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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106940
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】フランジ部材
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/00 20060101AFI20230726BHJP
   H01F 27/02 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
H01F27/00 Z
H01F27/02 C
H01F27/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007971
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】内田 正人
(72)【発明者】
【氏名】山下 みどり
【テーマコード(参考)】
5E059
【Fターム(参考)】
5E059AA01
5E059BB12
5E059EE02
5E059GG01
(57)【要約】
【課題】従来では吊り上げが必要であった負荷時タップ切換器を、吊り上げを要することなくタンクに固定することができるようにしたフランジ部材を提供する。
【解決手段】本実施形態に係るフランジ部材は、絶縁油とともに変圧器本体を収容するタンクに負荷時タップ切換器を固定するフランジ部材であって、前記負荷時タップ切換器が固定される内周部と、前記タンクの上部に設けられている開口の端部に固定される外周部と、を備え、前記内周部に前記負荷時タップ切換器が固定された状態で当該負荷時タップ切換器を前記開口を通して前記タンク内に挿入可能に構成され、且つ、前記開口を通して前記タンク内に前記負荷時タップ切換器が挿入された状態で前記外周部を前記開口の端部に固定可能に構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁油とともに変圧器本体を収容するタンクに負荷時タップ切換器を固定するフランジ部材であって、
前記負荷時タップ切換器が固定される内周部と、
前記タンクの上部に設けられている開口の端部に固定される外周部と、
を備え、
前記内周部に前記負荷時タップ切換器が固定された状態で当該負荷時タップ切換器を前記開口を通して前記タンク内に挿入可能に構成され、且つ、前記開口を通して前記タンク内に前記負荷時タップ切換器が挿入された状態で前記外周部を前記開口の端部に固定可能に構成されているフランジ部材。
【請求項2】
前記負荷時タップ切換器は、その本体部分を構成するメイン筒状部と、前記メイン筒状部よりも径寸法が小さいサブ筒状部と、を備え、
前記内周部と前記外周部との間を構成するフランジ本体部は、前記負荷時タップ切換器のうち前記サブ筒状部の上方を覆う形状である請求項1に記載のフランジ部材。
【請求項3】
前記フランジ本体部は、前記タンク内の気体を外部に流出させる気抜き部を備えている請求項2に記載のフランジ部材。
【請求項4】
前記タンク内の絶縁油を循環させながら脱気する循環脱気実行時において、前記気抜き部は、前記タンク内から絶縁油を流出させるバルブとして機能する請求項3に記載のフランジ部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、絶縁油とともに変圧器本体を収容するタンクに負荷時タップ切換器を固定するためのフランジ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、高電圧受配電設備用の油入変圧器などといった油入静止誘導機器においては、絶縁油とともに変圧器本体をタンク内に収容する構成となっている。また、この種の油入静止誘導機器においては、例えばタップなどと称される接続ポイントを負荷時タップ切換器によって適宜切り換えることにより、負荷時つまり運転時において変圧器本体に与えられる電圧を調整するようにしている。この種の負荷時タップ切換器は、例えばLTC(on-Load Tap Changer)などと称されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-201100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、負荷時タップ切換器は、全体として長尺な筒状に形成されている。そのため、負荷時タップ切換器は、タンクの上部に設けられている開口を通して、ワイヤーなどによって吊り下げられた状態で上から下に降ろすことによりタンク内に挿入されて固定される。
【0005】
しかしながら、近年では、本体部分を構成するメイン筒状部と、このメイン筒状部よりも径寸法が小さいサブ筒状部と、を備えた構成である新型の負荷時タップ切換器が提供されている。そして、このような新型の負荷時タップ切換器をタンク内に固定する場合には、まず、負荷時タップ切換器のヘッドカバーを取り外し、その後、ヘッドカバーが取り外された負荷時タップ切換器をタンクの開口を通して当該タンク内に収容し、その後、ヘッドカバーをタンクの開口に固定し、その後、タンクの開口を通して当該タンク内の負荷時タップ切換器を吊り上げてヘッドカバーに固定する、という作業が行われている。
【0006】
このように、メイン筒状部およびサブ筒状部を備える新型の負荷時タップ切換器をタンクに固定する場合には、その固定作業が著しく複雑となる。また、重量物である負荷時タップ切換器を吊り上げる必要があることから、その吊り上げ状態が不安定になりやすい。
【0007】
そこで、従来では吊り上げが必要であった負荷時タップ切換器を、吊り上げを要することなくタンクに固定することができるようにしたフランジ部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係るフランジ部材は、絶縁油とともに変圧器本体を収容するタンクに負荷時タップ切換器を固定するフランジ部材であって、前記負荷時タップ切換器が固定される内周部と、前記タンクの上部に設けられている開口の端部に固定される外周部と、を備え、前記内周部に前記負荷時タップ切換器が固定された状態で当該負荷時タップ切換器を前記開口を通して前記タンク内に挿入可能に構成され、且つ、前記開口を通して前記タンク内に前記負荷時タップ切換器が挿入された状態で前記外周部を前記開口の端部に固定可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る変圧器の構成例を概略的に示す縦断面図
図2】本実施形態に係るフランジ部材の構成例を概略的に示す図
図3】本実施形態の比較例に係る負荷時タップ切換器の従来の固定方法を概略的に示す図
図4】本実施形態に係る負荷時タップ切換器の固定方法の一例を概略的に示す図
図5】本実施形態に係る循環脱気実行時の状態例を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、フランジ部材に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する油入絶縁変圧器1は、油入静止誘導機器の一例である。以下、油入絶縁変圧器1を、単に「変圧器1」と称する。変圧器1は、全体として横長な矩形箱状をなす金属製のタンク2を備えている。タンク2は、タンク本体部2Aとタンクカバー2Bを組み合わせた構成である。タンク本体部2Aは、その上面が開放した長尺な矩形箱状に形成されている。また、タンク本体部2Aは、絶縁油流入口2Cを備えている。タンクカバー2Bは、長尺な矩形板状に形成されており、タンク本体部2Aの上面開放部を閉塞している。
【0011】
タンク2内には、誘導機器本体の一例である変圧器本体3が収容されている。また、タンク2内には、例えば鉱油などといった絶縁用および冷却用の絶縁油Mが充填されている。タンク2内において、変圧器本体3は、その全体が絶縁油Mに浸かっている。変圧器本体3は、鉄心3Aおよびコイル3Bを備える周知の構成である。コイル3Bは、鉄心3Aに装着されている。また、変圧器本体3は、タンク2内の中央部ではなく、タンク2の長手方向における一端側、この場合、図1における左側に偏った位置に配置されている。
【0012】
また、詳しい説明は省略するが、変圧器1は、各種の付属的な構成要素を備えることができる。付属的な構成要素は、例えば、ブッシング、コンサベータ、放熱器、継電器、放圧装置などといった各種の部品類、装置類、機器類などである。ブッシングは、電気接続用に用いられる周知の構成要素である。コンサベータは、温度変化に伴う絶縁油Mの膨張や収縮を吸収したり、外気との接触に伴う絶縁油Mの劣化を防止したりする周知の構成要素である。放熱器は、変圧器1を冷却する周知の構成要素である。継電器は、絶縁油Mから発生する分解ガスの検出量に基づき、図示しない遮断器を動作させて変圧器本体3への通電を停止させる周知の構成要素である。放圧装置は、絶縁油Mから発生する分解ガスや膨張した絶縁油Mを外部に放出する周知の構成要素である。その他、変圧器1は、この種の油入静止誘導機器に搭載可能である各種の構成要素を備えることができる。
【0013】
また、変圧器1は、負荷時タップ切換器11を備えている。負荷時タップ切換器11は、例えばタップなどと称される図示しない接続ポイントを適宜切り換えることにより、負荷時つまり運転時において変圧器本体3に与えられる電圧を調整する構成要素である。詳しい図示は省略するが、負荷時タップ切換器11は、密閉された本体内に、タップ選択器および切換開閉器などが収納された構成となっている。また、負荷時タップ切換器11は、その内部が絶縁油Mによって満たされた構成となっている。
【0014】
また、負荷時タップ切換器11は、その本体部分を構成する長尺なメイン筒状部11Aと、このメイン筒状部11Aよりも径寸法が小さい長尺なサブ筒状部11Bと、を組み合わせた構成となっている。メイン筒状部11Aおよびサブ筒状部11Bは、何れも上下方向に沿って直線状に延びている。また、メイン筒状部11Aおよびサブ筒状部11Bは、相互に平行な状態で組み合わされている。また、メイン筒状部11Aおよびサブ筒状部11Bの長手方向に沿う寸法は、概ね或いは完全に同じ寸法となっている。
【0015】
負荷時タップ切換器11は、タンク2の上面部を構成するタンクカバー2Bに固定されている。即ち、タンクカバー2Bのうち変圧器本体3とは反対側の部分には、当該タンクカバー2Bを板厚方向に貫通する開口2Dが設けられている。そして、負荷時タップ切換器11は、この開口2Dにフランジ部材100を介して固定されている。次に、このフランジ部材100の構成例について詳細に説明する。
【0016】
図2に例示するように、フランジ部材100は、その本体部分を、概ね楕円板状のフランジ本体部101によって構成している。また、フランジ部材100は、内周部102おおび外周部103を一体的に備えている。フランジ本体部101は、少なくとも、これら内周部102と外周部103との間を構成している。また、内周部102は、フランジ本体部101の内縁部を構成している。また、外周部103は、フランジ部材101の外縁部を構成している。また、フランジ本体部101は、負荷時タップ切換器11のうち少なくともサブ筒状部11Bの上方を覆うことが可能な形状となっている。
【0017】
内周部102は、概ね円形状の開口として形成されており、フランジ本体部101の中心部からずれた位置に設けられている。この場合、内周部102は、フランジ本体部101の中心部から当該フランジ本体部101の長軸方向の一端側に偏った位置つまり偏心位置に設けられている。外周部103は、フランジ本体部101の外縁部に沿って設けられている。よって、外周部103は、フランジ本体部101の外縁部に沿う概ね楕円環状の構成要素となっている。
【0018】
内周部102は、その周方向に沿って複数のねじ孔102aを備えている。この場合、複数のねじ孔102aは、内周部102の周方向に沿って等間隔に配置されている。この内周部102の上部には、後述するLTCフランジ110が、図示しない複数のねじによって固定される。そして、このLTCフランジ110の下部には、上述した負荷時タップ切換器11の上端部が、図示しない複数のねじによって固定される。この場合、LTCフランジ110の下部には、負荷時タップ切換器11のうちメイン筒状部11Aの上端部が固定されるようになっている。また、負荷時タップ切換器11のうちメイン筒状部11Aの上端部は、LTCフランジ110を介して、フランジ部材100の内周部102に間接的に固定されるようになっている。
【0019】
外周部103は、その延伸方向に沿って複数のねじ孔103aを備えている。この場合、複数のねじ孔103aは、外周部103の延伸方向に沿って等間隔に配置されている。この外周部103は、開口2Dの端部に、図示しない複数のねじによって固定される。即ち、フランジ部材100の外周部103は、タンク2の開口2Dの端部に直接的に固定されるようになっている。なお、開口2Dは、フランジ本体部101よりも若干小さい概ね楕円状の開口となっている。但し、開口2Dの形状や大きさなどは、少なくともフランジ本体部101よりも小さい範囲において適宜変更して実施することができる。
【0020】
また、フランジ部材100は、フランジ本体部101の一部に気抜き部104を備えている。気抜き部104は、タンク2内に存在する気体の一例である絶縁油Mの分解ガス及び注油時等に発生した残存ガスなどといった気体を外部に流出可能に構成されている。
【0021】
また、図1に例示するように、フランジ部材100の内周部102の上部には、LTCフランジ110が、図示しない複数のねじによって固定される。LTCフランジ110は、円筒状のLTCフランジ本体部110Aおよび複数のパイプ部110Bを備えている。LTCフランジ110は、この場合、3つのパイプ部110Bを備えている。また、複数のパイプ部110Bは、それぞれ滑らかに曲げられた構成となっている。
【0022】
次に、タンク2に対する負荷時タップ切換器11の固定方法の一例について詳細に説明する。即ち、図3には、タンク2に対する負荷時タップ切換器11の従来の固定方法を例示している。従来の固定方法によれば、まず行程A1では、負荷時タップ切換器11の上端部に取り付けられているヘッドカバーHを取り外し、その後、そのヘッドカバーHが取り外された負荷時タップ切換器11をタンク2の開口2Dを通して当該タンク2内に収容する。なお、ヘッドカバーHの中央部には、当該ヘッドカバーHを貫通する貫通孔Haが設けられている。
【0023】
そして、行程A2では、ヘッドカバーHをタンク2の開口2Dの上部に固定する。そして、行程A3では、タンク2の開口2DおよびヘッドカバーHの貫通孔Haを通して当該タンク2内の負荷時タップ切換器11をワイヤーWによって吊り上げる。そして、行程A4では、ワイヤーWによって吊り上げた負荷時タップ切換器11の上端部を図示しない複数のねじによってヘッドカバーHの下部に固定する。
【0024】
以上の通り、従来では、このような固定方法により、負荷時タップ切換器11がタンク2内に取り付けられている。しかしながら、このような従来の固定方法では、その固定作業が著しく複雑となる。また、重量物である負荷時タップ切換器11をワイヤーWによって吊り上げる必要があることから、その吊り上げ状態が不安定になりやすい。
【0025】
そこで、本実施形態では、上述したフランジ部材100を活用した固定方法を採用する。即ち、図4には、本実施形態に係る負荷時タップ切換器11の固定方法の一例を示している。本実施形態に係る固定方法によれば、まず行程B1では、負荷時タップ切換器11の上端部をLTCフランジ110の下部に図示しない複数のねじによって固定することにより、負荷時タップ切換器11の上端部を、LTCフランジ110を介してフランジ部材100の内周部102に間接的に固定する。そして、行程B2では、LTCフランジ110を介してフランジ部材100の内周部102に負荷時タップ切換器11が間接的に固定された状態で、当該負荷時タップ切換器11をワイヤーWによって吊り下げて、タンク2の開口2Dを通して当該タンク2内に挿入する。そして、行程B3では、タンク2の開口2Dを通して当該タンク2内に負荷時タップ切換器11が挿入された状態で、フランジ部材100の外周部103の下部をタンク2の開口2Dの端部の上部に図示しない複数のねじによって直接的に固定する。
【0026】
以上の通り、本実施形態に係る固定方法によれば、上述した構成のフランジ部材100を活用することによって、負荷時タップ切換器11の吊り上げを要することなく、負荷時タップ切換器11をタンク2内に取り付けることができる。
【0027】
以上に例示した本実施形態に係るフランジ部材100によれば、内周部102に負荷時タップ切換器11が固定された状態で、当該負荷時タップ切換器11をタンク2の開口2Dを通して当該タンク2内に挿入可能に構成されている。また、フランジ部材100によれば、タンク2の開口2Dを通して当該タンク2内に負荷時タップ切換器11が挿入された状態で、フランジ部材100の外周部103の下部をタンク2の開口2Dの端部の上部に固定可能に構成されている。
【0028】
このように構成されるフランジ部材100を活用することにより、従来では吊り上げが必要であった負荷時タップ切換器11を、吊り上げを要することなくタンク2内に固定することができる。なお、負荷時タップ切換器11は、フランジ部材100の内周部102に直接的に固定される構成であってもよい。
【0029】
また、負荷時タップ切換器11は、その本体部分を構成するメイン筒状部11Aと、このメイン筒状部11Aよりも径寸法が小さいサブ筒状部11Bと、を備える新型の負荷時タップ切換器である。そして、フランジ部材100において内周部102と外周部103との間を構成するフランジ本体部101は、このような新型の負荷時タップ切換器11のうち従来とは大きく異なる部分であるサブ筒状部11B部分の上方を覆うことが可能な形状となっている。即ち、本実施形態に係るフランジ部材100は、メイン筒状部11Aおよびサブ筒状部11Bを備える新型の負荷時タップ切換器11にも十分に対応可能な構成、この場合、概ね楕円形状に偏心した構成となっている。
【0030】
また、フランジ部材100は、フランジ本体部101に気抜き部104を備えている。ここで、フランジ部材100のフランジ本体部101は、その外縁部である外周部103がタンク2の開口2Dの端部の上方に重なるようにして固定される。そのため、フランジ本体部101の下面およびタンク2の開口2Dの内周面によって段部が形成され、この段部に、タンク2内で発生する絶縁油Mの分解ガス及び注油時等に発生した残存ガスなどといった気体が溜まりやすい構成となっている。本実施形態に係るフランジ部材100によれば、このようなタンク2内の気体を気抜き部104から円滑に流出させることができる。これにより、タンク2内に絶縁油Mの分解ガス及び注油時等に発生した残存ガスなどといった気体が過剰に溜まってしまうことを抑制することができる。
【0031】
また、上述した気抜き部104は、タンク2内の絶縁油Mを循環させながら脱気する循環脱気実行時にも活用することができる。即ち、図5に例示するように、循環脱気は、変圧器1に周知の循環脱気装置200を接続して実行される。循環脱気装置200は、循環ホース201を介して、フランジ部材100の気抜き部104およびタンク2の絶縁油流入口2Cに接続される。そして、循環脱気装置200は、循環脱気動作を開始すると、タンク2内の絶縁油Mを気抜き部104から吸い込んで、当該絶縁油Mに含まれる気泡や不純物などを周知の除去器によって除去する。そして、循環脱気装置200は、気泡や不純物などが除去された絶縁油Mを絶縁油流入口2Cからタンク2内に戻す。
【0032】
以上の通り、循環脱気装置200は、タンク2内の絶縁油Mを循環させながら、当該絶縁油Mの脱気を行うとともに、当該絶縁油Mに含まれる不純物を除去する。そして、循環脱気装置200による循環脱気実行時において、フランジ部材100が備えている気抜き部104は、タンク2内から絶縁油Mを流出させるバルブとして機能する。そのため、変圧器1は、タンク2内から絶縁油Mを流出させるためのバルブつまり絶縁油流出口を備えなくとも、フランジ部材100の気抜き部104を活用して絶縁油Mの循環脱気を行うことができる。
【0033】
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や拡張を行うことができる。例えば、負荷時タップ切換器は、上述したメイン筒状部11Aおよびサブ筒状部11Bを備えた負荷時タップ切換器11に限られず、種々の構成の負荷時タップ切換器を適用することができる。また、フランジ本体部101の形状や大きさなどは、例えば、適用する負荷時タップ切換器の構成や大きさなどに応じて適宜変更して実施することができる。
【0034】
また、フランジ本体部101における内周部102の位置、形状、大きさなどは、例えば、適用する負荷時タップ切換器の構成や大きさなど、フランジ部材100の形状や大きさなどに応じて適宜変更して実施することができる。また、フランジ本体部101における気抜き部104の位置、形状、大きさなどは、例えば、フランジ部材100の形状や大きさなどに応じて適宜変更して実施することができる。
【0035】
また、フランジ部材100の表面に塗装を施す場合には、内周部102および外周部103には塗装を施さず、フランジ本体部101のうち内周部102および外周部103以外の部分に塗装を施すようにするとよい。
【0036】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、これらの実施形態は、あくまでも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
図面において、2はタンク、2Dはタンクの開口、3は変圧器本体、11は負荷時タップ切換器、11Aはメイン筒状部、11Bはサブ筒状部、100はフランジ部材、101はフランジ本体部、102は内周部、103は外周部、104は気抜き部、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5