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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107150
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】ギヤドモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/116 20060101AFI20230726BHJP
   F16H 1/32 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
H02K7/116
F16H1/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008293
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000110206
【氏名又は名称】株式会社TOK
(74)【代理人】
【識別番号】100104204
【弁理士】
【氏名又は名称】峯岸 武司
(72)【発明者】
【氏名】宇塚 和夫
(72)【発明者】
【氏名】友森 匡継
【テーマコード(参考)】
3J027
5H607
【Fターム(参考)】
3J027GC13
3J027GC24
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB14
5H607CC05
5H607CC09
5H607DD03
5H607EE33
5H607EE36
5H607JJ05
(57)【要約】
【課題】 一対の出力軸が両端に設けられたモータの両側に変速機を簡単かつ安価な構造でコンパクトに取り付けることができるギヤドモータを提供する。
【解決手段】 モータケース2aの一方の端面には、第1変速機取り付け部材4aが一対のネジ5によって取り付けられる。このモータケース2aの一方の端面には、軸心Cを中心とする180°対向する箇所に、各ネジ5に螺合する図示しない一対の雌ネジ孔が形成されている。モータケース2aの他方の端面には第2変速機取り付け部材4bが取り付けられる。第2変速機取り付け部材4bのこの取り付けは、第2変速機取り付け部材4bが一対のネジ6によって第1変速機取り付け部材4aに取り付けられることで、行われる。第1減速機3a1は第1変速機取り付け部材4aに取り付けられ、第2減速機3a2は第2変速機取り付け部材4bに取り付けられる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータケースの両端面に突出して一対の出力軸が設けられたモータと、前記モータケースの一方の端面の側に取り付けられて一方の前記出力軸の回転速度を変速する、第1ギヤケースに周囲が覆われた第1変速機と、前記モータケースの他方の端面の側に取り付けられて他方の前記出力軸の回転速度を変速する、第2ギヤケースに周囲が覆われた第2変速機とを備えて構成されるギヤドモータにおいて、
一方の前記端面に面接触して一方の前記端面に形成された雌ネジ孔が使われて一方の前記端面に締結される第1台座部、前記第1台座部の周縁部から前記第1変速機側に立設されて前記第1ギヤケースの内周囲に並び、前記第1ギヤケースの内周囲に固定される第1固定部、前記第1台座部の周縁部から前記第1固定部と同じ側に立設されて前記第1ギヤケースの側周囲に露出する第1内側連結部、および、前記第1台座部の周縁部から前記第1固定部と反対側に立設されて前記モータケースの側周囲に沿って前記両端面間に延在し、延在先が他方の前記端面から第1外側連結部として突出する第1腕部を有する第1変速機取り付け部材と、
他方の前記端面に面接触して前記第1台座部との間に前記両端面を挟持する第2台座部、前記第2台座部の周縁部から前記第2変速機側に立設されて前記第2ギヤケースの内周囲に並び、前記第2ギヤケースの内周囲に固定される第2固定部、前記第2台座部の周縁部から前記第2固定部と同じ側に立設されて前記第2ギヤケースの側周囲に露出し、前記第1外側連結部と連結される第2内側連結部、および、前記第2台座部の周縁部から前記第2固定部と反対側に立設されて前記モータケースの側周囲に沿って前記両端面間に延在し、延在先が一方の前記端面から第2外側連結部として突出する、前記第2外側連結部が前記第1内側連結部に連結されることで、前記第1腕部と共に前記モータケースの側周囲を挟持する第2腕部を有する第2変速機取り付け部材と
を備えることを特徴とするギヤドモータ。
【請求項2】
前記第1腕部および前記第2腕部は前記モータケースの対向する側周囲を挟持することを特徴とする請求項1に記載のギヤドモータ。
【請求項3】
前記第1内側連結部は前記第1腕部の立設箇所と対向する前記第1台座部の周縁部に設けられ、
前記第1固定部は、前記第1腕部および前記第1内側連結部の各立設箇所間における前記第1台座部の対向する周縁部に複数設けられ、
前記第2内側連結部は前記第2腕部の立設箇所と対向する前記第2台座部の周縁部に設けられ、
前記第2固定部は、前記第2腕部および前記第2内側連結部の各立設箇所間における前記第2台座部の対向する周縁部に複数設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載のギヤドモータ。
【請求項4】
前記第1固定部は、前記第1腕部および前記第1内側連結部の各立設箇所間における前記第1台座部の対向する周縁部に一対設けられ、
前記第2固定部は、前記第2腕部および前記第2内側連結部の各立設箇所間における前記第2台座部の対向する周縁部に一対設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載のギヤドモータ。
【請求項5】
前記第1内側連結部は前記第1台座部の対向する周縁部に一対設けられ、
前記第1腕部は、前記第1内側連結部の各立設箇所間における前記第1台座部の対向する周縁部に一対設けられ、
前記第1固定部は、前記第1内側連結部および前記第1腕部の各立設箇所を除く前記第1台座部の周縁部に複数設けられ、
前記第2内側連結部は前記第2台座部の対向する周縁部に一対設けられ、前記第1外側連結部に連結されることで前記第1腕部が前記モータケースの対向する側周囲を挟持し、
前記第2腕部は、前記第2内側連結部の各立設箇所間における前記第2台座部の対向する周縁部に一対設けられ、前記第2外側連結部が前記第1内側連結部に連結されることで前記モータケースの対向する側周囲を挟持し、
前記第2固定部は、前記第2内側連結部および前記第2腕部の各立設箇所を除く前記第2台座部の周縁部に複数設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のギヤドモータ。
【請求項6】
前記第1内側連結部および前記第2内側連結部はそれぞれバーリング加工が施されて形成された円筒部に雌ネジが形成され、
前記第2外側連結部は、連結穴が形成され、その連結穴に挿通されたネジが前記第1内側連結部に形成された前記雌ネジに螺合することで、前記第1内側連結部に連結され、
前記第1外側連結部は、連結穴が形成され、その連結穴に挿通されたネジが前記第2内側連結部に形成された前記雌ネジに螺合することで、前記第2内側連結部に連結される
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のギヤドモータ。
【請求項7】
前記第1変速機取り付け部材および前記第2変速機取り付け部材は同一の部品によって構成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれ1項に記載のギヤドモータ。
【請求項8】
前記第1ギヤケースおよび前記第2ギヤケースの各側周囲の外径は、前記モータケースの側周囲の外径と、前記モータケースの側周囲に沿って接する箇所の前記第1腕部または前記第2腕部の厚さの倍との和にほぼ等しく設定され、
前記第2外側連結部と前記第1内側連結部との連結部は、前記第2外側連結部が前記第1ギヤケースの側周囲に形成された第1切り欠き部に収容される側に曲げられることで、前記第1ギヤケースの側周囲から突出せずに前記第1切欠き部内側に収容され、
前記第1外側連結部と前記第2内側連結部との連結部は、前記第1外側連結部が前記第2ギヤケースの側周囲に形成された第2切り欠き部に収容される側に曲げられることで、前記第2ギヤケースの側周囲から突出せずに前記第2切欠き部内側に収容される
ことを特徴とする請求項7に記載のギヤドモータ。
【請求項9】
前記第1変速機および前記第2変速機はそれぞれ不思議遊星歯車機構を使った減速機であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のギヤドモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の出力軸が両端に設けられたモータの両側に変速機を備えて構成されるギヤドモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種のギヤドモータとしては、例えば、特許文献1の第二の実施形態に開示された、電動ブラインドの駆動装置として使用されるものがある。このギヤドモータを構成するモータおよびギヤボックスは、電動ブラインドのヘッドボックス内に設けられる。モータの各出力軸の回転は各ギヤボックス内の減速機で減速されて一対のスラット駆動軸に伝えられ、各スラット駆動軸が低速で回転する。各減速機は、モータを収容するモータケースの両側に取り付けられる。スラット駆動軸のこの回転により、昇降コードあるいは昇降テープが巻取り装置に巻き取られ、あるいは繰り出されてスラットが昇降される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-197952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、モータケースに減速機を取り付けるための雌ネジ孔は、モータケースの一方の端面にだけ形成されているのが一般的である。このため、特許文献1の第二の実施形態に示されるように、モータの両側から突出する一対の出力軸の回転を減速させて、一対のスラット駆動軸に伝達する場合、モータケースの両側に減速機を簡単かつ安価な構造でコンパクトに取り付けることは難しい。特許文献1には、モータケースの両側に減速機を取り付ける具体的な構造は開示されていない。
【0005】
本発明は、一対の出力軸が両端に設けられたモータの両側に変速機を簡単かつ安価な構造でコンパクトに取り付けることができるギヤドモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために本発明は、
モータケースの両端面に突出して一対の出力軸が設けられたモータと、モータケースの一方の端面の側に取り付けられて一方の出力軸の回転速度を変速する、第1ギヤケースに周囲が覆われた第1変速機と、モータケースの他方の端面の側に取り付けられて他方の出力軸の回転速度を変速する、第2ギヤケースに周囲が覆われた第2変速機とを備えて構成されるギヤドモータにおいて、
一方の前記端面に面接触して一方の前記端面に形成された雌ネジ孔が使われて一方の前記端面に締結される第1台座部、第1台座部の周縁部から第1変速機側に立設されて第1ギヤケースの内周囲に並び、第1ギヤケースの内周囲に固定される第1固定部、第1台座部の周縁部から第1固定部と同じ側に立設されて第1ギヤケースの側周囲に露出する第1内側連結部、および、第1台座部の周縁部から第1固定部と反対側に立設されてモータケースの側周囲に沿って前記両端面間に延在し、延在先が他方の前記端面から第1外側連結部として突出する第1腕部を有する第1変速機取り付け部材と、
他方の前記端面に面接触して第1台座部との間に前記両端面を挟持する第2台座部、第2台座部の周縁部から第2変速機側に立設されて第2ギヤケースの内周囲に並び、第2ギヤケースの内周囲に固定される第2固定部、第2台座部の周縁部から第2固定部と同じ側に立設されて第2ギヤケースの側周囲に露出し、第1外側連結部と連結される第2内側連結部、および、第2台座部の周縁部から第2固定部と反対側に立設されてモータケースの側周囲に沿って前記両端面間に延在し、延在先が一方の前記端面から第2外側連結部として突出する、第2外側連結部が第1内側連結部に連結されることで、第1腕部と共にモータケースの側周囲を挟持する第2腕部を有する第2変速機取り付け部材と
を備えて、ギヤドモータを構成した。
【0007】
本構成によれば、モータケースの一方の端面に形成された雌ネジ孔が使われて、モータケースの一方の端面に面接触して、第1変速機取り付け部材の第1台座部がモータケースの一方の端面に締結される。第1台座部に立設される第1固定部は、第1ギヤケースの内周囲に並んで第1ギヤケースの内周囲に固定される。これにより、第1変速機取り付け部材により、モータケースの一方の端面の側に第1変速機が取り付けられて固定される。第1台座部からは、モータケースの側周囲に沿って第1腕部が延在し、その延在先には、第1外側連結部がモータケースの他方の端面から突出する。
【0008】
第2変速機取り付け部材の第2台座部からは、モータケースの側周囲に沿って第2腕部が延在し、その延在先には、第2外側連結部がモータケースの一方の端面から突出する。その第2外側連結部は、第2台座部がモータケースの他方の端面に面接触しながら、第1ギヤケースの側周囲に露出して第1台座部の周縁部に立設されている第1内側連結部と連結される。また、第2ギヤケースの側周囲に露出して第2台座部の周縁部に立設されている第2内側連結部は、モータケースの他方の端面から突出する第1外側連結部と連結される。また、第2ギヤケースの内周囲に並んで第2台座部に立設されている第2固定部は、第2ギヤケースの内周囲に固定される。これにより、第2変速機取り付け部材により、モータケースの他方の端面の側に第2変速機が取り付けられて固定される。
【0009】
すなわち、モータケースは、両端面が第1台座部と第2台座部との間、側周囲が第1腕部と第2腕部に挟持された状態で、第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材に一体に固定される。そして、第1変速機取り付け部材には第1変速機、第2変速機取り付け部材には第2変速機が取り付けられ、モータの両端面に第1変速機および第2変速機が固定される。第1台座部および第2台座部は、モータケースの両端面に面接触する形状をし、第1腕部および第2腕部は、モータケースの側周囲に沿った形状をしている。したがって、第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材は、ギヤドモータの、モータケースの両端面からモータ出力軸方向への延出、および、モータケースの側周囲からモータの径方向への張り出しを抑制しながら、モータの両端面に第1変速機および第2変速機を簡単かつ安価な構造でコンパクトに支持する。
【0010】
このため、一対の出力軸が両端に設けられたモータの両側に変速機を簡単かつ安価な構造でコンパクトに取り付けることができるギヤドモータを提供することができる。
【0011】
また、本発明は、第1腕部および第2腕部がモータケースの対向する側周囲を挟持することを特徴とする。
【0012】
本構成によれば、第1腕部および第2腕部が対向して安定性良くモータケースの側周囲を挟持する。このため、第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材は、確実かつ強固にそれらの間にモータケースを支持固定するようになる。
【0013】
また、本発明は、
第1内側連結部が第1腕部の立設箇所と対向する第1台座部の周縁部に設けられ、
第1固定部が、第1腕部および第1内側連結部の各立設箇所間における第1台座部の対向する周縁部に複数設けられ、
第2内側連結部が第2腕部の立設箇所と対向する第2台座部の周縁部に設けられ、
第2固定部が、第2腕部および第2内側連結部の各立設箇所間における第2台座部の対向する周縁部に複数設けられる
ことを特徴とする。
【0014】
本構成によれば、第1固定部および第2固定部が第1台座部および第2台座部の対向する周縁部においてそれぞれ複数立設されることで、第1ギヤケースおよび第2ギヤケースがそれぞれより安定性良く第1固定部および第2固定部によって支持される。このため、第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材は、モータケースと共に第1ギヤケースおよび第2ギヤケースをそれぞれより確実かつ強固に支持固定するようになる。
【0015】
また、本発明は、
第1固定部が、第1腕部および第1内側連結部の各立設箇所間における第1台座部の対向する周縁部に一対設けられ、
第2固定部が、第2腕部および第2内側連結部の各立設箇所間における第2台座部の対向する周縁部に一対設けられる
ことを特徴とする。
【0016】
本構成によれば、第1固定部および第2固定部が第1台座部および第2台座部の周縁部においてそれぞれ一対対向して立設されることで、第1ギヤケースおよび第2ギヤケースが、少ない固定部の個数で、それぞれ安定性良く第1固定部および第2固定部によって支持される。このため、第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材は、モータケースと共に第1ギヤケースおよび第2ギヤケースを、簡素な構成で、それぞれ確実かつ強固に支持固定するようになる。
【0017】
また、本発明は、
第1内側連結部が第1台座部の対向する周縁部に一対設けられ、
第1腕部が、第1内側連結部の各立設箇所間における第1台座部の対向する周縁部に一対設けられ、
第1固定部が、第1内側連結部および第1腕部の各立設箇所を除く第1台座部の周縁部に複数設けられ、
第2内側連結部が第2台座部の対向する周縁部に一対設けられ、第1外側連結部に連結されることで第1腕部がモータケースの対向する側周囲を挟持し、
第2腕部が、第2内側連結部の各立設箇所間における第2台座部の対向する周縁部に一対設けられ、第2外側連結部が第1内側連結部に連結されることでモータケースの対向する側周囲を挟持し、
第2固定部が、第2内側連結部および第2腕部の各立設箇所を除く第2台座部の周縁部に複数設けられる
ことを特徴とする。
【0018】
本構成によれば、一対の第1腕部が対向して安定性良くモータケースの側周囲を挟持すると共に、一対の第2腕部が対向して安定性良くモータケースの異なる側周囲を挟持する。また、第1固定部および第2固定部が第1台座部および第2台座部の周縁部においてそれぞれ複数立設されることで、第1ギヤケースおよび第2ギヤケースがそれぞれより安定性良く第1固定部および第2固定部によって支持される。このため、第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材は、モータケースと共に第1ギヤケースおよび第2ギヤケースをそれぞれより確実かつ強固に支持固定するようになる。
【0019】
また、本発明は、
第1内側連結部および第2内側連結部がそれぞれ、バーリング加工が施されて形成された円筒部に雌ネジが形成され、
第2外側連結部は、連結穴が形成され、その連結穴に挿通されたネジが第1内側連結部に形成された雌ネジに螺合することで、第1内側連結部に連結され、
第1外側連結部は、連結穴が形成され、その連結穴に挿通されたネジが第2内側連結部に形成された雌ネジに螺合することで、第2内側連結部に連結される
ことを特徴とする。
【0020】
本構成によれば、第2外側連結部と第1内側連結部との間の連結、および、第1外側連結部と第2内側連結部との間の連結は、バーリング加工によって形成された雌ネジが使われて、ネジによって確実に行える。このため、ネジ止めするための別部品を使うことによって連結箇所の容積を大きくすることなく、しかも、安価に、各連結部間の連結を行える。
【0021】
また、本発明は、第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材が同一の部品によって構成されることを特徴とする。
【0022】
本構成によれば、ギヤドモータを構成する部品の種類が低減される。したがって、部品管理が容易になり、また、ギヤドモータの組み立て時に部品を取り違えたりすることを防ぐことができる。その結果、ギヤドモータの製品コストを抑制することに資することができる。
【0023】
また、本発明は、
第1ギヤケースおよび第2ギヤケースの各側周囲の外径は、モータケースの側周囲の外径と、モータケースの側周囲に沿って接する箇所の第1腕部または第2腕部の厚さの倍との和にほぼ等しく設定され、
第2外側連結部と第1内側連結部との連結部は、第2外側連結部が第1ギヤケースの側周囲に形成された第1切り欠き部に収容される側に曲げられることで、第1ギヤケースの側周囲から突出せずに第1切欠き部内側に収容され、
第1外側連結部と第2内側連結部との連結部は、第1外側連結部が第2ギヤケースの側周囲に形成された第2切り欠き部に収容される側に曲げられることで、第2ギヤケースの側周囲から突出せずに第2切欠き部内側に収容される
ことを特徴とする。
【0024】
本構成によれば、ギヤドモータの側周囲の外径は、第1ギヤケースおよび第2ギヤケースの各側周囲の外径程度に抑えられる。したがって、電動ブラインドのヘッドボックス内のような狭い空間であっても、ギヤドモータを容易に収容することが可能となり、ギヤドモータの適用範囲を広げることができる。
【0025】
また、本発明は、第1変速機および第2変速機がそれぞれ不思議遊星歯車機構を使った減速機であることを特徴とする。
【0026】
不思議遊星歯車機構はその出力軸側から回転しないので、本構成によれば、ギヤドモータを電動ブラインドの駆動装置として使用する場合、従来のように別途ブレーキ装置を設けることなく、スラットの自重による降下を防止することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、上記のように、一対の出力軸が両端に設けられたモータの両側に変速機を簡単かつ安価な構造でコンパクトに取り付けることができるギヤドモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態によるギヤドモータの斜視図である。
図2図1に示すギヤドモータの縦断面図である。
図3図1に示すギヤドモータから第1ギヤケースおよび第2ギヤケースを取り外した状態のギヤドモータの斜視図および縦断面図である。
図4図3に示す状態のギヤドモータからさらに不思議遊星歯車機構をその出力軸と共に取り外した状態のモータを一方端および他方端から見たモータの斜視図である。
図5図4(a)に示す第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材だけを見たこれらの斜視図である。
図6図5に示す第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材の単体をそれぞれ示す斜視図である。
図7図4(b)に示す状態のモータへ絶縁ディスクを装着する前後における各状態のモータの斜視図である。
図8】変形例による第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材の単体をそれぞれ示す斜視図である。
図9図8に示す変形例による第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材がモータへ取り付けられる時の組み合わせ状態を示す斜視図である。
図10図8に示す変形例による第1変速機取り付け部材および第2変速機取り付け部材が取り付けられたモータを一方端および他方端から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明によるギヤドモータを実施するための形態について説明する。なお、各図において同一または相当する部分には同一符号を付して説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態によるギヤドモータ1の斜視図、図2はギヤドモータ1の軸心Cを含む平面で破断したギヤドモータ1の縦断面図である。
【0031】
ギヤドモータ1は、軸心C方向中央に設けられたモータ2と、軸心C方向におけるモータ2の両側に設けられた一対の減速機3a1,3a2とから構成される。モータ2は、モータケース2aの両端面に突出して一対の出力軸2b1,2b2が設けられている。このモータ2は、本実施形態ではブラシ付きのDCモータであるが、その種類はこれに限定されるものではない。
【0032】
一対の減速機3a1,3a2のうちの一方の第1減速機3a1は、第1ギヤケース3b1に周囲が覆われて、モータケース2aの一方の端面の側に取り付けられている。この第1減速機3a1は、モータ2の一方の出力軸2b1の回転速度を減速する。また、一対の減速機3a1,3a2のうちの他方の第2減速機3a2は、第2ギヤケース3b2に周囲が覆われて、モータケース2aの他方の端面の側に取り付けられている。この第2減速機3a2は、モータ2の他方の出力軸2b2の回転速度を減速する。第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2は、それぞれ、一方の側端が閉塞して他方の側端が開口した有底円筒状の形状をしている。
【0033】
第1減速機3a1によって減速されたモータ2の一方の出力軸2b1の回転は第1減速機3a1の出力軸3c1に伝えられ、第2減速機3a2によって減速されたモータ2の他方の出力軸2b2の回転は第2減速機3a2の出力軸3c2に伝えられる。なお、モータ2の出力軸2b1,2b2並びに第1および第2減速機3a1,3a2の出力軸3c1,3c2は、図2の断面図において破断されずに図示されている。
【0034】
ギヤドモータ1が電動ブラインドのスラットを昇降する駆動装置に用いられる場合、第1減速機3a1の出力軸3c1および第2減速機3a2の出力軸3c2に減速して伝えられるモータ2の各回転は、スラット駆動軸にそれぞれ伝えられる。これにより、昇降コードあるいは昇降テープが巻取り装置に巻き取られ、あるいは繰り出されて、スラットが昇降される。
【0035】
第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2の、モータ2の取り付け側と反対側の各側端面には、雌ネジ孔3d1,3d2が4箇所にそれぞれ設けられている。各雌ネジ孔3d1,3d2は、ギヤドモータ2が取り付けられる装置への取り付け用として設けられている。ギヤドモータ1が電動ブラインドの駆動装置に用いられる場合、これら各雌ネジ孔3d1,3d2が使われて、ギヤドモータ1がヘッドボックス内に取り付けられて固定される。
【0036】
第1減速機3a1および第2減速機3a2は、それぞれ不思議遊星歯車機構3e1,3e2を使った減速機である。各不思議遊星歯車機構3e1,3e2は、入力側内歯車3f,3f、太陽歯車3g,3g、3個の遊星歯車3h,3h(図2では各1個のみ図示)、出力側内歯車3i、3i、およびキャリア3j,3jをそれぞれ備える。各不思議遊星歯車機構3e1,3e2は同様の構成をしており、ここでは一方の不思議遊星歯車機構3e1について説明する。
【0037】
太陽歯車3gはモータ2の出力軸2b1に固定され、出力軸2b1と共に回転する。3個の遊星歯車3hは、円板状のキャリア3jに立設された3本のキャリアピン3k(図2では1本のみ図示)に回転自在に支持されて、軸心Cの周方向に等間隔に配置されている。これら3個の遊星歯車3hは、太陽歯車3g、入力側内歯車3fおよび出力側内歯車3iに噛み合う。入力側内歯車3fおよび出力側内歯車3iは、それぞれ開口部が向き合う有底円筒状をしており、各遊星歯車3hは、入力側内歯車3fおよび出力側内歯車3iの各内周にそれぞれ形成された内歯に噛み合う長さを有する。また、入力側内歯車3fは第1ギヤケース3b1の内周に相対回転不能に固定されている。出力側内歯車3iは、その底部中央に出力軸3c1がピン3lによって固定されており、出力軸3c1と共に回転自在に第1ギヤケース3b1に支持されている。第1ギヤケース3b1は、ワッシャ3mを介する止め輪3nによって出力軸3c1からの抜け止めが施されている。
【0038】
太陽歯車3gがモータ2の出力軸2b1と共に回転すると、3個の遊星歯車3hは太陽歯車3gを中心に入力側内歯車3fの内周を公転する。したがって、各遊星歯車3hに噛み合う出力側内歯車3iも回転し、出力側内歯車3iに固定された第1減速機3a1の出力軸3c1にモータ2の回転が減速して伝えられる。
【0039】
図3(a)は、図1に示すギヤドモータ1から第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2を取り外した状態のギヤドモータ1の斜視図、図3(b)は、同図(a)に示す状態のギヤドモータ1を軸心Cを含む平面で破断したギヤドモータ1の縦断面図である。同図に示すように、出力軸3c1,3c2には、それぞれ、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2の出力軸3c1および3c2からの抜け止めを果たす、ワッシャ3mおよび止め輪3nが設けられている。この抜け止めにより、第1減速機3a1および第2減速機3a2がモータ2から離反する方向へ離脱するのが防がれている。
【0040】
図4(a)は、図3に示す状態のギヤドモータ1から、さらに、第1減速機3a1および第2減速機3a2を構成する不思議遊星歯車機構3e1,3e2を出力軸3c1,3c2と共に取り外した状態のモータ2を、一方端から見たモータ2の斜視図、図4(b)は、他方端から見たモータ2の斜視図である。また、図5は、図4(a)に示す第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bだけを見たこれらの斜視図である。図6(a)および図6(b)は、第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bの単体をそれぞれ示す斜視図である。
【0041】
図4(a)に示すように、モータケース2aの一方の端面には第1変速機取り付け部材4aが一対のネジ5によって取り付けられている。このモータケース2aの一方の端面には、軸心Cを中心とする180°対向する箇所に、各ネジ5に螺合する図示しない一対の雌ネジ孔が形成されている。図4(b)に示すように、モータケース2aの他方の端面には第2変速機取り付け部材4bが取り付けられている。第2変速機取り付け部材4bのこの取り付けは、第2変速機取り付け部材4bが一対のネジ6によって第1変速機取り付け部材4aに取り付けられることで、行われている。
【0042】
第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bはそれぞれ金属や樹脂等で形成されるが、本実施形態では、金属材料がプレス加工されて形成される場合について説明する。第1変速機取り付け部材4aは、図6(a)に示すように、第1台座部4a1、一対の第1固定部4a2、第1内側連結部4a3、および、第1腕部4a4を一体に有する。なお、第1固定部4a2は、本実施形態では一対設けられている場合について説明しているが、1つ以上設けられていればよい。
【0043】
第1台座部4a1は略円板状をしており、モータケース2aの一方の端面に面接触して、この一方の端面に形成された上述の雌ネジ孔が使われて、この一方の端面に締結される。雌ネジ孔に螺合する各ネジ5は、第1台座部4a1における、軸心Cを中心とする180°対向する箇所に開口した一対の取付穴4a11,4a11に挿通される。
【0044】
一対の第1固定部4a2,4a2は、軸心Cを中心として180°対向する第1台座部4a1の周縁部から、第1変速機3a1側に折り曲げ加工されて、第1台座部4a1に立設されている。これらの第1固定部4a2には、バーリング加工が施されて形成された円筒部に貫通穴が固定穴4a21として、それぞれ形成されている。また、第1ギヤケース3b1の開口側端部付近の側周囲には、図1に示す貫通孔3b11が形成されている。この貫通孔3b11は、軸心Cを中心として180°対向する箇所の第1ギヤケース3b1の側周囲に、一対形成されている。第1変速機3a1は、第1ギヤケース3b1の側周囲に形成された各貫通穴3b11を介して、各第1固定部4a2に形成された固定穴4a21にそれぞれピン7,7(図1図3(a)参照)が挿通されることで、モータ2に固定される。
【0045】
また、不思議遊星歯車機構3e1を構成する有底円筒形状をした入力側内歯車3fの閉塞端側の外周囲には、第1固定部4a2の先端側の外周囲が嵌まる図示しない溝が形成されている。この溝も、軸心Cを中心として180°対向する箇所の入力側内歯車3fの外周囲に、一対形成されている。各第1固定部4a2の先端側の外周囲が入力側内歯車3fの外周囲に形成された図示しない各溝に嵌まることで、第1変速機取り付け部材4aは、入力側内歯車3fを介して第1ギヤケース3b1の内周に相対回転不能に固定され、第1変速機3a1のモータ2に対する回り止めが行われている。
【0046】
第1内側連結部4a3は、軸心Cを挟む第1固定部4a2の立設方向と90°交差する方向における第1台座部4a1の周縁部から、第1固定部4a2と同じ側に折り曲げ加工されて、第1台座部4a1に立設されている。この第1内側連結部4a3には、バーリング加工が施されて形成された円筒部の内周に雌ネジ4a31が形成されている。また、第1ギヤケース3b1の開口端には、第1内側連結部4a3を露出させる第1切り欠き部3b12が、図1に示すように形成されている。第1内側連結部4a3は、この第1切り欠き部3b12において、第1ギヤケース3b1の側周囲に露出する。第1切り欠き部3b12は、図2に示すように、軸心Cを挟む180°対向する箇所の第1ギヤケース3b1にも形成されている。
【0047】
第1腕部4a4は、軸心Cを挟んで第1内側連結部4a3の立設箇所と180°対向する第1台座部4a1の周縁部から、第1固定部4a2と反対側に折り曲げ加工されて、第1台座部4a1に立設されている。したがって、第1内側連結部4a3は、第1腕部4a4の立設箇所と対向する第1台座部4a1の周縁部に設けられることになる。また、各第1固定部4a2は、第1腕部4a4および第1内側連結部4a3の各立設箇所間における第1台座部4a1の対向する周縁部に一対設けられることになる。第1腕部4a4は、図4(a)に示すようにモータケース2aの側周囲に沿って、モータケース2aの両端面間に延在し、延在先がモータケース2aの他方の端面から第1外側連結部4a41として突出する。第1外側連結部4a41には、図6(a)に示すように連結穴4a42が形成されている。
【0048】
第2変速機取り付け部材4bは、図6(b)に示すように、第2台座部4b1、一対の第2固定部4b2、第2内側連結部4b3、および、第2腕部4b4を一体に有する。本実施形態では、第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bは同一の部品によって構成され、同一の形状をしている。
【0049】
第2台座部4b1は、図4(b)に示すようにモータケース2aの他方の端面に面接触して、第1台座部4a1との間にモータケース2aの両端面を挟持する。第2台座部4b1には軸心Cを中心に180°対向する箇所に一対の穴4b11が開口している。これらの穴4b11からはモータ2の一対の電極2c,2cが突出している。
【0050】
一対の第2固定部4b2,4b2は、軸心Cを中心として180°対向する第2台座部4b1の周縁部から、第2減速機3a2側に折り曲げ加工されて、第2台座部4b1に立設されている。これらの第2固定部4b2,4b2にも、バーリング加工が施されて形成された円筒部に貫通穴が固定穴4b21として、それぞれ形成されている。また、第2ギヤケース3b2の開口側端部付近の側周囲にも、図1に示す貫通孔3b21が形成されている。この貫通孔3b21は、軸心Cを中心として180°対向する箇所の第2ギヤケース3b2の側周囲に、一対形成されている。第2減速機3a2は、第2ギヤケース3b2の側周囲に形成された各貫通穴3b21を介して各第2固定部4b2に形成された固定穴4b21にそれぞれピン7,7(図1図3(a)参照)が挿通されることで、モータ2に固定される。
【0051】
また、不思議遊星歯車機構3e2を構成する有底円筒形状をした入力側内歯車3fの閉塞端側の外周囲には、第2固定部4b2の先端側の外周囲が嵌まる図示しない溝が形成されている。この溝も、軸心Cを中心として180°対向する箇所の入力側内歯車3fの外周囲に、一対形成されている。各第2固定部4b2の先端側の外周囲が入力側内歯車3fの外周囲に形成された図示しない各溝に嵌まることで、第2変速機取り付け部材4bは、入力側内歯車3fを介して第2ギヤケース3b2の内周に相対回転不能に固定され、第2減速機3a2のモータ2に対する回り止めが行われる。
【0052】
第2内側連結部4b3は、軸心Cを挟む第2固定部4b2の立設方向と90°交差する方向における第2台座部4b1の周縁部から、第2固定部4b2と同じ側に折り曲げ加工されて、第2台座部4b1に立設されている。この第2内側連結部4b3にも、バーリング加工が施されて形成された円筒部の内周に雌ネジ4b31が形成されている。また、第2ギヤケース3b2の開口端には、図2に示すように、第2内側連結部4b3を露出させる第2切り欠き部3b22が形成されている。第2切り欠き部3b22は、図1に示すように、軸心Cを挟む180°対向する箇所の第2ギヤケース3b2にも形成され、後述する絶縁ディスク8のガイド8bを露出させている。
【0053】
第2内側連結部4b3はこの第2切り欠き部3b22において、第2ギヤケース3b2の側周囲に露出して、第1変速機取り付け部材4aの第1外側連結部4a41と連結される。この連結は、図4(a)に示すように、第1外側連結部4a41の連結穴4a42を介して挿通されたネジ6が、第2内側連結部4b3に形成された雌ネジ4b31に螺合することで、行われる。
【0054】
第2腕部4b4は、軸心Cを挟んで第2内側連結部4b3の立設箇所と180°対向する第2台座部4b1の周縁部から、第2固定部4b2と反対側に折り曲げ加工されて、第2台座部4b1に立設されている。したがって、第2内側連結部4b3は、第2腕部4b4の立設箇所と対向する第2台座部4b1の周縁部に設けられることになる。また、各第2固定部4b2は、第2腕部4b4および第2内側連結部4b3の各立設箇所間における第2台座部4b1の対向する周縁部に一対設けられることになる。
【0055】
第2腕部4b4も、図4(b)に示すようにモータケース2aの側周囲に沿って、モータケース2aの両端面間に延在し、延在先がモータケース2aの一方の端面から第2外側連結部4b41として突出する。第2外側連結部4b41には、図6(b)に示すように連結穴4b42が形成されている。この第2外側連結部4b41は、第1ギヤケース3b1の第1切り欠き部3b12に露出する第1内側連結部4a3に、図1および図4(b)に示すように連結される。この連結は、連結穴4b42に挿通されたネジ6が、第1内側連結部4a3に形成された雌ネジ4a31に螺合することで、行われる。第2外側連結部4b41が第1内側連結部4a3に連結されることで、第2腕部4b4は第1腕部4a4との間にモータケース2aの側周囲を挟持する。この結果、第1腕部4a4および第2腕部4b4がモータケース2aの対向する側周囲を挟持することとなる。
【0056】
本実施形態では、図2に示すように、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2の各側周囲の外径φ1,φ2は、モータケース2aの側周囲の外径φ3と、モータケース2aの側周囲に沿って接する箇所の第1腕部4a4および第2腕部4b4の各厚さt,tとの和にほぼ等しく設定されている。本実施形態では、第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bは同一の形状をしているので、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2の各側周囲の外径φ1,φ2は、モータケース2aの側周囲の外径φ3と、モータケース2aの側周囲に沿って接する箇所の第1腕部4a4または第2腕部4b4の厚さtの倍である2tとの和にほぼ等しく設定されている。また、第2外側連結部4b41と第1内側連結部4a3との連結部は、第2外側連結部4b41が第1ギヤケース3b1の側周囲に形成された第1切り欠き部3b12に収容される側に、図6(b)に示すように曲げられることで、第1ギヤケース3b1の側周囲から突出せずに第1切欠き部3b12の内側に収容されている。また、第1外側連結部4a41と第2内側連結部4b3との連結部は、第1外側連結部4a41が第2ギヤケース3b2の側周囲に形成された第2切り欠き部3b22に収容される側に、図6(a)に示すように曲げられることで、第2ギヤケース3b2の側周囲から突出せずに第2切欠き部3b22の内側に収容されている。
【0057】
また、第2変速機取り付け部材4bの第2台座部4b1には、図7に示すように、絶縁ディスク8が被せられる。図7(a)は図4(b)に示す状態のモータ2へ絶縁ディスク8を装着する前、図7(b)は絶縁ディスク8を装着した後の状態のモータ2の斜視図である。
【0058】
絶縁ディスク8は、円板部8aの一方の端面に突出してガイド8bが形成され、他方の端面に円筒状に突出して芯出部8cが形成されている。ガイド8bには、モータ2の電極2c,2cに接続される図示しない配線が挿入される。この配線および電極2c,2cを通してモータ2に駆動電源が供給される。配線は、第2ギヤケース3b2の側面に形成された第2切り欠き部3b22に露出するガイド8b(図1参照)から、外部へ引き出される。
【0059】
芯出部8cは、図4(b)に示す、第2台座部4b1の中心にあくセンター穴4b12の内周とモータ2の第2軸受2d2の外周との間に形成される隙間9に、嵌入される。芯出部8cのこの隙間9への嵌入により、第2台座部4b1のモータ2の出力軸2b2に対する相対位置が矯正される。この矯正により、第2変速機取り付け部材4bに取り付けられる第2減速機3a2の軸心がモータ2の軸心に合わせられる。
【0060】
図4(a)に示すように、第1変速機取り付け部材4aの第1台座部4a1の中心にあくセンター穴4a12の内周と、モータ2の第1軸受2d1の外周との間には、隙間は生じず、第1台座部4a1とモータ2の出力軸2b1との相対位置を矯正する必要はない。芯出部8cを隙間9へ嵌入する構成を採用することで、各センター穴4a12,4b12を同じ大きさにすることができるので、第1変速機取り付け部材4aと第2変速機取り付け部材4bとは同一の部品にすることができる。
【0061】
このような本実施形態のギヤドモータ1によれば、上記のように、モータケース2aの一方の端面に形成された雌ネジ孔が使われて、モータケース2aの一方の端面に面接触して、第1変速機取り付け部材4aの第1台座部4a1が、図4(a)に示すように、モータケース2aの一方の端面に締結される。第1台座部4a1に立設される第1固定部4a2は、図1に示すように、ピン7が貫通穴3b11を介して固定穴4a21に挿通されることで、第1ギヤケース3b1の内周囲に並んで第1ギヤケース3b1の内周囲に固定される。これにより、第1変速機取り付け部材4aにより、モータケース2aの一方の端面の側に第1変速機3a1が取り付けられて固定される。第1台座部4a1からは、図4(a)に示すように、モータケース2aの側周囲に沿って第1腕部4a4が延在し、その延在先には、第1外側連結部4a41がモータケース2aの他方の端面から突出する。
【0062】
図4(b)に示すように、第2変速機取り付け部材4bの第2台座部4b1からは、モータケース2aの側周囲に沿って第2腕部4b4が延在し、その延在先には、第2外側連結部4b41がモータケース2aの一方の端面から突出する。その第2外側連結部4b41は、第2台座部4b1がモータケース2aの他方の端面に面接触しながら、第1台座部4a1の周縁部に立設されている第1内側連結部4a3と、図1および図4(b)に示すように連結される。また、第2台座部4b1の周縁部に立設されている第2内側連結部4b3は、図4(a)に示すように、モータケース2aの他方の端面から突出する第1外側連結部4a41と連結される。また、第2台座部4b1に立設されている第2固定部4b2は、図1に示すように、ピン7が貫通穴3b21を介して固定穴4b21に挿通されることで、第2ギヤケース3b2の内周囲に並んで第2ギヤケース3b2の内周囲に固定される。これにより、第2変速機取り付け部材4bにより、モータケース2aの他方の端面の側に第2変速機3a2が取り付けられて固定される。
【0063】
すなわち、モータケース2aは、両端面が第1台座部4a1と第2台座部4b1との間、側周囲が第1腕部4a4と第2腕部4b4とに挟持された状態で、本実施形態では、側周囲が第1腕部4a4と第2腕部4b4との間に挟持された状態で、第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bに一体に固定される。そして、第1変速機取り付け部材4aには第1減速機3a1、第2変速機取り付け部材4bには第2減速機3a2が取り付けられ、モータ2の両端面に第1減速機3a1および第2減速機3a2が固定される。第1台座部4a1および第2台座部4b1は、モータケース2aの両端面に面接触する形状をし、第1腕部4a4および第2腕部4b4は、モータケース2aの側周囲に沿った形状をしている。したがって、第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bは、ギヤドモータ1の、モータケース2aの両端面からモータ出力軸2b1,2b2方向への延出、および、モータケース2aの側周囲からモータ2の径方向への張り出しを抑制しながら、モータ2の両端面に第1変速機3a1および第2減速機3a2を簡単かつ安価な構造でコンパクトに支持する。
【0064】
モータケース2aに減速機を取り付けるための雌ネジ孔は、モータケース2aの一方の端面にだけ形成されているのが一般的であり、従来、モータケース2aの両側に減速機を簡単かつ安価な構造でコンパクトに取り付けることは難しかった。しかし、本実施形態のギヤドモータ1によれば、一対の出力軸2b1,2b2が両端に設けられたモータ2の両側に第1減速機3a1および第2減速機3a2を簡単かつ安価な構造でコンパクトに取り付けることができるギヤドモータ1を提供することができる。
【0065】
また、本実施形態のギヤドモータ1によれば、第1腕部4a4および第2腕部4b4がモータケース2aの対向する側周囲を挟持するので、第1腕部お4a4および第2腕部4b4が対向して安定性良くモータケース2aの側周囲を挟持する。このため、第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bは、モータケース2aを確実かつ強固にそれらの間に支持固定するようになる。
【0066】
また、本実施形態のギヤドモータ1によれば、第1固定部4a2および第2固定部4b2が第1台座部4a1および第2台座部4b1の周縁部においてそれぞれ一対対向して立設されることで、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2が、少ない固定部の個数で、それぞれ安定性良く第1固定部4a1および第2台座部4b1によって支持される。このため、第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bは、モータケース2aと共に第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2を、簡素な構成で、それぞれ確実かつ強固に支持固定するようになる。
【0067】
また、本実施形態のギヤドモータ1によれば、第2外側連結部4b41と第1内側連結部4a3との間の連結、および、第1外側連結部4a41と第2内側連結部4b3との間の連結は、バーリング加工によって形成された雌ネジ4a31および4b31が使われて、ネジ6によって確実に行える。このため、ネジ止めするための別部品を使うことによって連結箇所の容積を大きくすることなく、しかも、安価に、各連結部間の連結を行える。
【0068】
また、本実施形態のギヤドモータ1によれば、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2の各側周囲に貫通して形成された各貫通穴3b11,3b21を介して、第1固定部4a2および第2固定部4b2に形成された固定穴4a21および4b21に単にピン7を挿通する簡単な構造により、第1減速機3a1および第2減速機3a2のモータ2への固定が行える。このため、第1減速機3a1および第2減速機3a2のモータケース2aへの固定が簡単な構造で安価に行える。
【0069】
また、本実施形態のギヤドモータ1によれば、ギヤドモータ1の側周囲の外径は、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2の各側周囲の外径φ1,φ2程度に抑えられる。したがって、電動ブラインドのヘッドボックス内のような狭い空間であっても、ギヤドモータ1を容易に収容することが可能となり、ギヤドモータ1の適用範囲を広げることができる。
【0070】
また、本実施形態のギヤドモータ1によれば、不思議遊星歯車機構3e1,3e2はその出力軸3c1,3c2の側から回転しないので、ギヤドモータ1を電動ブラインドの駆動装置として使用する場合、従来の特許文献1に開示されたギヤドモータのように別途ブレーキ装置を設けることなく、スラットの自重による降下を防止することができる。
【0071】
なお、上記実施形態の説明においては、第1固定部4a2および第2固定部4b2が第1台座部4a1および第2台座部4b1の周縁部においてそれぞれ一対対向して立設される場合について、説明した。しかし、第1腕部4a4および第1内側連結部4a3の各立設箇所間における第1台座部4a1の対向する周縁部に、第1固定部4a2が複数、例えば3~4個設けられると共に、第2腕部4b4および第2内側連結部4b3の各立設箇所間における第2台座部4b1の対向する周縁部に、第2固定部4b2が複数、例えば3~4個設けられるように構成してもよい。
【0072】
本構成によれば、第1固定部4a2および第2固定部4b2が第1台座部4a1および第2台座部4b1の対向する周縁部においてそれぞれ複数立設されることで、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2がそれぞれより安定性良く第1固定部4a2および第2固定部4b2によって支持される。このため、第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bは、モータケース2aと共に第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2をそれぞれより確実かつ強固に支持固定するようになる。
【0073】
また、上記実施形態の説明においては、第1変速機取り付け部材4aおよび第2変速機取り付け部材4bは、図6(a)および図6(b)に示すように、第1腕部4a4および第2腕部4b4、並びに、第1内側連結部4a3および第2内側連結部4b3が、それぞれ1つずつ第1台座部4a1および第2台座部4b1に設けられる場合について説明した。しかし、図8(a)および図8(b)に示す変形例による第1変速機取り付け部材4a’および第2変速機取り付け部材4b’のように、第1腕部4a4および第2腕部4b4、並びに、第1内側連結部4a3および第2内側連結部4b3が、それぞれ複数、同図ではそれぞれ一対ずつ、第1台座部4a1および第2台座部4b1に設けられるように構成してもよい。この場合、第1変速機取り付け部材4a’および第2変速機取り付け部材4b’は、図9に示すように相互が組み合わされ、図10(a)および図10(b)に示すように、モータ2に取り付けられる。
【0074】
ここで、図8(a)および図8(b)は、第1変速機取り付け部材4a’および第2変速機取り付け部材4b’の単体をそれぞれ示す斜視図である。図9は、これらの第1変速機取り付け部材4a’および第2変速機取り付け部材4b’がモータ2へ取り付けられる時の組み合わせ状態を示す斜視図である。図10(a)は、第1変速機取り付け部材4a’および第2変速機取り付け部材4b’が取り付けられたモータ2を一方端から見た斜視図、図10(b)は他方端から見た斜視図である。
【0075】
この変形例による第1変速機取り付け部材4a’では、第1内側連結部4a3は、軸心Cを中心として180°対向する第1台座部4a1の周縁部に、図8(a)に示すように、一対設けられる。各第1内側連結部4a3には、上記の実施形態と同様に、バーリング加工が施されて形成された円筒部の内周に雌ネジ4a31が形成されている。また、第1ギヤケース3b1の開口端には、各第1内側連結部4a3を露出させる第1切り欠き部3b12が、軸心Cを挟む180°対向する2箇所に形成されている。第1腕部4a4は、第1内側連結部4a3の各立設箇所間における、軸心Cを中心として180°対向する第1台座部4a1の周縁部に、一対設けられる。本変形例では、軸心Cを挟む第1内側連結部4a3の立設方向、つまり、第1内側連結部4a3の各立設箇所間を軸心Cを通って結ぶ直線と、軸心Cを挟む第1腕部4a4の立設方向、つまり、第1腕部4a4の各立設箇所間を軸心Cを通って結ぶ直線とは、直交している。
【0076】
第1固定部4a2は、第1内側連結部4a3および第1腕部4a4の各立設箇所を除く第1台座部4a1の周縁部に、複数設けられる。本変形例では、第1内側連結部4a3および第1腕部4a4の各立設箇所間における第1台座部4a1の周縁部に、それぞれ1つずつ、合計で4つ、設けられている。これらの第1固定部4a2には、上記の実施形態と同様に、バーリング加工が施されて形成された円筒部に貫通穴が固定穴4a21として、それぞれ形成されている。また、第1ギヤケース3b1の開口側端部付近の側周囲には、図1に示す貫通孔3b11が、本変形例では、各固定穴4a21に対応して、軸心Cを中心として180°対向する箇所に、二対形成されている。第1変速機3a1は、第1ギヤケース3b1の側周囲に形成されたこれら4箇所の各貫通穴3b11を介して、各第1固定部4a2に形成された固定穴4a21にそれぞれピン7が挿通されることで、モータ2に固定される。
【0077】
また、本変形例でも、不思議遊星歯車機構3e1を構成する入力側内歯車3fの閉塞端側の外周囲には、各第1固定部4a2の先端側の外周囲が嵌まる溝が形成されている。この溝は、本変形例では、軸心Cを中心として180°対向する箇所の入力側内歯車3fの外周囲に、各第1固定部4a2に対応して二対形成されている。各第1固定部4a2の先端側の外周囲が入力側内歯車3fの外周囲に形成された各溝に嵌まることで、第1変速機取り付け部材4a’は、入力側内歯車3fを介して第1ギヤケース3b1の内周に相対回転不能に固定され、第1変速機3a1のモータ2に対する回り止めが行われている。
【0078】
また、本変形例でも、第1変速機取り付け部材4a’および第2変速機取り付け部材4b’は同一の部品によって構成され、同一の形状をしている。つまり、本変形例による第2変速機取り付け部材4b’では、第2内側連結部4b3は、軸心Cを中心として180°対向する第2台座部4b1の周縁部に、図8(b)に示すように、一対設けられる。各第2内側連結部4b3にも、上記の実施形態と同様に、バーリング加工が施されて形成された円筒部の内周に雌ネジ4b31が形成されている。また、第2ギヤケース3b2の開口端には、各第2内側連結部4b3を露出させる第2切り欠き部3b22が、軸心Cを挟む180°対向する2箇所に形成されている。各第2内側連結部4b3はこの第2切り欠き部3b22において、第2ギヤケース3b2の側周囲に露出して、第1変速機取り付け部材4a’の各第1外側連結部4a41と連結される。この連結は、各第1外側連結部4a41の連結穴4a42を介して挿通された各ネジ6が、各第2内側連結部4b3に形成された雌ネジ4b31に螺合することで、図10(a)に示すように行われる。各第2内側連結部4b3が各第1外側連結部4a41に連結されることで、第1腕部4a4がモータケース2aの対向する側周囲を挟持する。
【0079】
第2腕部4b4は、第2内側連結部4b3の各立設箇所間における、軸心Cを中心として180°対向する第2台座部4b1の周縁部に、一対設けられる。本変形例では、軸心Cを挟む第2内側連結部4b3の立設方向、つまり、第2内側連結部4b3の各立設箇所間を軸心Cを通って結ぶ直線と、軸心Cを挟む第2腕部4b4の立設方向、つまり、第2腕部4b4の各立設箇所間を軸心Cを通って結ぶ直線とは、直交している。各第2腕部4b4の先端に形成された第2外側連結部4b41は、第1ギヤケース3b1の各第1切り欠き部3b12に露出する第1内側連結部4a3に、図10(b)に示すように連結される。この連結は、各第2外側連結部4b41の連結穴4b42に挿通された各ネジ6が、各第1内側連結部4a3に形成された雌ネジ4a31に螺合することで、行われる。各第2外側連結部4b41が各第1内側連結部4a3に連結されることで、一対の第1腕部4a4および一対の第2腕部4b4がそれぞれモータケース2aの対向する異なる側周囲を挟持することとなる。
【0080】
第2固定部4b2は、第2内側連結部4b3および第2腕部4b4の各立設箇所を除く第2台座部4b1の周縁部に、複数設けられる。本変形例では、図8(b)に示すように、第2内側連結部4b3および第2腕部4b4の各立設箇所間における第2台座部4b1の周縁部に、それぞれ1つずつ、合計で4つ、設けられている。これらの第2固定部4b2には、上記の実施形態と同様に、バーリング加工が施されて形成された円筒部に貫通穴が固定穴4b21として、それぞれ形成されている。また、第2ギヤケース3b2の開口側端部付近の側周囲には、図1に示す貫通孔3b21が、本変形例では、各固定穴4b21に対応して、軸心Cを中心として180°対向する箇所に、二対形成されている。第2変速機3a2は、第2ギヤケース3b2の側周囲に形成されたこれら4箇所の各貫通穴3b21を介して、各第2固定部4b2に形成された固定穴4b21にそれぞれピン7が挿通されることで、モータ2に固定される。
【0081】
また、不思議遊星歯車機構3e2を構成する入力側内歯車3fの閉塞端側の外周囲にも、各第2固定部4b2の先端側の外周囲が嵌まる溝が形成されている。この溝は、本変形例では、軸心Cを中心として180°対向する箇所の入力側内歯車3fの外周囲に、各第2固定部4b2に対応して二対形成されている。各第2固定部4b2の先端側の外周囲が入力側内歯車3fの外周囲に形成された各溝に嵌まることで、第2変速機取り付け部材4b’は、入力側内歯車3fを介して第2ギヤケース3b2の内周に相対回転不能に固定され、第2変速機3a2のモータ2に対する回り止めが行われている。
【0082】
このような本変形例によれば、一対の第1腕部4a4が対向して安定性良くモータケース2aの側周囲を挟持すると共に、一対の第2腕部4b4が対向して安定性良くモータケース2aの異なる側周囲を挟持する。また、第1固定部4a2および第2固定部4b2が第1台座部4a1および第2台座部4b1の周縁部においてそれぞれ複数立設されることで、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2がそれぞれより安定性良く第1固定部4a2および第2固定部4b2によって支持される。このため、第1変速機取り付け部材4a’および第2変速機取り付け部材4b’は、モータケース2aと共に第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2をそれぞれより確実かつ強固に支持固定するようになる。
【0083】
また、本変形例でも、第1変速機取り付け部材4a’および第2変速機取り付け部材4b’は同一の形状をしているので、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2の各側周囲の外径φ1,φ2は、モータケース2aの側周囲の外径φ3と、モータケース2aの側周囲に沿って接する箇所の第1腕部4a4または第2腕部4b4の厚さtの倍である2tとの和にほぼ等しく設定されている。したがって、本変形例のギヤドモータ1によっても、ギヤドモータ1の側周囲の外径は、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2の各側周囲の外径φ1,φ2程度に抑えられる。
【0084】
また、上記実施形態および上記変形例の説明においては、第1ギヤケース3b1および第2ギヤケース3b2の各側周囲に貫通して形成された各貫通穴3b11,3b21を介して、第1固定部4a2および第2固定部4b2に形成された固定穴4a21および4b21にピン7を挿通することにより、第1減速機3a1および第2減速機3a2をモータ2へ固定する場合について、説明した。しかし、第1減速機3a1および第2減速機3a2のモータ2への固定は、各貫通穴3b11,3b21および各固定穴4a21,4b21にピン7を挿通する構成に限定されることはなく、雌ネジと雄ネジ等で固定するような他の固定法によって構成してもよい。
【0085】
また、上記実施形態および上記変形例によるギヤドモータ1は、第1変速機取り付け部材4a,4a’および第2変速機取り付け部材4b,4b’が同一の部品によって構成されるため、ギヤドモータ1を構成する部品の種類が低減される。したがって、部品管理が容易になり、また、ギヤドモータ1の組み立て時に部品を取り違えたりすることを防ぐことができる。その結果、ギヤドモータ1の製品コストを抑制することに資することができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
上記の実施形態では、ギヤドモータに備える変速機が減速機である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変速機が増速機であってもよい。また、減速機の減速機構も不思議遊星歯車機構である必要はなく、他の減速機構であってもよい。これらの構成よっても、上記の実施形態と同様な作用効果が奏される。また、本発明のギヤドモータの適用は、電動ブラインドの駆動装置に限定されるものではなく、一対の出力軸が両端に設けられたモータの両側に変速機を備えて構成される他のギヤドモータにも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1…ギヤドモータ、2…モータ、2a…モータケース、2b1,2b2…モータ2の出力軸、2c…電極、2d1…第1軸受、2d2…第2軸受、3a1…第1減速機(変速機)、3a2…第2減速機(変速機)、3b1…第1ギヤケース、3b2…第2ギヤケース、3b11,3b21…貫通穴、3b12…第1切欠き部、3b22…第2切欠き部、3c1…第1減速機3a1の出力軸、3c2…第2減速機3a2の出力軸、3d1,3d2…取り付け用の雌ネジ孔、3e1,3e2…不思議遊星歯車機構、3f…入力側内歯車、3g…太陽歯車、3h…遊星歯車、3i…出力側内歯車、3j…キャリア、3k…キャリアピン、3l…ピン、3m…ワッシャ、3n…止め輪、4a,4a’…第1変速機取り付け部材、4b,4b’…第2変速機取り付け部材、4a1…第1台座部、4b1…第2台座部、4a11…取付穴、4b11…穴、4a12,4b12…センター穴、4a2…第1固定部、4b2…第2固定部、4a21,4b21…固定穴、4a3…第1内側連結部、4b3…第2内側連結部、4a31,4b31…雌ネジ、4a4…第1腕部、4b4…第2腕部、4a41…第1外側連結部、4b41…第2外側連結部、4a42,4b42…連結穴、5,6…ネジ、7…ピン、8…絶縁ディスク、8a…円板部、8b…ガイド、8c…芯出部、9…隙間
図1
図2
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図10