(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107170
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】音声登録プログラム
(51)【国際特許分類】
G10L 13/00 20060101AFI20230726BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
G10L13/00 100C
G08B21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008320
(22)【出願日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】312001937
【氏名又は名称】株式会社パトライト
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】宮▲辻▼ 陽平
(72)【発明者】
【氏名】小栗 眞央
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】吉川 貴之
【テーマコード(参考)】
5C086
【Fターム(参考)】
5C086AA34
5C086BA17
5C086DA02
5C086FA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザが音声データを簡単に変更する音声登録プログラム、音声登録方法、音声登録装置及び報知システムを提供する。
【解決手段】音声登録プログラムは、少なくとも1つの報知装置1に接続可能な音声登録装置2に、音声データ取得部203に音声データを取得するステップと、取得した音声データを再生司令部205により、報知装置1で再生させるステップと、音声データの報知装置1への登録を受け付けるステップと、を実行させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの報知装置に接続可能な音声登録装置のコンピュータに、
音声データを取得するステップと、
取得した前記音声データを前記報知装置で再生させるステップと、
前記音声データの前記報知装置への登録を受け付けるステップと、
を実行させる、音声登録プログラム。
【請求項2】
前記音声データを生成するためのテキストデータの入力を受け付けるステップをさらに備え、
前記音声データを取得するステップは、
テキストデータから音声データを生成する外部の音声データ生成部と接続するステップと、
受け付けた前記テキストデータを前記音声データ生成部に送信し、当該音声データ生成部で生成された前記音声データを取得するステップと、
を備えている、請求項1に記載の音声登録プログラム。
【請求項3】
前記テキストデータの入力の受け付け後、前記音声データの取得の指令を受け付けると、
前記音声データを取得するステップ、及び取得した前記音声データを前記報知装置で再生させるステップを実行させる、請求項2に記載の音声登録プログラム。
【請求項4】
前記音声データを取得するステップは、
複数の音声データが記憶された外部の音声データ記憶部と接続するステップと、
前記音声データ記憶部から前記音声データを取得するステップと、
を備えている、請求項1に記載の音声登録プログラム。
【請求項5】
前記登録に先立って、取得された前記音声データを前記報知装置に仮登録するステップをさらに備え、
前記音声データを前記報知装置で再生させるステップでは、前記報知装置に仮登録された前記音声データを、前記報知装置で再生させるように構成され、
前記音声データの再生後に、再生された前記音声データの前記登録の受け付け、または前記登録のキャンセルの受け付けを行う、請求項1から4のいずれかに記載の音声登録プログラム。
【請求項6】
登録されている前記音声データに代わって新たな前記音声データを登録する場合、前記新たな音声データを、登録されている前記音声データとは異なる領域に仮登録するように構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の音声登録プログラム。
【請求項7】
前記報知装置の少なくとも1つは、前記音声データを登録可能な複数の再生チャンネルを有し、
前記音声データの取得に先立って、前記音声データを登録する前記再生チャンネルの選択を受け付けるステップをさらに備えている、請求項1から6のいずれかに記載の音声登録プログラム。
【請求項8】
少なくとも1つの報知装置に音声データを登録する音声登録方法であって、
音声データを取得するステップと、
取得した前記音声データを前記報知装置で再生させるステップと、
前記音声データの前記報知装置への登録を受け付けるステップと、
を備えている、音声登録方法。
【請求項9】
少なくとも1つの報知装置に接続可能な音声登録装置であって、
音声データを取得する音声データ取得部と、
取得した前記音声データを前記報知装置で再生させる再生指令部と、
前記音声データの前記報知装置への登録を受け付ける登録部と、
を備えている、音声登録装置。
【請求項10】
請求項1から7のいずれかに記載の音声登録プログラムが記憶された記憶媒体と、
前記音声登録装置と接続可能な前記報知装置と、
を備えている、報知システム。
【請求項11】
請求項9に記載の音声登録装置と、
前記音声登録装置と接続可能な前記報知装置と、
を備えている、報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声登録プログラム、音声登録方法、音声登録装置、及び報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生産機械などの設備に異常が発生したとき、その異常を音声により報知する報知装置が提案されている(例えば、特許文献1)。このような報知装置では、制御回路への入力信号に応じて、予めROMに登録されている音声データを読み出し、これをスピーカから出力するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の報知装置では、予め音声データが登録されているため、ユーザが音声データを変更することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ユーザが音声データを簡単に変更することができる、音声登録プログラム、音声登録方法、音声登録装置、及び報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る音声登録プログラムは、少なくとも1つの報知装置に接続可能な音声登録装置のコンピュータに、音声データを取得するステップと、取得した前記音声データを前記報知装置で再生させるステップと、前記音声データの前記報知装置への登録を受け付けるステップと、を実行させる。
【0007】
上記音声登録プログラムは、前記音声データを生成するためのテキストデータの入力を受け付けるステップをさらに備え、前記音声データを取得するステップは、テキストデータから音声データを生成する外部の音声データ生成部と接続するステップと、受け付けた前記テキストデータを前記音声データ生成部に送信し、当該音声データ生成部で生成された前記音声データを取得するステップと、を備えることができる。
【0008】
上記音声登録プログラムは、前記テキストデータの入力の受け付け後、前記音声データの取得の指令を受け付けると、前記音声データを取得するステップ、及び取得した前記音声データを前記報知装置で再生させるステップを実行させることができる。
【0009】
上記音声登録プログラムにおいて、前記音声データを取得するステップは、複数の音声データが記憶された外部の音声データ記憶部と接続するステップと、前記音声データ記憶部から前記音声データを取得するステップと、を備えることができる。
【0010】
上記音声登録プログラムは、前記登録に先立って、取得された前記音声データを前記報知装置に仮登録するステップをさらに備え、前記音声データを前記報知装置で再生させるステップでは、前記報知装置に仮登録された前記音声データを、前記報知装置で再生させるように構成され、前記音声データの再生後に、再生された前記音声データの前記登録の受け付け、または前記登録のキャンセルの受け付けを行うように構成することができる。
【0011】
上記音声登録プログラムにおいて、登録されている前記音声データに代わって新たな前記音声データを登録する場合には、前記新たな音声データを、登録されている前記音声データとは異なる領域に仮登録するように構成することができる。
【0012】
上記音声登録プログラムにおいて、前記報知装置の少なくとも1つは、前記音声データを登録可能な複数の再生チャンネルを有し、前記音声データの取得に先立って、前記音声データを登録する前記再生チャンネルの選択を受け付けるステップをさらに備えることができる。
【0013】
本発明に係る音声登録方法は、少なくとも1つの報知装置に音声データを登録する音声登録方法であって、音声データを取得するステップと、取得した前記音声データを前記報知装置で再生させるステップと、前記音声データの前記報知装置への登録を受け付けるステップと、を備えている。
【0014】
本発明に係る音声登録装置は、少なくとも1つの報知装置に接続可能な音声登録装置であって、音声データを取得する音声データ取得部と、取得した前記音声データを前記報知装置で再生させる再生指令部と、前記音声データの前記報知装置への登録を受け付ける登録部と、を備えている。
【0015】
本発明に係る第1の報知システムは、上述したいずれかの音声登録プログラムが記憶された記憶媒体と、前記音声登録装置と接続可能な前記報知装置と、を備えている。
【0016】
本発明に係る第2の報知システムは、上述した音声登録装置と、前記音声登録装置と接続可能な前記報知装置と、を備えている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、状態を報知するための種々の音声を簡易に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る報知システムの構成例である。
【
図2】報知装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【
図3】音声登録装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【
図4】音声登録装置のソフトウエア構成を示すブロック図である。
【
図5】音声登録装置による登録画面の一例を示す概略図である。
【
図6】音声登録装置の起動時の動作を示すフローチャートである。
【
図7】音声登録装置による音声データの仮登録の処理を示すフローチャートである。
【
図8】音声登録装置による音声データの本登録の処理を示すフローチャートである。
【
図9】音声登録装置による音声データの再生の処理を示すフローチャートである。
【
図10】音声登録装置による音声データの本登録の処理の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る報知システムの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、報知システムの構成例であり、少なくとも1つの報知装置1と、報知装置1に接続される音声登録装置2と、を備えている。報知装置1には設備3が接続され、設備3から送信される音声制御信号により、各種の音声が出力される。音声登録装置2には、ネットワーク7を介してTTS(Text-to-Speech)サービス4が接続されている。以下、各構成について、詳細に説明する。
【0020】
<1.ハードウエア構成>
<1-1.報知装置>
図2は、報知装置1のハードウエア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、報知装置1は、制御部11、記憶部12、スピーカ13、通信インタフェース14、及び外部インタフェース15、が内蔵されている。なお、
図2では、通信インタフェース14を「通信I/F」と、外部インタフェース15を「外部I/F」と記載している。この点は、後述する
図3においても同様である。
【0021】
図2に示すように、制御部11は、CPU、RAM、ROM等を含み、プログラム及びデータに基づいて各種情報処理を実行するように構成される。記憶部12は、例えば、HDD、SDD等の補助記憶装置で構成され、音声を再生するための再生プログラム121、登録された音声データ122、登録された音声データ122に対応するテキストデータ123、仮登録された音声データ124、報知装置1を駆動するための種々のデータ125を記憶する。再生プログラム121は、設備3から送信される音声制御信号により、登録された音声データ122を再生して音声を出力するためのプログラムである。本実施形態の記憶部12には、最大で4つの音声データ122を記憶できるようになっている。但し、記憶できる音声データ122の上限は特には限定されず、例えば、報知装置1の種類に応じて適宜設定することができる。なお、音声データ122、仮音声データ124は、例えば、mp3,wav等のフォーマットで生成された、音声を再生するためのデータである。以下では、記憶部12において音声データ124が記憶される領域を再生チャンネルと称することがある。
【0022】
スピーカ13は、公知のスピーカで構成され、音声データ122、124を再生することで音声を出力する。
【0023】
通信インタフェース14は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線又は無線通信を行うためのインタフェースである。すなわち、通信インタフェース14は、所定の通信プロトコルにしたがって、有線または無線のネットワークを介して音声登録装置2との間で各種データの送受信を行う。
【0024】
外部インタフェース15は、外部装置と接続するためのインタフェースであり、接続する外部装置に応じて適宜構成される。本実施形態では、この外部インタフェース15に設備3が接続される。設備3は、例えば、生産設備、プリンタ、サーバー、ネットワークカメラ、防災システム、防犯システム、入退室システム、環境監視システム、受発注システム等の音声によって状態の変化、あるいは何らかのイベント(例えば、障害や異常など)の発生などの報知を行う各種の装置とすることができる。そして、これら設備3から音声制御信号が外部インタフェース15を介して報知装置1に入力されると、制御部11によって実施される再生プログラム121により、スピーカ13から音声が出力される。
【0025】
<1-2.音声登録装置>
図3は、音声登録装置2のハードウエア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、音声登録装置2は、制御部21、記憶部22、通信インタフェース23、及び外部インタフェース24、が内蔵されている。
【0026】
図3に示すように、制御部21は、CPU、RAM、ROM等を含み、プログラム及びデータに基づいて各種情報処理を実行するように構成される。記憶部22は、例えば、HDD、SDD等の補助記憶装置で構成され、音声データを報知装置1に登録するための音声登録プログラム221、報知装置1に登録されたデータに関する登録関連データ222、音声登録装置2を駆動するための種々のデータ223を記憶する。このデータ223には、例えば、後述する
図5に示す登録画面に関するデータなどが含まれる。
【0027】
通信インタフェース23は、報知装置1と概ね同じであり、所定の通信プロトコルにしたがって、有線または無線のネットワークを介して報知装置1との間で各種データの送受信を行う。また、この通信インタフェース23には、インターネットなどのネットワークを介して外部のTTSサービス4と接続される。
【0028】
TTSサービスは、テキストデータを送信すると、TTS技術によりテキストデータから音声データを生成するネットワーク上の公知のサービスである。すなわち、公知のTTS機能が実装された装置により提供されるサービスである。但し、インターネット上のサービスでなくてもよく、テキストデータが入力されると(あるいは受信すると)、TTS技術により音声データを生成するような装置が音声登録装置2に接続されていてもよい。
【0029】
外部インタフェース24も、報知装置1と概ね同じであるが、外部インタフェース24には、ディスプレイ等の表示装置61及びキーボード等の入力装置62等が接続される。あるいは、タッチパネルディスプレイのような入力と表示が可能な装置を接続することもできる。その他、プリンタなどの各種の外部装置を接続することができる。
【0030】
なお、音声登録装置2の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部21は、複数のプロセッサを含んでもよい。また、制御部21は、FPGAにより構成されてもよい。記憶部22は、制御部21に含まれるRAM及びROMにより構成されてもよい。
【0031】
<2.音声登録装置のソフトウエア構成>
次に、音声登録装置2のソフトウエア構成について説明する。
図4は、音声登録装置のソフトウエア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、音声登録装置2の制御部21は、記憶部22に記憶された音声登録プログラム221をRAMに展開すると、その音声登録プログラム221をCPUにより解釈及び実行して、表示制御部201、テキストデータ取得部202、音声データ取得部203、登録部204、及び再生指令部205を備えたコンピュータとして機能する。
【0032】
表示制御部201は、表示装置61に、
図5に示す登録画面8を表示する機能を有する。その他、表示装置61の表示を制御するための各種の機能を有する。登録画面8については後述する。
【0033】
テキストデータ取得部202は、キーボード、タッチパネル等の入力装置62から入力されたテキストデータを取得する。取得したテキストデータは、記憶部22またはRAMに記憶される。
【0034】
音声データ取得部203は、取得したテキストデータをTTSサービス4に送信し、生成された音声データを取得する。
【0035】
登録部204は、取得した音声データを報知装置1に仮登録、あるいは本登録させる。これにより、音声データは、報知装置1の記憶部12に記憶される。また、登録部204は、本登録された音声データに対応するテキストデータを報知装置1に登録させる機能も有する。これにより、テキストデータは、報知装置1の記憶部12に記憶される。また、登録部204は、音声データを登録すべき報知装置1の再生チャンネルの選択を行う機能も有する。
【0036】
再生指令部205は、報知装置1に仮登録された音声データを再生させる機能を有する。つまり、再生指令部205は、報知装置1に対して音声データの再生指令を行い、これに基づいて、報知装置1は、音声データの再生を行い、音声をスピーカ13から出力する。
【0037】
<3.音声データの登録方法>
次に、上記のように構成された音声登録装置2による報知装置1への音声データの登録方法について、
図5の登録画面、
図6及び
図7のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0038】
まず、登録画面8について説明する。
図5に示すように、この登録画面8では、4つの音声データを登録できるようになっている。上記のように、報知装置1には、4つの再生チャンネルCH1~CH4が準備され、最大4つの音声データが登録されるようになっている。
図5の例では、4つの再生チャンネルCH1~CH4のうちの3つに音声データが登録されていることが示されている。すなわち、CH1~CH3に対応する登録済みメッセージのボックス81には、それぞれ「異常が発生しました」、「回転ライン復旧しました」、「ピポパピパピポパピパ」との音声データに対応する文字が表示されている。一方、CH4のボックス81はブランクになっているため、音声データが登録されていない。
【0039】
ここでは、CH1に登録された音声データを書き換える例について説明する。書き換えを行う場合には、書き換えボタン82をタッチまたはクリック(以下、まとめてタッチと称する)し、これがONになると、書き換え処理が可能となる。この状態で、登録したいメッセージのボックス83には、入力装置62から音声データに対応するテキストを入力するようになっている。
【0040】
音声再生指令を実行するための実行ボタン84をタッチすると、登録部204によって音声データが報知装置1に送信され、仮登録されるようになっている。これとともに、再生指令部205によって報知装置1に仮登録された音声データを再生させるようになっている。登録ボタン85をタッチすると、仮登録された音声データが本登録される。一方、キャンセルボタン86をタッチすると、本登録がキャンセルされ、仮登録された音声データが削除される。
【0041】
次に、
図6のフローチャートを参照しつつ、音声登録装置2の起動時の動作について説明する。まず、音声登録装置2が起動すると、報知装置1及びTTSサービス4に接続されるとともに(S11)、報知装置1内のデータ(登録関連データ)の読み込みを行う(S12)。これにより、再生チャンネルCH1~CH4の登録状況が認識される。その後、この登録状況を反映した登録画面8を表示装置61に表示する(S13)。続いて、音声データの仮登録処理を行う(S14)。
【0042】
続いて、
図7のフローチャートを参照しつつ、CH1の再生チャンネルにおいて、音声データを仮登録する処理について説明する。まず、登録画面8において、CH1の書き換えボタン82をタッチした後、ボックス83に、登録したいテキストデータ、つまり「換気をしてください」を入力し(S21)、実行ボタン84をタッチする。これにより、音声データ取得部203は、入力されたテキストデータをTTSサービス4に送信し、音声データの生成要求を行う(S22)。これに対して、TTSサービス4は、送信されたテキストデータに対応する音声データを生成し(S23)、これを音声登録装置2に送信する(S24)。
【0043】
音声登録装置2の登録部204は、取得した音声データを報知装置1に送信し、仮登録の指令を行う(S25)。これに対して、報知装置1は、音声データを仮登録するとともに(S26)、仮登録の完了通知を音声登録装置2に送信する(S27)。これを受けて、音声登録装置2の再生指令部205は、報知装置1に対して、仮登録した音声データを再生する指令を送信する(S28)。これに対して、報知装置1は、仮登録された音声データを再生し、スピーカ13から音声を出力する(S29)。
【0044】
次に、
図8のフローチャートを参照しつつ、CH1の再生チャンネルにおいて、音声データを本登録する処理について説明する。まず、利用者が再生された音声を聞き、問題があれば(S31のNO)、登録画面8のキャンセルボタン86をタッチする。これにより、登録部204は、報知装置1に対して仮登録された音声データの消去指令を行う(S32)。これに対して、報知装置1は、仮登録された音声データを消去する(S33)。その後、音声データを登録したい場合には(S41のYES)、
図7に示す処理を行い(S42)、さらなる登録が不要である場合には(S41のNO)、処理を終了する。
【0045】
一方、再生された音声に問題がなければ(S31のYES)、登録ボタン85をタッチする(S34)。これにより、登録部204は、報知装置1に対して音声データの本登録指令を行う(S35)。指令を受けた報知装置1は、仮登録されていた音声データを本登録する。つまり、記憶部12の再生チャンネルCH1を上書きし、「換気をしてください」に対応する音声データが記憶される。これにより、「異常が発生しました」に対応する音声データが消去される。また、仮登録の領域に記憶されていた「換気をしてください」に対応する音声データも消去される。
【0046】
報知装置1が、本登録の完了通知を音声登録装置2に送信する(S36)と、音声登録装置2は、登録された音声データに対応する「換気をしてください」とのテキストデータを報知装置1に送信する(S37)。報知装置1は、受信したテキストデータを音声データと関連付けて記憶するとともに(S38)、その完了通知を音声登録装置2に送信する(S39)。音声登録装置2は、この完了通知を受信後、テキストデータの登録完了の表示を登録画面8において行う(S40)。
【0047】
そして、さらに音声データを登録したい場合には(S41のYES)、
図7に示す処理を行い(S41)、さらなる登録が不要である場合には(S41のNO)、処理を終了する。
【0048】
<4.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
(1)報知装置1に音声データを登録したい場合には、登録画面8においてテキストデータの入力を行った後、実行ボタン84をタッチするだけで、音声データの生成、及び生成された音声データによる音声の再生を行うことができる。このとき、音声の再生は、報知装置1で行われるため、実際に出力される音声を確認することができる。そして、音声に問題がない場合、登録ボタン85をタッチすれば登録が可能となる。したがって、音声データの登録を簡単な操作で行うことができる。また、外部から入手した音声データであっても、音声の確認及び登録を簡単に行うことができる。
【0049】
(2)既に登録されている音声データに代えて、新たな音声データを登録したい場合には、新たな音声データは、仮登録された上で、再生が行われる。したがって、新たな音声データの確認が行われるまでは登録されている音声データは消去されないため、音声データが誤って消去されるのを防止することができる。
【0050】
<5.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下に説明する変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0051】
<5-1>
上記実施形態では、音声データの生成後、報知装置1に仮登録を行った後に音声の再生を行っているが、仮登録を行わずに、音声を再生することもできる。例えば、
図9に示すように、音声登録装置2がTTSサービス4から音声データを取得した後、音声登録装置2が音声データを報知装置1に送信すると(S55)、仮登録することなく、音声データの再生を行うようにすることもできる(S56)。すなわち、報知装置1に音声データのストリーミング再生を行わせることができる。その他のテキストデータの入力などの処理は、
図7と同じであるため、説明を省略する。
【0052】
この場合、本登録は、
図10のように行われる。すなわち、再生された音声に問題がない場合には(S61のYES)、登録ボタン85をタッチして音声データの本登録を行う。一方、再生された音声に問題がある場合には(S61のNO)、キャンセルボタン86をタッチすれば、ストリーミング再生に使用された音声データは消去される。その他の処理は、
図8と同じであるため、説明を省略する。
【0053】
<5-2>
報知装置1において、既に登録されている音声データに代えて、新たな音声データを登録したい場合には、登録されている音声データを記憶部12の他の領域に記憶した上で、新たな音声データの登録を行うこともできる。そして、本登録が確定した後に、他の領域に記憶した音声データを消去することができる。こうすることで、既に登録されている音声データが誤って消去されるのを防止することができる。
【0054】
<5-3>
上記実施形態では、TTSサービスを用いて、音声データを取得しているが、音声データの取得方法はこれに限定されない。例えば、各種の音声データが記憶された音声データライブラリ(音声データ記憶部)から所望の音声データをダウンロードすることができる。このような音声データライブラリは、ネットワーク上にある公知のものを利用することができる。あるいは、種々の音声データが記憶されている装置(音声データ記憶部)が音声登録装置2に接続されてもよい。この場合、登録画面8から音声データライブラリにアクセスし、音声データのダウンロードが完了した後、実行ボタン84をタッチすれば、音声の再生を行うことができる。また、実行ボタン84をタッチすることなく、ダウンロードの完了とともに、音声の再生指令を送信することもできる。
【0055】
<5-4>
音声登録装置2は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置、汎用のデスクトップPC、タブレットPC等であってもよい。したがって、
図3で示した音声登録装置は一例であり、適宜変更することができる。
【0056】
<5-5>
上記実施形態では、実行ボタン84をタッチするだけで、音声データの生成、及び生成された音声データによる音声の再生を行うように構成しているが、TTSサービス等を利用した音声データの取得と、取得した音声データを報知装置1で再生させる再生指令を、分けて行うこともできる。例えば、音声データの取得後、所望のタイミングで、音声データを報知装置1で再生させることができる。
【0057】
<5-6>
報知装置1の構成は特には限定されず、音声登録装置2との通信機能を有し、音声データの書き込みが可能な報知装置全般に適用することができる。また、通信機能を有さない報知装置であっても、通信機能を事後的に設ければ、本発明が対象とする報知システムとして利用することができる。また、本発明が対象とする報知システムは、音声登録装置ではなく、上述した音声登録プログラムが記憶された記憶媒体と、報知装置の組み合わせも含むものとする。
【符号の説明】
【0058】
1 報知装置
2 音声登録装置
221 音声登録プログラム