(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106937
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 39/00 20200101AFI20230726BHJP
【FI】
D06F39/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007963
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
(72)【発明者】
【氏名】杉本 淳一
(72)【発明者】
【氏名】藤田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】林 開融
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA11
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3B166AA24
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3B166HA01
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3B166HA53
3B166HA54
(57)【要約】
【課題】紫外光を含んだ光線による除菌効果の向上を図ることができる衣類処理装置を提供する。
【解決手段】衣類処理装置は、内部と外部とを連通する開口部を有する外箱と、外箱に設けられ開口部を開閉する扉と、外箱内に設けられ一方の端部側が開口した外槽と、外槽内に回転可能に設けられ衣類が収容される回転槽と、回転槽内に紫外線を含む光線を照射可能な照射装置と、を備える。照射装置は、外箱内であって扉を閉めた状態で外槽内と連通する空間の外側の空間に設けられ光線を発生する光源部と、光源部に接続され光源部から供給される光線を導光する導光部と、回転槽内を臨む位置に設けられ導光部を通過した光線を回転槽内に照射する照射部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部と外部とを連通する開口部を有する外箱と、
前記外箱に設けられ前記開口部を開閉する扉と、
前記外箱内に設けられ一方の端部側が開口した外槽と、
前記外槽内に回転可能に設けられ衣類が収容される回転槽と、
前記回転槽内に紫外線を含む光線を照射可能な照射装置と、を備え、
前記照射装置は、
前記外箱内であって前記扉を閉めた状態で前記外槽内と連通する空間の外側の空間に設けられ前記光線を発生する光源部と、
前記光源部に接続され前記光源部から供給される前記光線を導光する導光部と、
前記回転槽内を臨む位置に設けられ前記導光部を通過した前記光線を前記回転槽内に照射する照射部と、を有する、
衣類処理装置。
【請求項2】
前記照射部は、前記外槽の開口の上部に設けられている、
請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記光源部は、前記外槽の上方に設けられている、
請求項1又は2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記光源部は、前記外槽の直上部分に設けられている、
請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記外箱の外面部に設けられユーザの入力操作を受け付ける操作パネルを更に備え、
前記光源部は、前記操作パネルと一体に設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記外箱は、前記外箱の天面を構成し外部から着脱可能に構成された天面部を有し、
前記光源部は、前記外箱の前記天面部の内面に設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記外箱は、前記外箱の側面を構成する側面部の内面に設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記外箱内の下部に設けられ前記照射装置を動作させるための駆動電力を発生させる電源装置を更に備え、
前記外箱は、前記外箱の底面を構成する底面部を有し、
前記光源部は、前記外箱の前記底面部の内面に設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記光源部は、前記外槽の外側面に設けられている、
請求項1又は2に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記導光部は、光ファイバーで構成されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記導光部は、筒状に形成され一方の端部から入射した前記光線をその内面で反射させて他方の端部へ向かって導光する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯機等の衣類処理装置において、衣類処理装置の内部に設けられた照射装置を用いて衣類に紫外光を照射することで、衣類を除菌する技術が知られている。しかしながら、従来構成においては、紫外光による除菌効果を十分に発揮する点について改善の余地があった。また、紫外光を発生する光源は、衣類処理装置内部の水や水蒸気等による不具合の発生を回避することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、紫外光を含んだ光線による除菌効果の向上を図ることができる衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
衣類処理装置は、内部と外部とを連通する開口部を有する外箱と、前記外箱に設けられ前記開口部を開閉する扉と、前記外箱内に設けられ一方の端部側が開口した外槽と、前記外槽内に回転可能に設けられ衣類が収容される回転槽と、前記回転槽内に紫外線を含む光線を照射可能な照射装置と、を備え、前記照射装置は、前記外箱内であって前記扉を閉めた状態で前記外槽内と連通する空間の外側の空間に設けられ前記光線を発生する光源部と、前記光源部に接続され前記光源部から供給される前記光線を導光する導光部と、前記回転槽内を臨む位置に設けられ前記導光部を通過した前記光線を前記回転槽内に照射する照射部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態による衣類処理装置を洗濯機に適用した一例を概略的に示す縦断側面図
【
図2】第1実施形態による光源部周辺の構成の一例を概略的に示す図
【
図3】第2実施形態による洗濯機の一例を概略的に示す縦断側面図
【
図4】第3実施形態による洗濯機の一例を概略的に示す正面から見た図
【
図5】第4実施形態による洗濯機の一例を概略的に示す縦断側面図
【
図6】第5実施形態による洗濯機の一例を概略的に示す縦断側面図
【
図7】第5実施形態による導光部の構成の他の例を示す図
【
図8】その他の実施形態による衣類処理装置を縦軸型の洗濯機に適用した一例を概略的に示す縦断側面図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0008】
(第1実施形態)
衣類処理装置としての洗濯機10は、
図1に示すように、横軸又は斜め軸型のドラム式洗濯機である。洗濯機10は、例えばヒータ式又はヒートポンプ式の乾燥機能を備えたものであっても良いし、乾燥機能を備えていないものであっても良い。また、衣類処理装置の適用例としては、洗濯機能を有さない例えば乾燥専用の乾燥機の構成であっても良い。
【0009】
図1に示す洗濯機10は、外箱11、扉12、外槽13、ベローズ14、回転槽15、モータ16、操作パネル17、給水機構18、排水機構19、及び電源装置20を備えている。なお、
図1において、洗濯機10の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。また、
図1の紙面左側つまり外箱11に対して扉12側を洗濯機10の前側とする。
【0010】
外箱11は、例えばステンレス鋼板等の金属又は樹脂材等の組合せによって全体として矩形の中空箱状に形成されている。外箱11は、洗濯機10の外郭を構成している。この場合、外箱11は、天面部111、側面部112、及び底面部113を含んで構成することができる。天面部111は、外箱11の天面を構成し、例えば樹脂材で構成することができる。側面部112は、外箱11の前後方向及び左右方向の側面を構成している。底面部113は、外箱11の底面を構成している。側面部112は、外箱11の外周面のうち天面部111及び底面部113を除く部分である。側面部112及び底面部113は、例えばステンレス鋼板等の金属又は樹脂材で構成することができる。この場合、天面部111は、例えばねじ等の接続部材によって他の面部に対して外部から着脱可能に構成されている。また、外箱11は、前面側に外箱11の内部と外部とを連通する開口部114を有している。
【0011】
扉12は、外箱11の前面側に設けられて、開口部114を開閉する。ユーザは、扉12を開いた状態で、開口部114を通じて回転槽15から衣類の出し入れをすることができる。また、扉12は、少なくとも一部が透明又は半透明の部材で構成されており、ユーザは、扉12の外部から回転槽15内を視認することができる。
【0012】
外槽13は、外箱11に図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。外槽13は、一方の端部側この場合前側に開口131を有した有底円筒状に形成されている。本実施形態では、外槽13は、その内部に水を貯留可能であって、水槽として機能する。外槽13は、排水口132を有している。排水口132は、外槽13の後方側底部付近に設けられており、外槽13の内部と外部とを連通している。
【0013】
ベローズ14は、外箱11の開口部114と外槽13の開口131との間を水密に繋いでいる。ベローズ14は、例えば円筒形の蛇腹状に形成されており、例えばゴム等の柔軟性や弾性を有する部材で構成されている。回転槽15は、衣類を収容可能な有底円筒状に形成されており、外槽13内に回転可能に配置されている。回転槽15は、モータ16によって回転駆動され、回転槽15の回転軸は、外槽13の中心軸と一致している。
【0014】
回転槽15は、多数の孔151を有している。孔151は、回転槽15の周面のほぼ全域にわたって形成されており、例えば洗い工程、すすぎ工程、及び脱水工程時においては水が出入りする通水孔として機能し、乾燥工程時においては空気が出入りする通風孔として機能する。また、回転槽15の内周面には図示しない複数のバッフルが設けられている。バッフルは、回転槽15内に収容された衣類を撹拌及び掻き上げる機能を有する。
【0015】
モータ16は、外槽13の底部外側に設けられている。モータ16は、詳細は図示しないが、例えば回転数を変更可能なブラシレスのダイレクトドライブモータで構成されている。モータ16は、回転槽15に接続されており、回転槽15を外槽13に対して相対的に回転駆動させる機能を有する。この場合、モータ16の軸部161、外槽13の中心軸、及び回転槽15の回転軸は、それぞれ一致している。
【0016】
操作パネル17は、図示しない表示部や操作部が設けられており、ユーザが洗濯運転コースを設定するための入力操作等を受け付けるとともに、入力された操作内容及び運転状況等を表示する。操作パネル17は、
図1に示すように、例えば外箱11の天面部111の前側部分に設けられている。この場合、操作パネル17が設置される外箱11の天面部111の前側部分と外槽13の開口131とは、上下方向に重なる位置に配置されている。つまり、操作パネル17の少なくとも一部は、外槽13の直上部分に位置している。
【0017】
操作パネル17は、
図1に示すように、制御基板171を有している。制御基板171は、詳細は図示しないが、コイルや電極等の電子部品が実装されて構成されている。制御基板171は、例えば図示しないケース等によって全体が覆われており、防湿性及び絶縁性が確保されている。
【0018】
給水機構18は、例えば水道等の外部の水源から供給される水を外槽13内に注水するためのものである。給水機構18は、
図1に示すように、給水弁181、注水ケース182、及び注水ホース183を有している。給水弁181は、電磁的に開閉可能に構成されている。給水弁181は、図示しない水道の蛇口等の外部の水源に接続されている。そして、給水弁181は、外部の水源から注水ケース182を介して外槽13内に至る経路を開閉する。
【0019】
注水ケース182は、内部に洗剤や柔軟剤等の洗濯処理剤を収容可能に構成されている。注水ホース183は、例えば可撓性を有するホースで円筒状に構成されている。注水ホース183の一方の端部は注水ケース182に接続され、他方の端部は外槽13に接続されている。注水ホース183は、外部の水源から注水ケース182内に流入した水を外槽13内に注水する機能を有する。注水ケース182内に洗濯処理剤が貯留されている状態で、注水ケース182内に水が流入すると、注水ケース182内の洗濯処理剤は注水ケース182内を流れる水と混合した後に、注水ホース183を通過して外槽13内に流れる。
【0020】
排水機構19は、外槽13内の水を洗濯機10の機外へ排出するためのものである。排水機構19は、排水弁191及び排水ホース192を有して構成することができる。排水弁191は、電磁的に開閉可能に構成されている。排水ホース192は、一方の端部が排水弁191に接続され、他方の端部が洗濯機10の機外に引き出されている。外槽13内に水が貯留された状態で排水弁191が開放されると、外槽13内に貯留されていた水は、排水ホース192を通して洗濯機10の機外へ排出される。つまり、排水弁191は、外槽13内に貯留された水を外部に排水するための排水経路を開閉する。
【0021】
電源装置20は、
図1に示すように、例えば外箱11内の下部であって、外箱11の底面部113付近に設けられている。電源装置20は、図示しない駆動回路及び制御装置を含んで構成されている。駆動回路は、モータ16、操作パネル17、給水弁181、排水弁191、及び後述する照射装置30等の電気的な構成を動作するための駆動電力を発生させる。制御装置は、CPUやROM、RAM及び書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶領域を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、洗濯機10の動作全体の制御を行う。制御装置は、モータ16、操作パネル17、給水弁181、排水弁191、及び照射装置30と電気的に接続されており、これらの動作の制御を行う。
【0022】
また、洗濯機10は、
図1に示すように、照射装置30を備えている。照射装置30は、回転槽15内に紫外線を含む光線を照射可能である。照射装置30は、制御装置の制御を受けて照射又は停止する。照射装置30は、例えば波長が200~380nmの紫外光を発光することができる。照射装置30から照射される紫外線は、菌類に対する除菌又は殺菌能力を有している。この場合、照射装置30から照射される紫外線の波長は、除菌又は殺菌能力を考慮すると、200~280nmの範囲内であることが好ましい。
【0023】
また、照射装置30は、例えば紫外線の照射とともに、又は紫外線の照射とは独立して可視光を照射可能に構成することができる。本実施形態では、照射装置30は、紫外線とともに可視光を照射可能に構成されている。この場合、照射装置30から照射される紫外線の照射領域と照射装置30から照射される可視光の照射領域とは、少なくとも一部が重なるように設定することができる。また、紫外線の照射領域内に可視光の照射領域全体が収まるように設定しても良いし、可視光の照射領域内に紫外線の照射領域全体が収まるように設定しても良い。
【0024】
照射装置30は、
図1に示すように、光源部31、導光部32、及び照射部33を有して構成することができる。光源部31は、扉12を閉めた状態で外槽13内と連通する空間の外側の空間に設けられている。この場合、光源部31は、外箱11と外槽13との間の空間であって外槽13の上方に形成される空間に設けられている。そして、光源部31は、外槽13の上方であってかつ外槽13と上下方向に重なり合う部分つまり外槽13の直上部分に設けられている。
【0025】
光源部31は、外槽13の開口131よりも上方に配置され、外槽13の開口131とは対向しない位置に配置されている。本実施形態では、光源部31は、操作パネル17と一体に設けられている。一体とは、個別に形成された部材である操作パネル17と光源部31とが相互に固定されており、相互の位置関係が容易に変わらず、一つのまとまった部品として取り扱うことができることを意味する。この場合、光源部31は、例えば図示しないケース等によって全体が覆われており、防湿性及び絶縁性が確保されている。
【0026】
光源部31は、
図2に示すように、例えば基板311、発光素子312、放熱部材313、及び伝熱部314を有して構成することができる。基板311は、発光素子312の動作を制御するための図示しない電気回路等を有して構成されている。基板311は、操作パネル17の制御基板171と電気的に接続されている。発光素子312は、基板311に実装されている。発光素子312は、少なくとも紫外線を照射可能な光源である。発光素子312は、例えば電源装置20から延びるリード線201が接続された基板311に設けられたコネクタ部を介した配線によって電源装置20から電力が供給される。
【0027】
本実施形態の場合、発光素子312は、例えば1つの回路基板上に実装された白色光や青色光等及び紫外線を発生するLEDや半導体レーザー等の発光素子を含んで構成されている。つまり、発光素子312は、可視光及び紫外光の両方を発光可能に構成されている。可視光と紫外光とは、同時に発光可能な構成であっても良いし、選択的に発光可能な構成であっても良い。発光素子312から照射される紫外線は、人の目で視認することができない不可視光線である。そのため、例えば可視光と紫外光とを同時に発光する場合、ユーザは可視光が照射されていることを外部から扉12を通して視認することで、紫外光が照射されていることを認識することができる。
【0028】
放熱部材313は、発光素子312で生じた熱を放熱するためのものである。放熱部材313は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導性を有する金属材料等で形成されている。放熱部材313は、例えば放熱性を高めるために複数のフィンを有していても良いが、形状や構造はこれに限定されない。放熱部材313は、発光素子312に隣接して設けられている。放熱部材313は、例えば接着剤や両面テープ又はねじ等によって制御基板171に取付けられている。放熱部材313は、制御基板171の外周部付近に配置することができる。これにより、放熱部材313から放出される熱が制御基板171に設けられた他の電子部品等に影響することを極力抑えることができる。
【0029】
伝熱部314は、発光素子312の発光によって生じた熱を放熱部材313に伝達するためのものである。伝熱部314は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導性を有する金属材料等で形成されている。つまり、伝熱部314は、放熱部材313と同一材料で構成することができる。伝熱部314は、放熱部材313と一体又は別体で形成することができる。本実施形態では、伝熱部314は、放熱部材313と一体に形成されている。伝熱部314は、
図2に示すように、制御基板171と基板311との間に挟まれるように配置されている。そして、発光素子312で生じた熱は、伝熱部314に伝わって放熱部材313に移動し、放熱部材313から外部に放出される。
【0030】
導光部32は、例えば光ファイバーで構成することができる。この場合、導光部32は、例えば石英ガラスやプラスチックによって心線が形成されており、心線の周囲が紫外線硬化型樹脂やナイロンなどによって被覆されている。また、導光部32は、1本又は複数本に束線されたケーブル構造に構成されている。導光部32は、光源部31に接続され、光源部31から供給される光線を伝搬可能に構成されている。
【0031】
具体的には、導光部32は、一方の端部つまり基端側の端部が発光素子312に接続されており、他方の端部つまり先端側の端部が照射部33に接続されている。このようにして、導光部32は、発光素子312から受光した光線を照射部33に導くことができる。この場合、導光部32の先端側の端部は、外槽13の外部の空間で照射部33と接続されている。つまり、導光部32は、外槽13の開口131付近において外部に露出していない状態で照射部33に接続されている。なお、発光素子312と導光部32との接続構造は、詳細は図示しないが、例えば光学計測器等における周知の構造で構成することができる。
【0032】
照射部33は、導光部32を通過した光線を回転槽15内に照射するためのものである。照射部33は、例えば外槽13の内部空間以外の箇所でかつ回転槽15内を臨む位置に設けることができる。この場合、照射部33は、例えば外槽13の開口131の内周面又はベローズ14の内周面に設けることができる。本実施形態では、照射部33は、外槽13の開口131の内周面のうち最上部に設けられている。つまり、照射部33は、外槽13の開口131の上部に設けられている。この場合、照射部33は、回転槽15の底部下側へ向かって紫外線を照射することができる。
【0033】
照射部33は、
図1等に示すように、収容部331及びレンズ332を有して構成することができる。収容部331は、例えば樹脂材であって円筒状又は矩形状に形成されている。収容部331は、照射部33の外郭を構成している。収容部331は、導光部32の少なくとも先端側の端部つまり発光素子312と接続される側とは反対側の端部を収容可能に構成されている。この場合、収容部331の内径は、導光部32の外径よりも大きい寸法で構成されている。
【0034】
なお、外槽13の開口131の内周面に開口131の径方向外側へ向かって窪んだ図示しない窪み部を設けて、照射部33の収容部331を窪み部に収容可能な構成としても良い。このようにして、照射部33において外部に露出する部分を極力減らして、開口131から出し入れされる衣類が照射部33に引っかかってしまうような事態を抑制することができる。
【0035】
レンズ332は、例えば樹脂製の凹レンズで構成され、導光部32を伝搬した光線を所望の照射角度にて照射するためのものである。レンズ332は、例えば無色透明又は有色透明で構成されている。収容部331は、導光部32を通った光線の照射方向側つまり下方側の端部が開口しており、レンズ332は、当該開口の内側に取り付けられている。なお、収容部331の内部には、図示しない保持部材を設けることができる。保持部材は、収容部331の軸方向において、レンズ332よりも基端側つまり上方側に設けられ、導光部32を通った光線がレンズ332へ向かって照射可能となるように導光部32を保持することができる。
【0036】
以上説明した実施形態によれば、衣類処理装置の一例である洗濯機10は、外箱11と、扉12と、外槽13と、回転槽15と、照射装置30と、を備える。外箱11は、内部と外部とを連通する開口部114を有する。扉12は、外箱11に設けられ開口部114を開閉する。外槽13は、外箱11内に設けられ一方の端部側が開口している。回転槽15は、外槽13内に回転可能に設けられ衣類が収容される。照射装置30は、回転槽15内に紫外線を含む光線を照射可能である。照射装置30は、光源部31と、導光部32と、照射部33と、を有する。光源部31は、外箱11内であって、扉12を閉めた状態で外槽13内と連通する空間の外側の空間に設けられ光線を発生する。導光部32は、光源部31に接続され、光源部31から供給される光線を導光する。そして、照射部33は、回転槽15内を臨む位置に設けられ、導光部32を通過した光線を回転槽15内に照射する。
【0037】
これによれば、扉12を閉めた状態で外槽13内と連通する空間の外側の空間に光源部31を設けることで、外槽13や回転槽15内の水や水蒸気等が光源部31に接触することを抑えることができる。これにより、光源部31の劣化を抑制して、照射装置30の長寿命化を図ることができる。また、光源部31で発生した紫外線を、光源部31に接続された導光部32を介して照射部33から照射することで、回転槽15内に照射される紫外線の大気中への散乱を抑えて、紫外線強度の減衰の低減を図ることができる。更に、照射装置30のうち照射部33のみを回転槽15内を望む位置に設けることで、例えば衣類の出し入れを妨げるおそれを低減することができる。結果として、回転槽15内部や回転槽15内に収容された衣類に対して紫外光を含んだ光線による除菌効果の向上を図ることができる。
【0038】
また、照射部33は、外槽13の開口131の上部に設けられている。これによれば、照射部33を外槽13の開口131の上部に設けることで、回転槽15内の底部に収容された衣類等に対して紫外線を上方から俯瞰するようにして効率良く照射することができる。これにより、衣類の除菌効果を効果的に得ることができる。
【0039】
更に、光源部31は、外槽13の上方に設けられている。これによれば、光源部31を外槽13の上方に配置することで、外槽13や回転槽15内の水や水蒸気等の光源部31への接触をより一層抑えることができる。また、光源部31と照射部33との距離を極力短くすることで、導光部32の長さを短くすることができる。これにより、導光部32を通過する紫外線の減衰を抑制するとともに、導光部32のコストを低減することができる。
【0040】
また、光源部31は、外槽13の直上部分に設けられている。これによれば、光源部31と照射部33とを最短距離で結ぶことができるため、導光部32の長さを最短にすることができる。これにより、導光部32を通過する紫外線の減衰及び導光部32のコストの低減をより一層図ることができる。
【0041】
そして、洗濯機10は、操作パネル17を更に備える。操作パネル17は、外箱11の外面部に設けられ、ユーザの入力操作を受け付ける。そして、光源部31は、操作パネル17と一体に設けられている。これによれば、光源部31を操作パネル17と一体に構成することで、部品点数の削減を図るとともに、光源部31に対して電源の供給を効率良く行うことができる。
【0042】
また、導光部32は、光ファイバーで構成されている。これによれば、光源部31で発生した紫外線の紫外線強度の減衰を抑えつつ、導光部32に比較的柔軟な光ファイバーを用いることで、光源部31と照射部33との接続の自由度の向上を図ることができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、
図3を参照して説明する。この第2実施形態は、上記第1実施形態と光源部31の配置位置の構成が異なる。そして、光源部31の配置位置以外の構成は、上記第1実施形態と共通している。具体的には、上記第1実施形態では、光源部31は、操作パネル17と一体に設けられていたのに対し、本実施形態は、光源部31は、外箱11の天面部111の内面に設けられている。この場合、光源部31は、外箱11の天面部111の前側寄りに位置している。光源部31は、例えば接着剤や両面テープ又はねじ等によって天面部111の内面に取付けられている。
【0044】
このような第2実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、外箱11の天面部111は、上述したように、例えばねじ等の接続部材によって、外箱11の他の面部に対して外部から着脱可能に構成されている。そのため、天面部111を取り外すことで、光源部31のメンテナンスを容易に行うことができる。結果として、洗濯機10のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0045】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、
図4を参照して説明する。この第3実施形態では、光源部31は、外箱11の側面を構成する側面部112の内面に設けられており、光源部31の配置位置以外のその他の構成は、上記各実施形態と共通している。本実施形態では、光源部31は、外箱11の側面部112のうち左側側面部の内面に設けられている。光源部31は、例えば接着剤や両面テープ又はねじ等によって外箱11の左側側面部の内面に取付けられている。そして、光源部31は、
図4に示すように、外槽13の最頂部よりも上方に位置している。なお、光源部31の外箱11の側面部112における配置位置は、左側側面部に限らず、右側側面部であっても良いし、前側又は後側側面部であっても良い。
【0046】
これによれば、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、光源部31を例えば金属製で形成された外箱11の側面部112の内面に設けることで、光源部31から生じた熱を外部に放出しやすくすることができる。これにより、光源部31が過熱状態となることを抑制し、光源部31の長寿命化を図ることができる。その結果、回転槽15内部や回転槽15内に収容された衣類に対して紫外光を含んだ光線による除菌効果を効果的に得ることができる。
【0047】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、
図5を参照して説明する。この第4実施形態では、光源部31は、外箱11の底面部113の内面に設けられており、光源部31の配置位置以外のその他の構成は、上記各実施形態と共通している。光源部31は、例えば接着剤や両面テープ又はねじ等によって底面部113の内面に取付けられている。この場合、光源部31は、例えば電源装置20に隣接して設けることができる。このような第4実施形態によれば、光源部31を電源装置20の設置箇所に近い外箱11の底面部113の内面に設けることで、電源装置20から光源部31に電力を供給するためのリード線201の引き回しを簡単にすることができる。これにより、照射装置30を洗濯機10に組みつける際の作業性の向上を図ることができる。なお、この場合、電源装置20が外箱11の底面部113の内面に設けられていれば、光源部31を電源装置20と一体化することで一層の配線の簡素化が可能である。
【0048】
また、本実施形態の洗濯機10のような斜め軸型のドラム式洗濯機では、外箱11内部の前方下部の空間は、比較的余剰スペースが生じやすい。そのため、当該空間に光源部31を配置することで、外箱11の内部空間を有効に利用することができる。
【0049】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、
図6を参照して説明する。この第5実施形態では、光源部31は、外槽13の外側面133に設けられており、光源部31の配置位置以外のその他の構成は、上記各実施形態と共通している。この場合、光源部31は、例えば外槽13の外側面133の前側上方に位置している。光源部31は、例えば接着剤や両面テープ又はねじ等によって外槽13の外側面133に取付けられている。これによれば、光源部31を外槽13と一体にすることで、例えば洗濯運転時に外槽13に生じる振動に対して光源部31と導光部32との挙動を同期させることができる。これにより、導光部32の損傷を防止して、照射装置30の長寿命化を図ることができる。
【0050】
上記各実施形態において、導光部32の一例として光ファイバーを用いた構成を説明したが、導光部32は、
図7に示すように、例えば筒状に形成され、その内部を光源部31で発生した光線が通過可能に構成することができる。この場合、
図7の例では、導光部32は、反射部321を有している。反射部321は、例えば鏡で構成され、光源部31から出射された光線を所望の方向へ反射するためのものである。
【0051】
この場合、反射部321は、例えば導光部32の延伸方向に沿って折れ曲がった部分の内面の少なくとも一部に設けることができる。このようにして、導光部32は、一方の端部から入射した光線をその内面で効率良く反射させて、他方の端部へ向かって導光することができる。なお、導光部32の内面に反射部321を設けて、その内周面で部分的に光線を反射させる構成に限らず、導光部32の内面全体に例えば鏡面加工を施して、導光部32の内面全体を光線の反射面としても良い。また、鏡面加工に限らず、金属メッキ加工や塗装等の加工を施すことで、光線を反射可能に構成しても良い。
【0052】
これにより、光源部31から供給された紫外線が導光部32の内面で反射されることで、光源部31で発生した紫外線の紫外線強度の減衰を抑えて照射部33から紫外線を照射することができる。よって、回転槽15内に収容された衣類の除菌効果の向上を図ることができる。しかも筒状の導光部32に対しては補強が自在であり、例えば外槽13の振動に対する耐久性を極力向上させることができる。
【0053】
(その他の実施形態)
衣類処理装置は、
図8に示すように、いわゆる縦軸型の洗濯機40に適用することができる。
図8に示す洗濯機40は、外箱41、蓋42、外槽43、回転槽44、モータ45、給水機構46、排水機構47、操作パネル48、及び電源装置50を備えている。外箱41は、例えば鋼板等の金属又は樹脂材等の組合せによって全体として矩形の中空箱状に形成されている。外箱41は、洗濯機40の外郭を構成している。外箱41は、上部に外箱41の内部と外部とを連通する開口部411を有している。扉としての蓋42は、外箱41の上部に設けられて、開口部411を開閉する。
【0054】
外槽43は、外箱41に図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。外槽43は、一方の端部側この場合上部側に開口431を有した有底円筒状に形成されている。なお、洗濯機40が乾燥機能を備える場合、外槽43は開口431を開閉する内蓋を有する構成とすることができる。外槽43は、その内部に水を貯留可能であって、水槽として機能する。外槽43は、排水口432を有している。排水口432は、外槽43の底部に設けられており、外槽43の内部と外部とを連通している。回転槽44は、衣類を収容可能な有底円筒状に例えばステンレス鋼板等により形成されている。回転槽44は、外槽43内に回転可能に設けられ、回転軸が鉛直方向を向いた縦軸型で構成されている。回転槽44は、モータ45によって回転駆動される。
【0055】
回転槽44は、撹拌翼441を有している。撹拌翼441は、回転槽44の内底部に鉛直軸まわりに回転可能に配設されている。撹拌翼441は、回転槽44内に収容された衣類を撹拌する機能を有する。撹拌翼441は、モータ45と接続されており、モータ45によって回転駆動される。この場合、洗い工程又はすすぎ工程においては、回転槽44は回転されず、撹拌翼441だけが回転駆動される。
【0056】
給水機構46は、
図8に示すように、給水弁461、注水ケース462、及び注水ホース463を有している。給水弁461は、図示しない水道の蛇口等の外部の水源に接続されている。給水弁461は、外部の水源から注水ケース462を介して外槽43に至る経路を開閉する。注水ケース462は、内部に洗剤や柔軟剤等の洗濯処理剤を収容可能に構成されている。注水ホース463は、外部の水源から注水ケース462内に流入した水を外槽43内に注水する機能を有する。注水ホース463の一方の端部は注水ケース462に接続され、他方の端部は外槽43に接続されている。
【0057】
排水機構47は、排水弁471及び排水ホース472を有している。排水弁471は、電磁的に開閉可能に構成されている。排水ホース472は、一方の端部が排水弁471に接続され、他方の端部が洗濯機40の機外に引き出されている。外槽43内に水が貯留された状態で排水弁471が開放されると、外槽43内に貯留されていた水は、排水ホース472を通して洗濯機40の機外へ排出される。つまり、排水弁471は、外槽43内に貯留された水を外部に排水するための排水経路を開閉する。
【0058】
操作パネル48は、例えば外箱11の上部前側部分に設けられている。この場合、操作パネル48は、外槽43の開口431とは、対向しない位置に設けられている。操作パネル48は、
図8に示すように、制御基板481を有している。制御基板481は、詳細は図示しないが、コイルや電極等の電子部品が実装されて構成されている。制御基板481は、例えば図示しないケース等によって全体が覆われており、防湿性及び絶縁性が確保されている。電源装置50は、例えば外箱41の底部前側付近に設けられている。電源装置50は、図示しない駆動回路及び制御装置を含んで構成されている。
【0059】
本実施形態では、照射装置30の光源部31は、操作パネル48と一体に設けられている。つまり、光源部31は、外箱41内であって、蓋42を閉めた状態で外槽43内と連通する空間の外側の空間に設けられている。そして、照射部33は、例えば外槽43の開口431の内周面であってかつ回転槽15内を臨む位置に設けられている。これによっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、衣類処理装置は、例えば衣類の消臭や除菌等の衣類に対して何らかの処理を施す様々な装置に適用することができる。また、上記した複数の実施形態を任意に組み合わせて実施することも可能である。
【0060】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば光源部は外箱内に設けられるが、外箱を部分的に外方に突出させて形成した空間内部に光源部を配置させたとしても、当該突出した部分は外箱内に含まれることは言うまでもない。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
10、40…洗濯機(衣類処理装置)、11、41…外箱、111…天面部、112…側面部、113…底面部、114、411…開口部、12、42…扉、13、43…外槽、131、431…開口、133…外側面、15、44…回転槽、17、48…操作パネル、20、50…電源装置、30…照射装置、31…光源部、32…導光部、33…照射部