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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107004
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】精米機
(51)【国際特許分類】
   B02B 3/04 20060101AFI20230726BHJP
【FI】
B02B3/04 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008079
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅己
(72)【発明者】
【氏名】梶原 一信
【テーマコード(参考)】
4D043
【Fターム(参考)】
4D043AA03
4D043DG01
4D043LA05
(57)【要約】
【課題】リアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる精米機を提供する。
【解決手段】米粒の搗精度を調節する搗精度調節手段と、前記搗精度調節手段を制御する制御部と、を備える精米機であって、搗精前の原料米粒の白さを検出する原料用白さセンサと、搗精後の製品米粒の白さを検出する製品用白さセンサを備え、前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる製品米粒の白さ上昇値が、歩留の目標値に対応して設定される製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米粒の搗精度を調節する搗精度調節手段と、
前記搗精度調節手段を制御する制御部と、を備える精米機であって、
搗精前の原料米粒の白さを検出する原料用白さセンサと、搗精後の製品米粒の白さを検出する製品用白さセンサを備え、
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる製品米粒の白さ上昇値が、歩留の目標値に対応して設定される製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御することを特徴とする精米機。
【請求項2】
多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールの間に搗精室が形成される一つの搗精部を備え、前記搗精室の一端側に米粒供給部、他端側に米粒排出部が設けられ、米粒を前記搗精室で搗精する単体式の精米機において、
前記米粒供給部に前記原料用白さセンサ、前記米粒排出部に前記製品用白さセンサがそれぞれ設けられ、
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御する請求項1に記載の精米機。
【請求項3】
多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールの間に搗精室が形成される搗精部を複数備え、各搗精室の一端側に米粒供給部、他端側に米粒排出部が設けられ、米粒を初段の搗精部から最終段の搗精部まで移動させて前記各搗精室で順次搗精する連座式の精米機において、
前記初段の搗精部における搗精室の一端側に設けた前記米粒供給部に前記原料用白さセンサ、前記最終段の搗精部における搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部に前記製品用白さセンサがそれぞれ設けられ、
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、各段における各搗精度調節手段を制御する請求項1に記載の精米機。
【請求項4】
多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールの間に搗精室が形成される搗精部を複数備え、各搗精室の一端側に米粒供給部、他端側に米粒排出部が設けられ、米粒を初段の搗精部から最終段の搗精部まで移動させて前記各搗精室で順次搗精する連座式の精米機において、
前記初段の搗精部における搗精室の一端側に設けた前記米粒供給部に前記原料用白さセンサ、前記最終段の搗精部における搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部に前記製品用白さセンサ、前記最終段以外の各段の搗精部における各搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部に搗精途中の中間品米粒の白さを検出する中間品用白さセンサがそれぞれ設けられ、
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記中間品用白さセンサで検出される中間品米粒の白さから求まる中間品米粒の白さ上昇値が、前記製品米粒の白さ上昇の目標値の範囲内で設定される中間品米粒の白さ上昇の目標値と一致し、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、各段における各搗精度調節手段を制御する請求項3に記載の精米機。
【請求項5】
前記歩留の目標値を入力設定可能とする設定部と、
歩留値と白さ上昇値との対応関係を予め記憶登録可能とする登録部と、を備え、
前記制御部は、前記設定部で入力設定された前記歩留の目標値に基づいて前記登録部を参照し、前記登録部から対応する白さ上昇値を読み出して前記製品米粒の白さ上昇の目標値を設定し、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御する請求項1乃至4のいずれかに記載の精米機。
【請求項6】
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値を前記製品米粒の白さ上昇の目標値と比較し、前記製品米粒の白さ上昇値が前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御する請求項1乃至5のいずれかに記載の精米機。
【請求項7】
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品米粒の白さ上昇の目標値とに基づいて製品米粒の白さの目標値を設定し、前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さを前記製品米粒の白さの目標値と比較し、前記製品米粒の白さが前記製品米粒の白さの目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御する請求項1乃至5のいずれかに記載の精米機。
【請求項8】
前記原料用白さセンサが設けられる前記米粒供給部はロータリーバルブを有し、前記ロータリーバルブの流路壁面に供給側透明窓を形成し、前記原料用白さセンサは前記供給側透明窓を介して原料米粒の白さを検出する請求項2乃至7のいずれかに記載の精米機。
【請求項9】
前記製品用白さセンサが設けられる前記米粒排出部は米粒排出筒を有し、前記米粒排出筒の周壁面に排出側透明窓を形成し、前記製品用白さセンサは前記排出側透明窓を介して製品米粒の白さを検出する請求項2乃至8のいずれかに記載の精米機。
【請求項10】
前記搗精度調節手段は、前記米粒排出部の排出口に設けられる圧力蓋、前記搗精部に配設される前記精白ロール、及び前記米粒供給部に設けられるシャッターの少なくともいずれかを含み、前記圧力蓋の圧迫度、前記精白ロールの回転数、及び前記シャッターの開度の少なくともいずれかを制御する請求項2乃至9のいずれかに記載の精米機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる精米機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、精米機で玄米を搗精するに際し、搗精前後における米粒の重量の変化に基づいて歩留制御を行うことが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された発明は、精米機の前後に計量装置を設け、各計量装置で計量される米粒の重量値の変化に基づいて歩留値を算出し、該歩留値を基準値と比較して前記精米機の抵抗蓋の抵抗力を調節するものであり、精米機の歩留制御をリアルタイムで行うことができる。
【0004】
ところで、特許文献1に記載された発明では、精米機の前後に設けられる各計量装置において米粒の重量値を瞬時に計量する必要があるが、短時間での計量は振動等の影響を受けやすく誤差が大きいために、正確な重量値を計量することが難しい問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-34425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、リアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる精米機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本件発明者は、鋭意検討の結果、搗精が進むにつれて米粒の白さが増すことに着目して本件発明に至ったものである。
【0008】
即ち、上記目的を達成するため、本発明は、
米粒の搗精度を調節する搗精度調節手段と、
前記搗精度調節手段を制御する制御部と、を備える精米機であって、
搗精前の原料米粒の白さを検出する原料用白さセンサと、搗精後の製品米粒の白さを検出する製品用白さセンサを備え、
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる製品米粒の白さ上昇値が、歩留の目標値に対応して設定される製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御することを特徴とする。
【0009】
本発明において「米粒の白さ」とは、例えば(株)サタケ製の精白度計「MM1D」で測定された米粒の白さや、(株)ケット科学研究所製の白度計「C-600」で測定された米粒の白度など、米粒の色の白さの程度を表す指標全般を意味するものと定義する。
【0010】
また、本発明において「白さセンサ」とは、例えば米粒に光をあて、その反射光を受光するなどして「米粒の白さ」を測定するセンサ全般を意味するものと定義する。
【0011】
本発明において「白さ上昇値(白さ上昇)」とは、搗精前の米粒(原料米粒)の白さと搗精開始後の米粒(搗精後の製品米粒、及び、搗精途中の中間品米粒)の白さとの差であって、搗精前の米粒と搗精開始後の米粒の色の白さの変化を表す指標であり、原料米粒(玄米)と製品米粒(白米及び分搗き米を含む精米)の白さの差を「製品米粒の白さ上昇値」、原料米粒と中間品米粒の白さの差を「中間品米粒の白さ上昇値」といい、搗精が進むに連れて数値が高くなる。
【0012】
本発明は、
多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールの間に搗精室が形成される一つの搗精部を備え、前記搗精室の一端側に米粒供給部、他端側に米粒排出部が設けられ、米粒を前記搗精室で搗精する単体式の精米機において、
前記米粒供給部に前記原料用白さセンサ、前記米粒排出部に前記製品用白さセンサがそれぞれ設けられ、
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御することが好ましい。
【0013】
本発明は、
多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールの間に搗精室が形成される搗精部を複数備え、各搗精室の一端側に米粒供給部、他端側に米粒排出部が設けられ、米粒を初段の搗精部から最終段の搗精部まで移動させて前記各搗精室で順次搗精する連座式の精米機において、
前記初段の搗精部における搗精室の一端側に設けた前記米粒供給部に前記原料用白さセンサ、前記最終段の搗精部における搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部に前記製品用白さセンサがそれぞれ設けられ、
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、各段における各搗精度調節手段を制御することが好ましい。
【0014】
本発明は、
多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールの間に搗精室が形成される搗精部を複数備え、各搗精室の一端側に米粒供給部、他端側に米粒排出部が設けられ、米粒を初段の搗精部から最終段の搗精部まで移動させて前記各搗精室で順次搗精する連座式の精米機において、
前記初段の搗精部における搗精室の一端側に設けた前記米粒供給部に前記原料用白さセンサ、前記最終段の搗精部における搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部に前記製品用白さセンサ、前記最終段以外の各段の搗精部における各搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部に搗精途中の中間品米粒の白さを検出する中間品用白さセンサがそれぞれ設けられ、
前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記中間品用白さセンサで検出される中間品米粒の白さから求まる中間品米粒の白さ上昇値が、前記製品米粒の白さ上昇の目標値の範囲内で設定される中間品米粒の白さ上昇の目標値と一致し、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、各段における各搗精度調節手段を制御することが好ましい。
【0015】
本発明において、前記中間品米粒の白さ上昇の目標値は、各段の搗精部の搗精方式や搗精部の数等に応じて前記製品米粒の白さ上昇の目標値の範囲内で設定することが好ましい。
【0016】
本発明は、
前記歩留の目標値を入力設定可能とする設定部と、
歩留値と白さ上昇値との対応関係を予めテーブルに記憶登録可能とする登録部と、を備え、
前記制御部が、前記設定部で入力設定された前記歩留の目標値に基づいて前記登録部のテーブルを参照し、前記テーブルから対応する白さ上昇値を読み出して前記製品米粒の白さ上昇の目標値を設定し、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御することが好ましい。
【0017】
本発明は、
原料米粒の種類を選択して前記歩留の目標値を入力設定可能とする設定部と、
原料米粒の種類毎に歩留値と白さ上昇値との対応関係を予めテーブルに記憶登録可能とする登録部と、を備え、
前記制御部が、前記設定部で前記原料米粒の種類を選択して入力設定された前記歩留の目標値に基づいて前記登録部のテーブルを参照し、前記テーブルから対応する白さ上昇値を読み出して前記製品米粒の白さ上昇の目標値を設定し、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御することが好ましい。
【0018】
本発明は、
前記制御部が、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値を前記製品米粒の白さ上昇の目標値と比較し、前記製品米粒の白さ上昇値が前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御することが好ましい。
【0019】
本発明は、
前記制御部が、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品米粒の白さ上昇の目標値とに基づいて製品米粒の白さの目標値を設定し、前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さを前記製品米粒の白さの目標値と比較し、前記製品米粒の白さが前記製品米粒の白さの目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御することが好ましい。
これにより、本発明は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、歩留の目標値に対応して設定される製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御することができる。
【0020】
本発明は、
前記原料用白さセンサが設けられる前記米粒供給部がロータリーバルブを有し、前記ロータリーバルブの流路壁面に供給側透明窓を形成し、前記原料用白さセンサが前記供給側透明窓を介して原料米粒の白さを検出することが好ましい。
【0021】
本発明は、
前記製品用白さセンサが設けられる前記米粒排出部が米粒排出筒を有し、前記米粒排出筒の周壁面に排出側透明窓を形成し、前記製品用白さセンサが前記排出側透明窓を介して製品米粒の白さを検出することが好ましい。
【0022】
本発明は、
前記中間品用白さセンサが設けられる前記米粒排出部が米粒排出筒を有し、前記米粒排出筒の周壁面に排出側透明窓を形成し、前記中間品用白さセンサが前記排出側透明窓を介して中間品米粒の白さを検出することが好ましい。
【0023】
本発明は、
前記搗精度調節手段が、前記米粒排出部の排出口に設けられる圧力蓋、前記搗精部に配設される前記精白ロール、及び前記米粒供給部に設けられるシャッターの少なくともいずれかを含み、前記圧力蓋の圧迫度、前記精白ロールの回転数、及び前記シャッターの開度の少なくともいずれかを制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の精米機は、搗精前の原料米粒の白さを検出する原料用白さセンサと、搗精後の製品米粒の白さを検出する製品用白さセンサを備え、前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる製品米粒の白さ上昇値が、歩留の目標値に対応して設定される製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御するので、搗精前後の米粒の白さを各白さセンサによってそれぞれ瞬時に正確に測定することができ、搗精前後における米粒の色の白さの変化(白さ上昇)に基づいてリアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる。
【0025】
本発明の精米機は、多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールの間に搗精室が形成される一つの搗精部を備え、前記搗精室の一端側に米粒供給部、他端側に米粒排出部が設けられ、米粒を前記搗精室で搗精する単体式の精米機において、前記米粒供給部に前記原料用白さセンサ、前記米粒排出部に前記製品用白さセンサがそれぞれ設けられ、前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御するものであれば、搗精前後の米粒の白さを各白さセンサによってそれぞれ瞬時に正確に測定することができるので、搗精前後における米粒の色の白さの変化(白さ上昇)に基づいてリアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる。
【0026】
本発明の精米機は、多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールの間に搗精室が形成される搗精部を複数備え、各搗精室の一端側に米粒供給部、他端側に米粒排出部が設けられ、米粒を初段の搗精部から最終段の搗精部まで移動させて前記各搗精室で順次搗精する連座式の精米機において、前記初段の搗精部における搗精室の一端側に設けた前記米粒供給部に前記原料用白さセンサ、前記最終段の搗精部における搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部に前記製品用白さセンサがそれぞれ設けられ、前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、各段における各搗精度調節手段を制御するものであれば、初段における搗精前の米粒の白さと最終段における搗精後の米粒の白さを各白さセンサによってそれぞれ瞬時に正確に測定することができるので、搗精前後における米粒の色の白さの変化(白さ上昇)に基づいてリアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる。
【0027】
本発明の精米機は、多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールの間に搗精室が形成される搗精部を複数備え、各搗精室の一端側に米粒供給部、他端側に米粒排出部が設けられ、米粒を初段の搗精部から最終段の搗精部まで移動させて前記各搗精室で順次搗精する連座式の精米機において、前記初段の搗精部における搗精室の一端側に設けた前記米粒供給部に前記原料用白さセンサ、前記最終段の搗精部における搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部に前記製品用白さセンサ、前記最終段以外の各段の搗精部における各搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部に搗精途中の中間品米粒の白さを検出する中間品用白さセンサがそれぞれ設けられ、前記制御部は、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記中間品用白さセンサで検出される中間品米粒の白さから求まる中間品米粒の白さ上昇値が、前記製品米粒の白さ上昇の目標値の範囲内で設定される中間品米粒の白さ上昇の目標値と一致し、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、各段における各搗精度調節手段を制御するものであれば、初段における搗精前の米粒の白さと最終段における搗精後の米粒の白さを原料用白さセンサと製品用白さセンサによってそれぞれ瞬時に正確に測定することができるので、搗精前後における米粒の色の白さの変化(白さ上昇)に基づいてリアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる。
また、本発明の精米機は、米粒の白さ上昇の目標値が段階的に設定されるものであり、搗精前の米粒の白さ、搗精途中の米粒の白さ、及び搗精後の米粒の白さを、各白さセンサによってそれぞれ瞬時に正確に測定することができるので、搗精前と搗精開始後の米粒の色の白さの変化(白さ上昇)に基づいてリアルタイムでより高精度な歩留制御を行うことができる。
【0028】
本発明の精米機は、前記歩留の目標値を入力設定可能とする設定部と、歩留値と白さ上昇値との対応関係を予めテーブルに記憶登録可能とする登録部と、を備え、前記制御部が、前記設定部で入力設定された前記歩留の目標値に基づいて前記登録部のテーブルを参照し、前記テーブルから対応する白さ上昇値を読み出して前記製品米粒の白さ上昇の目標値を設定し、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御するものであれば、オペレータが歩留の目標値を入力設定するだけの簡単な操作により、リアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる。
【0029】
本発明の精米機は、原料米粒の種類を選択して前記歩留の目標値を入力設定可能とする設定部と、原料米粒の種類毎に歩留値と白さ上昇値との対応関係を予めテーブルに記憶登録可能とする登録部と、を備え、前記制御部が、前記設定部で前記原料米粒の種類を選択して入力設定された前記歩留の目標値に基づいて前記登録部のテーブルを参照し、前記テーブルから対応する白さ上昇値を読み出して前記製品米粒の白さ上昇の目標値を設定し、前記原料用白さセンサで検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサで検出される製品米粒の白さから求まる前記製品米粒の白さ上昇値が、前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御するものであれば、オペレータが原料米粒の種類を選択して歩留の目標値を入力設定するだけの簡単な操作により、リアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる。
【0030】
本発明の精米機は、前記原料用白さセンサが設けられる前記米粒供給部がロータリーバルブを有し、前記ロータリーバルブの流路壁面に供給側透明窓を形成し、前記原料用白さセンサが前記供給側透明窓を介して原料米粒の白さを検出するものであれば、ロータリーバルブの流路壁とローターの羽根の間を密な状態で速度を大として安定供給される原料米粒の摩擦作用により、前記供給側透明窓の内面への糠の付着を防止できるので、前記原料用白さセンサによって原料米粒の白さを精度よく検出することができる。
【0031】
本発明の精米機は、前記製品用白さセンサが設けられる前記米粒排出部が米粒排出筒を有し、前記米粒排出筒の周壁面に排出側透明窓を形成し、前記製品用白さセンサが前記排出側透明窓を介して製品米粒の白さを検出するものであれば、高速回転する粒々の製品米粒の摩擦作用により、前記排出側透明窓の内面への糠の付着を防止できるので、前記製品用白さセンサによって製品米粒の白さを精度よく検出することができる。
【0032】
本発明の精米機は、前記中間品用白さセンサが設けられる前記米粒排出部が米粒排出筒を有し、前記米粒排出筒の周壁面に排出側透明窓を形成し、前記中間品用白さセンサが前記排出側透明窓を介して中間品米粒の白さを検出するものであれば、高速回転する粒々の中間品米粒の摩擦作用により、前記排出側透明窓の内面への糠の付着を防止できるので、前記中間品用白さセンサにより中間品米粒の白さを精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施の形態における精米機の要部断面図。
図2】精米機の制御ブロック図。
図3】精米機の設定部の説明図。
図4】本発明の他の実施の形態における精米機の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における精米機の要部断面図を示す。
本発明の実施の形態における精米機1は、単体式の横型精米機であって、一つの搗精部3を備える。
前記搗精部3は、金網等の多孔壁からなる円筒状又は多角筒状の精白筒、ここではスクリーン全体にスリットが設けられる精米スクリーン31と、該精米スクリーン31内に回転可能に配設される精白ロール32を有し、前記精米スクリーン31と前記精白ロール32の間に米粒を搗精する搗精室33が形成される。
前記搗精部3は、前記精白ロール32の回転数により前記搗精室33内における米粒の撹拌量を調整することができる。
【0035】
前記搗精室33の一端側には米粒供給部2が設けられ、他端側には米粒排出部4が設けられる。
前記米粒供給部2は、円筒状の送穀筒21と、該送穀筒21内であって前記精白ロール32と同軸上に回転可能に配設されるねじロール22を有し、前記送穀筒21と前記ねじロール22の間には前記搗精室33に搗精前の原料米粒(玄米)を移送する送穀室23が形成される。
【0036】
前記送穀筒21には、一端側上部に原料供給口24が形成され、該原料供給口24に原料供給筒25が配設される一方で、他端側端部において開口する。また、前記ねじロール22は、前記精白ロール32とともに図示しない駆動モータにより回転駆動される主軸26に装着される。
【0037】
前記米粒供給部2は、前記原料供給筒25に接続される原料供給樋27と、前記原料供給樋27の上部に設けられるロータリーバルブ28を有する。また、前記原料供給樋27には図示しないシャッターが設けられる。
前記米粒供給部2は、前記ロータリーバルブ28の回転速度により前記シャッター上に供給される原料米粒の供給量を調整し、前記シャッターの開度により前記送穀筒21内へ供給される原料米粒の供給量を調整することができる。
【0038】
前記ロータリーバルブ28のケース壁面には、ガラスや樹脂等からなる図示しない透明窓が形成される。前記ロータリーバルブ28のケース外面には、原料米粒の白さを検出する原料用白さセンサ51が設けられ、前記原料用白さセンサ51は、前記透明窓を介して前記原料米粒の白さを検出する。
【0039】
前記ロータリーバルブ28では、ケース内面とローターの羽根の間を密な状態で速度を大として安定供給される原料米粒の摩擦作用により、前記透明窓の内面への糠の付着を防止でき、前記原料用白さセンサ51により前記原料米粒の白さを精度よく検出することができる。
【0040】
前記米粒排出部4は、前記搗精室33の他端部に設けられ搗精後の製品米粒(精米)が移送されてくる円筒状又は多角筒状の米粒排出筒41と、前記米粒排出筒41に形成される米粒排出口42と連通するように設けられる米粒排出樋43を有する。また、前記米粒排出樋43には、前記米粒排出口42を塞ぐように圧力蓋44が設けられる。
前記米粒排出部4は、前記圧力蓋44の圧迫度により製品米粒の排出量を調整することができる。
【0041】
前記米粒排出筒41の周壁面には、ガラスや樹脂等からなる図示しない透明窓が形成される。前記米粒排出筒41の外面には、製品米粒の白さを検出する製品用白さセンサ52が設けられ、前記製品用白さセンサ52は、前記透明窓を介して製品米粒の白さを検出する。
【0042】
前記米粒排出筒41では、高速回転する粒々の製品米粒の摩擦作用により、前記透明窓の内面への糠の付着を防止でき、前記製品用白さセンサ52により前記製品米粒の白さを精度よく検出することができる。
【0043】
なお、前記製品用白さセンサ52は、前記米粒排出口42の下方であって前記米粒排出樋43の外面など、製品米粒の白さを検出することができる任意の部分に設けることもできる。
【0044】
前記搗精部3において、前記精白ロール32には図示しない複数の噴風孔が形成されており、図示しない送風ファンから前記主軸26内の図示しない中空部を介して供給されるエアが前記噴風孔から噴風する。
前記搗精室33の周囲であって前記精米スクリーン31と精米機本体の間には集塵室34が設けられ、該集塵室34は下方に設けられた集塵ダクト35に連通する。
【0045】
本発明の実施の形態における精米機1において、前記ロータリーバルブ28から前記原料供給樋27の前記シャッター上に供給される原料米粒は、前記原料供給筒25を介して前記原料供給口24へ送られ、前記原料供給口24から前記送穀室23内に供給される。
そして、前記送穀室23に供給された原料米粒は、前記ねじロール22により前記搗精室33側へ移送される。
その際、前記ロータリーバルブ28のケース外面に設けられる前記原料用白さセンサ51により前記原料米粒の白さが検出される。
【0046】
前記搗精室33に移送された原料米粒は、前記精白ロール32により撹拌され、米粒同士の粒々摩擦により搗精されながら前記米粒排出筒41へ向けて移動し、前記搗精室33で搗精された後の製品米粒が前記米粒排出口42を塞ぐように設けられる前記圧力蓋44を押し開いて前記米粒排出樋43から排出される。
その際、前記米粒排出筒41の外面に設けられる前記製品用白さセンサ52により前記製品米粒の白さが検出される。
【0047】
前記搗精室33では、原料米粒の搗精により糠が発生するが、前記糠は前記精白ロール32に形成される噴風孔から噴風されるエアにより、前記精米スクリーン31の前記スリットから集塵室34を介して集塵ダクト35へと排出される。
【0048】
図2は精米機の制御ブロック図を示す。図3は精米機の設定部の一例の説明図を示す。
本発明の実施の形態における精米機1は、搗精前の原料米粒の白さと搗精後の製品米粒の白さから求まる製品米粒の白さ上昇値(白さ上昇)に基づいて、前記米粒排出部4の前記米粒排出口42に設けられる前記圧力蓋44、前記搗精部3に配設される前記精白ロール32、及び前記原料供給樋27に設けられる前記シャッター等の搗精度調節手段7をフィードバック制御する制御部6を備える。
【0049】
前記制御部6は、搗精加工に際し原料米粒の種類毎に歩留の目標値を設定することができる設定部61と、原料米粒の種類毎に歩留値と白さ上昇値との対応関係を予め記憶登録する登録部62を備える。
【0050】
前記設定部61は、例えば制御盤に設けられる操作パネルであって、図3に示す設定画面には、歩留の目標値を調整するための調整ボタン611と、前記歩留の目標値を設定するための設定ボタン612を備える。
前記設定部61の設定画面には歩留の目標値を表示する目標歩留値表示部613が設けられ、オペレータは図示しない選択画面で原料米粒の種類を選択するとともに、前記目標歩留値表示部613に表示される数値を確認しながら前記歩留の目標値を設定することができる。
【0051】
前記登録部62は、例えば制御盤に設けられる記憶装置であって、例えば前記操作パネルにおける図示しない入力画面から原料米粒の原料情報とともに、原料米粒の種類毎に歩留値と白さ上昇値との対応関係を予めテーブルに記憶登録することができる。
前記原料米粒の原料情報には、産地、品種、産年、等級及び生産者等の他、混合米の場合はその使用割合等を含めることができる。
【0052】
前記制御部6は、オペレータが前記設定部61で原料米粒の種類を選択して入力設定した歩留の目標値に基づいて前記登録部62の前記テーブルを参照し、前記テーブルから対応する白さ上昇値を読み出して製品米粒の白さ上昇の目標値を設定する。
【0053】
そして、前記制御部6は、前記原料用白さセンサ51で検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサ52で検出される製品米粒の白さに基づいて製品米粒の白さ上昇値を求め、前記製品米粒の白さ上昇値を前記製品米粒の白さ上昇の目標値と比較し、前記製品米粒の白さ上昇値が前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段7における前記圧力蓋44の圧迫度、前記精白ロール32の回転数、前記シャッターの開度等を制御する。
【0054】
ここで、前記制御部6は、前記原料用白さセンサ51で検出される原料米粒の白さと前記製品米粒の白さ上昇の目標値とに基づいて搗精後における製品米粒の白さの目標値を設定し、前記製品用白さセンサ52で検出される製品米粒の白さを前記白さの目標値と比較して、前記製品米粒の白さが前記白さの目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段を制御することもできる。
【0055】
前記設定部61には製品米粒の歩留値を表示する製品歩留値表示部614が設けられ、原料米粒の白さと製品米粒の白さとの差から求まる製品米粒の白さ上昇値に基づいて前記登録部62の前記テーブルを参照し、前記テーブルから対応する歩留値を読み出して前記製品歩留値表示部614に製品歩留値を表示することができる。
【0056】
本発明の実施の形態における精米機1は、一つの搗精部3を備え、前記搗精室33の一端側に米粒供給部2、他端側に米粒排出部4が設けられ、米粒を前記搗精室33で搗精する単体式の精米機であって、前記米粒供給部2に前記原料用白さセンサ51、前記米粒排出部4に前記製品用白さセンサ52がそれぞれ設けられ、前記制御部6は、前記原料用白さセンサ51で検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサ52で検出される製品米粒の白さから求まる製品米粒の白さ上昇値が、オペレータが入力設定した歩留の目標値に対応して設定される製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、前記搗精度調節手段7を制御するので、各白さセンサ51,52によって原料米粒の白さと製品米粒の白さをそれぞれ瞬時に正確に測定することができ、搗精前後における米粒の色の白さの変化(白さ上昇)に基づいてリアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる。
【0057】
図4は本発明の他の実施の形態における精米機の要部断面図を示す。
本発明の他の実施の形態における精米機1は、連座式の横型精米機であって、上下に積層して直列に連座される3つの搗精部3を備える。
前記連座式の精米機1は、前記各搗精部3において各搗精室の一端側に米粒供給部2、他端側に米粒排出部4がそれぞれ設けられ、米粒を初段の搗精部3から最終段の搗精部3まで移動させて前記各搗精室で順次搗精する。
前記各搗精部3の構成は、図1に示す単体式の横型精米機と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0058】
前記連座式の精米機1は、前記初段の搗精部3における搗精室の一端側に設けた前記米粒供給部2に前記原料用白さセンサ51、前記最終段の搗精部3における搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部4に前記製品用白さセンサ52がそれぞれ設けられる。
前記原料用白さセンサ51は搗精前の原料米粒(玄米)の白さを検出し、前記製品用白さセンサ52は搗精後の製品米粒(精米)の白さを検出する。
【0059】
前記連座式の精米機1は、図1に示す単体式の精米機と同様の制御部を備え、前記制御部は、オペレータが設定部で原料米粒の種類を選択して入力設定した歩留の目標値に基づいて登録部のテーブルを参照し、前記テーブルから対応する白さ上昇値を読み出して製品米粒の白さ上昇の目標値を設定する。
【0060】
そして、前記制御部は、前記原料用白さセンサ51で検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサ52で検出される製品米粒の白さに基づいて製品米粒の白さ上昇値を求め、前記製品米粒の白さ上昇値を前記製品米粒の白さ上昇の目標値と比較し、前記製品米粒の白さ上昇値が前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、各段における各搗精度調節手段、即ち、各米粒排出部4の排出口に設けられる圧力蓋の圧迫度、各搗精部3に配設される精白ロールの回転数、各米粒供給部2に設けられるシャッターの開度等を制御する。
【0061】
ここで、本発明の他の実施の形態において、前記連座式の精米機1は、研削式や摩擦式など搗精方式に応じて各段の搗精部3における搗精度を任意に調節することができる。
【0062】
本発明の他の実施の形態における精米機1は、複数の搗精部3を備え、各搗精室の一端側に米粒供給部2、他端側に米粒排出部4が設けられ、米粒を初段の搗精部3から最終段の搗精部3まで移動させて前記各搗精室で順次搗精する連座式の精米機であって、前記初段の搗精部3における搗精室の一端側に設けた前記米粒供給部2に前記原料用白さセンサ51、前記最終段の搗精部3における搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部4に前記製品用白さセンサ52がそれぞれ設けられ、前記制御部が、前記原料用白さセンサ51で検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサ52で検出される製品米粒の白さから求まる製品米粒の白さ上昇値が、歩留の目標値に対応して設定される製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、各段における各搗精度調節手段を制御するので、各白さセンサ51,52によって初段における原料米粒の白さと最終段における製品米粒の白さをそれぞれ瞬時に正確に測定することができ、搗精前後における米粒の色の白さの変化(白さ上昇)に基づいてリアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができる。
【0063】
本発明の他の実施の形態における精米機1は、前記最終段以外の各段の搗精部3、ここでは初段及び第二段の搗精部3における各搗精室の他端側に設けた前記米粒排出部4に搗精途中の中間品米粒の白さを検出する中間品用白さセンサ53を設けることができる。
【0064】
そして、前記制御部は、前記原料用白さセンサ51で検出される原料米粒の白さと前記中間品用白さセンサ53で検出される中間品米粒の白さから求まる中間品米粒の白さ上昇値が、前記製品米粒の白さ上昇の目標値の範囲内で設定される中間品米粒の白さ上昇の目標値と一致し、前記原料用白さセンサ51で検出される原料米粒の白さと前記製品用白さセンサ52で検出される製品米粒の白さから求まる製品米粒の白さ上昇値が、前記歩留の目標値に対応して設定される前記製品米粒の白さ上昇の目標値と一致するよう、各段における各搗精度調節手段を制御することができる。
【0065】
ここで、前記中間品米粒の白さ上昇の目標値は、例えば前記搗精部の数や各段の搗精部の搗精方式等に応じて前記製品米粒の白さ上昇の目標値の範囲内でオペレータの入力により手動で、又は前記制御部により自動で設定することができる。
【0066】
本発明の他の実施の形態における精米機1は、米粒の白さ上昇の目標値を各段の搗精部3毎に段階的に設定するとともに、前記中間品用白さセンサ53によって中間品米粒の白さを検出することとすれば、原料米粒の白さ、中間品米粒の白さ、及び製品米粒の白さを、各白さセンサ51,52,53によってそれぞれ瞬時に正確に測定することができるので、搗精前と搗精開始後における米粒の色の白さの変化(白さ上昇)に基づいてリアルタイムでより高精度な歩留制御を行うことができる。
【0067】
なお、本発明の他の実施の形態において、前記中間品用白さセンサ53は必須のものでなく、必要に応じて設けることができ、又は必要に応じて利用することができる。
【0068】
本発明の他の実施の形態において、前記連座式の精米機は、複数の搗精部3を上下に積層して直列に連座させるものであったが、一つの搗精部3を備える単体式の精米機を直列に複数連座させることで、複数の搗精部を備える連座式の精米機とすることもできる。
【0069】
本発明の実施の形態において、単体式の精米機1では、前記精白ロール32は摩擦式のロールを例として説明したが、これに限定されるものでなく、例えば研削式のロールとすることもできる。
【0070】
また、本発明の実施の形態において、連座式の精米機1は、例えば初段に研削式のロール、後段に摩擦式のロールを用いるなど、各段の搗精部3における搗精方式を異なるものとすることもできる。
【0071】
本発明の実施の形態において、精米機1は横型精米機を例として説明したが、縦型精米機でもよい。
【0072】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいてその構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の精米機は、リアルタイムで高精度な歩留制御を行うことができるものであり、極めて有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 精米機
2 米粒供給部
21 送穀筒
22 ねじロール
23 送穀室
24 原料供給口
25 原料供給筒
26 主軸
27 原料供給樋
28 ロータリーバルブ
3 搗精部
31 精米スクリーン
32 精白ロール
33 搗精室
34 集塵室
35 集塵ダクト
4 米粒排出部
41 米粒排出筒
42 米粒排出口
43 米粒排出樋
44 圧力蓋
51 原料用白さセンサ
52 製品用白さセンサ
53 中間品用白さセンサ
6 制御部
61 設定部
611 調整ボタン
612 設定ボタン
613 目標歩留値表示部
614 製品歩留値表示部
62 登録部
7 搗精度調節手段

図1
図2
図3
図4