。
【0014】
第1のインターフェースと信号源との間及び第2のインターフェースとRF導波路との間のそれぞれの通信結合は、これらの2つの結合が電気的及び/又は電磁的な信号を伝送することができるように構成される。これは、必ずしも上述の構成要素間に直流的な電気伝導性接続が存在することを前提としない。むしろ、信号、特に高周波信号は、容量結合を介して伝送することができる。容量結合は、RF経路の専用遮断コンデンサを省くことを可能にし、したがって同様にコンデンサによって引き起こされるその部分によるRF損失を低減する。
【0015】
一実施形態によれば、半導体増幅器出力部は、RF導波路よりも低いインピーダンス値を有する。
【0016】
半導体増幅器出力部は、例えば、トランジスタの形態であり、典型的には10~30オームの実際のインピーダンス値を有する。対照的に、同軸ライン又は中空導波路の形態のRF導波路は、典型的には、約50オーム以上の実際のインピーダンス値を有する。
【0017】
インピーダンス整合フィルタは、異なるインピーダンス値を有するこれらの構成要素間の整合を達成する。
【0018】
さらなる実施形態によれば、インピーダンス整合フィルタは、少なくとも1つ共振器及び/又は少なくとも1つの窓を有する中空導波路として構成される。
【0019】
インピーダンス整合フィルタは、好ましくは、中空導波路技術を用いて構成される。したがって、それは、高い効率又は低い損失によって特徴付けられ、その結果、RFアセンブリの電力効率が全体的により優れたものになる。
【0020】
共振器及び/又は窓は、インピーダンス整合フィルタの構成要素であり、その構造及び構成により、インピーダンス整合フィルタのフィルタ機能及び特徴的なインピーダンスに影響を及ぼす。
【0021】
さらなる実施形態によれば、インピーダンス整合フィルタは、インピーダンス整合フィルタにおける信号伝播方向に沿って並べて配置される複数の共振器及び/又は複数の窓を有する。
【0022】
並べて配置され、互いに間隔をあけられた複数の共振器及び/又は窓は、インピーダンス整合フィルタのインピーダンスの整合を提供し、またフィルタ機能を実行する役割を果たす。
【0023】
好ましくは、窓は、それぞれ並べて配置された2つの共振器間に配置され、窓は、インピーダンス整合フィルタの断面狭窄部に対応する。
【0024】
さらなる実施形態によれば、信号伝播方向に沿って並べて配置された複数の共振器は、信号伝播方向に沿ってそれらの幾何学的形状に関して互いに異なる。
【0025】
これは、共振器が異なる延在及び/又は形状を有することを意味する。例として、並べて配置された共振器は、異なる高さ、材料、厚さ及び/又は形状を有し得る。これは、一方では増幅器出力部の、及び他方ではRF導波路のインピーダンス値に対する整合を達成する。
【0026】
共振器は、少なくとも2つの共振器が異なる幾何学的形状を有するように構成される。しかしながら、各共振器は、インピーダンス整合フィルタ中で一度のみ出現する幾何学的形状(大きさ、形状等)を有することも考えられる。
【0027】
さらなる実施形態によれば、インピーダンス整合フィルタは、1つの隆起を有する又は隆起を有さない中空導波路として構成される。
【0028】
さらなる実施形態によれば、前記1つの隆起は、複数の隆起セクションを有し、隆起セクションは、異なる幾何学的形状を有する。
【0029】
隆起セクションは、信号伝播方向に並べて配置される。特に、隆起は、互いに直接隣り合うように配置される。隆起セクションは、例えば、異なる高さ及び/又は幅を有する。並べて配置された複数の異なる構成の隆起セクションは、異なる構成の隆起セクションが異なる特性のインピーダンスを有するため、インピーダンス整合フィルタのインピーダンスの整合を提供する。
【0030】
さらなる実施形態によれば、RFアセンブリは、ベースプレートをさらに有し、半導体増幅器出力部は、ベースプレート上に配置され、且つ1つ又は複数のラインを介してベースプレート上の伝送経路に直流的に結合される。伝送経路は、第1のインターフェースに対向して位置付けられ、且つ高周波信号を第1のインターフェースに容量的に結合するために配置された容量結合素子を有する。
【0031】
容量結合素子は、第1のインターフェースから直流的に絶縁され、第1のインターフェースから間隙によって間隔をあけて配置される。複数のGHzの周波数範囲の高周波信号が半導体増幅器出力部から伝送経路及び容量結合素子に供給される。高い周波数のために、これらの信号は、容量結合素子からインピーダンス整合フィルタの第1のインターフェースに容量的に、すなわち直流的な接続なしに供給される。
【0032】
半導体増幅器出力部は、インピーダンス整合フィルタから直流的に絶縁され、RF信号の直流成分又は伝送経路及び/又は結合素子に存在する直流は、伝送経路又は容量結合素子からインピーダンス整合フィルタに伝送されることを防止される。
【0033】
通常、ベースプレートは、回路基板又はPCB(プリント回路基板の略語)である。
【0034】
さらなる実施形態によれば、RFアセンブリは、電源をさらに有し、電源は、伝送経路に直流的に結合され、及び直流、DCの形態のエネルギー供給を伝送経路に送り、且つエネルギー供給を、前記1つ又は複数のラインを介して半導体増幅器出力部に提供するために具現化される。
【0035】
DC電力は、半導体増幅器出力部、例えばトランジスタによって動作エネルギーとして吸収される。これは、直流を伴う。直流は、RF信号と同じ伝送経路を介して伝送される。
【0036】
さらなる実施形態によれば、電源は、伝送経路上の高周波信号について非伝送性であるように構成されたDCフィルタを有する。
【0037】
DCフィルタは、例えば、ローパスフィルタとして構成される。その結果、DCフィルタは、直流信号が通過することを許容し、高周波信号について非伝送性である。DCフィルタは、伝送経路上のRF信号、すなわち半導体増幅器出力部によって出力された有用な信号に対して非伝送性であり、その結果、DCエネルギー供給は、半導体増幅器出力部のインピーダンス値及び高周波信号に対する挙動に顕著な影響を及ぼさない。
【0038】
さらなる実施形態によれば、RFアセンブリは、インピーダンス整合フィルタの第1のインターフェースに容量的に結合された複数の半導体増幅器出力部を有する。
【0039】
この実施形態において、複数の半導体増幅器出力部は、1つのインピーダンス整合フィルタに結合される。したがって、インピーダンス整合フィルタに供給される電力が増大される。電力の組み合わせ又は増大は、この変形形態において、インピーダンス整合フィルタの入力側で実施される。
【0040】
さらなる実施形態によれば、RFアセンブリは、複数のインピーダンス整合フィルタであって、そのそれぞれは、少なくとも1つの半導体増幅器出力部に結合される、複数のインピーダンス整合フィルタを有し、複数のインピーダンス整合フィルタは、単一のRF導波路に結合される。
【0041】
先の実施形態の代替形態として又はそれに加えて、電力の組み合わせは、この実施形態においてインピーダンス整合フィルタの出力側で実施される。この実施形態も、出力される電力を増大する役割を果たす。複数のインピーダンス整合フィルタは、出力側において、すなわちそれらのそれぞれの第2のインターフェースで同じRF導波路に接続される。それぞれの第2のインターフェースを最初に互いに接続し、次に複数のインピーダンス整合フィルタの共通の出力部を単一のRF導波路につなげることも考えられる。代替的に、それぞれの第2のインターフェースは、個々にRF導波路に結合される。出力側の2つ以上のインピーダンス整合フィルタをいわゆる3dBカプラに接続し、RF導波路につなげることができる。
【0042】
さらなる実施形態によれば、RF導波路は、中空導波路、隆起中空導波路又は同軸導体である。
【0043】
さらなる態様によれば、アンテナ装置が特定される。アンテナ装置は、アンテナと、本明細書に記載の複数のRFアセンブリとを有する。複数のRFアセンブリは、有用な信号をアンテナに伝送するためにアンテナに接続される。
【0044】
さらなる態様によれば、本明細書に記載のアンテナ装置を有する通信衛星が特定される。
【0045】
アンテナ装置は、例えば、通信衛星内のデータ伝送リンクの一部である。通信衛星は、地球の軌道で使用するために提供され、データ又は信号を送受信するための通信局を含む宇宙船である。さらに、通信衛星は、データを処理するためのユニットも含むことができる。RFアセンブリは、好ましくは、通信衛星の通信局の信号処理経路で使用され得る。
【0046】
本記載に関連して、すなわちRFアセンブリ、アンテナ装置及び通信衛星に関連して、高周波は、1GHz(ギガヘルツ、1×10E9ヘルツ)を超える周波数範囲を意味するように理解されたい。そのような周波数範囲は、例えば、衛星無線伝送リンクで使用される。そのような衛星無線伝送リンクは、例えば、ダウンリンクに関して17.7~21.2GHz、アップリンクに関して27.5~31GHzの周波数範囲のKa帯伝送リンク、それぞれ約11及び7GHzの範囲のKu帯若しくはX帯の実装又はL帯(約1.5GHz)、S帯(約2.5GHz)若しくはC帯(約4GHz)の実装であり得る。
【0047】
半導体増幅器出力部は、アンテナの上流で接続される増幅器の構成要素であり得る。例として、高電力トランジスタ増幅器を増幅器として使用することができる。高電力トランジスタ増幅器は、固体電力増幅器(SSPA)と呼ばれることもある。このタイプの増幅器は、高い周波数におけるいわゆる進行波管増幅器の代替又は追加として使用される。SSPAは、様々な電力クラス及び非常に高い周波数帯に利用可能である。例として、SSPAは、以下の周波数帯:C-、X-、Ku-、Ka-及びQ-帯で使用することができる。
【0048】
以下では、本発明の例示的な実施形態について、添付の図面を参照して詳細に考察する。図は、概略的なものであり、原寸に比例しているわけではない。同一の参照符号は、同一又は同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図3】RF増幅器出力部とインピーダンス整合フィルタとの間の接続部の概略図を示す。
【
図4】RF増幅器出力部とインピーダンス整合フィルタとの間の接続部の概略図を示す。
【
図5】RF増幅器出力部と、複数の分岐を有するインピーダンス整合フィルタとの間の接続部の概略図を示す。
【
図6】RF増幅器出力部と、複数の共振器を有するインピーダンス整合フィルタとの間の接続部の概略等角図を示す。
【
図7】RFアセンブリとアンテナとを有する衛星の概略図を示す。
【
図8】複数の隆起セクションを有する隆起中空導波路の形態のインピーダンス整合フィルタを有するRFアセンブリの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、RFアセンブリ10の概略図を示す。RFアセンブリ10は、信号源20を有する。信号源20は、信号伝送経路に従う信号を出力する。信号伝送経路は、
図1の図において左から右に延びる。この例では、RF信号は、最初に信号源20から出力され、第1のライン23及び第2のライン24を経て、伝送経路25及び容量結合素子26に至る。容量結合素子26から、RF信号は、容量的に、すなわち無線式にインピーダンス整合フィルタ30の第1のインターフェース31に供給される。RF信号は、インピーダンス整合フィルタ30を介して第2のインターフェース39まで伝播し、そこから、RF信号は、RF導波路50に供給される。
【0051】
電源60は、例えば、直流供給の形態であり、接続ライン62を介して伝送経路25に接続される。直流エネルギー供給が電源60から伝送経路25に送られ、そこから第1のライン23及び第2のライン24を介して半導体増幅器出力部22に送られる。したがって、RF信号と、半導体増幅器出力部22のためのエネルギー供給との両方が第1のライン23及び第2のライン24を介して伝送される。電源60は、直流フィルタ(DCフィルタ)61も有する。直流フィルタ61は、直流を通し、高周波信号を通さないか、又は一般的に高周波信号を減衰する機能を有する。
【0052】
信号源20は、電力増幅器であり、例えば増幅器ユニット21及び半導体増幅器出力部22から構成される。半導体増幅器出力部22は、例えば、増幅器ユニット21によって増幅された信号を出力するトランジスタである。この点において、半導体増幅器出力部22は、増幅器ユニット21に一体化された方式において又はそれと別個に提供することができる。
【0053】
この例では、信号源20は、高周波電力増幅器モジュールである。高周波電力増幅器モジュールは、衛星通信でよく使用される。それらは、遠隔ステーションにおいて、例えば地球上で依然として受信され得る信号レベルを得ることができるように、伝送信号を必要な電力レベルまで引き上げるように使用される。従来、このために、特に6GHzを超えるより高い周波数で真空管増幅器が使用されてきた。これらの増幅器は、突出した特性、特に良好な直線性(信号の低い歪み)を備えた高い効率(利用可能なRF出力電力に対する低DCエネルギー消費によって測定されるような)を有する。特に、いわゆるアクティブアンテナ、すなわち電気制御式アンテナでの使用に関して、半導体ベースの増幅器は、しかしながら、特に寸法及びコストの点で大きい利点を有する。アクティブアンテナの場合、各アンテナ素子が専用の増幅器を必要とするため、多数の低電力増幅器が必要とされる。しかしながら、非常に高い電力効率とともに高い直線性も必要とされる。しかしながら、従来の半導体ベースの増幅器は、一般に、ここでいくつかの欠点を有する。これは、高いエネルギー消費をもたらすだけでなく、高い熱の発生をもたらす。これは、アンテナの熱的な設計をより複雑にするか又はさらに不可能にする可能性がある。これらの欠点は、アクティブアンテナに適用するためのここで提案されるRFアセンブリの構成によって克服される。高い効率が他の増幅器用途に対しても望まれ、本RFアセンブリは、他の電力増幅器用途(例えば、ゲートウェイ増幅器、チャネル増幅器等)に対しても容易に使用できることは言うまでもない。
【0054】
GaN又はGaAs技術を用いて一体化された構成要素を信号源20の増幅器ユニット21及び半導体増幅器出力部22に使用することができる。
【0055】
ここに記載されるRFアセンブリは、例えば、17.8~20.2GHz(Ka帯における)の帯域のアクティブアンテナモジュールで使用することができる。しかしながら、適切なトランジスタが利用できることを条件として、他の増幅器用途及び周波数に送ることが問題なく可能である(例えば、Ku帯10.7~12.7GHz、Q帯37.5~42.5GHz)。RFアセンブリは、個々の増幅器チャネルに関する約7×3mm^2の所与の寸法について、直線性要件(17dB NPR(雑音電力比)によって与えられる)及び30%超の効率要件(出力段に関して、複数の増幅器経路について約600Wの最大合計アンテナ電力によって与えられる)を満たすように構成することができる。
【0056】
信号源20は、2つのライン23、24によって伝送経路25に接続され、その結果、電磁信号が増幅器出力部22から伝送経路25に誘導的に伝送される。伝送経路25は、例えば、回路基板上の導体トラックである。伝送経路25は、容量結合素子26に移行する。容量結合素子26は、例えば、伝送経路25に直接接続されるか、又はこれらの2つの素子は、回路基板上の同じ導体トラックの一部である。
【0057】
GaN(又はGaAs)技術を用いた個々のトランジスタは、特に一体化された整合及び安定化ネットワークなしに増幅器出力部22の半導体として使用される。特に、トランジスタの出力部における整合は、中空の導波路構造(すなわちインピーダンス整合フィルタ30)によって生成される。2つの変形形態がここで考えられる。第1の変形形態は、
図4~6に示され、共振器及び窓を有するフィルタを有し、第2の変形形態は、
図8に示され、隆起した中空導波路を備える。
【0058】
インピーダンス整合フィルタの中空導波路構造への入力結合は、できるだけ直接行われる。PCB/セラミック基板の短片又は代わりに同軸構造がこのために考えられる。増幅器出力部として機能するトランジスタの直流供給は、フィルタを介して供給されるか(この場合、それ以外の点では慣習的である静電容量を用いた遮断がフィルタの入力部に位置付けられる)、又はコンデンサを用いて遮断される。その結果、インピーダンス整合フィルタの中空導波路構造へのRF信号の入力結合は、容量的に行われるため、さらなる直流バリヤがRFライン(第1のライン23、第2のライン24)にもはや必要ない。
【0059】
インピーダンス整合フィルタ30は、結合ユニット40によってRF導波路50に結合される。結合ユニット40は、例えば、フランジ又は他の接続部であり得る。
【0060】
インピーダンス整合フィルタ30は、中空導波路技術を用いて作製され、増幅器出力部22によって出力された信号をフィルタリングし、一方では増幅器出力部22に対する整合を実行し、及びまた他方ではRF導波路50に対する整合を実行する機能を有する。この構造の結果、整合回路に必要な構成要素の数が減らされ、これによりRFアセンブリ10の効率が改善され、高い直線性が提供される。特に、半導体増幅器の場合、増幅器の出力部で通常使用される整合ネットワークを省略することが可能である。そのような整合ネットワークは、通常、高い損失をもたらし、これにより増幅器の効率が下がる。
【0061】
これらの欠点は、インピーダンス整合フィルタ30が中空導波路技術を用いて構成され、容量性の接合が増幅器出力部とインピーダンス整合フィルタとの間の直流部分のバリヤとして使用されることによって回避される。
【0062】
図2は、単一のインピーダンス整合フィルタ30への複数の信号源20の例示的な接続を示す。任意の数の信号源(利用できる構造スペース及び信号のレベルに関する要件によってあらかじめ決定される)をインピーダンス整合フィルタに接続することができ、信号源20とインピーダンス整合フィルタ30との間の接続は、伝送経路25及び容量結合素子26を参照して
図1において構成されるように構成される。
【0063】
図2の回路は、より高い電力レベルを得る役割を果たす。しかしながら、複数のインピーダンス整合フィルタ30を出力側で互いに接続して、出力される電力レベルを増大することも考えられる。
【0064】
図3は、2つのラインによって伝送経路25に接続された半導体増幅器出力部22の詳細図を示す。半導体増幅器出力部22は、ベースプレート28に配置される。半導体増幅器出力部22の直流供給のための接続ライン62が伝送経路25に接続される。伝送経路25は、容量結合素子26に移行する。RF信号は、半導体増幅器出力部22から伝送経路25に出力され、次いで容量結合素子26の方向に伝播し、そこから、RF信号は、インピーダンス整合フィルタに容量的に供給される。インピーダンス整合フィルタの共振器32のみが
図3に示されている。共振器32と容量結合素子26との間に間隙が認識できる。
【0065】
半導体増幅器出力部22のための直流供給は、ドレイン電圧として対応するトランジスタに供給され、例えば離散型コンデンサと組み合わせて、PCB一体化フィルタを介して実行される。代替的に、フィルタは、平行コンデンサによりラムダ/4ラインによって実現され得る。この例では、ドレイン電圧は、伝送経路25に接続され、及びまたフィルタへのラインの任意の他の領域に接続され得る。
【0066】
図4は、RFアセンブリのより大きい部分を示し、
図4に示されるRFアセンブリは、その構造の点で
図3からのRFアセンブリに対応する。
図4は、電気エネルギーを半導体増幅器出力部22に利用可能にする電源60を示す。半導体増幅器出力部22は、伝送経路及び容量結合素子を介してRF信号を出力し、前記RF信号は、インピーダンス整合フィルタ30内を信号伝播方向36に沿って伝播する。インピーダンス整合フィルタ30は、信号伝播方向36に並べて配置された、複数の共振器32(
図4の例では、これらは、円筒形の台座である)と、共振器間の窓34(断面狭窄部)とを有する。
【0067】
図3及び
図4に示す変形形態では、中空導波路として構成されたインピーダンス整合フィルタ内の空洞フィルタ構造によって整合がもたらされる。原理的には、既知のすべてのフィルタトポロジー及びフィルタタイプ(矩形/円形中空導波路フィルタ、同軸フィルタ、誘電体フィルタ)がこれに適している。例として、4回路の同軸フィルタが示されている。
【0068】
インピーダンス整合フィルタ30は、半導体増幅器出力部22のトランジスタに対する第1のインターフェース31において、大きさ及び位相に応じた所望の整合を提供するように開発プロセスにおいて離調される。この整合は、例えば、いわゆるロードプル測定又はシミュレーションによって決定することができる。その結果、インピーダンス整合フィルタは、個々のフィルタとして使用することはできないが、半導体増幅器出力部22のトランジスタの出力部で動作させる場合、後者をその最適な動作点(例えば、電力整合に対する最良の効率)で動作させることができる。半導体増幅器出力部に必要な整合を生成することに加えて、半導体増幅器出力部22のトランジスタと組み合わせたインピーダンス整合フィルタ30は、周波数選択的な効果も有する。このため、専用の出力フィルタを不要とすることができる。このため、追加のフィルタ損失を考慮する必要がないため、効率が向上する。インピーダンス整合フィルタの回路数及びトポロジーは、出力フィルタに関する要件に依存し、伝送ゼロの有無及び群遅延等化の有無を問わずフィルタを使用することができ、典型的な回路数は、1回路~14回路以上(実際の用途では4回路~12回路である可能性が高い)である。インピーダンス整合フィルタへのRF信号の入力結合は、PCB、セラミック又は同軸構造を介して容量的に行われる(例えば、絶縁体材料で離散的に作製された内部導体を介して)。PCB又はセラミックは、製造が簡単であり、コスト効率が高いという利点があり、同軸構造は、最高の効率(低損失)を実現する。
【0069】
原理上、当然のことながら、インピーダンス整合フィルタへの誘導入力結合も考えられるが、そのような場合、専用DCブロック(例えば、コンデンサ又はPCB構造)が必要である。
【0070】
示される例では、半導体増幅器出力部のトランジスタの、インピーダンス整合フィルタに至る入力結合構造への接続は、バンドワイヤ(第1のライン23、第2のライン24、
図3を参照されたい)によって形成される。半導体増幅器出力部のトランジスタは、ハウジング又はスペーサ上で直接PCBの切欠きに配置することができるが、PCB又はセラミックに直接配置することも可能である。トランジスタは、(伝導的に)接着的に接合又ははんだ付けすることができ、ここで、銀焼結又は類似の接続技術が同様に考えられる。
【0071】
図5は、複数の経路又は分岐を有するRFアセンブリを示す。入力インターフェース18を介して、信号は、ベースプレート28に送られ、そこで、信号は、処理及び/又は増幅される。複数のインピーダンス整合フィルタ22A、22B、22C、22Dがそれぞれ信号をインピーダンス整合フィルタ30の経路に出力する。
【0072】
図6は、
図5からの単一経路の断面図を示す。電源60、信号源20及びインピーダンス整合フィルタ30が信号伝播方向36とともに示されている。インピーダンス整合フィルタ30において、4つの共振器32A、32B、32C、32Dは、信号伝播方向36において並べて且つ互いに間隔をおいて配置される。共振器は、異なる高さを有することが明らかである。しかしながら、異なる高さに加えて、共振器は、他の特性、例えば形状、直径等の点で互いに逸脱することもできる。この逸脱は、電力が入力側で半導体増幅器出力部に、且つ出力側でRF導波路に整合した状態で入力側インピーダンスと出力側インピーダンスとが互いに逸脱するように、インピーダンス整合フィルタの目標とする離調を達成するために使用される。
【0073】
図7は、通信衛星1の概略図を示す。高周波アセンブリ10は、通信衛星1に配置される。高周波アセンブリ10は、通信衛星の信号伝送経路の一部であり得る。例として、高周波アセンブリ10は、信号をアンテナの形態の伝送ユニット2に出力することができる。
【0074】
本明細書に記載の高周波アセンブリは、トランジスタ増幅器又は一般に半導体増幅器(SSPA)のアンテナへの信号に関係する連結に特に適している。
【0075】
図8は、隆起中空導波路技術を用いたインピーダンス整合フィルタを有するRFアセンブリ10を示す。RFアセンブリ10の一般的な構造及び機能に関して、上の
図1~7の記載が参照される。
【0076】
図8の変形形態において、インピーダンス整合フィルタは、整合のために隆起80を有する中空導波路を使用する。隆起80は、複数の隆起セクション80A、80B、80C、80Dに分割される。隆起80は、隆起セクションにおいて異なる構成である。機能的観点から、これは、例えば、
図6に示されるような異なる構成の共振器に対応する。
【0077】
ベースプレート28は、半導体増幅器出力部22を支え、カバー75によってカバーされる。
【0078】
図8の変形形態において、半導体増幅器出力部の動作のための直流の供給及びインピーダンス整合フィルタへの容量結合は、上記のように実行される。RF信号は、PCB内のスロット71を介してインピーダンス整合フィルタの隆起中空導波路に結合され、前記導波路において、複数の相互に異なる構成の段を有する隆起セクションが配置され(異なる特性インピーダンスを有するラインセクションに対応して)、インピーダンス整合フィルタの入力側及び出力側インピーダンスの対応する整合を提供する。
【0079】
最後に、
図9は、アンテナ2に接続された複数のRFアセンブリ10を有するアンテナ装置100を示す。このアンテナ装置100は、例えば、通信衛星で使用され得る。
【0080】
「含む」又は「有する」は、他の要素もステップも除外せず、「ある」又は「1つの」は、複数を除外しないことが補足的に指摘される。さらに、上記の例示的な実施形態の1つを参照して記載された特徴又はステップは、上記の他の例示的な実施形態の他の特徴又はステップと組み合わせて使用することもできることが指摘される。請求項中の参照符号は、限定と見なすべきでない。
【符号の説明】
【0081】
1 通信衛星
2 アンテナ
10 高周波アセンブリ
18 入力インターフェース
20 信号源
21 増幅ユニット
22 半導体増幅器出力部
23 第1のライン
24 第2のライン
25 伝送経路
26 容量結合素子
28 ベースプレート
30 インピーダンス整合フィルタ
31 第1のインターフェース
32 共振器
34 窓
36 信号伝播方向
39 第2のインターフェース
40 結合ユニット
50 高周波導波路
60 電源
61 DCフィルタ
62 接続ライン
71 結合スロット
75 カバー
80 隆起
80A、80B、80C 隆起セクション
100 アンテナ装置
【外国語明細書】