(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107072
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】プログラム及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230726BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20230726BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/58
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008169
(22)【出願日】2022-01-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福岡 麗南
(72)【発明者】
【氏名】赤井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】黒田 理人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 亜以子
(72)【発明者】
【氏名】衣川 航平
(57)【要約】
【課題】繰り返しのゲームプレイにプレイヤを好適に誘導する。
【解決手段】プログラムは、ゲームのプレイ体験を提供可能なコンピュータに、プレイヤに対してゲーム要素を提供する提供処理と、ゲームのプレイ体験の提供中に達成された提供条件に応じて、提供処理において提供されるゲーム要素を制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、提供条件は、第1ゲーム要素が提供される第1条件と、第1ゲーム要素とは異なる第2ゲーム要素が提供される第2条件とを含み、制御処理は、プレイヤへのゲームのプレイ体験の提供中に第1条件及び第2条件が達成された場合に、当該プレイ体験の提供中に、第1ゲーム要素を当該プレイヤに提供させ、当該プレイヤへの次回以降のプレイ体験の提供時に、第2ゲーム要素を当該プレイヤに提供させるように提供処理を制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームのプレイ体験を提供可能なコンピュータに、
プレイヤに対してゲーム要素を提供する提供処理と、
前記ゲームのプレイ体験の提供中に達成された提供条件に応じて、前記提供処理において提供されるゲーム要素を制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記提供条件は、第1ゲーム要素が提供される第1条件と、前記第1ゲーム要素とは異なる第2ゲーム要素が提供される第2条件とを含み、
前記制御処理は、プレイヤへの前記ゲームのプレイ体験の提供中に前記第1条件及び前記第2条件が達成された場合に、
当該ゲームのプレイ体験の提供中に、前記第1ゲーム要素を当該プレイヤに提供させ、
当該プレイヤへの次回以降の前記ゲームのプレイ体験の提供時に、前記第2ゲーム要素を当該プレイヤに提供させる
ように前記提供処理を制御するプログラム。
【請求項2】
前記第2条件の達成頻度が、前記第1条件の達成頻度よりも少なくなるよう構成される請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2条件の達成に要する前記ゲームのプレイ体験の提供回数が、前記第1条件の達成に要する前記ゲームのプレイ体験の提供回数よりも多く構成される請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2ゲーム要素は、前記第1ゲーム要素よりも前記ゲームにおける使用価値が高いゲーム要素である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1ゲーム要素と前記第2ゲーム要素は、前記ゲームに使用可能な同一種別のゲーム要素である請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記ゲームは、クリア条件が設けられたゲームであり、
前記プログラムは、プレイヤへの前記ゲームのプレイ体験の提供中にクリア条件が達成された場合に、当該プレイヤに対してポイントを付与する付与処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記第2条件は、プレイヤに対して付与された前記ポイントの累積数が所定数以上となった場合に達成される
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記ゲームは、対戦相手に勝利したことでクリア条件が達成される対戦ゲームであり、
前記プログラムは、プレイヤごとに前記対戦ゲームの対戦結果に応じた評価値を導出する処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記付与処理は、プレイヤへの前記対戦ゲームのプレイ体験の提供時に、当該プレイヤと対戦相手との評価値の差に応じて前記ポイントの付与量を異ならせる
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記付与処理は、プレイヤより評価値が低い対戦相手に勝利した場合の前記ポイントの付与量に比べて、当該プレイヤより評価値が高い対戦相手に勝利した場合の前記ポイントの付与量を多くする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第1条件は、対戦相手に勝利した場合に達成される請求項7または8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1条件は、プレイヤよりも評価値が閾値以上高い対戦相手に勝利した場合に達成される請求項7または8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記制御処理は、プレイヤに対して付与された前記ポイントの消費を条件として、前記第2ゲーム要素を当該プレイヤに提供させるように前記提供処理を制御する請求項6乃至10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
プレイヤに対応付けられた複数のキャラクタのうちから、前記ゲームに使用するキャラクタの選択を受け付ける選択処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記付与処理は、前記選択処理において選択されたキャラクタに前記ポイントを付与し、
前記プログラムは、前記複数のキャラクタの各々について、付与された前記ポイントを管理する処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記第2条件は、前記複数のキャラクタごとに達成有無が判断される
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
ゲーム要素の提供条件が達成されたことを提示する提示処理を、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記提示処理は、プレイヤへの前記ゲームのプレイ体験の提供中に前記第1条件または前記第2条件が達成された場合に、提供可能になったゲーム要素を提示する
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記提示処理は、プレイヤへの前記ゲームのプレイ体験の提供中に前記第1条件及び前記第2条件が達成された場合に、当該ゲームのプレイ体験の提供中に前記第1ゲーム要素が提供されること、及び当該プレイヤのへの次回以降の前記ゲームのプレイ体験の提供時に前記第2ゲーム要素が提供可能であることを提示する請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
ゲームのプレイ体験を提供可能なゲーム装置であって、
プレイヤに対してゲーム要素を提供する提供手段と、
前記ゲームのプレイ体験の提供中に達成された提供条件に応じて、前記提供手段により提供されるゲーム要素を制御する制御手段と、
を備え、
前記提供条件は、第1ゲーム要素が提供される第1条件と、前記第1ゲーム要素とは異なる第2ゲーム要素が提供される第2条件とを含み、
前記制御手段は、プレイヤへの前記ゲームのプレイ体験の提供中に前記第1条件及び前記第2条件が達成された場合に、
当該ゲームのプレイ体験の提供中に、前記第1ゲーム要素を当該プレイヤに提供させ、
当該プレイヤへの次回以降の前記ゲームのプレイ体験の提供時に、前記第2ゲーム要素を当該プレイヤに提供させる
ように前記提供手段を制御するゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲーム装置に関し、特にプレイヤへのゲーム要素の提供を含む電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの結果に応じて、ゲームコンテンツ(ゲーム要素)をプレイヤに提供する電子ゲームがある(特許文献1)。このようなゲーム要素の提供は、プレイヤを繰り返しのゲームプレイに誘導する観点で効果的であり、電子ゲームによっては複数種類の提供条件を設け、興趣性を増大させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、所謂アーケード筐体のような業務用のゲーム装置においてプレイヤを繰り返しのゲームプレイ、即ち、繰り返しのゲーム装置の利用に誘導するためには、プレイヤに提供するゲーム要素を、次回以降のゲーム装置の利用時に使用可能とすることが好ましい。一方で、上述のように複数種類の提供条件を設ける態様では、1回のゲーム装置の利用中に複数の提供条件が達成された場合に、プレイヤを繰り返しのゲーム装置の利用に誘導する機会が減少することになる。
【0005】
本発明は、繰り返しのゲームプレイにプレイヤを好適に誘導するプログラム及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプログラムは、ゲームのプレイ体験を提供可能なコンピュータに、プレイヤに対してゲーム要素を提供する提供処理と、ゲームのプレイ体験の提供中に達成された提供条件に応じて、提供処理において提供されるゲーム要素を制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、提供条件は、第1ゲーム要素が提供される第1条件と、第1ゲーム要素とは異なる第2ゲーム要素が提供される第2条件とを含み、制御処理は、プレイヤへのゲームのプレイ体験の提供中に第1条件及び第2条件が達成された場合に、当該プレイ体験の提供中に、第1ゲーム要素を当該プレイヤに提供させ、当該プレイヤへの次回以降のプレイ体験の提供時に、第2ゲーム要素を当該プレイヤに提供させるように提供処理を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、繰り返しのゲームプレイにプレイヤを好適に誘導することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムのシステム構成を例示した図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200の機能構成を例示したブロック図
【
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100で実行されるサービス提供処理を例示したフローチャート
【
図5】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100で実行される第2ゲーム要素提供処理を例示したフローチャート
【
図6】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムで用いられる各種情報のデータ構成を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、プレイヤへのゲームのプレイ体験の提供に際してゲーム要素を提供可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲーム要素を提供することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
〈ゲームシステムの構成〉
図1は、本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図である。図示されるように、ゲームシステムは、ネットワーク300を介することで、サーバ200と1以上のゲーム装置100の各々とが通信可能に構成される。
【0012】
本実施形態では、このようなシステム構成により、サーバ200及びネットワーク300を介して、複数のゲーム装置100を利用するプレイヤ間での対戦ゲームが実現可能に構成されるものとする。また、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームは、プレイヤ間の対戦ゲームに限られるものではなく、1人用に構成されたゲームを含むものであってよい。
【0013】
本実施形態に係るゲーム装置100は、図示されるような外観を有する。ゲーム装置100は、利用可能にある状態において代価の支払いを検出可能に構成されており、代価の支払いが検出された場合に、利用者(プレイヤ)に、少なくとも1つのゲーム要素の提供を含む、ゲームのプレイ体験のサービスを提供する。代価の支払いは、例えば不図示の投入口への所定額の硬貨が投入されたことに応じて検出される。
【0014】
またゲーム装置100の外観には、プレイヤを識別するためのプレイヤカードを含む、所定のカードを載置可能な載置部130が設けられている。詳細は後述するが、プレイヤは、ゲーム装置100の利用時にプレイヤカードを載置部130に載置することで、プレイヤの進行状況を反映させた状態で、ゲームプレイを行うことができる。プレイヤの進行状況は、サーバ200において管理され、ゲーム装置100の利用に際してプレイヤが識別された場合、即ち、いずれのプレイヤであるかが識別された状態でゲームのプレイ体験が提供された場合に、各プレイヤについて管理された情報が更新される。
【0015】
〈ゲーム装置の機能構成〉
図2は、本実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図である。
【0016】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各機能ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている各機能ブロックに係る動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各機能ブロックの動作を実現する。
【0017】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100が有する各機能ブロックに係る動作プログラムに加え、各機能ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0018】
支払検出部104は、ゲーム装置100において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えばゲーム装置100が有する投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、サービス提供開始に係る代価の支払いに基づいて、ゲームのプレイ体験の提供を含むサービスの提供を開始するものとして説明する。
【0019】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が備える、カードからの情報取得に係るインタフェースである。具体的には取得部105は、載置部130に載置されたカードに付された情報を取得可能に構成されたリーダを具備している。ゲーム装置100で利用可能(取得部105が情報取得可能)なカードには、上述のゲーム装置100の利用に係りプレイヤを識別させる情報ためのプレイヤカードが含まれる。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤのゲームの進行状況を保存し、次回利用時に、保存した進行状況からの再開を実現できるよう構成されている。このため、プレイヤカードは、少なくともプレイヤを一意に特定可能な識別情報(プレイヤID:プレイヤの識別情報)が付されている。プレイヤは、載置部130にプレイヤカードを載置して取得部105に当該情報を取得させることで、過去の利用に係る進行状況を反映した状態でサービス提供を受けることができる。ここで、進行状況とは、例えば経験値、レベル、ランク等のゲームに係るプレイヤの評価値や、機能解放状況、ゲーム要素の提供状況等のプレイヤに対して段階的に提供される興趣要素のようにゲーム装置100の利用を重ねるにつれて増大・拡張されていく興趣要素の情報を含む。また、進行状況は、次回以降のゲームプレイにおいて使用可能なゲーム要素(アイテムやスキル)等のように、一時的にプレイヤに提供される興趣要素の情報も含む。
【0020】
なお、本実施形態ではプレイヤカードからの情報取得によってプレイヤを識別するものとして説明するが、プレイヤの識別方法はこれに限られるものではない。例えば、プレイヤカード以外の物品から取得部105が情報を取得することにより行われるものであってもよいし、他の装置を介したプレイヤの認識処理に代えられるものであってもよい。
【0021】
提供制御部106は、ゲーム装置100の利用に対して、プレイヤへのゲーム要素の提供を制御する。本実施形態のゲーム装置100で提供されるゲーム要素は、ゲームの進行状況に直接的に反映される無体物であるものとして説明する。提供制御部106は、1回のゲーム装置100の利用ごとにプレイヤに1種類のゲーム要素を提供するよう提供制御を行う。提供制御部106により提供されるゲーム要素は、複数種類存在し、各種類の情報は後述の提供要素DB107に管理されている。
【0022】
提供要素DB107は、プレイヤに提供可能な複数種類のゲーム要素の各々についての情報(要素情報)を管理するデータベースである。1つのゲーム要素について管理される要素情報は、例えば
図6(a)に示されるように、当該ゲーム要素を一意に特定する要素ID601に関連付けて、当該ゲーム要素の価値を示すレアリティ602、及び、当該ゲーム要素の使用時に発生する効果を記述した発生効果情報603を含む。
【0023】
詳細は後述するが、本実施形態のゲームシステムでは、ゲーム装置100を利用中に特定の条件が満たされた場合に、利用していたプレイヤに対して提供要素DB107に要素情報が管理されるゲーム要素のいずれかが提供される。いずれのゲーム要素が提供されるかは、満たされた条件に応じて異なって規定される。本実施形態では2種類の条件が設定されており、それぞれの条件の達成に対して、異なるレアリティ602のゲーム要素が提供されるよう構成される。ゲーム要素の各々は、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームにおいて使用可能に構成され、その使用時に発生する効果が発生効果情報603に記述される。ここで、使用時に発生する効果は、レアリティ602に応じて異なり、レアリティが高い、即ち、希少価値が高いほど、その効果の有用性が高く設定されているものとする。つまり、レアリティが高いほど、ゲーム要素のゲームにおける使用価値が高く構成されている。
【0024】
提示制御部108は、ゲーム装置100における提示部120を介したプレイヤへの各種情報提示の制御を司る。情報提示を実現する提示部120は、本実施形態では、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う、例えば液晶ディスプレイ等の視覚的情報提示が可能な表示装置であるものとして説明する。しかしながら、情報提示の手段はこれに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。提示部120は、例えば聴覚的情報提示を行うスピーカ等を含むものであってもよい。
【0025】
提示部120が表示装置である態様において、提示制御部108は、例えばGPU等の描画装置を含み、提示部120に表示させる画面を生成する所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部108は、ゲーム装置100の起動中(サービス提供中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して必要な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、提示部120に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。
【0026】
操作入力部109は、例えば決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、提示部120が表示画面上になされたタッチ入力を検出可能に構成される態様では、操作入力部109はタッチ入力検出センサ等を含むものであってよい。
【0027】
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してサーバ200等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。本実施形態ではゲーム装置100は、少なくともプレイヤの進行状況を反映したサービスの提供時に、通信部110を介して情報の送受信がなされる。
【0028】
〈サーバの構成〉
次に、本実施形態に係るサーバ200の機能構成について、
図3のブロック図を用いて説明する。なお、サーバ200の機能構成の説明において、ゲーム装置100が有する構成と同様の機能を実現する構成については、ゲーム装置100の構成と峻別するために、「サーバ」との接頭語を付して示すものとする。
【0029】
サーバ制御部201は、例えばCPUであり、サーバ200が有する各機能ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部201は、例えばサーバ記憶装置202に記録されている各機能ブロックに係る動作プログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより各機能ブロックの動作を制御する。
【0030】
サーバ記憶装置202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記憶装置202は、サーバ200が有する各機能ブロックに係る動作プログラムに加え、各機能ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記録する。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各機能ブロックに係る動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各機能ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0031】
プレイヤDB204は、本実施形態のゲームシステムのゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームについて、各利用者(プレイヤ)についての種々の情報(プレイヤ情報)を管理するデータベースである。プレイヤ情報は、ゲーム装置100においてプレイヤカードからの情報取得が行われてゲームのプレイ体験の提供がなされる場合に参照され、提供された当該プレイ体験に応じて順次変更され得る。
【0032】
プレイヤ情報は、例えば
図6(b)に示されるように、プレイヤを一意に特定するプレイヤID611に関連付けて、当該プレイヤについての表示名、生年月日、アバタ構成等のプレイヤ個別設定を含む設定情報612、当該プレイヤのゲームの進行状況を示す進行状況情報613、当該プレイヤが使用可能であるゲーム要素を示す使用可能要素情報614、及び、当該プレイヤに付与されたポイントの累積数を示すポイント累積数615を含むものであってよい。1人のプレイヤに係るプレイヤ情報は、当該プレイヤによるプレイヤカードを使用した初回のゲーム装置100の利用時に登録されるものであってよい。なお、設定情報612に含まれる情報は、当該利用時にゲーム装置100において入力され、サーバ200に送信されて格納されればよい。
【0033】
サーバ通信部205は、サーバ200が有する外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信部205は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。サーバ通信部205は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してゲーム装置100等の外部装置に送信する。またサーバ通信部205は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、サーバメモリ203に格納する。
【0034】
〈ゲーム要素提供の概要〉
以下、本実施形態のゲーム装置100において、プレイヤによる利用中の所定の条件達成に対して行われるゲーム要素の提供について、その概要を説明する。
【0035】
本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤによる利用中に所定の条件が達成されたことに対して、当該プレイヤによる次回以降の利用時に使用可能となるゲーム要素を提供する。提供されるゲーム要素は、使用された場合にゲームの進行を有利にせしめる効果を発生させるもの等、プレイヤの興趣体験を増進させる要素とすることで、プレイヤを次回以降のゲーム装置100の利用に好適に誘導することができる。即ち、提供されたゲーム要素を使用するためには、プレイヤはゲーム装置100を再度利用する必要があるため、プレイヤにとって有用なゲーム要素を提供する構成とすることで、積極的な再度の利用にプレイヤを促すことができる。
【0036】
なお、本実施形態のゲーム装置100においてプレイヤにプレイ体験が提供されるゲームは、ネットワーク300及びサーバ200を介して接続された他のゲーム装置100を利用する他のプレイヤ、または、所定の思考プログラムの実行等により実現される仮想プレイヤ(NPC:Non Player Character)との間で行われる対戦ゲームであるものとして説明する。
【0037】
本実施形態のゲーム装置100では、所定の条件として第1条件と第2条件の2種類の条件が定められており、各条件の達成により提供要素DB107に要素情報が管理されるゲーム要素のいずれかがプレイヤに提供される。より詳しくは、第1条件の達成で第1ゲーム要素が、第2条件の達成で第2ゲーム要素が提供されるよう提供制御が行われる。ここで、第1ゲーム要素と第2ゲーム要素とは、例えば使用時に対戦ゲームの進行を有利にせしめるゲーム要素等の同一の種別のゲーム要素であるが、対戦ゲームにおける使用価値(使用した場合に発生する効果の有用性)が異なっており、要素情報のレアリティ602が異なるゲーム要素のうちからそれぞれ選択される。本実施形態では、例えば第1ゲーム要素が「ノーマル」のレアリティで、第2ゲーム要素が「レア」のレアリティで分別される等、第2ゲーム要素に第1ゲーム要素よりも使用価値が高いゲーム要素が割り当てられる。
【0038】
一方で、使用価値の高いゲーム要素(第2ゲーム要素)を容易に入手できてしまえば対戦ゲームの興趣性が低減し得るため、プレイヤのゲーム装置100の利用において、第2条件の達成頻度の方が第1条件の達成頻度よりも少なくなるよう、各条件の設定がなされる。当該条件の設定は、例えば、条件達成までに要するプレイ体験の提供回数、即ち、条件達成までにプレイヤがゲーム装置100を利用すべき回数によって規定されてもよく、第1条件の達成よりも第2条件の達成に多くのプレイ体験の提供が必要となるよう構成されればよい。
【0039】
従って、本実施形態では、第1条件を、実施された対戦ゲームにおいて対戦相手に勝利した場合に達成されるものと定め、第2条件を、ゲームのクリア条件を達成した場合、即ち、対戦ゲームに勝利した場合にプレイヤに付与されるポイントの累積数が所定数以上となった場合に達成されるものと定める。そして、第2条件達成に係る第2ゲーム要素の提供は、付与されたポイントの消費を条件として行われる。ここで、ポイントとは、プレイヤごとに付与され、蓄積されて第2条件の達成有無の判断がなされる要素であり、プレイヤが識別された状態でゲーム装置100が利用されていることを要件として付与される。
【0040】
つまり、プレイヤに付与されたポイントの累積数に基づいて第2条件の達成有無を判断することや、プレイヤに提供されたゲーム要素を管理し、次回以降の利用時に使用可能とする構成であることから、ゲーム装置100におけるゲーム要素の提供は、プレイヤが識別された状態でプレイ体験を提供している場合に限り行われるものとして説明する。換言すれば、このようなゲーム要素の提供に係る各種条件の達成有無の判断は、プレイヤカードからの情報取得がなされていることを条件として行われる。故に、以下の説明では、プレイヤがプレイヤカードを使用してゲーム装置100を利用していることを前提として説明する。
【0041】
ゲーム要素の提供条件が達成されると、提示部120にはその旨及び提供可能になったゲーム要素の情報が提示される。提供されるゲーム要素は、例えば、達成された条件に該当するレアリティのゲーム要素のうちから抽選処理によって決定されるものであってよい。例えば、第1条件の達成時には、提示部120にはレアリティ602が「ノーマル」のゲーム要素が提供可能となったこと、あるいは、提供される「ノーマル」のゲーム要素を示す提示がなされ、第2条件の達成時には、レアリティ602が「レア」のゲーム要素が提供可能となったこと、あるいは、提供される「レア」のゲーム要素を示す提示がなされる。
【0042】
ところで、第1条件と第2条件とは同時に達成され得る。即ち、プレイヤが対戦ゲームに勝利することと、勝利に係るポイントの付与によってポイントの累積数が所定数以上となることとは、プレイヤへの1回のゲームのプレイ体験の提供中に達成され得る。このとき、第1ゲーム要素と第2ゲーム要素とを一時にプレイヤに提供すると、提供に係り期待できる当該プレイヤのゲーム装置100の再度の利用は、「次回利用の1回」となる。一方、両条件が達成された際に、当該条件が達成されたゲームのプレイ体験の提供中にはこのうちのいずれか一方の条件に対応するゲーム要素のみをプレイヤに提供し、他方の条件に対応するゲーム要素は当該プレイヤへの次回以降のプレイ体験の提供時に提供するよう構成することで、「次回利用の1回」に加えて「次々回利用の1回」が期待できる。換言すれば、両条件が達成された場合に、提供すべきゲーム要素を今回と次回の2回のゲーム装置100の利用に分けて提供する構成とすることで、プレイヤがゲーム装置100を利用する機会を増大させることができ、ゲーム装置100の収益機会の増加、ひいてはゲームコンテンツへのプレイヤの関心を増加させることが期待できる。
【0043】
本実施形態のゲーム装置100では、このような再度のゲーム装置100の利用を好適に促すために、プレイヤへゲームのプレイ体験の提供中に第1条件及び第2条件が達成された場合に、当該ゲームのプレイ体験の提供中には第1ゲーム要素をプレイヤに提供し、当該プレイヤへの次回以降のゲームのプレイ体験の提供時に残りの第2ゲーム要素をプレイヤに提供するよう制御する。また、当該提供態様を知らしめる通知、即ち、今回のゲームのプレイ体験の提供中に第1ゲーム要素は提供され、第2ゲーム要素は次回以降のゲームのプレイ体験の提供時に提供可能であることを示す通知が、提示部120に提示される。このようにすることで、複数の条件が達成されたことと、より使用価値の高いゲーム要素を次回以降のゲーム装置100の利用時に取得できることをプレイヤに把握させることができる。
【0044】
〈サービス提供処理〉
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、プレイヤが識別された状態でのサービス提供に係り実行されるサービス提供処理について、
図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0045】
なお、本サービス提供処理は、例えば利用に係る代価の支払いが検出され、かつ、プレイヤカードからの情報取得によりプレイヤ(対象プレイヤ)に係るプレイヤ情報(対象プレイヤ情報)がサーバ200から取得されたことを条件として開始されるものとして説明する。サーバ200から取得された対象プレイヤ情報は、メモリ103に格納され、今回のサービス提供期間中保持されるものとする。また、ゲーム装置100によるサービス提供は、例えば対象プレイヤが利用するモード選択を受け付けるパートと、当該モード選択に対応する対戦ゲームのプレイ体験を対象プレイヤに提供するパートとを含んで構成されるものであってよい。本発明は、第1条件及び第2条件が設定されたモードに限定されるものであるため、以下では発明の理解を容易にすべく、前者のモード選択に係るパートに対応する処理の説明は省略する。即ち、
図4を用いて説明される下記の処理は、いずれも対戦ゲームのプレイ体験を対象プレイヤに提供するパートに対応する処理である。
【0046】
S401で、制御部101は、対象プレイヤに対して提供が保留されているゲーム要素(第2ゲーム要素)が存在するか否かを判断する。詳細は後述するが、本実施形態のゲーム装置100では、対戦ゲームのプレイ体験の提供中に第1条件及び第2条件の両方が達成された場合、当該プレイ体験の提供中における(第2条件達成に係る)第2ゲーム要素の提供は保留され、その旨を示す情報(提供保留中情報)が対象プレイヤ情報の進行状況情報613に含められてサーバ200のプレイヤDB204に管理される。従って、制御部101は、プレイヤカードからの情報取得に基づいてサーバ200から取得された対象プレイヤ情報の進行状況情報613に提供保留中情報が含まれるか否かに応じて、本ステップの判断を行う。制御部101は、提供が保留されているゲーム要素が存在すると判断した場合は処理をS402に移し、存在しないと判断した場合は処理をS403に移す。
【0047】
S402で、制御部101は、第2ゲーム要素の提供制御を行う第2ゲーム要素提供処理を実行する。
【0048】
〈第2ゲーム要素提供処理〉
以下、本ステップで実行される第2ゲーム要素提供処理について、
図5のフローチャートを参照して詳細を説明する。
【0049】
S501で、提示制御部108は制御部101の制御の下、第2ゲーム要素の提供に必要と定められた所定数(必要ポイント数)のポイントの消費で第2ゲーム要素の提供が可能であることを示す通知を提示部120に提示させる。本提示により、制御部101は、第2ゲーム要素の提供要求を受け付け可能な状態に遷移する。
【0050】
S502で、制御部101は、既定の受付期間に第2ゲーム要素の提供要求に係る操作入力がなされたか否かを判断する。制御部101は、既定の受付期間に第2ゲーム要素の提供要求に係る操作入力がなされたと判断した場合は処理をS503に移し、提供要求に係る操作入力がなされなかったと判断した場合は本第2ゲーム要素提供処理を完了する。
【0051】
S503で、制御部101は、対象プレイヤに付与されたポイントの累積数から必要ポイント数のポイントを消費させる処理を行う。具体的には、制御部101は、メモリ103に格納されている対象プレイヤ情報のポイント累積数615の値を、必要ポイント数減算後の値に変更することで、必要ポイント数のポイントの消費を実現する。
【0052】
S504で、提供制御部106は制御部101の制御の下、第2ゲーム要素を対象プレイヤに提供する。具体的には、提供制御部106は、まず提供する第2ゲーム要素を決定する。提供する第2ゲーム要素の決定は、例えば、対象となる第2ゲーム要素のうちから1つのゲーム要素を選択する抽選処理の実行等によって実現されればよい。そして提供制御部106は、今回のプレイ体験の提供時に提供が確定したゲーム要素の情報(提供確定情報)として、決定した第2ゲーム要素の要素IDをメモリ103に格納する。またこのとき、提示制御部108は制御部101の制御の下、提供が確定した第2ゲーム要素を示す通知を提示部120に提示させる。
【0053】
S505で、制御部101は、メモリ103に格納されている対象プレイヤ情報の進行状況情報613から提供保留中情報を削除し、本第2ゲーム要素提供処理を完了する。
【0054】
このように第2ゲーム要素提供処理の実行が完了すると、制御部101はサービス提供処理をS403に移す。
【0055】
S403で、制御部101は、対戦ゲームに係る処理を実行する。当該処理は、対戦相手の決定、対戦ゲームに使用するゲーム要素の選択、選択されたゲーム要素に係る効果の発動、及びプレイヤによりなされた操作入力に基づく対戦ゲームの進行内容の決定の処理を含み、対戦ゲームの勝敗を決するための遊戯を実現する。
【0056】
S404で、制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされたか否かを判断する。本実施形態では発明の理解を容易にすべく、対戦ゲームの終了条件は当該対戦ゲームの勝敗が確定することであるものとして説明する。制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS405に移し、満たされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0057】
S405で、制御部101は、第1条件が満たされた、即ち、実施された対戦ゲームにおいて対象プレイヤが勝利したか否かを判断する。制御部101は、第1条件が満たされたと判断した場合は処理をS406に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS413に移す。
【0058】
S406で、提示制御部108は制御部101の制御の下、第1ゲーム要素の提供条件が満たされたことを示す通知を提示部120に提示させる。
【0059】
S407で、制御部101は、対象プレイヤに対する規定数(付与ポイント数)のポイントを付与する。具体的には、制御部101は、メモリ103に格納されている対象プレイヤ情報のポイント累積数615の値を、付与ポイント数加算後の値に変更することで、ポイントの付与を実現する。本実施形態のゲーム装置100では、付与ポイント数は対戦ゲームの内容等に依らず一定であり、対戦ゲームにおいてプレイヤが勝利したことを条件に固定数のポイントが付与されるものとする。
【0060】
S408で、制御部101は、第2条件が満たされた、即ち、S407におけるポイントの付与により対象プレイヤに付与されているポイントの累積数が第2ゲーム要素の提供に係る必要ポイント数を上回ったか否かを判断する。制御部101は、第2条件が満たされたと判断した場合は処理をS409に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS412に移す。
【0061】
S409で、提示制御部108は制御部101の制御の下、第2ゲーム要素の提供条件が満たされたことを示す通知を提示部120に提示させる。
【0062】
S410で、提示制御部108は制御部101の制御の下、提供されるゲーム要素を示す通知を提示部120に提示させる。具体的には、提示制御部108は、今回の対戦ゲームのプレイ体験の提供中に第1ゲーム要素が提供されること、及び次回以降のゲームのプレイ体験の提供時に第2ゲーム要素が提供可能であることを示す通知を提示部120に提示させる。
【0063】
S411で、制御部101は、メモリ103に格納されている対象プレイヤ情報の進行状況情報613に提供保留中情報を追加する。このとき、対象プレイヤ情報の進行状況情報613に既に提供保留中情報が含まれている場合は、制御部101は、新たな進行状況情報613の追加を行わなくてよい。
【0064】
S412で、提供制御部106は制御部101の制御の下、第1ゲーム要素を対象プレイヤに提供する。具体的には、提供制御部106は、まず提供する第1ゲーム要素を決定する。提供する第1ゲーム要素の決定は、例えば、対象となる第1ゲーム要素のうちから1つのゲーム要素を選択する抽選処理の実行等によって実現されればよい。そして提供制御部106は、提供確定情報として、決定した第1ゲーム要素の要素IDをメモリ103に格納する。つまり、本ステップの処理では、第2条件の達成有無に依らず、第1条件が達成されたことについての第1ゲーム要素の提供のみが行われる。またこのとき、提示制御部108は制御部101の制御の下、提供が確定した第1ゲーム要素を示す通知を提示部120に提示させる。
【0065】
S413で、制御部101は、サービス提供の終了に係る各種処理を実行し、本サービス提供処理を完了する。ここで、各種処理には、メモリ103に格納されている利用プレイヤ情報の使用可能要素情報614に、提供確定情報として格納した要素IDを追加することで、対象プレイヤへのゲーム要素の提供を確定する処理が含まれる。当該処理により、第2ゲーム要素提供処理のS504において提供された第2ゲーム要素、及びサービス提供処理のS412において提供された第1ゲーム要素の少なくともいずれかがあれば、その情報が対象プレイヤ情報に反映され、提供が確定する。また各種処理には、メモリ103に格納されている、今回のプレイ体験の提供の内容を反映した状態の対象プレイヤ情報を通信部110に伝送し、プレイヤ情報の更新要求とともにサーバ200に送信させる処理を含む。当該処理により、今回の対戦ゲームのプレイ体験の提供内容、及び提供されたゲーム要素の情報が反映された対象プレイヤ情報がプレイヤDB204に格納される。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、ゲーム要素の提供条件が満たされた場合にその提供を制御することで、繰り返しのゲームプレイにプレイヤを好適に誘導することができる。
【0067】
[変形例1]
上述した実施形態では、プレイヤ単位で付与されたポイントを管理する態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、各プレイヤに対して複数の使用キャラクタが設けられており、このうちのいずれかを対戦ゲームに登場させることが可能に構成されている態様では、使用キャラクタ単位で付与されたポイントが管理され、提供されたゲーム要素による効果が当該使用キャラクタごとに発生するものとしてもよい。
【0068】
より詳しくは、制御部101は、対戦ゲームにおいてプレイヤが勝利した場合に行うポイント付与に際して、いずれの使用キャラクタにポイントを付与するかの選択に係る操作入力を受け付け、選択された使用キャラクタについてポイントの付与を行うようにしてもよい。当該態様ではプレイヤ情報は、例えば
図6(c)に示されるように、プレイヤに対応付けられた使用キャラクタの各々について示す使用キャラクタ情報621を含むものであってよい。使用キャラクタ情報621には、各使用キャラクタについて、当該使用キャラクタを一意に特定するキャラクタID631に関連付けて、当該使用キャラクタについて付与されたポイントの累積数を示すポイント累積数632が管理される。従って、制御部101は、ポイントの付与条件が満たされた場合に、使用キャラクタ情報621のうちの選択された使用キャラクタに係るポイント累積数632を、付与ポイント数加算した値に変更する。そして、使用キャラクタごとのポイント累積数に基づいて第2条件の達成有無の判断がなされる。なお、ポイントの付与対象となる使用キャラクタは、勝利した対戦ゲームに登場させるものとして選択された使用キャラクタに決定されるものであってもよい。
【0069】
このようにすることで、プレイヤが所望する使用キャラクタに効果を発動させることができ、提供されるゲームのプレイ体験をより好適なものとすることができる。
【0070】
[変形例2]
上述した実施形態では、対戦ゲームの勝利時に付与される付与ポイント数が、対戦ゲームの内容に依らず一定であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。対戦ゲームは、対戦相手のマッチング状況によっては、対戦するプレイヤ間で例えばプレイヤのゲームプレイスキル(技能)の差や、使用されるキャラクタの能力の差が生じるため、一方のプレイヤに有利な進行となり得る。あるいは、対戦相手とする仮想キャラクタについて設定された攻略難易度によっても、同様にバランスを欠いた進行が生じ得る。このような対戦ゲームについても付与ポイントを固定とすることはプレイヤ間の公平性を欠くことになる。従って、本変形例では付与ポイント数を一定とするのではなく、プレイヤ間の技能や基礎パラメータ等の差異に応じて異ならせる。
【0071】
より詳しくは、サーバ制御部201は、行われた対戦ゲームについての対戦結果の情報を取得し、当該対戦ゲームに参加したプレイヤの各々について対戦結果を反映させた評価値を導出し、プレイヤ情報として管理する。プレイヤ情報は、例えば
図6(d)に示されるように、プレイヤに係る評価値641をさらに含むものであってよい。ここで、評価値641は、例えば対戦ゲームを有利に進行できる度合いが高いプレイヤ、即ち、技能が高い、あるいは、使用可能なキャラクタの能力が高いプレイヤほど高く導出される値であってよい。あるいは、評価値641は、攻略難易度が高く設定された仮想キャラクタほど高く導出される値であってよい。そして各ゲーム装置100は、対戦ゲームの実行に際して対戦相手の評価値の情報を取得し、制御部101は、当該対戦ゲームにおいてプレイヤが勝利した場合に、プレイヤと対戦相手との評価値の差に基づいて付与ポイント数を決定し、ポイントの付与を行う。このとき、付与ポイント数は、プレイヤが、当該プレイヤよりも評価値が低い対戦相手に勝利した場合よりも、当該プレイヤよりも評価値が高い対戦相手に勝利した場合の方が多くなるよう制御される。従って、プレイヤは、自分より格上の対戦相手に勝利するほど、第2条件の達成可能性が高くなり、結果、第2ゲーム要素を入手しやすくなる。
【0072】
このようにすることで、ゲーム要素の提供の観点で、プレイヤ間の公平性を担保したゲーム要素の提供を実現できる。
【0073】
[変形例3]
上述した実施形態及び変形例では、第1条件は対戦ゲームの勝利によって達成されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、第1条件は、プレイヤよりも評価値が閾値以上高い対戦相手に勝利した場合にのみ達成と判断されるよう構成されてもよい。
【0074】
[変形例4]
上述した実施形態及び変形例では、主として対戦相手が存在する対戦ゲームを例に説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、ゲームにおけるキャンペーンとして、特定のボスキャラクタと対戦するような固定内容の対戦ゲームが実装される態様では、第1条件は、当該固定内容の対戦ゲームの初回勝利時にのみ達成されるものとしてもよい。
【0075】
[変形例5]
上述した実施形態では、第1条件の達成時にポイントが付与され、当該ポイント付与の状況に応じて第2条件の達成有無が変化する態様、即ち、第2条件が達成する際には第1条件が必ず達成している態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、ポイントの付与条件と第1条件とは異なっていてもよく、第2条件が単独で達成し得るものとしてもよい。即ち、対戦ゲームの勝敗に応じて付与量の差はあれど、勝敗に依らずポイントの付与は行われるものとしてもよい。
[変形例6]
上述した実施形態では、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームが対戦ゲームであり、対戦ゲームにおいてプレイヤが勝利したことを条件として当該プレイヤにポイントが付与される態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームは対戦ゲームに限られるものではなく、任意の種類のゲームであってよい。この場合、ゲームには所定のクリア条件が設定され、制御部101は、当該クリア条件の達成を条件として、第1条件が達成したものと扱うことに加え、プレイヤへのポイント付与を行うよう制御してもよい。
【0076】
[変形例7]
上述した実施形態及び変形例では、プレイヤに提供されたゲーム要素の情報、第2ゲーム要素を提供可能であることを示す情報(提供保留中情報)、及び付与されたポイントの累積数の情報がサーバ200において管理され、プレイヤがゲーム装置100を利用する際に、これらの情報が当該ゲーム装置100に取得されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。これらの情報は、例えばプレイヤカード等のプレイヤが使用する記憶媒体に格納されて管理されるものであってもよい。この場合、制御部101は、取得部105を介してプレイヤカード等からプレイヤ情報を取得し、各種処理を実行すればよい。
【0077】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:支払検出部、105:取得部、106:提供制御部、107:提供要素DB、108:提示制御部、109:操作入力部、110:通信部、120:提示部、130:載置部、200:サーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記憶装置、203:サーバメモリ、204:プレイヤDB、205:サーバ通信部、300:ネットワーク