(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107037
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20230726BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20230726BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J50/80
H02J9/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008123
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】堀部 房二
(72)【発明者】
【氏名】青山 航大
(72)【発明者】
【氏名】安尾 貴司
【テーマコード(参考)】
5G015
5L049
【Fターム(参考)】
5G015FA10
5G015GA06
5G015GA10
5G015GB03
5G015JA53
5G015JA55
5G015JA59
5G015KA05
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】非常用電源の使用時における電力の供給量を抑えることができ、かつ、配線が比較的簡単な電力供給システムを提供する。
【解決手段】電力供給システム100は、電力供給用の電波を送信するための第1送電装置106を備える。第1送電装置106には、非常用電源104の使用時において当該非常用電源の電力が供給される。第1送電装置106は、非常用電源104からの電力に基づく電力供給用の電波を、常用電源102から電力が供給される場合にその電力が供給される複数の機器108のうちの、非常時給電対象の機器108aに対応する無線受電部112のみに向けて送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給用の電波を送信するための第1送電装置を備え、
前記第1送電装置には、非常用電源の使用時において当該非常用電源の電力が供給され、
前記第1送電装置は、前記非常用電源からの電力に基づく電力供給用の電波を、常用電源から電力が供給される場合にその電力が供給される複数の機器のうちの、非常時給電対象の機器に対応する無線受電部のみに向けて送信する、
電力供給システム。
【請求項2】
前記常用電源からの電力は、前記複数の機器に有線で供給される、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
電力供給用の電波を送信するための第2送電装置を備え、
前記第2送電装置には、前記常用電源の電力が供給され、
前記第2送電装置は、前記常用電源からの電力に基づく電力供給用の電波を、前記非常時給電対象の機器に対応する無線受電部に向けて送信する、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記第1送電装置および前記第2送電装置は、共通の送電装置である、請求項3に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記第1送電装置は、前記非常時給電対象の機器のうち、応答がある機器に対応する無線受電部に向けて電力供給用の電波を送信し、応答がない機器に対応する無線受電部に向けては電波を送信しない、請求項1から4のいずれかに記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記第1送電装置は、前記非常用電源からの電力に基づく電力供給用の電波の送信回数が所定回数を超えるまでは、応答の有無によらずに、前記非常時給電対象の機器に対応する無線受電部に向けて電力供給用の電波を送信する、請求項5に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記第1送電装置は、バッテリを備え、当該バッテリの電力に基づく電力供給用の電波を、前記非常時給電対象の機器に対応する無線受電部に向けて送信する、請求項1から6のいずれかに記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商用電源などの常用電源から電力が供給されなくなった場合に、非常用電源から電力が供給されるように構成された電力供給システムが知られている。特許文献1は、非常用電源の使用時には、一部の特定の機器にのみ電力が供給されるように構成された電力供給システムを開示する。この電力供給システムによれば、一般に電力の供給能力が常用電源に比べて低い、あるいは供給可能な電力に限りがある非常用電源の使用時において、電力の供給量を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、非常用電源の使用時には一部の特定の機器にのみ電力が供給されるようにするために、すなわち常用電源の使用時と非常用電源の使用時とで電力の供給先に違いを生じさせるために、常用電源からの電力を供給するための配線とは別に、非常用電源からの電力を供給するための配線も張り巡らされており、配線が複雑になっている。
【0005】
本開示の目的の1つは、非常用電源の使用時における電力の供給量を抑えることができ、かつ、配線が比較的簡単な電力供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の電力供給システムは、電力供給用の電波を送信するための第1送電装置を備える。第1送電装置には、非常用電源の使用時において当該非常用電源の電力が供給され、第1送電装置は、非常用電源からの電力に基づく電力供給用の電波を、常用電源から電力が供給される場合にその電力が供給される複数の機器のうちの、非常時給電対象の機器に対応する受電装置のみに向けて送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態に係る電力供給システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の受電装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の送電装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3の制御部の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4の機器情報記憶部の構成例を模式的に示す図である。
【
図6】第2の実施の形態に係る電力供給システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】第3の実施の形態に係る電力供給システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の一例を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素の一部を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。本明細書で言及する構造及び形状に、言及している内容に厳密に一致する構造及び形状のみでなく、寸法誤差、製造誤差等の誤差の分だけずれた構造及び形状も含む。各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1を参照する。第1の実施の形態に係る電力供給システム100は、例えば、ビルなどの大規模な施設、戸建て、集合住宅、工場などに設置される。電力供給システム100は、常用電源102と、非常用電源104と、第1送電装置106と、複数の機器108と、を備える。
【0010】
常用電源102は、日常的に使用する電源であって、典型的には系統電源(商用電源)であるが、その限りではなく、例えば、太陽光発電装置、風力発電装置などの分散電源であってもよい。常用電源102の使用時においてその電力は、複数の機器108のそれぞれに有線で供給される。
【0011】
非常用電源104は、停電などで常用電源102から電力が供給されなくなった場合の電源であって、例えば、ディーゼル発電装置などの発電装置や、バッテリである。非常用電源104の使用時においてその電力は、第1送電装置106に有線で供給される。
【0012】
第1送電装置106は、電力供給用の電波を無線送電するための装置である。第1送電装置106は、非常用電源104から供給された電力に基づく電波を、複数の機器108のうちの非常時給電対象である機器108(以下、機器108aとも呼ぶ)に向けて送信し、非常時給電対象でない機器108(以下、機器108bとも呼ぶ)に向けては送信しない。つまり、この例では、第1送電装置106が送信する電波は指向性を有する。第1送電装置106が送信する電波は、無指向性であってもよい。すなわち、第1送電装置106は、機器108aにも機器108bにも電波を送信してもよい。
【0013】
「非常時給電対象」は、非常用電源104の使用時にも電力を供給する機器108である。第1送電装置106は、特に限定されないが、天井裏や壁の中に配置されてもよい。電力供給システム100は、
図1では第1送電装置106を1つのみ備えているが、実際には機器108への電力供給に必要な数の第1送電装置106が必要な位置に設置される。
【0014】
第1送電装置106は、例えば、所定の周期(例えば半日周期)で電波を送信してもよい。また例えば、第1送電装置106は、機器108aから電波の送信要求を受信した場合に電波を送信してもよい。
【0015】
第1送電装置106は、特に限定されないが、図示のように、バッテリ106aを内蔵していてもよい。バッテリ106aは、常用電源102からの電力によって予め充電されていてもよい。第1送電装置106は、例えば、非常用電源104からも電力が供給されなくなった場合に、バッテリ106aの電力に基づく電力供給用の電波を非常時給電対象の機器108aに向けて送信する。
【0016】
第1送電装置106は、可搬式であってもよく、例えば台車などの荷台に載せられて移動されてもよい。第1送電装置106は、移動先に非常用電源104があればその非常用電源104に接続されてもよいし、バッテリ106aを内蔵している場合はバッテリ106aの電力を用いてもよい。
【0017】
機器108は、電力を必要とする機器である。機器108は、典型的には建物に固定される機器であるが、建物に固定されない移動可能な機器であってもよい。機器108が移動可能である場合、その機器108に対応する無線受電部112の位置は、公知の技術を用いて特定されればよい。機器108は、例えば、照明機器、便器洗浄装置、シャワートイレ、自動水栓、電気温水器、などである。例えば、照明機器、便器洗浄装置、自動水栓などの建物内での活動に必須の機器が非常時給電対象の機器108aであってもよい。
【0018】
機器108の有線受電部110は、常用電源102から供給される電力を負荷114に供給する。
【0019】
機器108aに対応する無線受電部112は、第1送電装置106が送信した電波を受信し、受信した電波を電力に変換して負荷114に供給する。「機器に対応する無線受電部」とは、機器に組み込まれた無線受電部、すなわち機器の構成要素である無線受電部、および、機器に組み込まれていない単体の無線受電部(無線受電装置)であって機器の代わりに電力を受電するために機器に関連して設けられる無線受電部を意味する。非常時給電対象でない機器108は、無線受電部112を備えていなくてもよい。「負荷」は、電力によって動作するあらゆる装置を意味する。負荷は、例えば、モータ、光源、センサなどである。
【0020】
図2を参照する。無線受電部112は、受電アンテナ120と、電力変換部122と、バッテリ124と、残量検出部126と、通信部128と、を備える。通信部128は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。
【0021】
受電アンテナ120は、第1送電装置106が送信した電波を受信する。受電アンテナ120の構成は特に限定されず、例えばループアンテナやアレイアンテナである。電力変換部122は、受電アンテナ120が受信した電波を整流して電力に変換する。電波から変換された電力は、バッテリ124に充電される。バッテリ124に充電された電力は、負荷114に供給される。
【0022】
残量検出部126は、バッテリ124の残量(%)を検出する。残量検出部126は、検出したバッテリ124の残量を示す情報を、通信部128を介して、第1送電装置106に送信する。残量検出部126は、定期的に残量を検出してその情報を第1送電装置106に送信してもよいし、第1送電装置106から要求があった場合に残量を検出してその情報を第1送電装置106に送信してもよい。
【0023】
図3を参照する。第1送電装置106は、送電アンテナ130と、電波発生部132と、制御部134と、通信部136と、を備える。通信部136は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。制御部134は、通信部136を介して、無線受電部112や機器108とデータを送受信する。
【0024】
電波発生部132は、電力供給用の電波を発生させる。電力伝送可能であれば電力供給用の電波に限定はない。例えば2.4GHz帯の電波により15W程度の送信出力を実現でき、例えば5.7GHz帯の電波により32W程度の送信出力を実現できることが判明している。また、その他の周波数帯の電波によっても電力伝送が可能であることが報告されている。
【0025】
送電アンテナ130は、電波発生部132で発生させた電波を、制御部134が決定する無線受電部112に向けて送信する。送電アンテナ130の構成は特に限定されず、例えばループアンテナやアレイアンテナであってもよい。
【0026】
図4、5を参照する。第1送電装置106の制御部134は、送信先決定部140と、送電制御部142と、機器情報記憶部144と、を含む。機器情報記憶部144は、複数の機器108に関する情報を記憶する。具体的には機器情報記憶部144は、機器108を一意に識別する識別情報である機器IDと、機器108が非常時給電対象であるか否かを示す情報である非常時給電対象情報と、機器108に対応する無線受電部112の位置に関する情報である位置情報と、給電優先度と、を対応付けて記憶する。給電優先度は、例えば「高」、「中」、「低」であってもよい。
図5の例では、非常時給電対象情報には、非常時給電対象である機器108aには「○」が入力され、非常時給電対象でない機器108bには「×」が入力されてもよい。非常時給電対象情報は、ユーザが入力してもよい。つまり、機器108が非常時給電対象であるか否かをユーザが決定できてもよい。例えば、第1送電装置106が可搬式である場合に、第1送電装置106の移動先に応じて非常時給電対象を変更してもよい。機器情報記憶部116は、非常時給電対象である機器108aに関する情報のみを記憶してもよい。
【0027】
送信先決定部140は、機器情報記憶部144を参照して、電力供給用の電波を送信する機器108aひいては無線受電部112を決定する。送電制御部142は、機器情報記憶部144を参照して、送信先として決定された機器108aに対応する無線受電部112の位置を特定する。送電制御部142は、電波発生部132および送電アンテナ130を制御して、特定された位置に向けて電力供給用の電波を送信する。
【0028】
送信先決定部140は、機器108aの状態によらず、すべての機器108aを送信先として決定してもよい。
【0029】
送信先決定部140は、機器108aに通知を送り、その通知に対して応答があった機器108aを送信先として決定してもよい。応答がない機器108aは、例えば故障していたり、また例えば故障はしていないが電源が入っていなかったり、いずれにせよ稼働していない可能性がある。そのような機器108aに電波を送信しないことで、非常用電源104の電力の無駄な消費を避けることができる。
【0030】
送信先決定部140は、無線受電部112が定期的にあるいは要求に応じて送信するバッテリ124の残量に基づいて送信先を決定してもよい。この場合、送信先決定部140は、バッテリ124の残量を示す情報を送信してきた無線受電部112のうち、バッテリ残量(%)が所定のバッテリ残量閾値以下である無線受電部112を送信先として決定してもよい。バッテリ残量閾値は、給電優先度ごとで異なっていてもよく、例えば給電優先度が高い機器108aに対応する無線受電部112ほどバッテリ残量閾値が低くてもよい。
【0031】
送信先決定部140は、非常用電源104の電力に基づく電力供給用の電波の送信回数が所定回数を超えるまでは、すべての機器108aを送信先として決定し、所定回数を超えたら、所定の条件を満たす機器108aのみを送信先として決定してもよい。
【0032】
送信先決定部140は、非常用電源104の使用が開始されてから所定時間が経過するまでは、すべての機器108aを送信先として決定し、所定時間を経過したら、所定の条件を満たす機器108aのみを送信先として決定してもよい。
【0033】
「所定の条件」は、送信先決定部140が機器108aに通知を送った場合において、その通知に対して応答があったことであってもよい。この場合、非常用電源104の電力の無駄な消費を避けることができる。
【0034】
送信先決定部140は、非常用電源104の電力の残量に応じて、送信先を決定してもよい。電力の残量は、非常用電源104から取得すればよい。送信先決定部140は、例えば、電力の残量が第1電力残量閾値よりも多い場合、機器108aを送信先として決定し、電力の残量が第1電力残量閾値以下の場合、給電優先度が「高」および「中」の機器108aを送信先として決定し、電力の残量が第2電力残量閾値(<第1電力残量閾値)以下の場合、給電優先度が「高」の機器108aを送信先として決定する。送信先決定部140は、給電優先度に基づいて送信先を決定する処理を、所定の周期で実行してもよい。この場合、給電優先度の低い機器108aから順次、送電が停止される。給電優先度の低い機器108aに電波を送信する頻度を低くすることで、非常用電源104の電力を長持ちさせることができる。
【0035】
送電制御部142は、複数の機器108aが送信先として決定された場合、それら複数の機器108aについて、電波を送信する頻度を互いに異ならせてもよい。例えば送電制御部142は、給電優先度に応じて、電波を送信する頻度を異ならせてもよい。例えば送電制御部142は、給電優先度が低い機器108aほど、電波を送信する頻度を低くしてもよい。給電優先度の低い機器に電波を送信する頻度を低くすることで、非常用電源104の電力を長持ちさせることができる。
【0036】
本実施の形態によれば、非常用電源104の電力は、機器108aに対応する無線受電部112に無線給電される。これにより、複数の機器108のうちの非常時給電対象の機器108aにのみ電力を供給して電力の供給量を抑えることができる。また、非常用電源104からの電力を機器108aに供給するための配線が不要になる。つまり、本実施の形態によれば、非常用電源104の使用時における電力の供給量を抑えることができ、かつ、配線が比較的簡単な電力供給システムを実現できる。
【0037】
本実施の形態によれば、非常時給電対象の機器108aを増減させるなどの変更を加える場合、第1送電装置106の設定を変えるだけでよく、具体的には機器情報記憶部144に記憶される情報を書き換えるだけでよく、変更が容易である。
【0038】
(第2の実施の形態)
図6を参照する。第2の実施の形態に係る電力供給システム100は、常用電源102と、非常用電源104と、第1送電装置106と、第2送電装置107と、複数の機器108と、を備える。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0039】
本実施の形態では、常用電源102の電力は、第2送電装置107と機器108bに供給される。第2送電装置107は、第1送電装置106と同様に構成される。第2送電装置107は、常用電源102からの電力に基づく電力供給用の電波を、機器108aに対応する無線受電部112に送電する。つまり、本実施の形態では、常用電源102からの電力は、機器108aには第2送電装置107による無線給電を介して供給され、機器108bには有線で供給される。
【0040】
第1送電装置106と第2送電装置107は、共通の1つの送電装置であってもよい。
【0041】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。加えて、本実施の形態によれば、常用電源102からの電力を機器108aに供給するための配線が不要になるため、配線がさらに簡単になる。
【0042】
(第3の実施の形態)
図7を参照する。第3の実施の形態に係る電力供給システム100は、常用電源102と、非常用電源104と、第1送電装置106と、第2送電装置107と、複数の機器108と、を備える。以下、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0043】
本実施の形態では、常用電源102の電力は、第1送電装置106に供給される。第2送電装置107は、常用電源102からの電力に基づく電力供給用の電波を、機器108aにも機器108bにも送電する。つまり、本実施の形態では、本実施の形態では、常用電源102からの電力は、すべての機器108に第2送電装置107による無線給電を介して供給される。
【0044】
第2の実施の形態と同様に、第1送電装置106と第2送電装置107は、共通の1つの送電装置であってもよい。
【0045】
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。加えて、本実施の形態によれば、常用電源102からの電力を機器108bに供給するための配線が不要になるため、配線がさらに簡単になる。
【0046】
以上、本開示について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0047】
実施の形態では、無線受電部112がバッテリ124を備える例を示したが、これに限定されない。無線受電部112はバッテリ124を備えなくてもよい。
【0048】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本開示を説明した。実施の形態は、本開示の原理、応用の一側面を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本開示の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0049】
100 電力供給システム、 102 常用電源、 104 非常用電源、 106 第1送電装置、 107 第2送電装置、 108,108a,108b 機器、 112 無線受電部。